災害時アクションカード ( 鳴門モデル ) の作成 鳴門教育大学客員研究員プロジェクト研究 アクションカード とは, 医療現場で使われるカードである これは, 緊急時に集合したスタッフ一人ひとりに配布される 行動指標カード であり, 限られた人員と限られた物資で, できるだけ効率よく緊急対応を行うこ

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教職員の事故 1 負傷事故 前の対策 安全点検日 1 日常的に器具 器材の安全点検をする 毎月 1 0 日 事故発生 2 危険を予測して授業の安全面に配慮する 1 負傷者の応急処置をする 養護教諭等 状況把握 1 応急処置をする 命にかかわる 2 場合によっては救急車 番手配を 物は躊躇

3. 学校に不審者が侵入した場合の対応について 対応 1 情報の入手 巡回中の教職員の情報子どもからの情報偶然に発見 職員室への報告 複数の教職員で現場へ 発見者が インターホン 無線 携帯電話等所持 不審者から子どもを 携帯電話 等で 状況を把握 回避 職員室へ報告 職員室へ連絡 対応 2 対応

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( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 鎌倉市立関谷小学校

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

第 1 章 危機管理とは 1 1 目的 2 分類 3 対象とする危機の内容 4 体制 5 対応 6 原因の分析と評価 7 見直しの観点 第 2 章 初動対応編 6 1 交通事故発生時の対応 2 事故 ( けが等 ) 発生時の対応 3 病気等 ( 学校において予防すべき感染症含む ) 発生時の対応 4

地震 津波災害対応マニュアル 目 次 Ⅰ 組織 1 地震災害時の体制 1 2 学校災害対策本部の設置 1 Ⅱ 地震発生時の対応 1 学校生活時の対応例 (1) 校内での対応ア基本的対応 3 イ地震発生時における教職員の対応と指示 授業中の地震発生 4 休み時間, 放課後等での地震発生 5 ウ避難経路

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上越市立有田小学校いじめ防止基本方針 平成 30 年 4 月策定 1 いじめの定義といじめに対する基本的な考え方 (1) いじめの定義児童生徒に対して 当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為 ( インターネット

もくじ 鎌倉市教育委員会の災害発生時における小中学校の基本的対応 非常災害時と大規模地震への対応について 災害発生時の対応について 一斉下校時の教職員の立哨について 大規模地震発生時の職員対応 ( 授業中 ) ( 休み時間中 ) 避難訓練年間計画 防災計画

児童生徒の事故 1 授業中の事故体育 理科 ( 実験 ) 図工 ( 工作 ) 等 事前の対応 体育の授業では 1 開始時の健康観察実施 2 心身に配慮を要する児童 生徒の把握 3 設備 器具の安全点検 4 種目に応じた危険性の把握 5 十分な準備運動実施 6 十分な整理運動実施 7 終了時の健康観察

い場合は 引渡しカードに書かれた代理者でもかまいません 原則 記入された方以外には引渡しをしません Q3 学校からの情報を得られる方法は? A3( 保護者への連絡方法 ) 災害時には 被災地などへ通話が集中することから 電話 ( 固定電話 携帯電話を問わず ) での連絡が取れなくなることが予想されま

目次 第 1 ガイドラインの目的 第 2 避難計画作成に当たっての留意事項 第 3 避難計画の内容等 ( 避難計画の作成例 )

引き取りの流れ 保護者 徒歩 ( 東門 ) 集中玄関 体育館 帰りは正門から 自転車 ( 東門 ) 校庭東側 ( すべり台周辺 ) 集中玄関 体育館 帰りは正門から ( 職員玄関前 ) 車 ( 西門 ) 校庭 集中玄関 体育館 西門から 帰りは長瀞線方面へ 校庭に入る時と 校庭から出るときで門が別だ

4 地震発生後の対応 (1) いろいろな保育場面等に応じた対応マニュアルの作成 29ページ~ 園児の生命を守るため いろいろな保育場面に応じた地震 津波発生時の対応マニュアルを作成し 全保育者等で共通理解しておくことが重要です 次ページ以降に示す例をもとに 以下の点に留意し 各園の実態に応じた対応マ

2 地震発生時の教職員対応マニュアル ( 勤務時間内 外 ) 地震発生 < 一般的な初期の対応 > 出入口の確保と火災などの二次災害の防止 自分自身の安全確保 緊急連絡先へ連絡 負傷者がいれば救助 勤務時間の内 外 通常勤 務に戻 る なし 本部からの避難指示 勤務時間外 < 震度 5> 未満 出勤

平成24年度

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平成24年度

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目次 Ⅰ 朝霞三中学校震災対応マニュアル (1) 日常的な学校の防災活動 p1 (2) 学校災害対策本部の組織 p5 (3) 教職員在校時の震災対応マニュアル p6 (4) 登下校時の震災対応マニュアル p8 (5) 校外活動中の震災対応マニュアル p9 Ⅱ 火災対応マニュアル Ⅲ 水害対応マニュア

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大津市避難所運営マニュアル

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待


Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

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学校の危機管理マニュアル作成の手引

目次 Ⅰ 学校における危機管理について 1 Ⅱ 生活安全についての危機管理 1 学校管理下における事故発生時の処理と手順 3 2 不審者が侵入した場合の対応 6 Ⅲ 交通安全についての危機管理 1 交通事故が発生した場合の対応 8 Ⅳ 災害安全についての危機管理 1 火災発生時の対応 10 2 地震

DSTY 防災規則 (2017 年 8 月 29 日現在 ) 有事に際しては必要な措置に関する責任と調整は危機対策本部に委ねられる 学園長は学園全体に対して上位の指令権 決定権を持つ 防災コーディネータ ーは相談 助言役を担う 地震発生時の行動 事態の深刻度 : 各自の知覚で判断 校内アナウンスをよ

障害者 ( 児 ) 防災アンケートの主旨 アンケートの概要 Ⅰ 避難に関すること Ⅱ 情報伝達に関すること Ⅲ 避難所及びその環境に関すること Ⅳ 日頃の備えに関すること 障害者 ( 児 ) 防災アンケート < 配布用 >

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

ことを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建物等がない場合は 物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守ってください 屋内にい

38 災害緊急時における聴覚障害者の情報伝達保障支援の状況分析 表2 生の協力のおかげで遂行することができた 避難訓練の年間実施回数 回 回 2回 3回 4回 5回以上 4 6 35 9 図 避難所担当者との連携 図2 避難訓練の年間実施回数 Ⅳ 調査研究の経過および結果 なかでも年2 3回実施して

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< 学校内等の事例 > 1 施設 設備の老朽化 遊具の破損 A 小学校で昼休み時間中 校庭で児童 B がブランコで遊んでいたところ 鎖の留め金が切れ落下した 児童は 腰を強く打ち泣いている 状況の把握 連絡を受けた教職員は 直ちに児童の負傷状況を把握し 応急手当を行う 負傷の程度により救急隊を要請し

(7) 生徒 保護者への啓発活動 * 学期末保護者会でのいじめの現状報告と未然防止の講話 *SNS の使用にあたり 親子ルール作り等を示す (8) 教職員の研修 * モラールアップ研修会を行い 体罰や不適切な発言がいじめにつながるということを確認する * 過度の競争意識 勝利至上主義 生徒のストレス

非常災害対策計画 風水害 地震 火災 1 風水害 非常災害時の行動手段 警報発表 情報の収集 施設周辺の点検 職員の招集 参集 担当業務内容の確認や準備 施設の休業判断 職員や利用者への周知 施設外へ避難 施設内の安全な場所へ避難 家族への報告 健康ケアとメンタル対策 情報収集 テレビ ラジオ イン

Q4. ミサイルは発射から何分位で日本に飛んでくるのでしょうか A4. 北朝鮮から弾道ミサイルが発射され 日本に飛来する場合 極めて短時間で日本に飛来することが予想されます 例えば 本年 2 月 7 日に北朝鮮西岸の東倉里 ( トンチャンリ ) 付近から発射された弾道ミサイルは 約 10 分後に 発

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

学校の危機管理マニュアル作成の手引

児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

平常時の防災活動 家庭内対策 指導ポイント 家屋の耐震診断と補強 家具などの転倒 落下防止と避難経路の確保 市町においては耐 家具の転倒による被害を防ぐ 震診断や耐震補強の ため タンス 食器棚などの家 補助を行っていま 具は 動かないようあらかじめ す 固定しておきましょう 冷蔵庫 などキャスター

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書


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川口市立原町小学校いじめ防止基本方針 平成 27 年 9 月 1 日 川口市立原町小学校 はじめに 本校では いじめ防止のために 積極的な生徒指導の推進に力を入れている いじめの未然防止には 児童が安心 安全に学校生活を送ることができ 規律ある態度で授業やその他の教育活動に主体的に参加 活躍できるこ

平成17年度 児童生徒用身分証明書発行計画(案)

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Q4. ミサイルは発射から何分位で日本に飛んでくるのでしょうか A4. 北朝鮮から弾道ミサイルが発射され 日本に飛来する場合 極めて短時間で日本に飛来することが予想されます 例えば 平成 28 年 2 月 7 日に北朝鮮西岸の東倉里 ( トンチャンリ ) 付近から 発射された弾道ミサイルは 約 10

P1-20

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

Ⅰ いじめ問題に関する基本的な考え方 はじめにいじめは, 決して許されてはならない行為です しかし, いじめはどの学校のどの児童にも起こりうる問題であり, 本校についても例外ではありません これまでも, 各学級において生徒指導上の問題として担任をはじめ学校全体で問題の解決に取り組んできました そのよ

その時点で改めて ミサイルが落下する可能性がある旨を伝達し 直ちに避難することを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建

受付 母子受付 妊婦受付の設置 各書類と筆記用具 書類箱の準備 リーダー * 具体的な責任者名 あるいは役職を書くを確認する 受付と案内 (* 具体的な場所を書くに配置 ) の要員振り分け < 母子 妊婦到着時 > 母子は母子受付 妊婦は妊婦受付へ案内する 父親は体育館に入る * 家族の部屋を明記す

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

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大雪警報発表時の対応暴風警報等と異なり 大雪の場合は大雪警報が解除された後も積雪の状況により登園が困難になることも想定されるため 各園の判断で臨時休園等の措置をとります その際 幼稚園敷地内の適切な場所を観測地点として その場所の積雪量が一定基準 ( 大雪警報に準じて20センチメートル程度 ) に達


第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

31阿賀野全:方針実践のための行動計画

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防災業務計画 株式会社ローソン

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油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

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-災害に備えて-

Ⅰ. はじめに はじめに 調査プロジェクトの一環として 外部会場を利用した実査 ( 会場調査 CLT やグループインタビュー等 ) の実施時における 台風 地震 火災その他の災害に対する対応の指針として ここに JMRA 外部会場における調査時の緊急時対応ガイドライン を定める 当ガイドラインは 調

コラム授業力の向上について食育では 生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいきます そのためには 教師の授業力が一つの鍵になることはいうまでもありません そこで どのような授業を行えば 子どもたちに望ましい生活習慣等が定着するのか 小学校 中学校授業評価システムガイドライン ( 平成

(4) 学級活動の充実 一人一役 や学校行事を通じて 学級内で生徒一人一人が活躍できる場を設け 他者の役に立っていると実感できるような学級経営に努める (5) 生徒会活動の活性化生徒会策定の いじめ防止五ヶ条 や いじめについて考える週間 ( 岡山県 ) 自殺予防週間 自殺対策強化月間 ( 内閣府

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第3章 学校給食での対応

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

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平成 30 年度 五泉市立川東小学校いじめ防止基本方針 はじめにこの五泉市立川東小学校いじめ防止基本方針 ( 以下 学校基本方針 という ) は いじめ防止対策推進法 ( 平成 25 年法律 71 号以下 法 という ) 第 13 条の規定に基づき 本校におけるいじめ防止等のための対策を効果的に推進

3. いじめの未然防止のための取組未然防止の基本とは 児童が周囲の友人や教職員と信頼できる関係の中 安心 安全に学校生活を送ることができ 規律正しい態度で授業や行事に主体的に参加 活躍できるような授業づくりや集団づくり 学校づくりを行っていくことである この基本をもとに取組を進める また 本校教職員

2. 具体的な実施内容 平成 27 年度 避難訓練実施計画 実施災害の想定 実施時間 4 月 想定 ( 地震 ) 子ども達に 地震とは何かを分かりやすく知らせ 地震の時の身の守り方を知らせる 保育士の動きの確認 5 月 想定 ( 火災 初期消火 ) 厨房からの出火を想定し 園庭に避難する その後近く

県立学校職員 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 15 条の2 第 1 項第 5 号の規定に基づき 山形県教育委員会における職員 ( 学校教育法 ( 昭和 22 年法律第 26 号 ) 第 7 条に規定する校長及び教員等 ) の標準職務遂行

鎌倉市関谷小学校いじめ防止基本方針 平成 26 年 4 月 平成 30 年 12 月改定 鎌倉市立関谷小学校

Q-Uアンケート (6 月 11 月 ) 水小子どもアンケート (7 月 12 月 ) 保護者学校評価アンケート (7 月 12 月 ) オ愛の呼びかけパトロール ( 青少年育成協議会 : 毎月 ) カ職員巡回パトロール ( 長期休業期間 個別懇談期間 短縮授業時等 ) いじめの実態調査に関するアン

はじめに 消防法の規定では 一定規模の建物の管理権原者は 防火管理者を定め 消防計画を作成し 防火管理上必要な業務の実施を定めています その中でも 消防計画に基づく訓練の実施は最も重要な事項です 特に特定防火対象物 ( 集会場 スーパー ホテル 病院等の不特定多数の人が出入りする施設 ) には 年

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第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

手賀の杜自治会自主防災組織規約 第 1 条 ( 名称 ) この組織は 手賀の杜自治会自主防災組織 ( 以下 本組織 という ) と称する 第 2 条 ( 目的 ) 本組織は 手賀の杜自治会自治会規約第 1 条第 2 項に基づき 住民の隣保協同の精神に基づく自主的な防災活動を行うことにより 手賀の杜自

系統的で一貫性のあ評価指標 評価指標による達成度 総合評価 るキャリア教育の推進に向けて 小 中 1 卒業後の生活につながる客観的 < 評定 > 学部段階での客観的アセスメントに基づいた指導計画 指標に基づいた卒業を立案することができる A B C 後の生活を見据えた教育活動につながる 2 立案され

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アクションカード 地震 津波編

災害時アクションカード ( 鳴門モデル ) の作成 鳴門教育大学客員研究員プロジェクト研究 アクションカード とは, 医療現場で使われるカードである これは, 緊急時に集合したスタッフ一人ひとりに配布される 行動指標カード であり, 限られた人員と限られた物資で, できるだけ効率よく緊急対応を行うことを目的として作られたものである 元々, 緊急時対応において, マニュアル本があっても, 内容が膨大であるため, 意外に使いにくい 当然携行していない その点, アクションカードは,1 枚の カード に, 個々の役割に対する具体的な指示が書き込まれており, 緊急時に適しているといえる 徳島県では, これを学校防災に取り入れることを, 徳島大学大学院の中野晋教授が提唱し, 県教委が奨励している これは極めて有効であろう 例えば, 資料は, 校長用であり, 責任範囲と指揮内容がはっきり判るようにしている これを校長室に常備しておけるように,A4で1 枚のカードとして作成している 本学では, 校長用のほか, 教頭用, 養護教諭用, 事務職員用, 担任用のアクションカードを作成し, 鳴門市内に配布した 特に, 教職員が校内に散らばっていることが多い中学校バージョンを例示用とした その上で, マニュアル通り, 52

平時において,PTA 会長, 保護者などと協議 話し合い等を通じて, 災害時の 子どもの引き渡し 等の細かい事柄について申し合わせておく, 災害に備えているのである これによって, 緊急時の電話等での問い合わせは控えてもらい, 混乱を防ぐのである また, 日頃より, 担任を通じて, 各家庭との連携を深め, 共通理解を得ておくことも必要があろう 特に, 出張等の不在時に, 災害発生の可能性もあるため, 総括 対応などについては, 事前に校長と教頭 ( 副校長 ) とが共通理解しておきたい 教頭の場合, 授業に臨んでいることもあり, 児童生徒に指示を与えた後, 隣室の教師等に任せ, 職員室に戻り, 総括に携わることも想定される 一方で, 管理職不在時 ( 出張時, 授業中 ) には, 授業の空いている他の教諭等とともに, 事務職員が随時対応にあたることが考えられる このように, 瞬時に対応を交代する時も, このカードは有効なのである 53

災害時アクションカード校長用 人 物 場 所 役 割 分 担 校 長 校長室 総 括 STEP 1 児童生徒等の安全確保 校内の状況を確認し, 一次避難場所と経路を決定する ( 平時に, 事前に協議 確認 ) 災害時に関する情報を収集する ( TV, ラジオ, 防災無線放送, 緊急地震速報システム等 ) 児童生徒等の安全を最優先, 教職員の安全も確保, 沈着冷静 的確に指示を与える 一次避難場所 ( ) 二次避難場所 ( ) STEP 2 避難 校内の防災対策本部を総括する 地震 津波に関する情報収集が出来るように, ラジオ等を持って避難する 防災関係機関 関連一覧表等の書類を持ち出す 学校施設 設備等についての被害状況を確認し, 集約する 一次避難場所で危険な時は, 二次避難場所へ速やかに移動するよう指示する STEP 3 避難後の児童生徒等の安全確保 津波は, 第一波が最大とは限らないので情報収集を行い, 第二波 第三波に備え, 避難を継続する ( 津波最大想定 ( メートル ) 地域の被害状況等を確認 集約し, 安全に移動させる 必要であれば, 近隣の学校間と連絡をとり, 連携を行う ( 可能な範囲 ) STEP 4 避難した後の学校の対応大津波警報 津波警報が解除になるまでは, 避難場所で待機する 解除を確認してから学校が津波により使用できない場合, 指定避難場所へ移動する 情報収集: 地震の規模と津波の危険性等, 二次災害の危険性等の状況把握等 外部( マスコミ ) 等及び保護者等への対応 ( 対応窓口の一本化 ) 市教育委員会へ, 状況を報告する ( 児童生徒等及び教職員の安否確認, 施設 設備等の被害状況 ) 必要に応じて, 関係諸機関等への報告 連携を行う ( 警察, 消防, 医療機関, 保護者代表 (PTA 会長 ), 地域の代表者 ( 自主防災組織リーダー ) 学校が使用できる場合は, 学校へ移動する 上記に加え, 校舎等の被害状況の把握及び危険箇所の立ち入り禁止等の措置 ( 全教職員 ) 学校が避難場所となった場合, 避難所運営支援を行う STEP 5 保護者への児童生徒等の引き渡し 担任等に, 保護者への連絡を指示する -1-54

災害時アクションカード教頭用 人 物 場 所 役 割 分 担 教 頭 職員室 総 括 補 佐 STEP 1 児童生徒等の安全確保 校内の状況を確認し, 一次避難場所と経路を決定する ( 平時に, 事前に協議 確認 ) 災害時に関する情報を収集する ( TV, ラジオ, 防災無線放送, 緊急地震速報システム等 ) 決定した一次避難場所に避難するよう校内放送等で指示する ( 注 ) 出張等で教頭不在時は, 教務主任 事務職員等が行う ( 校内放送 : ハンドマイク等で ) 地震が発生しました 津波の恐れがあります 児童 ( 生徒 ) の皆さんは先生の指示 に従い 避難場所 に避難しなさい 一次避難場所 ( ) 二次避難場所 ( ) 自身の身の安全も確保する STEP 2 避難 地震 津波に関する情報収集が出来るように, ラジオ等を持って避難する 防災関係 関連機関一覧表等の書類を持ち出す 学校施設 設備等についての被害状況を確認し, 集約する 担任 学年主任より, 全クラス 全学年の児童生徒の人員と安否を確認する STEP 3 避難後の児童生徒等の安全確保 津波は, 第一波が最大とは限らないので情報収集を行い, 第二波 第三波に備え, 避 難を継続する 地域の被害状況等を確認 集約し, 安全に移動させる 必要であれば, 近隣の学校間と連絡をとり, 連携を行う ( 可能な範囲 ) STEP 4 避難した後の学校の対応 可能な限り, 様々な災害情報を収集する ( 校内の状況, 通学路 学校周辺の状況, 道路や河川の状況等 ) ( 全教職員 ) 学校が避難場所となった場合, 避難所運営支援を行う STEP 5 保護者への児童生徒等の引き渡し 児童生徒の待機場所を設定する 保護者の待機場所を設定し, 受付を設置する 児童生徒の安否について, ホームページやメール等に掲載し, 情報を発信する -2-55

災害時アクションカード養護教諭用 人 物 場 所 役 割 分 担 養護教諭 保健室 児童生徒等の救急 救護 STEP 1 児童生徒等の安全確保 出入り口を確保し, 教職員自身の身の安全も確保する 大きな声で, 的確な指示 頭部の保護, 机の下への避難, 机の脚を持つ, その場を動 かない 一次避難場所 ( ) 二次避難場所 ( ) STEP 2 避難 保健室にいる児童生徒を, 落ち着いて避難誘導する 支援が必要な児童生徒への対応に留意する 全学年の連絡補助簿( 主治医等を記載した記録簿等 ) を持ち出す ( 緊急時に必要 ) 万一のことを想定し, 職員室にも全学年のものを一括保管が望ましい ただし, 個人情報なので, 厳重に扱うこと 病人のほかにも, 不登校生等が保健室登校をしていることもある 可能な限りその時, 授業に携わっていない教師等が支援にかけつけるのが望ましい STEP 3 避難後の児童生徒等の安全確保 負傷者の確認と, 救護 応急手当を行う 医療機関への連絡を行う STEP 4 避難した後の学校の対応 緊急を要する児童生徒等の病院への搬送及び保護者への連絡を行う 授業に携わっていない教師等の支援が必要 ( 可能な限り ) 応急手当児童生徒 負傷者等の氏名や状況等を記しておく ( 全教職員 ) 学校が避難場所となった場合, 避難所運営支援を行う STEP 5 保護者への児童生徒等の引き渡し -3-56

災害時アクションカード事務職員用 人物場所役割分担事務職員職員室対策本部 ( 総括 ) の補佐 STEP 1 児童生徒等の安全確保 出入り口を確保し, 教職員自身の身の安全も確保する 決定した一次避難場所に避難するよう校内放送等で指示する ( 注 ) 出張等で教頭不在時は, 教務主任 事務職員等が行う ( 校内放送 : ハンドマイク等で ) 地震が発生しました 津波の恐れがあります 児童 ( 生徒 ) の皆さんは先生の指示に従い避難場所に避難しなさい 一次避難場所 ( ) 二次避難場所 ( ) STEP 2 避難 防災関係 関連機関の連絡一覧表等の書類を持ち出す ( 教頭とともに ) 全学年の連絡補助簿( 主治医等を記載した記録簿等 ) を持ち出す ( 緊急時に必要 ) 万一のことを想定し, 保健室にも全学年のものを一括保管が望ましい ただし, 個人情報なので, 厳重に扱うこと 電話等での, 関係機関等との連絡窓口となる 緊急時の場合のみの保護者等との, 電話対応, 取り次ぎ窓口となる 平時に, 保護者と協議などを行い, 各家庭で, 親子が落ち合う場所などを, 事前に話し合い確認し合っておくことを承諾 理解してもらっておく STEP 3 避難後の児童生徒等の安全確保 地元住民等が, 避難してきた場合の受け入れの窓口となる ( 市の防災担当者に引き継ぐまでの間 ) STEP 4 避難した後の学校の対応 ( 全教職員 ) 学校が避難場所となった場合, 避難所運営支援を行う STEP 5 保護者への児童生徒等の引き渡し -4-57

災害時アクションカード学級担任用 人 物 場 所 役 割 分 担 学級担任教室 他 児童生徒等の避難誘導 安全確保 STEP 1 児童生徒等の安全確保 出入り口を確保し, 教職員自身の身の安全も確保する 大きな声で, 的確な指示 頭部の保護, 机の下への避難, 机の脚を持つ, その場を動 かない 一次避難場所 ( ) 二次避難場所 ( ) STEP 2 避難 大きな声で, 的確に指示する 押さない, 走らない, しゃべらない, もどらない 落ち着いて, 避難誘導, 負傷者搬送を行う 出席簿( 児童生徒名簿等 ) を携帯する 出席簿とセットで, アクションカード を保管という方法もある 支援が必要な児童生徒への対応に, 特に留意する STEP 3 避難後の児童生徒等の安全確保 児童生徒等の安否確認をする STEP 4 避難した後の学校の対応大津波警報 津波警報が解除になるまでは, 避難場所で待機する 解除を確認してから 緊急を要する児童生徒等の病院への搬送及び保護者への連絡を行う 児童生徒等の不安に対する対処を考慮する ( 全教職員 ) 学校が避難場所となった場合, 避難所運営支援を行う STEP 5 保護者への児童生徒等の引き渡し保護者へ以下の3 点を連絡 ( 電話, 電子メール, 学校のホームページ, 地域の有線放送 ) 1 児童生徒等は全員無事, へ避難し待機中 2 大津波警報 津波警報が解除になるまで, 児童生徒等は待機させる 3 解除後, 下校させるので迎えにきてください ( 危険な場所は無理をしないこと ) 連絡先等 -5-58

災害時アクションカード ( ) 用 人物場所役割分担 STEP 1 児童生徒等の安全確保 STEP 2 避難 STEP 3 避難後の児童生徒等の安全確保 STEP 4 避難した後の学校の対応 STEP 5 保護者への児童生徒等の引き渡し 連絡先等 -6-59

アクションカード 記入に際しての留意点 «授業時に, 発生した場合» 校 長 平時に,PTA 会長, 保護者などと協議 話し合い等を通じて, 災害時の 子どもの引き渡し 等の細かい事柄について申し合わせておき, 緊急時の電話等での問い合わせは控えてもらい, 混乱を防ぐ 日頃より, 担任を通じ, 各家庭との連携を深め, 共通理解を得ておく PTA 役員会 諸行事 学校だより などを通じて, 情報伝達をする 出張等の不在時に, 災害発生の可能性もある 総括 対応などについて, 事前に教頭と共通理解しておく 教 頭 授業に臨んでいる場合, 児童生徒に指示を与えた後, 隣室の教師等に任せ, 職員室に戻り, 総括に携わる ( 特に, 校長が出張等の不在時 ) 職員室などにいる, 授業のない教師等が,( 可能な限り ) 補助に向かう 養護教諭 体調のすぐれない児童生徒が, 休息しており, 保健室登校の子ども等もいることが考えられる さらには, 保護者への連絡簿や主治医の記載された書類等を保管していることもあり, これら個人情報を持ち出す必要があり, 補助がいる 職員室等にいる, 授業のない教師等が, 支援に向かう 事務職員 教頭不在時 ( 出張時, 授業中 ) には, 授業のあいている他の教諭等とともに, 随時対応にあたる ( 常時, 職員室にいることが多い -1-60

ので, 緊急時に行動しやすい ) 災害時の関係機関連絡一覧表等の緊急持ち出し 全校生徒名簿 ( 保護者への連絡簿や主治医の記載された書類等 ) の持ち出し 職員室等の, 決められた箇所に一括して保管しておく ただし, 個人情報なので, 扱いを慎重にする ( 各担任が, 個人の机の中などに置いていると, 緊急時に対応が遅れることも想定される ) ( その他 ) (1) 中学校の場合, 授業中の場合の生徒管理は, 原則として, 教科担当者とする 特に, 理科 家庭科の教諭は, 薬品や火元確認等にも留意する ( アクションカードは, 各特別室にも備え付けておく ) (2)«放課後に, 発生した場合» は, 部活動の顧問が, 誘導指示する 周りの状況等を確認しながら, まずは校舎外等の安全な場所へ一次避難し, その後も避難を継続する -2-61