Microsoft Word - ★日越共同声明日本語仮訳(最終版)

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Security declaration

我が国の2015年安保理非常任理事国選挙 バングラデシュ対策(案)

第 4 回日豪外務 防衛閣僚協議 日本とオーストラリア : 平和と安定のための協力 共通のビジョンと目標 1. 玄葉光一郎日本国外務大臣, 森本敏日本国防衛大臣, ボブ カー オーストラリア外務大臣, スティーブン スミス オーストラリア国防大臣は,9 月 14 日にシドニーにおいて会談し, 地域的

HP掲載後微修正】日本側共同声明案和文

政策目標 5-2: 多角的自由貿易体制の維持 強化及び経済連携の推進並びに税関分野における貿易円滑化の推進 1. 政策目標の内容自由貿易の推進は我が国の対外経済政策の柱であり 力強い経済成長を実現するためには 自由貿易体制を強化し 諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があるというのが 政府全体と

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

目次 1. 調査概要 Page 2 2. 回答者属性 Page 3 3. 問 1. 地球儀を俯瞰する外交 Page 4 4. 問 2. 日本の国連安保理非常任理事国としての取組 Page 5 5. 問 3. 東アジアの安全保障政策 Page 6 6. 問 4. 女性参画推進における国際的取組 WAW

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

Microsoft Word 【日尼共同声明】和文仮訳

係を継続的に進展させていく上で重要であるとの認識で一致した Ⅱ. 経済自由貿易 5. 双方は自由で開かれた貿易の力強い支持者であり, 世界貿易機関 (WT O) やAPECなどの国際フォーラムへの積極的な参加者である 双方は, 貿易及び投資の自由化及び円滑化の前進並びに多角的貿易体制の支持への共通の

日本国とアラブ首長国連邦との間の戦略的パートナーシップの深化及び強化に関する共同声明 - 繁栄と安定に向けた協力の新たな章の幕開け- ( 和文仮訳 ) 2018 年 4 月 29 日から30 日の安倍晋三日本国総理大臣のアラブ首長国連邦訪問に際し 安倍総理大臣とムハンマド ビン ザーイド アール ナ

撃のリスクが 全ての地域と加盟国に影響する可能性があることに懸念を表明し 民間航空に対するテロ攻撃について深刻な懸念を表明しそしてそのような攻撃を強く非難し 民間航空が 外国人テロ戦闘員による輸送手段として用いられる可能性があることにまた懸念を表明し そして 1944 年 12 月 7 日にシカゴで

の権利 包摂的な貿易 持続可能な開発並びに伝統的な知識を促進することの重要性並びに公共の利益のために締約国が規制を行う権利を有することの重要性を再確認すること並びに他の国又は独立の関税地域のこの協定への加入を歓迎することを決意して 次のとおり協定した 第一条環太平洋パートナーシップ協定の組込み1締約

この長期にわたる紛争に対する政治的解決を達成することとマグレブ アラブ連合の加盟国間の協 力の強化は 安定および安全 同様にサヘル地域の全ての人々のための仕事 成長および機会を導き出 すことに貢献するであろうことを認識し 国際連合西サハラ住民投票監視団 (MINURSO) を含む 全ての平和維持活動

日本トルクメニスタン経済委員会・トルクメニスタン日本経済委員会

G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

Microsoft Word - ★(ワードセット版)CONNEX基本指針

間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

平和維持活動業績資料を含む 平和維持活動の有効性に関する資料が 明快で十分に特定された達成条件に基づいて 派遣団の活動の分析と評価を改善するために用いられることを確保するという事務総長への安保理の要請を想起し 派遣団が その職務権限を効果的に実行するために必要とされる技能と柔軟性を保持するような M

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

別紙 1 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案による主な改正内容 TPP 整備法の現状 整備対象となる11 本の法律のうち GI 法の改正 : 施行済他 10 本の法律の改正 : 未施行 ( 施行期日は環太平洋パートナーシップ協定 (TPP12 協

ドーハ ラウンド交渉の一分野である貿易円滑化については 平成 26 年 11 月のWTO 一般理事会において 貿易円滑化協定に関する改正議定書 が採択され 今後 3 分の2 以上の加盟国が受諾した時点で本協定は発効することになりました 各 WTO 加盟国がこの協定を実施することにより 貿易規則の透明

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資料 2 平成 27 年度の政策対話等の実施実績及び予定について ( 未定稿 ) 1. 概要 平成 27 年度は 以下の取組につき 各国の状況に応じ組み合わせて実施 (1) 各国との政策対話の実施 (2) 対話の場を活用した 我が国食関連産業と先方政府 先方民間企業のとの情報共有 マッチングの促進

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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

平成19年6月  日

これまでの G7 コミットメント及び持続可能な開発のための世界的な枠組み を定める 2030 アジェンダに沿って行動する必要性を認識しつつ, 我々 G7 首 脳は, 以下にコミットする 強靱な沿岸及び沿岸部コミュニティ 1. より良い適応計画, 緊急事態への備え及び回復の支援 我々は, 政策ギャップ

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma

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事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

4-(1)-ウ①

設問 6: あなたは普段どの程度国際的なニュースや情報に接しているか ( 注 ) この設問は2015 年より実施 (1) 毎日 (2) 週に2~3 回程度 (3) 週 1 回程度 (4) 月 1 回程度 8 8 (5)2~3ヶ月に1 回程度 2 3 (6)6ヶ月に

ANNUAL REPORT

Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

★1207共同声明

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol


資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

3 4

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

各平和維持活動および特別政治ミッションの職務権限は 関係国の必要性および状況に応じて特異 であることを認識し 中立性 当事国の同意 国の主体性および国の責任の原則を再確認し また特別政治ミッションを 受け入れている諸国の見解および諸国との対話の重要性を強調し 受入国の警備機関はしばしば 治安問題につ

第 9 部 宇宙空間における制度的枠組 第 1 章 総 論 国際社会は 宇宙空間における軍事利用を禁止又は制限する幾つかの国際的な枠組みを既に作成してきている 例えば 1967 年に発効した宇宙条約は 宇宙を宇宙空間と月その他の天体とに分け 宇宙空間については 核兵器及び他の種類の大量破壊兵器を運ぶ

2019 年 G20 新潟農業大臣宣言 ( 仮訳 ) 序文 (1) 農業は 古の石器時代から現代の科学の時代にいたるまで 文明とともに発展してきた 今や我々は 我々の食料システムにとって 新たな課題と可能性の時代に突入している 増加する世界の人口に対し 食料安全保障を達成し栄養を改善するため 生産性

- 国家林業局 - 国家林業局

責任ある農業投資 - 原則の策定に向けた背景と概要 年 7 月 外務省

第3章 指導・監査等の実施

平成18年度標準調査票

WTOに関する議員会議・第七回運営委員   会派遣参議院代表団報告書

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

規制の事前評価の実施に関するガイドライン(素案)

経営理念 宇宙と空を活かし 安全で豊かな社会を実現します 私たちは 先導的な技術開発を行い 幅広い英知と共に生み出した成果を 人類社会に展開します 宇宙航空研究開発を通して社会への新たな価値提供のために JAXAは 2003年10月の発足以来 宇宙航空分野の基礎研究から開発 利用に至るまで一貫して行

アジア健康構想の推進に向けた提言

スライド 1

実であれば このように人命を盾にとって脅迫をするということは誠に許しがたく 強い怒りを覚えているという旨を発言をし そして防衛省としましても 防衛駐在官等を通じまして 情報収集に万全を期す所存である旨を伝えたところでございます そして わが国としてもテロに屈することなく 日英で協力をして 国際社会に

(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅

第三者評価結果表 施設名救護施設下関梅花園 評価対象 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 評価項目 a b c Na 判断の理由 1 理念 基本方針 (1) 理念 基本方針が確立されている 1 理念が明文化されている 理念は明文化され 法人の中長期計画や事業団ホームページ上にも記 載されており その内

[グループⅠ]公募仕様書案

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

の理解と参加を促進し, 開発協力を支える社会的基盤をより一層広げ, 強化するために, NGO/ 市民社会 (CSO) との連携が推進されるべきことが謳われたところである 以上の経緯と背景の下に NGO と ODA の連携に関する中期計画 ~ 協働のための 5 年間の方向性 ~ が策定されることとなっ

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

弱な他の国々が 強靱で完全に競争的なエネルギー システムを追及することに対しても 支援する 6. 我々は 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) の締約国が第 21 回締約国会議 (COP21) において 産業革命以前と比べ 世界の平均気温上昇を 2 よりも十分低く保持すること 及び世界の平均気温上

参考資料 1-1 本年次報告の位置付け サイバーセキュリティ戦略 (2015 年 9 月 4 日閣議決定 ) に基づく二期目の年次報告 2016 年度のサイバーセキュリティに関する情勢及び年次計画に掲げられた施策の実施状況を取りまとめたもの ウェブアプリケーション (Apache Struts 等

別紙 1 1. 日 セネガル官民インフラ会議 (1 月 9 日 ) (1) 日時 : 平成 30 年 1 月 9 日 ( 火 ) (2) 場所 : セネガル共和国ダカール市内国際会議場 CICAD(Centre international de conférences Abdou Diouf) (3

課題「シラバス分析」に関する講評

電波に関する問題意識(原座長提出資料)

貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁とフィリピン共和国労働雇用省との間の在留資格 特定技能 を有する外国人に係る制度の適正な運用のための基本的連携枠組みに関する協力覚書 ( 仮訳 ) 日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁 ( 以下 日本の省庁 と総称する ) 並びにフィリピン共和国労働雇

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁とカンボジア王国労働職業訓練省との間の在留資格 特定技能 を有する外国人に係る制度の適正な運用のための情報連携の基本的枠組みに関する協力覚書 ( 仮訳 ) 日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁 ( 以下 日本の省庁 と総称する ) 並びにカンボジア王国

新旧対照表

包括規定 案

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

「横浜宣言」に盛り込むべき要素(案)

⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

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参考資料3(第1回検討会資料3)

制度見直しに関する主な方向性については 次の通り考えるものとする 1. ビッグデータ時代におけるパーソナルデータ利活用に向けた見直し 個人情報及びプライバシーの保護に配慮したパーソナルデータの利用 流通を促進するため 個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータに関し 個人情報及びプラ

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

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九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 九州大学百年史第 7 巻 : 部局史編 Ⅳ 九州大学百年史編集委員会 出版情報 : 九州大学百年史. 7, 2017

オリンピック パラリンピック東京大会におけるホストシティ タウン構想に係る自治体における国際交流の取組についてのアンケート 1. 調査概要配布先 : 都道府県 市区町村時期 : 平成 26 年 9 月 30 日 ~10 月 30 日 ( 年内にとりまとめ ) 調査趣旨 : 2020 年オリンピック

進展を遂げたと結論づける 1994 年から 2009 年までの間,APEC エコノミーによる物品の総貿易は年 7.1 パーセント増加した一方,APEC 域内の貿易は同期間に 3 倍の増加を示した APEC 地域への, また, 同地域からの海外直接投資は,1994 年から 2008 年までの間に, い

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APECの食料安全保障に関するカザン宣言

よる 誓約 への留意 ( パラ 139) 核兵器使用の影響は瞬時又は長期的な結末をもたらし, それが以前理解されていたよりもずっと深刻であることを確認 ( パラ 140) あらゆる核兵器の使用による壊滅的で非人道的な結末に関する深い懸念は, 核軍縮分野における努力を下支えし続けるべき鍵となる要因であ

Transcription:

クアン ベトナム社会主義共和国国家主席の国賓訪日の際の日ベトナム共同声明 日本国の招待を受け, チャン ダイ クアン ベトナム社会主義共和国国家主席及びグエン ティ ヒエン夫人は国賓として日本を訪問した 2018 年 5 月 29 日から 6 月 2 日までの日本滞在中, 天皇皇后両陛下がクアン国家主席夫妻のため荘厳な歓迎行事及び宮中晩餐を催された クアン国家主席はまた, 安倍晋三日本国内閣総理大臣と首脳会談を行い, 日本の政界及び経済界の関係者と面会した さらに, クアン国家主席はベトナム投資カンファレンスに出席し, スピーチを行ったほか, 群馬県を訪問した 5 月 31 日, 安倍総理とクアン国家主席は首脳会談を行った 両首脳は, 日本とベトナムの間の アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ が, 全ての分野において力強く, 包括的かつ実質的に進展していることに満足の意をもって留意し, その更なる促進のために以下のとおり声明した 1. 両首脳は, クアン国家主席の国賓としての訪問が日本とベトナムの間の外交関係樹立 45 周年を祝う機会に行われる極めて重要な政治面での行事であると認識した 両首脳は, 両国ハイレベルの定期的な往来及び対話の実施が, 相互の政治的信頼の強化, 防衛 安全保障分野の協力の推進, 二国間の貿易 投資の拡大を通じた連結性の強化, 農業, 環境, 防災, 気候変動対応, 二国間の教育及び訓練, 科学技術, 建設, 情報通信技術, 保健 医療等の分野における協力の強化並びに文化, スポーツ及び人的交流の促進に貢献していることを確認した 両首脳は, 両国民間の相互の信頼及び理解が一層深化していることに満足を表明し, これは将来の日本とベトナムの関係の更なる発展にとって重要な基礎であることを認識した 2. 過去 45 年の日本とベトナムの間の継続的な素晴らしい協力の実績に基づき, 両首脳は, 日本とベトナムの広範な戦略的パートナーシップを全ての分野においてより具体的かつ本質的なものとすることで, 共に同パートナーシップのために次なる段階に移行する意思を確認した これを達成するために, 両首脳は, 政治的信頼を更に強化し, 二国間協力を拡大及び深化させ, 経済連結性を促進し, 人的交流を促進し, 地域的及び国際的な課題について緊密に協力する意図を共有した 両首脳はまた, ハイレベルの関係者の定期的な往来及び連絡を維持し, 多数国間のフォーラムにおけるものを含め両国の政党間及び議員間の交流を奨励し, 日越協力委員会といった既存の協議枠組みの効果的な活用を継続することを決定した 3 両首脳は, 日本とベトナムが海洋から非常に貴重な恩恵を受けている海洋国家であることを認識しつつ, 法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持及び強化を通じて, 地域において平和, 安定及び繁栄を確保するために協力する決意を共有した 4. 両首脳は, 世界貿易機関 (WTO) を中心とするルールに基づく, 自由で, 開かれ, 公正で, 透明で, 包摂的な多角的貿易体制の重要性を改めて表明し, 二国間貿易体制が WTO 協定と整合的であることの重要性を強調した 1

防衛 安全保障 5. 両首脳は, 両国の防衛大臣により 2011 年 10 月に署名された 日本国防衛省とベトナム社会主義共和国国防省の間の防衛協力及び交流に関する覚書 及び 201 8 年 4 月に署名された 日本国防衛省とベトナム社会主義共和国国防省の間の次の 1 0 年に向けた日越防衛協力に関する共同ビジョン声明 に基づき, 防衛分野における協力を強化する意図を共有した 両首脳は, 日本国自衛隊の艦船及び航空機のベトナム訪問を含む軍種間交流を強化し, 人材育成, 防衛装備品 技術, 航空機による捜索 救難, 防衛医学, 国連平和維持活動, サイバーセキュリティ, 人道支援 災害救援等の分野における協力を促進することで一致した 6. 両首脳は, ベトナムにおいて, 地雷及び不発弾の除去並びにダイオキシン及び地雷の被害者への支援を通じ, 戦争の遺産に関する協力を促進し続けていくことを決定した 両首脳は, ダイオキシンの除去のために協力する可能性についての検討を継続する意図を共有した 7. 両首脳は, サイバーセキュリティ, サイバー犯罪, テロリズム及び国境を越える犯罪への対策を含む非伝統的な安全保障面の課題への対応並びに食糧及び水の安全保障の確保に関する協力を強化する意図を確認した 8. 両首脳は, 日本国海上保安庁の船艇の寄港等を通じ, 海洋安全保障協力を更に強化することを確認した 安倍総理は, ベトナムの海上法執行能力の向上のための支援を継続する日本の意図を表明した クアン国家主席は, 日本による中古及び新造巡視船の供与を高く評価した 安倍総理は, ベトナム側の具体的な要望を踏まえ, 総合的な海洋政策についての日本の知見及び経験を共有する用意がある旨を表明した 経済分野での協力 9. 安倍総理は, 改革 ( ドイモイ ) 政策の下での工業化及び近代化に向けたベトナムの取組を高く賞賛した クアン国家主席は, アベノミクスを通じた日本の経済的な実績を高く評価した 両首脳は, それぞれの国の成長戦略が, 自由貿易体制の推進とつながることで, 地域及び域外の経済の発展に貢献するとの確信を表明した 10. 両首脳は, ベトナムにおける持続可能かつ包摂的な社会 経済開発及び国家建設に対し, 日本の政府開発援助 (ODA), 官民のパートナーシップ (PPP) 及び日本企業が積極的な役割及び貢献を果たしていることを高く評価した 両首脳は, 利益を確保し, また, 両国の需要に従って, 効果的かつ円滑に開発協力を継続する意図を共有した 両首脳は, 合意の実施を促進し, ベトナムにおいて数件の日本の事業が直面している課題に協力して対処することを決定した 11. ベトナムの更なる工業化及び近代化並びに地域内外の連結性の強化に向けて, 両首脳は, 開放性, 透明性, 経済的効率性, 受益国の財政健全性及び社会 環境的配慮といった国際スタンダードに従った質の高いインフラ開発の重要性を強調した 両 2

首脳は, 鉄道開発といった大型インフラプロジェクトにおける協力を継続する意図を共有した クアン国家主席は, 空港, 道路, 都市開発といった分野での日本企業の参加を歓迎し, 日本の対ベトナム投資の増加を促進するより好ましいビジネス環境に向けて取り組むことを約束した 12. 両首脳は, 日越共同イニシアティブ 及び 日越産業 貿易 エネルギー協力委員会 を通じ, ベトナムが約束した投資インセンティブの適切な実施によるもの含め, 投資環境の法的安定性及び透明性を高め, また,WTO 協定等の国際スタンダードと整合的な適切かつ効果的な産業関連政策を策定し, 及び実施することを確認した 両首脳は, ベトナムの国有企業と日本の投資家との間の連携を通じたベトナム国有企業のガバナンスの強化及び再編における両国間の協力の促進を希望する旨表明した 両首脳は, 経済関係を円滑にするため, 二国間の社会保障協定の交渉を開始する可能性を検討する意図を表明した 13. 両首脳は,2014 年から 2020 年までの間に双方向の貿易及び投資を二倍にするという目標の実現を目指し, 両国間の貿易協力を促進する意図を共有した 14. 両首脳は, 日本とベトナムが両国間の植物検疫協議を通じ, 日本産りんごの検疫条件の緩和及び日本産うんしゅうみかんのベトナムへの輸出解禁並びにベトナム産ライチ及びリュウガンの日本への輸出解禁のための手続を加速することを確認した 15. クアン国家主席は, ベトナムの工業化戦略の実施に関する日本の協力並びに日本国経済産業省とベトナム商工省が立ち上げた自動車及び自動車部品産業の発展に関する作業部会における自動車分野の協力を評価した 両首脳は, ベトナムにおける自動車市場の健全な発展の重要性を再確認するとともに, ベトナム側は, 完成車の国内生産を維持及び拡大するため,WTO 協定と整合的な適切な措置を講じ, 日本側はベトナムの活動への支援を継続することを再確認した 更に, 両首脳は, ベトナム経済の長期的発展のために生産性の向上が重要な役割を果たすとの認識を確認し, その目標の実現に向けた課題を共に特定することで一致した 16. 両首脳は,2017 年 11 月署名された日本国経済産業省とベトナム社会主義共和国商工省間のエネルギー分野の協力覚書を歓迎し, 液化天然ガスを含め, 同協力覚書に記載されたエネルギー分野における協力を強化することを確認した 両首脳は, 高効率で環境適合的な石炭火力発電所に関する BOT 方式の 3 案件の早期の商用運転開始の重要性を強調し, ベトナム政府による民間出資者に対するインセンティブの提供を含め, エネルギー分野における日本企業の投資による PPP 事業を促進するに当たり協力を継続することを確認した 人材育成及びガバナンス 17. 両首脳は, 国立高等専門学校機構ハノイ事務所の発足や日本の高専教育モデルの活用を含め, 高度人材育成及び産業人材開発において協力を促進する意図を共有した 両首脳は, 日越大学が二国間の人材育成協力の象徴的な案件であることを認識し, 3

健全な財政計画に基づいた同大学の学部課程の早期開設に向けて協力することを確認した 18. 両首脳は, 政党幹部及び政府官僚に対する人材育成及び研修機会の提供を含む行政改革に向けたベトナムの取組に対する協力は, ベトナムの持続可能な発展及び二国間の経済関係の前進に資することを認識し, 効果的な協力プログラムの策定及び実施のために取り組むことを確認した 19. 両首脳は, ベトナムにおける日本語教師の育成及び強化のための特別事業の開始並びに 日越大学附属日本語教育センター (JLEC) の開設に向けた準備の進展を歓迎し, 日本語教師の質的な向上及び数の増加を含む, 日本語教育のための環境の更なる整備に向けて協力を強化する意図を確認した 両首脳は, 日本語を学ぶアジアの高校生に日本に滞在する機会を提供するアジア高校生架け橋プロジェクトの開始を歓迎した 20. 両首脳は,2017 年 6 月に署名された協力覚書に基づき緊密に協力し, また, 新たに追加された介護職種を含め,2017 年 11 月に施行された外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律に基づく新たな技能実習制度に関する諸問題に対処する意図を確認した 両首脳は, 学生交流の適正な拡大のため協力する意図を表明するとともに, 学生交流に係る協力を継続し, 日本留学に係る正確な情報の発信を強化し, また日本における日本語教育機関及び日本への留学のためのベトナムの斡旋業者を適切に監督する意図を確認した 両首脳は, 経済上の連携に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の協定に基づく看護師及び介護福祉士のベトナム人候補者の日本への派遣及び日本による受入れの着実な進展を歓迎するとともに, その円滑かつ適切な実施に向けて協力するコミットメントを確認した 21. 両首脳は, 法律及び司法分野における協力が両国間の相互の信頼の強化に果たす重要性を強調し, 刑事共助及び受刑者移送に関し二国間協定の締結に向けた交渉を開始することを表明した 農業, 環境, 防災, 教育, 科学技術及び保健医療 22. 両首脳は,2018 年 4 月の第 4 回日越農業協力対話の成果を踏まえた 日越農業協力中長期ビジョン の実施に向けて緊密に協力し, また, 農林水産分野での日本の投資促進を含め, ベトナムの農林水産分野の総合的な発展のための具体的な協力を促進する意思を再確認した 23. 両首脳は, 持続可能な成長には環境保護, 防災及び気候変動対策が重要であることを認識するとともに, これらの分野における協力を継続する意図を確認した 両首脳は, 低炭素成長に係る協力のための二国間クレジット制度の着実な進展を歓迎した 両首脳は, 廃棄物処理の重要性を認識し, ベトナムにおける廃棄物のエネルギー化に係る協力を促進する意図を共有した 4

24. 両首脳は, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ及び気候変動に関するパリ協定合意を含む持続可能な開発に関する国際的な文書を実施することに対するコミットメントを再確認した 安倍総理は, ベトナムによるこれらのコミットメントの効果的な実施を支援する用意がある旨を表明した 25. 両首脳は,EDU-Port ニッポンといった様々な枠組みを活用したベトナムにおける日本式教育の普及, 大学間交流及び青少年交流を含む, 教育分野における協力を強化する意図を共有した 両首脳はまた, 日本とベトナムの間の様々な共同研究プログラムや事業を含む科学技術分野における協力を更に強化する意図を共有した この観点から, 両首脳は, 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) における研究課題の成果の社会実装, 国際的な産学連携共同研究及び日本 アジア青少年サイエンス交流事業 ( さくらサイエンスプラン ) を通じた将来のベトナムの科学技術人材の育成において協力することを決定した 両首脳は,2019 年に第 5 回日越科学技術共同委員会を共催する意図を共有した 26. 日本が長年にわたり行ってきた中古の消防 救助車輌の寄贈といったベトナムの消防能力の強化に向けた支援を有意義なものであると認め, 両首脳は, この分野における協力を強化する意図を共有した 27. 両首脳は, 情報通信技術 (ICT) 分野における協力, 特に, 合同作業部会といった枠組みの活用による, 電気通信, サイバーセキュリティ, 周波数及び郵便サービスの分野における協力並びにベトナムにおけるスマートシティの開発及び ICT 分野における日本の投資促進における協力を促進する意図を共有した 両首脳は, 航空及び海上交通の安全のための無線システムの重要性を認識しつつ, 短波監視システムに関する協力の可能性の研究を促進する 28. 両首脳は, チョーライ病院人間ドックセンターの来たる開設を歓迎し, アジア健康構想 の下, リハビリテーションセンターの設立, ベトドク病院における高度医療人材の教育, 具体的な事業を通じた医療協力, 予防 リハビリ 自立支援のための高齢者介護, 健康的な生活環境の改善, 健康 省エネ住宅等の取組を通じ, 保健医療分野での協力を強化する意図を共有した 両首脳は, ベトナム国民の健康のため, ベトナムにおける医薬品及び医療機器の適切かつ円滑な輸入及び流通の重要性について認識を共有した 両首脳は, 民間機関と連携し, 障害者に対する支援を強化する重要性を確認した 文化, スポーツ及び人的交流 29. 両首脳は, 文化行事を含む日越外交関係樹立 45 周年を記念する両国における様々な行事が成功裏に開催されてきたことを歓迎し, 今後予定されている音楽 映画祭, 駅伝大会その他の文化及びスポーツ分野の重要な行事が成功するよう引き続き緊密に協力する意図を共有した 30. 両首脳は,2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会に向け, 文 5

化の WA プロジェクト, JENESYS, Sport for Tomorrow, ホストタウン事業といったプログラムを通じ, 放送コンテンツや障害者スポーツを含め, 文化, スポーツ及び人的交流を促進する意図を共有した 31. 両首脳は, オープンスカイの制度を活用した, 観光需要の高い日本の都市とベトナムの観光都市との間の航路に係る二国間の観光協力を高く評価し, これを促進する意図を共有した 32. 両首脳は, 両国の地方自治体間の協力における新たな発展を高く評価し, これが友好的かつ協力的な二国間関係の更なる深化のための具体的かつ包括的な協力を促進する効果的な経路であることを再確認した 両首脳は, 日本の地方自治体によるベトナムへの投資及び技術移転の円滑化において協力することを決定した 地域 国際情勢 33. 両首脳は, 地域及び世界における平和, 安定, 協力及び発展の維持に積極的かつ建設的に貢献するため, 国際連合, アジア太平洋経済協力 (APEC) 及びアジア欧州会合 (ASEM) 等の地域的及び国際的なフォーラム並びに東アジア首脳会議 (E AS),ASEAN プラス 3(APT), 日 ASEAN 首脳会議,ASEAN 地域フォーラム (ARF), 拡大 ASEAN 国防相会議 (ADMM プラス ) 及び ASEAN 海洋フォーラム拡大会合 (EAMF) 等の ASEAN 主導の地域メカニズムにおける広範囲にわたる連携及び協力を強化することに対するコミットメントを再確認した 安倍総理は,2017 年の APEC 開催の成功につき, 改めてベトナムを祝福した 34. 両首脳は, 日 ASEAN 友好協力 45 周年を祝し, 日 ASEAN 関係の前向きな発展を歓迎し, そして,ASEAN の一体性及び中心性の重要性を再確認した 両首脳は, 日 ASEAN 友好協力ビジョン ステートメント及び実施計画改訂版の着実かつ効果的な実施における緊密な協力を再確認した 安倍総理は,2018 年から 2021 年にかけて ASEAN の対日調整国となるベトナムとの協力を強化する日本の意向を表明した 両首脳はまた,ASEAN 連結性マスタープラン (MPAC)2 025 に基づき,ASEAN の一体性及び中心性を完全に尊重しつつ, 地域の他のパートナーとともに, 地域内外の連結性を強化する重要性を強調した 35. 両首脳は,2015 年に東京で開催された第 7 回日本 メコン地域諸国首脳会議 ( 日メコン首脳会議 ) の際に採択された 日 メコン協力のための新東京戦略 20 15 の下で, ハード ソフトの連結性を強化するための日本による支援を含め, 日メコン協力が確実に前進してきたことに満足の意をもって留意した クアン国家主席は, メコン地域の発展に対する日本の長年にわたる貢献に感謝を表明した 両首脳は, 本年開催予定の第 10 回日メコン首脳会議の際に, 今後の日メコン協力の実効性及び役割を強化するための方向性を特定するため協力することを決定した 両首脳は, メコン河の持続可能な管理及び開発の重要性を再確認し, 日メコンの枠組みとメコン河委員会を始めとするその他のメコン地域機関との間の緊密な協働の必要性を強調した 6

36. 両首脳は, 本年 3 月に環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定 (TPP11 協定 ) が署名されたことを歓迎し, 自由貿易を更に促進する決意を改めて表明した 両首脳は,TPP11 協定の推進における両国の役割を高く評価し, TPP11 協定が, 両国のみならず, アジア太平洋地域の安定及び繁栄にとっても重要な恩恵をもたらすことを再確認した 両首脳は,TPP11 協定の可能な限り早期の発効に向けて重要な役割を果たす意欲を有する 両首脳は, 両国が各国の義務, とりわけ TPP11 協定の高い水準の義務の実施において両国が協働していくとの見解を共有した 日本は, 実施のプロセスにおいて,TPP11 協定からもたらされる利益を完全に実現するため, ベトナムがその義務を効果的に履行することを促進するための技術支援を提供することを探求する 両首脳はまた, アジア太平洋地域内外において高い水準の, ルールに基づく貿易システムを発展させるための鍵となるプラットフォームとして将来の TPP11 協定を拡大することが, 両国にとっての利益であるとの見解を共有した 両首脳は, 東アジア地域包括的経済連携 (RCEP) が現代的な, 包括的な, 質の高い, 全ての加盟国にとって恩恵のある協定となることを確保するため,RCEP の交渉の迅速な妥結に向けたコミットメントを再確認した 37. 両首脳は, 南シナ海における情勢に対して引き続き懸念を示した 両首脳は, 平和, 安全保障, 安全並びに航行及び上空飛行の自由の維持, 自制及び法的 外交的プロセスの完全な尊重を通じた海洋における紛争の平和的解決, 海洋法に関する国際連合条約 (UNCLOS) を含む国際法の尊重, 並びに南シナ海に関する行動宣言 (D OC) 全体の完全かつ実効的な履行の重要性を改めて表明した 両首脳はまた, 非軍事化の重要性を強調し, 現状を変更し, 又は南シナ海における状況を複雑化させ得るいかなる一方的行動もとらないよう関係国に求めた 両首脳はまた, 南シナ海行動規範 (COC) に関する交渉の進展を認識し, 包括的かつ実効的な COC の重要性を強調した 両首脳は, 地域の平和及び安定を確保するため, このような外交的取組が U NCLOS を含む国際法の完全な遵守及び平和で安定した南シナ海の実現につながるべきであるとの認識を共有した 38. 安倍総理は, 日本の 自由で開かれたインド太平洋戦略 につき説明した 両首脳は, インド太平洋地域及び世界における法の支配, 平和, 安定, 協力及び繁栄を確保するため, 国連憲章及び国際法の遵守並びに国家の独立及び主権の尊重に基礎付けられた自由で開かれた秩序の重要性を強調した 両首脳は, この目的に資する貢献及び取組を歓迎した 安倍総理は, 日本がその外交政策においてベトナム及び ASE AN を重要なパートナーと考えていることを再確認し, 協働していくためにベトナム及び ASEAN を支援していく日本の意図を新たにした 39. 両首脳は,2018 年 4 月に開催された南北首脳会談を含む, 朝鮮半島に関する諸懸念の包括的な解決に向けた, 最近の前向きな進展を歓迎した 両首脳は, 国際的な協力及び関連する国連安保理決議に基づく義務の完全な遵守の重要性を強調するとともに, 地域と世界の平和, 安全, 安定, 協力及び発展のため, 関係当事者が朝鮮半島の完全な, 検証可能な, かつ不可逆的な非核化を含む課題の平和的 外交的解決を目指す取組を継続することの緊急性を確認した 両首脳はまた, 拉致問題を直ちに解決するための協力を強化することに対するコミットメントを再確認した 7

40. 両首脳は, 国連安保理をより正統性があり, 実効的で, 代表性が高い,21 世紀の国際社会の現実を反映した組織にするため, 安保理改革の重要性を再確認した 両首脳はまた, 常任 非常任議席双方の拡大を含む安保理改革の早期実現に向けた政府間交渉に係る作業に引き続き建設的に取り組む決意を表明した 両首脳は, 第 72 回国連総会会期中にテキスト ベースの交渉を開始する必要性を強調した 安倍総理は, 改革された安保理における日本の常任理事国入りへのベトナムの継続的な支持に謝意を表明した 両首脳は, ベトナムの 2020-21 年任期の安保理非常任理事国選挙及び日本の 2023-24 年任期の同選挙への立候補について相互に支持することを再確認した 41. 両首脳は, 鯨類を含む海洋生物資源の持続可能な利用の重要性を強調した クアン国家主席は, ベトナムが国際捕鯨委員会への早期の加盟に向けた必要な国内手続を積極的に進めている旨述べた 42. クアン国家主席は, 天皇皇后両陛下, 日本政府及び日本国民に対し, 国家主席及びベトナム側代表団に対する温かな歓迎ともてなしにつき謝意を表明した 8