改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているも

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( 育児又は介護を行う職員の深夜勤務及び時間外勤務の制限 ) 第 9 条略 4 前 3 項の規定は, 第 16 条第 1 項に規定する日常生活を営むのに支障がある者を介護する職員について準用する この場合において, 第 1 項中 小学校就学の始期に達するまでの子のある職員 ( 職員の配偶者で当該子の

香川県後期高齢者医療広域連合職員の勤務時間、休暇等に関する

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Microsoft Word - 22育児・介護休業等規程

飛驒市職員の勤務時間 休暇等に関する条例及び飛驒市 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 ( 飛驒市職員の勤務時間 休暇等に関する条例の一部改正 ) 第 1 条飛驒市職員の勤務時間 休暇等に関する条例 ( 平成 16 年飛驒市条例第 47 号 ) の一部を次のように改正する 第 8 条の

( 休憩時間 ) 第 3 条 任命権者は 1 日の勤務時間が 6 時間を超える場合においては 少な くとも45 分 8 時間を超える場合においては 少なくとも1 時間の休憩時間を それぞれ所定の勤務時間の途中に置かなければならない 2 前項の休憩時間は 職務の特殊性又は当該公署の特殊の必要がある場合

必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

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第 11 条育児休業を終了して復帰する教職員の年次有給休暇については 理事長が別に定める ( 育児短時間勤務 ) 第 12 条小学校就学の始期に達するまでの子と同居し 当該子を養育する教職員が申し出た場合には 当該子がその始期に達するまで 当該教職員の所定勤務時間を 6 時間とすること ( 以下 育

題名

( イ ) 従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり 1 歳 6か月以降育児に当たる予定であった者が死亡 負傷 疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合 6 育児休業をすることを希望する従業員は 原則として 育児休業を開始しようとする日の1か月前 (4 及び5に基づく1 歳

国会職員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案新旧対照表

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○職員の勤務時間、休暇等に関する条例

4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

独立行政法人総合病院国保旭中央病院職員の育児

目 次 第 1 条 目的及び内容 1 第 2 条 育児休業 2 第 3 条 パパ ママ育休プラス 2 第 4 条 1 歳 6 か月までの育児休業 2 第 5 条 育児休業の申出の手続等 3 第 6 条 パパ休暇の特例 3 第 7 条 介護休業 3 第 8 条 介護休業の申出の手続等 4 第 9 条

申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

ただし 日雇従業員 期間契約従業員 ( 法に定める一定の範囲の期間契約従業員を除く ) 労使協定で除外された次のいずれかに該当する従業員についてはこの限りではない (2) 週の所定労働日数が2 日以下の従業員 (3) 申出の日から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員 2 要介護状態に

第 12 回委員会資料

第 1 章育児休業 第 1 条 ( 対象者 ) 生後 1 年未満 ( 第 5 条による育児休業の場合は 1 歳 6 ヶ月 ) の子と同居し養育する従業員であって 休業後も引き続き勤務する意思のある者は 育児のための休業をすることができる ただし 日々雇用者 期間雇用者 ( 申出時点において雇用期間が

【全文】就業規則(今井保育園H29.1.1)

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支給開始日以前に カ月の標準報酬月額がある場合 06 年 月 日まで 06 年 4 月 日以降 休んだ日の標準報酬月額 0 日 / 支給開始日以前の継続した カ月間の各月の標準報酬月額の平均額 0 日 / ( 例 ) 支給開始日以前の継続した カ月間に 標準報酬月額が 6 万円の月が カ月 0 万円

Microsoft Word doc

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場合には 当該育児休業の承認を取り消するものとする ( 育児休業職員の期末手当等の支給 ) 第 7 条職員の給与に関する規程 ( 以下 給与規程 という ) 第 21 条第 1 項に規定するそれぞれの基準日に育児休業している職員のうち 基準日以前 6 月以内の期間において在職した期間がある職員には

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社団法人今治地方国立公園協会

承認が効力を失った後 当該産前の休業又は出産に係る子が次に掲げる場合に該当することとなったこと ア死亡した場合イ養子縁組等により職員と別居することとなった場合第 3 条第 7 号を同条第 8 号とし 同条第 6 号中 第 2 条の2 第 3 号 を 第 2 条の3 第 3 号 に改め 同号を同条第

に該当する者に支給されるものに限る ) 移転費及び 3の求職活動支援費の支給対象とすることとされた ( 第 56 条の3 第 1 項第 2 号及び同条第 2 項関係 ) 3 高年齢被保険者 ( 教育訓練を開始した日が高年齢被保険者でなくなった日から1 年以内にある者を含む ) について 教育訓練給付

休暇

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別表 ( 第 3 条関係 ) 給料表 職員の区分 職務の級 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 号給給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額 再任用職 1 144, , , , , ,60

育児 介護休業規程 第 1 章 目的 第 1 条 ( 目的 ) 本規程は社員の育児 介護休業 育児 介護のための時間外労働および深夜業の制限並びに育児 介護短 時間勤務等に関する取り扱いについて定めるものである 第 2 章 育児休業制度 第 2 条 ( 育児休業の対象者 ) 1. 育児のために休業す

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第 4 条育児短時間勤務をしている職員の産業医手当の額は 給与規程第 12 条に定める手当の月額に育児短時間換算率を乗じて得た額 (50 円未満の端数がある場合はこれを切り捨て 50 円以上 100 円未満の端数がある場合はこれを 100 円に切り上げる ) とする ( 扶養手当 ) 第 5 条育児

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規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

国家公務員 非常勤職員の勤務条件はいま 4. 経済的支援について育児休業期間中は無給ですが 国家公務員共済組合法が適用される場合には 育児休業手当金が支給され 申出により共済掛金が免除されます また 雇用保険法が適用される場合には 一定の要件を満たすとき育児休業給付金が支給され 健康保険 厚生年金保

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4-1 育児関連 休業期間を有給にするか 無給にするかは 就業規則等の定めに従います また 雇用保険に加入している労働者には 国から給付金が支給されます (P106 参照 ) 産前産後休業期間中及び育児休業期間中は 労働者 使用者とも申請により社会保険料が免除になります 育児休業の対象者 ( 第 5

育児 介護休業規程 第 1 章 目的 第 1 条 ( 目的 ) 本規程は 従業員の育児 介護休業 子の看護休暇 介護休暇 育児のための所定外労働の免除 育児 介護のための時間外労働および深夜業の制限並びに育児 介護短時間勤務等に関する取扱いについて定めるものである 第 2 章 育児休業制度 第 2

(3) 育児短時間勤務をしている職員が休職又は停職の処分を受けたことにより 当該育児短時間勤務の承認が効力を失つた後 当該休職又は停職の期間が終了したこと (4) 育児短時間勤務をしている職員が当該職員の負傷 疾病又は身体上若しくは精神上の障害により当該育児短時間勤務に係る子を養育することができない

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(1) 出産予定日前に子が出生したこと (2) 配偶者が死亡したこと (3) 配偶者が負傷又は疾病により,1 週間を超える期間継続して, 通院, 加療, 入院又は安静を必要とする状態となり, 育児休業申出に係る子を養育することが困難になったこと (4) 配偶者が育児休業申出に係る子と同居しなくなった

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育児休業等に関する規程280401施行

Microsoft Word - 例規集(A4判).docx

調査等 何らかの形でその者が雇用期間の更新を希望する旨を確認することに代えることができる ( 雇用期間の末日 ) 第 6 条第 4 条及び第 5 条の雇用期間の末日は 再雇用された者が満 65 歳に達する日以後における最初の3 月 31 日以前でなければならない 2 削除 3 削除 ( 人事異動通知

社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 平成年月日 会社名 あなたから平成年月日に 育児 介護 休業の 申出 期間変更の申出 申出の撤回 がありました 育児 介護休業等に関する規則 ( 第 3 条 第 4 条 第 5 条 第 7 条 第 8 条及び第 9 条 ) に基づき その取扱いを下のとおり通

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育児休業申出書式例

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しい支障が生じることとなったこととする 3 前条の規定は 育児休業の期間の延長の請求について準用する ( 育児休業の期間中の休暇等の取扱い ) 第 5 条育児休業をしている職員に対しては 職員就業規程第 37 条の規定による年次有給休暇並びに就業規程第 39 条の規定による公民権行使等休暇 事故休暇

社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 あなたが平成年月日にされた 育児 介護 休業の申出について 育児 介護休業等に関する規則 第 3 条 第 7 条 に基づき その取扱いを下のとおり通知します ( ただし 期間の変更の申出があった場合には下の事項の若干の変更があり得ます ) 1 休業の期間等

改正育児・介護休業法等について

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める手当の月額に育児短時間換算率を乗じて得た額 (50 円未満の端数がある場合はこれを切り捨て 50 円以上 100 円未満の端数がある場合はこれを 100 円に切り上げる ) とする ( 初任給調整手当 ) 第 5 条育児短時間勤務をしている教職員の初任給調整手当の額は 給与規程第 13 条第 3

( 育児休業の期間 ) 第 5 条育児休業の期間は 原則として 子が 1 歳に達するまでを限度として育児休業申出書 ( 様式 1) に記載された期間とする 2 前項にかかわらず 会社は 育児休業 介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 ( 以下 育児 介護休業法 という ) の定

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出書 ( 園内様式 1) を園に提出することにより申し出るものとする なお 育児休業中の有期契約職員が労働契約を更新するに当たり 引き続き休業を希望する場合には 更新された労働契約期間の初日を育児休業開始予定日として 育児休業申出書により再度の申出を行うものとする 2 申出は 特別の事情がない限り

一公職の候補者となる労働者の雇用の継続の確保のための立候補休暇に関する法律案目次第一章総則 ( 第一条 第二条 ) 第二章立候補休暇 ( 第三条 第六条 ) 第三章雑則 ( 第七条 第九条 ) 附則第一章総則 ( 目的 ) 第一条この法律は 立候補休暇の制度を設けることにより 公職の候補者となる労働

ただし 平成 22 年 6 月 30 日時点で 常時 100 人以下の労働者を雇用する事業主については 公布日から3 年後に当たる平成 24 年 6 月 30 日 ( 予定 ) までの間 < 短時間勤務制度の義務化 >< 所定外労働の免除の義務化 >< 介護休暇 >について 改正規定の適用が猶予され

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Taro-概説1

目 次 Ⅰ 子育てのサポート 1 妊娠前 妊娠中のサポート 1 生理休暇 2 不妊治療の受診 3 妊娠障害 ( つわり ) 休暇 4 健康診査及び保健指導に係る休暇 5 危険有害業務の就業制限 6 深夜勤務及び時間外勤務の制限 7 通勤緩和措置 8 職員の休息等 2 出産前後のサポート 1 産前 産

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H28.10・育児休業や介護休業をすることができる有期契約労働者について

目 次 第 1 章目的 第 1 条 目的 第 2 章育児休業制度 第 2 条 育児休業の対象者 第 3 条 育児休業の申出の手続等 第 4 条 育児休業の申出の撤回等 第 5 条 育児休業の回数 第 6 条 育児休業の期間等 第 3 章介護休業 第 7 条 介護休業の対象者 第 8 条 介護休業の申

育児のための両立支援制度 制度の概要 ( イメージ ) 出生 1 歳 1 歳 6か月 3 歳就学 パパ ママ育休プラス 1 歳 6 か月延長 ( 子の年齢 ) ⑴ 育児休業 Ⅰ Ⅱ 努力義務 ⑵ 短時間勤務制度 ⑶ 所定外労働の免除 努力義務 努力義務 ⑷ 子の看護休暇 ⑸ 法定時間外労働の制限 ⑹

Transcription:

別紙第 3 国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見 の申出及び一般職の職員の勤務時間 休暇等に関する法律の 改正についての勧告 近年 少子高齢化の進展に伴い 育児や介護と仕事の両立を支援していくことが我が国の重要な課題となっており 家族形態の変化や様々な介護の状況に柔軟に対応できるよう民間労働法制の見直しが行われている 公務においても 適切な公務運営を確保しつつ 働きながら育児や介護がしやすい環境整備を更に進めていくことが必要となっている 本院は このような社会情勢を踏まえ 以下の改正要綱のとおり 育児休業等に関する制度並びに勤務時間及び休暇に関する制度を改正することが適当と認めるので 国家公務員の育児休業等に関する法律 ( 平成 3 年法律第 109 号 ) を改正されるよう意見を申し出るとともに 一般職の職員の勤務時間 休暇等に関する法律 ( 平成 6 年法律第 33 号 ) の改正について勧告する 公務においても今回の民間労働法制の改正に即した措置が確保されることの重要性に鑑み この意見の申出及び勧告に対し 国会及び内閣が その実現のために所要の措置をとられるよう要請する なお 改正要綱の各項目の趣旨と 改正に関連して人事院規則等において措置することとしている事項の説明は 別添のとおりである -85-

改正要綱 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大 1 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているもの及びその他これらに準ずる者として人事院規則で定める者を 育児休業 育児短時間勤務及び育児時間 ( 育児休業等 ) の対象として職員が養育する子に含めること 2 1について 現行の児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているものを 児童福祉法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 63 号 ) による改正後の児童福祉法の規定 ( 平成 29 年 4 月 1 日施行 ) により養子縁組里親である職員に委託されている児童に改めること 第 2 一般職の職員の勤務時間 休暇等に関する法律に関する事項 1 フレックスタイム制における子の養育をする職員の範囲の拡大一般職の職員の勤務時間 休暇等に関する法律 ( 勤務時間法 ) 第 6 条第 4 項の規定により週休日を設け 及び勤務時間を割り振ることができる場合の職員の 子の養育 に 国家公務員の育児休業等に関する法律において第 1による改正により子に含まれるものとされる者の養育を含めること 2 介護休暇を請求できる期間の分割 -86-

(1) 介護休暇の期間は 勤務時間法第 20 条第 1 項に規定する者の各々が同項に規定する介護を必要とする一の継続する状態ごとの指定期間 ( 各省各庁の長が 人事院規則の定めるところにより 職員の申出に基づき 職員が介護休暇を請求できる期間として指定する期間 ) 内における必要と認められる期間とすること (2) (1) の指定期間は (1) の一の継続する状態につき3 回以下とし その期間の合計は 6 月以下とすること 3 介護のため1 日の勤務時間の一部を勤務しないこと ( 介護時間 ) の承認 (1) 各省各庁の長は 職員が勤務時間法第 20 条第 1 項に規定する者の介護をするため 1 日の勤務時間の一部について勤務しないことが相当であると認められる場合には 人事院規則の定めるところにより 当該職員が1 日の勤務時間の一部を勤務しないこと ( 介護時間 ) を承認することができるものとすること (2) 介護時間の期間は 勤務時間法第 20 条第 1 項に規定する者の各々が2 の (1) の介護を必要とする一の継続する状態ごとに 連続する3 年の期間内において 1 日につき2 時間を超えない範囲内で必要と認められる期間とすること (3) 介護時間については 一般職の職員の給与に関する法律第 15 条の規定にかかわらず その勤務しない1 時間につき 同法第 19 条に規定する勤務 1 時間当たりの給与額を減額して給与を支給すること 4 経過措置 第 2 の 2 による改正後の介護休暇の期間は 改正前の勤務時間法第 21 条 -87-

の規定により介護休暇の承認を受けた職員であってこの改正の実施の日において当該介護休暇の初日から起算して6 月を経過していないものの介護休暇の期間についても適用すること この場合において 各省各庁の長は 人事院規則の定めるところにより 同日から改正の実施の日以後の職員の申出に基づく日までの指定期間を指定するものとすること 第 3 実施時期等 1 この改正は 平成 29 年 1 月 1 日から実施すること ただし 第 1 の 2 に ついては 平成 29 年 4 月 1 日から実施すること 2 この改正に伴い 関係法律について所要の規定の整備を行うこと -88-

( 別添 ) 国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申 出及び一般職の職員の勤務時間 休暇等に関する法律の改正につ いての勧告の説明 第 1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項 育児休業等に係る職員が養育する子の範囲の拡大育児休業等の対象として職員が養育する子の範囲については 現在 職員と法律上の親子関係がある子に限られているが 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により里親である職員に委託されている児童であって当該職員が養子縁組によって養親となることを希望しているもの ( 平成 29 年 4 月 1 日以降は 児童福祉法の規定により養子縁組里親である職員に委託されている児童 ) 及びその他これらに準ずる者として人事院規則で定める者といった法律上の親子関係に準ずる関係にある者についても当該子の範囲に含むこととし 職員が育児休業等をすることができるようにするものである 第 2 一般職の職員の勤務時間 休暇等に関する法律に関する事項 1 フレックスタイム制における子の養育をする職員の範囲の拡大勤務時間法第 6 条第 4 項では フレックスタイム制の適用を受ける職員のうち 子の養育又は配偶者等の介護をする職員について より柔軟な勤務形態を選択できるようにするため 週休日の特例を設けている 現在 同項の職員が養育する子の範囲は 職員と法律上の親子関係があ -89-

る子に限られているが 改正要綱の第 1の国家公務員の育児休業等に関する法律における子の範囲の拡大に合わせ 職員が民法の規定による特別養子縁組の成立に係る監護を現に行う者 児童福祉法の規定により養子縁組里親である職員に委託されている児童及びその他これらに準ずる者として人事院規則で定める者といった法律上の親子関係に準ずる関係にある者を養育する職員についても 勤務時間法第 6 条第 4 項を適用できることとするものである 2 介護休暇を請求できる期間の分割現在 介護休暇を請求できる期間については 一の要介護状態ごとに 連続する6 月の期間内とされているが これを3 回まで分割できるようにするために 介護休暇を請求できる期間を 指定期間 とした上で 介護休暇を一の要介護状態に係る指定期間内における休暇とし その指定期間については 各省各庁の長が 人事院規則の定めるところにより 職員の申出に基づき 一の要介護状態ごとに3 回以下 かつ 合計 6 月以下の範囲内で期間を指定することとするものである 3 介護のため1 日の勤務時間の一部を勤務しないこと ( 介護時間 ) の承認 (1) 日常的な介護ニーズに対応するため 民間労働法制の所定労働時間の短縮措置に相当するものとして 各省各庁の長が 職員が要介護者を介護するため1 日の勤務時間の一部について勤務しないことが相当であると認められる場合に 連続する3 年の期間内において 1 日につき2 時間を超えない範囲内で勤務しないこと ( 介護時間 ) を承認できるよう措置するものである -90-

なお 介護時間の承認は 人事院規則の定めるところによるとしているが 当該人事院規則においては 請求に係る期間のうち公務の運営に支障がある時間については承認しないことができるよう措置を講ずる (2) 介護時間を承認され勤務しなかった時間は無給とするものの 人事院規則等において 昇給区分の決定に当たっては 介護時間を承認され勤務しなかったことにより自動的に下位の昇給区分に決定されることがないよう 当該勤務しなかった時間を 勤務していない日数 として取り扱わないこととするとともに 勤勉手当の期間率の算定に当たっては 介護時間を承認され勤務しなかった時間を日に換算して30 日に達するまでの期間を勤務期間から除算しないものとなるよう所要の措置を講ずる あわせて 昇給制度における介護休暇及び育児休業の取扱い並びに勤勉手当における育児時間の取扱いについても 介護時間を承認され勤務しなかった時間がある場合と同様の取扱いとなるよう所要の措置を講ずることとする 4 経過措置今般 介護休暇を請求できる期間を分割できるようにするに当たり 改正前の規定により既に介護休暇の承認を受けている職員であっても 当該介護休暇の初日から起算して6 月を経過していない者であれば この改正の実施の日後に介護休暇を請求できる期間を分割できるよう措置するものである 具体的には 各省各庁の長が 人事院規則の定めるところにより介護休暇の初日からこの改正の実施の日以後の職員の申出に基づく日までの期間を第 1 回目の指定期間として指定するものとし 6 月から当該期間を除い -91-

た残余の期間については この改正の実施の日後において分割して取得す ることも可能とするものである 第 3 実施時期等 1 改正要綱の第 1の1 及び第 2の改正は 民間労働者についての育児や介護と仕事が両立しやすい就業環境の整備等を内容とする雇用保険法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 17 号 ) の施行日とされている平成 29 年 1 月 1 日から実施することとし また 改正要綱の第 1の2の改正は 養子縁組里親の法定化等を内容とする児童福祉法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 63 号 ) の施行日とされている平成 29 年 4 月 1 日から実施することとするものである 2 改正要綱の第 2の改正において 介護時間の承認を受けて勤務しない場合に給与を減額することに伴い 国家公務員災害補償法について所要の改正を行うことその他の所要の規定の整備を行う必要があるとするものである 第 4 その他 上記のほか 本院においては 民間労働法制の見直しに合わせ 介護休暇等仕事と介護の両立支援制度の対象となる家族の同居要件の見直し 介護を行う職員の超過勤務の免除について所要の措置を講ずるとともに 妊娠 出産 育児休業 介護休暇等の制度の利用等に関する言動によって 職員の勤務環境が害されることの防止についても体制整備等を講ずる また 非常勤職員については 育児休業及び介護休暇を取得できる職員の要件を民間労働法制の見直しに合わせて見直すとともに 上記の措置内容も -92-

踏まえて所要の措置を講ずる -93-