丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

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控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

滞納処分によって財産の差押えを受け 被告がその売却代金等の配当を受けたことについて 本件各申告の一部は錯誤に基づく無効なものであり これを前提としてされた滞納処分も無効であるから 被告は法律上の原因なく配当を受けているとして 不当利得返還請求権に基づき 前記第 1の請求記載の各金員の支払を求めている

審査請求書の記載に当たっては 別紙 審査請求書の書き方 を参照してください 付表 1 号様式 ( 次葉 ) 正本原処分に係る異議申立ての状況 9 異議申立てをした場合 ( 該当する番号を で囲む ) 10 異議申立てをしていない場合 ( 該当する番号を で囲む ) 審査請求書 ( 次葉 ) 審査請求

平成  年(オ)第  号

株式等に係る譲渡損失の額を控訴人申告に係る3196 万 8863 円から813 万 9478 円と更正したため 控訴人が 処分行政庁の属する国に対し 本件更正処分のうち上記更正に係る部分が違法であると主張してその取消しを求める事案である 原判決は 控訴人の請求を棄却したため 控訴人が控訴した 1 法

原告は 昭和 58 年度分以降の年分の所得税について 当時の所轄税務署長である保士ヶ谷税務署長から 所得税法 143 条所定の青色の申告書により提出することの承認を受けた (2) 原告は 平成 15 年分から平成 17 年分の所得税の確定申告において 不動産所得金額の計算上 収入金額に比して多額の借

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

式会社 (A) の債務に係る保証債務及び清算人を務める株式会社 (B) の債務の履行にそれぞれ充てた控訴人が 上記各債務の履行に伴って生じた求償権を一部行使することができなくなったとして これに相当する金額につき 譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなす所得税法 ( 法 )64 条 2 項の規定を

最高裁○○第000100号

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

2006 年度 民事執行 保全法講義 第 4 回 関西大学法学部教授栗田隆

(2) 訴訟費用は 被告らの負担とする 2 被告国 (1) 本案前の答弁ア原告の被告国に対する訴えを却下する イ上記訴えに係る訴訟費用は 原告の負担とする (2) 被告国は 本案について 原告の被告国に対する請求を棄却する旨の裁判を求めるものと解する 3 被告 Y1 市 (1) 本案前の答弁ア原告の

税金の時効 税務では 時効のことを更正 決定処分の期間制限 = 除斥期間 といいます その概要は 以下の通りです 1. 国税側の除斥期間 ( 通則法 70) 1 期限内申告書を提出している場合の所得税 相続税 消費税 税額の増額更正 決定処分の可能期間 : 法定申告期限から 3 年 2 無申告の場合

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

3 訴訟費用は原告の負担とする 事実及び理由第 1 請求の趣旨 1 ( 主位的請求 ) 尼崎税務署長が原告に対して平成 20 年 8 月 27 日付けでした乙の平成 17 年分の贈与税に係る連帯納付義務を課す旨の処分を取り消す ( 予備的請求 ) 尼崎税務署長は 原告に対し 乙の平成 17 年分の贈

Transcription:

税務訴訟資料第 263 号 -249( 順号 12373) 東京地方裁判所平成 年 ( ) 第 号裁決取消請求事件 国側当事者 国 ( 国税不服審判所長 ) 平成 24 年 4 月 24 日棄却 控訴 判原告被告同代表者法務大臣裁決行政庁同指定代理人 決 選定当事者甲 ( 選定者は別紙選定者目録記載のとおり ) 国小川敏夫国税不服審判所長孝橋宏渡邊未来子野村昌也山口克也阿部晃子小板橋賢一甲斐香 主文 1 原告の請求を棄却する 2 訴訟費用は原告の負担とする 事実及び理由第 1 請求国税不服審判所長が平成 22 年 10 月 27 日付けで原告及び選定者乙に対してした裁決を取り消す 第 2 事案の概要本件は 国税不服審判所長 ( 裁決行政庁 ) が平成 22 年 10 月 27 日付けで原告及び選定者乙 ( 以下 選定者乙 といい 原告と併せて 原告ら という ) に対して原告らの審査請求を棄却する裁決 ( 以下 本件裁決 という ) をしたことから 原告が 選定当事者となり 裁決行政庁の所属する国を被告として 本件裁決の取消しを求める事案である 1 前提事実 ( 顕著な事実 争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等選定者乙は 亡丙 ( 以下 丙 という ) の妻であり 原告は 選定者乙と丙の子である 選定者乙と丙の子としては 他に丁 ( 以下 丁 という ) がいる (2) 相続の開始 1

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前のもの 以下同じ )19 条の2 第 1 項及び租税特別措置法 ( 平成 13 年法律第 7 号による改正前のもの )69 条の4 第 1 項に規定する各特例 ( 以下 本件各特例 という ) の適用があるものとして 本件相続に係る相続税の申告をした (4) 相続税の更正及び過少申告加算税の賦課決定武蔵府中税務署長は 平成 14 年 7 月 8 日付けで 原告らに対し 本件相続に係る相続財産の全部の分割が行われていない状態にあるために本件各特例を適用することはできないとして 本件相続に係る相続税の更正及び過少申告加算税の賦課決定をした (5) 相続財産の分割選定者乙は 平成 16 年 5 月 27 日 原告及び丁を相手方として 東京家庭裁判所八王子支部に対し 本件相続に係る遺産分割の調停の申立てをしたが 同事件は 平成 17 年 9 月 15 日 調停をしない措置により終了した 原告らは 同月 29 日 丁を相手方として 東京家庭裁判所に対し 本件相続に係る遺産分割の調停の申立てをし 同事件は 同裁判所八王子支部に回付された 丁は 平成 18 年 4 月 8 日 原告らを相手方として 同支部に対し 本件相続に係る遺産分割の調停の申立てをした これらの事件は 調停不成立となり 審判に移行したところ 同支部は 平成 19 年 4 月 9 日 本件相続に係る遺産分割の審判をした 原告らは 同月 26 日 上記遺産分割の審判に対する即時抗告をしたところ 東京高等裁判所は 平成 2 0 年 3 月 日 原告らの即時抗告を棄却する決定 ( 以下 本件即時抗告棄却決定 という ) をし その決定正本は 同年 4 月 5 日までに抗告審の全ての当事者に送達された 原告らは 本件即時抗告棄却決定に対する抗告許可の申立て及び特別抗告をしたところ 東京高等裁判所は 同年 5 月 日 抗告を許可しない決定及び特別抗告を却下する決定をした 原告らは これらの決定に対する特別抗告をしたところ 最高裁判所第一小法廷は 同年 9 月 日 原告らの特別抗告を棄却する決定 ( 以下 本件特別抗告棄却決定 という ) をした (6) 更正の請求及び更正をすべき理由がない旨の通知原告らは 平成 21 年 1 月 8 日付けで 武蔵府中税務署長に対し 本件相続に係る相続財産の分割が確定したことにより本件各特例の適用があることとなったとして 本件相続に係る相続税の更正の請求 ( 以下 本件各更正の請求 という ) をした しかし 武蔵府中税務署長は 同年 6 月 30 日付けで 原告らに対し それぞれ 本件相続に係る相続税については 本件各特例の適用の前提となる 遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書 が提出されていないとして 更正をすべき理由がない旨の通知 ( 以下 本件各通知処分 という ) をした (7) 異議の申立て及び異議棄却決定原告らは 平成 21 年 8 月 28 日付けで 武蔵府中税務署長に対し 本件各通知処分についての異議の申立てをしたが 武蔵府中税務署長は 同年 11 月 26 日付けで 原告らに対し 本件各通知処分と同様の理由により 原告らの異議の申立てを棄却する決定 ( 武中資第 号 以下 本件異議決定 という ) をした ( 甲 2) (8) 審査請求及び審査請求棄却裁決 2

原告らは 平成 21 年 12 月 25 日付けで 国税不服審判所長に対し 本件各通知処分についての審査請求をしたが 国税不服審判所長は 平成 22 年 10 月 27 日付けで 原告らに対し 本件相続に係る相続財産の分割は本件即時抗告棄却決定の正本が平成 20 年 4 月 5 日までに抗告審の全ての当事者に送達されたことにより確定したものであり 原告らがこれを知った日は同日と認めるのが相当であるから 本件各更正の請求は 本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月が経過した後にされたものであり 相続税法 32 条 1 号の規定に違反する不適法なものであるとして 原告らの審査請求を棄却する本件裁決 ( 東裁 ( 諸 ) 平 22 第 91 号 ) をした なお 原告らは 本件相続に係る相続財産の分割は本件特別抗告棄却決定により確定したものであり 原告らがこれを知った日は本件特別抗告棄却決定がされた平成 20 年 9 月 日と認めるのが相当であるから 本件各更正の請求は 本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月以内にされたものであり 相続税法 32 条 1 号の規定に違反するものではないという趣旨の主張をしていた ( 甲 1) (9) 本件訴えの提起原告は 平成 23 年 4 月 27 日 本件裁決の取消しを求める本件訴えを提起した ( 顕著な事実 ) 2 争点本件の争点は 本件裁決の適否 具体的には 東京国税不服審判所において行われた本件各通知処分についての審査請求に係る審査の手続に違法があるか否かである 3 当事者の主張の要旨 (1) 原告本件裁決に係る裁決書には 本件各更正の請求が相続税法 32 条 1 号に規定する提出期限内にされたものであるか否かに関する武蔵府中税務署長の主張として 原告らにおいて本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日は平成 20 年 4 月 5 日であり 本件各更正の請求は本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月が経過した後にされたものであるという趣旨の記載があるが 本件異議決定に係る決定書には そのような趣旨の記載は存在しない 上記主張は 東京国税不服審判所において本件各通知処分についての審査請求に係る審査の手続を担当していた審判官 ( 以下 本件担当審判官 という ) が平成 22 年 5 月 12 日付けで原告らに送付した 回答書の提出について と題する書面 ( 甲 3) において初めて明らかにされたものである (2) 被告ア取消訴訟においては 自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができない ( 行政事件訴訟法 10 条 1 項 ) ところ 本件においては 原告がどのような自己の法律上の利益に関係のある違法を理由として本件裁決の取消しを求めているのか判然としない イその点をおくとしても 処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には 裁決の取消しの訴えにおいては 処分の違法を理由として取消しを求めることができない ( 行政事件訴訟法 10 条 2 項 ) のであって 裁決の取消しの訴えにおいて主張することができるのは 裁決自体に関する違法 裁決手続に関する違法 裁決の形式に関する違法その他の裁決固有の瑕疵に限られる 原告は 本件裁決に係る裁決書に武蔵府中税務署長の主張として記載されている主張と同趣旨の記 3

載が本件異議決定に係る決定書に存在しない旨主張するが 本件裁決に係る裁決書の中の上記主張は 本件各通知処分についての審査請求に係る審査の手続の過程で本件担当審判官がした釈明に対して武蔵府中税務署長がした回答に基づいて記載されたものであり 本件担当審判官は 原告らに対し 回答書の提出について と題する書面を送付し 意見を述べる機会を与えているのであって 本件裁決には 裁決手続に関する違法その他の裁決固有の瑕疵はない 第 3 当裁判所の判断 1 前記前提事実に加えて 証拠 ( 甲 3 乙 1 2) 及び弁論の全趣旨によれば 次の事実を認めることができる (1) 本件担当審判官は 平成 22 年 5 月 12 日付けで 原告らに対し 回答書の提出 についてと題する書面 ( 甲 3) を送付した この書面には 原告らは本件相続に係る相続財産の分割は本件特別抗告棄却決定により確定したものであると理解して本件各更正の請求を行っているものと認められるが 本件相続に係る相続財産の分割が確定した日は 本件即時抗告棄却決定が選定者乙に告知された平成 20 年 4 月 5 日であり そうすると 本件各更正の請求に係る請求書は提出期限 ( 同日の翌日から4 か月 ) を徒過して提出されたものと認められるとした上で この点についてどのように考えるか回答を求める旨の記載がある (2) 本件担当審判官は 平成 22 年 5 月 31 日付けで 武蔵府中税務署長に対し 求釈明書 ( 乙 1) を送付し 前記 (1) と同じ見解を示した上で この点について釈明を求めたところ 武蔵府中税務署長は 同年 6 月 4 日付けで 本件担当審判官に対し 釈明書 ( 乙 2) を送付し 本件担当審判官の見解 ( 本件各更正の請求がその期限を徒過した後にされたものと認められること ) に異論はなく その点からみても 本件各更正の請求はいずれも不適法なものであるから 本件各通知処分はいずれも適法であるという意見を述べた (3) 本件訴えにおいて原告が問題にする本件裁決に係る裁決書の記載は 国税不服審判所長が武蔵府中税務署長の上記回答を踏まえて記載し 裁決の基礎としたものである 2 国税に関する処分についての審査請求その他の不服申立ての手続は 簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るだけではなく 税務行政の適正な運営を確保することをも目的とするものであり ( 国税通則法 80 条 1 項 行政不服審査法 1 条 1 項 ) 審査請求に係る事件の担当審判官は 審理を行うため必要があるときは 審査請求人の申立てによらなくても 職権で 審査請求人若しくは原処分庁又は関係人その他の参考人に質問し これらの者の帳簿書類その他の物件につきその所有者 所持者又は保管者に対し当該物件の提出を求めるなどすることができるとされている ( 国税通則法 97 条 1 項 ) ことによれば 審査請求の手続において 国税不服審判所長は 原処分庁が処分の基礎 ( 理由 ) とせず かつ 審査請求人又は原処分庁が審査請求書又は答弁書で主張していない事実についても これを裁決の基礎 ( 理由 ) とすることができると解される上 前記 1のとおり 本件担当審判官は 原告らに対し釈明をし 意見を述べる機会を与え 武蔵府中税務署長に対しても釈明をし その回答を得ていることからすると このことを踏まえて 国税不服審判所長が 本件相続に係る相続財産の分割は平成 20 年 4 月 5 日に確定したものであり 本件各更正の請求は本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月が経過した後にされたものであることを本件裁決の基礎 ( 理由 ) としたことは適法であり 本件裁決は適法なものであるということができる 4

原告は 上記の点以外に裁決固有の瑕疵とみるべき主張をしていない ( なお 原告らは 本件各通知処分についての審査請求の手続において 本件相続に係る相続財産の分割は本件特別抗告棄却決定により確定したものであり 原告らがこれを知った日は本件特別抗告棄却決定がされた平成 20 年 9 月 日と認めるのが相当であるから 本件各更正の請求は 本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月以内にされたものであり 相続税法 32 条 1 号の規定に違反するものではないという趣旨の主張をしているが この主張は本件各通知処分の違法をいうものであるから 本件裁決の取消しを求める本件訴えにおいては この点の違法を理由として取消しを求めることはできない ) 第 4 結論よって 原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし 訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法 7 条 民事訴訟法 61 条を適用して 主文のとおり判決する 東京地方裁判所民事第 2 部裁判長裁判官川神裕裁判官内野俊夫裁判官菅野昌彦 5

選定者目録 ( 別紙 ) 甲乙 6