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目 次 1. 概要 2. 突風に関する分析結果 (1) 突風をもたらした現象の種類 (2) 強さ ( 藤田スケール ) (3) 被害範囲 3. 現地調査結果 (1) 被害地域図 (2) 被害状況分布図 (3) 被害写真 (4) 聞き取り資料 4. 気象状況 (1) 気象概況 (2) 天気図及び台 経

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また 台風 18 号が九州から北海道へ縦断した 17 日 18 日は 全国から 41,000 通以上の写真付きのウェザーリポートが寄せられ 各地の被害状況を詳細に把握することができました 記録的大雨となった大分県からは道路の損壊や大規模冠水のリポートが届き 断続的に強い雨が降った岩手県沿岸からは大規

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1. 天候の特徴 2013 年の夏は 全国で暑夏となりました 特に 西日本の夏平均気温平年差は +1.2 となり 統計を開始した 1946 年以降で最も高くなりました ( 表 1) 8 月上旬後半 ~ 中旬前半の高温ピーク時には 東 西日本太平洋側を中心に気温が著しく高くなりました ( 図 1) 特

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1 概要 9 月 29 日から 10 日 1 日にかけて 台風第 24 号の影響により 東京都では記録的な暴風となった所があった また 台風の北上に伴い活発となった前線や台風本体の雨雲の影響により大雨となった このため 強風による人的被害や建物等の被害があったほか 鉄道の運休や航空機の欠航 広域の停

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火山ガスの状況 ( 図 8-5 図 9-4) 10 月 2 日 9 日 17 日 18 日 23 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の 1 日あ たりの放出量は 500~1,700 トン (9 月 :90~1,400 トン ) と 概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の状況

< 被害認定フロー ( 地震による被害木造 プレハブ > 第 次調査 ( 外観による判定 一見して住家全部が倒壊 一見して住家の一部の階が全部倒壊 地盤の液状化等により基礎のいずれかの辺が全部破壊 いずれかに いずれにも ( 傾斜による判定 全壊 外壁又は柱の傾斜が/ 以上 ( % 以上 ( 部位

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高知地方気象台対象地域高知県 現地災害調査報告 平成 30 年 9 月 30 日に高知県高知市長浜で発生した突風について 目 次 1 突風の原因 2 現地調査結果 3 気象の状況 4 高知地方気象台が執った措置 5 参考資料 平成 30 年 11 月 29 日 注 ) 本資料は 最新の情報により内容の一部訂正や追加をすることがある 高知地方気象台

1 突風の原因 9 月 30 日 06 時 30 分頃 高知県高知市長浜 ( ながはま ) で突風が発生し 住家の屋根の飛散などの被害があった このため 10 月 1 日 高知地方気象台は 突風をもたらした現象を明らかにするため職員を気象庁機動調査班 (JMA-MOT) として派遣し 現地調査を実施した 調査結果は以下のとおりである 1-1 突風の原因の推定 (1) 突風をもたらした現象の種類この突風をもたらした現象は竜巻と認められる ( 根拠 ) 突風発生時に活発な積乱雲が付近を通過中であった 突風発生時に移動する渦を撮影した映像が得られた (2) 強さ ( 日本版改良藤田スケール ) この突風の強さは 風速約 50m/s と推定され 日本版改良藤田スケールで JEF1 に該当する ( 根拠 ) 木造の住宅屋根の野地板の飛散 根拠に用いた被害指標 (DI) 及び被害度 (DOD) DI: 木造の住宅又は店舗 DOD: 屋根の軒先又は野地板の破損又は飛散 ( 代表値 ) (3) 被害の範囲この突風による被害範囲は 長さ約 1.6km 幅約 80m であった 1

1-2 突風被害発生地域 : 突風被害発生地域 高知市長浜 出典 : 地理院地図 2

2 現地調査結果 実施官署 : 高知地方気象台 実施場所 : 高知県高知市長浜実施日時 : 平成 30 年 10 月 1 日 10 時 00 分 ~16 時 00 分 (1) 被害発生地域図 ( 高知市長浜 ) 被害発生地域 出典 : 地理院地図 3

(2) 被害発生地域拡大図 ( 高知市長浜地区 ) 屋根パネルが飛散したカーポート G 6 屋根ふき材が破損した鉄骨倉庫 枝折れした樹木 5 F E D C B 屋根瓦が飛散した住家 飛散物で損傷した住家 4 3 2 A 1 風速約 39-53m/s(JEF1) と推定した被害や痕跡 出典 : 地理院地図 風速約 38m/s 以下 (JEF0 以下 ) と推定した被害や痕跡 風速を推定できなかった被害や痕跡 矢印 A ~ G 1 ~ 6 物が倒れたり 飛散した方向 聞き取りを行った地点 写真を撮影した被害 4

(3) 聞き取り調査 A 地点 06 時 50 分頃 工場を管理しているセキュリティ会社から連絡があった 07 時前 工場に到着すると シャッターがめくれたり スレートの壁が飛んでいた B 地点 1 階で食事をしていたら ズズッ ドン と音がして 自宅の屋根が飛散した 06 時 36 分 ( 通話履歴 ) 知人に電話連絡した C 地点 06 時 30 分過ぎ 朝食中に南方向に竜巻を目撃した 風の強い時間は数秒だったが 竜巻の向こう側は青空が見えていた D 地点 06 時 30 分 ~07 時 00 分頃 雨戸を閉めて家の中にいたら ゴーと言う音の移動を聞いた 2 階が揺れた E 地点 06 時 30 分頃 竜巻を目撃した 雨戸は閉めていたが南側の家から飛散した瓦で 2 階の雨戸や窓ガラスが損傷した F 地点 2 階にいたら ゴーと言う音と伴に南側から接近してくる黒い棒状の渦を見た 自宅に被害があったため 06 時 37 分 ( 通話履歴 ) に知人に電話した G 地点 07 時前 数秒程度凄い音がして しばらくして外に出るとホコリが舞っていた 道路を隔てて北側のカーポートの屋根が飛散していた 5

(4) 被害状況写真 写真 1 外壁が破損した鉄骨倉庫 ( 南西方向から撮影 ) 写真 2 窓ガラスが破損した鉄骨倉庫 ( 南方向から撮影 ) 写真 3 屋根の野地板が飛散した住家 ( 南方向から撮影 ) 写真 4 屋根瓦が飛散した住家 ( 南東方向から撮影 ) 写真 5 屋根瓦が飛散した非住家 ( 南方向から撮影 ) 写真 6 支柱が折れ曲がったカーブミラー ( 南西方向から撮影 ) 6

3 気象の状況 非常に強い台風第 24 号が四国の南海上を北東へ進み 30 日 20 時頃に和歌山県田辺市付近に上陸した 高知県では 台風周辺の発達した雨雲や暖かく湿った空気が流れ込み 大気の状態が非常に不安定となっていた 活発な積乱雲が通過した高知市長浜 ( ながはま ) 付近では突風と思われる現象が発生した 地上天気図 (9 月 30 日 06 時 ) 気象衛星赤外画像 (9 月 30 日 06 時 ) アメダス地点における前 10 分間平均風向風速分布図 (9 月 30 日 06 時 30 分 ) 被害発生地域 気象レーダー画像 ( 降水強度 ) (9 月 30 日 06 時 30 分 ) 7

アメダス高知時系列グラフ (9 月 30 日 03 時 ~09 時 ) 横軸は時刻を示す 降水量棒グラフは 10 分間降水量 ( 左軸 ) 折れ線グラフは積算降水量 ( 右軸 ) を示す 平均 風向風速は前 10 分間の平均値で 風速の表し方は下の例のとおり 4 高知地方気象台が執った措置 9 月 30 日発表分 (1) 警報 注意報の発表状況 ( 高知市のみ抜粋 ) 発表日時 種類 00 時 24 分 波浪警報 大雨注意報 雷注意報 強風注意報 04 時 45 分 暴風警報 波浪警報 大雨注意報 雷注意報 高潮注意報 06 時 34 分 大雨警報 暴風警報 波浪警報 雷注意報 高潮注意報 10 時 12 分 大雨警報 暴風警報 波浪警報 雷注意報 洪水注意報 高潮注意報 12 時 05 分 大雨警報 暴風警報 波浪警報 雷注意報 洪水注意報 高潮注意報 9 月 30 日大雨警報 暴風警報 波浪警報 雷注意報 洪水注意報 13 時 22 分高潮注意報 14 時 14 分 大雨警報 暴風警報 波浪警報 雷注意報 洪水注意報 高潮注意報 15 時 35 分 大雨警報 暴風警報 波浪警報 雷注意報 洪水注意報 高潮注意報 17 時 10 分 大雨警報 暴風警報 波浪警報 雷注意報 洪水注意報 高潮注意報 8

発表日時 種類 17 時 32 分 大雨警報 洪水警報 暴風警報 波浪警報 雷注意報 高潮注意報 18 時 06 分 大雨警報 洪水警報 暴風警報 波浪警報 雷注意報 高潮注意報 9 月 30 日 19 時 21 分暴風警報 波浪警報 大雨注意報 雷注意報 洪水注意報 高潮注意報 19 時 41 分暴風警報 波浪警報 大雨注意報 雷注意報 洪水注意報 高潮注意報 20 時 54 分 波浪警報 強風注意報 洪水注意報 高潮注意報 22 時 19 分 強風注意報 波浪注意報 洪水注意報 高潮注意報 23 時 47 分 強風注意報 波浪注意報 以降も続く (2) 竜巻注意情報発表状況 発表日時 情報名及び番号 対象地域 04 時 20 分 高知県竜巻注意情報第 1 号 西部 04 時 38 分 高知県竜巻注意情報第 2 号 中部 西部 05 時 36 分 高知県竜巻注意情報第 3 号 中部 西部 06 時 37 分 高知県竜巻注意情報第 4 号 中部 西部 07 時 37 分 高知県竜巻注意情報第 5 号 中部 07 時 47 分 高知県竜巻注意情報第 6 号 中部 東部 08 時 26 分 高知県竜巻注意情報第 7 号 中部 東部 西部 9 月 30 日 09 時 27 分 高知県竜巻注意情報第 8 号 中部 東部 西部 10 時 32 分 高知県竜巻注意情報第 9 号 中部 東部 西部 12 時 21 分 高知県竜巻注意情報第 10 号 中部 東部 西部 13 時 27 分 高知県竜巻注意情報第 11 号 中部 東部 西部 14 時 27 分 高知県竜巻注意情報第 12 号 中部 東部 西部 15 時 28 分 高知県竜巻注意情報第 13 号 中部 東部 西部 16 時 27 分 高知県竜巻注意情報第 14 号 中部 東部 西部 17 時 27 分 高知県竜巻注意情報第 15 号 中部 東部 西部 (3) 気象情報発表状況 発表日時 情報名及び番号 05 時 38 分 平成 30 年台風第 24 号に関する高知県気象情報第 6 号 11 時 35 分 平成 30 年台風第 24 号に関する高知県気象情報第 7 号 14 時 24 分 平成 30 年台風第 24 号に関する高知県気象情報第 8 号 9 月 30 日 17 時 50 分平成 30 年台風第 24 号に関する高知県気象情報第 9 号 20 時 01 分平成 30 年台風第 24 号に関する高知県気象情報第 10 号 20 時 11 分 平成 30 年台風第 24 号に関する高知県気象情報第 11 号 21 時 27 分 平成 30 年台風第 24 号に関する高知県気象情報第 12 号 22 時 52 分 平成 30 年台風第 24 号に関する高知県気象情報第 13 号 9

5 参考資料 突風の種類 現象 竜巻 ダウンバースト ガストフロント じん旋風 漏斗雲 その他の突風 特徴積雲や積乱雲に伴って発生する鉛直軸を持つ激しい渦巻きで 漏斗状または柱状の雲を伴うことがある 地上では 収束性で回転性の突風や気圧降下が観測され 被害域は帯状 線状となることが多い 積雲や積乱雲から生じる強い下降気流で 地面に衝突し周囲に吹き出す突風である 地上では 発散性の突風やしばしば強雨 ひょうを伴い露点温度の下降を伴うことがある 被害域は円または楕円状となることが多い 周囲への吹き出しが4km 未満のものをマイクロバースト 4km 以上のものをマクロバーストとも呼ぶ 積雲や積乱雲から吹き出した冷気の先端と周囲の空気との境界で しばしば突風を伴う 降水域から前線状に広がることが多く 数 10kmあるいはそれ以上離れた地点まで進行する場合がある 地上では 突風と風向の急変 気温の急下降と気圧の急上昇が観測される 晴れた日の昼間に地上付近で発生する鉛直軸を持つ強い渦巻きで 突風により巻き上げられた砂じんを伴う 竜巻と違い積雲や積乱雲に伴わず 地上付近の熱せられた空気の上昇によって発生する 竜巻と同様の現象だが 渦は地上または海上に達しておらず 地表付近で突風は生じない 自然風は絶えず強くなったり弱くなったり変化しており その中で一時的に強く吹く風をいう また これ以外にガストフロントの中で発生する旋風などもある 竜巻ダウンバーストガストフロント 竜巻の模式図 ( 左 ) 赤矢印は空気の流れ 黒矢印は樹木等の倒壊方向 白点線は竜巻の経路を表しています 竜巻の発生時にはしばしば積乱雲から漏斗状の雲がのびています 竜巻は周囲の空気を吸い上げながら移動しますので 倒壊物等は竜巻の経路に集まる形で残ります ダウンバーストの模式図 ( 中 ) 青矢印はダウンバーストの空気の流れ 黒矢印は樹木等の倒壊方向です 積乱雲が移動している場合には このように移動方向の吹き出しのみが強くなる場合がほとんどです 吹き出しの強さに対応して倒壊物の方向も一方向や扇状になることが少なくありません ガストフロントの模式図 ( 右 ) 薄青の領域は周囲より冷たくて重い空気を また 青矢印は冷気外出流を表しています 黒矢印は乱れた気流を表しています 10

日本版改良藤田スケール (JEF スケール ) 米国シカゴ大学の藤田哲也により 1971 年に考案された藤田スケールを 日本国内で発生する竜巻等突風の強さをより的確に把握できるようにするため 米国の改良スケールを参考にしつつ 日本の建築物等の特徴を加味し 最新の風工学の知見を取り入れて策定した風速のスケールです 階級 JEF0 JEF1 JEF2 JEF3 JEF4 JEF5 風速 (m/s) の範囲 (3 秒値 ) 25~38 39~52 53~66 67~80 81~94 95~ 主な被害の状況 ( 参考 ) 木造の住宅において 目視でわかる程度の被害 飛散物による窓ガラスの損壊が発生する 比較的狭い範囲の屋根ふき材が浮き上がったり はく離する 園芸施設において 被覆材 ( ビニルなど ) がはく離する パイプハウスの鋼管が変形したり 倒壊する 物置が移動したり 横転する 自動販売機が横転する コンクリートブロック塀 ( 鉄筋なし ) の一部が損壊したり 大部分が倒壊する 樹木の枝 ( 直径 2cm~8cm) が折れたり 広葉樹 ( 腐朽有り ) の幹が折損する 木造の住宅において 比較的広い範囲の屋根ふき材が浮き上がったり はく離する 屋根の軒先又は野地板が破損したり 飛散する 園芸施設において 多くの地域でプラスチックハウスの構造部材が変形したり 倒壊する 軽自動車や普通自動車 ( コンパクトカー ) が横転する 通常走行中の鉄道車両が転覆する 地上広告板の柱が傾斜したり 変形する 道路交通標識の支柱が傾倒したり 倒壊する コンクリートブロック塀 ( 鉄筋あり ) が損壊したり 倒壊する 樹木が根返りしたり 針葉樹の幹が折損する 木造の住宅において 上部構造の変形に伴い壁が損傷 ( ゆがみ ひび割れ等 ) する また 小屋組の構成部材が損壊したり 飛散する 鉄骨造倉庫において 屋根ふき材が浮き上がったり 飛散する 普通自動車 ( ワンボックス ) や大型自動車が横転する 鉄筋コンクリート製の電柱が折損する カーポートの骨組が傾斜したり 倒壊する コンクリートブロック塀 ( 控壁のあるもの ) の大部分が倒壊する 広葉樹の幹が折損する 墓石の棹石が転倒したり ずれたりする 木造の住宅において 上部構造が著しく変形したり 倒壊する 鉄骨系プレハブ住宅において 屋根の軒先又は野地板が破損したり飛散する もしくは外壁材が変形したり 浮き上がる 鉄筋コンクリート造の集合住宅において 風圧によってベランダ等の手すりが比較的広い範囲で変形する 工場や倉庫の大規模な庇において 比較的狭い範囲で屋根ふき材がはく離したり 脱落する 鉄骨造倉庫において 外壁材が浮き上がったり 飛散する アスファルトがはく離 飛散する 工場や倉庫の大規模な庇において 比較的広い範囲で屋根ふき材がはく離したり 脱落する 鉄骨系プレハブ住宅や鉄骨造の倉庫において 上部構造が著しく変形したり 倒壊する 鉄筋コンクリート造の集合住宅において 風圧によってベランダ等の手すりが著しく変形したり 脱落する 日本版改良藤田スケールに関するガイドライン https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/tornado/kentoukai/kaigi/2015/1221_ kentoukai/guideline.pdf 11

謝辞 この資料を作成するにあたっては 関係機関の方々 高知県高知市長浜地区 の住民の方々にご協力いただきました ここに謝意を表します 本調査報告に使用している地図は 国土地理院長の承認を得て 同院発行の 電子地形図 ( タイル ) を複製したものです ( 承認番号平 29 情複 第 958 号 ) 本資料の問い合わせ先 高知地方気象台 電話 088-822-8882