TVRSJ Vol.22 No.4 pp.503-512, 2017 コンテンツ論文 床上 50 センチの飛行イベント VR はハンググライダー パラグライダーの普及活動をどう変えたか 中山 拓哉*1 鈴木 由路*2 葭田 貴子*1 Flying Fests 50 cm above The Ground -How VR Changed The Hang Glider and Paraglider Popularization ActivityTakuya Nakayama*1, Yuji Suzuki*2, and Takako Yoshida*1 Abstract --- Although the hang glider is well known, few people have experienced it since one has to drive to suburban flight areas to try it. Nowadays, conventional flight exhibitions that include towing enable beginners to drop in at flight experience events in urban open spaces, including central Tokyo. To boost this urban exhibition, we designed an indoor hang glider virtual reality system that is easy, stable, and offers some of the most exciting flight experiences that hang gliders can ever have, regardless of the weather conditions. This system enabled to propagate the fascination with the hang glider for many people at the event even in urban Tokyo. Keywords: hang glider, virtual reality, 360 degrees videos, head mounted display, multi modal perception 1 はじめに 2020 年の東京オリンピック パラリンピック開催を控え 各種スポーツの振興やスポーツイベントによる地域活性 化が進むなか スカイスポーツ ハンググライダー は知 名度は高いものの競技人口が 1,000 人規模と 実際の 体験者が少ない 公益社団法人日本ハング パラグライ ディング連盟 JHF 調べ 2016 そのため ハンググラ イダーに対する印象は 一部のアスリートが楽しむ特殊 なスポーツであり 自分が郊外に赴き体験するものでは ないというものになりがちである このような印象を払拭 し 身近なスポーツとして認識されるには レジャーとし て楽しんでいるフライヤー ハンググライダーやパラグラ イダーで飛ぶ人 と交流することや 飛ぶ体験を通じて このスポーツへの理解と共感を促すことが必要であると 一般にフライヤー達は考えている この考えを踏まえると ハンググライダーにおける普 及イベント主催側は このスポーツに人を誘導し 将来 的にフライトエリアがある山間部の観光資源とすることを 見据えた場合に 初心者に伝達し共有したい体験の明 確なイメージがあるように推察される とりわけ 体験会 の主催者側は この競技に付随するファッションやイメ ージ 競技技術やゲーム性というよりは 飛行により五 感を通じて上空のみで得られる主観的な体験や経験の *1 東京工業大学工学院 *2 ハンググライダースクール ウインドスポーツ *1 Tokyo Institute of Technology School of Engineering *2 Hang glider school Windsports 伝達を試みようとする傾向にある これらは 筆舌で表 現するのは難しいにも関わらず これまでは フライトエ リアでの体験会に参加しない限りは 地上でのトークイ ベントなどを通じて言語報告に頼って未経験者に伝達 せざるを得なかった そのため 上空での主観的経験 や体験を生の感覚情報のまま未経験者に非言語的か つ直観的に伝達し 共有する手段の開発が待たれる段 階であった それとは別に 近年 JHF などの統括組織がこれま で 通りがかり あるいは近所のイベントなどにおいて 思いがけず空を飛ぶ疑似体験をしてもらうことで ハン ググライダー パラグライダーを普及させる趣旨の体験 会を催してきた歴史に変化が訪れている 即ち 航空ス ポーツ教室 子供ふわっと教室などと名付けた普及活 動の活動形態が変化してきている 今までの 一般的な ハンググライダー パラグライダー体験は 風を相手に するスポーツのため 山間部のフライトエリアまで出向か なければ グライダーに触れて浮かせてみるという入門 者向けの教習パターンすら経験できなかった しかし 父母会などの要請で開催する航空スポーツ教室では 学校の校庭などの開けた場所で開催できるようになり 悪天候の際に 学校の体育館で浮遊体験の実施を行 った事例もできた[1] さらに 2013 年の東京国体での デモスポーツ行事を皮切りに 都内の緑地公園でも体 験会が可能になった そこで 気軽に体験して貰おうと いう意図から おのずと都市部 特に首都圏の交通アク セスの良いところで開催したいという要求が募っていた 503
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 Vol.22, No.4, 2017 験や触覚経験, 偶発的な自然とのインタラクションなど, 自らの身体を通じた主観的な経験や体験がハンググラ イダーの真の魅力だというのがハンググライダー普及活 動を主催する側の一つの主張であり, 単なる飛行技術 を超えてこれらを未経験者に伝達したいという強い意図 がハンググライダー普及側に存在する. 一方, 雲がどんな触覚か は触覚の心理物理学的 研究を実施してきた筆者の研究室内でも言語のみから は想像し難い感覚である 1. そのため,VR による疑似 体験を通じて, 未経験者が自らの感覚情報によって, ハ ンググライダーの真の魅力を体感してもらう必要があると 考えた. そこで, ハンググライダーの真の魅力を伝える ために,CG 再現ではなく, 実際のハンググライダーから 空撮したリアルな映像を使用した VR にした. イベントでの要件は, イベント参加が目的で来場した 人のみならず, 偶発的にイベント会場に立ち寄った人も 参加し楽しめるようにすることであった. そのため, 短時 間で多くの来場者が体験することを可能にする必要が あった. そこで, 体験一回当たりの時間が短めになるよ うコンテンツを作り, 複数のシミュレータを用意して, 同 時に稼働させることとした. また, 都市部や屋内のイベン トでの開催のために, 組み立てや解体, 運搬などが簡 便で, 機動性があるシステムにする必要があった. 2.2 装置概要 図 1 ハンググライダー体験シミュレータ Fig.1 Hang glider flight simulator 製作したハンググライダーとパラグライダーシミュレー タの概要図を示す ( 図 2). 装置は主にハンググライダー ないしパラグライダー部分,HMD 部分, ヘッドフォン, サーキュレータからなる. 体験者は HMD を装着し, 実 際の飛行時と同様の姿勢でグライダーに乗り, 舵となる, ハンググライダーではベースバー, パラグライダーでは ブレークコードを握る姿勢でコンテンツを視聴する. 1 アニメなどで雲の上に寝そべるシーンがあるなど, 憧れの象徴として雲の触感が表現されることがあるが, 実際には雲の感触はない 公園管理者の理解が進まない時期を超えて,2015 年からは首都圏の複数の公園で定期開催が可能になった. そして, これらの体験会以外にも, 開けた場所がなくても, 天候に左右されず, 屋内などでこれに匹敵する体験会を安定して開催するための新技術はないかという議論になっていた. こうした状況に応える目的で, 我々は, 山梨県などでハンググライダーの体験ツアーなども企画してきたハンググライダー選手と共に, HMD (Head Mounted Display)[2][3] を用いた VR (Virtual Reality) を活用するハンググライダー体験シミュレータを開発した. この VR を活用したハンググライダー体験シミュレータ は 5 月 3 日 5 日に羽田空港で行われたイベント [4] で初披露され ( 図 1), その後, 産業界からも VR 利用の新しいイベントの形態としてこのイベントのパッケージ化などビジネスの申し出が相次いでいる. そこで本稿では, 開発した VR シミュレータの概要や, 開催したイベントのレポートを通じて, ハンググライダー パラグライダーの普及イベントが VR の投入により結果としてどのように変化したか事例報告を通じて振り返り, そこで浮上した技術的 社会的課題を議論する. これら一連の報告を通じて, コンシューマレベルの VR 機器が今後社会に提供できる価値や, 社会の要求に応えるための VR のデザインないし設計の将来について考えていきたい. 2 VR システムの開発 2.1 開発目的, 要件今回の VR システムの開発目的は, 従来の体験会に匹敵するものを都市部で安定開催することと, ハンググライダーの魅力を自らの感覚情報を通じて体験してもらうことである. VR による体験シミュレータは屋内でハンググライダーを体験できるため, 開催の可否や体験者の満足度が天候に左右されることもなく, 都市部での体験会の開催も可能である. また, アスリートが開発に関わることで, 従来のハンググライダー パラグライダーシミュレータでは必ずしも達成できていなかった, スポーツ体験の最も楽しく初心者に伝えたい部分 の伝達と, ゲームやシミュレータの中に閉じずに, 実世界のスカイスポーツに体験者を誘う導入 に関して, イベント主催者側の要望を反映させた体験の設計ないし開発が可能になった. 現ハンググライダー選手である筆者の一人が, ハンググライダーの魅力的な体験として伝えたいことは, 例えば, 地上では得られないような, 自己身体に対して上下左右 360 度全方向に展開する景色を楽しむことができる, 雲の触感を試すことができる, とんびと一緒に飛びながら上昇気流の乗り方を教わることができる, という体験などである. このような, 地上では得られない視覚経 -504-
中山 鈴木 葭田 床上 50 センチの飛行イベント VR はハンググライダー パラグライダーの普及活動をどう変えたか 図 2 システム構成. A)ハンググライダー B)パラグライダー Fig.2 System configuration. A) Hang glider and B) Paraglider. 全体として ユーザの複数の感覚情報モダリティを刺 激するマルチモーダルなシミュレータとすることで 臨場 感や没入感を高めることを目指した[5][6] HMD は視覚 と頭部運動を中心とした自己受容感覚 サーキュレータ は皮膚感覚や温熱感覚 ハーネスは前庭感覚や頭部 以外の自己受容感覚を刺激することを目的として設置 した また ヘッドフォンやスマートフォンのスピーカは 飛行中に録音された音声により 聴覚を刺激することを 目的とした ハンググライダーは筆者の一人が実際に競技で使用 しているものを利用し MOYES Litespeed RX3.5 設置 用トラスとゴムバンドで床上 50 に図 2A 中の 部分を 巻き付けるように固定した 体験者がぶら下がった際に グライダーが破損しないよう ベースバーを支えるトラス の位置は最も外側に配置した 体験者がグライダーに ぶら下がる際にはハーネスを着用してもらい ロック付き カラビナでグライダーと連結した ハーネスの形態は形 状がシンプルであり 着脱が容易なエプロンハーネスと し 来場者の身長に応じたサイズを使用する必要があっ たため 大人用 S,M,L サイズ 小学生用 S,M サイズ 幼 児用 S,M サイズの計 7 サイズを用意した 体験者がぶら 下がる際 頭が低くなると頭に血が登りやすく 自ら頭を 上げようと腕力と背筋を使って体を起こそうとするので疲 れてしまうため 足の位置よりも頭の位置が高くなるよう に紐の長さの微調整を行った パラグライダーは無風状態では翼の形状を維持でき ないため パラグライダーのシミュレータに実機は組み 込まれておらず ハーネスとブレークコードのみで構成 されている サーキュレータ IRIS OHYAMA PCF-C15 は本人に 扇風機の風であるとイメージさせないように 箱で目隠し たうえでグライダーの前方に設置し 体験者の顔に風が 当たるようにし 体験中のみ風が送られるようリモコンで 制御した 風の強さは 強 を使用した HMD に は Oculus Rift CV1 FOV 120 度 2160(1080*2) 1200 [2]とハコスコタタミ 1 眼 [3]を用い た これは Oculus 社が HMD の使用に年齢制限を設 けているためである[7] 子供向けには年齢制限のない ハコスコタタミ 1 眼 [3]を利用することで イベント自体の 年齢制限を緩和した 13 歳以上の体験者には Oculus Rift CV1 [2]を使用し HMD 本体に化粧や汗などが移 ら な い よ う VR 体 験 衛 生 マ ス ク NINJA MASK moguravr を体験者毎に利用した 7-12 歳の児童に はハコスコタタミ 1 眼を子供の頭部形状にフィットするよ う改造したものを使用した 改造は ハンズフリーで体験 できるように本体にマジックテープで着脱できるゴムバン ドを取り付け 鼻が痛くならないようにハコスコの鼻部を くりぬきスポンジでクッションを取り付けた 6 歳以下の子 供は VR 体験は行わず ぶら下がり体験のみの予定で あったが 視覚画面もみたいという要望が多かったため ハーネスを着用してハンググライダーにぶら下がったう えで サーキュレータの風を受けながら iphone6 で 360 度映像を提示した 2.3 映像コンテンツ ハンググライダー体験のコンテンツには イベント当 日展示したのと同じグライダーで 筆者の一人であるハ ンググライダー選手が実際に茨城県上空を飛行し 空 中撮影したものを用いた 従って 実空間で体験者が 乗っているハンググライダーと コンテンツの中に映って いるハンググライダーは同一機種である 映像は THETA S (RICOH)を用いて 360 度映像として撮影され た カメラ位置は 体験者の頭部位置と同位置に設置さ れ VR 酔いを防ぐために撮影中はグライダーの揺れを 505
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 Vol.22, No.4, 2017 最小限にするようにフライトを行った. また, カメラレンズの向きは魚眼による歪みとステッチングによる違和感を最小化するために, 進行方向の前後を撮る向きにした. コンテンツは 4 シーンから構成され, 離陸前後, 高度 300m, 高度 1200m, 高度 1500m の順番で映像提示するよう編集された ( 図 3). 映像の編集は Adobe Premiere Pro を用いて行われた. 各シーン間に暗転を挟み, 高度情報をフェードインさせることで滑らかなシーンの切り替えが行われた. 高度 300m の映像では木々が生い茂る山の近くを飛び ( 図 3A), 高度 1200m の映像では晴れた街並みを上空から見下ろし ( 図 3B), 高度 1500m の映像では雲の上を飛ぶ ( 図 3C), という体験を意図した. 映像全体の長さは暗転を含み 2 分半ほどであった. 同様に, パラグライダーのコンテンツには茨城県上空をパラグライダーで空撮した映像が用いられており, 長さは 1 分ほどであった. なお,HMD とサーキュレータによるプロトタイプを筆者の一人であるハンググライダー選手に試したところ A) 高度 300m の景色 B) 高度 1200m の景色 C) 高度 1500m の景色図 3 映像コンテンツ Fig.3 Video contents A) View from 300m, B)View from 1200m and C) View from 1500m 機体が旋回する場面で自分が体ごと本当に回転していく感覚があるのだが, これは競技経験を持つ人間に特有の現象なのか? という質問が第一にきかれた. 機体が旋回する画面において, 地上の景色の回転する映像から, 実際には静止しているないしは少しだけ揺れているにもかかわらず, 視覚情報によって自己身体の移動感覚が引き起こされる錯覚 [8] であるベクションのような身体位置感覚の変容が生じたのを指した質問と推察される. また, 筆者のうちハンググライダーの経験がない一人は, 高度 1500m の映像で雲が目の高さに見えるのに驚いたと報告した. そのため, 飛んでいる臨場感とハンググライダーの魅力をある程度伝えられるコンテンツである可能性が伺える. 2.4 VR によるハンググライダー パラグライダー普及活動と従来の普及活動の比較従来の普及活動スタイルの一つであるタンデムフライトはプロのインストラクターと 2 人乗りのグライダーで, 実際に山から飛ぶ体験をするものである ( 図 4). 実際に山から飛ぶため, 都心から離れたフライトエリアまで行く必要があるだけでなく, 天候によって体験の質が左右される. また, 経験豊富なインストラクターであっても,1 日に 5 人程度が限界である上, 高度な技術を必要とするため同時に 2 機程度が限界であろう. そのため, イベントとして大人数を体験させる場合には, 山からのフライト体験ではなく平地での浮遊体験を行うことが多い. 実機のハンググライダー パラグライダーは, 本来斜面の落差を利用して, 推進力を浮力に変換する翼のため, 公園などの平地で人間の体重を浮かせることは容易ではない. 風が乱れず, 安定して 3-4m/s 程度あれば,3 人でサポートして風上に走ることで, ハンググライダー パラグライダーを装着した体験者を, 地面から 80cm 程度浮かすことができる. 体験者は興奮するものの, サポート役はうまく飛ばすための勘や経験が要求されるほか, 著しく体力消耗するのが実情である. そこでオートバイを改造した動力式巻き上げ機を利用し, ロープで牽引する方式, トーイング ( 図 5) が開発され使用されるようになっている. 元来地方では行われていた体験方法ではあるが, 首都圏ではここ 1-2 年程で採用されるようになった比較的新しい体験方法である. この新技術が, 近年スカイスポーツ普及イベントの定期的な安定開催を可能にした. この方式は, ガイドレールを備えているため風向の微小な変化に強く, 無風時にも浮かすことができる. 通常 1-2m の浮遊体験をするものであるが, 原理的には最大 7m 程度まで浮遊可能である. トーイングは天候によって体験の質が左右されることは少ないが, 高高度をフライトする魅力を十分に伝えることは難しい. また, オートバイを含め機械を操作する人の経験が必要である. -506-
中山 鈴木 葭田 床上 50 センチの飛行イベント VR はハンググライダー パラグライダーの普及活動をどう変えたか 表 1 体験者目線の従来の体験会と VR による体験会の比較 Table.1 Comparison of tandem, towing and VR from the experiencers view 体験の種類 考慮すべき点 タンデムフライト (図 4) トーイング (図 5) 条件 条件 あり 風向 降 天候 雨 評価 ほぼなし 雨天 は不可 VR (図 1) 評価 条件 評価 なし 公共交通機関でも可 録画映像の追体験 地上 50cm 基本的に車 近 体験場所へのアクセス 基本的に車 年では都内の公 園でも可 フライトコースの自由度 体験高度 離着陸以外は任 意 Max500-1000m 程度 ガイドワイヤーに 沿った直線 5m 程度 風景の魅力 上空からの景色 低高度の景色 メガネでの体験 問題なし 問題なし フライトの爽快感 低高度でも 3000m で も可 メガネサイズに依存 図 5 トーイング Fig.4 Tandem Flight Fig.5 Towing 2.5 類似の製品との比較 ここで製作された VR は CG ではなく実録映像を用 いていることと 特にその映像提示部分に関してややス ペックが高めのコンシューマ向け民生品ばかりで構成さ 図 4 タンデムフライト 一方 VR による疑似フライトでは 実際には床から 50cm しか離れていないのにもかかわらず 高高度フラ イトとほぼ同じ体験をすることができる 天気や時間帯に もよらず均質な体験ができることも魅力の一つだろう フ ライト経験がない者にもサポートスタッフを務めることが 可能であるため 複数台展開によって 都市部や屋内 でも大勢の方にハンググライダーやパラグライダーを体 験して頂くことも容易である しかしながら CG ではなく 実録映像を使用しているためフライトコースの自由度は なく 実際には飛行はしていないため爽快感は劣るだろ う また 眼鏡使用者はそのまま HMD の着用ができな い場合 満足な体験ができない恐れがある 表 1 れているのが特徴である 比較的入手しやすい値段で 小型ないし折り畳み式の部品で構成されているため イ ベントなどの移動に際し 機動性や複数台数の同時展 開に優れている VR ハンググライダー体験として 他に CEATEC2016 に出展されていたものがある[9] 機体の傾きで旋回を 表現する サーキュレータで風を演出するなどマルチモ ーダルなシミュレータになっていたが CG を利用して溶 岩地帯やコウモリだらけの洞窟などを飛ぶ体験になって おり 本稿で報告するような VR と比較すると リアリティ を追及するよりゲーム性を優先した設計と考えられる また ハンググライダーでの飛行ができるゲームには 1990 年から任天堂が発売しているパイロットウィングス [10]やコナミの GO VACATION [11]があるがいずれも CG によるフライトシミュレーションになっている スマート フォンのアプリも複数発表されているが いずれも実際 507
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 の飛んでいる姿勢は再現していない 1997 年発売のア ーケードゲーム ハングパイロット [12]やリオデジャネイ ロの上空を飛行する VR[13]は CAVE など大型機材を用 いているためイベントなどでの機動性は乏しいことが予 想される アスリートや協会の関係者など体験イベント主催者側 に聞き取りをして印象的なのは ゲームに特化したコン テンツと フライト体験の面白さを伝えること ないし 実 世界でのフライトに体験者を誘うことに特化したコンテン ツにはっきりとした線引きがある点である 例えば 映像 に実録映像が用いられておらずリアルではない 現実 では不可能な場所も飛行するコンテンツになっている 体験する姿勢が現実と大きく異なる などはデフォルメさ れたゲームとしての印象をぬぐいきれない要素ということ になる これらはイメージトレーニングなど他の用途には 十分使える価値が予想されるが 今回意図するような普 及イベントの趣旨には合致しないというのである 即ち イベント主催者側には参加者に伝達したいフライト体験 の明確なイメージがあり ゲーム性を強調した従来のハ ンググライダーのシミュレータやゲーム VR ではこの用 途に不十分であるという明確な意識がある そのため 今回のイベントではこれら既存の機器を使用しなかっ た 3 イベントの概要 3.1 VR イベントの実施場所と日時 実施場所は羽田空港国内線第 2 ターミナル 5F の FLIGHT DECK TOKYO [14] で あ っ た FLIGHT DECK TOKYO は羽田空港を離着陸する飛行機を一 Vol.22, No.4, 2017 望できる展望デッキであり 大きなガラス張りで自然光が 入り 天井が高い広い空間である そのうち 本論文で 報告する VR ハンググライダー パラグライダーイベント で使用した広さは幅 30m 奥行 5m ほどであった 他の スペースでは紙飛行機制作のイベントが行われた VR 用のスペース内には ハンググライダー1 機 パラ グライダー3 機の計 4 機の複数のシミュレータを用意した VR 機材の一部として実物のハンググライダーや(図 2A) パラグライダーのハーネス(図 2B)を配置したほか 背景 として空の写真を印刷した巨大な写真パネル 5400mm 2100mm を設置した これは 他のイベントと連動し たフォトラリーの一部で 体験者がハンググライダーや パラグライダー機器に搭乗して写真を撮影した際に あ たかも実際の空を飛んでいるような写真が撮影できる効 果を狙ったものである これは必ずしも VR 用に設置し たわけではなかったが VR 体験中にこれらのパネルと 一緒に撮影を希望する体験者もいた また 子供が安 全に体験できるようにすることも課題の 1 つであり その ためにベルトパーティションで体験エリアと待機エリアを 区別し,安全対策用に多めに人員を配置した 図 6 実施日時は 2017 年 5 月 3 日 水 5 日 金 の 10 00 17 00 であり GW の集客イベント HANEDA KIDS WEEK 2017 [4]の一環として実施された 3.2 参加者 参加者は飛行機搭乗前後の羽田空港利用者やイベ ント参加が目的で来場した東京周辺在住の家族層であ った(イベント主催者調べ) イベント名に KIDS の文 字が入っていることもあり 体験者の主な年齢層は小学 生低学年程度と同伴した保護者であった 図 6 会場配置図 Fig.6 Venue map 508
中山 鈴木 葭田 : 床上 50 センチの飛行イベント VR はハンググライダー, パラグライダーの普及活動をどう変えたか 表 2 体験の流れ Table.2 Flow of experience 時間 ( 分 ) 項目内容 3~5 受付注意事項を説明 - 同意書に署名させる 1 整理券を配布 1 体験ハーネスを取り付け 3 VR コンテンツの視聴させる 1 ハーネスを取り外し 3 アンケートアンケート協力を依頼 1 パンフレット, 記念品の受渡 3.3 体験の流れの概要体験者には, まず受付で注意事項の説明を行い, 同意書に署名させたうえで整理券を配布した. 体験の順番が来ると, 体験者にはハーネスを着用し踏み台に乗るよう教示し, ハーネスのカラビナをグライダーに吊り下げた. そして, 体験中に気分が悪くなったり, 恐怖を覚えた際にはすぐにスタッフに知らせるよう教示し,VR 体験を開始した.VR 体験の開始時には映像中の再生マークを見つめるよう教示したが, 映像再生中は体験者の好きな方向の景色を見ることが可能であった. 一人当たりの体験時間は交代を含め,4-5 分程度であった ( 表 2). 体験終了後には, アンケートの協力依頼をしたうえで記念品として, ハンググライダー体験の割引券や JHF のパンフレット, ミネラルウォーターを渡した. 4 結果 4.1 観客動員数の推移体験者目線では,VR による体験会は従来の体験会に比べて, 公共交通機関でもアクセスでき, 天気に左右されない屋内で行われるなど, 比較的気軽に訪れることができる ( 表 1). イベント時の天候は曇りでそれほど悪天候ではなかったため, 天候そのものは観客動員数に影響はなさそうであるが, 公共交通機関でアクセス可能な都市部で開催したことは観客動員数に大きく影響したと推察される. また主催者目線では,VR による体験は, 比較的場所を取らず, サポートに高度なフライト技術が不要で, 複数台のシミュレータを同時に稼働させることが可能なため, 体験可能数を大幅に増加することが可能になった ( 表 3). 今回のイベントでは, シミュレータ 4 台を 3 日間稼働させ, 延べ 1159 人が体験した ( 羽田空港調べ ). 従来のものと比較しても, ハンググライダー パラグライダーの普及イベントとしては, 前例のない大規模な体験者数といえる ( 図 7). 従って, 従来の体験会に匹敵するものを都市部で開催することは十分に達成できたといえるだろう. 図 7 当日の様子 Fig.7 Appearance of the event 4.2 参加者から寄せられた感想もともと学術目的で計画されたイベントではないため, 事前に社会科学的な理論や手法に基づく調査 研究の準備はしておらず, 現場で実施されたアンケート調査等は空港のイベント関係者によるもののみが実施された. 参加者のほとんどがハンググライダー未体験だったが, 本当に空を飛んでいるように感じて楽しかった 雲をこんなに近くで見られるなんて驚きだ などの声が聞こえたため, ハンググライダーの魅力が体感されている可能性が推測される. 羽田空港関係者の統計資料によると体験者の満足度は良好であったとある. また, 体験希望者多数につき整理券を配布していた. 4.3 主催者側の感想主催者側の立場にたって, 筆者の一人は当日の模様を自身のブログ [15] で下記のように回想している. 羽田空港ハンググライダー VR イベントを終えて 2017 年 05 月 12 日 20 時 43 分 32 秒テーマ : イベント改めて GW に開催されたイベントを振り返ってみます. 5/3~5 に羽田空港が主催する GW の目玉イベント "HANEDA KIDS WEEK 2017" が開催され, 第一ターミナルはカート体験, 第二ターミナルがスカイスポーツでした. 日本で初めてとなるハンググライダー, パラグライダーの VR 体験.VR( バーチャルリアリティー ) は体験者に特殊なゴーグルを装着してもらい映像を見てもらうわけですが, リアリティーを追及するために, 映像内で使っているグライダーと実際に会場でぶら下がるグライダーを同じにしました. 飛んでいる時の恰好が同じなのはもちろんのこと, サーキュレータで風も送ったりして突き詰めました. VR 映像は僕が実際に飛んで撮影し, 東京工業大学葭田研究室の中山くんが編集して作りました. 体験者がゴーグル越しに見る映像は, 上空からの景 -509-
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 Vol.22, No.4, 2017 表 3 主催者目線の従来の体験会と VR による体験会の比較 Table.3 Comparison of tandem, towing and VR from the organizers view 体験の種類 タンデムフライト ( 図 4) トーイング ( 図 5) VR ( 図 1) 考慮すべき点 条件 評価 条件 評価 条件 評価 実施可能場所 屋外 屋外 屋外でも屋内でも可 天気の制約 風向, 降雨 雨天不可 なし 体験に必要なスペース 山 30m 80m 3m 3m 観客動員規模 ( 体験システム 1 台当たり ) 5 人 / 日 台数 40 人 / 日 台数 100 人 / 日 台数 1 イベントの最大台数 2 機 3 機 上限なし サポートスタッフが要す不要 ( 簡易レクチャ必要 必要 る高度なフライト技術ーのみ ) 色そのもの. 右を向けば右に広がる景色が見えるし, 下を見れば地面が遠くに見える. 上を見ればグライダーの翼が見える. ハンググライダーの大きな魅力のひとつである触れるくらい近い場所から雲を見ることができる. まさにハンググライダーに乗って上空からの景色を堪能できるのです. 体験してくれたお子さんはもちろんのこと, 大人の方 ベントと比較してなぜどのような側面に手ごたえを感じているのか, 認知科学や設計領域の言葉に直接掘り下げられることばかりではないため, これらの短い文言のみに頼って本イベントに関して科学的 客観的事実を導きだすことは容易ではない. しかし,VR を用いた普及イベントが, 従来にない何か直観的な形で主催者の感情や感覚に訴えたことがこれらから推察される. も うわ~ とか すご~い などと声を漏らし, スゴイ楽し 4.4 今後の技術的課題んでもらえました. ここ数年で 360 度カメラが低価格化したことで, スポー VR という最新技術への興味で体験したとしても, ハンツ選手に 360 度カメラを装着すること自体は珍しくなくなググライダーの魅力を伝えられる. これは新しい普及のってきた. 一方, そのコンテンツや配給方法が特定のニ方法かも! ーズを満たすかという議論と併せて, 今後映像の激しい今回のイベントでは 3 日間でなんとハング パラ含めぶれなど視聴者の快適性を損ねる使われ方や,360 度て 1160 人もの方に体験してもらいました. 体験してくれ映像として視聴する価値 必然性がないものが淘汰された方には JHF のパンフレットをお渡ししたので, ハング ていく可能性は想定されうる. 今回作成した VR では, コパラへの理解も深まる. ハンググライダーを始めて 16 年. ンテンツ録画の段階で, スタビライザなしでも映像が比こんな大きなイベントは過去になかったと思います. 較的安定するように心がけた. その意味で, 視聴者の快 ( 以下略 ) 適性を損ねるような映像の揺れは少ない. そのほか, VR 体験者の身体が飛行用の機具で拘束されることで, 新しい普及の方法かも! の一言に象徴されるよう頭の並進運動が制限されるため, 体験者の頭部位置がに, これらの文面からは, これまで実世界におけるスポあまり大きくは移動しない. したがって, 撮影時のカメラーツ普及に努めてきた主催者が,VR 利用によって新しの視点位置と体験者の視点位置が大きく離れにくい. こいスポーツ普及の手法を感じた手ごたえが推察される. れは, コンテンツ内に映りこんでいる飛行用機材と体験 JHF のハングパラ振興委員会委員長の井上潔氏は者の身体や頭部の相対的な位置関係も実際の飛行場後に私信で下記のようにコメントしている. 面と大きく変化しないという意味で,VR 体験の違和感を 軽減する上では都合が良い. 即ち, 今回作成したシス自身もイベントの終了後に体験させてもらいましたが, テムでは,360 度映像を一人称視点のように感じさせる自身でも飛んでおり, また VR を頭で知っているのと実視聴に適した姿勢が体験中維持されるといえる. その意際に体験してみることの大差を感じた次第です. 間違い味で, 今回製作されたシステムは 360 度映像の特性やなく, このスポーツの周知普及を図る上で重要なツール用途に適したものと評価される. の一つになると肌で感じた次第です. 今回のイベントでは映像が粗くみえるという声が多く 聞こえた. コンテンツの撮影に使用した 360 度カメラここからも, イベント主催者側が VR を使った普及イベ (THETA S) は全天球で Full HD(1920 1080) 画質でントから何らかの言葉にならない手ごたえを感じた様子ある. したがって HMD (Oculus Rift CV1 ) の解像度よが推察される. これら主催者側の文言は, これまでのイりも見ている視野の映像の解像度が低くなるため, フル -510-
中山 鈴木 葭田 : 床上 50 センチの飛行イベント VR はハンググライダー, パラグライダーの普及活動をどう変えたか CG のコンテンツに比べて, 映像の精細さが劣る. 今後, より視覚の臨場感を高めるためには, カメラ性能の向上に伴った映像の解像度の増加も必要になるだろう. また, 体性感覚の臨場感をあげるためには, サーキュレータによる風を一定ではなく, 映像と連動するように制御することや, 高度による温度変化を再現し温熱感覚を付加することや, 旋回の際にシミュレータ自体を傾けることなどの工夫を加えることが考えられる. 一方, フライヤーからは, 飛行中の風はそれ程意識したことがないという主観報告もあるため, 今後ベクションと風など, 視覚と触覚のマルチモーダルな基礎研究の知見 [5][6] も踏まえつつ, このような場合の臨場感や没入感の研究がどのように設計されうるかは検証を重ねていきたい. フライヤー側の主張としては, 現実に即したフライト体験をこのようなイベントを通じて提供することが大切であると考えている. そう考えると, 将来的な展望の一つとして, 任意の 3 次元空間を 360 度撮影をしておくことができれば, 体験者自身の意思で自由に飛行コースを定めることができ, 今回作成したものより現実のフライトに近づけることが技術的には可能になると予想される. しかし, 現状の技術では何度もフライトし網羅的に撮影する手段があるが, これを安価に達成することは困難であるため, 今回は, 事前に録画した映像を追体験する形になっていた. ゆくゆくは衛星画像と CG の組み合わせによりそれを疑似的に再現している Google Earth [16] のようなサービスを利用することで, この問題を今後カバーすることへの期待は高い. このように, 自由な場所を自由な時間に飛べるようになると, トレーニング用途にも応用ができる. 現在, 実際のハンググライダーは, 日照時間の制約や機体の組み立て, 分解, 着陸地から離陸地までの移動時間などの制約から, 一日に何回も飛行することは困難である. そのため, トレーニング用途でも体験者自身がコントロール可能なシミュレータが制作できれば, 将来的には都内や夜間でもスクールが可能になり, 自宅でもトレーニングができる環境が見込まれる. ハンググライダーを楽しむにあたって要求される能力として高度感覚があげられるが, 日常生活において人間は, 上下移動という感覚をあまり要求されない. そのため, 計器類に頼らない高度感覚は, 通常はある程度訓練を積むまで垂直距離が大きく見積もられるようである [17]. 本来人間が地上で持っていない, あるいは使う必要があまりない能力が上空では要請されるのだが, このようなトレーニングシステムが完成した時に, 例えば, 高度感覚に関して, これまで既知のセンサ類に頼った高度感覚とは別の, より直観的で感覚的な高度感覚や, それに根差した 3 次元空間把握能力や重力方向感覚が人間に新たに芽生え, スポーツの楽しみ方や競技方法そのものを変化させうるかどうかは将来的に興味があ るところである. 4.5 今後の社会的課題現在,HMD を販売している Oculus 社は HMD の対象年齢を 13 歳以上としている [7].HMD を用いた両眼立体視が視覚機能の発達に影響を及ぼすのではないかという議論もあるため [18][19][20], 今回のイベントでは単眼の簡易 VR のハコスコ を用いるなどして年齢制限の緩和に努めたが,VR イベントを行う上で 12 歳以下の子供の扱いに関しては,VR 機器の安全性や発達過程に及ぼす影響に関する科学的検証を待ちながら, 当面の課題である. なお, 子どもにとっては, 何かにぶら下がること自体が十分面白くこれだけでも遊べるため, ぶら下がった上にあるはずのパラグライダーまで思いが至らなかった可能性は否定できない. それに対して, ハンググライダーの方は本物のグライダーにぶら下がるため, ハンググライダーに乗っているという印象はパラグライダーと比較すると強まったのではと推察される. 今回 13 歳未満の子の HMD にはハコスコ を用いたが,Oculus との差分は特に不満の対象とはならなかった.13 歳未満の子に対しては映像の画質よりも頭部運動に応じた映像提示がなされることやコンテンツそのものの良さが HMD による映像のクオリティの差を凌駕しているものと推察される. なお, フライトに対する恐怖感に関しては, 高所からの落下を心配しなくて良いため VR ならやってみたいという声と, 高所を想像するだけで怖そうだから VR でもやりたくないという声の両方が聞こえてきている. 過去経験などこれらの反応の違いの背後にある要因については引き続き検討が必要である. このようなイベントでは, 殆どの参加者は実際に飛んだ経験がないので, 現実体験と仮想体験の差分が分からないため, それが全体的に今回製作されたシステムへの好印象につながっている可能性は否定できない. それに関しても引き続き検討が必要である. 最後に, 今回のイベント形式では, 参加者が VR そのものの目新しさと, スカイスポーツの魅力のどちらに惹かれて参加してきたのかは不分離な側面が多い. 今後はイベントの回数を重ね, 体験者の数を増やしながら, そこでの体験者の感想や動向をスマートに調査する手法を確立することで, このような体験イベントが参加者の VR そのものではなく, スカイスポーツに対する感想や取組を変化させたかどうか調査すると同時に, このような VR によるスポーツイベント一般が参加者にどのようなインパクトを与えうるのか, 正負の両面に渡って詳細に検証する過程が待たれる. いずれにせよ, 今回はハンググライダー, パラグライダーを体験している者からみて, 魅力的と感じられる部 -511-
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 分を 気軽な方法で首都圏で大人数に伝達することが できた これが今後 実際にハンググライダーやパラグ ライダーの利用者数増加や 彼らの郊外のフライトエリ アへの観光を含めた誘導にどの程度寄与するかは 今 後の動向を見守っていきたい 謝辞 本論文の執筆にあたり ご協力いただきました 公益 社団法人日本ハング パラグライディング連盟 JHF の 会長内田孝也様 ハングパラ振興委員会委員長井上 潔様および関係者の皆様に深く感謝いたします また 資料公開を快く引き受けていただきました 羽田空港関 係者様 論文執筆に際し様々なアドバイスをいただきま した 東京工業大学葭田研究室菊江佳世子様 田島大 輔様 神谷聖耶様に心より感謝申し上げます 本研究の一部は独立行政法人科学技術振興機構 JST の研究成果展開事業 センター オブ イノベーシ ョン COI プログラム の支援によって行いました 参考文献 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] 一般財団法人日本航空協会 第 24 回 航空スポーツ教 室 スカイ キッズ プログラム http://www.aero.or.jp/koku_sports/skykids/skykid201110 22.htm,(参照 2017-06-05). Oculus https://www.oculus.com/,(参照 2017-06-05). ハコスコ https://hacosco.com/,(参照 2017-06-05). HANEDA KIDS WEEK 2017 http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/files/whats_new/936 _0419_0425.pdf,(参照 2017-06-05). Seno, T., et al. :Consistent air flow to the face facilitates vection.; Perception 40.10: 1237-1240. (2011) Seno, T., Funatsu, F., and S, Palmisano.:Virtual swimming breaststroke body movements facilitate vection.; Multisensory research 26.3: 267-275. (2013) Oculus ベストプラクティス http://static.oculus.com/documentation/pdfs/ja-jp/intro-vr/ latest/bp.pdf,(参照 2017-06-05). 妹尾武治 効率的なベクション駆動に関する知見と脳イ メージング研究から得られたベクションの知見の VR コ ンテンツへの活用可能性 日本バーチャルリアリティ学 会論文誌 14.4 481-490. (2009): TE VR ハンググライダー http://www.te.com/jpn-ja/videos/corporate/vr-hang-glider. html,(参照 2017-06-05). 任天堂 パイロットウィングス https://www.nintendo.co.jp/n02/shvc/pw/,( 参 照 2017-06-05). ナムコ GO VACATION http://govacation.namco-ch.net/,(参照 2017-06-05). ハングパイロット http://bcaweb.bai.ne.jp/miyooo/hangpilot.html,( 参 照 2017-06-05). Soares, Luciano P., et al Virtual hang-gliding over Rio de Vol.22, No.4, 2017 Janeiro. SIGGRAPH Emerging Technologies. 2005. [14] 羽田空港国内線ターミナル FLGHT DECK TOKYO http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/service_facilities/vie w_deck/,(参照 2017-06-05). [15] 鈴木由路の ハンググライダーの魅力を伝えたい http://ameblo.jp/freeroad-sky/entry-12274079604.html,( 参照 2017-06-05). [16] Google Earth : https://www.google.co.jp/intl/ja/earth/,(参照 2017-06-05). [17] S, Jeanine K., and D, R. Proffitt. The roles of altitude and fear in the perception of height. Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance 35.2: 424. (2009) [18] HMD を中心とした没入型映像システムに関する戦略策 定報告書 http://www.dcaj.or.jp/news/2017/04/post-44.html,( 参 照 2017-06-05). [19] VR と年齢制限について http://qiita.com/shigekzishihara/items/040ff975a91d31e8 837a,(参照 2017-06-05). [20] VR ヘッドセットの対象年齢設定状況と小児利用による 斜視のリスク http://entamevr.com/target-age-and-squint-eye,( 参 照 2017-06-05). (2017 年 6 月 12 日受付) 512 [著者紹介] 中山 拓哉 非会員 2017 年東京工業大学工学部学士課 程修了 同年同大学大学院に進学 現 在に至る 仮想現実および拡張現実に 関する研究に従事 JHF ハンググライ ダーパイロット証保有 2016 年度日本 学生フライヤー連盟 JSFF 理事長 鈴木 由路 非会員 プロハンググライダー選手.2001 年 にハンググライダーを始め,2007 年か ら 2017 年現在も日本代表選手として 世界選手権に出場.2011 年より本格的 に普及活動にも力を注ぎ,テレビや映 画にも多数出演する他,講演活動やイベント,体験会等 も実施.日本ハング パラグライディング連盟 JHF ハ ンググライダー競技委員.公認インストラクター 葭田 貴子 正会員 2004 年京都大学大学院文学研究科行 動文化学類行動文化学科心理学専攻博 士課程修了 ハーバード大学心理学部 オックスフォード大学心理学部等を経 て現職 ヒトの能動的探索行動と視覚 触感の関連の研究に従事 博士(文学)