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Transcription:

グロリオサの切り花生産体系における塊茎の形成 肥大促進 ならびに貯蔵に関する研究 誌名 高知県農業技術センター特別研究報告 = Special bulletin of the Kochi Agricultural Research Center ISSN 13405993 著者 巻 / 号 二宮, 千登志 10 号 掲載ページ p. 1-66 発行年月 2010 年 3 月 農林水産省農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

li~ 三あるいは輪生状に着生する数十枚の葉を分 絞芽 ( 第 1 次 1~ij 校 ) を取り除いて, 塊茎由来の 1 本 花時には一次 1~IJ i' 支発生節の下位にある数枚の葉を付

した 3~4 枚の鞘葉を形成した後に節問伸長を開始 ~ 十分に休眠打破した ローズクイーン ' の 30~40

ド ' では 70~80 ズクイーン ' では 60~70 季に栽培すると草丈が 2~3m となり, 業数を多く ド ' では 70~80, トロピカルレッド ' では 60~, ローズクイーン ' では 50~60 ド ' では 60~70 ズクイーン ' では 50~60 調査期間中の日平均気温は 14.4~17.30C, 日平均 9~ 化葉数は各品種とも龍芽開始時には 2.0~3.6 枚で 2 1. 8~22.8 枚となった ( 表 2-2- 1). このときの

~0.8cm であった. は 4.0~6.9cm で あった. その後はいずれの品種でも 枚で, 定植 H 寺より 8.6~1 1. 4 枚増加していた. また, ~

調査期間中の日平均気温は 16.3~2 1. 90C, 日平均 地温は 18.0~2 1. 40C で推移した ( 園 2-2- 1). 分 化葉数は各品種とも催芽開始時には 2.6~3.2 枚で 22.8~25.6 枚となった ( 表 2 調査期間中の日平均気視は 24.5~32.30C, 日平均 芽長は 0.9~ i 也嵐は 27.1~3 1. 20C で推移した ( 闇 2-2- 1). 分 化業数は各品種とも催芽照始時には 3.0~3.4 枚で このときの分化葉数は定槌時より 6.2~9.6 枚増加 2 1. 8~27.0 枚となった ( 表 2-2-3). このときの 9~

上述の各定植日における分化葉数は 2 1. 8~25.6 枚で 定植後 30 1:11 前の日平均地 j 肢が 14.9~16. た 12 月や 18.0~21.4'C で推移した 4 月定植 ( 関 2 7 月定植では定槌後の地混が 27.1~31 4 月 7 月のいずれの定槌 B でも定槌の 5~ 6~8.

40~60 後に lo 'C で 6~7 ヵ月乾式貯蔵して十分に休眠打破 定植した. 定機後には )J 夜芽 ( 但 ~ 校 ) を除去し 6 輸 40~50 50~60 TR71S) で測定し, 採花時に第 l1n~ 校発生節

~25 ~ より明らかにするため, 上記 3 品種を 15~40oC で 56 30 0 C で 22~24 日開催芽したグロリオサを ~rj) 方 J ミサトレッド ' では 15~30oC ド ' では 15~350C の各温度で催芽中に花芽分化し, 30 0 C で 22~24

で 22~24 日開催芽した塊茎を定植すると, 15~30oC のいず

~8 ヵ月間貯蔵した 60~70 )J~ 芽を全 ~j 命を目標に摘蓄して H 命開花時に 10, 栽培期間中の日平均気協は 19.1~32. 7'C, 地温は 2 1. 5~30.0'C で推移し, いずれも採花終了後 に高くなった. 平均採花臼は 6 月 25~26 日 ( 定械の

m 叩 21iÍ!î 用したガラス室に, 株 r'l~ ir~n~ ごとに発芽塊茎数を調査して休 U~ 程度の指標とし

~70 2000~1 三 4 月 3 10.5~]2.20C で推移 日後までは 23.2~26.10C で推移し, その後は徐々に ~ 日平均地温は, 定槌の ]00 日後までは 14.9~16.00C ~ ~20SJ, 21~30g, 31~40g, 41~50g, 5]~60g,

までは 12.2~12.40C で推移し, その後徐々に上昇し ~ 120 日後には 23.7~23.90C となった では 27.3~3 1. 20C で, 定植の 91 EIIヨ.l2J,f 俸は 35.5~ 後までは 19.4~20.00C で推移し, その後徐々に上昇 ~ 3~28. 30 0 C で 22~23 日開催芽した塊茎を定植 =20~40)

~J, 90 日 1~Uこは 53.2 %~ 4 月 38 に定植したグロリオサにおける新塊茎の ~~ 大ならびに休眠の推移 =20~40)

~ 定植誼後から 80 日白までは 35.9~40SC で推移し, 3~29. の後徐々に低下して定植の 81~90 日後には 25.0 0 C と 7). 事 ~. 塊茎の重さは定栂の 30 日後には平均 ~-

=20~40) 口 17~20)

ずれも 30 0 C で 23~28 日間保芽した後, 基 )] 巴として N, 同一条件で養成した1O ~70 ローズクイーン ' の, いずれも 50~80 ~ mm の芽が発達しており,~

栽培中の地温はなりゆき症で 15.8~19.20C, 中地温区で 20.4~23.10C, 高地混亙で 28.2~32.30C.

いずれの区も 8 月 1l ~13 日とほぼ同時期に採花で ~30.5 枚で, 処理による差がなかっ (30.7~32.80C), (l 4.2~ 30 0 C で 2813 関催芽した 40~50g の塊茎を 7 月 1 日に定植し司

~20 7~32.80C 14.2~22 脅 8 0 C, 夏季にグロリオサを栽培すると pf2.0 を i 紛 ~jl 市 jí,

グロリオサ塊茎の休眠は lo oc で 45~60 日間の貯蔵で 二次塊茎の形成は高地温条件下 (30.7~32.80C) で観察されたが, 低地 j 鼠条件下 (I 4.2~22.80C) で 地における冬季の栽培では, 最低気協を 10~

花自が 4~5 日間早まるのみで ( 第 3 章第 2 節 ), ミサトレッド ' では 40~50 ン ' と トロピカルレッド ' では 40~60 に近い 18~21'C で推移した ( 図 3-3-1), 土壊水 頃までは 14~ 昇して新塊茎を掘り上げた 4 月中旬には 17~18'C と 直後から採花期頃までは 15~18'C と無処理 i 玄より 1 ~ 'c 高く推移し, 採花期以降には 18~21 までは 14~ 15'C, それ以降は 15~1 7'C と, 無処理 E

概ね 25~280C で推移し, 平均採花日頃には約 30 0 C に 40~45%, 50~55% の遮光資材で被覆した各区の ~ ~

~ 17~18 日, 業数は 4 1. 5~42. 3~65. 40~45% 遮光区で 50~55% 遮光区で 231.5cm と, 遮光 Z 千三の高 0~40.8 GA 3 を散布した各区では 44.8~47.0 司となり, 遮光 ~33.9 日 GA3 を散布した各区では 12 1. 4 ~

20 昨年 7 月 12 日に掘り上げて1O.C で貯蔵した 50~ 2007 年 6 月 25 日に掘り上げて 10.C で貯蔵した 50~ ~ 100% となったが 1 株から1. 1~ 1. 7 ミサトレッド ' の 40~50

50~70g の塊茎の芽に切り込み後, ミサトレッド ' の 50~60g の塊茎に切り込み処理して 30 0 C で 30 日開催芽処理し司 2007 年 11 月 29 日に定植

30'C で催 :5i~ して生育が進むに

い ' 慣行区と同様に平均採花日の 55~60EI 後 ( 定植の ]]6~130 日後 ) に掘りとげると, 遅いf! 封切に肥大を ~

ローズクイーン ' の 3 品干重を f 共 ~ï\ した. ~:: の位置が地下 4

日間貯蔵した区では 85~90%, 40~65% にとど 399 日後に認められた (~[ ~20)

1E~ 事が38.9% と 1). これに対して, 事 ~. 塊茎の休眠は 10'C での低温 40~70g の塊茎を貯蔵後ー 30'C で 23 日開催芽して 2001 年 12 月 5 日に定植. ~18)

するには 20 0 C よりも 15 0 C がi 直 ~ と判断されるが, 目

条件下 (30.7~32.8'C) では形成が認められたが, 低地温条件下 (l 4.2~22.8'C) では生じなかった. ]O'C で 45~60 日間の貯蔵で十分 { 水 11 民カ f 浅くなる傾向にあった. 休 11 民は 1~f.J1tJ 弱 l 袋に最

加しており, 遅く肥大を始めた業 ~. 塊茎の養成期間が 芽した塊茎を定椴し, 慣行の切り TË~ 三産に準じて栽

するとともに, 休 I!~ 打破した塊茎合長期間貯蔵する 15~40'C で 56 日開催 ~:: す 種間葦は, 花芽分化に対する温度反応 給与 I~: の違いに

I~ 色不織布区で は低い地温による事 rr 塊茎の肥大抑棋 )j~ 大と休! 恨の推移を龍査した. その結果, 新塊茎は

15~20oC で貯蔵すると貯蔵可能期間は短いもの ~ レンフィルムのマルチングによって地植を 18~21 的な貯蔵期間は 45~60 日間と考えられた. また, 20 0 C 10~20oC で貯蔵すると,

の休 II[~ 誘導におよぼす生育期間 1:13 の温度の影 J~ 試研 ; 法. ~ 三育温度の違いがリットニアの塊茎の形成 蔵温度の影響. 関学 ~~të.

和彦 手 ; 塚敏 j~ìlì