3. 調査結果 3.1 期間を通じた気温の比較連続気象観測値から 今切川橋と土工部の徳島 IC 山沿いの大代古墳 IC( 標高約 20m) における期間を通じた気温の統計結果をまとめると 以下の通りとなった 1 今切川橋の雪氷期の平均気温は 大代古墳 TNより0.7 高く 徳島 ICより0.9 低か

Similar documents
2018 年 12 月の天候 ( 福島県 ) 月の特徴 4 日の最高気温が記録的に高い 下旬後半の会津と中通り北部の大雪 平成 31 年 1 月 8 日福島地方気象台 1 天候経過 概況この期間 会津では低気圧や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多かった 中通りと浜通りでは天気は数日の周期で変わった

Microsoft PowerPoint - Ikeda_ ppt [互換モード]

平成 30 年 2 月の気象概況 2 月は 中旬まで冬型の気圧配置が多く 強い寒気の影響を受け雪や雨の日があった 下旬は短い周期で天気が変化した 県内アメタ スの月降水量は 18.5~88.5 ミリ ( 平年比 29~106%) で 大分 佐賀関 臼杵 竹田 県南部で平年並の他は少ないかかなり少なか

(c) (d) (e) 図 及び付表地域別の平均気温の変化 ( 将来気候の現在気候との差 ) 棒グラフが現在気候との差 縦棒は年々変動の標準偏差 ( 左 : 現在気候 右 : 将来気候 ) を示す : 年間 : 春 (3~5 月 ) (c): 夏 (6~8 月 ) (d): 秋 (9~1

はじめに 東京の観測値 として使われる気温などは 千代田区大手町 ( 気象庁本庁の構内 ) で観測 気象庁本庁の移転計画に伴い 今年 12 月に露場 ( 観測施設 ) を北の丸公園へ移転予定 天気予報で目にする 東京 の気温などの傾 向が変わるため 利 者へ 分な解説が必要 北の丸公園露場 大手町露

第 41 巻 21 号 大分県農業気象速報令和元年 7 月下旬 大分県大分地方気象台令和元年 8 月 1 日

また 積雪をより定量的に把握するため 14 日 6 時から 17 日 0 時にかけて 積雪の深さは と質 問し 定規で測っていただきました 全国 6,911 人の回答から アメダスの観測機器のある都市だけで なく 他にも局地的に積雪しているところがあることがわかりました 図 2 太平洋側の広い範囲で

国土技術政策総合研究所 研究資料

チェーン規制区間 < 区間 > せいよしうわちょうおおずしきたただ国道 56 号 : 愛媛県西予市宇和町 ~ 愛媛県大洲市北只 ( 延長 7.0km) ( 別紙 1~4 のとおり ) < 規制内容 > 大雪特別警報 が発表され 冬用タイヤでの走行が困難な路面状況になった場合に 従来であれば通行止めと


<4D F736F F D BF382CC82B582A882E D58E9E8D E DC58F4994C5816A>

untitled

第 41 巻 13 号 大分県農業気象速報令和元年 5 月上旬 大分県大分地方気象台令和元年 5 月 1 3 日

交通模擬車両 路温計測 ( 熱電対 ) 氷膜路面 t =.5 ~ 1.mm 無散布 g/m 2 g/m 2 g/m 2 g/m 2 g/m 2 1m 5m KP=.5 KP=. KP=.4 KP=.55 KP=.7 KP=.85 図 -1 試験コースレイアウト 2 曲線区間約 1

レジャー産業と顧客満足の課題

黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 黄砂消散係数 (/Km) 日数 8~ 年度において長崎 松江 富山で観測された気象台黄砂日は合計で延べ 53 日である これらの日におけるの頻度分布を図 6- に示している が.4 以下は全体の約 5% であり.6 以上の

路面補修 切削オーバーレイ工 施工前 施工後 4車線化工事 白鳥IC 飛騨清見IC 対面通行区間の中央分離帯の改良 施工前 施工後 車線切替を実施しⅠ期線の改良を実施 左 Ⅰ期線 右 Ⅱ期線 左 Ⅱ期線 右 Ⅰ期線

2 気象 地震 10 概 況 平 均 気 温 降 水 量 横浜地方気象台主要気象状況 横浜地方気象台月別降水量 日照時間変化図 平均気温 降水量分布図 横浜地方気象台月別累年順位更新表 横浜地方気象台冬日 夏日 真夏

記者発表資料 平成 29 年 1 月 12 日東北地方整備局仙台管区気象台 大雪に対する緊急発表について 今週末にかけての大雪に備え ドライバー等の皆様への呼び掛けについてお知らせします 東北地方では 15 日頃にかけて大雪が継続し 猛吹雪となるところがある見込みです 14 日 ~15 日頃にかけて

報道発表資料

大雪の際のドライブプランの検討に役立つ新たな情報提供を行います 高速道路会社が共同で 株式会社ウェザーニューズと連携した 新たな 高速道路の情報提供サイト を立ち上げます 大雪の際には情報提供サイトをご確認いただき 大雪地域へのご旅行等の見合わせや広域の迂回など ご協力をお願いします タイムライン

資料6 (気象庁提出資料)

佐賀県気象月報 平成 29 年 (2017 年 )6 月 佐賀地方気象台

Taro-40-09[15号p77-81]PM25高濃

2

風力発電インデックスの算出方法について 1. 風力発電インデックスについて風力発電インデックスは 気象庁 GPV(RSM) 1 局地気象モデル 2 (ANEMOS:LAWEPS-1 次領域モデル ) マスコンモデル 3 により 1km メッシュの地上高 70m における 24 時間の毎時風速を予測し

Microsoft Word - 1.1_kion_4th_newcolor.doc

1. 天候の特徴 2013 年の夏は 全国で暑夏となりました 特に 西日本の夏平均気温平年差は +1.2 となり 統計を開始した 1946 年以降で最も高くなりました ( 表 1) 8 月上旬後半 ~ 中旬前半の高温ピーク時には 東 西日本太平洋側を中心に気温が著しく高くなりました ( 図 1) 特

<322E318AEE91628E9197BF2E786C73>

Taro-40-11[15号p86-84]気候変動

発達する低気圧の影響による暴風雪と高波及び大雪に対する注意喚起

熊谷地方気象台対象地域埼玉県 平成 26 年 2 月 8 日から 9 日にかけての大雪に関する 埼玉県気象速報 1 資料作成の目的 2 気象の状況 3 警報等の発表状況 4 災害の状況 平成 26 年 2 月 10 日 熊谷地方気象台 この資料は速報として取り急ぎまとめたもので 後日内容の一部訂正や

三重県の気象概況 ( 平成 30 年 9 月 ) 表紙 目次気象概況 1P 旬別気象表 2P 気象経過図 5P 気象分布図 8P 資料の説明 9P 情報の閲覧 検索のご案内 10P 津地方気象台 2018 年本資料は津地方気象台ホームページ利用規約 (

津地方気象台対象地域 : 三重県 平成 29 年 1 月 14 日から 16 日にかけての大雪に関する三重県気象速報 目次 1 気象の状況 (1) 概況 (2) 地上天気図及び気象衛星赤外画像 (3) レーダーエコー (4) 観測記録 2 特別警報 警報 注意報 府県気象情報の発表状況 3 被害状況

報道発表資料平成 28 年 1 月 4 日気象庁 2015 年 ( 平成 27 年 ) の日本の天候 2015 年 ( 平成 27 年 ) の日本の天候の特徴 : 年平均気温は全国的に高く 北日本と沖縄 奄美ではかなり高い ただし 西日本は2 年連続の冷夏 夏から秋の一時期を除き 全国的に高温傾向が

平成10年度 ヒートアイランド現象に関する対策手法検討調査報告書

Microsoft Word - 23年度-国土技術研究会(CERI徳永).doc

1 1 (1) (2) 1 (3) (1) 6 (2) (1) (2) (3) (4)

untitled

長野県農業気象速報(旬報) 平成27年9月上旬

平成 30 年度チェーン規制実施箇所 ( 北陸地方整備局管内 ) 別紙 1 北陸地方整備局管内におけるチェーン規制の実施箇所は次のとおり 対象区間一覧 ( 直轄国道 ) 都道府県 路線番号 箇所名 区間 延長 (km) 地整 おおすどかみおおとりむらかみ 新潟県国道 7 号大須戸 ~ 上大鳥村上市大

NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

<4D F736F F D F F965C959790E191CE899E8B4C8ED294AD955C F8AD9816A89FC92F994C55F288A4A94AD8C9A90DD B438FDB91E492C78B4C816A>

2 気象 地震 10 概 況 平 均 気 温 降 水 量 横浜地方気象台主要気象状況 横浜地方気象台月別降水量 日照時間変化図 平均気温 降水量分布図 平成 21 年 (2009 年 ) の月別累年順位更新表 ( 横浜 ) 23

untitled

気候変化レポート2015 -関東甲信・北陸・東海地方- 第1章第4節

Microsoft Word - cap4-2013chugoku-hirosima

平成 29 年 8 月 8 日 国道 33 号の渋滞緩和にご協力ください! ~ 経路変更によるお盆の渋滞回避 ~ 愛媛県渋滞対策協議会 ( 議長 : 松山河川国道事務所長 ) では GW 及びお盆期間中において国道 33 号が混雑する事から 昨年よりドライバーの皆様に渋滞の回避及び緩和の為 経路変更

今後の気象の見通し ( 別紙 1) 渡島地方を中心に これから 2 月 5 日にかけて大雪による車両の立往生などの交通障害の発生するおそれがあります 湿った重い雪により除雪作業が困難になるおそれもあります 大雪による交通障害に警戒し なだれにも注意が必要です 外出される際は 事前に気象情報や道路情報

資料 1 逆走事案のデータ分析結果 1. 逆走事案の発生状況 2. 逆走事案の詳細分析

今後の気象の見通し ( 別紙 1) 渡島地方を中心に これから 2 月 5 日にかけて大雪による車両の立往生などの交通障害の発生するおそれがあります 湿った重い雪により除雪作業が困難になるおそれもあります 大雪による交通障害に警戒し なだれにも注意が必要です 外出される際は 事前に気象情報や道路情報

緊急発表(案)(気象台)


データ同化 観測データ 解析値 数値モデル オーストラリア気象局より 気象庁 HP より 数値シミュレーションに観測データを取り組む - 陸上 船舶 航空機 衛星などによる観測 - 気圧 気温 湿度など観測情報 再解析データによる現象の再現性を向上させる -JRA-55(JMA),ERA-Inter

今後の進め方について

% 4.4% % 5.0% % 4.5% % 2.7% % 2.0% % 3.6% 5.1% 4.5% 2.6% 3.6%

<4D F736F F D B985F95B6817A5F F82E482AB82DD82E782A A82B08D9E82DD95E28F4395FB964082F A282BD837C A815B838B91CE8DF482C982C282A282C42E646F63>

(1) 画像処理による路面状態の判別システムでは, 取込んだ画像を判別に適した画像に補正するロジック ( 画像補正ロジック ), 地点別に各メッシュ領域をフーリエ変換することによって算出される周波数で構成されるデータをクラスター分析するロジックと,R G B 濃度値, グレイ輝度値, エントロピー値

火山ガスの状況( 図 8-5 図 9-4) 1 日 6 日 8 日 14 日 20 日 22 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の1 日あたりの放出量は700~1,800 トン (10 月 :500~1,70 トン ) と増減しながら 概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の

9 報道発表資料平成 29 年 12 月 21 日気象庁 2017 年 ( 平成 29 年 ) の日本の天候 ( 速報 ) 2017 年 ( 平成 29 年 ) の日本の天候の特徴 : 梅雨の時期 (6~7 月 ) は 平成 29 年 7 月九州北部豪雨 など記録的な大雨となる所があった梅雨の時期

<985A8D62834B815B B4389B CF E312E E A2E584C53>

別紙 3 点検表記録様式 様式 1( その1) 橋梁名 所在地 管理者名等 橋梁名 路線名 所在地 起点側 緯度 経度 学園橋 ( フリガナ ) ガクエンバシ 町道上中下中線 鹿児島県熊毛郡南種子町中之下 管理者名 点検実施年月日 路下条件 代替路の有無 自専道

<4D F736F F D205B8A6D92E894C55D8E528C6093B9838A836A B B8D488E96928B96E B18ED490FC8B4B90A72E646F6378>

38 39

C C C [ (2004/2/28 )] [ (2002/6),p.18] (2004/3)

4

Microsoft PowerPoint - 冬期運輸観光安全確保情報

Microsoft Word _tomei_shuchu_WEB

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

通行止め区間および迂回路 7 至村上 E7 日本海東北自動車道 新潟中央 IC 8 新潟西 IC 至長岡 北陸自動車道 8 新潟中央 JCT 49 新潟 PA 新津西新津 IC IC スマート新津西スマート五泉 PA 安田 IC 阿賀野川 SA 1 1 新潟中央 JCT 安田 IC( 上下線 ) 8

8. ピンポイント渋滞対策について 資料 8

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 14 日 17 時 50 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベルを1( 活火山であることに留意 ) から2( 火口周辺規制 ) に引上げ> 阿蘇山では 火山性微動の振幅が 3 月 15 日以降 小さい状態

ひっかけ問題 ( 緊急対策ゼミ ) ステップ A B C D 39.4% 学科試験パーフェクト分析から ひっかけ問題 に重点をおいた特別ゼミ! 2 段階 出題頻度 39.4% D ゼミ / 内容 *(2 段階 24.07%+ 安知 15.28%=39.4

日本の海氷 降雪 積雪と温暖化 高野清治 気象庁地球環境 海洋部 気候情報課

チェーン規制区間 別紙 近畿地方整備局 関東地方整備局 E19 国道 138 号 山中湖村平野 ~ 小山町須走字御登口 中央道 飯田山本 IC ~ 園原 IC 直轄国道 高速道路 直轄国道 都道府県 路線番号 箇所名 区間 延長 (km) 道路管理者 山梨県静岡県 やまなかこすばしりやまなかこむらひ

本章では 衝突被害軽減ブレーキ 車線逸脱警報 装置 等の自動車に備えられている運転支援装置の特性 Ⅻ. 運転支援装置を 備えるトラックの 適切な運転方法 と使い方を理解した運転の重要性について整理しています 指導においては 装置を過信し 事故に至るケースがあることを理解させましょう また 運転支援装

平成30年度チェーン規制実施箇所 近畿地方整備局管内 別紙 凡例 近畿地整 高速道路 E8北陸自動車道 延長17.8 丸岡IC 加賀IC 国道8号 延長3.2 福井県あわら市熊坂 福井県あわら市笹岡 直轄国道 E8北陸自動車道 延長44.7 木之本IC 今庄IC 高速道路 都道府県 延長 km 道路

Microsoft Word - 1.3_yuki_4th.doc

Microsoft Word - 報道発表鑑+

暴風雪災害から身を守るために~雪氷災害の減災技術に関する研究~


令和元年 5 月 27 日 東日本高速道路株式会社 北海道支社 北海道の高速道路における夜間通行止めのお知らせ ~ 道路維持作業 補修工事の実施 ~ NEXCO 東日本北海道支社 ( 札幌市厚別区 ) は お客さまに高速道路を安全 安心 快適にご利用いた だくために 路面補修工事 各種設備点検等に伴

平成 2 7 年度第 1 回気象予報士試験 ( 実技 1 ) 2 XX 年 5 月 15 日から 17 日にかけての日本付近における気象の解析と予想に関する以下の問いに答えよ 予想図の初期時刻は図 12 を除き, いずれも 5 月 15 日 9 時 (00UTC) である 問 1 図 1 は地上天気

<4D F736F F D DC58F4994C5817A C8E89D495B294F28E558C588CFC82DC82C682DF8251>

参考資料

2. エルニーニョ / ラニーニャ現象の日本への影響前記 1. で触れたように エルニーニョ / ラニーニャ現象は周辺の海洋 大気場と密接な関わりを持つ大規模な現象です そのため エルニーニョ / ラニーニャ現象は周辺の海流や大気の流れを通じたテレコネクション ( キーワード ) を経て日本へも影響

2018_1.pdf

今後の気象の見通し ( 別紙 1) 釧路 根室地方では 明日 3 月 1 日夕方から 2 日にかけて 暴風雪による見通しが全くきかない猛ふぶきや大きな吹きだまりによる車両の立ち往生に警戒が必要です また 大雪による交通障害にも十分注意してください 最新の気象情報や道路情報等を確認していただき 不要不

No.19 除草の高効率化 低コスト化 ( 道路除草を例に )2 現行の除草方法は 人力での草刈り 草取り 現行方法では 作業効率が低く コストが高いため 十分な除草が出来ない 交通量の多い区間では 渋滞を誘発することもあり 1. 人力除草作業の効率 6 人 / パーティーで 0.7km/ 日 (

焼津(名古屋方面)IC津工事箇所焼IC参考資料 1. 工事箇所東名高速道路静岡 IC~ 焼津 IC 間用宗高架橋 ( 下り線 ) 凡例 高速自動車国道 一般有料道路 建設中区間 国交省建設区間 ( 上り線 : 名古屋 東京方面下り線 : 東京 名古屋方面 ) 至至静岡(東京方面)用宗高架橋

Wx Files Vol 年2月14日~15日の南岸低気圧による大雪

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 19 日 19 時 40 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24

<4D F736F F D D491968A4A8C9A5F8B438FDB91E45F94AD955C5F82A982AA82DD2E646F63>

資料 4 安全 安心の確保 ~ 道路の防災 震災対策 ~ Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

<4D F736F F D F5F3193FA914F5F88AE90EC8A4A8C9A814588AE90EC926E95FB8B438FDB91E B8FC894AD955C82C882B5816A2E646F63>

WxFilesVol 年3月10日関東地方の砂嵐に関して

Microsoft Word - 615_07k【07月】01_概況

Microsoft Word - format_amedas.doc

Microsoft Word 北の道ナビ_論文_最終版.doc

佐賀県の地震活動概況 (2018 年 12 月 ) ( 1 / 10) 平成 31 年 1 月 15 日佐賀地方気象台 12 月の地震活動概況 12 月に佐賀県内で震度 1 以上を観測した地震は1 回でした (11 月はなし ) 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 図 1 震央分布図 (2018 年 1

Transcription:

徳島自動車道鳴門 JCT~ 徳島 IC における路温特性 石川明弘 *1 横田淳 *1 足立憲次 *2 四宮敬介 *2 大本英輝 *2 1. はじめに平成 27 年 3 月 14 日に 西日本高速道路四国横断自動車道の徳島 IC~ 鳴門 JCT(10.9km) が供用開始となった 高松自動車道と徳島自動車道が直結し 四国各地と鳴門大橋を通じた京阪神方面を結ぶ路線が 2ルート選択できるようになり 通行止め時や渋滞時におけるルートの選択肢が広がった また 将来発生が懸念される南海トラフ地震による津波発生時には 京阪神方面から徳島市 四国方面に直結する緊急輸送路としての機能や防波堤機能 津波一次避難場所としての機能を有する 命の道 としても重要路線となる 一方 吉野川河口部を通過する徳島 IC~ 鳴門 JCT 間には 橋長 1181.6m の今切川橋 ( 鋼 18 径間連続橋 ) が存在し 低温時の路面凍結の発生が懸念されている 徳島 IC~ 鳴門 JCT 周辺は少雪地域であるため 通常 道路利用者は冬タイヤの装着等 冬道対策が十分でなく冬道運転にも習熟していない したがって 少量の積雪や局所的な路面凍結に対しても 寒冷積雪地域以上にきめ細かい路面管理が必要である このような与条件のもと 供用開始区間での路温分布や橋梁部での路温低下の程度について 調査を実施することとなった 2. 調査方法調査は以下の 2つの方法により実施した 1 今切川橋と周辺気象観測所の気象比較今切川橋と近隣の道路テレメータを対象に 連続気象観測値を比較し徳島 IC~ 鳴門 JCT 間および今切川橋における時間帯別 天気別の気温 路温の違いを把握した 比較地点 ( 図 1): 今切川橋 徳島 IC 大代古墳 IC 比較要素 : 気温 路温 統計期間 : 平成 27 年 12 月 1 日 ~ 平成 28 年 3 月 31 日 2サーマルマッピング 調査 ( 移動気象調査 ) 徳島高速道路事務所管轄の道路パトロール車に 気象観測機器 ( 図 2) を搭載し 気象 位置データを取得しながら走行することで 気温 路温分布の調査と凍結要注意区間の抽出を行った 観測要素 : 気温 路温 位置情報 観測インターバル :1 秒毎車速 80km /hに対して約 20m 毎に相当 SDカードに収録 観測期間 : 平成 27 年 12 月 20 日 ~1 月 27 日 ( 日中 18ラン 夜間 16ラン ) 赤外放射温度計 ( 路温 ) 温湿度計気温路温 湿度 GPS 収録装置 図 2 観測装置の搭載状況図 1 徳島 IC~ 鳴門 JCT と周辺気象観測所の位置 ( 地理院地図 http://maps.gsi.go.jp/ 使用 ) *1 一般財団法人日本気象協会 *2 西日本高速道路株式会社四国支社

3. 調査結果 3.1 期間を通じた気温の比較連続気象観測値から 今切川橋と土工部の徳島 IC 山沿いの大代古墳 IC( 標高約 20m) における期間を通じた気温の統計結果をまとめると 以下の通りとなった 1 今切川橋の雪氷期の平均気温は 大代古墳 TNより0.7 高く 徳島 ICより0.9 低かった 2 今切川橋の雪氷期の最高気温は 徳島 ICより5.2 低かったが 最低気温は徳島 ICとの差が 0.5 と小さく 最高気温の地点差に比べ小さかった 3.2 気温 路温の時刻変化 気温 今切川橋と徳島 IC 大代古墳 ICにおける統計期間内の時刻別平均気温の統計結果をまとめると 以下の通りとなった ( 図 3) 1 今切川橋の気温は 日中は徳島 ICや大代古墳 TNより低く 夜間は徳島 ICとほぼ等しい 2 今切川橋は 日最低気温と日最高気温の差 ( 日較差 ) が他の2 地点より小さい 4 午後から夕方にかけては土工部より橋梁部のほうが低温のため 低温時には土工部より夕方の早い時間帯から路面凍結となりやすい ( 図 4 図 6) 5 本年度の今切川橋において 深夜 ~ 早朝の時間帯で橋梁部の路温が土工部の路温より最も低かった事例では 土工部と橋梁部の路温差が 2.1 ( 平成 28 年 1 月 25 日 1 時 3 時 ) となった ( 図 6) 土工部と橋梁部における路温の日変化の違いの原因として 以下の事項があげられる 1 日中の橋梁部の路温が土工部の路温より低くなる原因 橋梁部は温度変化の小さい河川水に近く 路温上昇が低減される 日中の路面では気温より路温が高く 路面の熱量が風により大気中に運ばれる ( 顕熱輸送 ) が 橋梁部では中空の下部からも熱量が運ばれるため 土工部より路温上昇が低減される 2 午後 ~ 夜半の橋梁部の路温が土工部より早く低下する原因 橋梁部は中空の下部からも熱量が大気中に放射されるため 土工部より路温低下が早くなる 3 夜間 ~ 早朝にかけての橋梁部と土工部の路温の違いは 構造や部材等によっても異なり 土工部より橋梁部の路温が低下しやすい橋梁もある ( 例 : 徳島自動車道吉野川橋 ) 図 3 今切川橋と周辺気象観測所の時刻別平均気温の比較 図 4 路温 ( 土工部 橋梁部 ) と気温の時刻変化 路温 気温と路温の連続観測が行われている今切川橋において 気温と路温 ( 土工部 橋梁部 ) の時刻別平均値 ( 図 4) 気温と橋梁部路温との差の時刻変化 ( 図 5) および土工部と橋梁部との路温差の時刻変化 ( 図 6) をまとめると以下の通りとなった 1 日中の路温は 土工部 橋梁部とも気温に比べて大きく上昇する また 日中の橋梁部の路温は土工部の路温より低い ( 図 4) 2 深夜 ~ 早朝にかけて 路温 ( 土工部 橋梁部とも ) は気温とほぼ同じとなった ( 図 4 図 5: 気温 - 橋梁部路温差がほぼ0 ) 3 正午過ぎから夕方にかけての橋梁部の路温は 土工部より平均値で 3~4 低くなった ( 図 6) 図 5 気温と橋梁部路温との差の時刻変化 図 6 土工部と橋梁部との路温差の時刻変化

3.3 天気の違いによる気温 路温変化平成 28 年 1 月 24 日 ~25 日にかけては 記録的な寒気と強い冬型気圧配置の影響で 四国地方の高速道路でも積雪や路面凍結により通行止めやタイヤ規制が実施され 徳島 IC~ 鳴門 JCT 間でも降積雪となった 本事例において 天気の違いによる気温 路温の変化をまとめる 天気の変化 1 月 23 日日中に日本の南海上と日本海を低気圧が東進した このため 23 日日中は曇りやにわか雨となり 23 日夜から 24 日夜にかけて降雪となった 近隣の徳島地方気象台では 24 日 1 時頃から雪が降り始め 7 時 ~10 時と17 時 ~24 日 10 時には積雪を観測した ( 最深積雪 :24 日 20 時 2cm) 25 日日中からは 次第に冬型気圧配置が緩み晴れ間が出た 気温の地点差 図 7 1 日中に晴れた時の気温上昇は 土工部の徳島 ICでは他地点より大きく 今切川橋では小さかった ( 図中 1) 2 夜間から早朝にかけて晴れると 山沿いの大代古墳 TNの気温低下は他より大きかった ( 図中 2) 3 曇りや雨雪の場合 3 地点の気温差は小さくなった ( 図中 3) 今切川橋における気温と路温の変化 図 8 1 曇りや雨雪が続いた 23 日夕方 ~24 日早朝にかけては 気温と路温 ( 土工部 橋梁部 ) の温度差が小さかった ( 図中 1) 2 寒気が入り冬型気圧配置が強まった 24 日午前は 晴れ間も出たが雲が多かった この時間帯の気温上昇は小さかったが路温は上昇し 橋梁部と土工部の路温差は小さかった ( 図中 2) 3 冬型気圧配置が緩み始めて晴れ間が出た 24 日夜から 25 日未明にかけては 橋梁部の路温は最低気温 (-4.2 24 日 22 時 ) 程度まで低下し (-4.6 25 日 2 時 ) 気温が上昇し始めた早朝でも上昇しなかった 土工部の最低路温は- 2.6 と 橋梁部のほうが 2.0 低かった ( 図中 3) 425 日夕方には 橋梁部の路温が土工部より先に凍結に注意が必要な 2 以下となった ( 図中 4) 図 7 今切川橋と周辺気象観測所の気温変化 ( 平成 28 年 1 月 23 日 ~26 日 ) 図 8 今切川橋における気温と路温 ( 土工部 橋梁部 ) の変化 ( 平成 28 年 1 月 23 日 ~26 日 )

3.4 サーマルマッピング 調査の結果サーマルマッピングの調査結果を以下にまとめる 平成 28 年 1 月 24 日 ~26 日の温度分布 記録的な強い寒気が南下した平成 28 年 1 月 24 日 ~26 日の観測例を図 9に示す 気温 : どの事例も区間内の気温差は 2 以内であり 1 月 24 日 ( 降雪 深夜 ) や26 日の観測結果 ( 晴れ 早朝 ) では気温差は0.3 以下と小さかった 1 月 25 日の事例では 富吉 ~ 米津や今切川橋 ~ 長岸橋では周辺に比べ気温がやや低い 路温 : どの事例でも 今切川橋の路温は周辺に比べて低い また 距離は短いものの長岸橋や県道 219 号跨線橋 ( 米津 ) ~ 富吉 JR 鳴門線跨線橋でも周辺より路温が低下した 気温に比べ路温は 道路構造等による地点差が大きい 日中と夜間の温度差分布 平成 27 年 12 月 20 日 ~1 月 27 日 ( 日中 18ラン 夜間 16ラン ) における観測結果から徳島 ICとの温度差を計算し その結果を日中 夜間別に分類し 各事例を緯度経度毎に平均化した その結果を図 10に示す 気温 : 日中夜間とも 今切川橋と徳島 ICの気温差は 0.1 以内と小さかった 徳島 IC~ 鳴門 JCT 間でも 気温差は ± 0.1 以内と小さかった 路温 : 日中夜間ともに 今切川橋や長岸橋では周辺に比べ路温が低く どちらの橋梁とも徳島 ICより日中で0.9 夜間で1.2 低かった また 距離は短いものの 夜間は県道 219 号跨線橋 ( 米津 ) や百間場排水機場付近でも周辺より路温が低下し 徳島 ICより0.8~0.9 低かった これらの地点では 徳島 ICとの日中の路温差は 0.5 未満であり 夜間の路温は日中に比べ地点差が大きい 日中 気温差 夜間 気温差 平成 28 年 1 月 24 日 0 時 02 分 ~0 時 18 分 ( 雪 ) 徳島 IC との気温差分布 日中 路温差 夜間 路温差 平成 28 年 1 月 25 日 0 時 05 分 ~0 時 28 分 ( 曇り ) 徳島 IC との路温差分布 図 10 徳島 IC との日中 夜間別温度差分布 ( 左 : 日中 右 : 夜間 ) 平成 28 年 1 月 25 日 15 時 42 分 ~16 時 03 分 ( 晴れ ) 平成 28 年 1 月 26 日 6 時 34 分 ~6 時 46 分 ( 晴れ ) 図 9 1 月 24 日 ~26 日の温度分布の観測例 ( 左 : 気温 右 : 路温 ) 天気別 日中夜間別の気温差分布 天気別 日中夜間別に分類した観測結果から徳島 ICとの気温差を計算し 各事例を緯度経度毎に平均化した その結果を図 11に示した 日中 : 晴れた日には 今切川橋 ~ 鳴門 JCT 間では徳島 ICよりやや低温となる地点が多く 河川に近く最も低温の今切川橋 ~ 長岸橋では徳島 ICとの気温差が1 程度となった 曇りや雨の日は 徳島 ICとの気温差は ±0.5 以内と小さくなる 夜間 : 晴れた日には 米津 ~ 今切川橋や長岸橋 ~ 鳴門 JCT でやや低温となり 最も低温の今切川橋周辺では徳島 ICとの気温差が0.7 となった 曇りや雪の日には富吉 ~ 米津でわずかに低温となっているが 最も低温の百間場排水機場

~ 富吉でも徳島 IC との差は 0.4 以下と小さかった 雨の 日の気温差は 0.2 とさらに小さくなった 橋で徳島 ICより1.5 程度低く 雪の夜間は今切川橋や長岸橋 県道 219 号跨線橋 ( 米津 ) 百間場排水機場付近 JR 鳴門線跨線橋で 1.1~1.5 低かった 曇りや雨の日は地点による路温差は小さく 今切川橋で徳島 ICより1.1 の路温低下となった 晴れの事例 晴れの事例 曇りの事例 曇りの事例 雨の事例 日中における降雪時の 観測事例はなかった 雨の事例 雪の事例 図 11 徳島 IC との天気別気温差分布 ( 左 : 日中 右 : 夜間 ) 日中における降雪時の 観測事例はなかった 天気別 日中夜間別の路温差分布 天気別 日中夜間別に分類した観測結果から徳島 ICとの路温差を計算し 各事例を緯度経度毎に平均化した その結果を図 12に示した 日中 : 晴れた日には地点毎の路温差が大きくなり 今切川橋や長岸橋 JR 鳴門線跨線橋では徳島 ICより1.5 程度低温となった 曇りの日は 今切川橋が徳島 ICより0.8 低温となり 他地点と徳島 ICの路温差は 0.5 以下となった 雨の日は 今切川橋と県道 219 号跨線橋 ( 米津 ) で0.6 低温となるにとどまった 夜間 : 晴れた日の路温は 今切川橋や長岸橋 JR 鳴門線跨線 雪の事例 図 12 徳島 IC との天気別路温差分布 ( 左 : 日中 右 : 夜間 )

4. まとめ平成 27 年 3 月 14 日に供用開始となった 西日本高速道路四国横断自動車道の徳島 IC~ 鳴門 JCT 間において 路面凍結発生が懸念される今切川橋の気温 路温特性と区間内の路温分布と凍結要注意地点の抽出を行った 気温特性 1 今切川橋の統計期間中 ( 平成 27 年 12 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) の平均気温は 山沿いの大代古墳 TNより高く土工部の徳島 IC より低い 2 今切川橋では 日中は徳島 ICや大代古墳 TNより気温が低く 夜間は徳島 ICとほぼ等しい そのため 今切川橋の橋梁部の気温日較差は 土工部より小さい 3 今切川橋 ~ 鳴門 JCT 間では 晴れた日中は徳島 ICよりやや低温となり 河川に近く最も低温の今切川橋 ~ 長岸橋では徳島 ICとの気温差が 1 程度となった 4 晴れた夜間は 米津 ~ 今切川橋や長岸橋 ~ 鳴門 JCT でやや低温となるが 徳島 ICとの気温差は小さい 5 曇りや雨の日中は 徳島 IC~ 鳴門 JCT 間の気温差は 晴れた日中に比べてさらに小さくなる 6 曇りや雪の夜間は富吉 ~ 米津でやや低温となるが 徳島 IC との差は小さく 雨の日の気温差はさらに小さくなる 晴れた夜間や雪の夜間には 今切川橋や長岸橋より距離は短いものの JR 鳴門線跨線橋や県道 219 号跨線橋 ( 米津 ) 百間場排水機場 ~ 富吉も路面凍結の要注意地点として抽出された 米津や富吉には盛土のり面を利用した津波避難施設が設置されている 徳島 IC~ 鳴門 JCT 周辺は少雪地域であり 道路利用者の冬道対策が十分でない したがって 少量の積雪や局所的な路面凍結に対しても寒冷積雪地域よりきめ細かい路面管理が必要である なお 今回の調査期間において降積雪時の事例蓄積が十分ではなかった そのため 降雪時の観測データをさらに蓄積し 路面への積雪の深さの違いによる路温低下の程度 積雪時の気温 路温分布の調査をさらに進めることが今後の課題となる 路温 今切川橋の土工部と橋梁部の路温の比較 1 非常に強い寒気が南下した平成 28 年 1 月 25 日早朝には 橋梁部は土工部より 2.0 低温となった 統計期間で平均すると 深夜 ~ 早朝にかけては土工部 橋梁部とも路温は気温とほぼ同じとなり 日中は気温に比べ路温上昇が大きかった 2 統計期間で平均すると 午後の橋梁部の路温は 土工部より平均値で 3~4 低く 低温時には土工部より夕方の早い時間帯から路面凍結となりやすい 今切川橋と周辺の路温の比較 1 路温は晴れた夜間や降雪時の夜間を中心として 日中より道路構造等による地点差が大きくなる また 気温の地点差より大きくなる 2 日中夜間を通じて 今切川橋ともうひとつの橋梁部である長岸橋では 土工部である徳島 ICより1~2 路温が低下する また夜間の晴天時や降雪時には JR 鳴門線跨線橋や県道 219 号跨線橋 ( 米津 ) 百間場排水機場 ~ 富吉でも徳島 ICより1~2 路温が低下する 3 曇りや雨の日は 日中夜間ともに地点毎の路温差は小さい 以上のように 徳島 IC~ 鳴門 JCT 間の今切川橋や長岸橋で は午後の橋梁部の路温が土工部に比べ 3~4 低く 低温時に は夕方の早い時間帯から路面凍結に注意が必要である また