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第 2 問問題のねらい青年期と自己の形成の課題について, アイデンティティや防衛機制に関する概念や理論等を活用して, 進路決定や日常生活の葛藤について考察する力を問うとともに, 日本及び世界の宗教や文化をとらえる上で大切な知識や考え方についての理解を問う ( 夏休みの課題として複数のテーマについて調

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(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

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必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

第4章 道徳

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

基礎を育てることを主なねらいとしている 現在 地方自治体を取り巻く状況は 少子高齢化 情報化 グローバル化 経済の変動などによ り急速に変化している また 地方分権を推進する法律がつくられ 各地方自治体は 財政の健全 化や組織の改編 市町村合併等の新しい枠組みづくりに取り組んでいる さらに 子育て支

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第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

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2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

イ 各科目の特徴 < 公共 > 公共の目標 人間と社会の在り方についての見方 考え方を働かせ 現代の諸課題を追究したり解決したりする活動を通して 広い視野に立ち グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の有為な形成者に必要な公民としての資質 能力を次のとおり育成することを目

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

福祉科の指導法 単位数履修方法配当年次 4 R 2 年以上 科目コード EC3704 担当教員佐藤暢芳 ( 上 ) 赤塚俊治 ( 下 ) 2017 年 11 月 20 日までに履修登録し,2019 年 3 月までに単位修得してください 2014 年度までの入学者が履修登録可能です 科目の内容 福祉科

資料2 消費者教育について 教育委員会

社会科学習指導案 横浜市立いぶき野小学校 指導者 後藤覚洋 1 単元名暮らしの中の政治 2 日時平成 28 年 1 月 27 日 ( 水 ) 5 校時 3 学年 組第 6 学年 1 組 40 名 4 単元目標身近な地域で行われている施策や国や地方公共団体のはたらきとしくみについて調べ, 政治は, 国

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

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(4) 特別の教科道徳 としての位置付け平成 26 年 10 月 21 日に中央教育審議会は 道徳に係る教育課程の改善等について を答申 道徳の時間を 特別の教科道徳 ( 仮称 ) として位置付け 検定教科書を導入することなどを提言 中央教育審議会答申の概要 ( 平成 26 年 10 月 ) 1 道

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公民

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

基礎 基本の定着 習得すべき基礎 基本について 基本的人権の考え方や個人の尊重, 法の下の平等の原理についての理解 平等権をめぐる現代社会の諸課題とそれらに対する法整備の理解 自由権の種類とその内容の理解 社会権の種類とその内容の理解 参政権と請求権の種類とその内容の理解 公共の福祉と国民の義務の理

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

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第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

商業科 ( 情報類型 ) で学習する商業科目 学年 単位 科目名 ( 単位数 ) 1 11 ビジネス基礎 (2) 簿記(3) 情報処理(3) ビジネス情報(2) 長商デパート(1) 財務会計 Ⅰ(2) 原価計算(2) ビジネス情報(2) マーケティング(2) 9 2 長商デパート (1) 3 プログ

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求められる整理編

(2) あなたは選挙権年齢が 18 歳以上 に引き下げられたことに 賛成ですか 反対ですか 年齢ごとにバラツキはあるものの概ね 4 割超の人は好意的に受け止めている ここでも 18 歳の選択率が最も高く 5 割を超えている (52.4%) ただ 全体の 1/3 は わからない と答えている 選択肢や

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・構成の異なる集団での活動を通して、生徒が学校生活を送る上での基盤となる力や社会で生きて働く力を育む活動として機能してき

2、協同的探究学習について

教科 : 公 民 科目 : 現代社会 学習指導要領 スタンダード 基礎 スタンダード 応用 スタンダード 発展 イ 現代の民主政治と政治参加の意義 社会契約説の基本的な考え方を理解し 民主政治 ホッブズ ロック ルソーのそれぞれの考え方の 社会契約説の内容を 絶対王政や市民革命と関連 基本的人権の保

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人間科学部専攻科目 スポーツ行政学 の一部において オリンピックに関する講義を行った 我が国の体育 スポーツ行政の仕組みとスポーツ振興施策について スポーツ基本法 や スポーツ基本計画 等をもとに理解を深めるとともに 国民のスポーツ実施状況やスポーツ施設の現状等についてスポーツ行政の在り方について理

鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

り込んで獲得するものではなく 探究の過程を通して 自分自身で取捨 選択し 整理し 既にもっている知識や体験と結び付けながら 構造化され 身に付けていくものである そして こうした過程を経て獲得された知識は 実社会 実生活における様々な課題の解決に活用可能な生きて働く知識 すなわち概念として形成されて

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授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

Microsoft Word - aglo00003.学力の三要素

自己決定の場を設定する 自己存在感を持たせる 共感的な人間関係を育成する準備活動のどの場面で どの子どもを生かすのか 見通しを持って授業に臨む 導入の場面する 深める場面り返りの場面2 確かな学力の育成 複雑で変化の激しい現代社会に子どもたちが主体的に関わり よりよい社会を創造していくためには 一人

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

幼児期の教育と小学校教育との円滑な接続の在り方について ( 報告 ) ( 概要 ) 子どもの発達や学びの連続性を踏まえた幼児期の教育 ( 幼稚園 保育所 認定こども園における教育 ) と児童期の教育 ( 小学校における教育 ) の円滑な接続の在り方について検討し 以下のとおり 報告をとりまとめた 1

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

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教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

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高等学校学習指導要領解説 総則編

エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

県立学校職員 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 15 条の2 第 1 項第 5 号の規定に基づき 山形県教育委員会における職員 ( 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) 第 7 条に規定する校長及び教員等 ) の標準職務遂行

Transcription:

副教材の活用に当たっ6 副教材の活用に当たって て1 副教材作成の背景平成 27 年 6 月 17 日に公職選挙法等の一部を改正する法律が成立し,6 月 19 日に公布 された 改正法の成立に伴い, 公職の選挙の選挙権を有する者の年齢が満 18 歳以上に引き下げられ, 公布の日から起算して1 年を経過した日 ( 平成 28 年 6 月 19 日 ) 後に行われる国政選挙の公示日以後に公示 告示される選挙から, 満 18 歳以上の者が選挙権を有することとされた ( 地方議会選挙や首長選挙等も同様である ) 今回の法改正によって, 高等学校に在学する生徒が, 在学中に満 18 歳を迎え選挙権を得ることで, 生徒の中に満 18 歳以上の選挙権を有する者と満 18 歳未満の選挙権を有さない者とが混在することとなることを十分認識し, 高等学校に在学する全ての生徒に, これまで以上に組織的に公民としての資質を育む指導を行うことが, 学校として求められる 高校生が身に付けることが期待される公民としての知識や能力とはどのようなものかについて, 今回の法律案が審議された国会においても議論がなされたが, 特に, 1 現実の具体的政治事象を取り扱うことによる政治的教養の育成 ( 留意点 1) 2 違法な選挙運動を行うことがないような選挙制度の理解 ( 留意点 2) を図ることが期待されている

1 たって現在, 小 中 高等学校においては, 学習指導要領に基づき, 児童生徒の発達の段階に 応じて, 憲法や選挙, 政治参加に関する教育が行われている 副具体的には小学校, 中学校, 高等学校の各段階の社会科, 公民科において, 日本国憲法の基本的な考え方 ( 小学校 ), 国会を中心とする我が国の民主政治の仕組みや議会制民主主義の意義 ( 中学校 ), 望ましい政治の在り方と政治参加の在り方, 政治参加の重要性 ( 高等学校 ) などについて指導が行われている しかしながら, 一方で, 政治の意義や制度に関する指導は, 知識を暗記するような教育となっているのではないか 現実の具体的政治事象を取り扱うことに消極的ではないかといった指摘がある このような指摘を踏まえ, 全ての教科等で生徒が有権者としての判断を適切に行うことができるように, 公民科はもとより, 各教科, 総合的な学習の時間などにおいて, 話合いや討論等を通じて生徒が自らの考えをまとめていくような学習を進めることが求められる また, 現実の具体的な政治的事象を取り上げるとともに, 模擬選挙や模擬議会など具体的 実践的な活動を学校現場に取り入れることが求められる このため, 生徒用副教材の 31 ページに示しているような,1 正解が一つに定まらない問いに取り組む学び,2 学習したことを活用して解決策を考える学び,3 他者との対話や議論により, 考えを深めていく学びに取り組むことによって, 公民として必要とされている, 論理的思考力 ( とりわけ根拠をもって主張し他者を説得する力 ) 現実社会の諸課題について多面的 多角的に考察し, 公正に判断する力 現実社会の諸課題を見出し, 協働的に追究し解決 ( 合意形成 意思決定 ) する力 公共的な事柄に自ら参画しようとする意欲や態度を生徒に身に付けさせることが期待される 2 満 18 歳以上の生徒は選挙権を得ることと同時に, 選挙運動期間中に選挙運動を行うことが法的にできることになる これらの活動は, 高等学校に在学する生徒においても基本的には尊重されるべき活動であり, 適法に行われることが必要である 現在, インターネットを活用した選挙運動が解禁されており, 生徒が生活のツールとして使う携帯電話などを活用して選挙運動を簡単に行うことができ, 生徒が意識せずに公職選挙法で禁止されている行為を行うことが考えられる また, 選挙権年齢の引下げにより, 同じクラスでも満 18 歳となった生徒は選挙運動を行うことができるにもかかわらず,17 歳である同じクラスの生徒は一緒に選挙運動を行うことができないことになる 7 教材の活用に当

副教材の活用に当たっ8 したがって,18 歳の生徒が 17 歳の生徒に 一緒にやろう といった勧誘を行うことは 17 歳の生徒に違法行為を促すこととなり, そのような状況になることは避けなければならない また, 部活動などにおいて3 年生が1 年生に働きかける場面も想定されるので, 3 年生のみに周知するだけでなく,1 年生も含め学校全体として指導する必要がある このような背景を踏まえ, 本副教材は, 学習指導要領に基づき各学校で教科書等を活用して行われる政治的教養を育む教育を, より一層充実させることを目的として作成している て2 副教材の構成 前述の背景や留意点も踏まえ, 副教材は3 編から構成されている 解説編 本編は, 公民科等で実施されている内容を補充するかたちで, 政治に参加する意義や政治が自らに与える影響などを生徒に理解させることをねらいとしている また, 選挙制度などについての現在の学校の指導が抽象的にとどまり, 社会経験が少ない生徒が具体的にどうすればよいか理解できていないのではないかといった指摘もあることから, 選挙の仕組みについて, 選挙権年齢と同様に投票権年齢が満 18 歳に引き下げられた憲法改正国民投票も含め, 具体的に紹介している 実践編 本編は, 背景で述べたような 話合い や ディベート についての具体的な方法や留意点を紹介するとともに, 地域の課題を検討するために必要となる情報の収集方法を示している また, 実践的な学習活動を行うために必要な, 学習のねらいや活動の実際の流れ, 活動で使うワークシートを中心に構成している 具体的には, 模擬選挙 (1)( 架空の候補者を設定し実施するもの ) 模擬選挙 (2)( 実際の選挙に伴い実施するもの ) 模擬請願 ( 地域の課題解決について調べ, 請願書としてまとめるもの ) 模擬議会 ( 議会における討論を経験するもの ) を紹介している 参考編 本編では, 公職選挙法の知識などについて Q&A 形式で分かりやすく解説している また, 生徒が自学する際に参考となるウェブサイト等の情報を紹介している なお, 本書においては, 満 18 歳以上に選挙権年齢が引き下げられることを前提に解説しており, 選挙権年齢が引き下げられるまでの間は公職選挙法の適用や有権者である生徒への対応等については, 満 20 歳以上が選挙権年齢であることに留意する必要がある

参考 1 学習指導要領における政治や選挙に関する主な記述たって 小学校学習指導要領 ( 平成 20 年 3 月告示 ) 社 会 第 6 学年 2 内容 (2) 我が国の政治の働きについて, 次のことを調査したり資料を活用したり して調べ, 国民主権と関連付けて政治は国民生活の安定と向上を図るため に大切な働きをしていること, 現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基 本的な考え方に基づいていることを考えるようにする ア 国民生活には地方公共団体や国の政治の働きが反映していること イ 日本国憲法は, 国家の理想, 天皇の地位, 国民としての権利及び義務 など国家や国民生活の基本を定めていること 中学校学習指導要領 ( 平成 20 年 3 月告示 ) 社 会 公民的分野 2 内容 (3) 私たちと政治 ア 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則 人間の尊重についての考え方を, 基本的人権を中心に深めさせ, 法の意義を理 解させるとともに, 民主的な社会生活を営むためには, 法に基づく政治が大切で あることを理解させ, 我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの 意義について考えさせる また, 日本国憲法が基本的人権の尊重, 国民主権及び 平和主義を基本的原則としていることについての理解を深め, 日本国及び日本 国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為について理解させ る イ 民主政治と政治参加 地方自治の基本的な考え方について理解させる その際, 地方公共団体の政治 の仕組みについて理解させるとともに, 住民の権利や義務に関連させて, 地方自 治の発展に寄与しようとする住民としての自治意識の基礎を育てる また, 国会 9 副教材の活用に当

副教材の活用に当たって10 を中心とする我が国の民主政治の仕組みのあらましや政党の役割を理解させ, 議 会制民主主義の意義について考えさせるとともに, 多数決の原理とその運用の在り方について理解を深めさせる さらに, 国民の権利を守り, 社会の秩序を維持するために, 法に基づく公正な裁判の保障があることについて理解させるとともに, 民主政治の推進と, 公正な世論の形成や国民の政治参加との関連について考えさせる その際, 選挙の意義について考えさせる 高等学校学習指導要領 ( 平成 21 年 3 月告示 ) 公民第 1 現代社会 2 内容 (2) 現代社会と人間としての在り方生き方イ現代の民主政治と政治参加の意義 基本的人権の保障, 国民主権, 平和主義と我が国の安全について理解を深めさせ, 天皇の地位と役割, 議会制民主主義と権力分立など日本国憲法に定める政治の在り方について国民生活とのかかわりから認識を深めさせるとともに, 民主政治における個人と国家について考察させ, 政治参加の重要性と民主社会において自ら生きる倫理について自覚を深めさせる 第 3 政治 経済 2 内容 (1) 現代の政治ア民主政治の基本原理と日本国憲法 日本国憲法における基本的人権の尊重, 国民主権, 天皇の地位と役割, 国会, 内閣, 裁判所などの政治機構を概観させるとともに, 政治と法の意義と機能, 基本的人権の保障と法の支配, 権利と義務の関係, 議会制民主主義, 地方自治などについて理解させ, 民主政治の本質や現代政治の特質について把握させ, 政党政治や選挙などに着目して, 望ましい政治の在り方及び主権者としての政治参加の在り方について考察させる

教材の活用に当たって3 副教材を位置付けた年間指導計画作成における配慮事項 副教材及び本資料は, 公民科を担当する教員だけでなく, 全ての教員の指導で活用され ることが期待されている また, 学校現場, 選挙管理委員会, 地域の選挙啓発団体等が一 体となって, 副教材を活用した出前授業等を実施することなども考えられる したがって, 1 公民科の科目 現代社会, 政治 経済 の年間指導計画を作成する際, 副教材の活 用場面を想定しておくこと 2 総合的な学習の時間や特別活動等で学校として副教材を活用する際, 公民科の指導と の関連を踏まえておくこと 3 学校外部の関係機関, 関係者と連携, 協働して副教材を活用した出前授業等を実施す る際に留意すべき点を明確にしておくこと が必要になると考えられる そこで,1から3のそれぞれについて以下で説明する 公民科では, 科目 現代社会 または 倫理, 政治 経済 のいずれかを選択して, 高等学校卒業までに必ず履修させることになっている ここでは, 副教材の活用が想定さ れる 現代社会 と 政治 経済 の内容構成を示す 現代社会 の内容構成 (1) 私たちの生きる社会 社会の在り方を考察する基盤 : 幸福, 正義, 公正 イ ウ 政治 経済 の内容構成 (2) 現代社会と人間としての在り方生き方 ア 青年期と自己の形成 エ 現代の経済社会と 経済活動の在り方 現代の民主政治と政治参加の意義 個人の尊重と法の支配 オ 国際社会の動向と日本の果たすべき役割 (1) 現代の政治 (2) 現代の経済ア民主政治の基本原理と日本国憲法ア現代経済の仕組みと特質 政治についての見方や考え方 ( 概念や理論 ) イ 現代の国際政治 政治についての見方や考え方 ( 概念や理論 ) 望ましい政治の在り方, 主権者としての政治参加の在り方について考察させる 国際平和と人類の福祉に寄与する日本の役割について考察させる 経済についての見方や考え方 ( 概念や理論 ) イ 国民経済と国際経済 経済についての見方や考え方 ( 概念や理論 ) 経済活動の在り方と福祉の向上との関連を考察させる 国際経済の安定と成長のために果たすべき日本の役割について考察させる (3) 共に生きる社会を目指して (3) 現代社会の諸課題ア イ 11 副

副教材の活用に当たっ12 現代社会 では, 憲法や選挙, 政治参加に関する教育は, 主として内容 (2) 現代社会と人間としての在り方生き方 の中項目 イ現代の民主政治と政治参加の意義 で進められている また, 政治 経済 では, 主として内容 (1) 現代の政治 の中項目 ア民主政治の基本原理と日本国憲法 で進められている どちらの科目においても, あらかじめ年間指導計画を作成することによって, 憲法や選挙, 政治参加に関する内容を扱う中項目の指導時期が, おおよそいつ頃になるか想定できるであろう そこで, 教科書等を活用して行われる通常の指導に加えて, 副教材の解説編に示されたて様々な資料をどのような順序で提示するか, 実践編に示された様々な学習活動例のうち, どの学習であれば本中項目の指導時期に合わせて活用することが可能かなど, 副教材の具体的な活用場面を想定しておく必要がある また, 副教材を位置付けた年間指導計画を作成する作業の中で, 公民科の授業実施上の課題が見えてくる場合もあるかもしれない 例えば, 公民科の指導として, 実際の選挙に合わせた模擬選挙の実施を計画しようとしたものの, 直近に実施される実際の選挙と年間指導計画上の当該内容の指導時期がどうしても合わない, といった場合等が考えられる そのような場合は, 例えば公民科の指導としては政策に関するディベートを実施することとし, 模擬選挙については総合的な学習の時間や特別活動等を活用し, 学校として取り組むといったことが考えられる 満 18 歳に選挙権年齢が引き下げられたことの意義や影響については, 公民科を担当する教員による指導だけでなく, 学校の全ての教員が, それぞれの立場で生徒に考えさせたい事柄であると考える その意味からも, 公民科ではどの学年 ( 年次 ), いつの時期に副教材を活用する場面があるのかについて, 関係者全員が一覧できる年間指導計画の作成の必要性は高まっているといえるだろう 副教材は, 公民科の指導での活用だけでなく, 総合的な学習の時間や特別活動等でも活用することが期待される 例えば, 模擬議会を総合的な学習の時間に実施する場合, 実践編に示された争点の整理のさせ方, 委員会や本会議のシナリオ例などは, 生徒のみならず指導する教員にとっても参考になると考えられる また, 例えば, 学校又は学年全体で実践編に示された模擬選挙 (1) などを実施する場合や, ホームルーム活動の時間にホームルーム担任の教員が参考編に示された 投票と選挙運動等についての Q&A について指導する場合などが想定される いずれの場合も, 公民科を担当する教員だけでなく, 全ての教員がそれらの指導に関わることになるので, 総合的な学習の時間や特別活動等の年間指導計画に, 副教材の活用場面, 活用時期等を適切に位置付けた上で, 学校又は学年全体として発展的, 系統的な指導

, 総合的な学習の時間や特別活動等にはそたってができるようにすることが大切である その際 れぞれ固有の目標があることに留意して, それらの目標を実現するために適した学習活動 となるよう, 単元の指導計画を立てることも必要である 副参考までに,14,15 ページに学習指導要領に示された総合的な学習の時間と特別活動の目標等について示している 適宜参照していただきたい ところで, 各学校ではそれぞれ, 生徒の特性, 進路等に応じた適切な各教科 科目の履修ができるような教育課程を編成 実施しており, 現代社会 や 政治 経済 など公民科各科目の履修学年 ( 年次 ) が一律に定まっているわけではない したがって, 総合的な学習の時間や特別活動等で副教材を活用するに当たっては, すでに公民科の各科目で, 憲法や選挙, 政治参加に関する教育を実施しているのか, それともまだ実施していないのか把握しておくことが欠かせない 例えば, 高校 3 年生の 10 月頃に総合的な学習の時間や特別活動等で副教材を活用するのであれば, 一概にはいえないが, 多くの学校の生徒はすでに公民科で当該指導内容を学習済みであろうから, 公民科で習得させた知識等を活用させて, 現実の課題についての実践的な学習活動を行うことが可能となる また, あらかじめ公民科と総合的な学習の時間や特別活動等の年間指導計画を照らし合わせておくことで, 相互の関連を図った効果的な学習活動を展開するのに最も適した時期が見えてくるかもしれない 一方, 高校 1 年生のホームルーム活動で副教材を活用する場合, 解説編の 有権者になるということ を取り上げ, 政治参加の意義等を考えさせたり, 選挙運動に関わり, 有権者でない今の自分にはできないものの, 満 18 歳に達し選挙権が得られた後には行えること, 選挙権が得られた後も行ってはいけないこと等を説明したりすることなどが考えられる この場合も, ホームルーム活動で実施された学習活動の振り返り場面では, 現在履修している, あるいは今後高等学校卒業までに必ず履修することになる公民科の 現代社会 又は 政治 経済 において, 教科書等の活用に加えて副教材の実践編に示された様々な学習活動を行うことになることなど, ホームルーム活動における本時の指導と, 公民科における指導が関連していることを生徒に理解させるようにすること, またそのことが年間指導計画に明示されていることが求められる 副教材の実践編に掲載した模擬選挙や模擬請願, 模擬議会などの事例に関する指導を実施する際には, 学校外部の関係機関, 関係者と連携, 協働することが効果的である 例えば模擬選挙であれば, 選挙の執行に関して専門的な知見を有している選挙管理委員会や選挙啓発団体と連携し, 投票箱や投票記載台などの貸し出しや, 選挙管理委員会の職員等をゲストティーチャーとして学校に招き, 実際の選挙が円滑に執行されるための工夫についての講話などが考えられる このように学校の教員だけでは説明しきれない現実の具体的 13 教材の活用に当

副教材の活用に当たって14 な事象について専門家の立場から伝えてもらうことは, 生徒の政治的教養を育成する上で 大きな教育的効果があると考える ただし, 学校外部の関係機関, 関係者と連携, 協働して実践的な学習活動を実施するためには, 事前に年間指導計画を作成した上で学校外部の方々と打合せを行うことが望まれる なお, 授業の進捗や選挙が急に行われる場合など選挙の状況を考慮しながら年度途中に計画を行うことも考えられる 事前の打合せでは, あくまで学校の教育活動として当該学習活動を実施するのであるから, 学習活動の目標 ( ねらい ), 大まかな指導の流れ, 振り返りのさせ方等を示した上で, 学校外部の方々にどのタイミングでどのような関わりをしてもらいたいのか, 明確に伝えることが大切である せっかく事前準備等に時間を割いて, 専門的知見を有した方々と連携, 協働して実施する実践的な学習活動なのであるから, 1 回限りのイベントとして終わらせるのではなく継続的に実施したり, または, その後の学習指導にどのようにつながっていくのか, 実際に指導する教員と学校外部の関係機関, 関係者が共通認識の下で実施したりすることが求められる ここまで述べた1 3のそれぞれの配慮事項を踏まえ, 副教材の効果的な活用がなされることを期待する 参考 2 学習指導要領における主な記述 高等学校学習指導要領 ( 平成 21 年 3 月告示 ) 第 1 章総則第 5 款教育課程の編成 実施に当たって配慮すべき事項 3 指導計画の作成に当たって配慮すべき事項 各学校においては, 次の事項に配慮しながら, 学校の創意工夫を生かし, 全体として, 調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする (1) 各教科 科目等について相互の関連を図り, 発展的, 系統的な指導ができるようにすること (2) 各教科 科目の指導内容については, 各事項のまとめ方及び重点の置き方に適切な工夫を加えて, 効果的な指導ができるようにすること 5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項 (5) 各教科 科目等の指導に当たっては, 生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるようにすること (14) 学校がその目的を達成するため, 地域や学校の実態等に応じ, 家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること また, 高等学校間や中学校, 特別支援学校及び大学などとの間の連携や交流を図るとともに, 障害のある幼児児童生徒などとの交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること

4 章総合的な学習の時間たって第 第 1 目標 横断的 総合的な学習や探究的な学習を通して, 自ら課題を見付け, 自ら学び, 副自ら考え, 主体的に判断し, よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに, 学び方やものの考え方を身に付け, 問題の解決や探究活動に主体的, 創造的, 協同的に取り組む態度を育て, 自己の在り方生き方を考えることができるようにする 第 3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては, 次の事項に配慮するものとする (1) 全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては, 学校における全教育活動との関連の下に, 目標及び内容, 育てようとする資質や能力及び態度, 学習活動, 指導方法や指導体制, 学習の評価の計画などを示すこと 2 第 2の内容の取扱いについては, 次の事項に配慮するものとする (5) グループ学習や個人研究などの多様な学習形態, 地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制について工夫を行うこと (6) 学校図書館の活用, 他の学校との連携, 公民館, 図書館, 博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携, 地域の教材や学習環境の積極的な活用などの工夫を行うこと 第 5 章特別活動第 1 目標 望ましい集団活動を通して, 心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り, 集団や社会の一員としてよりよい生活や人間関係を築こうとする自主的, 実践的な態度を育てるとともに, 人間としての在り方生き方についての自覚を深め, 自己を生かす能力を養う 第 3 指導計画の作成と内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては, 次の事項に配慮するものとする (1) 特別活動の全体計画や各活動 学校行事の年間指導計画の作成に当たっては, 学校の創意工夫を生かすとともに, 学校の実態や生徒の発達の段階及び特性等を考慮し, 生徒による自主的, 実践的な活動が助長されるようにすること また, 各教科 科目や総合的な学習の時間などの指導との関連を図るとともに, 家庭や地域の人々との連携, 社会教育施設等の活用などを工夫すること その際, ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験的な活動や就業体験などの勤労にかかわる体験的な活動の機会をできるだけ取り入れること 15 教材の活用に当