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CLINICAL REPORTS 症 例 報 告 臼歯部 合崩壊症例に対し顎運動計測装置を 用いて 合再構成を行った 症例 The use of jaw motion measuring devices for occlusal reconstruction in a case of posterior bite-collapse 東田 淳一郎 Junichiro Higashida 島田 卓也 Takuya Shimada Keyword : jaw motion measuring device occlusal reconstruction functional mandibular movement provisional restoration キーワード 顎運動計測装置 合再構成 機能運動 プロビジョナルレストレーション In a case of posterior bite-collapse, the digital jaw motion measuring device was employed to assess functional movements of the mandible, aiming to acquire objective information from provisional restorations and provide a diagnosis based on scientific evidence. Based on the analysis by the jaw motion measuring device, provisional restorations were assessed again, and the occlusion was reconstructed. In the process of this occlusal reconstruction, provisional restorations are replaced by final restorations, and this is where the dentist s intuition and experience are called upon. Presented here is a satisfactory result of such case. 臼歯部 合崩壊症例に対し プロビジョナルレストレーションから客観的な情報を取得することを目標に 機能 運動時の評価にデジタル式顎運動計測装置を用い 科学的根拠のある診断を目指した そして デジタル式顎運動 計測装置の分析をもとにプロビジョナルレストレーションの再評価を行い 合再構成を行った 合再構成を行 うにあたり プロビジョナルレストレーションから最終補綴物に移行していくが その際 術者の経験や勘に左右 される要素も多い 今回 臼歯部 合崩壊症例に対し プロビジョナルレストレーションから客観的な情報を取得 することを目的に 機能運動時の評価にデジタル式顎運動計測装置を用い 科学的根拠のある診断を目指した そ して 合再構成を行い満足いく結果を得たので報告する 顎 咬 合 誌 : - 9 偏位しているのかを診断するのに苦慮することがしばし 緒言 ばある 臼歯部が 合崩壊しているにもかかわらず 前歯部誘 また 臨床的に下顎位の決定法には様々な方法 - 導路が機能している症例にしばしば遭遇することがある があるなか 術者の経験や勘に委ねた下顎位の決定法を これらの症例に対し 合再構成を行うにあたっては 顎関節を含む神経筋機構が残存前方歯群の 合により誘 導され 本来の下顎位が保存されているのか もしくは 用いることが多く 既存の 物の 合関係をそのまま最終補綴 合として採用するか否か悩むところである そこで今回の症例では 術者が設定した下顎位で作製 したプロビジョナルレストレーション 以下プロビ の ひよどり台歯科クリニック - 神戸市北区ひよどり台南町 丁目 -7 Tel 7-7- 受付日 年 月 日 日本顎 合学会誌 み合わせの科学 機能状態をデジタル式顎運動計測装置を用いて客観的に 把握し 下顎位の安定性と機能性を図った結果 満足い く治療結果を得たので報告する 受理 年 月 日 第 巻 第 号

症例 I Broadent & Mathews Willis 9..

CLINICAL REPORTS II 口腔内所見 図 表 ⁴CFU/ml 以下である 唾液の緩衝能はやや低い LB う は 以外全ての残存歯に認められたが 長期間 菌の量 緩衝能ともに注意を要するが 唾液の流出量は 歯科受診がなかったため 処置歯は のアマルガム.ml/ 分以上で正常である フッ化物の使用状況は歯磨 充塡のみである 剤のみである 唾液検査の結果はハイリスクではなかっ 残根は 7 7 7 7 で要抜歯 は歯内療法が た 必要であるも 全ての残存歯に大きな動揺はなく 歯周 IV 合診査 ポケットも全て mm 以下であった 出血は に認められた で 犬歯誘導である アンテリアジグを作成し 患者を水平位にし ドーソ III パノラマエックス線所見 図 ン法によるマニュピレーションにより顆頭安定位に誘 残根を除く臼歯部は 以外全て 導し CR ポジションを採得した 図 仮の CR ポジ 出している 歯槽骨 の状態は全顎的に良好である 歯周病的リスクは低いと ションとしてこの下顎位を指標とし 診断した 果 ICP ポジションは CR ポジションよりやや左側に変 位相差顕微鏡の観察において スピロヘータや運動性 桿菌の存在は認めなかった 合診断を行った結 位している 図 模型診断の結果 早期接触部位は なかった 唾 液 検 査 表 で は 唾 液 中 の mutans streptococci の 量 は 非 常 に 少 な い 唾 液 中 の lactobacilli の 量 は 顎関節においては 開閉口運動時における 痛 雑音 機能障害 変位は認められなかった 表 プロブレムリスト Basic Data & Problem List. Teeth & Dental Arch Defective restoration Version tooth Caries tooth Mobility tooth 7 7 7 7 Tooth in need of endodontic treatment 7 Hopeless tooth 7 7 7 7 Missing tooth 表 初診時歯周組織検査 7 7 7 7 赤 Bleeding Point 日本顎 合学会誌 み合わせの科学 第 巻 第 号 7

:ml :ml ml :.ml ml :.ml DMFT, CR CR CR ICP ICP 診断 補綴設計 CR CO,

CLINICAL REPORTS 表 補綴設計 補綴計画 補綴計画 7 7 7 7 7 7 7 Implant Bridge 図 療の布石とする治療として ベストの治療方法であるこ とを再度説明し インフォームドコンセントを得たので stプロビ装着時の口腔内写真 治療経過 補綴設計 表 に決定した 歯周基本治療終了後 抜歯を含む残存歯の治療と並行 して 部と 7 部にインプラントの埋入を行った インプラントのインテグレーションを確認した後 下顎 治療計画 臼歯部 臼歯部にプロビを装着した st プロビを図 に示す 合崩壊が進んでいるにも関わらず下顎位の低 下を招かなかったのは が st プロビ装着後 やや前嚙み傾向の可能性も考慮に 合していたためと推測 いれて下顎位の模索を行った マニピュレーションで採 し 可能な限りこのバーティカルストップを保全したま 得した下顎位を記録したシリコーンバイトにて 以 ま 外にも左側臼歯部が 合採得を行い プロビに移行し 長期的に 合の変 化がないかを経過観察していく計画を立てた 以下に治 療計画を示す 合することを確認した をブリッジの支台歯に含め右側臼歯部を 合させた 後 を抜歯し 7 部にインプラントを埋入した 臼歯部 ①歯周基本治療 に緊密な ②残存歯の治療 抜歯 根管治療 支台築造 の診断用ワックスアップとワックスアップをもとに nd ③診断用ワックスアップ プロビを作成した nd プロビ 図 7 により両側臼歯 ④インプラント埋入 部 ⑤ st プロビによる下顎位の模索 め 術前に採得したシリコーンバイトで臼歯部 ⑥診断用ワックスアップ を確認した 術前にマニュピレーションで採得した CR ⑦ nd プロビによる下顎位の模索 バイトと nd プロビのバイトが一致していることを確 ⑧診断用ワックスアップ 認した nd プロビは カ月間使用した ⑨ rd プロビによる修復物の形態と下顎位の決定 合関係が確立するかの確認するため 回目 合が確立すると 下顎位が後退する可能性があるた 合関係 顎関節エックス線写真にて 顆頭が前方に変位を起こ ⑩最終補綴物の装着 していないことを確認した 下顎位の変位もなく矯正治 ⑪メインテナンス 療によるアンテリアカップリングの再構成が必要ないこ とが診断できたので 部にインプラントを埋入し 日本顎 合学会誌 み合わせの科学 第 巻 第 号 9

7 nd 9 CR nd rd rd II の咬合器レポートでの数値を使用した. 計測装置にて 9 rd nd nd rd 7 9

CLINICAL REPORTS 図 rdプロビ装着時の口腔内 写真 軸 左関節 切歯の Sagittal 切歯の 前面 切歯の 水平 顆頭点の運動 右関節 切歯点の運動軌跡 図 rdプロビ装着時のデジタル式顎運動計測装置画像 左側側方運動時 右側側方運動時 前方運動時 図 アジャスタブル インサイザルテーブル かった rd プロビの評価のために計測した顎運動計測 題がないことから このアンテリアガイダンスをそのま 装置の軌跡を図 に示す 開閉口運動における顆頭点 ま利用し 最終補綴物を作製した の画像では ほぼ左右同様な運動を認め ループを描く ことなくほぼ垂直に開閉口運動を行っている 合器 プロター 合器 カボ社 にマウントするた めフェイスボウトランスファーを行い 計測装置の 合 計測装置から切歯の前面の軌跡は角度 距離ともに均 器レポートから得られた数値をもとに アジャスタブ 等になっていることが窺われ 特に問題となる顎運動を ル インサイザルテーブルにより ラボサイドで設定値 認めなかった どおりマウントした 図 計測装置の 左側の犬歯が 合器レポー 出しているため 犬歯の形態を変更す トにおける歯の誘導の角度は左 右 7 と計測装置 る可能性もありえると考えたが 計測装置での診断で問 の方が傾斜角が急傾斜である 今回は臼歯部の補綴なの 日本顎 合学会誌 み合わせの科学 第 巻 第 号 9

Sagittal nd 9

CLINICAL REPORTS 右側最大開口時 右側 ICP 左側 ICP 左側最大開口時 図 最終補綴物装着時の顎関節写真 ICPは顆頭安定にあることをうかがわせる ウォッシュアウトなど 装着期間中にプロビのおかれた 考察 状況から推測するのみである また もう一つの観察方 術者のマニュピレーションにより得られた CR を信頼 法として プロビの使用期間中に蓄積した 耗の程度か に足るポジションか診断するために プロビにより長期 ら顎運動の軌跡を推測する方法 9 があるが 機能運動 間の経過観察を行った それに加えて 現症を招くに においてはプロビに痕跡として表現されるだけであり 至った原因を長期間歯科受診がないことによる臼歯部 軌跡そのものの観察ではない 合崩壊と診断したが それ以外の原因を究明しきれない 合採得における動的記録法は 下顎の機能運動路を ことも観察が長期に及んだ理由の一つでもある 今回の 含めた上下顎の位置関係である その中でも電子的機器 症例は わずかな 出を認めるが 患者固有のア を利用する方法では マイオモニターによる下顎位の ンテリアガイダンスは保存されており 側方運動時には 決定法 が良く知られている その他 筋電図の波形 十分な離開量が確保されている しかし から安静位を求め 適正な下顎位をみつける方法 や 起しにくい 耗と 合様式を有し かつ う 頭干渉を惹 および歯周病に 対するリスファクターが低いにも関わらず 臼歯部 合 マンディブラ キネジオグラフを使用し 法 合採得する方 が紹介されている 電子的機器を使用する方法は 崩壊を起こしており 長期にわたる複雑な要因により 操作性や精度などに問題があるため 補助的手段として 合崩壊に至ったものと推測する このような症例には 用いられてきた よりきめ細やかな分析と診断がなされなければならない 計測装置を採用した理由は 他の顎運動計測機より操 と考える そこで 今回の症例では 術者が設定した下 作が簡便で開業医でも扱いやすいことであり 最大の利 顎位で作製したプロビの観察に加え 計測装置にて下顎 点は 著者らが普段使用している 位の安定と機能性を再評価した 器 カボ社 とリンク可能なことである 計測した運動 計測装置の再現性と客観的な指標について 筆者ら が行った実験 の結果 計測装置の計測精度は高く 経路を必要があれば 合器 プロター 合 合器上で再現できることに有用性 を感じている 再現性があるという結果が得られ 臨床的に客観的な指 標となることが示唆されたことから nd プロビにより 確立した 合関係の評価を計測装置を使用して行った 結論 プロビから知りえる状況は 機能運動においては直接 合再構成を行う際に プロビジョナルレストレー プロビには表れない プロビの破折 脱離 セメントの ションの経過観察を行うことが重要であるが それに加 日本顎 合学会誌 み合わせの科学 第 巻 第 号 9

SADA Fine Co., Inc. 7-79,, 99 97-,, 9 Dawson PE 7-9,, 99 Broadent TR, Mathews VL Artistic relationships in surface anatomy of the face: application to reconstructive surgery. Plast Reconrtr Surg, -7, 97. Arnett G W, Jelic J S, KimJ, et al.: Soft tissue cephalometric analysis: diagnosis and treatment planning of dentofacial deformity. Am J Orthod Dentofacial Orthop, : 9-999., : - 7.. 7 9 : -9,,. 9