CEATEC JAPAN 2016 電 情報通信学会東京 部シンポジウム IoT 普及への課題と期待 ビジネス化 普及に向けた通信の越えるべきハードル スマートメーター通信システムの実 化動向と今後の展望 2016 年 10 6 三菱電機福 製作所渋 昭宏 2015 Mitsubishi Electric Corporation 次 1. スマートメーターの通信に求められるもの 2. スマートメーター通信システム 3. スマートメーターの通信 式 4. スマートグリット実証紹介と今後の展開 5. まとめ 2
環境 スマートメーターの通信に求められるもの さまざまな設置環境 家の壁 へ直接取り付け 計器 BOX( 樹脂製 属製 集合 BOX など ) に設置 マンションなど集合住宅のパイプスペースに設置 タイプ A 計器 BOX( 樹脂製 ) タイプ B 計器 BOX( 金属製 ) タイプ C 集合 BOX( 金属製 ) タイプ D 集合住宅のパイプスペース 3 スマートメーターの通信に求められるもの ネットワーク構築要件 数百万台 数千万台クラスの通信端末を収容できること 複雑な設定をせずにネットワークが構築できること 低コスト設計であること 1 通信 式は 設置環境に応じて無線 式 有線 式などから選定できる能 が必要 複数媒体の対応 2 機器を設置するだけで 的にネットワークが構築できるしくみが必要 コンフィグレーションレス 事費 の抑制 3 機器費 ( 初期費 ) や通信費 ( ランニング費 ) を抑制 複数の通信 式を準備し 適材適所で利! 4
スマートメーターの通信に求められるもの スマートメーターに関わる通信技術 (1) 無線マルチホップ通信 集約装置までマルチホップ転送により通信を行う方式であり 特定小電力無線などを通信媒体とし利用 適用できる対象が広く 低コストで実現できることから有力視されている 山間部などを除いて幅広く適用可能であり 必要な集約装置の数を抑えられるため 低コストでネットワーク構築が可能 (2) 1:N 通信 ( 携帯電話やWiMAXなど ) 携帯電話やWiMAXなどの通信キャリアによるデータ通信サービスを利用 通信キャリアのサービスに依存するが 疎な環境でも利用可 山間部や普及前の疎なエリアでの適用が期待 (3) 電 線通信 (PLC:Power Line Communication) 既存の電力線を通信回線として利用 電柱上の隣接する変圧器を超えて通信することが難しく 変圧器ごとに通信の集約装置を設置する可能性も 集約装置のコストを考慮すると 集合住宅や住宅密集地域に適している 5 1. スマートメーターの通信に求められるもの 2. スマートメーター通信システム 3. スマートメーターの通信 式 4. スマートグリット実証紹介と今後の展開 5. まとめ 6
スマートメーター通信システム (1) システムに求められる要件 [3] 国際標準対応と将来サービスへの拡張性 国際標準の積極的活 と共通部 / 式依存部によるヘッドエンドアーキテクチャにより マルチベンダ対応と将来サービス拡張性を確保 ヘッドエンド ( 共通部 ) ヘッドエンド ( 式依存部 ) スマートメーター業務システム (MDM システム ) [2] 短期間でかつ確実なシステム構築 WAN 回線 ( 光回線 携帯回線 ) PLC 親装置無線 PLC (G3) コンセントレータマルチホップ (920MHz) 1:N 無線 : スマートメーター : スマートメーター電文 [1] い接続率と徹底した低コストの実現 3つの通信 式 ( マルチホップ無線 1:N 無線 PLC) を適材適所に活 マルチホップ無線を主 式として活 するも い接続率を実現 7 スマートメーター通信システム (2) システム構成イメージ ハンディターミナルによる現場でのデータ収集 スマートメーター ( 低圧 ) ハンディターミナル 圧計器 無線マルチホップ (920MHz) コンセントレータは 数百 千台のメーターとネットワークを構築 コンセントレータ ( 無線マルチホップ ) スマートメーター通信システム (HES) 数百万 数千万の 30 分データをオンラインで処理 スマートメーターデータ管理システム (MDMS) HEMS 数百 数千の 30 分データをオンラインで処理 携帯通信 (1:N) 高圧計器 コンセントレータ (PLC 通信 ) PLC 通信 WAN 30 分周期の 量データを滞りなく処理 スマートメーターへ確実なコマンド制御送信 ネットワーク監視(WAN 以下 ) HEMS へメーターデータ提供 数 数百の 30 分データをオンラインで処理 光回線 携帯回線の活 8
スマートメーター通信システム (3) スマートメーター経由の宅内通信需給対策や家庭内サービスのインフラとして 宅内通信機能 (Bルート) を有するスマートメーターの検針情報を活 宅内通信システム構成イメージ A ルート B ルート 収集サーバ スマートメーター通信システム アクセス系ネットワーク (920MHz,1:N,PLC) スマートメーター PCS エアコン エコキュート WAN 回線 1 通信アタ フ タ HEMS 蓄電池 宅内通信ネットワーク (920MHz,PLC,WLAN) EV える化端末 1: 30 分検針値など 9 スマートメーター通信システム (4) 宅内通信の規格 (ECHONET) ECHONETミト ルウェアアタ フ タ ECHONET GW/ コントローラ ECHONETレテ ィ機器との接続 家電機器 センサー類の集中監視 制御 外部ネットワークとの接続 ECHONETルータ 宅内マンマシン端末への情報提供家庭 伝送メディア変換 電灯線 / 無線など ECHONET 無線 常アラーム センサー 無線 通信回線 ( 電話,FTTH など ) ECHONET レテ ィ機器 ネットワーク I/F 家電 フル ECHONET 機器 ネットワーク内蔵家電 ガス警報機 GW 電 会社 ガス会社セキュリティ会社医療機関 勤務先 操作 STB 衛星放送地上波放送 etc AVCC 系ネットワーク 10
1. スマートメーターの通信に求められるもの 2. スマートメーター通信システム 3. スマートメーターの通信 式 4. スマートグリット実証紹介と今後の展開 5. まとめ 11 (1) 無線マルチホップ 式 通信インフラを利 することなく 端末のみで 律的にネットワークを構成 アクセスポイント等を使 せず 端末同 が 律的に通信経路を構築 距離が離れている場合は 途中の端末が中継 ( マルチホップ ) して通信路を確保 無線通信可能範囲 直接電波の届かない A 点 B 点間で通信が可能! A 点 B 点 特定 電 無線 ( 免許不要無線 ) を利 しても 広範囲なネットワーク構築可能! 通信端末 ( 電波送信点 ) 12
(1) 無線マルチホップ 式 通信経路を網 状 ( メッシュ ) に構成する通信 式 電波伝搬の影響で通信路確保が難しい場合 迂回経路を 動的に探索して 安定な通信路を確保 無線通信可能範囲 電波伝搬の影響で通信不可となる場合は 迂回経路を 動的に構築 A 点 B 点 安定的なデータ通信が可能! 通信端末 ( 電波送信点 ) 13 (1) 無線マルチホップ 式 マルチホップ技術適 時の課題 課題 1 数百台規模の端末を収容 課題 2 通信端末の低コスト化 低消費電 化 対策コンセントレータをルートとするツリー構造ネットワーク および端末 - コンセントレータ間通信を主とする通信形態を前提とし マルチホッププロトコルを最適化 Re-active(On-demand) 型の AODV をベースに ネットワークトラヒック 端末管理情報 端末処理を効率化 狭帯域無線 (429MHz 特 無線 4.8kbps 以上 ) にて 1 コンセントレータあたり 500 端末以上収容可能な低コスト 低消費電 なマルチホップネットワークを実現 コンセントレータ メータ制御コマンド スマートメータ IP ネットワーク センタ装置 14 14 検針データ 14
(1) 無線マルチホップ 式 経路構築の基本動作新規設置ノードのネットワーク参 の例 1 新規設置ノードは 参 リクエスト信号を周辺ノードにブロードキャスト送信 2 参 リクエスト信号を受信した既参 ノードは コンセントレータまでのホップ数情報を載せた応答信号を新規設置ノードに送信 3 新規設置ノードは 複数ノードから受信した応答信号の受信電界強度 ホップ数情報より最適な隣接ノードを決定 4 新規設置ノードは 決定したコンセントレータ向け隣接ノード経由で当該コンセントレータへの参 処理を実施 コンセントレータまで 2 ホップ コンセントレータまで 2 ホップ 新規設置ノード 端末 1 端末 2 端末 3 コンセントレータ コンセントレータまで 3 ホップ 15 (1) 無線マルチホップ 式 プロトコルスタック 国際標準規格をスマートメーターシステム全体で採 (IEEE802.15.4/4e/4g IPv6 *1 やRPL *2 など ) 30 分指 値を含む業務データの安定通信 短時間かつ確実なファームウェア更新 ネットーク 規模化を実現する経路構築 制御 複数無線チャネル運 停電 / 復電時の考慮 ハンディターミナル通信 速化 アプリケーション レイヤ 5-7 ECHONET Lite EAP-PSK PANA DLMS/ COSEM NTP/ SNTP UDP ICMPv6 レイヤ 3-4 IPv6 RPL レイヤ 1-2 IEEE802.15.4/IEEE802.15.4e IEEE802.15.4g 6LowPAN 点線枠内は IETF,IEEE,IEC 等の標規格 *1 IPv6 : IETF RFC2460 - Internet Protocol, Version 6 (IPv6) specification *2 RPL : IETF RFC 6550 - RPL: IPv6 Routing Protocol for Low-Power and Lossy Networks 16
(2)1:N 通信 無線マルチホップ通信を補完する位置づけで 通信キャリアによるデータ通信サービス (1:N 通信 ) を利 無線マルチホップ通信が構成できない疎密度地域に適 3GPP(Generation Partnership Project) 規格のLTE 式準拠 携帯通信システム 1:N 通信 式エリア 携帯基地局 携帯基地局 無線マルチホップ通信 式エリア 17 プロトコルスタック (2)1:N 通信 3GPP に準拠した LTE 式による移動体通信事業者網を使 し IPv6,UDP などの国際標準規格を適 アプリケーション レイヤ 5-7 ECHONET Lite EAP-PSK PANA DLMS/ COSEM NTP/ SNTP UDP ICMPv6 レイヤ 3-4 IPv6 レイヤ 1-2 3GPP MAC/RLC 3GPP L1 枠内は IETF,3GPP,IEC 等の標準規格を す 18
(3) 電 線搬送波通信 (PLC) 無線マルチホップ および 1:N が適 できない場合の補完技術として適 層マンションのパイプスペースに設置されるケース G3-PLC(G3 Alliance, ITU-T G.9903, ARIB STD-T84) 準拠 AC100V 波形 電力線通信の高周波変調信号 19 (3) 電 線搬送波通信 (PLC) PLC 通信 式の適 イメージ 収集サーバ 規模 層マンション スマートメーター 電気室 トランス 低圧配電線 100/200V 屋内 PLC 親局装置 20
プロトコルスタック (3) 電 線搬送波通信 (PLC) G3-PLC 規格 (ITU-T G.9903) に準拠した 式を使 し IPv6,UDP などの国際標準規格を適 アプリケーション レイヤ 5-7 ECHONET Lite EAP-PSK PANA DLMS/ COSEM NTP/ SNTP UDP ICMPv6 レイヤ 3-4 IPv6 G3-PLC ネットワーク層 (G.9903) 6LoWPAN LOADng レイヤ 1-2 G3-PLC MAC 層 (G.9903) G3-PLC 物理層 (G.9903) 周波数帯 :154 403kHz, 伝送速度 : 最 131kbps, 変調 式 :OFDM 21 1. スマートメーターの通信に求められるもの 2. スマートメーター通信システム 3. スマートメーターの通信 式 4. スマートグリット実証紹介と今後の展開 5. まとめ 22
スマートグリット実証紹介 基幹系システム 次世代配電制御システム 火力発電所 水力発電所揚水発電所 風力発電所 原子力発電所 スマートメーターシステム 変電所 大規模太陽光発電システム センサー付開閉器 SVG 系統用蓄電池 SVC SVR 中央 / 地方 / 系統給電指令所 基幹系安定化通信ネットワーク GW 次世代配電用ネットワーク スマートメーターシステムネットワーク 蓄電池 基幹系 (22kV~500kV) 発電所 超高圧の長距離送電系統 変電所が対象 太陽光発電システム 次世代電子メーター エネルキ ー管理システム 配電系 (100/200V 6.6kV) 主に配電用変電所以下 需要家端までの高圧 / 低圧配電系統が対象 需要家 (100/200V) 需要家建屋 敷地内の内線系統のシステム 機器 23 23 スマートグリット実証主要設備 基幹系 需要家 ビル / 住宅 ( 模擬 ) 配電系 太陽光発電システム 太陽光発電システム オペレーションセンター 発電模擬装置 需給制御システム 次世代配電制御システム 自動検針システム エネルギー管理システム 配電ネットワーク 系統用蓄電池 通信ネットワーク 変電所 次世代電子メーター コンセントレーター SVR SVC 24
実証試験例 ( スマートハウス :HEMS 構成 ) 電気自動車 蓄電池 蓄電 パワーコンディショナー 自然エネルギー利用 ( 太陽光 / 熱 自然風 ) 太陽光発電システム 電灯線 < 住宅内 > 発電 照明 ロスナイ換気システム 放熱 遮蔽 電動窓 環境センサー 電動ブラインド 生活パターンセンサ - ( 電力計測 / 機器異常検出 ) 通信線 レンジグリル IHクッキングヒーター HEMSコントローラー エアコン ヒートポンプ温水床暖房 エコキュート 蓄熱 エネルギー管理モデル < 宅外 > 宅外連携 ホームゲートウェイ ( サービス連携 ) TV PC 機器制御アダプタ (920MHz 帯無線通信 ) 25 今後の展開 スマートメーター通信システムの今後の展開 既スマートメーター通信ネットワークの活 ( 短期的 ) Bルート活 による付加サービスの実現( デマンドレスポンス ) 次世代スマートメーター通信システム ( 中期的 ) IoT 技術を活 した新たな付加価値の創出 ( ユーティリティメーター ) 通信インフラの 度化( 回線速度 レイテンシー 常時対応 ) 新たな技術 新たな無線技術(LPWA 等 ) 規模メッシュネットワーク技術の 度化 26
1. スマートメーターの通信に求められるもの 2. スマートメーター通信システム 3. スマートメーターの通信 式 4. スマートグリット実証紹介と今後の展開 5. まとめ 27 まとめ 1. スマートメーターネットワークは 数百万軒 数千万軒分のメーターデータを定期収集 管理 複数の通信 式を環境に応じて組み合わせてネットワークを構築 2. 国際標準規格をシステム全体で採用し 相互接続性 コスト低減 技術的拡張性等を担保 3.IoT 技術 新に対応して新たに導 される通信 式にも柔軟に対応し 期的に運 可能な構成 4. 将来のスマートグリット対応に向けて フィールドの各種センサ機器と柔軟に接続可能な拡張機能が求められる 28