マネーマーケットマンスリー 2018年3月

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マネーマーケットマンスリー 2018年12月

マネーマーケットマンスリー

国内短期金利

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

今月の経済金融情勢2018年11月30日号

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

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米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

Outlook201806

今月の経済金融情勢2018年12月25日号

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< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

経済金融・情勢資料  15年7月 

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

今月の経済・金融情勢

株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

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株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

参考資料いちよし証券投資情報部 2019 年 10 月 7 日 極端な悲観相場の修正へ 業績の下方修正リスクも織り込み 日米経済指標に注目 最終ページに お客様にご確認いただきたい重要な注意事項を記載しております 必ずご確認ください

Microsoft Word

株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

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変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

PowerPoint プレゼンテーション

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

Outlook201501

第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

Outlook201609

Outlook201812

退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

米労働市場は直近の回復基調に変化なし ~FRB出口政策への影響は限定的~

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FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

オーバルネクスト ETF 情報 2010 年 2 月 15 日号 ( 株 ) オーバルネクスト 東京都中央区日本橋兜町 13-2 TEL 03(5641)5777

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Fidelity Charts & Graphs PowerPoint Template

株式市場 米国株 高値警戒感の高まりなどから上昇一服も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました トランプ政権で閣僚などの人事において一部で混乱が見られましたが トランプ大統領の発言などにより減税 金融規制緩和などへの期待が高まったことや 発表された米国企

当ページは 各種の信頼できると考えられる情報源から取得した情報に基づき アクサ生命保険株式会社が作成し提供するものです 情報の内容に関しては万全を期しておりますが その正確性 完全性については これを保証するものではありません 日本株式市場 運用環境 [ 2015 年 4 月 ~2016 年 3 月

2013 年 8 月 19 日号

スライド 1

受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

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Invesco Premia Plus Fund

平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

月例経済報告

Outlook201901

Microsoft Word ECB利下げ.doc

わが国の経済・物価情勢と金融政策

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当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

米失業率と非農業部門雇用者数変化 ( 月次 25 年 1 月 ~214 年 11 月 ) 非農業部門雇用者数変化 ( 千人 前月比 左軸 ) 失業率 (% 右軸) /1 6/9 8/5 1/1 11/

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Outlook201805

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

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目 次 1. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) における運用環境について 2. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) のポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 被保険者ポート

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長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

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○ユーロ

低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

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Microsoft Word - 21年度資産運用概況.doc

Outlook201603

経済の見通し 欧州 欧州経済は グローバル経済の堅調さを背景とした外需セクターの回復 労働市場の回復を背景にした堅調な個人消費 従来に比べ拡張的な財政政策による成長押し上げ効果を背景に潜在成長率を上回る成長が続いています 物価については 労働市場や経済の回復を背景にコアインフレ率 賃金上昇率は今後緩

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2012 年 10 月 15 日号

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平成10年7月8日

株式市場 米国株 年末商戦や金利動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米中首脳会談への期待から上昇米国株式市場は上昇しました 前半は中間選挙の結果が市場の事前想定通りとなったことなどから安心感が広がり株価は上昇しました 中旬では一部のハイテク企業が需要見通しを引き下げたこと

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けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

平成23年11月1日

2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

Microsoft PowerPoint - 0.表紙.ppt

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チーフエコノミスト : 高田創 [ 経済予測チーム ] 山本康雄 ( 全体総括 ) 米国経済小野亮 山崎亮

週間マーケット情報 (2016 年 12 月 23 日 ~2016 年 12 月 30 日 ) ご参考資料 2017 年 1 月 4 日 野村アセットマネジメント 市場の動向 日本の株式市場 日本の株式市場の代表的な指数である東証株価指数 (TOPIX) は 12 月 23 日比で 1.63% 下落

【16】ゼロからわかる「世界経済の動き」_1704.indd

マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

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資料1


Transcription:

Money Market Monthly マネーマーケットマンスリー 218 3 No.312 国内経済 金利 先行き懸念 上昇も限定的 短期金利 株式 下値を固める展開 J-REIT 外国為替 円高ドル安が継続 米国金利日米主要経済指標 金利 株価 為替相場動向 ----------------------------------------- VIX 指数 VIX 指数とは ボラティリティ インデックス (Volatility Index) の略称で アメリカの主要株価指数 S&P を対象とするオプション取引の値動きを元に算出 公表されています VIX 指数は投資家の不安心理を数値化したものとして有名です そのため 株式相場が下落して投資家の警戒感が高まると数値が上がり 一方 上昇相場では数値が横ばいまたは下落する傾向にあります また 28 年に起きたリーマンショックのように 投資家の不安心理が高まる場面では VIX 指数が急上昇することから 別名 恐怖指数 とも言われています 最近の動きとしては 2 月初旬に米国株の大幅下落をきっかけに 株価下落の流れが世界的に広がりました その際 VIX 指数は約 2 年半ぶりの水準まで急上昇しました 2 月後半に入りやや落ち着きを取り戻しているものの 投資家の心理状態を表す一つとして 注目すべき指標であります ( 森久保 ) マネーマーケットマンスリーは経済 金利 為替 株価についての情報提供を目的として作成したもので 取引等の勧誘を目的としたものではありません また 金融商品取引契約の締結の勧誘に使用するものではありません 投資に関する最終決定は お客さまご自身の判断で行うようお願い申しあげます (218.2.23 作成 ) 資金証券部 TEL:42-26-774 4

国内経済 217 年 1-12 月期 GDP 速報 217 年 1-12 月期の実質 GDP 成長率は前期比年率 +.% となった 8 四半期連続のプラス成長を 記録し 国内経済は緩やかに回復していることが示された 好調な年末商戦の影響を受け 民間消費支出が持ち直 したことや 堅調な推移が続く民間企業設備投資が内需主導の成長を支える形となった 一方で 実質 GDP 成長 率の伸び率は前期 ( 同 +2.2%) から大きく減速した 要因として 相続税対策等の押し上げ効果が一服した民 間住宅の減少や 輸入増加による外需寄与度の落ち込みなどが挙げられよう 特に外需は足元の円高進行がリスク 材料となるため 今後の動向を注視する必要がある 実質 GDP 1-3 月期 4-6 月期 7-9 月期 1-12 月期 前期比 %.3.6.6.1 前期比年率 % 1.2 2. 2.2. 内需 前期比寄与度 %.2.9..1 外需 内需寄与度 外需寄与度 民間需要前期比寄与度 %.2.6.1.2 公的需要 217 年 民間最終消費支出前期比 %.3.9.6. 民間住宅前期比 % 1.2.9 1. 2.7 民間企業設備前期比 %.1 1.2 1..7 民間在庫品増加前期比寄与度 %..1.4.1 前期比寄与度 %..3.1.1 前期比寄与度 %.1.3.. 前期比寄与度 %.2.9..1 前期比寄与度 %.1.3.. ( 出所 : 内閣府 ) 12 月機械受注 民間設備投資の先行指標とされる機械受注 ( 船舶 電力を除く民需 ) は前月比 11.9% と 大幅に減少した 製造業が 13.3% 非製造業が 7.3% と ともに大きく減少した 前月大幅に増加した業種の反動減が中心となり 特に 単位 :% 2. 1. 1.. 機械受注民需 ( 除く船舶 電力 ) 単位 : 億円 9, 9, 8, 8, 非鉄金属や卸売業 小売業の大幅減の影響が大き. 7, く表れた ただし 内閣府が示した 受注企業か. 7, らの回答に基づく 218 年 1-3 月期見通しは 1. 6, 前期比 +.6% としており 今回の大幅下振れ 1. 6, の影響は限定的と捉えているようだ 出所 : 内閣府 受注額 ( 右軸 ) 対前月比 %( 左軸 ) GDP 速報では8 四半期連続でプラス成長となり 緩やかながらも国内景気は回復していることが示された 世界経済の高成長により 日本経済の拡大継続を見込む意見も多い ただし 設備投資の先行指標として位置づけられる機械受注に力強さが欠ける点を踏まえると 景気拡大の牽引役としては当面期待できないだろう 2 月は株価急落や為替の円高進行など 市場環境が大きく変化しており 足元では先行き不透明感が生じている状況である 今後発表される経済指標などで これらが経済活動へ与える影響を見極めたい ( 菊地 ) 1

216 年 2 月 216 年 3 月 216 年 4 月 216 年 月 216 年 6 月 216 年 7 月 216 年 8 月 216 年 9 月 216 年 1 月 216 年 11 月 216 年 12 月 217 年 1 月 217 年 2 月 217 年 3 月 217 年 4 月 217 年 月 217 年 6 月 217 年 7 月 217 年 8 月 217 年 9 月 217 年 1 月 217 年 11 月 217 年 12 月 218 年 1 月 218 年 2 月 216 年 2 月 216 年 3 月 216 年 4 月 216 年 月 216 年 6 月 216 年 7 月 216 年 8 月 216 年 9 月 216 年 1 月 216 年 11 月 216 年 12 月 217 年 1 月 217 年 2 月 217 年 3 月 217 年 4 月 217 年 月 217 年 6 月 217 年 7 月 217 年 8 月 217 年 9 月 217 年 1 月 217 年 11 月 217 年 12 月 218 年 1 月 218 年 2 月 国内金利 2 月の動き 1 年国債利回り変動レンジ.%~.9% 2 月の国内金利は前月より低下した 月初は海外金利の上昇等の影響から国内金利にも上昇圧力がかかったものの日銀が国債買入オペの買入額を増額したことや指値オペ ( 長期国債を.11% で買入するオペ ) を通知したことなどにより 中旬から月末にかけて低下圧力がかかり低下した 23 日の1 年国債利回りは.4% と1 月末の.8% から.3% 低下した 3 月の見通し 予想レンジ 1 年国債利回り.2%~.1% 3 月の国内長期金利は.1% を上限とした狭いレンジ内での推移が継続するだろう 海外市場を見ると雇用や物価に関する指標が良好な結果となっていることなどで 米国長期金利が上昇している また欧州においても ECB が金融緩和の縮小に動いており 欧州金利に上昇圧力がかかりやすい環境にある このような外部環境から 国内金利にも上昇圧力がかかる可能性があるだろう ただ 政府は 4 月に任期満了となる日銀の黒田総裁を再任する人事案を示しており 黒田総裁が続投となれば 現行の金融政策から大きく変わることは無く %.2.1. -.1 -.2 -.3 -.4 新発 1 年国債利回り 現状の金融政策が継続していくと考えられる そのため 引き続き長期金利は日銀の長短金利操作 ( イールドカーブ コントロール ) の影響を強く受けると思われる したがって 3 月においても国内長期金利は外部要因などから上昇圧力を受けても その上昇幅は限られ 現状のレンジである% 付近 ~.1% 付近でのレンジ内での推移が継続するであろう 短期金利 2 月の短期国債市場において 国庫短期証券 (TDB)3 カ月物は 日銀が指値オペを行ったことで日銀の緩和政策が続くことが意識されたことなどで.2% 付近まで小幅に低下した 3 月の日銀金融政策決定会合においても金融政策大きな変更は無いと思われ 短期金利についても現状の水準から大きく外れて推移しにくく.1% 台 ~.2% 台での推移となるだろう ( 山口 ) -.1 -.2 -.3 -.4 -. -.6 国庫短期証券 (3 か月 ) 2

株式市場 2 月の動き 2 月の株式相場は下落した 月の前半は 米国株の急落を受けて 日本株は大幅に下落して始まった その後も 為替市場で円高ドル安が進行したことが嫌気され 日経平均株価は一時 21, 円台を割り込むなど荒れた展開となった 月の後半は 円高ドル安が一服する中 やや持ち直して推移した 23 日の日経平均株価は21,892 円と 1 月末から1,26 円の下落となった 3 月の見通し 3 月の株式相場は下値を固める展開を予想する 米国株の急落に伴うリスク回避的な動きは 一時に比べて落ち着いてきた しかし 依然として不安定な値動きが続いており 当面は戻りが鈍い展開になると思われる また 為替市場では円高ドル安基調で推移しているため 輸出関連企業の業績悪化懸念が 日本株の上値を抑える要因になるだろう 一方 日経平均株価はこの一カ月で大幅に下落したことにより 株価のバリュエ -ションを示す PER( 株価収益率 ) は約 13 倍と 企業業績に対して割安感は強まったと思われる PERは低いほど割安感が強くなるが 212 年末から始まった アベノミクス相場 のレンジ (14~16 倍 ) を下回っているため 割安感に注目した買いも入りやすいと思われる また 3 月の配当権利取りを狙った買いや企業の自社株買い 日銀のETF 買い入れ等が下支えとなり 下値を固めていくだろう 予想レンジ日経平均株価 2,7 円 ~ 23, 円 J-REIT 2 月の動き 不動産投資信託 (J-REIT) で代表的な指標の東証 REIT 指数は下落した 月の前半は 米国金利の上昇及び株式市場の急落などを受けて リスク回避的な売りが広がり 大幅に下落した 月の後半は 国内金利が低下する中 持ち直し 下げ幅を縮める展開となった 3 月の見通し 3 月の東証 REIT 指数は戻りを試す展開を予想する 米国金利が上昇する一方 国内金利は日銀の金融緩和政策により低位に推移することが見込まれる そのため 堅調な東京都内のオフィス市況や相対的に高い配当利回りなどを背景に 買いが入りやすいと思われる ただ 米国金利が一段と上昇する場合などには 再び調整することも想定されるため 注意したい ( 清野 ) 3

外国為替 2 月の動き 2 月のドル円相場は円高ドル安へ推移した 米国株下落に伴うリスク回避的な動きから 円高ドル安方向へ推移した また 直近 1 年間のレンジ下限を下抜けたことで 投機的な動き等から円高ドル安の流れが加速し 一時 1 円 銭台で推移する場面が見られた その後は 株価がやや持ち直しの動きを見せたことで ドル円相場も反発を見せた 23 日現在のドル円相場は16 円 89 銭 ユーロ円相場は131 円 41 銭となった 外国為替市場 : ドル円相場 2/1 円高値 (2/16) 円安値 (2/2) 2/23 19 円 19 銭 1 円 銭 11 円 48 銭 16 円 89 銭 3 月の見通し 3 月のドル円相場は 円高ドル安への推移を想定する 米国では 今後も年複数回の利上げが見込まれている 一方 日本では黒田日銀総裁の再任案が浮上しており 再任となれば現状の政策が当面の間継続すると考えられる そのため 金融政策の方向性の違いから 日米金利差拡大が意識され円安ドル高に進む場面も想定される ただ 足元ではドル円相場と日米金利差との相関が薄れており 金利差拡大に着目した円安ドル高の動きは限定的になると考える また 直近 1 年間のもみ合いのレンジを下抜けたことで 投機的な動き等から円高ドル安方向に推移しやすいものと思われる さらに 米国の利上げ回数は市場予想の範囲内に収まるとの見方もあり 想定以上に政策や利上げ回数の見通しに変更がなければ 2 月同様に円高ドル安の流れが継続するだろう 予想レンジドル円相場 13. 円 ~19. 円ユーロ円相場 127. 円 ~13. 円 米国金利 2 月の動き 2 月の米国長期金利は上昇した 1 月に上昇した流れを引き継ぎ上昇基調で推移した また 1 月のFOMC( 公開市場委員会 ) 議事要旨の内容が当面の利上げ継続を示唆する内容だったことも 金利の上昇をサポートした 3 月の見通し 3 月の米国長期金利は小幅に上昇する相場を想定する 3 月 21 日に予定されているFOMCにおいて 再度の利上げが予想されているため 利上げへの警戒感から上昇基調での推移が継続するだろう ただ 3 月に利上げが行われた場合でも市場予想の範囲内であると思われることや 3% を超える水準は投資家の投資の目線として意識されやすいと思われ 金利の上昇幅については小幅に留まるだろう ( 伊澤 ) 予想レンジ 1 年国債利回り 2.%~3.1% 4

日米主要経済指標 (1) 国内経済指標 218 年 2 月 23 日現在 1 実質 GDP ( 前期比 年率 ) 出所 : 内閣府 2 日銀短観 大企業業況判断 DI 出所 : 日本銀行 1 1 - -1-1 -2 4 2-2 -4-6 -8 製造業 非製造業 3 鉱工業生産指数 ( 前年比 ) 出所 : 経済産業省 4 機械受注統計 ( 前年比 ) 出所 : 内閣府 4 2-2 -4 3 1-1 -3 - 家計調査 2 人世帯支出 ( 前年比 ) 出所 : 総務省 6 完全失業率 出所 : 総務省 1 - -1-1. 4. 3. 2. (2) 米国経済指標 1 実質 GDP ( 前期比 年率 ) 出所 : 米商務省 2ISM 景況感指数 出所 : 全米供給管理協会 1 7 6 - -1 4 3 製造業 非製造業 3 非農業部門雇用者数 ( 前月比増減 ) 出所 : 米労働省 4 新築住宅販売 ( 前年比 ) 出所 : 米商務省 ( 千人 ) 1 - -1 3 1-1 -3 -

金利 株価 為替相場動向 218 年 2 月 23 日現在 1 日経平均株価 2 22 19 16 13 1 7 21 年国債利回り 2. 1.7 1.4 1.1.8..2 -.1 -.4 (C) 日本経済新聞社 3NYダウ平均株価 28 2 22 19 16 13 1 7 4 米国 1 年国債利回り 6 4 3 2 1 為替ドル円相場 14 13 12 11 1 9 8 7 6 為替ユーロ円相場 17 16 1 14 13 12 11 1 9 7 為替豪ドル円相場 8NY WTI 原油先物 (1 バレル ) 11 1 9 8 7 6 ( ドル ) 1 13 11 9 7 3 1 6