ブランドと BUZZ の関係性についての考察 ブランド KPI と BUZZ の関係から切り拓くリアルタイムブランドマネージメントの可能性 2012 年 11 月 29 日株式会社カンター ジャパン デジタルタスクフォース関井利光
自己紹介 株式会社カンター ジャパン関井利光 < 略歴 > 2005 年某 IT ベンチャーに新卒入社 2007 年ライブドアショックの余波で倒産 2008 年 KANTAR に入社グローバルなマーケティングリサーチを学ぶ 2012 年デジタル専任となる < 趣味 > 音楽活動 1
研究背景 ブランドマネージメントの変化 ブランド 伝統的メディア TV 雑誌 バナー広告 ブランドサイト 店舗 商品 / サービス 消費者 消費者調査 ブランドトラッキング アドトラッキング コールセンター 2
研究背景 双方向性により メディア環境が複雑化 ブランド エンゲージメント リスニング 伝統的メディア ソーシャルメディア TV 雑誌 バナー広告 ブランドサイト 店舗 商品 / サービス インタラクション 消費者 閲覧 投稿 ブログ Twitter Facebook Youtube 3
研究背景 複雑化の原因であるソーシャルメディアでは何が起こっているのだろうか? 解決策はソーシャルリスニングだ! ビッグデータ時代 既存の調査に比べて 早く 安く 生の消費者の声 が得られる! 4
研究背景 リサーチャーだからこそ気づくメタな課題 BUZZ ボリュームはブランドにとって何? 代表性が怪しいのに定量的価値があるの? クエリ設定はどうするのが妥当? どの媒体の BUZZ を収集するべき? 5
本日の発表内容 そんなメタ課題への考察をご紹介 1 BUZZ ボリュームとブランド KPI の関係性 2 サイト特性と代表性の考察 3 リアルタイムブランドマネージメントの可能性 6
本日の発表内容 メタ課題への考察をご紹介 1 BUZZ ボリュームとブランド KPI の関係性 2 サイト特性と代表性の考察 3 リアルタイムブランドマネージメントの可能性 7
The JMRA Annual Conference 2012 分析方法 既存調査から取得したブランドデータと ブランドのBUZZボリュームの相関を見る クエリ設定に 依存する変数 定数 ブランドの BUZZ ボリューム 既存調査 ブランド データ 8
使用したデータの例 2011 年ブログ上での BUZZ データ 2011 年ブランドピラミッドデータ 2011Audi 61,408 2011BMW 139,118 2011Daihatsu 84,922 2011Dodge 9,413 2011Ford 69,035 2011General Motors (GM) 53,084 2011Honda 291,996 2011Lexus 64,001 2011Mazda 119,368 2011Mercedes 123,791 2011Mitsubishi (Cars) 139,204 2011Nissan 228,327 2011Peugeot 32,495 2011Subaru 93,471 2011Suzuki 141,347 2011Toyota 416,233 2011Volvo 2011VW (Volkswagen) 31,430 62,695 Cars Japan Total Sample n = 400 2011 9
ブランドピラミッドとは グローバルブランドエクイティ調査 BRANDZ このブランドしか選ばない 他のブランドよりも優れている ブランドピラミッド Bonding Advantage シェア オブ ワレット 多い 期待に見合っている ニーズや予算に合致している ブランド体験の認知 Performance Relevance Presence ロイヤリティ 少ない 10
自動車カテゴリでの結果 ブログでの BUZZ 量とブランドピラミッド各レイヤーの相関係数 Base: 2009-2011 年の自動車メーカーのべブランド数 64 社 Source:Kantar BUZZ / BrandZ 自動車 / ブログ相関係数 Bonding Advantage 0.83 0.94 Performance 0.87 Relevance 0.87 Presence 0.86 非助成想起 : 第一想起 0.87 非助成想起 : 想起合計 0.90 11
Advantage と BUZZ の関係 12
マルチカテゴリでの結果 BUZZ 量とブランドピラミッド各レイヤーの相関係数 Base: 年度 ブランド でのべ360ブランド Source:Kantar BUZZ / BrandZ マルチ / ブログマルチ / 掲示板 Bonding Advantage 0.72 0.70 0.80 0.72 Performance 0.53 0.50 POINT! Relevance 0.55 0.53 Presence 0.55 0.53 非助成想起 : 第一想起 0.76 0.80 BUZZ ボリューム 非助成想起 : 想起合計 0.62 0.65 = ブランドのマインドシェア 対象としたカテゴリ : 任意に複数カテゴリを選択 携帯電話 クレジットカード ビール インスタントコーヒー ヘアケア 男性アパレル ファーストフード 13
1 BUZZ ボリュームとブランド KPI の関係性 ブランドにとって BUZZ を見ることは意味がありそう! BUZZ トレンド BUZZ ボリュームブランド KPI POINT! BUZZ ボリュームに意味が見いだせると 日々のトレンドにも意味が見いだせる 14
ボリュームは記事で構成されている BUZZを構成する要素とブランドの 共起 から 子ブランドの寄与競合分析マーケ施策購買プロセス トヨタ86とBRZの試乗会に行ってきた! トヨタ86はTRD 仕様の6MT なかなか面白い車だった! 重視点 訴求点 イメージパーセプション 何 がブランドに どう 貢献しているかがわかる 15
自動車カテゴリ海外での結果 2012 Q3 の BUZZ と 2012 BrandZ での相関係数 Base: 各国それぞれ 20 ブランド以上 Source: Visible Intelligence / BrandZ Bonding Advantage オーストラリア 2012 Q3 ブラジル 2012 Q3 中国 2012 Q3 0.532 0.252 0.845 0.586 0.541 0.687 Performance 0.605 0.539 0.644 Relevance 0.616 0.533 0.630 Presence 0.628 0.533 0.634 非助成想起 : 第一想起 0.709 0.419 0.848 非助成想起 : 想起合計 0.681 0.539 0.635 16
非助成想起トップオブマインド (%) ブラジルの BUZZ と第一想起の関係 Fiat VW POINT! Chevrolet Ford 海外では現地のエキスパートによる サポートが重要 Toyota BUZZ ボリュームのシェア (%) 17
本日の発表内容 メタ課題への考察をご紹介 1 BUZZ ボリュームとブランド KPI の関係性 2 サイト特性と代表性の考察 3 リアルタイムブランドマネージメントの可能性 18
代表性を考える前に ソーシャルメディアは生の声が聴ける場であると共に 生の声で作られたメディアでもある メディア 消費者の声を聴ける場 19
投稿者と閲覧者 BUZZは 少数の投稿者による声のセンサス 閲覧者はネット人口の過半数を占めている 過去 1 年間にブランドや製品 サービスに関する BUZZ を 投稿した 32% 読んだ 65% Base: オンラインユーザー n=1002 Source: Digital Life Japan 2011 20
ソーシャルメディアの利用者属性 Facebook ブログに閲覧者の代表性! オールドヤング Period:2012 年 7 月 13 日 ~8 月 12 日 Base: Compete パネル n=6,541 Source: Compete Japan 21
主なソーシャルメディアのアクセス状況 リーチでも ブログと Facebook は強い mixi POINT! 2ch Twitter BBS Facebook 日本ではクローズド SNS である Facebook と mixi からは BUZZ が十分に取得できない Blog 22
自動車大手 3 社のメディア別 BUZZ 量 スパムが多いブログは 取り除くと BUZZ が少ない Twitter と 2 ちゃんねるのボリュームが大きい Period: 2012 年 3 月 ~4 月 23
媒体別の話題特徴 媒体別購入ファネル別 Buzz ボリューム (%): 自動車大手 3 社合計 Twitter N=241,044 2 ちゃんねる N=177,583 掲示板 N=21,883 ブログ N=9,839 認知関連広告 PR 新製品 ) 購入検討 試乗 購入済み 車検 メンテナンス 24
各サイトの特徴から考える役割 目的に応じてサイトを使い分けたい 分類 媒体 例 A I D M A 注意喚起 関心共有メディア POINT! Twitter 2ちゃんねる RT @autoblogjapan: エアコン付きで街乗りも可能なワンメイクレース参戦用車両 トヨタ 86 Racing 発売! 比較検討メディア 掲示板 トヨタの車でノアとヴォクシーの違い教えて下さい! ロイヤリティメディア ブログ Twitter/2ch はキャンペーン評価 掲示板は競合との強み弱み分析 今日は車を買ったトヨタのお店でハロウィン祭りをやっていたので ジイジとバアバと息子殿と4 人で遊びに行ってきました ブログはブランド体験の詳細分析 25
ニュースの流通経路考察 このような仮説が成り立つ場合 Twitterや2chの重要性は増してくる ニュースやアルファブロガー 意見醸成 キュレーターによるまとめ ソーシャルメディア一般 情報価値判断 26
ちなみに SNS の重複利用状況 BUZZ が取れない Facebook だが 利用者の 1/3 が Twitter も併用 どれもなし (57%) 5% 6% Twitter(17%) 4% 1% 4% Mixi(13%) 4% 18% Facebook(32%) Period:2012 年 7 月 13 日 ~8 月 12 日 Base: Compete パネル n=6,541 Source: Compete Japan 27
The JMRA Annual Conference 2012 SNS重複利用状況別の態度 SNS利用状況別の自動車テクノロジーへの興味(TOPBOX / 5pt Scale) POINT! 自動車カテゴリでは ど ネ れ ッ TwitterとFacebookの併用者は も ト 使 人 わ 口 インフルエンサーかもしれない な 全 体 い 28
会場調査 左手 右手 初代 iphone または iphone3g を購入 Facebook も Twitter も使っている 29
2 サイト特性と代表性の考察 ブログや Facebook 利用者は 閲覧者 として代表性がある 代表性がなくともインフルエンサーとして 発言者 の投稿内容を見ることに意義がある POINT! 媒体のユーザー特性や果たせそうな 役割を踏まえて使い分けることで ブランドにとっての価値がもっと上がる! 30
本日の発表内容 メタ課題への考察をご紹介 1 BUZZ ボリュームとブランド KPI の関係性 2 サイト特性と代表性の考察 3 リアルタイムブランドマネージメントの可能性 31
適用 カテゴリ想起のモニタリング 例えば C 社が医療保険で伸びていきたいのなら 保険各社と保険商品タイプの共起状況 32
適用 イメージモニタリング 狙ったイメージに寄与する施策がわかる 各タレントとイメージキーワードの共起数をマッピング 2012 年 5 月のブログ記事から抽出 33
適用 - 購入行動モニタリング 資料請求 来店 購入 解約など ビジネス KPI が変化した時 その要因をすぐに把握 Why? ビジネスデータ BUZZ データ 資料請求数 解約数 資料請求した 解約した Why? 34
適用 コミュニケーション評価 大物有名人を起用した CM で意外な結果 大物セレブリティを起用したシリーズ CM CM の要素別の共起率 地名風景セレブリティ音楽 大物有名人 登場人物 その他 35
3 リアルタイムブランドマネージメントの可能性 世界中のブランドパフォーマンスをリアルタイムに 1つの画面で管理できるようになる日は近い それを可能にするのは 新しい手法だけではなく 既存調査のデータとリサーチャーの知見では? 36
まとめ 本日お持ち帰りいただきたいポイント 1 BUZZ ボリュームはマインドシェア ブランドにとって BUZZ を見る価値がありそう! 2 投稿者は一部でも 声のセンサス 媒体特性を踏まえれば活用価値がさらに上がる! 3 用途は想起 イメージ 行動 マーコム 既存調査とリサーチャーの知見が発展には必要! 37
ご清聴ありがとうございました 38