プロダクトインフォメーション : CANalyzer.MOST
目次 1 CANalyzer.MOST の概要... 3 2 インタラクティブな解析およびテスト... 3 2.1 解析... 4 2.2 刺激入力... 7 3 自動化された解析と刺激入力... 9 4 その他の応用分野... 9 4.1 MOST High Protocol (MHP)... 9 4.2 同期チャンネルへのアクセス...10 5 ゲートウェイ機能...10 6 機能マトリクス...11 この資料について CANalyzer.MOST バージョン 8.0 以降を対象としています この資料では 解析 刺激入力 テストといった CANalyzer.MOST の応用分野と それぞれの機能について説明します また その他の応用分野および複数分野で使用する機能についても簡単に概説します CANalyzer LIN FlexRay オプションについては 別途 プロダクトインフォメーション をご用意しております 発行元 : ベクター ジャパン株式会社 www.vector-japan.co.jp/ 記述されている内容は予告無く変更されることがあります ( 発行日 :2013 年 8 月 26 日 ) Vector Japan Co., Ltd. 不許複製 2
1 CANalyzer.MOST の概要 MOST は 車載インフォテインメントアプリケーション用のバススシテムであり 現在 スピードグレードとして 3 つのグレードが定義されています MOST25 は 光ファイバーを使用する伝送をベースとしており 2001 年の導入以来 100 を超える量産車モデルに実装されています MOST50 は 銅線も採用した伝送方式であり 2 倍のバンド幅の伝送速度を持ち 数年前から量産に採り入れられていますが さらなる車両も計画中です MOST150 は ドイツの自動車メーカーであるアウディで量産車に導入されているほか フォルクスワーゲン ダイ ムラーでも量産車に導入される予定です CANalyzer オプション MOST は スピードグレードに依存することなく MOST システムの解析 刺激入力 テストを行えるツールです これにより 1 つのスピードグレードから次のスピードグレードへ移行する場合に 特別なトレーニングは必要ありません 図 1: オプション MOST のメイン Window CANalyzer.MOST の主な応用分野は 次のとおりです インタラクティブな解析およびテスト CANalyzer.MOST は MOST システムのインタラクティブな解析およびテストを支援します ユーザーインターフェイスは操作性に優れています 専用の Window で MOST システムのさまざまな特徴を分かりやすく表示し 必要に応じてオンラインで表示内容を変更させることもできます ECU テストの自動化 同梱の CAPL プログラミング言語を使用して 多数の解析作業を自動化することができます 解析の作業効率を向上できるほか 再現性に優れた解析結果を得ることができます さらに 以前に記録したログファイルをオフラインモードで解析可能です 3
刺激入力 CANalyzer.MOST は MOST デバイスまたはシステムに刺激入力するための機能を多数備えています CANalyzer.MOST に搭載されている NetworkMaster を使用すれば プログラミングに労力をかけずに デバイスを正常に起動して個々のデバイステストを行うことができます 2 インタラクティブな解析およびテスト CANalyzer.MOST を利用して MOST データをすべて解析できます コントロールチャンネルと非同期チャンネルを受信すると同時に 同期データおよび MOST150 Ethernet パケット (MEP) も受信することができます また すべてのハードウェアおよびネットワークのステート (Light&Lock Configuration Status など ) にもアクセスできます 2.1 解析 例 : MOST のステート Window およびバス統計 Window では MOST リングの設定情報 現在のステート 接続されている MOST リングの負荷が一目で分かります トレース Window では MOST メッセージとして送信されたコントロールチャンネルおよび非同期チャンネルのデータを監視できます 分かりやすく表示するために これらのデータをファンクションカタログを使用して解釈します コンバイナーが組み込まれているため AMS や MOST High Protocol などの分割されたデータも表示できます スタティックなプロパティーまたはダイナミックな解析に基づいてイベントが色分け表示されるため MOST リング上での通信の解析を簡単に視覚化できます トレース Window に組み込まれている各種の検索およびフィルターオプションによって 表示されているデータから必要な情報を効率的に検索することができます MOST システムビューアーでは MOST システムのリング構造および ECU に分散したファンクションブロックの概要を表示します 各種の統計情報に加えて 個々のデバイスの負荷も統計ビュー内の Retry Candidates に表示します MOST Central Registry Window では システムの NetworkMaster によって管理されているシステムレジストリーの内容を表示します 現在のレジストリーは リファレンスレジストリーと照らし合わせて簡単にチェックできます また この Window には履歴も表示されるので システムレジストリーの以前のステートを解析することもできます MOST FBlock モニターでは ECU アプリケーションのステータスを表示できます このビューは MOST リングを介して送信された個々の追加情報で構築され ユーザーによる設定は必要ありません ただし アプリケーションに関する特定の情報も取得する場合は MOST FBlock モニター内で 関連する notification を設定します グラフィック Window では 柔軟なズームおよび測定機能を使用して 選択したシグナルのレスポンスを時間の経過に従って表示できます たとえば Electrical Control Line (ECL) でのウェイクアップから MOST シグナルがアクティブになるまでにかかる時間を直接測定したり ファンクションカタログからシグナルを選択して アプリケーションレベルで表示したりできます また 解析プログラムの結果をグラフィック Window に出力できます ユーザーフレンドリーなエディターを使用してパネルを個別に設計することにより 解析結果を最適なフォーマットで表示することができます 図 2:MOST ステート Window に表示された MOST リングの設定情報および現在のステート 4
図 3: バス統計 Window に表示されたシステムのステート情報および現在の負荷 図 4: トレース Widow 内に構造化表示されたパラメーター フィルター設定 コメント付きメッセージ 5
図 5:MOST システムビューアーに表示されたリング構造 分散化したファンクションブロック 統計情報 図 6:MOST Central Registry Window の登録されたファンクションブロックとリファレンスセットとの比較 6
図 7: オーディオディスクプレーヤーのシャドウとしての MOST FBlock モニター 図 8: グラフィック Window に表示された時系列のアプリケーションステート 2.2 刺激入力 MOST システムをインタラクティブに操作するには 以下のようなオプションがあります MOST ステート Window では 接続されている MOST リングを直接操作することができます たとえば システムをウェイクアップさせたり 強制的にリングをスキャンします MOST インタラクティブジェネレーターを使用して MOST メッセージおよびメッセージシーケンスを送信できます 単純に XML ファンクションカタログから選択し パラメーターを適切な値に設定し ボタンを押して ECU アプリ ケーションへ刺激を行います マルチメディアデバイスを制御するパネルを作成すると テストタスクを効率的に実施したり ユーザーインターフェイスのプロトタイプとして使用することが可能です 7
MOST ストレス Window では コントロールチャンネルと非同期チャンネルにバス負荷を生成したり Unlock シーケンスでシステムにストレスを与えることができます 図 9:MOST ステート Window では直接 MOST リングを操作することが可能 図 10: ファンクションカタログおよび Address Handler によるアドレス設定に基づく MOST インタラクティブジェネレーター 8
図 11: ストレス Window またはパネルから行う刺激入力 3 自動化された解析と刺激入力 CAPL プログラミング言語を利用して システムの解析を自動化することができます 測定設定に挿入された CAPL ノードは MOST メッセージおよびシステムイベントに反応します たとえば これを使用してタイミングやシーケンスをモニターし 通信の特性を計算します CAPL プログラムで 結果をパネルに表示する トレース Window でメッセージを強調表示する 結果をファイルに書き込む といったことができます トレース Window でユーザーが制御する視覚的な解析とは異なり このプロセスは常に再現可能です CAPL を使用すると 解析作業ばかりでなく 特別な再現性を必要とする あるいはシステム内のイベントにできる限り短時間で反応する必要がある刺激入力を自動化できます たとえば ストレス機能を自動的に開始して クリティカルな状況でシステムが正しく動作するかどうかをチェックすることができます または メッセージシーケンスをプログラミングして MOST リングに刺激として入力することもできます リプレイブロックを使用して 以前に記録したメッセージシーケンスをリング上で再生することもできます オフラインモードでは 同じ解析プログラムを使用して 以前に記録したログファイルの解析も可能です さらに オフラインモードで自動解析が開始された場合に 解析の実行を即座に中断する条件を定義することもできます これによって 非常に大きなログファイルを再生し トレース Window で特定のクリティカルな状況を解析する際にも 利便性を考慮して解析する選択肢が可能になります 4 その他の応用分野 4.1 MOST High Protocol (MHP) CANalyzer.MOST は MHP を広範囲にサポートしています MHP プロトコルオブザーバーは アプリケーションデータが分割して送信されている場合でも 分解されたアプリケーションデータをトレース Window に表示します さらに プロトコル違反に関する特定の参照情報を出力します 測定設定の CAPL ノードでは プロトコルオブザーバーの出力にもアクセスできます これによって MHP およびアプリケーションを自動的に解析させることができます 自動 MHP レシーバーを使用すると 広範な ECU データを AMS を介してポーリングでき MHP データシンクを実装しなくても MHP 経由でレスポンスを受信できます 9
図 12: 分解されたアプリケーションデータおよびプロトコル違反を含む MHP 送信データの表示 4.2 同期チャンネルへのアクセス CANalyzer.MOST は MOST の同期チャンネルへのアクセスが可能です CANalyzer.MOST は このアクセス機能によって マルチ メディアデータのストリーミングに関する多数の事例をカバーします MOST25 の場合 設定されている Synchronous Boundary Control (SBC) とは関係なく すべての同期チャンネルのデータを USB 経由で PC に送信したり 逆に PC 内のデータをリングに送信することができます MOST150 の場合 送信する同期チャンネルの選択は接続ラベルを介して行われます 5 ゲートウェイ機能 CANalyzer.MOST は ゲートウェイ開発に適したツールでもあります ゲートウェイ実行時間およびシグナルルーティングのテストの解析等が簡単にできます さらに オプション MOST を CAN LIN FlexRay IP の任意のオプションと組み合わせることができます これは 必要とするバスシステムへのアクセスによって選択できます すべてのバスのイベントのタイムスタンプは正確に同期化されるため 共通の時間ベースを基準にできます たとえば MOST を CAN と組み合わせる場合 トレース Window の時系列ビューで両方のバスシステムのメッセージを検討し その相互関係を分析することができます CAN および MOST メッセージとシステムステートに同時アクセスできる解析プログラムの実装により スタートアップ時間の計算 ゲートウェイ実行時間の測定 ゲートウェイのシグナルルーティングアルゴリズムの検証を自動で行うことができます ゲートウェイ実行時間およびシグナルルーティングのテストの解析は簡単にできます 図 13: トレース Window でゲートウェイ動作を測定 10
6 機能マトリクス 注意 : 提供されているユーザー操作および機能の範囲は 大部分は MOST25 MOST50 MOST150 で同一ですが 詳細部分では相互に異なる場合があります スピードグレード MOST 機能 MOST25 MOST50 MOST150 コントロールチャンネル ノード / スパイ ノード / スパイ ノード / スパイ CMS あり あり あり AMS あり あり あり 非同期チャンネル ノード / スパイ ノード / スパイ ノード / スパイ 生パケット あり あり あり MOST High Protocol (MHP) あり あり あり Ethernet チャンネル (MEP) - - ノード / スパイ システムステート (Light Lock System Lock など ) あり 1 あり あり 1 Electrical Control Line (ECL) - - あり オーディオ / 同期チャンネルアロケーションテーブル あり あり あり LineIn/LineOut あり あり あり S/PDIF In/Out あり なし あり PC 間とのストリーミング あり なし あり アイソクロナスチャンネル - - なし ストレスバス負荷 : コントロールチャンネル 100% あり 2 あり バス負荷 : 非同期チャンネル 100% あり 2 あり バス負荷 :Ethernet チャンネル - - あり Unlock 生成 あり なし あり バイパス切り替え なし なし あり バッファーのブロック あり なし あり ログ コントロールチャンネル 非同期チャンネル Ethernet システムステート BLF ASC IMG 3 OP2 3 CCO 3 CC3 3 同期チャンネル BIN WAV なし BIN WAV ハードウェアインターフェイス VN2610 MOCCA compact VN2640 1 VN2610 VN2640 において正確な Stable Lock および Critical Unlock の判定 2 CAPL プログラムにて実装 バス負荷生成は ハードウェアインターフェイスの制限を受けます 3 すべてのチャンネルが含まれるわけではありません 詳細は 仕様フォーマットの作成者にお問い合わせください 11
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