丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

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控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

滞納処分によって財産の差押えを受け 被告がその売却代金等の配当を受けたことについて 本件各申告の一部は錯誤に基づく無効なものであり これを前提としてされた滞納処分も無効であるから 被告は法律上の原因なく配当を受けているとして 不当利得返還請求権に基づき 前記第 1の請求記載の各金員の支払を求めている

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

 

4 処分行政庁が平成 25 年 3 月 5 日付けでした控訴人に対する平成 20 年 10 月 1 日から平成 21 年 9 月 30 日までの事業年度の法人税の再更正処分のうち翌期へ繰り越す欠損金 4 億 万 6054 円を下回る部分を取り消す 5 処分行政庁が平成 25 年 3 月

審査請求書の記載に当たっては 別紙 審査請求書の書き方 を参照してください 付表 1 号様式 ( 次葉 ) 正本原処分に係る異議申立ての状況 9 異議申立てをした場合 ( 該当する番号を で囲む ) 10 異議申立てをしていない場合 ( 該当する番号を で囲む ) 審査請求書 ( 次葉 ) 審査請求

という ) 開始に係る各相続税 ( 以下 本件各相続税 という ) の申告をしたところ, 処分行政庁から本件各相続税の各更正及びこれらに係る重加算税の各賦課決定を受け, 裁決行政庁からこれらに係る原告らの審査請求を却下する旨の各裁決を受けたのに対し, 上記各更正のうち原告らが主張する納付すべき税額を

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

平成  年(オ)第  号

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

(イ係)

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

株式等に係る譲渡損失の額を控訴人申告に係る3196 万 8863 円から813 万 9478 円と更正したため 控訴人が 処分行政庁の属する国に対し 本件更正処分のうち上記更正に係る部分が違法であると主張してその取消しを求める事案である 原判決は 控訴人の請求を棄却したため 控訴人が控訴した 1 法

正 審査請求書 ( 次葉 ) 審査請求人 ( 氏名 名称 ) 11 審査請求の趣旨 原処分 ( 再調査の決定を経ている場合にあっては 当該決定後の処分 ) の取消し又は変更を求める範囲等について 該当する番号を で囲んでください なお 次の番号 2 の 一部取消し 又は 3 の その他 を求める場合

2 原告乙の請求 (1) 主位的請求広島東税務署長が平成 20 年 7 月 3 日付けで原告乙の平成 16 年 12 月 31 日相続開始に係る相続税についてした更正及び過少申告加算税賦課決定をいずれも取り消す (2) 予備的請求広島東税務署長が平成 20 年 7 月 3 日付けで原告乙の平成 16

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

原告は 昭和 58 年度分以降の年分の所得税について 当時の所轄税務署長である保士ヶ谷税務署長から 所得税法 143 条所定の青色の申告書により提出することの承認を受けた (2) 原告は 平成 15 年分から平成 17 年分の所得税の確定申告において 不動産所得金額の計算上 収入金額に比して多額の借

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

0A8D6C A49256C A0

88186FC9FB40AF6A49256D41000B09B

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は, 亡 AとBとの間の子である 原告は, 所得税法 16 条 2 項の規定により, その営む事業に係る事業場の所在地である渋谷区を納税地としている イ亡 Aは, 平成 年 月 日に死亡し, 原告は, 渋谷区 α 番地 1ほか所在の区分所有建物及

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

7265BB4891EFF48E A000659A

相続税の更正の請求 ( 相続税法 32 条 ) について ~ 特に 過大となった 事由が生じたことを知った日 について 2013/10/4 岡田和教 相続税法 32 条 ( 更正の請求の特則 ) 相続税又は贈与税について申告書を提出した者又は決定を受けた者は 次の各号のいずれかに該当する事由により当

最高裁○○第000100号

式会社 (A) の債務に係る保証債務及び清算人を務める株式会社 (B) の債務の履行にそれぞれ充てた控訴人が 上記各債務の履行に伴って生じた求償権を一部行使することができなくなったとして これに相当する金額につき 譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなす所得税法 ( 法 )64 条 2 項の規定を

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

平成 27 年度 特定行政書士法定研修 考査問題 解答と解説 本解答と解説は 正式に公表されたものではなく 作成者が独自に作成したものであり 内容の信頼性については保証しない 以下の事項に全て該当 遵守する場合にのみ 利用を許可する 東京都行政書士会葛飾支部会員であること 営利目的でないこと 内容を

指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

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Microsoft Word - 行政法⑨

む ), 倉庫その他の建物をいう ( 同条 3 号 ) 固定資産課税台帳 とは, 土地課税台帳, 土地補充課税台帳, 家屋課税台帳, 家屋補充課税台帳及び償却資産課税台帳を総称するものである ( 同条 9 号 ) 家屋課税台帳 とは, 登記簿に登記されている家屋 ( 建物の区分所有等に関する法律 (

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

(2) B 社に係る破産事件等東京地方裁判所は, 平成 21 年 2 月 24 日,B 社を再生債務者として, 再生手続開始の決定をした しかし, 東京地方裁判所は, 同年 3 月 24 日,B 社の事業継続を不可能とする事実が明らかになったとして, 再生手続廃止の決定をするとともに, 再生手続廃止

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は,Aの子である イ Aは, 大正 年 月 日生まれの男性であり, 厚生年金保険の被保険者であったが, 平成 年 月 日, 死亡した ( 甲 1) (2) 老齢通算年金の受給 Aは, 昭和 年 月に60 歳に達し, 国民年金の納付済期間である18

処分済み

最高裁○○第000100号

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

定している (2) 通達等の定めア 生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について ( 昭和 29 年社発第 382 号厚生省社会局長通知 以下 昭和 29 年通知 という 乙 1) は, 一項本文において, 生活保護法第 1 条により, 外国人は法の適用対象とならないのであるが, 当分の間,

11総法不審第120号

処分済み

北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな

国税通則法施行令新旧対照表

職選挙法等の改正により一部改められたものの,1 人別枠方式は維持されたまま, 衆議院が解散され, 選挙区割りの未了を理由に, 従前の選挙区割りに基づいて本件選挙を施行するものとされたことにより, 投票価値の平等が害されたまま投票を行わざるを得ないという重大な損害を被ることとなったのであり, 憲法違反

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

処分済み

Microsoft Word - 行政法⑨

目 次 国税不服審判所とは... 1 国税不服審判所の役割... 1 国税不服審判所の組織... 1 国税不服審判所の特色... 2 国税に関する不服申立制度... 3 審査請求とは... 3 訴訟の提起... 3 審査請求の手続... 4 国税に関する不服申立制度の概要図... 5 一般的な審理の

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

事案である 3 仲裁合意本件では 申立人の申立書において仲裁合意の内容の記載があり 被申立人は答弁書においてこれを争わなかったので 本件についての書面による仲裁合意が存在する なお 被申立人は審問期日においても本仲裁に応じる旨の答弁をした 4 当事者の主張 (1) 申立人の主張申立人は 請求を基礎づ

様式第 2 号 ( 第 7 条関係 ) 住 所 ( 所在地 ) 氏 名 ( 名 称 ) 様 第 号 平成 年 月 日 広島県知事印 産業廃棄物埋立税特別徴収義務者指定通知書 広島県産業廃棄物埋立税条例第 8 条第 2 項の規定により, あなた ( 貴社 ) を平成 年 月 日から産業廃棄物埋立税特別

11総法不審第120号

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

11総法不審第120号

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

の上記アの期間に係る標準報酬月額を44 万円に訂正する必要がある旨のあっせんをした ( 甲 1の18ないし21 頁, 丙 4) (2) Aの標準報酬月額の決定等ア厚生年金保険法 ( 平成 24 年法律第 62 号による改正前のもの 以下 厚年法 という )100 条の4 第 1 項 3 号及び4 号

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取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

(2) 訴訟費用は 被告らの負担とする 2 被告国 (1) 本案前の答弁ア原告の被告国に対する訴えを却下する イ上記訴えに係る訴訟費用は 原告の負担とする (2) 被告国は 本案について 原告の被告国に対する請求を棄却する旨の裁判を求めるものと解する 3 被告 Y1 市 (1) 本案前の答弁ア原告の

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鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

 

当法 22 条 2 項,3 項により本件滞納社会保険料等の徴収に関する権限を承継した被告に対し, 本件滞納社会保険料等のうち平成 17 年 5 月分以前のもの ( 以下 本件請求対象社会保険料等 という ) についての納付義務は時効等により消滅しているとして, 本件交付要求のうち本件請求対象社会保険

ア更正の請求をした者の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した他の者が法 2 7 条若しくは 2 9 条の規定による申告書 ( これらの申告書に係る期限後申告書及び修正申告書を含む ) を提出し 又は相続税について決定を受けた者である場合において 当該申告又は決定に係る課税価格又は相続税額 (

- 2 - 第一条農林物資の規格化等に関する法律の規定に基づく公聴会等に関する内閣府令(平成二十一年内閣府令第五十四号)の一部を次のように改正する 第十一条の見出し中 都道府県知事 の下に 又は指定都市の長 を加える (健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令の一部改正)第二条健康増

事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は 控訴人に対し 427 万 5200 円及びこれに対する平成 4 年 8 月 7 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 訴訟費用は 第 1 2 審とも 被控訴人の負担とする 4 仮執行宣言第 2 事案の概要等 1

条 1 項に基づき 同額の支払を求めた事案である 1 関係法令等の定め (1) 医療費控除について所得税法 73 条 1 項は 居住者が 各年において 自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において その年中に支払った当該医療費の金額 ( 保険金等により補てんされる

旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

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11総法不審第120号

年金受給額相当額の損害賠償請求をした事案である 2 関係法令の定め等関係法令は, 別紙 1 関係法令の定め のとおりであり( 以下, 法令の名称並びに用語の表記及び略称については, 同別紙の定めに従う ), その概要は, 次のとおりである (1) 離婚時の年金分割制度厚年法は, 離婚等をした場合にお

自治基本条例素案のたたき台大和市自治基本条例をつくる会

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

るものであり 本件不動産の価額の2 分の1に相当する部分は相続財産から除外して相続税を計算すべきであるとして 丁及び戊の死亡に係る相続税の更正の請求をしたところ 処分行政庁から更正をすべき理由がない旨の通知処分 ( 以下 本件各処分 という ) を受けたため 同処分の取消しを求める事案である 2 前

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

3 訴訟費用は原告の負担とする 事実及び理由第 1 請求の趣旨 1 ( 主位的請求 ) 尼崎税務署長が原告に対して平成 20 年 8 月 27 日付けでした乙の平成 17 年分の贈与税に係る連帯納付義務を課す旨の処分を取り消す ( 予備的請求 ) 尼崎税務署長は 原告に対し 乙の平成 17 年分の贈

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

平成11年6月8日

6331C71CF31F F390018DCD

附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

処分に関する規則(案)

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

固定資産評価審査申出とは

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

被告は,A 大学 C 学部英語専攻の学生である (2) 本件投稿等被告は, 大学 2 年生として受講していた平成 26 年 4 月 14 日の 言語学の基礎 の初回講義 ( 以下 本件講義 という ) において, 原告が 阪神タイガースがリーグ優勝した場合は, 恩赦を発令する また日本シリーズを制覇

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税務訴訟資料第 263 号 -249( 順号 12373) 東京地方裁判所平成 年 ( ) 第 号裁決取消請求事件 国側当事者 国 ( 国税不服審判所長 ) 平成 24 年 4 月 24 日棄却 控訴 判原告被告同代表者法務大臣裁決行政庁同指定代理人 決 選定当事者甲 ( 選定者は別紙選定者目録記載のとおり ) 国小川敏夫国税不服審判所長孝橋宏渡邊未来子野村昌也山口克也阿部晃子小板橋賢一甲斐香 主文 1 原告の請求を棄却する 2 訴訟費用は原告の負担とする 事実及び理由第 1 請求国税不服審判所長が平成 22 年 10 月 27 日付けで原告及び選定者乙に対してした裁決を取り消す 第 2 事案の概要本件は 国税不服審判所長 ( 裁決行政庁 ) が平成 22 年 10 月 27 日付けで原告及び選定者乙 ( 以下 選定者乙 といい 原告と併せて 原告ら という ) に対して原告らの審査請求を棄却する裁決 ( 以下 本件裁決 という ) をしたことから 原告が 選定当事者となり 裁決行政庁の所属する国を被告として 本件裁決の取消しを求める事案である 1 前提事実 ( 顕著な事実 争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等選定者乙は 亡丙 ( 以下 丙 という ) の妻であり 原告は 選定者乙と丙の子である 選定者乙と丙の子としては 他に丁 ( 以下 丁 という ) がいる (2) 相続の開始 1

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前のもの 以下同じ )19 条の2 第 1 項及び租税特別措置法 ( 平成 13 年法律第 7 号による改正前のもの )69 条の4 第 1 項に規定する各特例 ( 以下 本件各特例 という ) の適用があるものとして 本件相続に係る相続税の申告をした (4) 相続税の更正及び過少申告加算税の賦課決定武蔵府中税務署長は 平成 14 年 7 月 8 日付けで 原告らに対し 本件相続に係る相続財産の全部の分割が行われていない状態にあるために本件各特例を適用することはできないとして 本件相続に係る相続税の更正及び過少申告加算税の賦課決定をした (5) 相続財産の分割選定者乙は 平成 16 年 5 月 27 日 原告及び丁を相手方として 東京家庭裁判所八王子支部に対し 本件相続に係る遺産分割の調停の申立てをしたが 同事件は 平成 17 年 9 月 15 日 調停をしない措置により終了した 原告らは 同月 29 日 丁を相手方として 東京家庭裁判所に対し 本件相続に係る遺産分割の調停の申立てをし 同事件は 同裁判所八王子支部に回付された 丁は 平成 18 年 4 月 8 日 原告らを相手方として 同支部に対し 本件相続に係る遺産分割の調停の申立てをした これらの事件は 調停不成立となり 審判に移行したところ 同支部は 平成 19 年 4 月 9 日 本件相続に係る遺産分割の審判をした 原告らは 同月 26 日 上記遺産分割の審判に対する即時抗告をしたところ 東京高等裁判所は 平成 2 0 年 3 月 日 原告らの即時抗告を棄却する決定 ( 以下 本件即時抗告棄却決定 という ) をし その決定正本は 同年 4 月 5 日までに抗告審の全ての当事者に送達された 原告らは 本件即時抗告棄却決定に対する抗告許可の申立て及び特別抗告をしたところ 東京高等裁判所は 同年 5 月 日 抗告を許可しない決定及び特別抗告を却下する決定をした 原告らは これらの決定に対する特別抗告をしたところ 最高裁判所第一小法廷は 同年 9 月 日 原告らの特別抗告を棄却する決定 ( 以下 本件特別抗告棄却決定 という ) をした (6) 更正の請求及び更正をすべき理由がない旨の通知原告らは 平成 21 年 1 月 8 日付けで 武蔵府中税務署長に対し 本件相続に係る相続財産の分割が確定したことにより本件各特例の適用があることとなったとして 本件相続に係る相続税の更正の請求 ( 以下 本件各更正の請求 という ) をした しかし 武蔵府中税務署長は 同年 6 月 30 日付けで 原告らに対し それぞれ 本件相続に係る相続税については 本件各特例の適用の前提となる 遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書 が提出されていないとして 更正をすべき理由がない旨の通知 ( 以下 本件各通知処分 という ) をした (7) 異議の申立て及び異議棄却決定原告らは 平成 21 年 8 月 28 日付けで 武蔵府中税務署長に対し 本件各通知処分についての異議の申立てをしたが 武蔵府中税務署長は 同年 11 月 26 日付けで 原告らに対し 本件各通知処分と同様の理由により 原告らの異議の申立てを棄却する決定 ( 武中資第 号 以下 本件異議決定 という ) をした ( 甲 2) (8) 審査請求及び審査請求棄却裁決 2

原告らは 平成 21 年 12 月 25 日付けで 国税不服審判所長に対し 本件各通知処分についての審査請求をしたが 国税不服審判所長は 平成 22 年 10 月 27 日付けで 原告らに対し 本件相続に係る相続財産の分割は本件即時抗告棄却決定の正本が平成 20 年 4 月 5 日までに抗告審の全ての当事者に送達されたことにより確定したものであり 原告らがこれを知った日は同日と認めるのが相当であるから 本件各更正の請求は 本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月が経過した後にされたものであり 相続税法 32 条 1 号の規定に違反する不適法なものであるとして 原告らの審査請求を棄却する本件裁決 ( 東裁 ( 諸 ) 平 22 第 91 号 ) をした なお 原告らは 本件相続に係る相続財産の分割は本件特別抗告棄却決定により確定したものであり 原告らがこれを知った日は本件特別抗告棄却決定がされた平成 20 年 9 月 日と認めるのが相当であるから 本件各更正の請求は 本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月以内にされたものであり 相続税法 32 条 1 号の規定に違反するものではないという趣旨の主張をしていた ( 甲 1) (9) 本件訴えの提起原告は 平成 23 年 4 月 27 日 本件裁決の取消しを求める本件訴えを提起した ( 顕著な事実 ) 2 争点本件の争点は 本件裁決の適否 具体的には 東京国税不服審判所において行われた本件各通知処分についての審査請求に係る審査の手続に違法があるか否かである 3 当事者の主張の要旨 (1) 原告本件裁決に係る裁決書には 本件各更正の請求が相続税法 32 条 1 号に規定する提出期限内にされたものであるか否かに関する武蔵府中税務署長の主張として 原告らにおいて本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日は平成 20 年 4 月 5 日であり 本件各更正の請求は本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月が経過した後にされたものであるという趣旨の記載があるが 本件異議決定に係る決定書には そのような趣旨の記載は存在しない 上記主張は 東京国税不服審判所において本件各通知処分についての審査請求に係る審査の手続を担当していた審判官 ( 以下 本件担当審判官 という ) が平成 22 年 5 月 12 日付けで原告らに送付した 回答書の提出について と題する書面 ( 甲 3) において初めて明らかにされたものである (2) 被告ア取消訴訟においては 自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができない ( 行政事件訴訟法 10 条 1 項 ) ところ 本件においては 原告がどのような自己の法律上の利益に関係のある違法を理由として本件裁決の取消しを求めているのか判然としない イその点をおくとしても 処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には 裁決の取消しの訴えにおいては 処分の違法を理由として取消しを求めることができない ( 行政事件訴訟法 10 条 2 項 ) のであって 裁決の取消しの訴えにおいて主張することができるのは 裁決自体に関する違法 裁決手続に関する違法 裁決の形式に関する違法その他の裁決固有の瑕疵に限られる 原告は 本件裁決に係る裁決書に武蔵府中税務署長の主張として記載されている主張と同趣旨の記 3

載が本件異議決定に係る決定書に存在しない旨主張するが 本件裁決に係る裁決書の中の上記主張は 本件各通知処分についての審査請求に係る審査の手続の過程で本件担当審判官がした釈明に対して武蔵府中税務署長がした回答に基づいて記載されたものであり 本件担当審判官は 原告らに対し 回答書の提出について と題する書面を送付し 意見を述べる機会を与えているのであって 本件裁決には 裁決手続に関する違法その他の裁決固有の瑕疵はない 第 3 当裁判所の判断 1 前記前提事実に加えて 証拠 ( 甲 3 乙 1 2) 及び弁論の全趣旨によれば 次の事実を認めることができる (1) 本件担当審判官は 平成 22 年 5 月 12 日付けで 原告らに対し 回答書の提出 についてと題する書面 ( 甲 3) を送付した この書面には 原告らは本件相続に係る相続財産の分割は本件特別抗告棄却決定により確定したものであると理解して本件各更正の請求を行っているものと認められるが 本件相続に係る相続財産の分割が確定した日は 本件即時抗告棄却決定が選定者乙に告知された平成 20 年 4 月 5 日であり そうすると 本件各更正の請求に係る請求書は提出期限 ( 同日の翌日から4 か月 ) を徒過して提出されたものと認められるとした上で この点についてどのように考えるか回答を求める旨の記載がある (2) 本件担当審判官は 平成 22 年 5 月 31 日付けで 武蔵府中税務署長に対し 求釈明書 ( 乙 1) を送付し 前記 (1) と同じ見解を示した上で この点について釈明を求めたところ 武蔵府中税務署長は 同年 6 月 4 日付けで 本件担当審判官に対し 釈明書 ( 乙 2) を送付し 本件担当審判官の見解 ( 本件各更正の請求がその期限を徒過した後にされたものと認められること ) に異論はなく その点からみても 本件各更正の請求はいずれも不適法なものであるから 本件各通知処分はいずれも適法であるという意見を述べた (3) 本件訴えにおいて原告が問題にする本件裁決に係る裁決書の記載は 国税不服審判所長が武蔵府中税務署長の上記回答を踏まえて記載し 裁決の基礎としたものである 2 国税に関する処分についての審査請求その他の不服申立ての手続は 簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るだけではなく 税務行政の適正な運営を確保することをも目的とするものであり ( 国税通則法 80 条 1 項 行政不服審査法 1 条 1 項 ) 審査請求に係る事件の担当審判官は 審理を行うため必要があるときは 審査請求人の申立てによらなくても 職権で 審査請求人若しくは原処分庁又は関係人その他の参考人に質問し これらの者の帳簿書類その他の物件につきその所有者 所持者又は保管者に対し当該物件の提出を求めるなどすることができるとされている ( 国税通則法 97 条 1 項 ) ことによれば 審査請求の手続において 国税不服審判所長は 原処分庁が処分の基礎 ( 理由 ) とせず かつ 審査請求人又は原処分庁が審査請求書又は答弁書で主張していない事実についても これを裁決の基礎 ( 理由 ) とすることができると解される上 前記 1のとおり 本件担当審判官は 原告らに対し釈明をし 意見を述べる機会を与え 武蔵府中税務署長に対しても釈明をし その回答を得ていることからすると このことを踏まえて 国税不服審判所長が 本件相続に係る相続財産の分割は平成 20 年 4 月 5 日に確定したものであり 本件各更正の請求は本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月が経過した後にされたものであることを本件裁決の基礎 ( 理由 ) としたことは適法であり 本件裁決は適法なものであるということができる 4

原告は 上記の点以外に裁決固有の瑕疵とみるべき主張をしていない ( なお 原告らは 本件各通知処分についての審査請求の手続において 本件相続に係る相続財産の分割は本件特別抗告棄却決定により確定したものであり 原告らがこれを知った日は本件特別抗告棄却決定がされた平成 20 年 9 月 日と認めるのが相当であるから 本件各更正の請求は 本件相続に係る相続財産の分割が行われたことを知った日の翌日から4か月以内にされたものであり 相続税法 32 条 1 号の規定に違反するものではないという趣旨の主張をしているが この主張は本件各通知処分の違法をいうものであるから 本件裁決の取消しを求める本件訴えにおいては この点の違法を理由として取消しを求めることはできない ) 第 4 結論よって 原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし 訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法 7 条 民事訴訟法 61 条を適用して 主文のとおり判決する 東京地方裁判所民事第 2 部裁判長裁判官川神裕裁判官内野俊夫裁判官菅野昌彦 5

選定者目録 ( 別紙 ) 甲乙 6