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第 4 章立上げ...2 4.1 初めて電源を投入する場合...2 4.1.1 立上げの手順...2 4.1.2 配線の確認...3 4.1.3 周辺環境...4 4.2 立上げ...5 4.3 ドライバ表示部...6 4.4 テスト運転...8 4.5 テスト運転モード...8 4.5.1 セットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) でのテスト運転モード...9 4.5.2 ドライバでのモータなし運転...11 4-1

第 4 章立上げ 危険 濡れた手でスイッチを操作しないでください 感電の原因になります 注意 運転前に各パラメータの確認を行ってください 機械によっては予測しない動きになる場合があります 通電中や電源遮断後のしばらくのあいだは, ドライバの放熱器 回生抵抗器 サーボモータなどが高温になる場合がありますので, 誤って手や部品 ( ケーブルなど ) が触れないよう, カバーを設けるなどの安全対策を施してください 火傷や部品損傷の原因になります 運転中, サーボモータの回転部には絶対に触れないでください けがの原因になります 4.1 初めて電源を投入する場合初めて電源を投入する場合, 本節にしたがって立ち上げてください 4.1.1 立上げの手順 配線の確認 ドライバ サーボモータへの配線が正しく施されているか, 目視や出力信号 (DO) 強制出力 (4.5.1 項 ) などを用いて確認してください (4.1.2 項参照 ) 周辺環境の確認 ドライバ サーボモータの周辺環境を確認してください (4.1.3 項参照 ) 軸番号の設定 軸選択ロータリスイッチ (SW1) とサーボシステムコントローラの軸番号設定が一致していることを確認してください (3.13 節参照 ) 各パラメータの設定 回生オプションの選択など, 必要に合わせてパラメータを設定してください ( 第 5 章参照 ) テスト運転モードによるサーボモータ単体でのテスト運転 テスト運転はサーボモータと機械を切り離した状態で, できる限り低速で運転し, サーボモータが正しく回転するか確認してください (4.5 節参照 ) 指令によるサーボモータ単体でのテスト運転 機械を連結してのテスト運転 テスト運転はサーボモータと機械を切り離した状態で, ドライバに指令を与えてできる限り低速で運転し, サーボモータが正しく回転するか確認してください サーボモータと機械を連結して, 上位指令装置から運転指令を与えて機械の動きを確認してください ゲイン調整 機械の動きが最適になるようにゲイン調整を実施してください ( 第 6 章参照 ) 本稼動 停止 指令を止めて運転を停止します 4-2

4.1.2 配線の確認 (1) 電源系の配線主回路 制御回路電源を投入するまえに, 次の事項について確認してください (a) 電源系の配線ドライバの電源入力端子 (L1 L2 L3 L11 L21) に供給される電源は規定の仕様を満たしていること (1.3 節参照 ) (b) ドライバ サーボモータの接続 1 ドライバのサーボモータ動力端子 (U V W) とサーボモータの電源入力端子 (U V W) の相が一致していること サーボアンプドライバ U V W サーボモータ U V W M 2 ドライバに供給する電源をサーボモータ動力端子 (U V W) に接続していないこと 接続しているドライバ サーボモータが故障します サーボアンプドライバ サーボモータ M U V W U V W 3 サーボモータのアース端子はドライバのPE 端子に接続されていること ドライバサーボアンプサーボモータ M 4 P1-P2 間 (11k~22kW の場合,P1-P 間 ) が接続されていること サーボアンプドライバ P1 P2 4-3

(c) オプション 周辺機器を使用している場合 1 200V 級の 3.5kW 以下で回生オプションを使用する場合 CNP2 コネクタの P 端子 -D 端子間のリード線が外されていること P 端子と C 端子に回生オプションの電線が接続されていること 電線にはツイスト線が使用されていること (11.2 節参照 ) (2) 入出力信号の配線 (a) 入出力信号が正しく接続されていること DO 強制出力を使用すると CN1 コネクタのピンを強制的に ON/OFF にできます この機能を用いて配線チェックが可能です この場合, 制御回路電源のみ投入してください (b) コネクタ CN3 のピンに DC24V をこえる電圧が加わっていないこと (c) コネクタCN3のSDとDOCOMを短絡にしていないこと ドライバサーボアンプ CN3 DOCOM SD 4.1.3 周辺環境 (1) ケーブルの取回し (a) 配線ケーブルに無理な力が加わっていないこと (b) エンコーダケーブルは屈曲寿命をこえる状態にならないこと (10.4 節参照 ) (c) サーボモータのコネクタ部分に無理な力が加わっていないこと (2) 環境電線くず, 金属粉などで信号線や電源線が短絡になっている箇所がないこと 4-4

4.2 立上げ サーボモータ単体で正常に作動することを確認してから機械と連結してください (1) 電源投入主回路電源 制御回路電源を投入するとドライバ表示部に b01 ( 第 1 軸の場合 ) を表示します 絶対位置検出システムの場合, 初めて電源を投入すると, 絶対位置消失 (25) のアラームが発生し, サーボオンできません 一度電源を遮断し, 再投入すると解除できます また, 絶対位置検出システムの場合, 外力などにより, サーボモータが 3000r/min 以上で回転している状態で, 電源を投入すると位置ずれを発生することがあります 必ずサーボモータが停止している状態で電源を投入してください (2) パラメータの設定機械の構成 仕様に合わせてパラメータを設定します パラメータの内容は第 5 章を参照してください パラメータ 名称 設定値 内容 PA14 回転方向選択 0 位置決めアドレス増加でCCW 方向に回転する PA08 オートチューニングモード 1 使用する PA09 オートチューニング応答性 12 低応答 ( 初期値 ) を選択 各パラメータを設定したら, 一度電源を遮断してください 再投入すると設定 したパラメータの値が有効になります (3) サーボオン サーボオンは次の手順で実行してください 1 主回路 制御回路電源を投入します 2 ドライバからサーボオン指令を送信してください サーボオン状態になると運転可能になり, サーボモータがロックします (4) 原点復帰位置決め運転を行う前に必ず原点復帰を行ってください (5) 停止次の状態になるとドライバはサーボモータの運転を中断し, 停止します ロック付きサーボモータの場合は,3.11 節を参照してください サーボシステムコントローラ ドライバ 操作 指令サーボオフ指令レディオフ指令緊急停止指令アラーム発生強制停止 (EM1)OFF 停止状態ベース遮断になりサーボモータはフリーランになります ベース遮断になりサーボモータはダイナミックブレーキが作動して停止します ベース遮断になりサーボモータはダイナミックブレーキが作動して停止します ドライバ緊急停止警告 (E7) が発生します ベース遮断になりサーボモータはダイナミックブレーキが作動して停止します ベース遮断になりサーボモータはダイナミックブレーキが作動して停止します サーボ強制停止警告 (E6) が発生します 4-5

4.3 ドライバ表示部 ドライバの表示部 (3 桁 7 セグメント表示器 ) で, 電源投入時のサーボシステムコントローラとの交信状態の確認, 軸番号の確認, 異常時の故障診断を行ってください (1) 表示の流れ サーボアンプ電源ドライバ電源 ON ON サーボシステムコントローラ電源 ON(SSCNETⅢ 通信 ) 待ち サーボシステムコントローラ電源 ON (SSCNETⅢ 通信開始 ) サーボシステムコントローラとの初期データ交信 ( イニシャライズ通信 ) ( 注 3) レディオフ サーボオフ ( 注 1) アラーム 警告番号表示の場合 アラームが発生するとアラームコードを表示します ( 注 3) ( 注 3) レディオン サーボオン 通常運転 サーボシステムコントローラ電源 OFF レディオン サーボオフ レディオン サーボオン 過負荷アラーム発生時点滅表示 過負荷警告発生時 ( 注 2) 点滅表示 コントローラ緊急停止中点滅表示 強制停止中点滅表示 アラームリセットまたは警告解除 サーボシステムコントローラ電源 ON 注 1. アラーム, 警告番号のみ表示し, 軸番号表示はしません 2. サーボオン中にE6,E7 以外の警告が発生した場合,2 桁目の小数点が点滅することでサーボオン中であることを示します 3. の右側セグメントは軸番号を示します 1 軸 2 軸 16 軸 ( この例は第 1 軸目を示しています ) 4-6

(2) 表示内容一覧 表示状態内容 A b イニシャライズ中 サーボシステムコントローラの電源が OFF になっている状態でドライバの電源を ON にし た サーボシステムコントローラで設定している軸番号とドライバの軸選択ロータリスイッ チ (SW1) で設定している軸番号が一致していない ドライバの故障, サーボシステムコントローラまたは前軸ドライバとの通信に異常が発生 した この場合, 表示は次のようになります Ab AC Ad Ab サーボシステムコントローラが故障している A b. イニシャライズ中通信仕様の初期設定中 A C イニシャライズ中通信仕様の初期設定が完了し, サーボシステムコントローラと同期した A d イニシャライズ中サーボシステムコントローラとの初期パラメータ設定通信中 A E イニシャライズ中サーボシステムコントローラとのモータ エンコーダ情報通信中 A F イニシャライズ中サーボシステムコントローラとの初期信号データ通信中 A H イニシャライズ完了サーボシステムコントローラとの初期データ通信完了 A A イニシャライズ待機中ドライバの電源投入中にサーボシステムコントローラの電源を OFF にした ( 注 1) b # # レディオフサーボシステムコントローラからのレディオフ指令を受信した ( 注 1) d # # サーボオンサーボシステムコントローラからのサーボオン指令を受信した ( 注 1) C # # サーボオフサーボシステムコントローラからのサーボオフ指令を受信した ( 注 2) * * アラーム 警告発生したアラーム 警告 を表示する (8.1 節参照 ) 8 8 8 CPUエラー CPUのウォッチドグエラーが発生した ( 注 3) b 0 0. ( 注 1) b # #. d # #. ( 注 3) テスト運転モード JOG 運転 位置決め運転 プログラム運転 DO 強制出力 モータなし運転 C # #. 注 1. ## は 00~16 の数字を示し, その内容は次の表のとおりです ## 内容 00 テスト運転モードに設定している 01 第 1 軸 02 第 2 軸 03 第 3 軸 04 第 4 軸 05 第 5 軸 06 第 6 軸 07 第 7 軸 08 第 8 軸 09 第 9 軸 10 第 10 軸 11 第 11 軸 12 第 12 軸 13 第 13 軸 14 第 14 軸 15 第 15 軸 16 第 16 軸 2. ** は警告 アラーム を示します 3. セットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) が必要です 4-7

4.4 テスト運転 本稼動に入るまえにテスト運転を実施して, 機械が正常に動くことを確認してください ドライバの電源の投入 遮断方法は 4.2 節を参照してください ポイント 必要に応じて, モータなし運転を使用してドライバのプログラムを検証してください モータなし運転については 4.5.2 項を参照してください テスト運転モードの JOG 運転によるサーボモータ単体でのテスト運転 ここでは, ドライバ サーボモータが正常に動くことを確認します サーボモータと機械を切り離した状態で, テスト運転モードを使用してサーボモータが正しく回転するか確認してください テスト運転モードについては 4.5 節を参照してください 指令によるサーボモータ単体でのテスト運転 ここでは, ドライバからの指令で, サーボモータが正しく回転することを確認します 初めは低速の指令を与えて, サーボモータの回転方向などを確認してください 意図する方向に動かない場合は, 入力信号を点検してください 機械を連結してのテスト運転 ここでは, サーボモータと機械を連結させ, 指令装置からの指令で機械が正常に動くことを確認します 初めは低速の指令を与えて, 機械の運転方向などを確認してください 意図する方向に動かない場合は, 入力信号を点検してください セットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) の状態表示でサーボモータ回転速度 指令パルス周波数 負荷率などに問題がないか確認してください 次に指令装置のプログラムで自動運転の確認を実施してください 4.5 テスト運転モード 注意 テスト運転モードはサーボの運転確認用です 機械の運転確認用ではありません 機械と組み合わせて使用しないでください 必ずサーボモータ単体で使用してください 異常運転をおこした場合は強制停止 (EM1) を使用して停止してください ポイント この節で示す内容は, ドライバとパーソナルコンピュータとを直接接続した環境である場合を示しています パーソナルコンピュータとセットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) を使用すると, サーボシステムコントローラを接続しないで JOG 運転 位置決め運転 出力信号強制出力 プログラム運転を実行できます 4-8

4.5.1 セットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) でのテスト運転モード ポイント テスト運転切換えスイッチ (SW2-1) でテスト運転モードを選択すると, そのドライバ以降の SSCNETⅢ 通信が遮断されます (1) テスト運転モード (a) JOG 運転サーボシステムコントローラを使用しないで JOG 運転を実行できます 強制停止を解除した状態で使用してください サーボオン / サーボオフまたはサーボシステムコントローラの接続の有無に関係なく使用できます セットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) の JOG 運転画面で操作します 1 運転パターン 項目 初期値 設定範囲 回転速度 [r/min] 200 0~ 最大回転速度 加減速時定数 [ms] 1000 0~50000 2 運転方法 ボタンを押している間のみ運転 のチェックボックス ON の場合 運転正転始動逆転始動停止 画面操作 正転 ボタンを押し続ける 逆転 ボタンを押し続ける 正転 逆転 ボタンを放す ボタンを押している間のみ運転 のチェックボックス OFF の場合 運転正転始動逆転始動停止 画面操作 正転 ボタンをクリックする 逆転 ボタンをクリックする 停止 ボタンをクリックする (b) 位置決め運転 サーボシステムコントローラを使用しないで位置決め運転を実行できます 強制停止を解除した状態で使用してください サーボオン / サーボオフまたは サーボシステムコントローラの接続の有無に関係なく使用できます セットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) の位置決め運転画面で操 作します 1 運転パターン 項目 初期値 設定範囲 移動量 [pulse] 262144 0~99999999 回転速度 [r/min] 200 0~ 最大回転速度 加減速時定数 [ms] 1000 0~50000 正転 (CCW) 逆転 (CW) 繰り返しパターン 正転 (CCW) 正転 (CCW) 正転 (CCW) 逆転 (CW) 逆転 (CW) 正転 (CCW) 逆転 (CW) 逆転 (CW) ドウェル時間 [s] 2.0 0.5~50.0 繰り返し回数 [ 回 ] 1 1~9999 4-9

5 4 3 B C D 4. 立上げ 2 運転方法 運転正転始動逆転始動一時停止 画面操作 正転 ボタンをクリックする 逆転 ボタンをクリックする 一時停止 ボタンをクリックする (c) プログラム運転サーボシステムコントローラを使用しないで複数の運転パターンを組み合わせた位置決め運転ができます 強制停止を解除した状態で使用してください サーボオン / サーボオフまたはサーボシステムコントローラの接続の有無に関係なく使用できます セットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) のプログラム運転画面で操作します 詳細はセットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) 取扱説明書を参照してください 運転始動停止 画面操作 起動 ボタンをクリックする リセット ボタンをクリックする (d) 出力信号 (DO) 強制出力サーボの状態と無関係に出力信号を強制的に ON/OFF にすることができます 出力信号の配線チェックなどに使用します セットアップソフトウェア (MR Configurator2 TM ) の DO 強制出力画面で操作します (2) 使用手順 1 電源を OFF にしてください 2 SW2-1 を 上 に設定してください 6 7 8 9 A 2 1 0 F E SW1 TEST SW2 ON 4E 上下 1 2 SW2-1 を 上 に設定 電源 ON 中に SW2-1 を 上 に変更してもテスト運転モードにはなりません 3 ドライバの電源を ON にしてください イニシャライズが終わると表示部が次のようになります 小数点が点滅します 4 パーソナルコンピュータで運転を実行してください 4-10

4.5.2 ドライバでのモータなし運転 ポイント サーボシステムコントローラのパラメータ設定によるモータなし運転を使用してください モータなし運転はサーボシステムコントローラと接続した状態で行います (1) モータなし運転サーボモータを接続しないで, サーボシステムコントローラの指令に対して実際にサーボモータが動いているように出力信号を出力したり, 状態表示を行うことができます サーボシステムコントローラのシーケンスチェックに使用できます 強制停止を解除した状態で使用してください サーボシステムコントローラと接続して使用してください モータなし運転を終了するには, サーボシステムコントローラのサーボパラメータ設定でモータなし運転選択を 無効 に設定してください 次回の電源投入時からモータなし運転は無効状態になります (a) 負荷条件 負荷項目 条件 負荷トルク 0 負荷慣性モーメント比 サーボモータ慣性モーメントと同一 (b) アラーム次のアラーム 警告は発生しませんが, その他のアラーム 警告はサーボモータを接続した場合と同様に発生します エンコーダ異常 1( 電源投入時 )(16) 主回路オフ警告(E9)( 注 1) エンコーダ異常 2( ランタイム中 )(20) エンコーダ異常 3( ランタイム中 )(21) 絶対位置消失(25) バッテリ断線警告(92) バッテリ警告(9F) 注 1. 主回路オフ警告 (E9) は,30kW 以上のドライブユニットの発生要因としてコンバータユニットの強制停止が有効になった場合のみ発生しません それ以外の30kW 以上のドライブユニットの発生要因, および22kW 以下のドライバの場合は発生します 4-11

5 4 3 B C D 4. 立上げ (2) 使用手順 1 ドライバをサーボオフにしてください 2 パラメータ PC05 を 1 に設定し, テスト運転切換えスイッチ (SW2-1) を通常状態側 下 に切り換えて電源を投入してください 6 7 8 9 A 2 1 0 F E SW1 TEST SW2 ON 4E 上下 1 2 SW2-1 を 下 に設定 3 サーボシステムコントローラでモータなし運転を実行してください 表示部画面が次のようになります 小数点が点滅します 4-12