目的 期待される能力 ( 目的 ) 1. 糖尿病を持ちながら生活をする対象に対し 悪化を防ぎ 健康な生活が継続できるような質の高い技術を用いて援助でき 発症予防においても貢献できる糖尿病看護認定看護師を育成する 2. 糖尿病教育 看護分野において優れた実践力を発揮し あらゆる分野の看護職に対して必要に応じて相談 支援ができ医療チームにおいて連携が図れる 3. 1,2 を通して 糖尿病教育 看護分野全体の質の向上を図る ( 期待される能力 ) 1. 糖尿病患者の状況に応じて生じる心理的 身体的 社会的な問題を的確に把握し その支援方法を計画 実施 評価できる能力 2. 糖尿病患者および家族や重要他者に対して 集団 ならびに個人に必要な指導 教育の計画 実施 評価ができる能力 3. 糖尿病の発症予防ならびに悪化を防ぐために 生涯を見据えた指導 教育ができる能力 4. あらゆる分野の看護職に対し 必要な相談 支援ができ 医療チームの中で連携できる能力 5. 糖尿病教育 看護分野の優れた実践を積み重ねることを通して この分野の看護の質の向上に寄与する能力 ( 目的 ) 1. 糖尿病を抱え生活をする患者とその家族や重要他者の QOL 向上に向けて 悪化を防ぎ 病期に応じた健康な生活が継続でき 発症予防においても貢献できる水準の高い看護を実践する能力を育成する 2. 糖尿病看護分野において 看護実践を通して他の看護職者に対して指導 相談ができる能力を育成する ( 期待される能力 ) 1. 糖尿病患者の病態生理や臨床薬理を習得し 疾病管理とケアができる 2. 各病期において心理的 社会的および身体的側面から包括的に患者を理解 アセスメントし 生涯を見据えて 目標を設定し 問題解決のための援助ができる 3. 病態 症状に応じた症状マネジメントや療養支援を実践できる 4. 糖尿病患者および家族や重要他者あるいは集団に対して 発症予防や病状に応じて必要な指導 教育の計 画 実施 評価ができる 5. 糖尿病患者 家族の権利を擁護し 自己決定を尊重した看護を実践できる 6. より質の高い医療を推進するため 他職種と共働し チームの一員として役割を果たすことができる 7. 糖尿病看護の実践を通して 役割モデルを示し リーダーシップを発揮し 看護職者への指導 相談を行うこと ができる 現行の目的から分野共通の内容 ( 下線 ) に表記を揃えた 1 について 対象 を 患者とその家族や重要他者 と明記した 削除について現行 3 は 1.2 に包括されるため削除した 1~3 について看護師の役割拡大を見据え 疾病管理及びケアに関する必要知識を持ち 心理的 社会的および身体的側面から包括的に患者を理解し 患者の病態 症状に応じた症状マネジメントや療養支援を行うことが求められるため 追加及び明記した 4 について現行の 2.3 を整理し 糖尿病看護認定看護師に求められる対象 ( 個人 集団 ) に対する指導 教育について明記した 5 について患者 家族の権利擁護について明記した 6.7 について現行の 4 5 を分野共通の内容に合わせ 文言を整理した 1
専門基礎科目 1. 糖尿病ケア概論 15 1) 日本における糖尿病 2) 糖尿病ケアの現状と問題点 3) チーム医療とネットワーク 4) 糖尿病看護認定看護師の役割 2. 患者及び家族の理解 45 1) 糖尿病患者の身体機能の理解 2) 合併症をもつ糖尿病患者の身体機能の理解 3) 糖尿病患者のライフステージの理解 4) 糖尿病患者の心理 社会的状況の理解 5) 糖尿病患者の家族の理解 3. 患者及び家族 重要他者への援助 45 1) 学習支援 2) 疾病 健康 セルフケアに関する諸理論 3) ストレスマネジメント 4) 疾病予防 受容や行動変容への支援 5) 家族及び重要他者への支援 日本における糖尿病医療の現状と課題を把握し 糖尿病看護認定看護師の役割を理解する 糖代謝調節機能 成因 病態分類別糖尿病及び合併症を理解する 糖尿病患者のライフステージ 心理 社会的状況 家族について包括的に理解する 患者及び家族 重要他者などが糖尿病を抱え社会生活の中でセルフケアを実践することができるよう援助する方法を学ぶ 1. 糖尿病ケア概論 15 1) 日本における糖尿病 2) 糖尿病患者を取り巻く環境 3) 糖尿病看護とは 4) チーム医療と地域とのネットワーク 5) 糖尿病看護認定看護師の役割 6) 糖尿病看護におけるリスクマネジメント 2. 疾病及び治療方法の理解 45 1) 糖代謝調節機能 2) 成因 病態分類別糖尿病 3) 慢性合併症 4) 急性合併症 3. 患者及び家族 重要他者などの対象理解 30 1) ライフステージの理解 2) 心理 社会的状況の理解 3) 家族の理解 4. 援助方法 30 1) 学習理論 教授法 2) セルフケア理論 3) ストレスマネジメント 4) 疾病受容や行動変容への支援 5) 患者面接技法 6) 家族及び重要他者への支援 2)3)6) について糖尿病患者を取り巻く環境や医療形態の変化に伴い 追加した 4) について演習 1.2)(2) の内容を包括し 地域との ネットワークに関する学習を含むことを明記した 現行 2) について 1) 日本における糖尿病 に含まれるため 削除した 教科目設定について現行 2. 患者及び家族の理解 を 2. 疾病及び治療方法の理解 と 3. 患者及び家族 重要他者の対象理解 に分け それぞれ設した 時間数について各教科目それぞれに重点を置くため 現行 45 時間から 2. 疾病及び治療方法の理解 45 時間 3. 患者及び家族 重要他者の対象理解 30 時間に変更した 2 について疾病及び病態生理や臨床薬理学の知識の習得に重点を置くため 現行の教科目 2.1)2) を移行し 単元を詳細に設定した 3 について家族以外も療養支援者となることから 教科目名に 重要他者 を追加した また現行の教科目 2.3)~5) を移行した 教科目名について上記専門基礎科目 2.3 と統一した表記にするため 変更した 5) について糖尿病療養指導件数の増加に伴い 患者に対する面接技法を系統的に学ぶ必要性があるため設した 計 105 計 120 2.3 をたに設定し 現行より 30 時間増やしたこ と 4 の時間数を 15 時間減らしたことから 105 120 時間に変更した 2
専門科目 < 生活調整技術 > 1. 日常生活行動における生活調整と援助 30 1) 食事による生活調整への援助 2) 運動による生活調整への援助 3) 皮膚 足 口腔の清潔行為 4) セルフモニタリング 現行 1)2)4) について糖尿病における治療そのものであるため 専門科目 2.1)2)6) に移行した 現行 3) について皮膚 足の清潔行為は演習 3. フットケア技術 に包括し 口腔の清潔行為は専門科目 3.6) 感染予防 感染症合併時 に含めた 2. ライフステージに応じた生活調整と援助 3. 薬物療法と生活調整 支援 < 療養支援技術 > 1. 合併症の病期に応じた生活調整 支援 30 1) 乳幼児期 / 学童期の特徴と生活調整 2) 思春期 / 青年期の特徴と生活調整 3) 妊娠期の特徴と生活調整 4) 壮年期の特徴と生活調整 ( 職業とジェンダーを含む ) 5) 老年期の特徴と生活調整 15 1) インスリン療法と生活調整 2) 薬物療法と生活調整 3) イベント時の薬物療法と生活調整 (Sick Day 及び災害等 ) 45 1) 腎障害合併時の生活調整 支援 2) 網膜症合併時の生活調整 支援 3) 神経障害合併時の生活調整 支援 4) 潰瘍 壊疸合併時の生活調整 支援 5) 大血管障害合併時の生活調整 支援 ライフステージに応じた生活調整 療養支援について学ぶ 食事 運動 薬物療法とそれに伴う適切な生活調整 療養支援について学ぶ 合併症の病期に応じた生活調整 療養支援 症状マネジメント ( 慢性下降期含む ) について学ぶ 1. ライフステージに応じた生活調整 療養支援 2. 治療法と生活調整 療養支援 3. 合併症の病期に応じた生活調整 療養支援 15 1) 乳幼児期 / 学童期 2) 思春期 / 青年期 3) 妊娠期 4) 壮年期 5) 老年期 45 1) 食事療法 2) 運動療法 3) 薬物療法 ( 経口薬 インスリンなど ) 4) 持続皮下インスリン注入療法 (CSII) 5) 皮下連続式グルコース測定 (CGM) 6) セルフモニタリング 7) イベント時の薬物調整 ( 周術期 検査 絶食時等 ) 45 1) 腎障害 2) 網膜症 3) 神経障害 4) 潰瘍 壊疸 5) 大血管障害 (1) 心血管系 (2) 脳血管系 6) 感染予防 感染症 ( 清潔行為や Sick Day など含む ) 7) 精神疾患 悪性腫瘍等 1~3 教科目名について現行の専門科目の大見出しである< 生活調整技術 >< 療養支援技術 >は 各教科目の学習内容に含まれるため反映し 生活調整 療養支援 に統一した 時間数について専門基礎科目 3 の時間数を増やし 1) ライフステージの理解 に関する学習を行うことから 30 15 時間に変更した 1)2)6) について現行専門科目 1.1)2)4) より移行した 4)5) について H22 年度の診療報酬の改定にて算定対象となり患者数の増加が予測されるため 時勢に合わせ設した 現行 3) について 3.6) 感染予防 感染症合併時 に移行した 時間数について上記移行と設の単元があるため 15 45 時間に変更した 6) について歯周病をはじめとする感染症により生活調整が困難になる糖尿病患者が増えていることから 単元に追加した 7) について悪性腫瘍 精神疾患などの複合疾患を合併する糖尿病患者が増えていることから 単元に追加した 単元全体について生活調整及び療養支援に加えて 苦痛症状が著明な患者や慢性下降期にある患者が増えていることから教科目のねらいに追加した 計 120 計 105 現行 1(30 時間 ) を削除 1 を 15 時間減らし 2 を 30 時間増やしたところから 120 105 時間に変 更した 3
学内演習 臨地実習 1. 学内演習 15 1. 糖尿病ケアシステム立案技術 1) 糖尿病教室の立案 (1) 対象のニードの把握 (2) プログラム立案と教材開発 30 2) 糖尿病ケアネットワークづくり (1) ケアネットワークにおける看護活動 外来 在宅を含む (2) チーム医療及び地域とのネットワーク (3) 糖尿病ケアシステム立案 実施 30 2. 血糖パターンマネジメント技術 1) 血糖パターンマネジメントが必要な糖尿病患者の理解 2) 血糖パターンマネジメントの実際 30 3. フットケア技術 1) 糖尿病患者の下肢のアセスメント (1) 下肢の状況と全身の状態 (2) 生活状況およびセルフケア状況 2) 生活の中の予防と工夫 3) フットケア方法の理解と実践 15 4. コンサルテーション 1) コンサルテーション事例の分析とプレゼンテーション 15 5. ケースレポート 1) 援助過程の振り返りとケースレポート作成 2) 効果的なプレゼンテーションの方法と実際 効果的な糖尿病教室の立案 実施 評価ができる技術を習得する 対象のライフステージや社会背景 生活と血糖パターンとの関連を理解し 対象の生活にあわせた血糖パターンマネジメント技術を習得する 糖尿病看護領域の専門的立場からフットケアを実践できる技術を習得する 受講生として臨地実習で関わった事例をケースポートとして報告できる 1. 学内演習 1. 糖尿病ケアシステム立案技術 ( 院内 地域等 ) 1) 糖尿病教室の立案 実施 評価 (1) 対象のニードの把握 (2) プログラム立案 (3) プログラムに応じた教材の準備 (4) プログラムの実施と評価 2. 血糖パターンマネジメント技術 1) 血糖パターンマネジメントとは 2) 血糖パターンマネジメントが必要な糖尿病患者の理解 3) 血糖パターンマネジメントの実際 4) 持続皮下インスリン注入療法 (CSII) 皮下連続式グルコース測定 (CGM) 3. フットケア技術 1) 糖尿病看護におけるフットケアの意義 2) 糖尿病患者の下肢のアセスメント (1) 下肢の状況と全身の状態 (2) 生活状況およびセルフケア状況 3) 生活の中の予防と工夫 4) フットケア方法の理解と実践 5) フットケアシステムの構築 6) フットケアに関わるリスクマネジメント 4. ケースレポート 1) 援助過程の振り返りとケースレポート作成 2) 効果的なプレゼンテーションの方法と実際 教科目名について ( 院内 地域等 ) を明記し 現行 2)(3) との重複を整理した 現行 (1)(2) について専門基礎科目 1.4) チーム医療と地域とのネットワーク に包括した 現行 (3) について学内演習 1. 糖尿病ケアシステム立案技術 に包括した 1) について血糖パターンマネジメントに関する概念の理解が必要であることから設した 4) について H22 年度の診療報酬の改定にて算定対象となり患者数の増加が予測されるため 専門科目 2.4)5) にて理論を学習し 演習にて技術を習得するため設した 1) について糖尿病看護におけるフットケアの意義は 単に足のケア技術を指すのではなく 予防を主眼としたセルフケア指導であるため設した 5) について患者へのケアのみではなく 施設におけるフットケアシステムの構築方法や戦略について学ぶ必要があるため 設した 6) についてフットケアは身体的侵襲の高い技術であり 爪のケア に関する刑事事件を受け フットケアにおけるリスクについて学ぶ必要があるため 設した 現行 4. コンサルテーション は共通科目にて学習するため 2. 臨地実習 にてより実践的な学習を行うこととした 小計 135 小計 135 時間数について 各単元 (1~4) の配分は教育機関の裁量とする 変更なし 4
2. 臨地実習 150 ケーススタディインスリン療法の事例合併症を持つ事例発達段階別事例 糖尿病看護認定看護師として実践 指導 相談に関する能力を高める 小計 150 計 150 2. 臨地実習 150 1. ケーススタディインスリン療法の事例合併症のある事例発達段階別事例 2. 看護職者への相談事例 3. 看護職者もしくは患者 家族への集団教育 2.3 について現行においても実施されている現状があり 実習において学習することが効果的であるため 明文化した 共通科目 105 時間 (+45 時間 ) 共通科目 105 時間 (+45 時間 ) 専門基礎科目 105 時間 専門基礎科目 120 時間 専門科目 120 時間 専門科目 105 時間 演習 / 実習 135/150 時間 演習 / 実習 135/150 時間 総時間 615 時間 (+45 時間 ) 総時間 615 時間 (+45 時間 ) 5