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Transcription:

柏崎刈羽原子力発電所 6 7 号機における自主的な安全対策の取り組みについて 平成 27 年 3 月 12 日東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所

主な自主的な安全対策の項目 電源強化 ガスタービン発電機の遠隔操作化 緊急用電源盤からの複数の非常用母線への接続 炉心損傷防止 高圧代替注水系の設置 主蒸気逃がし安全弁の操作手段の強化 外部からの原子炉注水ラインの追加設置 復水貯蔵槽補給ラインの追加設置 炉心損傷後の影響緩和 地下式フィルタベントの設置 原子炉格納容器の貫通部の気密性の確保 可燃性ガス濃度制御系再結合装置の追加配備 その他 無線設備の耐震強化 新たに大湊側緊急時対策所 ( 仮称 ) の設置についても 検討を進めております なお これらの項目については自主的な取り組みとして実施しているものですが 現在 並行して新規制基準の適合性について審査を受けており その扱いについては 審査の状況に準ずることとなります 1

< 電源対策 > ガスタービン発電機の遠隔操作化 対応 工事中 1. 目的 全交流電源が喪失した場合のバックアップ電源であるガスタービン発電機 ( 以下 GTG) からの電源供給時間短縮を目的とし 現状の屋外現場での手動操作に加え 中央制御室からGTG 起動及び緊急用電源盤の操作が遠隔でできるようにする 2. 設備概要 GTG 緊急用電源盤の遠隔操作が行えるように 中央制御室に制御盤を新設する 遠隔操作の統括指示 監視が行えるように 免震重要棟に GTG 監視装置を新設する 免震重要棟 GTG 監視装置 GTG 制御盤 中央制御室 監視 1~7 号機中央制御室から監視 1 号機中央制御室からの遠隔操作 GTG 2

子炉< 電源対策 > 緊急用電源盤からの複数の非常用母線への接続 1. 目的 全交流電源が喪失した際に稼働できる冷却設備を増やすことで更なる安全性向上を図るため 緊急用電源盤からの常設ケーブルを発電所構内へ複数敷設する 完了 複数の非常用母線へ接続 1~4 号機側の高台 GTG GTG GTG 7 号機非常用電源 (D 系 ) 7 号機非常用電源 (C 系 ) 6 号機非常用電源 (D 系 ) 6 号機非常用電源 (C 系 ) D/G 非常用炉心冷却系 (B 系 ) D/G 非常用炉心冷却系 (A 系 ) D/G 非常用炉心冷却系 (B 系 ) D/G 非常用炉心冷却系 (A 系 ) 容器水源より水源より原炉非常用炉心冷却系 7 号機原子炉建屋原圧力子6 号機原子炉建屋原ポンプ (B) 等 非常用炉心冷却系ポンプ (A) 等 ポンプ (B) 等 圧力容原子炉子器非常用炉心冷却系ポンプ (A) 等 3 炉非常用炉心冷却系

< 炉心損傷防止 > 高圧代替注水系の設置 2. 設備概要 RCIC よりも運転時の消費電力が少ない ( グランドシール装置不要 ポンプ運転の電気制御不要 潤滑油 装置不要なため ) ので 稼働時間を長くすることが可能 外観イメージ図 対応 工事中 1. 目的全交流電源喪失時に原子炉隔離時冷却系 ( 以下 RCIC) が起動できなかった場合 または継続運転できなかった場合のバックアップとして 蒸気駆動の高圧代替注水系 ( 以下 HPAC) を設置する 原子炉 蒸気の流れ 約 1,300mm 圧力容器 冷却水の流れ HPAC 約 1,800mm 約 1,100mm 圧力抑制室 RCIC タービン ポンプ 復水貯蔵槽 タービン ポンプ 原子炉格納容器側 原子炉建屋側 原子炉隔離時冷却系何らかの原因により 通常の原子炉給水系が使用不可となり 原子炉水位が低下した場合等において 原子炉の蒸気を駆動源にしてポンプを回し 原子炉の水位確保および炉心の冷却を行う系統 4

子炉動作しない原< 炉心損傷防止 > 主蒸気逃がし安全弁の操作手段の強化 設計中 1. 目的主蒸気逃がし安全弁 (SRV) を確実に開操作できるよう 操作に必要なバックアップ直流電源 ( 予備蓄電池 ) や加圧装置 ( 予備ボンベ 仮設コンプレッサー ) を配備した それらの設備などが使用できない場合でも SRV を開操作できるようにするため 更に SRV の駆動ライン ( 窒素ボンベ駆動 ) を追加で設置する 圧力抑制室へ 主蒸気逃がし安全弁 通常状態 直流電源または 予備蓄電池により駆動電磁弁 原子炉圧力容器より 窒素ガス供給系 予備ボンベ 仮設コンプレッサーのいずれかで加圧 圧力抑制室へ 動作状態 主蒸気逃がし安全弁 原子炉圧力容器より 電磁弁 主蒸気逃がし安全弁の開動作 1 電磁弁の動作 2 電磁弁動作によるガス圧の供給 3ガス圧の供給による主蒸気逃がし安全弁の動作 主蒸気逃がし安全弁 電磁弁 自圧式切替弁 格納容器内側外側 主蒸気逃がし安全弁 電磁弁 圧力抑制室へ 圧力容器原子炉格納容器主蒸気逃がし安全弁 電磁弁より 主蒸気配管 格納容器内へ 格納容器内へ 窒素ガス供給系 予備ボンベ 仮設コンプレッサーのいずれかで加圧 弁と配管を追加で設置 電磁弁が 自圧式切替弁 内側 格納容器 外側 ボンベによる開操作が可能 圧力抑制室へ 原子炉圧力容器より 窒素ガス供給系 予備ボンベ 仮設コンプレッサーのいずれかで加圧 窒素ボンベ 原子炉圧力容器より 窒素ガス供給系予備ボンベ仮設コンプレッサーより 窒素ガスを供給することで 主蒸気逃がし安全弁を駆動させることが可能 窒素ボンベ 5

< 炉心損傷防止 > 外部からの原子炉注水ラインの追加設置 対応 工事中 1. 目的全ての電源が喪失し 非常用炉心冷却系設備等が使用できなくなった場合においても 建屋外部から消防車 等による原子炉への注水が行えるよう接続口を設置しているが 更なる安全性の向上を目指し 操作員による建屋内操作が不要な外部からの注水配管を2ライン追設する 対策前原子炉建屋内 ( 管理区域 ) に接続箇所がある 格納容器原子炉圧力容器原子炉 2. 系統概略図建屋ポンプ器消防車 貯水池または海 対策後注水配管を 2 ライン新たに設置 格納容器原子炉圧力容原子炉 ポンプ 接続口の設置例 建屋 消防車 貯水池または海 ポンプ 復水貯蔵槽 ポンプ 復水貯蔵槽 6

< 炉心損傷防止 > 復水貯蔵槽補給ラインの追加設置 設計中 1. 目的非常用炉心冷却系設備及び代替注水系の水源である復水貯蔵槽への補給の信頼性向上を図るため 屋外から の補給ライン ( 接続口 配管 ) を追加で設置する 2. 系統概略図 対策内容従来からある復水貯蔵槽への注水配管 ( 黒色 ) に加えて による注水ライン ( 青色 ) の設置を行っている 更なる対策として 赤色の注水配管を設置し 緊急時の復水貯蔵槽への注水手段の多様化を図る 廃棄物処理建屋 純水タンク 復水貯蔵槽 7

子炉圧ウェル原力容器< 炉心損傷後の影響緩和 > 地下式フィルタベントの設置 1. 目的 排気口 原子炉建屋 排気口 主排気筒 設計中 自主的な安全性向上の取り組みとして フィルタベント ( 地上式 ) と同等の仕様のフィルタベント ( 地下式 ) を追加設置する 伸縮継手 伸縮継手 地上式フィルタベント設備 格納容器 フィルタ装置 地下式フィルタベント設備 フィルタ装置 ドライ 基礎 サプレッション チェンバ 支持地盤 基礎 8

< 炉心損傷後の影響緩和 > 原子炉格納容器の貫通部の気密性の確保 設計中 1. 目的 原子炉格納容器のうち 貫通部 ( 原子炉格納容器頂部など ) のシール性能を向上させることで 原子炉格納容器の気密性の更なる向上を図る 2. 概要 原子炉格納容器頂部およびハッチ類 のシール性能向上現行のシール材 ( シリコンゴム ) が 高温蒸気で劣化する傾向があるため 事故時の耐熱性に優れた改良 EPDM( エチレンプロピレンゴム ) 製シール材に変更するが 更なる対策として バックアップシール材を塗布することで シール性能を向上させる 原子炉格納容器頂部 ハッチ類 ( 機器搬入口 ) 9

格納容器原子炉圧力容器< 炉心損傷後の影響緩和 > 可燃性ガス濃度制御系再結合装置の追加配備 1. 目的事故時の炉心損傷後の影響緩和の更なる対策として 可燃性ガス濃度制御系再結合装置は 6/7 号機で共用 している可搬式再結合装置に加えて追加で再結合装置を配備する 対応 工事中 2. 系統概略図追加配備 3. 変更内容 原子炉 再結合装置 再結合装置 これまでの構成 再結合装置 2 台を 6/7 号機で共用 当該設備を使用する際は 隣接号機から運搬し 据え付けて使用 新たな構成 再結合装置 2 台を 6/7 号機で共用 新たに 2 台を追加配備 原子炉格納容器内で発生した水素と酸素を再結合装置にて水に処理 10

< その他 > 無線設備の耐震強化 対応 工事中 1. 目的 発電所構内に設置されている通信設備の信頼性を向上させるため 無線鉄塔を基準地震動 Ssに耐えられるよう耐震強化を行うと共に 南東向きのパラボラアンテナの移設を行う 耐震強化前 耐震強化後 南東向き 移設 南向き 上部撤去 南東向き 約 100m 南向き 鉄塔補強 約 135m 無線局舎 移設 約 50m 無線局舎 無線局舎 既存の無線鉄塔 基礎補強 既存の無線鉄塔 1/2 号機の排気筒 既存の無線鉄塔に 南東向きと南向きのパラボラアンテナが設置されていた 南向のパラボラアンテナを低い位置に移設既存の無線鉄塔の基礎を補強南東向のパラボラアンテナを 1/2 号機排気筒に移設既存の無線鉄塔の上部を撤去既存の無線鉄塔を補強 11