非定常 非線形風況シミュレータ RIAM-COMPACT の紹介 COMPACT 九州大学応用力学研究所内田孝紀 takanori@riam.kyushu-u.ac.jp u.ac.jp 092-583 583-7776
本研究の背景
マクロサイティング (Macro-siting) 広域風況マップ 再解析データ 地形因子法 気象モデル 気象的要素が支配的 マクロサイティング 水平解像度 500m 以上の粗い分解能 地理情報システム (GIS) の利用 地理情報システム (GIS) により NEDO 風況マップを表示した例
適地選定における最新の成果 ー地理情報システム (GIS) によるマクロサイティング例ー 風力発電導入有望地区 RIAM-COMPACT によるマイクロサイティングへ
NEDO の風況マップと RIAM-COMPACT COMPACT の計算結果の比較 NEDO の風況マップと明らかに異なる! NEDO の風況マップ (500m 解像度 ) RIAM-COMPACT COMPACT の計算結果 ( 合成風況図,50m, 解像度 )
本研究の背景 1 日本国内では, 風車の適地が海岸地区から山間部に移行しており, 風力発電の事業評価はこれまで以上に厳密に, かつ高精度に行う必要がある. 海岸地区 山間部
現在, 稼働中の ウィンドファームを 対象にした計算例 本研究の背景 2 山間部の風の流れは非定常な複雑乱流場 ハブ高さ (64m) における主流方向速度成分の分布 ハブ高さ (64m) における速度ベクトルの分布
マイクロサイティング 1 風力発電 : 再生可能な自然エネルギーの 1 つ ( 風力 電気 ) で, 現在最も注目されている! 風のエネルギーは, 風速の 3 乗と受風面積 A に比例. 風速が 2 倍になると... ローター直径 D 発電出力は 8 倍! できるだけ風況が良い地点に風力タービンを建設するのが望ましい! 受風面積 A 風力タービンの適地を探す マイクロサイティング技術
マイクロサイティング 2 マイクロサイティング (Micro-siting) 最終的な風力タービンのサイト選定 力学的な要素が支配的 風に対する地形効果 ( 風の変化や風の乱れ ) を考慮する必要あり RIAM-COMPACT (CFD 技術 ) の利用 Local Speed-Up, Vortex Shedding, Reattachment This figure shows the airflow over 2-D 2 D escarpment.
マイクロサイティング 3 RIAM-COMPACT WAsP Comparison of RIAM-COMPACT COMPACT and WAsP
先端的風況予測シミュレータ RIAM-COMPACT COMPACT ( ( リアムコンパクト ) の紹介 ー開発の経緯と位置づけ, 導入実績などー
流体力学 (Fluid Dynamics) の分類 数値流体力学 (Computational Fluid Dynamics) コンピュータを用いて流れを解明しようとする方法 実験流体力学 (Experimental Fluid Dynamics) 風洞実験や水槽実験などの室内実験において流れの速度や圧力を計測し, 流れを解明しようとする方法 理論流体力学 (Theoretical Fluid Dynamics) 数学的 解析的に流れを解明しようとする方法 レオナルド ダヴィンチによる渦のスケッチ http://weather.is.kochi-u.ac.jp/ 済州島の下流に形成されたカルマン渦
風洞実験の代替ツールとしての CFD ー CFD(Computational Fluid Dynamics) ー 風洞実験 模型製作を含めて高価である 膨大な時間を要する 市街地 風洞実験を補完する数値シミュレーション (CFD) 風洞実験を先導する数値シミュレーション (CFD) 風洞実験に代わる数値シミュレーション (CFD) http://www.takenaka.co.jp/ 実地形 数値シミュレーション (CFD) による実験 ( 数値実験 ) 風工学の分野 : CWE(Computational Wind Engineering) CFD 技術 ( ソフト ) コンピュータ ( ハード ) 急速な進展 風洞実験の様子
非定常 非線形風況シミュレータ RIAM-COMPACT COMPACT ( ( リアムコンパクト ) 九州大学応用力学研究所発のマイクロスケールマイクロスケール流体工学 CFD モデル ) Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University, COMputational Prediction of Airflow over Complex Terrain 乱流モデル : 次世代乱流モデルとして期待されている LES(Large- Eddy Simulation) の採用! 対象スケール : 数 ( 十 )km 以下の局所域スケールに的を絞る! 特長 1: 風に対する地形 建物の効果を高精度に予測! 特長 2: 安定成層, 不安定成層など種々の大気安定度を考慮! 流れの局所的な増速 逆流域の形成 ( 渦放出 ) Flow 流れの衝突 流れの剥離 流れの再付着 風に対する地形効果風に対する地形効果
RIAM-COMPACT COMPACT 1 歴史 2003 年 11 月に最初のバージョンをリリース. 2006 年 10 月に九州大学発ベンチャー企業 ( 株 ) リアムコンパクトを設立. ( 株 ) ユーラスエナジージャパン, 電源開発 ( 株 ),, 日本風力開発 ( 株 ),, エコ パワー ( 株 ), M&D グリーンエネルギー ( 株 ) など全国に約 60 ユーザー. コスモ石油 2007 年度 RC ソフトウエアを導入済 RC ソフトウエアを使った風車事故調査を実施
RIAM-COMPACT COMPACT 2 流体 ( 風況 ) のコンピュータシミュレーションにおけるスケールによる分類 < < (a) 工学分野では数 m 以内の物体スケール (b) 数 m~ ~ 数十 km の局所域スケール 地上 10m における水平風速と風速ベクトル,0418 台風 (c) 気象分野では数十 km 以上の広域空間スケール 工学分野では数 m 以内の物体スケール 気象分野では数十 km 以上の広域空間スケールが主な研究対象であった 一方 その中間の数 m~ ~ 数十 km は私達の実生活に関連したごく身近な風環境にも関わらず 地物 地形による影響と時間変化の両者を忠実に再現可能な風況予測モデルの重要性は 未だ十分に認識されてなかった このスケールギャップに着目し 世界最先端の流体計算技術に基づいた斬新で汎用的な風況予測システム (RIAM- COMPACT : : リアムコンパクト ) の開発に成功し この分野の新たな道を拓いた
RIAM-COMPACT COMPACT 3 Windows 搭載の PC1 台で動作可能 前処理 Pre-processing 格子生成 (RC-Elevgen) 風車図挿入のための作業 (RC-WindmillMaker) ソルバー (RC-Solver) 後処理 Post-processing 流れの可視化 (RC-Scope) 年間発電量の評価 (RC-Explorer)
入力情報 1 年間の風況観測データ ( 風速 風向の時系列データ or 統計処理データ ) 地図情報 : 標高および土地利用 ( 粗度分布 ) 観測点位置 ( 十進経緯度 ) 風車配置 ( 十進経緯度 ) 風車性能特性 ( 出力係数 ) 風車寸法 : ハブ高さ 翼径 出力結果 RIAM-COMPACT COMPACT 4 年間発電量 ( ウエイク ロス考慮 ) その他の種々のの種々の派生情報
RIAM-COMPACT COMPACT 5 現在最も活用されている分野 風力発電分野 主な特長 非定常 非線形非線形の流体の流体工学 (CFD) モデル RANS 系モデルよりも有望視されている LES 乱流モデルを採用 地理情報システム (GIS) との連携により, 国内外を問わず, 世界中のあらゆる平坦地形と複雑地形に適用可能 風速分布のみならず, 乱流強度分布などの3 次元アニメーション表示が可能 観測データに基づいて, 任意地点の年間発電電力量や設備利用率が評価可能 ハブ高さ (64m) における速度ベクトルの分布 風車に対する風荷重を評価するための, 風の時系列データの出力が可能 風車立地点における風速分布や乱流強度の鉛直プロファイルを表示可能 風車受風面内の風の吹き上げ角度や吹き下げ角度などを出力可能
RIAM-COMPACT COMPACT の応用分野 風工学分野風工学分野 山岳地形 市街地における自然エネルギーの有効利用( 風力発電 ) 巨大都市域( 市街地 ) の大気環境予測と改善 山間部の地形性局地強風の発生メカニズム解明 山間部の送電鉄塔周辺の風害対策 台風に伴う歴史的建造物の風害対策 竜巻に伴う風害対策 鉄道分野鉄道分野 突風 強風時における鉄道の安全運行支援システム構築 線路周辺の風害対策, 風況マップ作成 航空 船舶分野航空 船舶分野 離島空港建設のための風況アセスメント 大型タンカー接岸ルート支援システムのための風況予測 森林分野森林分野 台風に伴う風害対策のためのハザードマップ作成( 強風域特定 ) 山火事の延焼域の予測 山火事の煙, 火山ガス, 大気汚染物質, 花粉などの移流 拡散予測 特に重点を置いているテーマ 竜巻シミュレータの開発 風向変動を考慮したガス拡散予測 レジャー分野レジャー分野 ヨットレース, フィッシング, ゴルフ, バルーンなどを対象にした風情報配信サービス
先端的風況予測シミュレータ RIAM-COMPACT COMPACT ( ( リアムコンパクト ) の紹介 ー予測精度および最新の可視化技術予測精度および最新の可視化技術ー
計算領域と諸パラメータ 対象となる風車 水平方向領域 : 16km 12km 12km 国土地理院の 50m 標高データ利用
計算結果 1 対象となる風車 1.4 u/uin ハブ高さ (65m) における速度ベクトルの分布 -0.4
計算結果 2 対象となる風車 1.4 u/uin 対象とする風車を通る速度ベクトルの鉛直分布 -0.4
ー WTG 適地選定の実例ー 実風速の再現性について 鹿児島県野間岬ウィンドパーク WTG の大型化に伴い受風鉛直断面内での風況評価が重要!
# Wind speed : 10m/s #1/7 power law 計算手順と計算結果 1
計算手順と計算結果 2 25 風速 (m/s) 20 No.1 No.4 観測値 予測値 15 ナセル搭載の風速計の値 10 5 0 2003 年 1 月 2 日 2003 年 1 月 3 日 2003 年 1 月 4 日 第 1 号基のハブ高さにおける風速の時間変化, 2003 年 1 月 2-3 日,(2 日分 ),1 分値,2880 個のデータ
計算結果 3 15 風速 (m/s) 10 No.1 No.4 5 1 号基 ( 評価地点 ) の予測値 1 号基 ( 評価地点 ) の実測値 0 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 2002 年 2003 年 第 1 号基のハブ高さ月別平均風速の変化,2002 年 6 月 ~2003 年 5 月 (1 年分 )
計算結果 4 月別平均風速における実測値との相対誤差 10% 以内 No.1 No.4 年平均風速における実測値との相対誤差 1% 以内 第 1 号基のハブ高さ月別平均風速の変化,2002 年 6 月 ~2003 年 5 月 (1 年分 )
計算結果 5 アニメーション
計算結果 6 RIAM-COMPACT 計算結果の新たな表現方法への取り組み ー Google Earth 上での風速分布の可視化ー
ー WTG 適地選定の実例ー 発電電力量の再現性について 350 300 Output power (kw) Real Design 定格出力 300kW 350 300 Output power (kw) Predict Design 250 250 200 200 150 150 100 50 実測値 0 0 5 10 15 20 25 30 Wind speed(m/s) 100 50 予測値 0 0 5 10 15 20 25 30 Wind speed(m/s) 第 1 号基 ( 評価地点 ) における風速と発電電力量の関係, (1 日分 2003 年 1 月 1 日,0, 時 ~24~ 時 ),1 分値,1440, 個のデータ
計算結果 1 350 Output power (kw) 300 250 200 150 100 50 Prediction Observation 0 0 4 8 12 16 20 24 Time (h) 第 1 号基の発電電力量の時間変化, (1 日分 2003 年 1 月 1 日,0, 時 ~24~ 時 ),1 分値,1440, 個のデータ
計算結果 2 350 Output power (kw) 300 250 200 150 100 50 Prediction Observation 0 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 Time (h) 第 1 号基の発電電力量の時間変化, (10 時間分 2003 年 1 月 1 日,5, 時 ~15~ 時 ),1 分値
計算結果 3 28% 第 1 号基の設備利用率 :28: 設備利用率 (%)= = 総発電電力量 (kwh)( kwh)/( 定格出力 (kwh) 計測時間 (h)) 100 月別平均発電量における実測値との No.1 No.4 相対誤差 10% 以内 第 1 号基の月別発電電力量の変化,2002, 年 6 月 ~2003~ 年発電電力量における実測値との相対誤差 1% 以内 (1 年分 ) 2003 年 5 月
岩屋ウィンドファームにおける 年間発電電力量の検証結果 赤 :RC: の結果青 : 観測値 ウィンドファーム (18 台合計 ) の年間発電電力量の予測精度は約 2%
先端的風況 拡散シミュレータ RIAM-COMPACT の開発と実用化 種々の適用例の紹介 内田孝紀, 大屋裕二 ( 九州大学応用力学研究所 ) 我々は, 数 ( 十 )km 以下の局所域スケールに的を絞り,RIAM-COMPACT (Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University, Computational Prediction of Airflow over Complex Terrain) と称する非定常風況 拡散シミュレータを開発している. この数値モデルは,1) ブラフボディ周りの流れ解析,2) 建物群, 市街地の風環境予測,3) 単純地形, 複雑地形周りの風況予測,4) 風力エネルギー有効利用のための風況精査,5) 単純地形および複雑地形周りの大気汚染物質の移流拡散場シミュレーションに適用可能である. 1. ブラフボディ周りの流れ解析 2. 建物群周りの風環境予測 図 1 円柱周りの流れ, 流線図,Re=5 10 5 図 2 九州大学新キャンパスおよび福岡ドーム周辺の風況シミュレーション 3. 単純地形周りの風況予測 4. 複雑地形上の風況予測 (a)2 次元尾根モデル (b)3 次元孤立峰モデル図 3 パッシブ粒子追跡法, 瞬間場 (a)2 次元尾根モデル (b)3 次元孤立峰モデル図 4 時間平均場に対する流線図 5. 風力エネルギー有効利用のための風況精査風速 : 小西風 図 5 風速 : 大 新北九州空港周辺の風況シミュレーション 図 6 九州大学新キャンパス ( 造成前 ) の風況シミュレーション 6. 大気汚染物質の移流拡散場シミュレーション (a) 中立時 (b) 安定時 図 7 和歌山県潮岬の鳥瞰図 図 8 地面近傍の風況特性 (c) 不安定時 (a) 煙源が低い場合 西風 (a) パッシブ粒子の挙動 図 9 岡山県倉敷市水島地区の拡散場シミュレーション (b) スカラー濃度の分布 図 11 三宅島の火山ガス挙動の予測, 中立時 図 10 (b) 煙源が高い場合単純地形の場合, 不安定時 問合せ先 : 内田孝紀 (092-583-7776,takanori@riam.kyushu-u.ac.jp)