平成 2 8 年度事業計画書 ( 案 ) 自平成 28 年 4 月 1 日 至平成 29 年 3 月 31 日 Ⅰ 概況と基本方針 1. 平成 27 年度の国内経済は 企業収益の改善を雇用環境の改善や所得の増加につなげ さらに消費や設備投資の拡大に結び付け 経済の好循環 を図るアベノミクスも 中国経済の減速 原油価格の下落や世界経済の不透明感等から 期待に反して力強さに欠けたものであった 平成 28 年度は 雇用 所得環境が改善し 経済の好循環が更に進展するとともに 交易条件が緩やかに改善する中で 堅調な民間需要に支えられ また 平成 29 年 4 月からの消費税率引上げに伴う駈込み需要も加わって需給も引き締まり景気回復が期待される一方で 中国を始めとする新興国等の景気の下振れ 地政学的な不確実性等によりリスクも増すおそれがあり 不透明感は払拭できない 2. 簡易ガス事業にあっては 人口の減少や少子高齢化 他エネルギーとの競合等により 引き続き構造的に厳しい環境下にある このような中 平成 29 年 4 月から ガス小売が全面自由化されることになっており 今後 経営の自由度が高まる一方で 競争も厳しさを増していくものと見込まれる 3. 協会としては ガス事業制度の変革期を迎え 新たなガス事業制度への円滑な移行に向けて重要な1 年と位置付け 所要の対応を図るとともに 会員事業者のお客様からの信頼の確保とコミュニティーガスの発展に資する支援に努めることを基本方針とする Ⅱ 事業の概要 上記の基本認識のもと 平成 28 年度においては 以下の諸事業を実施する 1. ガスシステム改革への対応 (1) 新たなガス事業の詳細制度の内容及び具体的な手続き等について 会員事業者への周知を図る 1 新たなガス事業の詳細制度や具体的な手続き等に関する説明資料を作成する 2 支部別に説明会等を開催する等により 新たなガス事業制度の詳細について会員事業者への周知を図る 3 保安規制の見直しに伴う解説書 モデル規程等の作成 改訂を実施し 会員事業者の新制度へのスムーズな移行を支援する (2) 小売全面自由化を見据え 継続してお客様に選ばれる事業者となるためのあり方につ - 1 -
いて検討する 1 自由化後の旧簡易ガス事業者の料金等の透明性の確保等について 料金 WGにて検討する 2 自由化による市場環境の変化等について 必要に応じ専門機関に委託して調査するとともに 会員事業者に情報提供し啓発を図る 2. ガス事故防止対策 (1) 継続した事故防止対策ガス事業法改正による修正点も含め ガス安全高度化計画に示された諸対策等の確実な実施について 保安講習会や保安関係諸運動を通して周知 啓発を行うとともに 以下のような事故の撲滅に向けて 保安の確保に努めるよう会員事業者に引き続き啓発する また 引き続き事故事例研究を行い その内容を会員事業者へ情報提供し 事故の再発防止を図る さらに ガス事故防止全般に関し 関係団体と連携し 効果的な広報活動に努める 1 特定製造所内でのヒューマンエラーに起因する供給支障事故の防止対策ガス安全高度化計画に示された 作業ミスの低減に重点を置いた教育 訓練 について 実習も含め実効性のある保安教育を行うよう会員事業者に引き続き啓発する 特に 供給支障事故の原因の多くを占めている配送委託者 受託者間の相互確認ミスの再発防止については 自社のみならず委託先の従業員も含めた特定製造所等の現場での訓練を徹底する等 実践的な教育訓練の実施も引き続き事業者に要請する 2 他社工事に絡む事故防止対策引き続き 会員事業者には 保安規程に定める 他工事協議巡回立会要領 に基づく事前協議 工事照会等の徹底を要請するとともに 工事事業者及びお客様に対し 効果的な事前通知に関する周知活動を継続して行うよう保安向上キャンペーン等を通じて要請する また 地方自治体に対し 工事許可の際 ガス事業者への連絡協議を行わせるよう指導を要請する 3 導管工事における事故防止対策酸欠事故の再発防止も含め 適切な工事管理 施工方法等を周知し 引き続き各事業者による保安教育の徹底を図るよう 他社工事に絡む事故防止対策と同様に 保安向上キャンペーン等を通じて要請する (2) 消費機器に係る事故防止対策 1 お客様宅におけるCO 中毒事故の防止対策不完全燃焼防止装置が付いていない湯沸器 風呂釜 金網ストーブ等について 安全型消費機器への取替えを引き続き要請するとともに 警報器類の設置促進を図る 2 風呂釜の異常着火事故の防止対策近年多発している風呂釜の異常着火事故の再発防止に対しては お客様への正しい - 2 -
使用方法の周知の確実な実施や最新型機器への取替え勧奨を要請する 特に 公営建物については 国と協調した経年管入替えに関する要請に併せて 機器取替えについても要請する 3 飲食店 旅館 ホテル等の業務用厨房機器に係る事故防止対策会員事業者には 業務講習会等を通して 飲食店 旅館 ホテル等のオーナーに対し ガス機器の安全使用 安全型機器への取替え及び警報器類の設置を勧めるよう啓発する 4 長期使用製品安全点検制度等の更なる周知消費生活用製品安全法に基づく消費機器の点検制度について 引き続き消費機器を販売するガス事業者に義務付けられている内容の周知を図る また ガス機器等の販売に当たっては 特定商取引法等を遵守して行うよう周知を図る 3. 保安関係諸運動の展開 (1) 保安点検検査推進運動 ( 運動期間 : 通年 ) 保安向上キャンペーン運動期間に重点を置いて ガス工作物の点検 検査体制の再点検及び自社 協力会社の従業員の保安教育 訓練実施について ポスター掲示等によるキャンペーンを行い 確実な保安点検検査の意識向上に努める (2) ガスと暮らしの安心 運動( 運動期間 :9 月から11 月まで ) ガスの需要期を前に経済産業省の後援のもと ガス展等を通して消費者に対し 1ガス機器の正しい使い方の周知 2 安全型機器の普及等 を図るべくポスター掲示 チラシ配布 説明会などによるキャンペーンを ( 一社 ) 日本ガス協会と協調して行う (3) ガス警報器等設置促進運動 ( 運動期間 : 通年 ) ガス警報器工業会と連携し 引き続き警報器全般 ( ガス警報器 CO 警報器及び火災警報器 ) の設置に関し ポスター掲示による消費者周知及び保安講習会等を通して ガス事業者への啓発を行い 普及促進に努める (4) 保安向上キャンペーン ( 運動期間 :6 月から8 月まで ) 供給部門における他社工事並びに自社工事に起因する事故の再発防止のため 工事事業者への事前通知の徹底 適切な自社導管工事の管理及び酸欠事故の再発防止を図るよう社内保安教育の徹底を保安講習会等を通して広く啓発し 保安の向上に努める 4. 経年管対策及びガス工作物の維持管理 (1) 経年埋設管の計画的改修 1 事業者資産の導管改修経年埋設管の改修は 既に相当程度に対策が進められ 残存する多くの経年管は大手 中堅事業者が保有しており 今後も一定の進捗が期待できるが 引き続き的確なリスク評価に基づく優先順位付けと 導管損傷の殆どがネジ継手部であった東日本大震災の教訓も踏まえ 耐震性をも考慮した計画的な改修を進めるよう促す - 3 -
2 お客様資産の内管改修 ⅰ) 経年埋設内管を抱えるお客様に対し 内管改修への理解と協力を得るべく チラシ等を用いてさらに粘り強く計画的に折衝するよう 各事業者に要請する ⅱ) 公営住宅に係る導管 ( 本支管 供内管 ) に関しては 地方自治体の厳しい財政状況下ではあるが 保安確保の立場から優先的に対策を推し進めるよう 国の支援も活用して地方自治体に要請 折衝するよう促す (2) ガス工作物の維持管理引き続き 保安規程に定めるガス工作物の巡視 点検 検査を適確に実施し ガス工作物が技術基準に適合するよう維持管理に努めるよう要請する 5. 防災体制の整備 充実 (1) 地震対策 1 ガス安全高度化計画における災害対策を踏まえた 簡易ガス事業地震防災対策マニュアル に基づき 保安レベルの向上に努めるよう引き続き会員事業者に周知する 2 特定製造所における感震自動ガス遮断装置の未設置事業者に対し これまで以上に加速して設置を進めるよう促す (2) 防災体制の整備と防災訓練の実施 1 過去の震災の教訓を踏まえ 自然災害に係るハザードマップに基づき 事業者 地域防災会 支部及び本部が一体となった防災体制の再確認を行うとともに 確実な連絡 通信手段の確保等 連絡体制の整備について 引き続き周知 要請する 2 会員事業者 地域防災会及び支部が一体となった防災訓練を実施する 実施にあたっては 引き続き 形式的なものとすることなく 段階的に錬度を上げる等 不測の災害発生に適切に対応できるよう啓発する 6. 料金制度等に関する対応経過措置料金規制が課される団地への対応として平成 29 年 4 月からの消費税の税率変更に伴う供給約款の変更の必要性を周知 ツールを公開する また 対象団地に応じた現実的な料金算定方法のあり方等について検討する 7. 経営基盤の強化 (1) 収益基盤の強化機器の省エネルギー化や消費者の省エネルギー志向により単位消費量は減少傾向にあり また先行する電力の小売自由化等によるエネルギー間の競争は益々激しくなることが予想されるため リフォーム関連事業への販売促進に繋がる支援を行いガス需要の確保を図る 1 関係団体と連携し ガス体エネルギーの魅力を訴えていくことは今後とも重要であり ウィズガスCLUB 等のコラボの活動に参画しオール電化対策への取組みを行う 2 キッチン バス売ります宣言 活動への参加会員の大幅増加を図るとともに 需 - 4 -
要開発セミナーへの参加を促進する (2) 関係団体と連携したガスの普及促進 1 LPガス関係団体と緊密な連携をとって 需要開発に繋がる取組みを行う 2 厨房 水周り機器だけでなく 空調 家庭用発電を含めた大型家庭用機器の普及 啓発による販売促進の支援を行う 8. 一体感ある協会運営と事務の効率化 (1) 事務局長会議 事務局職員研修会などを通じ 本支部間の連携を密にし 一体感のある協会運営を図る (2) 必要に応じ 機械システムの見直し等を行い 事務の効率化に努める 9. 関係団体との連携及び行政施策に対する協力 (1)( 一社 ) 全国 LPガス協会 日本 LPガス協会 ( 一社 ) 日本ガス協会 ( 一財 ) 日本ガス機器検査協会 高圧ガス保安協会 ( 一財 ) エルピーガス振興センター 日本ガス体エネルギー普及促進協議会等の関係団体の活動に委員を派遣する等 必要な連携協力を行う (2) 日本簡易ガス事業厚生年金基金解散により 新たに設立されたG&E 基金に対し 必要に応じその活動に協力する (3) 行政当局の施策やそれに伴う要請等に対処 協力し 会員事業者に対する周知や所要事項の調査等を実施する 10. 表彰等 (1) ガス保安功労者表彰の受賞候補者を選考し 経済産業省に推薦する (2) 協会活動を通じて顕著な功労のあった者等を対象として表彰を行う (3) 永年に亘り協会事務局の業務に精励した者を対象として表彰を行う 11. 広報活動とコミュニティーガスの定着 (1) 改正ガス事業制度等についてのタイムリーな情報の提供及び協会活動 PRのため 協会報 コミュニティーガスニュース を作成 配布する (2) 業界専門紙等に対し的確に情報提供する等 広くコミュニティーガス事業の魅力のアピールに努める (3) 改正ガス事業法の施行に伴い お客様に対する情報提供の観点から ホームページの一層の充実 協会パンフレットの刷新を行い コミュニティーガス の認知度の定着 向上を図る 以上 - 5 -