type の採用ノウハウシリーズ 外部と内部の環境分析がキモ! 採用成功するための採用ターゲットを決める4つのプロセス ~ 敵を知り 己を知れば百戦危うからず ~ 株式会社キャリアデザインセンター @type 企業様向けページ 担当 1
フレームワークを活用して採用ターゲットを見極める 採用活動は自社だけが行なってるわけではありません たくさんの採用競合が存在しています そう まるでビジネスのように ビジネス上は競合を意識するのに採用上は 競合を意識しないなんてことはありませんよね!? 数々のフレームワークを活用して 外部環境と内部環境を 分析し 採用ターゲットを焙り出していきましょう 敵を知り 己を知れば百戦危うからずです 2
環境分析から採用ターゲットを見極めるプロセス 適切な採用ターゲットを見極めるために 次の 4 つのプロセスで整理していきましょう 1 PEST 分析 ( マクロ環境を知る ) 2 4F 分析 ( 採用マーケットの状況と採用難易度を知る ) 3 3C 分析 ( 転職者 採用競合 自社を知る ) 4 採用ターゲットを決める ( 自社の強みを活かせる相手を知る ) 3
1 PEST 分析 PEST 分析は マクロな外部環境分析のフレームワークです PEST は マクロな変動要因である 政治 経済 社会 技術の頭文字を 取った造語です 政治 (Politics) 社会 (Society)) 経済 (Economics) 技術 (Technology) PEST 分析を使う目的は 採用マーケットにおける企業の 外部環境を分析するためです 注意点 マクロな要因を詳細に分析する マクロな要因が自社にどのように影響してくるのか把握する 4
PEST 分析 フレームワーク 政治 (Politic) 経済 (Economics) 技術 (Technology) 社会 (society) それぞれの特徴的な状況を列挙し マクロ環境の動きを把握することで 自社にどのような影響があるか考察します 5
例 )PEST 分析 フレームワーク活用方法 政治 (Politic) 経済 (Economics) 東京オリンピック開催による投資増 マイナンバー制導入 様々な WEB ビジネスの台頭 大規模システム改修 技術 (Technology) スマートフォンの普及とそれに伴う技術革新 社会 (society) エンジニア教育への関心 日々発展するテクノロジー 考察 ( 企業側 ) 新たなデバイスが誕生することにより 様々なテクノロジーが開発 発達することで エンジニアの質 量ともにニーズが高まっているまた マイナンバー導入や レガシーシステムの改修タイミングも重なっている ( 転職者側 ) エンジニアを志す人自体はあまり増えていない 6
2 4F 分析 ( 4 つの力 分析 ) 4F 分析とは 経営戦略を考える際のフレームワークである 5F 分析を応用したものです 5 つの力 分析は業界に影響する 5 つの力から その業界どの程度儲かるか判断するためのフレームワークです 5つの力とは次のものを表します 新規参入の脅威 代替品の脅威 買い手の交渉力 売り手の交渉力 業界競合他社 ここでは 現在の採用マーケットにおける採用難易度が どの程度高いかどうか判断するためにこのフレームワークを改造して 使います 4Fとは次のものを表します 採用コスト 応募者集めの難易度 同業界の採用競合 異業界の採用競合 7
4F 分析フレームワーク 異業界の採用競合 自社とは異なる業界 職種で同じ採用ターゲットを採用している企業 採用コスト 人材紹介 : 高い 媒体 : 費用が掛け捨てになるかも ハローワーク : 無料 社員紹介 : 無料 SNS: 有料 or 無料 同業界内の採用競合 ビジネス上の競合でもあり 同じ採用ターゲットを狙う競合でもある企業 ビジネス同様 市場シェアが高い企業の方が採用力があり強い 応募者集めの難易度 当該職種の就業人口の量 転職希望者の人 景気動向 4 つのプレイヤーの力の大小を見極めて 採用活動がやりやすいのか やり辛いのか 採用マーケットの状況を把握します 8
例 ) 4F 分析フレームワーク活用方法 採用コスト 人材紹介 : 採用したときに高い 媒体 : 採用できないと費用が掛け捨てになる ハローワーク : 優秀な人が少ない 社員紹介 : 数が集まらない SNS: 使い方が難しいお金をかけないと機能しない 大 異業界の採用競合 経験不問であらゆる業界の出身者を採用する企業が増えている 業務系 WEB 系 コンサル業界などエンジニア採用が活発 あらゆる業界の事業会社がエンジニア採用に積極的になっている 同業界内の採用競合 コンサル A 社が 200 名の若手採用を実施 大手 SIB 社が 150 名の採用を実施 その他 中小の同業界の多くの企業が複数名の採用を実施 大 あらゆる業界でエンジニアの採用ニーズが高い エンジニアの数は増えていない 大 新卒 二卒など若手未経験者採用も活況になっている 母集団形成の難易度 即戦力のエンジニアが世の中に少ない 即戦力のエンジニアは在籍している会社で活躍しており転職意欲が乏しい 景気回復による売り手市場 大 エンジニアの採用は難易度がものすごく高い 9
3 3C 分析 ( 転職者 競合 自社 ) 3C 分析では事業全体像を以下の 3 つの点から分析していきます 顧客 ( 転職者 ) Customer 採用競合 Competitor 自社 Company 3C 分析は 顧客と競合の分析から導かれる採用活動での KSF( 成功要因 ) に対し 自社の分析から 現状と KSF とのギャップを見つけて アクションを導き出すためのフレームワークです 3C 分析では単に状況を整理するたけではなく転職者のニーズや採用競合へ入社するメリットを深く分析し自社の強みを活かして戦えるポイントを探しどのように採用活動に繋げるか考えるために分析することが大切です 10
3-1) 顧客 ( 転職者 ) 分析 転職者をセグメンテーションする ハードデータ ( スキル / 経験と年齢 ) と人口分布のセグメント スキル / 経験 即戦力 経験者 未経験 ~28 歳 29~35 歳 36 歳 ~ 年齢 一般的に年齢が上がれば上がるほど 経験やスキルが身についてきます また 年齢が高い人の方が人口比率としては多くなります したがって上記のようなマトリクスとなります この中から どのセグメントを狙っていくのかを決める必要があります 11
3-1) 顧客 ( 転職者 ) 分析 ソフトデータ ( 転職理由 ) の考察転職者の転職理由は全て下記 2つの説によって分類することができます マズローの欲求 5 段階説人の基本的欲求は下記の5 段階に分かれている 1 生理的欲求(Physiological needs) 2 安全の欲求(Safety needs) 3 所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging) 4 承認( 尊重 ) の欲求 (Esteem) 5 自己実現の欲求(Self-actualization) エドガーシャインのキャリアアンカー論人が自身のキャリアを考える際には下記の8つに分類できる 1 出世 管理 2 専門性をつきつめる 3 自由な環境で働く 4 安定した会社で働く 5 起業 独立 6 社会貢献 7 新たな挑戦 8 ワークライフバランスの実現 12
3-1) 顧客 ( 転職者 ) 分析 ソフトデータ ( 転職理由 ) と人口分布のセグメント マズローの欲求 自己実現の欲求 起業 挑戦 社会貢献 キャリアアンカーによる分類 承認 ( 尊重 ) の欲求 出世したい 専門性 所属と愛の欲求 安定した企業で働きたい ワークライフバランス 自由な環境で働きたい 安全の欲求 とにかく職種 会社問わずどこでもいいから働きたい 生理的欲求 転職理由に関連性なし 人数 エンジニアの転職理由の人口分布は図のようになります 先ほどのハードデータのセグメントごとに このソフトデータでのセグメントが 内包されているイメージです 13
3-2) 採用競合 自社分析 1 2 3 4 5 6 7 8 出世 管理 専門性をつきつめる 自由な環境で働く 安定した会社で働く 起業 独立 社会貢献 不可能への挑戦 ワークライフバランスの実現 自社 売上規模順に並べる A 社 B 社 C 社 D 社 E 社 F 社 同業界の採用競合 異業界の採用競合 1キャリアアンカーに合わせて 自社でアピールできるポイントを記載していきましょう 2 採用競合はどのポイントをどのようにアピールしているか記載しましょう 採用競合の情報は人材サービス会社に聞くのが一番簡単な方法です 14
例 ) 採用競合 自社分析 活用方法 1 2 3 4 5 6 7 8 出世 管理 専門性をつきつめる 自由な環境で働く 安定した会社で働く 起業 独立社会貢献新たな挑戦 ワークライフバランスの実現 自己研鑽のため 今まで体験した 自社 結果主義 女性管理職多数 専門職で出世 する制度 フレックス制 創業 10 年 東証 2 部上場 ことないことを経験しに海外へ 産休 育休 研修しにいく制 度 同業界の採用競合 売上規模 A 社年功序列ジョブローテ制定時勤務 / 残業なし B 社年功序列ジョブローテ制定時勤務 / 残業なし 創業 50 年 東証 1 部上場企業 創業 15 年 東証 1 部上場企業 社内ベンチャー 制度 独立起業した OB がいる シェア 1 位で ユーザーが多 い 海外留学制度 産休 育休 男性も育休実績あり 時短勤務制度 女性へのキャリア支援 産休 育休 男性も育休実績あり 時短勤務制度 順に並べる C 社 結果主義 フレックス制服装自由 D 社結果主義ジョブローテ制フレックス制服装自由 新興ベンチャーマザーズ上場 異業界の採用競合 創業 15 年東証 1 部上場企業 革新的技術で新商品 産休 育休 産休 育休男性も育休実績あり E 社 20 代管理職 多数 希望を考慮した 異動制度 11 時出社 服装 髪型自由 新興ベンチャー マザーズ上場 15
3-3) 採用競合のターゲットを見極める A 社の採用ターゲットを見極める ターゲティング 1( ハードデータ ) スキル / 経験 即戦力 経験者 未経験 採用競合の採用ター ~28 歳 29~35 歳 ターゲティング 2( ソフトデータ ) 36 歳 ~ 年齢 ゲットは人材サービス会社に聞くのが一番簡 自己実現の欲求 承認 ( 尊重 ) の欲求 起 業 挑 戦 出世したい 社会 貢献 専門性 単な方法です 所属と愛の欲求 安定した企業で働きたい ワークライフバランス 自由な環境で働きたい 安全の欲求 とにかく職種 会社問わずどこでもいいから働きたい 生理的欲求 転職理由に関連性なし 人数 16
3-3) 採用競合のターゲットを見極める 競合各社の採用ターゲットを整理する 採用競合ターゲット整理表 ハードソフトアピール 1 アピール 2 アピール 3 ターゲティングの特徴 同業界の採用競合 A 社 ~35 歳までの経験者 安定志向 自由な環境 ワークライフバランス 創業 50 年東証 1 部上場企業 定時勤務 / 残業なし 産休 育休男性も育休実績あり時短勤務制度女性へのキャリア支援 B 社 ~35 歳までの経験者 ~39 歳までの即戦力 安定志向 自由な環境 ワークライフバランス 創業 15 年東証 1 部上場企業 定時勤務 / 残業なし 産休 育休男性も育休実績あり時短勤務制度 ハード面のターゲットを大手より増やす C 社 ~28 歳までの未経験者 ~39 歳までの即戦力 安定志向 自由な環境 ワークライフバランス 新興ベンチャーマザーズ上場 フレックス制服装自由 産休 育休 ハード面ターゲットを大手と変える 異業界の採用競合 D 社 ~35 歳までの経験者 安定志向 自由な環境 ワークライフバランス 創業 15 年 東証 1 部上場企業 フレックス制 服装自由 産休 育休 男性も育休実績あり 時短勤務制度 E 社 ~28 歳までの経験者 ~39 歳までの即戦力 出世 専門性 自由な環境 20 代管理職多数 希望を考慮した 異動制度 11 時出社 服装 髪型自由 ハード面 ソフト面 のターゲットを変える これで採用競合のターゲットとアピールポイントがわかりましたね 17
4 採用ターゲットを決める 1 ポジショニングマップを活用しターゲット ( ハード面 ) を決める スキル / 経験 採用競合が多い 年齢 採用競合が少ない ホワイトスペース 競合に勝負を挑むか ホワイトスペースを狙うか 18
4 採用ターゲットを決める 2 自社の強みが活かせるターゲット ( ソフト面 ) を決める 自社 1 2 3 4 5 6 7 8 専門性を自由な環境で安定したワークライフ出世 管理起業 独立社会貢献新たな挑戦つきつめる働く会社で働くバランスの実現 自己研鑽のため今まで体験した結果主義専門職で出世創業 10 年ことないことをフレックス制産休 育休女性管理職多数する制度東証 2 部上場経験しに海外へ研修しにいく制度 キャリアアンカー毎の人数分布に注意するキャリアアンカーにより 転職者の人数が大きく異なる (P13 参照 ) 特に採用競合の多いターゲット ( ハード面 ) を選んだ場合ソフト面での差別化が重要になる 19
4 採用ターゲットを決める 3 ホワイトスペースを狙うか 採用競合が少ないターゲットを狙うか意思決定する PEST で調べたマクロ環境によって採用マーケットの状況や採用競合のプレイヤーが異なってきます ここまで実施してきた PEST 4F 3C 分析を活かしてハード ソフトでどのセグメントをターゲットにするか意思決定しましょう 大切なことは意思決定が間違っていても また修正すればいいと考えることです PDCA サイクルを回しながら 採用活動の進捗に応じて採用ターゲットを見極めていきましょう 20
最後に 以上のように PEST 4F 3C 分析を経て 外部環境と内部環境を分析すれば 自ずと自社で狙うべき採用ターゲットが見えてきます 適切なターゲット設定が出来れば 採用活動は 8 割成功したも同然です 円滑な採用活動のために しっかりと外部 内部環境分析を行ないましょう 21