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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

A4見開き

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Microsoft Word 年度シニア 呼吸器内科 2014.docx

学力向上のための取り組み

Taro 情緒障害のある児童生徒の理解

警察署長又は本部捜査担当課長は 犯罪の検挙状況 被害者等からの相談 関係機関からの通報等により再被害防止対象者に指定する必要がある被害者等を認めるときは 再被害防止対象者指定等上申書 ( 様式第 1 号 ) により警察本部長に再被害防止対象者の指定を上申するものとする この場合において 警察署長は

思想 信条等の収集の制限に関する規定の例外事項 ( 条例第 3 条第 3 項ただし書 ) (1) 共通事務 番号 項目 共通事務 内容 収集する個人情報 別紙 1 収集の制限事項に係る個人情報の収集を認める理由 1 相談等関係事務 県民等からの相談 陳情 要望 意見等の中で相談者等が提供する個人情報

年中児スクリーニングの事後支援 年中児スクリーニングの事後支援として 22 市町村が園巡回を実施しているが SST は 5 市町村の実施 ペアレントトレーニングは 7 市町村の実施に止まっており 事後支援を実施する市町村の拡大が課題 園巡回 : 専門職が保育所 幼稚園を巡回し 保育士等に指導 助言

Microsoft Word - ●資料2「児童自立支援施設について」

平成24年5月17日

平成 28 年度第 3 回弘前市ケアマネジャー研修会 1. ケアプランの軽微な変更の内容について ( ケアプランの作成 ) 最新情報 vol.155 p.3 参照 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について( 平成 11 年 7 月 29 日老企 22 号厚生省老人保健福祉局企画課長

支援マニュアル No.10 発達障害者のためのリラクゼーション技能トレーニング ~ ストレス 疲労のセルフモニタリングと対処方法 ~ 別添 1 支援マニュアルの構成 1 トレーニングの概要 2 トレーニングの進め方 3 トレーニングの解説 資料集トレーニングのガイドブックアセスメントツール集講座用ス

生存分析(Kaplan-Meier法)による性犯罪者処遇プログラムの効果検証

宮城県福祉サービス第三者評価のご案内(宮城県)

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11総法不審第120号

支援 相談活動 表-1 示 機能 枠組 常 意識 行 日常業務 取 組 現実的 各相談機能 境目 必 明確 沿 動 相談現場 次 段階 分 実施 1)1 次的相談 :1 回 電話 面接 解決 2 次的相談 及 2)2 次的相談 : 面接 複数回実施 問題解決 役割 担 3)3 次的相談 : 支援者

01 表紙

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目  次

無料低額宿泊所等を利用する被保護者等に対する知的障害及び適応行動等に関する調査研究

(2) 電子計算機処理の制限に係る規定ア電子計算機処理に係る個人情報の提供の制限の改正 ( 条例第 10 条第 2 項関係 ) 電子計算機処理に係る個人情報を国等に提供しようとする際の千葉市情報公開 個人情報保護審議会 ( 以下 審議会 といいます ) への諮問を不要とし 審議会には事後に報告するも

⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

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函館市の障がい者虐待の現状について 1 養護者による障がい者虐待についての対応状況 (1) 相談 通報対応件数および相談 通報者 函館市要援護高齢者 障がい者対策協議会 平成 30 年 2 月 7 日 1 件の事例に対し複数のものから相談 通報があった場合, それぞれの該当項目に重複して計上されるた

資料 1 ~ ケース会議会議に向けて ~ 児童生徒生徒を理解理解しよう!! ケース会議を開催する前に 児童生徒の情報を整理することはとても大切です 情報を整理する中で 児童生徒に対して あるいは支援の在り方について 新たな発見や可能性を見出すことにつながります アセスメントシートアセスメントシート

第3章 指導・監査等の実施

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

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DSM A A A 1 1 A A p A A A A A 15 64

合 ( 6 割強 ) と比較しても際立って高く, 特に, 万引きの占める割合が約 8 割にも及び, 男子 ( 5 割弱 ) に比べ著しく高い 図は, 交通法令違反 ( 平成 15 年までは交通関係 4 法令違反に限る ) を除く特別法犯について, 女子の送致人員等の推移 ( 過去

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平成30年度精神保健に関する技術研修過程(自治体推薦による申込研修)

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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1 少年 若年者による非行 犯罪の現状 (1) 検挙人員等 少年の刑法犯検挙人員は, 近年減少傾向にあるが, 人口比で見ると戦後第二の波があった昭 和 39 年頃と同程度の高い水準にある 若年者の一般刑法犯人口比は, 少年に比べると低いが, 成人一般に比べると高い また, 一般刑法犯検挙人員の年齢層

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

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≪障がい者雇用について≫

11総法不審第120号

 

1 単位対象学年 組 区分 1 年 必修 奥村秀章 黒尾卓宏 晝間久美 保健体育 保健 我が国の健康水準 健康であるための成立要因や条件について理解させ 飲酒や喫煙等の生活習慣について考える 薬物乱用 感染症 エイズの予防対策の重要性について認識させる ストレス社会への対処の仕方や身

職業訓練実践マニュアル 発達障害者編Ⅰ

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別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

- 2 - いては 新基準別表の 1 のイ中 1,458 単位 とあるのは 1,611 単位 と 729 単位 とあるのは 806 単位 と 同 1 のロ中 1,207 単位 とあるのは 1,310 単位 と 603 単位 とあるのは 65 5 単位 と 同 1 の注 6 中 減算する とあるのは

少年法の「成人」年齢引下げに関する意見書

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

2018 年度に 犯罪非行心理学 ( 科目コード :FF3524) から科目名が変更されました これから学習さリング司法 犯罪心理学科目コード FF3551 単位数履修方法配当年次担当教員 2 SR( 講義 ) 2 年以上半澤利一 れる場合は 本科目を参照してください 科目の内容 科目の概要 245

乳児期からの幼児教育について 大阪総合保育大学 大方美香

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交通関係 過失運転致死傷等検挙人員 49 万 4,306 人 ( 前年比 6.9% 減, 平成 17 年から連続して減少 ) 危険運転致死傷検挙人員 593 人 ( 前年比 4.7% 減 ) うち致死事件 45 人 道交違反取締件数 ( 送致事件 ) 30 万 8,116 件 ( 平成 12 年から

平成18年度九州歯科大学附属病院 歯科医師臨床研修プログラム

1 計画策定の背景と趣旨 昭和 56(1981) 年の 完全参加 をテーマとする 国際障害者年 を契機に, 障害者福祉は大きく変化しました 国では, 平成 5(1993) 年 3 月に 障害者対策に関する新長期計画 が策定され, 同年 12 月には 障害者基本法 * が施行されました 以後も, 平成

基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

2017 年 6 月 16 日 ( 金 ) プレ & インターンシップ 夏期インターンシップの活用とその後の採用スケジュールなどについて説明します 3 年生だけでなく インターンや就職活動に興味のある 1,2 年生も参加してください 2017 年 6 月 22 日 ( 木 ) 外国人留学生の活動対策

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●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

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Microsoft Word - 04 Ⅳ章 doc

さいたま市・岩槻市任意合併協議会協議書

11総法不審第120号

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

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もあり 安全で問題のない生活を送るためには家庭の中で請求人一人の力だけでは難しく 周りの大人の支援を必要としている状況である 現在も上記のような状況から 仕事ができずにいる また 本件処分は本件診断書に基づいて行われているが その後本件児童の状態が変わっているので 平成 30 年 3 月 26 日付

お高い水準にあり 再犯者の占める割合も近年漸増傾向にある また 若年者 (20 歳以上 30 歳未満 ) の一般刑法犯検挙人員の人口比は少年よりも低いものの 成人一般に比べると高くなっている 一方 20 歳代に刑事処分を受け 保護観察付執行猶予となった者のうち約半数 刑務所に入所した者のうち約 4

2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

第 2 部 東京都発達障害教育推進計画の 具体的な展開 第 1 章小 中学校における取組 第 2 章高等学校における取組 第 3 章教員の専門性向上 第 4 章総合支援体制の充実 13

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用

18 定期的にモニタリンク を行い 放課後等ディサービス計画の見直しの必要性を判断しているか 19 カ イト ラインの総則の基本活動を複数組み合わせて支援を行っているか 20 障害児相談支援事業所のサービス担当者会議にその子どもの状況に精通した最もふさわしい者が参画しているか 関係機関や保護者との連

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

() 非行少年等の概況 刑法犯少年は 平成 22 年以降減少傾向にあり 平成 27 年に微増に転じ 202 人となったが 平成 29 年中は 35 人に減少し 統計の残る昭和 25 年以降で最少となった 触法少年については 平成 29 年中は前年比で 7 人増加し 98 人となった 依然として低年齢

3 リング犯罪の原因と法 犯罪社会学と法律学における捉え方 4 非行臨床について少年事件の審理, 司法的機能と福祉 教育的機能 5 社会内処遇と施設内処遇保護観察や少年院について 6 非行少年と家族を理解する非行少年の心性と家族の特徴 7 被害者の心理と支援トラウマティック ストレスとその対応 8

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11 平成 21 年度介護予防事業実施状況について 平成 22 年 7 月 大阪市健康福祉局健康づくり担当

4 選抜方法 ( 1 ) 選抜の方法 学力検査の成績 調査書の得点 第 2 日の検査 ( 面接 ) の得点 を全て合計した 総得点 により順位をつけ 各選抜資料の評価等について慎重に審議しながら 予定人員までを入学許可候補者として内定する < 総得点の満点の内訳 > 調査書の得点第 2 日の検査学力

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

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第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

11総法不審第120号

1 家庭裁判所調査官とは 法的根拠 裁判所法 61 条の 2 第 2 項 家庭裁判所調査官は 各家庭裁判所においては 第三十一条の三第一項第一号の審判及び調停 ( 家事審判及び家事調停 ) 同項第二号の裁判 ( 人事訴訟事件 ) ( 人事訴訟法第三十二条第一項の附帯処分についての裁判及び同条第三項の

医療事故調査・支援センター~センターの役割と手引~

社会福祉学部 臨床心理学科 占部 友衣さん 社会福祉学部 臨床心理学科 3年 大阪府 桃山学院高等学校 出身 大学入学後 心理学には 社会心理学 や 犯 罪心理学 など 多彩な分野があることを知り 驚きました 私は2年次に犯罪心理学の授業で 非行少年の家族や親子関係に関心をもち 研 究を進めています

みんなの健康ラジオ

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

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教育研究集録25年度 H1

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

旭川地方・家庭裁判所委員会議事概要

06 参考資料1 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

300626【Web版】京都家庭裁判所 平成30年第30回家裁委員会_H

Transcription:

法制審議会少年法 刑事法 ( 少年年齢 犯罪者処遇関係 ) 部会第 2 回会議配布資料 少年鑑別所における業務の概要 東京少年鑑別所長小山和己

少年鑑別所の業務 鑑別 再非行防止に向けた処遇指針の策定 ( 非行要因等の分析, 立ち直りに向けた処遇指針 ) 人間科学の知見に基づくアセスメント 観護処遇 ( 少年鑑別所に収容して行う処遇全般 ) 在所者の情操の保護への配慮 健全な育成のための支援 ( 学習等の機会の提供等 ) 地域援助 非行及び犯罪の防止に向けた活動 ( 非行 犯罪臨床の知見の活用, アセスメント機能をいかした援助 )

少年審判の調査 社会調査 ( 家庭裁判所調査官 ) 収容, 資質等の鑑別 ( 少年鑑別所 ) 収容 + 資質の鑑別 ( 少年鑑別所 ) 収容審判鑑別 ( 少年法第 9 条, 第 17 条 ) 非行要因等の分析 ( なぜ非行に及んだのか ) 処遇指針の提示 ( どうすれば立ち直れるのか ) 多様な調査方法による情報収集 分析 面接 心理検査 行動観察 診察 少年の内面を探り明らかになる特徴 具体的な行動から浮き彫りになる特徴 医学的見地から把握する心身の状況

法務教官行動観察 法務技官 ( 心理 ) 初と団別回回別の庭定裁心方心事以判鑑別面理針理所会例結果検設降検調検査議通知書接集査二定家接個の面査鑑討判退所審判官医師 健康診断 精神科診察等入所収容審判鑑別の流れ 3~4 週間 ( 最長 8 週間 )

面接 心理検査 時間を掛けた 振り返り 個々の特性 問題性に 応じ, 組み合わせて 実施 家族関係 過去の非行歴 生育歴 本件の動機 交友関係 被害者への気持ち 今後の生活等 知能検査 性格検査 適性検査 その他 鑑別の適切な実施において重要な点 1 在所者の調査への前向きな姿勢 保護者, 関係者からの情報, 協力 家庭裁判所調査官との事例検討 公務所等への照会 ( 既往症等 )

行動観察 日常の生活場面, 課題への取組など, 各場面での行動傾向 変化に着目 知的能力 行動傾向( 特に対人行動 ) 情緒, 意欲 社会的態度, 価値観 生活習慣等 鑑別の適切な実施において重要な点 2 職員 ( 大人 ) による指導への反応性 少年鑑別所でのルール 枠組みの理解, 受入れ 集団場面への一定程度の適応 ( 行動等の統制 )

鑑別における調査事項 家庭環境 生育歴, 教育歴, 職業歴 非行歴, 不良集団所属の有無 交友関係 本件非行に係る事実関係及び動機 精神状況 身体状況 在所中の生活及び行動の状況 その他 鑑別結果の活用 鑑別結果通知書 処遇に係る判定 精神状況 身体状況 非行要因等の分析 資質面からの問題点 生活場面での問題点 非行の機制 非行傾向とその程度等 立ち直りに向けた指針 処遇の手がかり 立ち直りに必要な処遇指針等 家庭裁判所による審判の資料 ( 少年法第 9 条 ) 少年院 保護観察所における処遇の参考資料 刑事施設における処遇調査の参考資料

健全な育成のための支援 生活態度に関する助言 指導 挨拶, 整理整頓, 身だしなみ, 言葉遣い等 情操のかん養 観桜会, 七夕, 書初め等 健全な社会生活への適応を支援する取組 学習支援, 就労支援, スポーツテスト, 各種の講話 ( 保健医療等 ) 等 家族や周りに, たくさんの迷惑をかけていたことに初めて気づきました 自分のことをじっくり考えることができました 高校に行きたい, 勉強ができるようになりたいと思いました ここにくるまで, 被害者の方のことを考えたことがありませんでした 退所時アンケートから

鑑別から見られる特徴 変化 非行態様等から見られる特徴単独非行化 傷害等 の割合が増加, 薬物非行 の割合が減少 共犯者のある非行 の割合が減少 不良集団, 特に 暴走族 に所属している少年の割合が減少 家庭環境, 生活状況等から見られる特徴自立の先送り 家族と同居 の割合が増加 学生 の割合が増加 資質面から見られる特徴非社会性, 福祉 医療的支援の必要性 知的障害 や その他の精神障害 を有する少年が増加 非社会的な傾向 対人スキルの乏しさ

男子少年の非行名 ( 構成比 : 単位 %) 傷害等 薬物非行 H27 H17 21.2 14.3 0.5 2.3 傷害等 の割合が増加 薬物非行 の割合が減少 H7 14.9 8.7 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 窃盗傷害等道交法恐喝薬物非行強盗ぐ犯詐欺性非行その他 女子少年の非行名 ( 構成比 : 単位 %) 薬物非行 ぐ犯 窃盗 傷害等 H27 10.5 15.1 24.0 17.9 H17 18.2 20.7 19.9 15.2 H7 33.2 28.6 13.1 9.1 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 薬物非行ぐ犯窃盗傷害等恐喝道交法強盗詐欺その他 傷害等 や 窃盗 の割合が増加 薬物非行 や ぐ犯 の割合が減少 男子との比較では 薬物非行 や ぐ犯 の割合が高い

共犯者の有無 ( 構成比 : 単位 %) 共犯者あり H27 H17 H7 53.5 64.9 65.6 共犯者のある非行 の割合が減少 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 共犯者あり共犯者なし不詳 不良集団への所属 ( 構成比 : 単位 %) 暴走族所属なし 単独非行化 H27 H17 5.1 9.5 61.0 57.2 不良集団, 特に, 暴走族 に所属している少年の割合が減少 H7 19.7 49.8 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 不良生徒集団地域不良集団暴走族暴力団不詳所属なし

居住の状況 ( 構成比 : 単位 %) 家族と同居 その他 H27 81.2 12.1 自立の先送り H17 83.1 12.0 H7 76.1 16.8 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 家族と同居アパート 住込み 作業員宿舎等その他 家族と同居 の割合が増加 その他 ( 知人宅, 同棲, 不定, 浮浪等 ) の割合が減少 職業等の状況 ( 構成比 : 単位 %) 学生 生徒 保護者の状況 ( 構成比 : 単位 %) 実父母 H27 36.7 40.4 22.4 H27 37.7 37.8 H17 28.9 37.2 32.5 H17 47.3 29.7 H7 40.0 19.3 40.3 H7 55.5 21.9 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 学生 の割合が増加 有職学生 生徒無職不詳 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 実父母 実父 実母 実父 義母 義父実母 実父母 の割合が減少 養父 ( 母 ) その他なし不詳

精神状況 ( 人数 ) H27 知的障害 342 その他の精神障害 717 H17 241 449 H7 149 160 0 200 400 600 800 1000 1200 知的障害人格障害神経症性障害その他の精神障害 非社会性, 特性に応じた, 福祉 医療的な支援の必要 知的障害 や その他の精神障害 を有する少年が増加 その他の精神障害 の内訳は, 注意欠如 / 多動性障害, 広汎性発達障害, 気分障害, 行為障害等

年長少年 (18 19 歳 ) に見られる特徴 非行態様等から見られる特徴孤立 ( 希薄な人間関係 ) 共犯者のある非行 の割合が低い 不良集団 に所属している少年の割合が低い 薬物使用 の割合が比較的高い ( ただし,1 割に満たない ) 家庭環境, 生活状況等から見られる特徴社会的自立のつまずき 家族と居住 している少年の割合が低い 無職者 ( 学生 生徒以外 ) の割合が高い 資質面から見られる特徴更生意欲や自信の低下 両極化 ( 年齢相応の社会性を備えた少年 不信感が強く自棄的な少年 ) 自立や進路選択をめぐる焦りや不安の高まり

共犯者の有無 ( 構成比 : 単位 %) 共犯者あり 年長 46.1 孤立 ( 希薄な人間関係 ) 年中 61.9 年少 不良集団への所属 ( 構成比 : 単位 %) 年長 年中 年少 51.6 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 共犯者あり共犯者なし不詳 所属なし 68.3 57.1 55.1 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 不良生徒集団地域不良集団暴走族暴力団不詳所属なし 不良集団 に所属している少年の割合が低い 共犯者のある非行 の割合が低い 薬物使用関係 ( 構成比 : 単位 %) 年長 年中 年少 0.1 0.5 0.4 0.9 1.2 2.6 0.5 2.1 1.2 0% 2% 4% 6% 8% 10% 麻薬 あへん 大麻覚せい剤有機溶剤その他不詳 薬物使用 の割合が比較的高い

居住の状況 ( 構成比 : 単位 %) 家族と同居 その他 年長 年中 年少 71.2 85.7 91.2 12.8 4.0 0.5 16.0 10.3 8.3 家族と同居 の割合が低い その他 ( 知人宅, 同棲, 不定, 浮浪等 ) の割合が高い 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 家族と同居アパート 住込み 作業員宿舎等その他 職業等の状況 ( 構成比 : 単位 %) 社会的自立のつまずき 無職者 年長 年中 39.3 51.8 35.6 17.9 29.4 24.8 無職者 ( 学生 生徒以外 ) の割合が高い 年少 5.1 89.4 5.3 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 有職者学生 生徒無職不詳

年長少年 (18 19 歳 ) の鑑別における着眼点 非行タイプの見極め 1 年長になってから非行化したタイプ 2 比較的早期から非行化し, 非行を収束させつつあるタイプ 3 比較的早期から非行化し, 今後も非行を繰り返しそうなタイプ 適切な処分の見極め 1 再非行の可能性 ( 再非行の可能性の程度に応じた密度の処遇を行うことが重要 ) 2 処遇の適合性 ( 対象者の特性に適した方法で処遇を行うことが重要 )

鑑別判定を検討する際の便宜的な類型 原則逆送事件を除く 在宅保護 ( 保護観察 ) 収容保護 ( 少年院送致 ) 保護不適 ( 検察官送致 ) 再非行の可能性 低 ~ 中 中 ~ 高 低 ~ 高 処遇の適合性 低 観点の例自己統制力, 社会適応力等の問題性集中的 計画的な教育の必要性等 高 保護処分への適合性低 社会的成熟度, 可塑性等 社会的成熟度が比較的高, 可塑性が低の場合等 ( 保護処分による矯正の必要性 可能性が低 ) は, 成人としての処遇の適否等についても検討 法務省式ケースアセスメントツール (MJCA) 等を活用し, 再非行の可能性や改善すべき問題点等を把握した上で, 総合的に鑑別判定を行う MJCA: 再非行の可能性等をより客観的に把握するため, 少年鑑別所在所者のデータを用いて, 統計的な手法により開発した調査ツール

地域援助 地域社会における非行及び犯罪の防止に寄与するため 少年, 保護者その他の者からの相談 非行及び犯罪の防止に関する機関又は団体からの依頼に対応 心理相談能力 性格の調査問題行動の分析や方法の提案事例検討会等への参加 5000 4000 3000 2000 1000 地域援助実施件数 ( 研修 講演等を除く ) 4,631 949 研修 講演 法教育授業 0 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 ( 対象は, 少年, 成人を含む )

地域援助における検察庁への協力 被疑者等に対する知能検査等の実施 ( 本人の同意 ) 対象者の発達面, 認知面の特性の解明 対象者への適切な関与 処遇選択に資する情報提供 例 抽象的思考が苦手 単純作業は得意 耳で聞くよりも, 目で見て覚えるタイプ 検察庁への協力の実施件数 171 件 ( 平成 27 年 6 月 ~ 同 28 年 12 月末 )