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適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

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第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

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設例 [ 設例 1] 法定実効税率の算定方法 [ 設例 2] 改正地方税法等が決算日以前に成立し 当該改正地方税法等を受けた改正条例が当該決算日に成立していない場合の法定実効税率の算定 本適用指針の公表による他の会計基準等についての修正 -2-

完全子会社同士の無対価合併 1. 会社法の規制 100% 子会社同士が合併する場合は 兄弟合併とも言われます 実務上は新設合併はマイナーで 法律上の許認可の関係で一方が存続する吸収合併が一般的です また 同一企業グループ内での組織再編成の場合は 無対価合併が一般的です 簡易合併に該当する場合は 存続

企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」の新旧比較

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公開草案 (2) その他利益剰余金 積立金繰越利益剰余金利益剰余金合計 5 自己株式 5 自己株式 6 自己株式申込証拠金 6 自己株式申込証拠金株主資本合計株主資本合計 Ⅱ 評価 換算差額等 Ⅱその他の包括利益累計額 1 その他有価証券評価差額金 1 その他有価証券評価差額金 2 繰延ヘッジ損益

に相当する金額を反映して分割対価が低くなっているはずですが 分割法人において移転する資産及び負債の譲渡損益は計上されませんので 分割法人において この退職給付債務に相当する金額を損金の額とする余地はないこととなります (2) 分割承継法人適格分割によって退職給付債務を移転する場合には 分割法人の負債

平成 22 年 4 月 1 日現在の法令等に準拠 UP!Consulting Up Newsletter 無対価での会社分割 バックナンバーは 当事務所のホームページで参照できます 1

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

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企業会計基準第 16 号持分法に関する会計基準 平成 20 年 3 月 10 日改正平成 20 年 12 月 26 日企業会計基準委員会 本会計基準は 平成 27 年 3 月 26 日までに公表された次の会計基準等による修正が反映されている 実務対応報告第 18 号 連結財務諸表作成における在外子会

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⑭【設例】適用指針案

改正法人税法により平成 24 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度については法人税率が 30% から 25.5% に引き下げられ また 復興財源確保法により平成 24 年 4 月 1 日から平成 27 年 3 月 31 日までの間に開始する事業年度については基準法人税額の 10% が復興特別法人

第 9 章純資産の会計 問題 43 問題 43 資本剰余金の振替え 借方科目金額貸方科目金額 次の独立した取引の仕訳を示しなさい ⑴ 資本準備金 2,000,000 円とその他資本剰余金 800,000 円を資本金とすることを株主総会で決議し その効力が生じた ⑵ 資本金 500,000 円を資本準

自己株式の消却の会計 税務処理 1. 会社法上の取り扱い取得した自己株式を消却するには 取締役会設置会社の場合は取締役会決議が必要となります ( 会 178) 取締役会決議では 消却する自己株式数を 種類株式発行会社では自己株式の種類及び種類ごとの数を決定する必要があります 自己株式を消却しても 会

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6. 個別中間財務諸表等 株式会社キョーリン (1) 中間貸借対照表当社はより中間財務諸表を作成しているため 前中間会計期間末は記載しておりません 末 ( 平成 18 年 9 月 30 日 ) の要約貸借対照表 ( 平成 18 年 3 月 31 日 ) 区分 注記番号 構成比 構成比 ( 資産の部

東京電力エナジーパートナー

10 第 1 章 1 株式会社の設立 会社法 445 条 1 項 [ 株式会社の資本金の額 ] 株式会社の資本金の額は この法律 [ 会社法 ] に別段の定めがある場合を除き ( memo. ) 設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする 株式会社

株主資本等変動計算書 ( 自平成 27 年 4 月 1 日至平成 28 年 3 月 31 日 ) 株主資本 評価換算差額等 ( 単位 : 千円 ) 資本剰余金 利益剰余金 資本金 資本準備金 その他資本剰余金 合計 利益準備金 その他利益剰余金繰越利益剰余金 合計 株主資本合計 その他有価証券評価差

実務対応報告第 18 号連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い 平成 18 年 5 月 17 日改正平成 22 年 2 月 19 日改正平成 27 年 3 月 26 日改正平成 29 年 3 月 29 日最終改正平成 30 年 9 月 14 日企業会計基準委員会 目的 本

発行日取引の売買証拠金の代用有価証券に関する規 同じ ) であって 国内の金融商品取引所にその株券が上場されている会社が発行する転換社債型新株予約権社債券 ( その発行に際して元引受契約が金融商品取引業者により締結されたものに限る ) 100 分の80 (7) 国内の金融商品取引所に上場されている交

平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

CC2: 連結貸借対照表の科目と自己資本の構成に関する開示項目の対応関係 株式会社三井住友フィナンシャルグループ ( 連結 ) 項目 資産の部 イロハ 公表連結貸借対照表 (2019 年 3 月末 ) 現金預け金 57,411,276 コールローン及び買入手形 2,465,744 買現先勘定 6,4

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[2] 財務上の影響 自己株式を 取得 した場合には 通常の有価証券の Ⅰ. 株主資本 ように資産に計上することはせず 株主との間の資本取 1. 資本金 引と考え その取得原価をもって純資産の部の株主資本 2. 資本剰余金 (1) 資本準備金 から控除します そのため 貸借対照表上の表示は金額 (2

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実務対応報告第 36 号従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い 目的 平成 30 年 1 月 12 日企業会計基準委員会 1. 本実務対応報告は 企業がその従業員等 1 に対して権利確定条件 2 が付されている新株予約権を付与する場合に 当該新株予約権の付与に伴い

できる 105. 前項の取扱いを適用する場合には 次の事項を注記する (1) その旨及び決算月に実施した計量の日から決算日までに生じた収益の見積りが極めて困難と認められる理由 (2) 当連結会計年度及び当事業年度の決算月の翌月に実施した計量により確認した使用量に基づく収益の額 ( この収益の額が 決

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平均株価は 東証が公表する当該企業普通株式の終値の算術平均値を基準とした値とする 調整取引の結果 経済的には自社株を平均株価で取得したのと同様の結果となる 企業は株価上昇時の支払いのために 証券会社に新株予約権を割り当てる ステップ 3 : 株価上昇時は 新株予約権が権利行使され 差額分に相当する株

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受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 35 外国法人税 36 適用時期等 38-2-

信託の会計処理①

会計処理 29 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 29 更正等による追徴及び還付 30 追徴税額について課税を不服として法的手段を取る場合の取扱い 34 開示 36 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 37 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 38 外

(3) 資産運用収益 平成 27 年度平成 28 年度第 3 四半期累計期間第 3 四半期累計期間 利息及び配当金等収入 500, ,799 預 貯 金 利 息 有価証券利息 配当金 397, ,636 貸 付 金 利 息 68,334 64,037 不 動 産

計算書類等

2. 資産運用の実績 ( 一般勘定 ) (1) 資産の構成 ( 単位 : 百万円 %) 2019 年度 2018 年度末区分第 1 四半期会計期間末 金額 占率 金額 占率 現預金 コールローン 1,213, ,085, 買 現 先 勘 定 債券貸借取引支払保証金 買

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

有償ストック・オプションの会計処理が確定

本資料の記載数値について 第一生命保険株式会社 ( 旧 第一生命 : 下図 A) は 2016 年 10 月 1 日付で 第一生命ホールディングス株式会社 に商号を変更し 事業目的をグループ会社の経営管理等に変更しています 旧 第一生命が営んでいた国内生命保険事業は 会社分割により 第一生命保険株式

(3) 資産運用収益 平成 28 年度平成 29 年度第 1 四半期累計期間第 1 四半期累計期間 利息及び配当金等収入 157, ,549 預 貯 金 利 息 6 2 有価証券利息 配当金 124, ,877 貸 付 金 利 息 21,582 20,066 不 動 産 賃

公開草案なお 重要性が乏しい場合には当該注記を省略できる 現行 適用時期等 平成 XX 年改正の本適用指針 ( 以下 平成 XX 年改正適用指針 という ) は 公表日以後適用する 適用時期等 結論の背景経緯 平成 24 年 1 月 31 日付で 厚生労働省通知 厚生年金基金

第4期電子公告(東京)

Report

したがって 監査人は 子会社及び関連会社の範囲の決定について 経営者による実質的な判断の合理性を確かめることになります Q2: 他の会社等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関 ( 意思決定機関 ) を支配しているか否かの判定は 具体的にはどのように行いますか A: 財務諸表等規則第 8 条第

会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(計算書類及び連結計算書類)新旧対照表

( 株 ) 四国銀行 (8387) 平成 28 年 3 月期第 1 四半期決 添付資料の目次 頁 1. 当四半期決算に関する定性的情報 2 (1) 連結経営成績に関する定性的情報 2 (2) 連結財政状態に関する定性的情報 2 (3) 連結業績予想に関する定性的情報 2 2. サマリー情報 ( 注記

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2019年年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

2019年3月期 中間期決算短信〔日本基準〕(連結):東京スター銀行

リース取引に関する会計基準

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

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2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

BS_PL簡易版(平成28年度).xlsx

計 算 書 類

営業報告書

ならないとされている (IFRS 第 15 号第 8 項 ) 4. 顧客との契約の一部が IFRS 第 15 号の範囲に含まれ 一部が他の基準の範囲に含まれる場合については 取引価格の測定に関する要求事項を設けている (IFRS 第 15 号第 7 項 ) ( 意見募集文書に寄せられた意見 ) 5.

ほくほくフィナンシャルグループ (8377) 2019 年 3 月期 4. 補足情報 株式会社北陸銀行の個別業績の概要 2019 年 5 月 10 日 代表者 ( 役職名 ) 取締役頭取 ( 氏名 ) 庵栄伸 問合せ先責任者 ( 役職名 ) 執行役員総合企画部長 ( 氏名 ) 小林正彦 TEL (0

第 51 期 決算公告 2018 年 4 月 1 日から 2019 年 3 月 31 日まで 愛知県安城市藤井町高根 10 番地


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連結貸借対照表の科目が 自己資本の構成に関する開示項目 のいずれに相当するかについての説明 ( 付表 ) 1. 株主資本 資本金 33,076 1a 資本剰余金 24,536 1b 利益剰余金 204,730 1c 自己株式 3,450 1d 株主資本合計 258,893 普通株式等 Tier1 資

2018 年度 (2019 年 3 月 31 日現在 ) 貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 科 目 金額 科 目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 現金及び預貯金 1,197,998 保険契約準備金 908,017 預貯金 1,197,998 支払備金 2,473 有価証券 447,49

添付資料の目次 1. 連結財務諸表 2 (1) 連結貸借対照表 2 (2) 連結損益計算書及び連結包括利益計算書 4 (3) 連結財務諸表に関する注記事項 6 ( セグメント情報等 ) 6 2. 個別財務諸表 7 (1) 個別貸借対照表 7 (2) 個別損益計算書

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IFRS 第 15 号の定めの表現の置換え 4. 下表では IFRS 第 15 号の基準本文 ( 適用指針を含む ) の日本語訳を左の列に示し 表現を見直した文案を右の列に示している (1) 表に用いられている色は 以下を表す ( ) は IFRS 第 15 号における項番号を表す 青色 : 企業会


<4D F736F F D CA8E A81798DC58F4988C481458C888E5A8FB A814091E632358AFA8E968BC695F18D9082A882E682D18C768E5A8

財務諸表 金融商品取引法第 193 条の 2 第 1 項の規定に基づき 当社の貸借対照表 損益計算書 株主資本等変動計算書及び附属明細表については 有限責任あずさ監査法人の監査証明を受けております 貸借対照表 科目 ( 資産の部 ) 流動資産 2017 年度末 2018 年 3 月 31 日現在 (

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株式会社神奈川銀行

Transcription:

企業会計基準適用指針第 3 号その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理 目次 平成 14 年 2 月 21 日改正平成 17 年 12 月 27 日企業会計基準委員会 目的 1 適用指針 2 範囲 2 会計処理 3 適用時期 7 議決 8 結論の背景 9 検討の経緯 9 会計処理 10 項 - 1 -

目的 1. 本適用指針は その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理を定めるものである 適用指針 範囲 2. 本適用指針は その他資本剰余金の処分による配当 ( 配当財産が金銭である場合に限る 以下同じ ) を受けたすべての会社に適用する 配当財産が金銭以外である場合の株主の会計処理は 企業会計基準第 7 号 事業分離等に関する会計基準 ( 以下 事業分離等会計基準 という ) によることになる 会計処理 3. 株主が資本剰余金の区分におけるその他資本剰余金の処分による配当を受けた場合 配当の対象となる有価証券が売買目的有価証券である場合を除き 原則として配当受領額を配当の対象である有価証券の帳簿価額から減額する 4. 配当の対象となる有価証券が売買目的有価証券である場合は 配当受領額を受取配当金 ( 売買目的有価証券運用損益 ) として計上する 5. 第 4 項に定める以外の場合でも 以下の例のように配当受領額を収益として計上することが明らかに合理的である場合は 受取配当金に計上できるものとする (1) 配当の対象となる時価のある有価証券を時価まで減損処理した期における配当 (2) 投資先企業を結合当事企業とした企業再編が行われた場合において 結合後企業からの配当に相当する留保利益が当該企業再編直前に投資先企業において存在し 当該留保利益を原資とするものと認められる配当 ( ただし 配当を受領した株主が 当該企業再編に関して投資先企業の株式の交換損益を認識していない場合に限る ) (3) 配当の対象となる有価証券が優先株式であって 払込額による償還が約定されており 一定の時期に償還されることが確実に見込まれる場合の当該優先株式に係る配当 6. 配当金の認識は 金融商品会計に関する実務指針 ( 日本公認会計士協会会計制度委員会報告第 14 号最終改正平成 17 年 2 月 15 日 ) 第 94 項と同様とする なお 配当金を計上する際に その他利益剰余金の処分によるものか その他資本剰余金の処分によるものかが不明な場合は 受取配当金に計上できるものとする その後 その他資本剰余金の処分によるものであることが判明した場合には その金額に重要性が乏しい場合を除き その時点で修正する会計処理を行う - 2 -

適用時期 7. 平成 17 年 12 月 27 日改正の本適用指針 ( 以下 改正適用指針 という ) は 会社法 ( 平成 17 年法律第 86 号 ) 施行日以後に認識される配当から適用する なお 改正適用指針の適用前に認識される配当については 改正前の本適用指針 ( 以下 改正前適用指針 という ) による 議決 8. 改正適用指針は 第 94 回企業会計基準委員会に出席した委員 12 名全員の賛成により承認された - 3 -

結論の背景 検討の経緯 9. 平成 14 年 2 月 21 日に当委員会が公表した改正前適用指針は 同時に公表した企業会計基準第 1 号 自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準 に関連し その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理を定めたものである 改正適用指針は 平成 17 年 7 月 26 日に会社法が公布されたこと また 当委員会が 平成 17 年 12 月 27 日に企業会計基準第 1 号 自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 を改正したこと 及び平成 17 年 12 月 27 日に事業分離等会計基準を公表したことに伴い 改正前適用指針について所要の改正を行ったものである 会計処理 10. 現行の会計実務では 留保利益から配当を受けたときは受取配当金で処理し 払込資本の払戻しを受けたときは投資勘定の減額で処理することが多い この処理は 投資成果の分配と投資そのものの払戻しを 支払側の配当の原資に従って区別することを意図している 11. その他資本剰余金は 資本金及び資本準備金の額の減少により生じた剰余金及び自己株式処分差益等の額で構成され その内容は原則として株主からの払込資本である よって その他資本剰余金の処分による配当は 基本的には投資の払戻しの性格を持つ したがって 現行の会計実務に合わせ それらの配当を受けた株主の側では 有価証券の帳簿価額を減額することを原則的な処理とした 12. 配当の対象となる有価証券が売買目的有価証券であり 期末に時価評価され評価差額が損益計算書に計上されている場合には 配当に伴う価値の低下が期末時価に反映されているため 配当の原資にかかわらず収益計上することが適切であり 受取配当金 ( 売買目的有価証券運用損益 ) として処理することとした 13. なお 本質的には支払側の配当の原資 ( その他資本剰余金又はその他利益剰余金 ) により 自動的に受取側の会計処理 ( 投資成果の受取又は投資の払戻し ) が決定されるわけではない 例えば 以下の場合には 支払側の配当の原資に従って受取側が処理しても 必ずしも投資成果の分配と投資そのものの払戻しを整合的に処理できない (1) その他利益剰余金の処分による配当の原資が 投資以後に投資先企業が計上した留保利益の額を超えている場合 (2) その他利益剰余金の処分による配当の原資が 投資先企業で行われた資本金又は資本準備金による欠損てん補の額に満たない留保利益である場合こうした支払側と受取側の不整合は 子会社株式及び関連会社株式 その他有価証券のすべてに持分法を適用しない限り 避けられない 14. また 資本準備金は原則として払込資本であるが 以下のような場合には利益性の剰余 - 4 -

金たる性格を持つ部分が含まれている (1) 過去に行われた資産の再評価益が資本準備金に計上されている場合 (2) 株式移転設立完全親会社の資本準備金に株式移転完全子会社の留保利益相当額が含まれている場合 15. よって その他資本剰余金の処分による配当受領額でも 収益として計上することが明らかに合理的である場合は その場合に限って受取配当金として収益計上できるものとした 第 5 項で掲げた収益とみることが明らかに合理的な例の各々の趣旨は以下のとおりである (1) 配当の対象となる時価のある有価証券を時価まで減損処理した期における配当 ( 第 5 項 (1) 参照 ) 投資の対象となった有価証券が期末に時価まで減損処理され 評価損が損益計算書に反映されている場合 配当に伴う価値の低下が期末時価に反映されているため 売買目的有価証券のケースと同様に受取配当金として収益計上できると考えた (2) 投資先企業を結合当事企業とした企業再編が行われた場合において 結合後企業からの配当に相当する留保利益が当該企業再編直前に投資先企業において存在し 当該留保利益を原資とするものと認められる配当 ( ただし 配当を受領した株主が 当該企業再編に関して投資先企業の株式の交換損益を認識していない場合に限る )( 第 5 項 (2) 参照 ) 結合後企業のその他資本剰余金の処分による配当が 実質的に企業再編直前の投資先企業 ( 結合当事企業 ) の留保利益相当額からの配当であることが確認できる場合は その他利益剰余金からの配当と同様に取り扱い 受取配当金として収益計上できると考えた このような例示に該当する場合としては 配当を受領した株主が 投資先企業の株式の交換損益を認識しないことを前提に 例えば 以下の場合が挙げられる 1 吸収合併存続会社のその他資本剰余金に投資先企業であった吸収合併消滅会社の留保利益相当額が含まれている場合の当該存続会社からの配当 2 株式移転設立完全親会社のその他資本剰余金に投資先企業であった株式移転完全子会社の留保利益相当額が含まれている場合の当該親会社からの配当なお 被結合企業に関する投資が清算されたとみる場合には 被結合企業の株式と引換えに受け取った財の時価と 被結合企業の株式に係る企業結合直前の適正な帳簿価額との差額を交換損益として認識するとともに 改めて当該受取対価の時価にて投資を行ったものとするとされている ( 事業分離等会計基準第 32 項 (1)) このため 当該交換損益を認識した株主が 結合後企業のその他資本剰余金の処分による配当を受けた場合には その配当の原資が実質的に企業再編直前の投資先企業の留保利益に相当するものかどうかにかかわらず 投資の払戻しとして有価証券の帳簿価額を減額処理することになる - 5 -

改正前適用指針では 当該会計処理の例示として 企業結合年度の配当であることを示していたが 改正適用指針では示していない これは 企業結合年度後の配当であっても その配当の原資が企業再編直前に投資先企業に存在していた留保利益相当額であることが明らかな場合もあることを考慮したためである ただし この取扱いは もともと配当受領額を収益として計上することが明らかに合理的である場合の取扱いであるため 投資先企業からの企業結合年度後における配当について当該会計処理を適用する場合には 上記の要件に照らして慎重に判断することが必要である (3) 配当の対象となる有価証券が優先株式であって 払込額による償還が約定されており 一定の時期に償還されることが確実に見込まれる場合の当該優先株式に係る配当 ( 第 5 項 (3) 参照 ) 優先株式の中には 発行者が償還する権利を持つものがある そのような優先株式の場合で 払込額による償還が約定されており 一定の時期に償還されることが確実に見込まれる場合には 保有する当該優先株式は経済的には清算時の弁済順位を除き 債券と同様の性格を持つと考えられる よって 当該優先株式に係る受取配当は受取利息と同様に収益として計上することが可能であると考えられる この場合の優先株式の評価は債券の評価に準ずることになる 16. 配当金を計上する際に その他利益剰余金の処分によるものか その他資本剰余金の処分によるものかが不明な場合は 受取配当金に計上できるものとしている ( 第 6 項なお書き参照 ) これは 配当可能な剰余金として 資本剰余金と利益剰余金の双方がある場合には 一般に利益剰余金を優先的に配当の原資としているものと考えられること 及び事務負担への配慮によるものである なお 剰余金を配当する会社は 取締役会等の会社の意思決定機関で定められた配当の原資 ( その他資本剰余金又はその他利益剰余金 ) を速やかに公表することが望ましい 17. 現行の会計実務では 留保利益を原資とする配当を受けたときは受取配当金として処理する ( 第 10 項及び第 11 項参照 ) が 第 13 項で示されているように 支払側の配当の原資に従って受取側が処理しても 必ずしも投資成果の分配と投資そのものの払戻しを整合的に処理できない場合がある このため 留保利益を原資とする配当を受取配当金として計上すると 明らかに合理性を欠くと考えられる場合 例えば 帳簿価額に比して実質価額が低下しているものの減損処理に至っていない株式について 投資後に行われた資本金又は資本準備金による欠損てん補の額に満たない留保利益を原資とする配当を受領した場合 ( 第 13 項 (2) 参照 ) 配当を受領した株主は 重要性が乏しい場合を除き 有価証券の帳簿価額を減額処理することが適当である 以上 - 6 -