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Transcription:

ドイツにおける DBE の放射性廃棄物処分事業に関わる経験 ボリエス ラプケ DBE 2016 年 12 月 16 日

発表内容 ドイツの放射性廃棄物プログラム 背景情報 国家計画 KfK 委員会 HLW( 高レベル放射性廃棄物 ) 処分場サイト選定法 : Stand AG ドイツの処分場プロジェクト ゴアレーベン コンラッド モルスレーベン HLW 処分場概念の開発 国際的活動 2

放射性廃棄物の分類と処分の経路 ( 左端上 ) 処分要件に応じた廃棄物分類 ( 左端下 ) ドイツにおいてすべての放射性廃棄物はDGR( 深地層処分場 ) に処分 ( 左側 ) ( 右側 ) 発熱性放射性廃棄物 非発熱性放射性廃棄物 コンラッドに不適 コンラッドに適 再処理 SNF( 使用済燃料 ) パッケージング / 特化オプション 特化オプション コンディショニング 1994 年まで 2005 年以降 解体して処分 直接処分 未だサイトは無し モルスレーベン コンラッド ゴアレーベン 閉鎖準備中 建設中 を含み白地図 3

ドイツの放射性廃棄物処分プログラムの歴史 放射性廃棄物を DGR( 深地層処分場 ) に処分するという合意 岩塩中が有望 アッセ岩塩鉱の研究鉱山における研究の開始 モルスレーベンでの処分の開始 (ERAM( モルスレーベン処分場 )) コンラッド鉄鉱山における検討の開始 Entsorgungsnachweis ( 処分の実証 ) とゴアレーベンでの探査の開始 AkEnd( サイト選定手続きに関するワーキンググループ ) の実施 第 1 次ゴアレーベン凍結 (10 年間 ) 新しい放射性廃棄物処分施設ロードマップ 第 2 次ゴアレーベン凍結 HLW 処分場のためのサイト選定法 ドイツの国家計画 KfK: 脱原子力の資金確保に関する検討委員会 4

講演の概要 5

国家計画 - 背景 国家計画の必要性 (EU) 理事会指令 2011/70/EURATOMが2015 年までに国家計画の策定とECへの提出を要請 2015 年 8 月 12 日に連邦政府が承認 国家計画の基本方針 使用済燃料と放射性廃棄物の責任ある安全な管理に関する戦略の策定 戦略的環境アセスメント (SEA) による支援 定期的なレビューと更新 国家計画の要点 国の責任における放射性廃棄物管理 ドイツ領土内に限定した放射性廃棄物の処分 2つの処分サイト 6

国家計画 - 構造 国家計画 使用済燃料と放射性廃棄物の責任ある安全な管理に関する計画 ( 左から ) 使用済燃料管理および放射性廃棄物管理の安全に関する条約の各国報告会合への報告書 EURATOM 指令 2011/70 の実施に関する報告書 放射性廃棄物インベントリ 使用済燃料と放射性廃棄物の管理のコストと資金調達に関する報告書 7

国家計画 - インベントリ 使用済燃料と再処理廃棄物 (2022 年の脱原子力まで ) NPP( 原子力発電プラント ) からの使用済燃料を格納する1,100 基の貯蔵キャスク 再処理からの291 基の貯蔵キャスク 研究炉からの使用済燃料を格納する481 基の貯蔵キャスク 発熱性を無視できる放射性廃棄物 (2080 年まで ) 廃止措置から300,000m3 アッセⅡ 鉱山からの回収廃棄物 200,000m3 ( おそらく ) 劣化ウラン100,000m3 8

KfK - 責任分担 KfK 以前の状況 電力会社連邦政府 除染と廃止措置コンディショニングとパッケージング輸送貯蔵処分 電力会社連邦政府 KfK 以降の状況 9

KfK: 委員会の勧告 2016 年 4 月 27 日 : 勧告を含む報告書を提出 貯蔵 コンディショニング ならびに処分施設への輸送に関する責任と資金対策 (1)( 予備費 (Risk Premium)(3) を含む ) の政府への移管 処分施設に関する資金対策 (2)( 予備費 (3) を含む ) の政府への移管 政府資金対策の公法に基づく資金制度への移管 安全な廃止措置とパッケージングに関する責任は無制限の責務として産業界に残す (4) 残り期間におけるギャップ (5) の埋め合わせ 即時解体を唯一の廃止措置オプションとする 産業界からの訴訟の免除 10

KfK: 勧告の実施 2016 年 10 月の連邦政府法案への合意 制定には議会承認が必要 輸送 貯蔵および処分について 電力会社からの資金を公的資金制度へ強制的に移管 (172 億ユーロ ) 予備費 (35.5% 61 億ユーロ ) の公的資金制度への任意の移管 これにより電力会社を将来の債務から解放 連邦が所有する貯蔵のための組織を設立予定 貯蔵施設 ( ほとんどは電力会社が所有 ) を新組織へ移管 発熱性廃棄物について想定される移管期日 : 2019 年 1 月 1 日 非発熱性廃棄物について想定される移管期日 : 2020 年 1 月 1 日 11

StandAG( サイト選定法 ) - 背景 StandAG - サイト選定法 発熱性放射性廃棄物のための処分施設に関するサイトの調査 選定および他の法律の改正に関する法律 2013 年 7 月 23 日制定 目的 ドイツにおける発熱性放射性廃棄物に特定した処分場のサイト選定プロセス 100 万年間の安全性に関する 最適なサイト 科学に基づく透明な選定プロセス 偏見のない選定 すなわち ドイツの 白地図 が開始点 12

StandAG( サイト選定法 ) - サイト選定プロセスの策定 処分委員会 議会の委嘱する33(34) 名のメンバー ( 定足数は2/3 以上 ) 議長 1(2) 名 ( 議決権なし ) 政治家 16 名 ( 議決権なし ) 学界からの代表者 8 名 労働組合 教会 産業界および環境に関する団体の代表者各 2 名 サイト選定の実施に向けた準備 処分に関する主要な論点を検討した報告書の準備 提案の準備 検討されるべき処分に関する異なる見解について意見を構築 サイト選定基準 誤りの修正に関する基準 体制やアプローチに関する要件 パブリック インボルブメントに関する要件 13

StandAG( サイト選定法 ) - HLW 処分プログラム ステージ 1 サイト選定 フェーズ 1 利用可能なデータによる検討 ステップ 1: 排除基準と最低限の要件 ステップ 2: 比較基準 ステップ 3: PSAR( 予備的安全評価報告書 )+ 土地利用計画基準 フェーズ 2 地上探査 排除 比較基準 高度化したPSAR ( 予備的安全評価報告書 ) フェーズ3 BGEによる地下探査 排除 比較基準 包括的なPSAR ( 予備的安全評価報告書 ) ( 左から ) ステージ2 坑道の掘削ステージ3 廃棄物の処分ステージ4 回収の可能性を伴いながら閉鎖までモニタリングステージ 5 修復の可能性を伴う閉鎖された処分場 14

StandAG( サイト選定法 ) - ステージ 1: サイト選定のタイムライン 各決定段階の法的な担保 ( 上側 ) 2016 年プロセスと基準の決定地域の選定 20?? 年地上探査のサイトの決定適合基準の決定地上探査連邦裁判所によるサイト選定の承認 2023 年地下探査のサイトの決定適合基準の決定地下探査 2031 年サイト選定事業許可プロセス連邦裁判所による事業許可処分場建設 20?? 年操業開始 中間プロセスのステップ ( 下側 ) 15

StandAG( サイト選定法 ) - 従来の RWM( 放射性廃棄物管理 ) 体制 BMUB( 連邦環境 自然保護 建設 原子炉安全省 ) 監督と指導 ESK( 廃棄物管理委員会 )/SSK( 放射線防護委員会 ) 助言 BMWi( 連邦経済 エネルギー省 ) 監督と指導 州当局原子力に関する許認可 鉱山当局鉱山に関する許認可 BfS( 連邦放射線防護庁 ) 機能 BGR( 連邦地球科学 天然資源研究所 ) 建設と操業の責任 申請者 許認可事業者および監督 DBE 支援第三者コンラッドゴアレーベン ERAM Asse GmbH 支援第三者 16

StandAG( サイト選定法 ) - RWM 体制の再編成 BMUB( 連邦環境 自然保護 建設 原子炉安全省 ) 監督と指導 ESK( 廃棄物管理委員会 )/SSK( 放射線防護委員会 ) 助言 BMWi( 連邦経済 エネルギー省 ) 監督と指導 ( 州当局原子力に関する許認可 ) ( 鉱山当局鉱山に関する許認可 ) BGR( 連邦地球科学 天然資源研究所 ) BGE( 連邦放射性廃棄物機関 ) 新しい廃棄物管理機関 : 処分施設の計画 許認可申請 建設と操業を担当 BfE( 連邦放射性廃棄物処分安全庁 ) 許認可発給および監督機能 17

StandAG( サイト選定法 ) - サイト選定に関与する組織 ( 右上 ) 連邦議会連邦参議院 ( 中央 ) 連邦政府 BMUB BfE 連邦放射性廃棄物処分安全庁社会諮問委員会一般市民 ( 左側 ) サイト選定の社会的支援地域会議 区域 と 地域協議会 のシンポジウム参画の代表者影響を受ける地域住民 ( 右側 ) サイト選定の技術的支援 BGE 連邦の WMO( 廃棄物管理機関 ) 科学諮問委員会 18

ドイツのプロジェクトの概観 アッセ GmbH が運営 アッセ鉱山 1978 年以降地下研究所として利用 現在は廃止措置中 DBEが運営 ゴアレーベン : 発熱性廃棄物 1990 年代に地下調査開始 活動保留中 コンラッド : 非発熱性廃棄物 建設中 モルスレーベン : 運転廃棄物 (1980 年代から1998 年まで ) 廃止措置計画中 19

DBE プロジェクト - ゴアレーベン 1977 年有望な HLW 処分場サイトとしてゴアレーベンを指定 1979 年地上探査の開始 1980/81 年 4つの深部ボーリング孔 1983 年包括的適性の声明 1986 年立坑 1の着工 1996 年インフラ施設エリアの掘削と特性調査 2000 年第 1 次ゴアレーベン凍結 ( 待機活動のみ ) 2010 年サイト探査の再開 2012 年第 2 次ゴアレーベン凍結 2014 年 ゴアレーベンに鎖を 20

DBE プロジェクト - ゴアレーベン 活動 サイト選定法に基づき ゴアレーベンの探査活動は直ちに禁止 サイトが規定される決定段階のいずれかで除外されるまで坑道を現在のまま維持 : 地域の選定 地上探査サイトの選定 地下探査サイト サイトの最終選定 対応した現在の活動 掘削部の埋め戻し 探査エリアの放棄と基盤施設エリアのできるだけの放棄 放棄エリアのすべての設備とインフラ施設 ( ケーブル等 ) を撤去 セキュリティシステムの主要部分の撤去 一般ならびに専門家の見学の禁止 21

DBE プロジェクト - ゴアレーベン 22

DBE プロジェクト - コンラッド 1965-19761976 年鉄鉱石の産出 1975 年予備的調査 1982 年事業許可申請 1992 年 75 日公開ヒアリング 2002 年事業許可発給 2002-2007 年訴訟 2007 年処分場建設開始 2022 年以降操業開始 23

DBE プロジェクト - コンラッド 地下施設 立坑 1( 通常搬送 / 換気流入 ) の改修 立坑 2( 廃棄物搬送 / 換気流出 ) の改修 インフラ施設の改修と改良 擾乱を受けていない母岩中に処分エリアを構築 地上施設 立坑 1の立坑タワー ( 産業モニュメント ) の改修 建屋と設備の入れ替え 建屋と設備の新設 インフラ施設に関する施策 公共インフラへ施設の接続部分の建設 セキュリティ フェンス 予防的施策 ( 例えば 水質汚染の管理 第 2 次世界大戦の遺物 ) 24

DBE プロジェクト - コンラッド 25

DBE プロジェクト - モルスレーベン 1897-19691969 年岩塩とカリの産出 1971 年実験的な低 中レベル放射性廃棄物処分 1981 年低 中レベル放射性廃棄物処分の暫定事業許可 1986 年低 中レベル放射性廃棄物処分の恒久事業許可 1990 年再統一に伴い連邦施設に 1990 年処分凍結 1994-1998 年処分の再開 1997 年要請による坑道閉鎖申請 26

DBE プロジェクト - モルスレーベン 閉鎖の計画 2013 年の新計画の前提条件では2019 年までの継続的作業を要求 特に埋め戻しとシーリングに関する要件を強化 計画承認プロセス 2017 年中頃に開始 ( 閉鎖の ) 実施は早くともその8 年後 大規模シーリング試験を成功裏に実施 その他の活動 貯蔵中の廃棄物のための事業許可の延長 地上 タワー建屋外壁の改修 地下 作業場の新設 保守活動 27

DBE プロジェクト - モルスレーベン 28

ゴアレーベン DGR( 深地層処分場 ) 概念 - 地上探査 ( 左 ) 中間貯蔵施設とコンディショニング プラント 岩塩ドーム領域 ( 右下 ) 掘削部水理ボーリング孔岩塩領域ボーリング孔深部ボーリング孔立坑 1および2 29

ゴアレーベン DGR( 深地層処分場 ) 概念 - 地下探査 30

ゴアレーベン DGR( 深地層処分場 ) 概念 - 2 次元地質モデル 31

ゴアレーベン DGR( 深地層処分場 ) 概念 - 3 次元地質モデル 32

ゴアレーベン DGR( 深地層処分場 ) 概念 - 代替概念 33

ゴアレーベン DGR( 深地層処分場 ) 概念 - 代替概念 レファレンス概念 追加概念 POLLUX BSK 3 DIREGT 敷地内貯蔵 CASTOR V CASTOR V CASTOR V 中間貯蔵後の 燃料要素解体 燃料要素解体 処分のための準備 POLLUX BSK 3 最終処分への移行 移行キャスク 最終処分水平坑道垂直ボーリング孔水平ボーリング孔 現状定置を実証定置を実証成立性検討 34

ゴアレーベン DGR( 深地層処分場 ) 概念 - 実証試験 35

ゴアレーベン DGR( 深地層処分場 ) 概念 - 施設のレイアウト 36

組織に関する背景 - グループ DBE 社 設立 :1979 年年商 : 約 1 億 4 千万ユーロ職員 : 約 900 名 ( 技術系 80%) ドイツ連邦共和国として国内放射性廃棄物処分場の計画 建設 操業 DBEテクノロジー社設立 :2000 年年商 : 約 6 百万ユーロ職員 : 約 50 名 ( 高い能力を有する ) 国内放射性廃棄物処分場以外を対象に 公的および民間組織が利用可能な科学 技術およびマネジメントに関する能力を開発 37

DBE テクノロジー社 - 国際関係 38

DBE テクノロジー社 - 粘土質に関する研究開発 GEIST: 岩塩および粘土質の処分場概念の比較 TEE: ビュール ( フランス ) とモン テリ ( スイス ) の地下研究所における原位置試験への参加 GENESIS: ドイツ北部と南部の粘土質岩のジェネリックな処分場のための処分場レイアウト TEMTON: 粘土質岩の熱 - 水理 - 力学挙動の調査 ( ビュールおよびモン テリへの参加 ) MACH-2: モン テリにおける原位置試験の実現可能性調査 (THMシミュレーション ) ERATO: 粘土質岩の処分場のためのドイツのレファレンス概念の開発 ANSICHT: ドイツの粘土質岩における廃棄物の安全な閉じ込めのための手法の開発 SANTOS: ロシアで計画されている処分場の安全解析調査 39

DBE テクノロジー社 - 硬岩に関する研究開発 DBE テクノロジー社による硬岩層における研究開発プロジェクトの実施クトの実施 COORDINATION RUSSIA: 代替母岩層における地科学的研究の調整 ASTER: 硬岩 ( 結晶質 ) 層におけるHLW 処分場のサイト探査のための要件 MUSTER: 花崗岩中のベントナイトバリアの熱水力学的挙動に関する調査 WIBASTA: 火成岩におけるサイト選定に関連する地質学的 地盤工学的バリアシステムの性能調査 URSEL: 火成岩のHLW 処分場システムに関する安全性ステートメントの頑健性の調査 40

DBE テクノロジー社 - Techno B&C ベルギー 高レベルおよび長寿命放射性廃棄物のための地層処分施設操業の成立性に関する研究開発 ONDRAF/NIRASは 低硬結の粘土質における地層処分のための最初のセーフティ フィージビリティ ( 安全性および実現可能性 ) ケース (SFC-1) を準備中 非常に特殊なベルギーの条件のための概念の開発 : 廃棄物パッケージの立坑内搬送用の吊り上げシステム 地下搬送と廃棄物定置システム 換気システム レファレンス埋戻し材 プロジェクト期間 :2004-2020 2020 年 41

DBE テクノロジー社 - Cigéo( シジオ ) フランス Cigéo 建設の許可申請プロセスの開始のために 2015 年までに施設をより技術的に詳細に記述するDAC(Cigéo 建設許可申請書 ) を作成 機材搬送立坑の吊り上げシステムの技術的設計 地上および地下における載荷および除荷作業のための技術的施策 計画される活動とそれに関連する物流の成立性のチェック 地下施設の全般的概念設計と処分場操業の計画や最適化に関与 プロジェクト期間 : 2013-2017 年 42

DBE テクノロジー社 - コズロドイ ブルガリア 可能性のある 2 地点における 2 つの処分場代替案と下層代替案の概念設計 技術的設計と中間安全解析報告書の準備 技術仕様についての準備作業 コンソーシアム : ウェスティングハウス スペイン DBEテクノロジー社 ENRESA プロジェクト期間 : 2011-20162016 年 43

DBE テクノロジー社 - アル トウェイタ イラク 地上処分場の概念設計 地上処分場の技術的設計 地上処分場の安全報告書 コンソーシアム : NUKEMテクノロジー社 DBEテクノロジー社 JAVYS プロジェクト期間 : 2015-2018 年 44

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