Ⅰ. 株主総会における議決権行使結果 (2015 年度 ) 当社は投資先企業の持続的成長をサポートし 中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的として 議決権行使基準を定めており 当該基準に則り 議決権行使を実施しています 2015 年度に株主総会が開催された国内上場企業のうち 当社の議決権行使の

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預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

以下が 対話の方針全文です 平成 26 年 6 月 23 日制定 平成 27 年 12 月 21 日改正 投資先企業との建設的な対話の方針 大和証券投資信託委託株式会社当社は 投資先企業の状況の的確な把握と認識の共有に努めます 特に以下の観点について 重点的に対話を深めてまいります 経営方針 財務戦

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コーポレート ガバナンスに関する報告書の主な開示項目 コーポレート ガバナンスに関する報告書 記載項目 ( 内訳 ) 記載上の注意 基本的な考え方 ( 記載例 : コーポレート ガバナンスについての取組みに関する基本的な方針 目的 ) Ⅰ コーポレート ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成

2 名以上の独立社外取締役の選任状況 2 名以上の独立社外取締役を選任する上場会社の比率は 市場第一部では 9 割を超え 91.3% に JPX 日経 400では 97.7% に 2 名以上の独立社外取締役を選任する上場会社 ( 市場第一部 ) の比率推移 ( 参考 ) 100% 88.0% 91.

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IR 活動の実施状況 IR 活動を実施している企業は 96.6% 全回答企業 1,029 社のうち IR 活動を 実施している と回答した企業は 994 社 ( 全体の 96.6%) であり 4 年連続で実施比率は 95% を超えた IR 活動の体制 IR 専任者がいる企業は約 76% 専任者数は平

ガイドライン

ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

2. 本制度の仕組み 株式市場 残余財産の給付残余株式の無償譲渡 消却94 当社株式 4 代金の支払 1 本株主総会決議 54配代当金の支6 委託者 議決権不行使の指図8当社 受託者( 共同受託 ) ( 予定 ) 三菱 UFJ 信託銀行 日本マスタートラスト信託銀行 BIP 信託 当社株式 金銭 4

Institutional Shareholder Services Sumitomo Fudosan Kanda Building 16F 7 Kanda Mitoshirocho Chiyoda-ku, Tokyo T: 各位 2017 年 10

東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び委員会の設置状況 2017 年 7 月 26 日株式会社東京証券取引所

< 本制度の仕組みの概要 > 5 ポイント付与 委託者 当社 3 自己株式の処分 1 役員株式交付規程の 制定 2 信託 < 他益信託 > を設定 ( 金銭を信託 ) 3 払込 受託者 ( 予定 ) 三井住友信託銀行 ( 再信託受託者 : 日本トラスティ サービス信託銀行 当社株式 株式交付信託 信

はじめに 当社の 議決権行使精査要領 は 中長期的な企業価値向上や 株主への利益還元姿勢 コーポレートガバナンス等の観点から 客観基準に基づくスクリーニングにより 論点のある議案を効率的かつ包括的に抽出することを目的に 1998 年度に策定したものです 策定以降 日本企業の置かれた状況や法令等の改正

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野村資本市場研究所|公表された厚生年金基金連合会の株主議決権行使基準 (PDF)

1 制定の目的 方針 当社におけるコーポレートガバナンスを向上させるための枠組みである パーク 24 コーポレートガバナンスガイドライン を制定し コーポレートガバナンスの強化 充実に努めることで 当社の中長期的な価値向上と持続的成長を実現する コーポレートガバナンスに対する基本的な考え方公正で透明

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第 Ⅰ 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本ガイドラインは 群栄化学工業株式会社 ( 以下 当社 という ) が 次に定める 社是 理念 実現のため ステークホルダーと協働して企業価値を向上させ 持続的に発展できるよう より良い経営を実現することを目的とする 2. 当社は GCIグループ基本理念 を制

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2. BIP 信託の仕組み 1 本株主総会決議 株式市場 9 残余財産の給付 8 残余株式の無償譲渡 消却 4 当社株式 5 配当 委託者 当社 受託者 ( 共同受託 ) ( 予定 ) 三菱 UFJ 信託銀行 ( 株 ) 日本マスタートラスト信託銀行 ( 株 ) 本信託 3 信託設定 7 当社株式等

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止するとともに 取締役等に付与済みのストックオプションとしての新株予約権で未行使の ものにつきましては 本制度に基づく応分のポイントを付与することを条件として 当 該取締役等において権利放棄することといたします 2. 本制度の概要 (1) 本制度の概要本制度は 当行が拠出する金銭を原資として当行株式

2015 年度 ~2017 年度中期経営経営計画 14 中計 1. 当社が目指すもの企業理念と Vision E 2.11 中計 中計 (2nd STAGE / 2012~ 年度 ) の成果 - Vision E における 11 中計の位置づけと成果 - 1

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

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コーポレートガバナンス・ガイドライン

(6) 経営会議規程 (7) 取締役会議長 CEO COO および CFO 職務分掌規程 ( その他取締役または執行役の職務または権限を定める規程 ) (8) 取締役 執行役等の定年 任期 処遇等の基準 準則等について当会社としての内規を定める場合は 当該内規 (9) 取締役 執行役等のトレーニング

( 第 8 条から移動 ) 第 10 条 ( 単元未満株式の売渡請求 ) 当会社の単元未満株式を有する株主 ( 実質株主を含む 以下同じ ) は株式取扱規則の定めるところに従い その有する当会社の単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の当会社の株式を売渡すよう当会社に請求することができる 第 1

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目次 1. アンケート概要 2. 回答企業の属性 3. アンケート結果 Ⅰ. 上場企業における早期 WEB 開示について a.2015 年度の実施状況 b.2016 年度の対応について Ⅱ. 会社法第 299 条第 3 項に基づく株主総会参考書類等の電磁的通知 ( 株主の個別同意が必要 ) について

企業アンケート ( 東証一部 二部の 941 社が回答 ) の結果等のポイント 指名委員会を設置済み 又は設置を検討中 検討予定の企業 : 55% 報酬委員会 : 5 3 ページ参照 社長 CEOの選定 解職の決定に関して監督を行なうことについて 社外取締役が役割を果たしている と回答 した企業 委

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第 分科会 / 分科会 B 改正会社法等への対応状況と今後の課題 ディスカッションポイント ( 例 ) 参考資料 関西支部監査役スタッフ研究会報告書 改正会社法及びコーポレートガバナンス コードへの対応状況と監査役 監査役スタッフの役割と今後の課題. 監査役会の運営 改正会社法等により監査役会の開催

コーポレートガバナンス CORPORATE GOVERNANCE 当社のコーポレート ガバナンスの状況は以下のとおりです Nagase Brothers Inc. 最終更新日 :2018 年 7 月 5 日 株式会社ナガセ 代表取締役社長永瀬昭幸問合せ先 : 問合せ先 : 総務本部 0422(45)

2019 年 6 月 26 日 各 位 会社名 代表者名 問合せ先 株式会社スターフライヤー代表取締役社長執行役員松石禎己 ( コード番号 :9206 東証第二部 ) 取締役常務執行役員柴田隆 (TEL ) コーポレートガバナンス方針 の改定について 当社は 2019 年 6

平成 26 年 5 月 13 日 各 位 会社名カルビー株式会社代表者名代表取締役社長兼 COO 伊藤秀二 ( コード番号 :2229 東証第一部 ) 問合せ先上級執行役員財務経理本部長菊地耕一 (TEL: ) 業績連動型株式報酬制度の導入に関するお知らせ 当社は 平成 26

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2 政策保有株式に係る議決権行使の基準政策保有株式の議決権行使に当たっては 投資先企業の中長期的な企業価値向上が株主利益への向上にも繋がるものであることを前提とし 株主への還元方針 コーポレートガバナンスや企業の社会的責任への取組み等総合的観点から議決権を行使する (4) 買収防衛策は 経営陣 取締

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( 別紙 1) BIP 信託の概要 株式市場 残余財産の給付4 本件株式 4 代金の支払い 1 株主総会決議 委託者 5配当 受託者( 共同受託 ) ( 予定 ) 三菱 UFJ 信託銀行 日本マスタートラスト信託銀行 本 BIP 信託株式 金銭 6 議決権不行使の指図93信託設定7 株式交付 8 残

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085 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 新株予約権 少数株主持分を株主資本に計上しない理由重要度 新株予約権を株主資本に計上しない理由 非支配株主持分を株主資本に計上しない理由 Keyword 株主とは異なる新株予約権者 返済義務 新株予約権は 返済義務のある負債ではない したがって

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Transcription:

スチュワードシップ活動報告 (2015 年度 ) 当社は 2014 年 5 月 責任ある機関投資家 の諸原則 日本版スチュワードシップ コード の趣旨に深く賛同し受入れを表明しており 投資先企業との対話と議決権行使を中心としたスチュワードシップ活動方針を定めています 当該活動方針に則り実施した 2015 年度 ( ) における議決権行使結果と対話活動取組み結果をお知らせします 当社投資先企業の定時株主総会が 6 月に集中していることから 7 月から翌年 6 月までを 当社のスチュワードシップ活動における年度区分としています (2015 年度 :2015 年 7 月 ~2016 年 6 月 2016 年度 :2016 年 7 月 ~2017 年 6 月 以下同様 ) 1

Ⅰ. 株主総会における議決権行使結果 (2015 年度 ) 当社は投資先企業の持続的成長をサポートし 中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的として 議決権行使基準を定めており 当該基準に則り 議決権行使を実施しています 2015 年度に株主総会が開催された国内上場企業のうち 当社の議決権行使の対象となった企業数は 2,247 社 議案数は 8,945 議案 ( 会社提案 8,799 議案 株主提案 146 議案 ) でした その結果 会社提案に対して1 件以上反対した企業数は 286 社 反対した会社提案の議案数は 313 議案となりました ( ) 具体的には 主に以下のような会社提案に対して反対しました 内部留保の水準が高いにもかかわらず配当性向が著しく低い場合の剰余金処分 業績の著しい低迷が長期に亘って継続しており 回復が見込めない場合の取締役選任 ( 経営トップの再任 ) 長期在任監査役 (12 年超 ) の選任 監査役に対する退職慰労金の贈呈 監査役に対するストックオプションの付与 金員交付の可能性のある買収防衛策の導入 更新 スチュワードシップ コードとコーポレートガバナンス コードの相次ぐ導入により 国内上場企業のコーポレートガバナンスに関する意識が大きく変化し ガバナンス態勢の強化が図られています このような大きな環境変化に加え 当社としても議決権行使に関する対話を積極的に実施したこともあり 2015 年度の議決権行使結果では 会社提案に対して反対した社数 議案数の割合は ともに 2014 年度より減少しました 当社では 当社株主や保険契約者等の利益が損なわれることがないよう社内規程に基づき 投資所管が 議案を精査し議決権を行使しています 2

図表 1: 議決権行使結果 < 企業数ベース > 議決権行使の対象企業数 合計 会社提案に全て賛成 会社提案に 1 件以上反対 反対の割合 ( 参考 )2014 年度 2,247 1,961 286 12.7% 2,191 1,888 303 13.8% 合計 会社提案に全て賛成 会社提案に 1 件以上反対 反対の割合 < 議案数ベース > 1. 会社提案 1 剰余金処分 2 取締役選任 3 監査役選任 5 退職慰労金支給 2. 株主提案 議案項目合計賛成反対 4 定款一部変更 6 役員報酬額改訂 7 新株予約権発行 8 会計監査人選任 9 再構築関連 10 その他の会社提案 ( うち買収防衛策 ) 1. および 2. の合計 8,799 8,486 313 3.6% 8,417 8,089 328 3.9% 1,616 1,613 3 1,604 1,598 6 2,151 2,139 12 2,124 2,112 12 2,161 2,000 161 2,143 1,984 159 938 938 0 1,135 1,133 2 310 231 79 358 247 111 1,101 1,096 5 667 665 2 162 155 7 156 147 9 47 47 0 25 25 0 43 43 0 43 43 0 270 224 46 162 135 27 118 74 44 101 75 26 146 0 146 152 0 152 8,945 8,486 459 8,569 8,089 480 1: 再構築関連 には 合併 営業譲渡 譲受 株式交換 株式移転 会社分割等含む 2: その他の会社提案 には 自己株式取得 法定準備金減少 第三者割当増資 資本減少 株式併合 買収防衛策等を含む 3:2014 年度は 反対に棄権を含む 反対の割合 合計賛成反対 反対の割合 3

Ⅱ. 対話活動取組み結果 (2015 年度 ) 1. 対話活動の実施状況 2015 年度は 当社 投資先企業双方にとっての重要性 ( 投資金額 株主順位 ) 課題意識等を総合的に勘案した上で 233 社 (2014 年度 110 社 ) との建設的な 目的を持った対話 を実施しました その他 投資先企業と幅広い接点を持って行う日常的な調査活動 意見交換については 計 700 社以上と実施しました ( 図表 2) また 建設的な 目的を持った対話 を行った 233 社の対話出席者については 60% が経営企画 財務戦略等の担当役員となっています ( 図表 3) 図表 2: 対話実施状況 建設的な 目的を持った対話 の実施率 ( ) 社数ベース 21% 保有時価ベース 62% 一般勘定保有分 (2015/3 末基準 ) < 日常的な調査活動 意見交換の内訳 > 議決権行使時における対話 :105 社 企業との個別ミーティング :239 社 その他アナリスト活動 :360 社 対話の区分建設的な 目的を持った 対話日常的な調査活動 意見交換 位置づけ 中長期的な企業価値向上の取組みについて 当社と投資先企業 それぞれの立場から建設的な議論を行う双方向の意見交換の場 経営戦略や財務戦略等を担う役員 経営幹部の方と ワンオンワン形式 ( 面談 ) にて 少なくとも約 1 時間の面談を実施 株主総会の直前に総会議案について意見交換( 日常的な調査活動に分類 ) することも行っていますが 十分な時間を確保することが難しいため 当社の対話は主に7 月から翌年 3 月にかけて実施 議決権行使時における対話 企業との個別ミーティング その他アナリスト活動等 投資先企業と幅広い接点を持って行う活動 4

図表 3: 対話出席者 ( 最高職位 ) 5

2. 対話の内容当社は中長期的な観点で株式投資を行っており 投資先企業の企業価値向上や持続的成長をサポートすることを目的に 対話活動を推進しています 2015 年度においても コーポレートガバナンス態勢の強化 業績 資本効率の持続的な向上 株主還元の充実等を主な観点として建設的な 目的を持った対話 を実施しました < 建設的な 目的を持った対話 の主な観点 > コーポレートガバナンス態勢の強化 コーポレートガバナンス コードへの対応状況 コーポレートガバナンス コードへの対応状況 今後の対応予定を確認した上で ガバナンスの重要性や実効性を高める具体的な取組み等について 意見交換を行いました 独立社外取締役の活用 独立社外取締役の役割や重要性について 独立社外取締役の人数といった形式的な要件だけでなく 助言機能と監督機能の両面から いかに実効性を高めるかといった点について意見交換を行いました 監査役の独立性 ガバナンスにおいて重要な役割を担う監査役について いかに取締役会への牽制機能の実効性を高めていくかといった点について意見交換を行いました 業績 資本効率の持続的な向上 中期経営計画や KPI の策定 開示 中期経営計画や目標とする主要業績数値 (KPI:Key Performance Indicator) を策定 開示することの重要性を伝えるとともに 業績や資本効率を着実に向上させるための事業戦略や KPI の水準について意見交換を行いました 中長期的な成長戦略 海外戦略 戦略的な設備投資 M&A 等 稼ぐ力を高めるための成長投資について 企業の財務戦略や還元方針を踏まえた上で 意見交換を行いました 資本コストを踏まえた事業戦略 想定する資本コストを踏まえ 収益性が課題の事業に対する改善に向けた取組み 撤退基準の枠組み 他の事業とのシナジー等の観点から意見交換を行いました 株主還元の充実 還元方針の策定 開示 企業の成長ステージや成長戦略 資本政策を踏まえた上で 株主還元方針を設定し それを適切に開示することの重要性について意見交換を行いました 6

株主還元の水準 安定配当を継続する企業に対して 今後の成長投資や現金 内部留保の水準感等を踏まえた上で 還元性向の水準について意見交換を行いました 自己株式の活用 自己株式を多く保有する企業については 今後の自己株式の活用方法や消却についての意向を確認しました 7

3. 課題の進捗状況を確認する仕組みの導入 <2015 年度新規 >NEW 投資先企業との対話では 当社が投資家としての観点から独自に認識する課題に関して意見交換をさせていただいています これらの課題については 必ずしも投資家と企業側とで共有できていないケースもあり また課題の改善には一定の時間を要することも多くみられます 当社としては 課題の最終的な解決のみならず 課題解決に至るまでのプロセスも重要と考え 投資先企業との対話の際に当社が独自に認識した課題に対して 課題解決に至るまでの進捗状況を以下の4つのフェーズに類型化し ( 図表 4) 定期的にその状況を確認してフォローする社内的な仕組みを 2015 年度より新たに導入しました ( 図表 5) 今後は 当該仕組みを活用することで 投資先企業との対話活動の質的向上に取り組んでいきます 図表 4: 課題解決に至るまでの進捗状況 投資先企業における認識や取組状況 フェーズⅠ フェーズⅡ フェーズⅢ フェーズⅣ 現時点において 課題に対する認識が不十分 将来的な対応の必要性について認識 具体的な取組みを行う旨を表明 具体的な対応を実施し 課題解決 図表 5: 課題の設定およびその後のフォローの流れ 6 月末 2015 年度 2016 年度以降 対話対話 ( 継続的な対話 ) 対話時に課題の 認識状況を確認 ( フェーズの設定 ) 招集通知等で課題の 解決状況を確認 ( フェーズの進捗確認 ) 継続的な対話時に 課題の取組状況を確認 ( フェーズの進捗確認 ) 8

図表 6: 課題解決に至るまでのプロセス < 具体的イメージ > 2015 年 X 月 ( 対話実施 ) 2016 年 Y 月 ( 継続的な対話による定点観測 ) 配当性向が 20% と同業他社比 で低いが 配当水準について どのように考えているか 投資先企業 当社は業績に関わらず安定配 当を継続してきた 第一生命 依然として安定配当だが その 後 何か議論はあったか 投資先企業 配当性向目標を公表するこ との重要性は理解できた 第一生命 ただし 具体的な水準につい て 悩んでいる 投資家は明確な資本政策を求め ている 最近は 配当性向の目標 を掲げる企業も増えている 第一生命 配当性向目標は 30% が平均値 ただし 自己資本比率が高い企業 程 高くなる傾向 第一生命 以下の2つの課題に対して認識が不十分と判断し フェーズⅠを設定 課題 1 配当性向が低い フェーズⅠ 課題 2 還元方針が未策定 フェーズⅠ 以下の2つの課題に対して 対応の必要性を認識したと判断し フェーズⅡに引上げ 課題 1 配当性向が低い フェーズⅡ 課題 2 還元方針が未策定 フェーズⅡ 2017 年 Z 月 ( 継続的な対話による定点観測 ) 2018 年 6 月末 ( 年度末の定点観測 ) 投資先企業 配当性向の目標を公表する方 向で検討を始めている 配当目標は 中計の公表とあわ せて 打ち出す企業も多い 引き続き 還元性向の引上げも ご対応頂けると有難い 第一生命 決算説明会 配当性向は 30% を目安とする それに伴い 配当額を従来の 円から 円に引き上げる 課題 2 については 具体的な対応に着手したと判断し フェーズⅢに引上げ 課題 1 配当性向が低い フェーズⅡ 課題 2 還元方針が未策定 フェーズⅢ 両課題とも課題解決したと判断し フェーズ Ⅳに引上げ 課題 1 配当性向が低い フェーズⅣ 課題 2 還元方針が未策定 フェーズⅣ 9

4. 課題の改善状況 2015 年度は 233 社との対話の結果 企業価値向上の観点から 199 社に対して 523 件の課題を当社として認識しました (1 企業において複数の課題を設定することもあります ) 523 件の課題について 2016 年 6 月までの開示情報等から その取組状況を確認したところ 全体では 24% の課題について具体的な進捗 課題解決を確認することが出来ました テーマ別に見ますと コーポレートガバナンス コードの導入を受けて 独立社外取締役の増員などによりガバナンス関連で比較的高い進捗率を示す一方 必ずしも毎年見直しを行わない中期経営計画等を含む業績 資本効率関連のテーマについては進捗 解決の割合は低くなりました ( 図表 7) 課題の解決については一定の時間がかかる内容も含まれていることから 中長期的な視点から取組状況をフォローするとともに 当社としても企業への働きかけや情報提供を通じたサポートをしていきたいと考えております なお 投資先企業全体の総還元性向について 継続的な向上傾向を確認することができました ( 図表 8) 図表 7: 課題の進捗 解決が認められた割合 (2016 年 6 月末時点 ) 対話のテーマガバナンス業績 資本効率株主還元合計 対話実施時の課題意識改善状況 (2016 年 6 月末時点 ) 社数件数社数件数主な改善事例 ( 改善の割合 ) 161 263 76 89 ( 34% ) 120 154 19 20 ( 13% ) 96 106 18 18 ( 17% ) 199 523 96 127 ( 24% ) 独立社外取締役の増員 (34 社 ) 長期在任監査役の非選任 (22 社 ) KPI の開示 (10 社 ) 中期経営計画の開示 (5 社 ) 還元性向の向上 (14 社 ) 株主還元方針の開示 (3 社 ) 図表 8. 当社投資先企業の総還元性向の構成比 総還元性向 招集通知やコーポレートガバナンス報告書等のリリース資料にて確認 企業数ベース ( 単純平均 ) 当社一般勘定保有 ( 東証 1 部 ) 全上場銘柄 ( 東証 1 部 ) 2015/03 2016/03 変化 2015/03 2016/03 変化 20% 未満 19% 18% -1% 24% 21% -2% 20% 以上 30% 未満 30% 24% -6% 27% 24% -4% 30% 以上 40% 未満 19% 20% +1% 17% 19% +2% 40% 以上 32% 38% +6% 32% 36% +4% 総還元性向は 総配当額と自己株式の取得額を合算して算出 3 月決算以外の企業は 直近の年度で集計 10

5. 対話活動の内容 具体的な改善事例 (1) コーポレートガバナンス態勢の強化 (2) 業績 資本効率の持続的な向上ならびに (3) 株主還元の充実の3つの観点について 主な対話内容や具体的な改善事例はそれぞれ以下の通りです (1) コーポレートガバナンス態勢の強化 上場会社の子会社( 親会社の保有比率 50% 超 ) で 指名委員会等設置会社 2 名の独立社外取締役が3 委員会を全て兼務していることについて 1 少数株主保護への取組み 2 独立社外取締役の適切な対話の概要人数 ( 当時 2 名 ) 等について意見交換を行いました A 社 対話時において 適切な人材を見つけるのは現状困難ながらも 今後独立社外取締役の増員も検討していく旨の回答をいただきました 投資先企業に 定時株主総会で新たに2 名の独立社外取締役が選任され 1 名おける取組み純増となりました B 社 対話の概要 投資先企業に おける取組み 先進的なガバナンス取組みが見られる指名委員会等設置会社 外国人を含む複数の独立社外取締役が就任していますが 各委員会が全て日本人で構成されていることについて意見交換を行いました 独立社外取締役でグローバル企業の経営に関する経験が豊富な外国人女性が指名委員会メンバーに就任されました C 社 対話の概要 投資先企業に おける取組み 企業系列に属しており 独立社外取締役 5 名のうち2 名が系列グループ企業出身である企業 この2 名に関して 取締役会への出席率が低いこと 独立社外取締役としての在任期間が長期であること 取締役選任議案への賛成比率が低いこと等について意見交換を行いました 対話時において 他の投資家からも同様の指摘が多い事項であると会社側と課題認識を共有しました 定時株主総会で 系列グループ企業出身の社外取締役を1 名減員し 新たに系列グループ外の女性経営者を独立社外取締役として選任されました 11

(2) 業績 資本効率の持続的な向上 幅広い事業を手がける素材系メーカー 2015 年を最終年度とする中期計画の進捗が芳しくなく ROE の対話の概要水準も低迷していたことから その時点での評価や採用している KPI( 営業利益率 ROA 等 ) の考え方等について意見交換を行い D 社ました 2016 年を初年度とする新中期経営計画を公表 新たに ROE 目標投資先企業に及び配当性向目標 30% を設定 フリーキャッシュフロー創出力おける取組み強化策や財務戦略 (D/Eレシオ等) の詳細も開示されました E 社 対話の概要 投資先企業に おける取組み 特定の分野における国内リーディングカンパニー 投資家向け決算説明会未開催 中期経営計画非開示等 IR に積極的な取組みが見られませんでした 取締役と対話において IR 方針や中期計画策定等について意見交換するとともに 積極的な情報開示の検討を依頼しました 2015 年度決算発表時に中期経営計画概要が初めて公表されました F 社 対話の概要 投資先企業に おける取組み 成長が続く小売分野のホールディング会社 一部低収益の子会社があり 業況確認及び今後の方針について意見交換を行い ホールディングとしての企業価値向上について検討を求めました 低収益かつ改善見込みが乏しい事業からの撤退を進めることとし 連結子会社 1 社の全株式譲渡を発表されました (3) 株主還元の充実対話の概要 G 社投資先企業における取組み 成長株ファンド枠での当社が新規投資した企業 大規模設備投資が不要でキャッシュがたまりやすいビジネスモデルでありながら 株主還元に対する考え方が不明瞭だったため 成長を維持した上での適切な還元水準について 継続的に意見交換を行いました 2015 年度に上場以来初の配当を実施され 2016 年度は配当金額を大幅に増加 配当性向も1 桁 % 20% 台へと大きく上昇しました 12

H 社 対話の概要 投資先企業に おける取組み 株主還元の水準が利益に対して低位のため 2014 年度から継続して対話を実施している製造業 2015 年度も株主還元向上を要望 意見交換を行いました 従来の安定配当方針を変更し 2 期連続増配を実施され さらに 利益配分に関する基本方針 に自己株式取得も明記されました I 社 対話の概要 投資先企業に おける取組み 株主還元の水準が利益に対して低位のため 2014 年度から継続して対話を実施している製造業 今回も株主還元の考え方 水準等について副社長と意見交換を行い 株主還元水準の向上への理解が確認できました 2015 年度以降 2 期連続増配され 配当性向目標も 20% から 30% へ引き上げられました 以上 13