千葉大学フォーミュラプロジェクト 2006 年度活動報告
1. 第 4 回全日本学生フォーミュラ大会結果 初めに 今回の大会結果の報告をさせていただきます 第 4 回全日本学生フォーミュラ大会は 9 月 13 日より 16 日までの4 日間開催され 50 チームが参加しました ( エントリーは 52 チーム ) メンバー一同健闘し 千葉大学フォーミュラプロジェクト (CUFP) の総合順位は 10 位という成績となりました 参加二年目のチームの中では 1 位の好成績であり 大会前目標としていた総合成績 10 位以内にくい込むことができました 具体的な競技内容は 別紙表にに示す通りです 競技には実際に車両を走行させて競う動的競技と 車両のコンセプト設計などを競う静的競技があります またこれとは別に動的競技で車両を走らせるためには車検に合格しレギュレーションに沿った十分安全な車両であることを示さなければなりません 我々 千葉大学フォーミュラープロジェクトの獲得した得点 車両参加校の順位についてまとめたものも別紙表に示します 競技別に見ると もっとも配点の高いエンデュランス ( 耐久走行 ) で高得点をあげることができ エンデュランスの順位は 6 位と健闘しました 私たちは車両製作のコンセプトに Calm and Zeal を掲げて車両づくりに取り組んできました この意味は 冷静と情熱 信頼性を損なうことなく運動性能の高い車両を作るのが我々の目標でした 車両の耐久性と運動性能の両方が試される耐久走行で高得点をあげられたことは私たちが掲げていたコンセプト通りの車両を作ることができた証だと思っております 逆に反省点と致しましては 車両完成の遅れから静的競技 ( コスト プレゼンテーション 設計 ) に十分な準備ができず 静的競技では思うように得点をあげることができませんでした 特に設計では他のライバル大学に負けないような設計をしている自信がありましたが 準備不足から審査時に十分なアピールを審査員にできなかったのが悔やまれます 来年度は今年度の成績に満足することなく より高得点を獲得できるよう取り組んで参ります
静的競技う [ 75 ] 動的競技学生フォーミュラー大会競技内容 競技種目競技概要 [ 配点 ] 車両の安全 設計要件の適合 ドライバーの 5 秒以内脱出 ブレーキ試験 (4 輪ロック ) 騒音試験 ( 所 車検 定の条件で排気音 110dB 以下 ) チルトテーブル試験 ( 車両 45 度傾斜で燃料漏れ無し ドライバー乗 車し車両 60 度傾斜で転覆しない ) [ 0 ] コスト プレゼンテーション 設計 予算とコストは 生産活動を行うにあたって考慮しなければならない重要な要素であることを参加者に学ばせることが狙い 車両製造の制約は所定の上限コスト以下 車両を見ながら事前に提出したコストレポートのコスト精度 チームによる製造度合等を確認し レポートのコストと車両との適合を審査する 一般に購入品目となる 2 項目について 部品製造プロセスなどの口頭試問を行い それらの知識 理解度を評価する [ 100 ] 学生のプレゼンテーション能力を評価することが狙い プレゼンテーションは 競技のコンセプトに沿い 製造会社の役員に設計上の優れていることを確信させる という仮想のシチュエーションのもとで行事前に提出した設計資料と車両をもとに どのような技術を採用し どのような工夫をしているか またその採用した技術が市場性のある妥当なものかを評価する 具体的には 車体および構成部品の設計の適切さ 革新性 加工性 補修性 組立性などについて口頭試問する [ 150 ] アクセラレーション 0-75m 加速 各チーム 2 名のドライバーがそれぞれ 2 回 計 4 回走行し タイムを競う [75] スキッドパッド オートクロス エンデュランス 8の字コースによるコーナリング性能評価 各チーム 2 名のドライバーがそれぞれ 2 回 計 4 回走行し タイムを競う [ 50 ] 直線 ターン スラローム シケインなどによる約 800mのコースを 2 周走行する 各チーム 2 名のドライバーがそれぞれ 2 回 計 4 回走行し タイムを競う [ 150 ] 直線 ターン スラローム シケインなどによる約 800m の周回路を約 24 周する 走行時間によって車の全体性能と信頼性を評価する [ 350 ] 燃費耐久走行時の燃料消費量で評価する [ 50 ] 合計 [1000] 千葉大学得点内容 静的競技 動的競技 競技獲得得点 / 配点順位 コスト 51.6/100 29 位 プレゼンテーション 43.5/75 24 位 デザイン 105/150 21 位 アクセラレーション 48.19/75 12 位 スキッドパッド 0/50 25 位 オートクロス 112.6/150 11 位 エンデュランス 燃費 316.83/400 6 位 総合 677.6 10 位
総合順位 順位 学校名 ポイント 順位 学校名 ポイント 1 位 上智大学 850.5 26 位 University of Ulsan 317.7 2 位 名古屋大学 804.5 27 位 信州大学 309.4 3 位 University of Michigan - Ann Arbor 792.1 28 位神戸大学 283.6 4 位 東京電機大学 767.7 29 位 茨城大学 280.4 5 位 宇都宮大学 765.3 30 位 早稲田大学 280.2 6 位 立命館大学 747.7 31 位 慶應義塾大学 276.3 7 位 日本大学理工学部 744.3 32 位 ホンダテクニカルカレッジ関東 274.6 8 位 東京大学 733 33 位 大阪大学 249.5 9 位 国士舘大学 680.9 34 位 同志社大学 238.6 10 位 千葉大学 677.6 35 位 大同工業大学 229.2 11 位 金沢大学 672.4 36 位 静岡理工科大学 204.1 12 位 横浜国立大学 597.9 37 位 名城大学 201.2 13 位 静岡大学 553.2 38 位 千葉工業大学 190.2 14 位 京都大学 534.1 39 位 東京農工大学 181.7 15 位 武蔵工業大学 524.1 40 位 東海大学 172.3 16 位 大阪市立大学 487.4 41 位 九州工業大学 160.7 17 位 名古屋工業大学 466.8 42 位 明星大学 156.9 18 位 岡山大学 444.5 43 位 高知工科大学 153.7 19 位 Korea University of Technology and Education 434 44 位福井工業大学 102.2 20 位東京理科大学 433 45 位 Southern Taiwan University of Technology 84.9 21 位 芝浦工業大学 393.5 46 位 ものつくり大学 81.2 22 位 神奈川工科大学 377.8 47 位 豊橋技術科学大学 75.9 23 位 首都大学東京 370.1 48 位 福井大学 72.7 24 位 工学院大学 335.5 49 位 日本大学生産工学部 55.4 25 位 近畿大学理工学部 ( 大阪 ) 319.2 50 位 岐阜大学 5.8
大会中の写真を掲載します 大会は雨が降ったり止んだりの生憎の天候でしたが 全国 から集まった学生が自ら設計製作した車両の性能を競いました (より詳細な大会中の様子 につきましてはチームホームページ http://www.chiba-formula.com/に掲載しております) 車検風景 チルト検査 アクセラレーション プレゼンテーション オートクロス オートクロス アクセラレーション エンデュランス エンデュランス
2.2006 年度千葉大学フォーミュラープロジェクト開発車両について 2005 年度の第三回大会を振り返り 耐久走行で強豪校が次々とリタイヤする様子をみて我々が 2006 年度の車両の開発コンセプトとして掲げたのが Calm and Zeal というコンセプトです この 冷静と情熱 という意味のコンセプトの元 運動性能と信頼性を高次元で併せ持つ車両の製作を目指し 2006 年度車両 チフ 206 を開発に取り組みました 運動性能の面では オイルパンを加工しエンジンの搭載位置の 70mm 低下 二輪車用ブレーキシステムの採用などにより各バネ下の 5kg 以上の軽量化 また燃料噴射のセッティングによりエンジン出力は 1.5 倍とすることに成功しました さらに各パーツの目標重量を定め慣性重量と左右前後重量配分を考えレイアウトすることにより前後重量配分 50:50 左右重量配分も 50:50 の理想の重量配分を持つマシンとすることができました 信頼性の部分では 各パーツは安全率 3 を目指して設計を行い車両走行中にパーツが破壊することがないように努め 特にトラブルが多い冷却関係には耐久走行を完走するために特に注意し ラヂエターの搭載角度やファンの個数 導風板の形状などを変更し走行テストを重ねることで最適な条件を導き出すことに成功しました さらに余裕のあるドライバースペースや剛性感のある操作系をあわせもたせドライバーが確実に車両をチェッカーへと導ける車両へと仕上げたのが 2006 年度車両 チフ 206 です 2006 年度車両型式チフ 206
チフ 206 車両設計 CAD 図面 チフ 206 SPEC フレーム スチールスペースフレーム ホイールベース 1700mm 車両重量 245Kg エンジン HONDA CBR600RR 排気量 599cc 最高出力 75ps/11000rpm 最大トルク 7.2kg m/9000rpm トランスミッション 6 速マニュアル & F.C.C.ATV 用機械式 LSD ブレーキ フロント :2outboard リア :1inboard& NISSIN キャリパー サスペンション プルロッド式不等長 非平行ダブルウィッシュボーン ショック KOWA ZEST マウンテンバイク用 ホイール & タイヤ RAYS TE3713inch& BRIDGESTONE180/510R13
理想の重量配分 左右に新宿ラヂエター研究所様に加工していただいた小型ラヂエターをドライバーの両側部に装備することにより 重量の重いパーツを左右に振り分け左右 50:50 の理想の重量配分を実現しました また前後搭載位置も前方に搭載し 前後の重量配分も理想的な 50:50 になっています 高回転高出力型エンジン 本田技研工業社様製の CBR600RR 用のエンジンに 自作のインテークマニホールド サージタンク エキゾーストマニホールドを装備します 高回転よりに設計した吸気系により セッティングを煮詰めることによりφ20 のリストリクター装備時に 11000rpm で 75 馬力のパワーを出力することに成功しました ロングホイールベース ワイドトレッド ホイールベース 1700mm 前後トレッド 1250mmという 学生フォーミュラー車両としてはともに長めのホイールベース & トレッドに設計し 安定して高速で旋回が行えるような車両に仕上げてあります
ハンドリングに集中できる操作系 ドライバーが車両の実力を発揮するためには 操作しやすい操作系でなければなりません 左にパドルクラッチ ( ほぼ発進時のみ使用 ) 右にコラムシフト ペダルはアクセル ブレーキの 2 ペダルとしドライバーがハンドルを放さずにドライビングできるような操作系としました メーターもパワーバンドの周辺回転数のみを LED で表示しドライバーがドライビングに集中できるようになっています 信頼性の高い駆動系 デフマウントをフレームに溶接し ベアリングホルダーにシムを噛ませチェーンテンションの調整を行います デフマウントをフレームに溶接しシムテンション調整式を採用したことにより昨年度の車両でアキレス腱となっていたデフの固定にかかわるトラブルを解消しました ここで紹介したデフなど各部回転部の軸受けには日本精工社様製のベアリングを用いております 再利用を意識した車両づくり 多くのレーシングカーにおいてカウルは FRP( 繊維強化プラスティック ) によって作製されていますが FRP は再利用が難しく 排気処分も困難な材料です そこで我々はリサイクル性の高いアルミニウムを用いてカウルを作製しました 肉厚 0.4mm の極薄アルミニウム板を用い重量も下手に FRP で作製するよりも軽量なカウルとなりました
3. 車両開発の流れ設計 CAD を用いて各種パーツの設計を行いました 設計を始めるに当たってパッケージング会議を何度も行いマシンの方向性を決定します 各部品の設計がある程度進むと解析を行い 最適な形状になるよう進めていきます メンバー同士で設計案を出し合い話し合ったり 製図や解析を行うのに深夜まで学校に残る事もしばしばありました フレームに関しては設計がひと段落したところでモックを製作し エンジン 人間が正しい位置に配置できているかの確認を行い その後さらに設計を煮詰めていきました また 今年は車両がクラッシュした際に衝撃エネルギーを吸収する部分であるインパクトアッテネーターの圧縮試験を行いエネルギー吸収についてのデータ収集を行いました パソコンに向かってフレームの図面を描く 2006 年度リーダー インパクトアッテネータの性能試験 製作 設計が終了すると その図面を元に部品の製作を進めていきます 今年度は茂木ドリーム工房にてフレーム合宿を開いていただきホンダマイスタークラブの皆様に指導を受けな
がらフレームの製作 ( 溶接 ) を行いました ものづくりの基礎的なことをフレームの製作を通して学ぶ貴重な経験をすることができました フレーム完成後にはその他の部品も製作していきます 製作するものによっては部品同士が干渉してしまうといったトラブルが起きてしまい 設計の見直しを行う場合もありました また今年はエキゾーストマニホールドの製作やオイルパン加工など昨年度は行なわなかった初めての作業が多く試行錯誤が続きましたが メンバーの努力により解決されていきました ツインリンクもてぎドリーム工房にてフレームの溶接中 製作途中のエキゾーストマニホールド
マシン完成 ~ 走行 フレーム完成から 4 ヶ月ほど経ってしまいましたが 8 月上旬に ついにマシンが走れる状態になりました 最初のうちは足回りのセッティングが出ていなかったためコーナリング時のスピードが上がらず コーナーでは不安定なマシンでしたが 2 回ほどジムカーナ場でテスト走行を行い様々なセッティングを試した結果 全くと言っていいほど違うマシンになり運動性能が大きく向上させることができました また冷却系についてもラヂエターのマウント位置や導風板の形状などをテストすることができ安定した冷却性能を兼ね備える車両として大会に臨むことができました テスト走行風景 - ツインリンクもてぎにて テスト走行風景 - 浅間台スポーツランドにて
支出額支出額総計 1,516,239 収入額スポンサー様よりご支援 167,100 4. 収支報告 チームの一年間の収支状況について報告させていただきます 去年の反省を踏まえ 節約するべきところ節約し支出を昨年度より大幅に減らすことができました 多くの方より資金や物資のご支援 ご協力をいただき 無事この一年間の活動を終えることができました 来年度はより綿密な予算計画を立てていこうと考えています 項目 金額 大会 試走会など イベント参加費 233,130 保険料 192,998 宿泊費 80,280 積車レンタル費 152,025 その他 13,180 遠征費小計 671,613 備品購入費 14,212 運営費 37,718 05 年活動借金返済 52,477 運営小計 104,407 鉄鋼 アルミなど材料購入費 234,542 車両パーツ購入費 415,486 工具購入費 90,191 車両制作費小計 740,219 項目 金額 部費 ( 一人月 5000 円 ) 1,300,000 メンバー負担金小計 1,300,000 CUFP OB より支援 70,000 千葉大学 OB よりご支援 82,815 収入額総計 1,537,100 収支 20,861
5. 来年度の活動方針 CUFP では 既に次期リーダーが決定し 来年度の大会に向けて活動を開始しています 新しいプロジェクトリーダーは 工学部電子機械工学科 3 年福田雄太に決定しました 新体制のチームの下 来年度はより一層の軽量化と低重心化を図るため 全パーツについて軽量化できる部位の検討しているところです 細かな部品についても解析を行い最適化することで軽量化と低重心化により運動性能を高めることができます その他にも 今年の動的種目の様子からドライバーの習熟度も重要であると感じました そこで来年度はドライバーの育成にも重点をおき 車両の完成を早めることで走行できる期間を十分設けたいと考えています また 今年は車両完成が遅れてしまったことから静的種目への準備が十分にできず 思うような得点が得られませんでした 来年度は車両の完成を早めて静的種目への対策をし 高得点を狙っていきたいと思います 加えて チームの運営面においては 広報活動に力をいれていく予定です 千葉大学が総合大学であるという特性を活かせば 活動により広がりをもたせていくことも可能です 11 月初めに行われる大学祭にも出展し 学生や一般のお客様を前に試走を行う予定です 今年度の経験を通して 参加メンバーはモノづくりの楽しさや難しさ プロジェクトの運 営など たいへん多くのことを学ぶことができました 来年度も今年度の成績に甘んじる ことなく より高い成績を目指して日々精進してまいります
5. 謝辞 今年度 私たち千葉大学フォーミュラープロジェクトの活動は以下の企業 団体様よりご支援いただき車両の開発を行うことができました また 普段ガレージを使わせていただいき 車両試走のために駐車場を使用させていただいた千葉大学工学部 車両製作のために工作機械を使用させていただいた千葉大学機会実習工場の皆様 多大なご支援をいただいたことに 心よりお礼申し上げます ( 順不同 敬称略 ) 本田技研工業 ブリヂストン 日本精工 関東ヂーゼル サイバネットシステム NTN 葵不動産 日信工業 エフ シー シー 新宿ラヂエター研究所 興和製作所 レイズ ハイレックスコーポレーション スパゲッティ専門店壁の穴西千葉店 みどり台歯科クリニック 個人スポンサーの皆様 ( 順不同 ) 斉藤晴朗様 海崎卓也様 斉藤啓輔様千葉大学工学部 OB 鈴木正様 遠藤順一郎様 東方洋雄様 千葉大学工学部材料加工学研究室 OB の皆様 千葉大学フォーミュラープロジェクト OB 北原雅之様 田中豪様 荒井俊行様 眞島薫様 渡辺和様 田中洵介様
来年度もメンバー一同 全力で活動に取り組んでいきます 今後とも何卒 ご支援のほど宜しくお願い申し上げます チームホームページ http://www.chiba-formula.com/