対馬海峡から山陰沖における物質輸送過程に関する観測研究 水産大学校海洋生産管理学科滝川哲太郎 愛媛大学沿岸環境科学研究センター森本昭彦 研究目的中国大陸の経済発展や地球規模の温暖化現象が, 東シナ海の海洋環境に影響を与えていると考えられる. この東シナ海の水塊は, 対馬暖流によって対馬海峡を通過し,

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研究発表プログラム 2016 年 12 月 9 日 ( 金 )09:30~16:30 鹿児島大学附属図書館水産学部分館セミナー室 09:30 開会の挨拶 : 日本海洋学会西南支部長山城徹 ( 鹿児島大 ) 09:35 趣旨説明 : 滝川哲太郎 ( 長崎大院水産 環境 ) 座長 : 滝川哲太郎 基調講

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率 九州 ( 工 -エネルギー科学) 新潟 ( 工 - 力学 ) 神戸 ( 海事科学 ) 60.0 ( 工 - 化学材料 ) 岡山 ( 工 - 機械システム系 ) 北海道 ( 総合理系 - 化学重点 ) 57.5 名古屋工業 ( 工 - 電気 機械工 ) 首都大学東京

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ため,MOVE の再現性を現場観測データと比較検証し, その特性を把握することを目的とする. このためトカラ海峡での黒潮の変動と九州西岸海域での暖水波及について,MOVE に同化されていない独立な観測データを用いて比較検証した. 2. トカラ海峡の黒潮変動トカラ海峡は, 黒潮が東シナ海から太平洋へ抜

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f ( 0 ) y スヴェルドラップの関係式は, 回転する球面上に存在する海の上に大規模な風系が存在するときに海流が駆動されることを極めて簡明に表現する, 風成循環理論の最初の出発点である 風成循環の理論は, スヴェルドラップの関係式に様々な項を加えることで発展してきたと言ってもよい スヴェルドラッ


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ンゴ類及びその他底生生物 ) の生息状況を観察した ジグザグに設置したトランセクト ( 交差することのないよう, かつ, 隣り合う調査線の視野末端が重複するように配置された調査線 ) に沿って ROV を航走させ トランセクト上に宝石サンゴがあった場合は 位置 種 サイズ等を記録した 同時に海底の操

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3-3 現地調査 ( カレイ類稚魚生息状況調査 ) 既存文献とヒアリング調査の結果 漁獲の対象となる成魚期の生息環境 移動 回遊形態 食性などの生活史に関する知見については多くの情報を得ることができた しかしながら 東京湾では卵期 浮遊期 極沿岸生活期ならびに沿岸生活期の知見が不足しており これらの

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塩分 大岡分水路 表層 底層 図 1-2 塩分の水平分布 ( 左図 : 表層 右図 : 底層 ) 調査の結果 表層の塩分は 東京湾西岸で低く 東岸に向かうにしたがって高くなる傾向が確認されました 特に 隅田川や荒川 鶴見川, 大岡分水路の河口付近では 塩分が低くなっており これは調査日の3 日前に降

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様式 3 愛媛大学沿岸環境科学研究センター共同利用 共同研究拠点 化学汚染 沿岸環境研究拠点 共同研究報告書 化学汚染 沿岸環境研究拠点拠点長殿 平成 29 年 2 月 28 日 申請者 ( 研究代表者 ) 所属機関長崎大学大学院水産 環境科学総合研究科 職 氏名 e-mail _ 准教授 滝川 _ 哲太郎 tetu@nagasaki-u.ac.jp 下記の共同研究について 別紙の通り報告します 1 研究課題 対馬海峡から山陰沖における物質輸送過程に関する観測研究 2 研究組織 氏名所属職分担研究課題 代表者滝川哲太郎 長崎大学大学院水産 環境科学総合研究科 准教授 海洋観測とそのデータ解析 拠点対応教員森本昭彦 愛媛大学沿岸環境科学 研究センター 教授 海洋観測と栄養塩分析 3 研究内容 ( 別紙 )

対馬海峡から山陰沖における物質輸送過程に関する観測研究 水産大学校海洋生産管理学科滝川哲太郎 愛媛大学沿岸環境科学研究センター森本昭彦 研究目的中国大陸の経済発展や地球規模の温暖化現象が, 東シナ海の海洋環境に影響を与えていると考えられる. この東シナ海の水塊は, 対馬暖流によって対馬海峡を通過し, そして日本海へ流入する. これまで,2005 年から対馬海峡を通過する栄養塩類等の物質輸送量を観測から明らかにし (e.g. 森本ら, 2013, 海と空 ), 日本海南西海域における栄養塩分布を示してきた (Takikawa et al., 2016, JO). しかし, 日本海へ流入した後の山陰沖での対馬暖流の平均的な流路については, 未解明な部分を残している (Ito et al., 2014, PIO). このため, 対馬海峡を通過した物質が, どのように分布するか議論するのは難しい現状である. 本研究では, 対馬海峡から日本海南西海域において, 船舶による物理 - 化学過程に関する継続的な海洋観測と栄養塩分析を行い, 栄養塩輸送量の経年変動を明らかにするとともに, 日本海南西海域における栄養塩分布とその変動について研究を進めるためのデータを蓄積する. 船舶観測対馬海峡から日本海南西海域の対馬暖流域を中心に, 水産大学校練習船を用いた CTD 採水等の海洋観測を実施した. 観測期間, 使用船舶, 観測項目を表 1 に示し, 対馬海峡から日本海南西海域にかけての観測点を図 1 に示す. 観測海域は, 観測目的から大きく2つに分類される. 一つは, 日本海に流入する対馬暖流を観測するための対馬海峡横断測線 (CL 測線 ) であり, もう一つは, 対馬海峡を通過したあとの分布を捉えるための日本海南西海域である ( 山口県水産研究センターの定点と同じ観測点 ). CL 測線は, 博多 - 釜山間を結ぶフェリー ニューかめりあ の航路である. このフェリーの船底には acoustic Doppler current profiler (ADCP) が付いており, 対馬暖流のモニタリングが行われている. この ADCP モニタリングによって, このフェリー航路上では,1 日 1 回または 2 回といった往復流である潮流成分が既知である

(Takikawa et al., 2003, JO). そのため, 本研究で得られた 1 回の観測結果から, 潮流成分を除去し, 東シナ海から日本海に流入する平均的な対馬暖流の流量や物質輸送量を見積もることができる. 日本海南西海域では, 愛媛大学沿岸環境科学研究センターの遠距離海洋レーダによる表層流のモニタリングが行われている. 将来的には, このレーダ表層流と船舶観測結果を組み合わせ, 日本海南西海域における栄養塩分布やその輸送過程について研究を進めることが可能となる. 栄養塩分析結果 2014 年から 2015 年の航海で得られた一部のサンプルを用い, 栄養塩類の分析を行った. この分析には, 愛媛大学沿岸環境科学研究センター所有のオートアナライザーを使用した. 分析項目は, 硝酸塩 + 亜硝酸塩 (NO 3 +NO 2 ), 亜硝酸塩 (NO 2 ), ケイ酸塩 (SiO 2 ), リン酸塩 (PO 4 ) である. ここでは,2014 年の対馬海峡から山陰沖にかけての栄養塩分布の特徴を報告する. 全観測海域において, 表層付近の栄養塩類は枯渇していたため, ここでは, 深度 50 m の栄養塩分布について説明する. 図 2 4 には,50 m 深の栄養塩 (DIN: 硝酸 + 亜硝酸 ) の水平分布を示す. 2014 年 6 月 ( 図 2,T223 & KS-14-09 航海 ) では, 対馬海峡東水道から見島付近にかけて,DIN 濃度 3.5 µm 以上の水塊が帯状に広がっていた. 東水道の中央部 (CL04) からは,DIN 濃度 5.0 µm の水塊が日本海に流入していた. 西水道の CL08 では,DIN 濃度が 0.9 µm( 東水道の最大値 ) と低い値を示したが, その隣接する測点 (CL07a) では,DIN 濃度 5.1 µm( 西水道の最大値 ) であった. また,STN13 では,DIN 濃度 4 µm 以上の水塊がパッチ状に分布していた. 2014 年 8 月 ( 図 3,T225 航海 ) では, 日本海側の STN11 T から対馬海峡に向かって STN03 まで,DIN 濃度 8 µm 以上の水塊が分布していた. 東水道と西水道の DIN 濃度の最大値は, それぞれ 5.0 µm(cl05) と 9.8 µm(cl07a) であった. 日本海から広がっている高 DIN 水は, 西水道の高 DIN 水と連続的に分布しておらず, 東水道の DIN 濃度よりも 3 µm 以上が高かった. 2014 年 9~10 月 ( 図 4,T226 航海 ) では,2 つの海域で, 高 DIN 水が北東 - 南西方向に帯状に分布していた. 一つは, 日本沿岸域で DIN 濃度 3 µm 以上の水塊で

あった. もう一つは, 東水道中央部 (CL04) から北東方向に分布しており,CL04 ではDIN 濃度 7.2 µm であったが, 日本海に進入するにつれて低栄養となり,STN03 では DIN 濃度 3.6 µm であった. 西水道からも, 高 DIN 水 (CL08a:8.8 µm) が流入していた. 謝辞現場海洋観測の実施には, 水産大学校練習船 耕洋丸 天鷹丸 の船長をはじめとする乗組員の皆様の協力が不可欠でした. ここに, 耕洋丸の鎌野忠船長, 天鷹丸の秦一浩船長, 観測に協力頂いた水産大学校の若林敏江准教授, そして水産大学校練習船に関わられた皆様に感謝いたします. さらに, 本研究を行うにあたり, 愛媛大学沿岸環境科学研究センターの大西秀次郎氏, 柴野良太博士, 愛媛大学大学院理工学研究科の中川美和氏にご協力頂きました. 表 1. 船舶観測の期間と項目. 航海期間 (2016 年 ) 船舶観測項目 K058 4/18 5/24 T238 5/10 5/25 T239 6/15 6/20 T242 9/ 6 9/11 耕洋丸 CTD+ 採水, 航走 ADCP, ノルパックネット天鷹丸 CTD+ 採水, 航走 ADCP, ボンゴネット, トロールネット天鷹丸 CTD+ 採水, 航走 ADCP, GPS 漂流ブイ, ノルパックネット天鷹丸 CTD+ 採水, 航走 ADCP, ボンゴネット

K058 T238 T239 T242 図 1. 航海ごとの対馬海峡から山陰沖の対馬暖流域の観測点図. STN13 西水道 CL08 CL07a 見島 CL04 東水道 図 2.2014 年 6 月 14 日から 6 月 19 日にかけての DIN の水平分布 (50 m 深 ). 栄 養塩類の採水は, 水産大学校練習船 天鷹丸 T223 航海, 海洋研究開発機構 新 青丸 KS-14-09 航海で行われた.

STN11 T CL07a STN03 CL05 図 3.2014 年 8 月 20 日から 8 月 23 日にかけての DIN の水平分布 (50 m 深 ). 栄 養塩類の採水は, 水産大学校練習船 天鷹丸 T225 航海で行われた. CL08a STN03 CL04 図 4.2014 年 9 月 28 日から 10 月 3 日にかけての DIN の水平分布 (50 m 深 ). 栄 養塩類の採水は, 水産大学校練習船 天鷹丸 T226 航海で行われた.

成果発表 論文等 滝川哲太郎, 森本昭彦, 鬼塚剛 : 水産大学校練習船による対馬海峡における現場海洋観測. 海洋水産エンジニアリング, 128, 68-74 (2016) Inoue M, Shirotani Y, Furusawa Y, Fujimoto K, Kofuji H, Yoshida K, Nagao S, Yamamoto M, Hamajima Y, Honda N, Morimoto A, Takikawa T, Shiomoto A, Isoda Y, Minakawa M: Migration area of the Tsushima Warm Current Branches within the Sea of Japan: Implications from transport of 228Ra. Continental Shelf Research (Available online 29 August 2016) Takikawa T, Watanabe T, Senjyu T, Morimoto A: Wind-driven intensification of the Tsushima Warm Current along the Japanese coast detected by sea level difference in the summer monsoon of 2013. Continental Shelf Research (Available online 8 June 2016) Takikawa T, Morimoto A, Onitsuka G: Subsurface nutrient maximum and submesoscale structures in the southwestern Japan Sea. Journal of Oceanography, 72, 529-540 (2016) 学会等発表 滝川哲太郎, 渡辺俊輝, 千手智晴, 森本昭彦 : 長門市青海島と萩市見島の水位差から見積もられた対馬暖流沿岸分枝流の変動. 日本海及び日本周辺海域の海況モニタリングと波浪計測に関する研究集会, 九州大学応用力学研究所 (2016.12) 滝川哲太郎, 小針統, 森本昭彦, 渡辺俊輝, 杉谷茂夫, 岩井宏徳, 久島萌人, 藤井智史, 市川香, 雨谷純, 山田東也 : 流動場とプランクトン分布 - 山陰沖遠距離海洋レーダ海域における物理 生物観測 -. 2016 年度九州沖縄地区合同シンポジウム 九州沖縄地区における現場海洋観測とその連携研究, 鹿児島 (2016.12) 滝川哲太郎, 森本昭彦, 鬼塚剛 : 近 10 年間の対馬海峡から山陰沖にかけての海洋観測結果. 金沢大学 環日本海域環境研究センター共同利用シンポジウム 対馬暖流系の変動機構の解明に向けて, 金沢 (2016.11) 滝川哲太郎, 森本昭彦, 久島萌人, 市川香, 伊藤雅, 油布圭 : 山陰沖陸棚上における対馬暖流流軸と内部潮汐に伴う底層水温変動. 研究集会 宗谷暖流を始めとした対馬暖流系の変動メカニズム, 北海道大学低温科学研究所, 北海道 (2016.6-7)