【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化

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<貿易見通し>

リンギ安進むマレーシア~原油安による経済への影響~

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<貿易見通し>

平成28年 成田空港貿易概況(速報)

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1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

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近畿圏における電気機器の貿易動向 平成 24 年 10 月 22 日大阪税関調査統計課 貿易額推移 近畿圏における電気機器の貿易額は 2000 年に初めて輸出額が 3 兆円を突破し 輸入額が 1 兆円を突破しました 輸出額は 2001 年に一旦減尐しますが その後は右肩上がりで増加し 2005 年に

特集 ロシア NIS 圏で存在感を増す中国特集 ロシアの消費市場を解剖する Data Bank 中国の対ロシア NIS 貿易 投資統計 はじめに今号では ロシア NIS 諸国と中国との経済関係を特集しているが その際にやはり貿易および投資の統計は避けて通れないであろう ただ ロシア NIS 諸国の側

第 3 章九州の産業別貿易動向 1. 自動車 自動車の部分品 2017 年の九州の自動車輸出額は 1 兆 7,006 億円 ( 前年比 27.4% 増 ) で前年より増加し 4 年連続の増加となった 輸出先は 米国が最も多く 次いで中国 アラブ首長国連邦等であった 2017 年の九州の自動車生産台数

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( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

2. 景気後退の影響 (2) 2008 年 10 月以降の世界的な景気後退の影響 ( 業種別 ) 大きなマイナス若干のマイナス影響なし 若干のプラス 大きなプラス 製造業 印刷 出版 (n=14) ゴム製品 (n=35) 金属製品 ( メッキ加工を含む

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

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中国:なぜ経常収支は赤字に転落したのか

平成18年8月31日

【アジア新興経済レビュー】利下げや景気対策の動きが広がる

マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

【アジア新興経済レビュー】韓国・台湾・マレーシア・タイ・インドネシア・フィリピン・インド 韓国と台湾、内需に違い

輸入バイオマス燃料の状況 2019 年 10 月 株式会社 FT カーボン 目 次 1. 概要 PKS PKS の輸入動向 年の PKS の輸入動向 PKS の輸入単価 木質ペレット

2017年第3四半期 スマートフォンのグローバル販売動向 - GfK Japan

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 金 25, 2, 15, 12, 営業利益率 経常利益率 額 15, 9, 当期純利益率 6. 1, 6, 4. 5, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 8 社 214 年度 215 年度前年度差 ( 単位 : 億円 ) 前年

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

ASEAN との経済関係が再び強まる韓国 ASEAN ASEAN ASEAN ASEAN ASEAN1 16 RCEP 1. ほぼピークに達した対中輸出依存度 (1) 上昇傾向にある対 ASEAN 輸出依存度 ASEAN 2 WTO 21 RIM 213 Vol.13 No.49

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第1章

2018 年第 1 四半期ベトナム経済事情 2018 年 4 月 在ベトナム日本大使館経済班 ( 注 ) 本資料の記載情報は, 信頼できると考えられる情報源等を元に作成しておりますが, その正確性 完全 性を保証するものではありません また, 記載された数値, 意見, 予測等は, 作成時点のものであ

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2016 年の日本の対ロシア NIS 諸国輸出入通関実績 ( 確定値 ) ドル表示 輸出入前年輸出前年輸入合計前年 =100 =100 =100 バランス ロシア 16,410, ,125, ,285, ,159,423 ウクライナ 883,

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データバンク 2006 年上半期の日本の対 CIS 主要国貿易統計 1. ロシア /96 2. ウクライナ /98 3. カザフスタン /99 4. ウズベキスタン / アゼルバイジャン /101 表 年 1~6 月の日本の対ロシア NIS 諸国輸出入通関実績 輸出入合計

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Economic Trends    マクロ経済分析レポート

特集 平成 30 年分成田空港貿易概況 ( 速報 ) 平成 31 年 1 月 23 日 ( 水 ) 東京税関 本資料における 2018 年 の数値は速報値 本資料における 伸率 とは前年との比較によるもの 本資料における対中国の貿易額には対香港及び対マカオの貿易額を含む

6 月調査 (5 月実績 ) 結果概況 景気判断 DI は現状 見通し共に小幅に下降も 50 を上回る高水準を維持 5 月のスーパーマーケット中核店舗における景気判断 DI 現状判断は前月から-0.3 の 54.8 見通し判断前月から-0.9 の 51.0 となり 共に小幅な下降となったが 引き続き

阪神港及び各港の構成比 ( 対全国 ) 全国における阪神港の構成比をみると 2014 年は輸出で 12.9% 輸入で 12.7% となり 阪神港が誕生した 2007 年と比べて 輸出は 0.8 ポイント 輸入は 0.7 ポイント拡大しました 阪神港の各港についてみると 輸出は神戸港の構成比が高く 輸

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1 特集 アジアで深化する生産ネットワークと新たな潮流 良好な事業環境を土壌に 高度産業の芽 ( マレーシア ) 2018 年 3 月 15 日 ジェトロ海外調査部アジア大洋州課北見創 マレーシアは 2015 年 ~2016 年に経済成長が減速し 1 人当たり国内総生産 (GDP) は 1 万ドルを

特集 安定成長を模索する NIS 経済 2017 年の日本の対 NIS 諸国貿易統計 Data Bank はじめに恒例により 日本財務省発表の貿易統計にもとづいて 2017 年の日本とNIS 諸国との貿易に関し データをとりまとめて紹介する 日本とロシアの貿易については すでに5 月号に掲載済みであ

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【ロシア最新経済金融週報】

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統計特集 :2005 年 1~9 月の日本の対 CIS 主要国貿易統計 第 1 表 2005 年 1~9 月の日本の対 CIS 中東欧諸国 モンゴル輸出入通関実績 ロシア 第 2 表 2005 年 1~9 月の日本の対ロシア輸出品構成 第 3 表 2005 年 1~

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物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ

報道発表 ( 速報 ) 平成 31 年 3 月 18 日沖縄地区税関 輸入差止点数が 5 年連続で 3,000 点越え著作権侵害物品の輸入差止点数が前年比 12.3 倍と増加 ( 平成 30 年の沖縄地区税関における知的財産侵害物品の差止状況 ) 沖縄地区税関は 平成 30 年の偽ブランド品などの知

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

一企業当たりの事業所数は 14. 事業所 ( 前年度差.6 事業所減 ) 常時従業者数 499 人 ( 前年度比.8% 減 ) 売上高は 23.4 億円 ( 同 2.9% 減 ) 製造企業の一企業当たりの売上高は 億円 ( 前年度比 3.9% 減 ) 営業利益は 1 億円 ( 同.6%

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特集 平成 2 5 年 5 月 2 2 日東京税関調査部調査統計課 金の輸出入 2012 年の世界の金需要は 4,405 トン 2012 年に合金も含む金を日本は 132 トン輸出し 11 トン輸入しています 日本の 2006 年から 2010 年の平均年間金産出量は 10 トン足らずですが 200

ロシア 3節 第 第3節 ロシア 1 マクロ経済動向 ロシア経済は 緩やかな回復基調にある 2014 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 2015 年以降 原油価格 の下落を主因として

地域 ( 国 ) 別輸出入 輸出輸入差引 価額伸率価額伸率価額伸率 総額 40,131, ,530, ,785 4 アジア 21,850, ,862, ,987, 中華人民共和国 7,655,

第 3 章九州の産業別貿易動向 1. 自動車 自動車の部分品 2016 年の九州の自動車輸出額は 1 兆 3,346 億円 ( 前年比 15.6% 増 ) と 3 年連続の増加となった 輸出先は 米国が最も多く 次いで中国 アラブ首長国連邦等となっている 2016 年の九州の自動車生産台数は 135

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平成 22 年基準 秋田県鉱工業生産指数月報 平成 30 年 12 月分 鉱工業生産指数の推移 季節調整済指数全国 東北 : 平成 27 年 =100 秋田 : 平成 22 年 =

仕出国別 中国来の知財侵害物品の差止件数は 1,131 件であり 仕出国別の構成比では 前年に続き全体の約 8 割 (78.7%) を占めるに至っています 一方 2 位のフィリピン来が構成比 9.7% 3 位の香港来が同 4.8% を占めるにとどまっており 中国来への一極化の傾向にあると言えます な

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【アジア新興経済レビュー】底堅い内需も輸出不振の長期化が足枷に

I. 調査結果概況 景気判断 DI( 現状判断 ) は小幅に上昇し最高値を更新 仕入原価高止まりも客単価が上昇 10 月スーパーマーケット中核店舗における景気判断 49.1 と小幅に上昇し 2010 年 4 月の調査開始以降最高値を記録した 経営動向調査によると売上高 DI が 1.1 とはじめてプ

2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

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部品メーカーの状況 自動車部品メーカー 75 社の 2017 年度通期 (2017 年 年 3 月 ) の業績は 以下のとおりとなった 1. 決算状況 1 日本基準適用企業 63 社 ( ) 前年同期差 前年同期比 売上高 14,135,817 15,044, ,912 +

ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

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ニッセイ基礎研究所 218-5-9 東南アジア経済 ASEAN の貿易統計 (5 月号 ) ~ 輸出は好調も 旧正月の影響を均せば増勢鈍化 経済研究部研究員斉藤誠 TEL:3-3512-178 E-mail: msaitou@nli-research.co.jp 18 年 3 月のASEAN 主要 6カ国の輸出 ( ドル建て通関ベース ) は前年同月比 1. 増 ( 前月 : 同 8.6% 増 ) と 二ヵ月ぶりの二桁増となった ( 図表 1) 輸出は昨年 海外経済の回復や半導体需要の増加 一次産品の価格上昇が全体を押し上げ 総じて好調に推移している 今年に入り旧正月の影響で上下に振れているが 1-3 月平均で見ると前年同期比 13.7% 増と高水準ながら 1-12 月平均の同 16.2% 増からは低下している 輸出の増勢はベース効果などから鈍化しつつあるようだ ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると 東アジア向け ( 同 7.4% 増 ) が小幅に低下したものの 東南アジア向け ( 同 9.3% 増 ) と北米向け ( 同 15.7% 増 ) EU 向け ( 同 8.2% 増 ) がそれぞれ上昇した ( 図表 2) 旧正月の影響で上下に振れているが 総じてアジア向けが堅調な拡大を続けるなか 足元では北米向けが拡大し EU 向けの増勢は鈍化する傾向にある ( 図表 1) ( 図表 2) ASEAN6カ国の輸出額 (215 年 =1) 1, ASEAN6ヵ国計増加率 ( 右目盛 ) 95 2 3 13 ASEAN5 ヵ国仕向け地別の輸出動向 輸出全体東アジア東南アジア北米 EU 9 85 8 75 7 65 6 55 5 シンガポールの輸出額は NODX( 石油と再輸出除く ) 2 2 ( 年月 ) 12 11 1 9 8 タイ マレーシア シンガポール ( 地場輸出 ) インドネシア( 非石油ガス輸出 ) フィリピンの輸出より算出 タイの18 年 3 月の輸出額は前年同月比 7.1% 増と 前月の同 1.3% 増から低下した 輸出の基調は 海外経済の回復を背景に需要が拡大した電子機器 また価格が上昇した石油製品を中心に増加傾向を維持しているが これまで好調だった工業製品や農産品が鈍化するなど輸出の増勢はピークアウトしたかに見える 一方 輸入額が前年同月比 9. 増 ( 前月 : 同 16. 増 ) と低下した結果 貿易収支は12.7 億ドルの黒字となり 前月から4.6 億ドル改善した ( 図表 3) 輸出を品目別に見ると 全体の約 8 割を占める主要工業製品は同 7.7% 増 ( 前月 : 同 11. 増 ) となり 8ヵ月ぶりの一桁台まで鈍化した ( 図表 4) 工業製品の内訳を見ると 石油化学製品( 同 13. 増 ) と電子機器 ( 同 15.7% 増 ) が高水準を記録した一方 自動車 部品 ( 同 3.9% 増 ) と機械 装置 ( 同.2% 減 ) が低調だった また鉱業 燃料は同 49.8% 増 ( 前月 : 同 34.6% 増 ) と 石油製品を中心に8ヵ月連続の二桁増となった 農産品 加工品は同 3.3% 減 ( 前月 : 同.3% 増 ) と 1 経済 金融フラッシュ 218-5-9 Copyright 218 NLI Research Institute All rights reserved

マイナスとなった コメ ( 同 8. 増 ) こそ高めの伸びを続けたものの 天然ゴム ( 同 5.2% 減 ) ゴム製品 ( 同 24.3% 減 ) が大幅に減少 加工食品 ( 同 4.8% 増 ) も伸び悩んだ ( 図表 3) 6 貿易収支 ( 右目盛 ) 輸出額輸入額 22 5 2 タイの貿易収支 4 3 ( 図表 4) タイ輸出の伸び率 ( 品目別 ) 2 農産品 加工品主要工業製品鉱物 燃料輸出合計 18 16 14 2 1 1 2 12 3 ベトナムの18 年 3 月の輸出額は前年同月比 23.2% 増と 前月の同 9. 増から上昇し 二カ月ぶりの二桁増となった 輸出は16 年後半に主力の電気 電子製品が勢いを取り戻してから政府目標 (17 年が +6-7% 18 年が +7-8%) を上回る伸びが続いているが 昨年 1 月に増勢はピークアウトしたかに見える 3 月の輸出はサムスン電子の新型スマートフォン発売を背景に好調だったが 今後はベース効果により伸び率は鈍化傾向を辿ると見込まれる 一方 輸入額も前年同月比 2.4% 増 ( 前月 : 同 7.3% 減 ) と上昇してプラスに転じた 結果として 貿易収支は前月の22.6 億ドルの黒字となり 前月から19.6 億ドル改善した ( 図表 5) 輸出を品目別に見ると まず輸出全体の約 2 割を占める電話 部品が同 7.8% 増 ( 前月 : 同 44.2% 増 ) と高水準を記録したものの コンピュータ 電子部品は同 1.2% 増 ( 前月 : 同.9% 減 ) と引き続き低調だった アパレル関連では織物 衣類が同 11.3% 増 ( 前月 : 同 18.9% 増 ) とやや鈍化したが 履物が同 9.6% 増 ( 前月 : 同 2.7% 減 ) と上昇した 農産品では野菜 ( 同 15.1% 増 ) やカシューナッツ ( 同 24.6% 増 ) が好調に推移したほか 前月に減少したコーヒー ( 同 1.8% 増 ) とコメ ( 同 49.1% 増 ) がプラスに転じた 一方 コショウ ( 同 47.8% 減 ) やゴム ( 同 17.3% 減 ) などは大幅に減少しており 農産品は品目毎のバラツキが大きい 輸出を資本別に見ると 全体の7 割を占める外資系企業が同 26. 増 ( 前月 : 同 12. 増 ) 地場企業が同 15.4% 増 ( 前月 : 同 2.4% 増 ) と それぞれ大きく上昇した ( 図表 5) ( 図表 6) ベトナムの貿易収支 ベトナム輸出の伸び率 ( 品目別 ) 22 25 貿易収支 ( 右目盛 ) 輸出額輸入額電話 部品織物 衣類 2 4 コンピュータ 電子部品履物 2 その他輸出合計 15 18 1 3 16 14 12 1 5 5 1 15 2 2 8 25 16/1 16/7 17/1 17/7 18/1 2 経済 金融フラッシュ 218-5-9 Copyright 218 NLI Research Institute All rights reserved

マレーシアの18 年 3 月の輸出額は前年同月比 16.2% 増と 前月の同 11.3% 増から再び上昇し 9ヵ月連続の二桁増となった 輸出の伸び率は 前月こそ中華圏の旧正月の影響でやや伸び悩んだものの 半導体需要の増加や通貨リンギ高の影響で好調に推移している 一方 輸入額も前年同月比 2.7% 増と 前月の同 1.4% 増から更に低下した結果 貿易収支は37.6 億ドルの黒字と 前月から 14.5 億ドル改善した ( 図表 7) 輸出を品目別に見ると 全体の約 4 割を占める機械 輸送用機器は同 24.4% 増 ( 前月 : 同 13.1% 増 ) と 主力の電気 電子製品 ( 同 23.6% 増 ) を中心に大きく上昇した ( 図表 8) また化学製品が同 21.9% 増 ( 前月 : 同 9. 増 ) と上昇したほか 動植物性油脂が同 5. 増 ( 前月 : 同 12.7% 減 ) とパーム油を中心にプラスに転じた 一方 鉱物性燃料は同 4.2% 増 ( 前月 : 同 21.6% 増 ) と鈍化した 天然ガス (9.9% 増 ) と原油 ( 同 34.6% 増 ) こそ好調だったが 石油製品 ( 同 3.9% 増 ) が伸び悩んだ ( 図表 7) 22 5 2 4 18 3 16 マレーシア貿易収支 ( 図表 8) マレーシア輸出の伸び率 ( 品目別 ) 鉱物性燃料 動植物性油脂 3 製造品 機械 輸送用機器 その他 輸出合計 2 14 2 12 1 1 2 インドネシアの18 年 3 月の輸出額は前年同月比 6.1% 増 ( 前月 : 同 12. 増 ) と低下した 輸出の伸び率は世界経済回復による需要拡大とコモディティの価格上昇を受けて堅調に推移してきたが 足元では主力の輸出品であるパーム油やゴム製品 電気機械が落ち込み 全体では伸び悩んできている 一方 輸入額は前年同月比 9.1% 増 ( 前月 : 同 24.9% 増 ) と鈍化した結果 貿易収支は1.9 億ドルの黒字と 前月から11.4 億ドル改善して4カ月振りの黒字となった ( 図表 9) 輸出を品目別に見ると 石油ガスが同 11. 減 ( 前月 : 同 16.1% 増 ) と落ち込んだものの 全体の9 割を占める非石油ガスが同 13.4% 増 ( 前月 : 同 13.9% 増 ) と好調を維持した 非石油ガスの内訳を見ると まず輸出全体の7 割を占める製造品が同 2.3% 増 ( 前月 : 同 4.9% 増 ) と伸び悩んだ 製造品では 機械類 ( 同 4. 増 ) が若干上昇したものの 主力の動植物性油脂 ( 同 17.3% 減 ) とゴム製品 ( 同 3.8% 減 ) 電気機械( 同 6.6% 減 ) がそれぞれ減少した また農産品は同 3.2% 減 ( 前月 : 同 16.6% 減 ) と野菜製品を中心に引き続きマイナスとなった 一方 鉱業品は同 45. 増 ( 前月 : 同 68.3% 増 ) と鉱石 スラグ及び灰を中心に好調が続いた 3 経済 金融フラッシュ 218-5-9 Copyright 218 NLI Research Institute All rights reserved

( 図表 9) インドネシアの貿易収支 18 2 17 15 16 1 15 14 5 13 ( 図表 1) インドネシア輸出の伸び率 ( 品目別 ) 4 農産品 製造品 鉱業品 石油ガス 輸出額 3 2 12 11 1 9 5 1 15 2 8 2 3 シンガポールの18 年 3 月の輸出額 ( 石油と再輸出除く ) は前年同月比 3.9% 増 ( 前月 : 同.2% 増 ) となり 旧正月の影響で鈍化した2 月から小幅に上昇した 輸出は主力の電子製品と医薬品が上下に振れているが 石油化学製品を中心に総じて増加傾向を維持している なお 総輸出額が前年同月比 6. 増と前月 ( 同 6. 増 ) から横ばいとなった一方 総輸入額は同 6. 増 ( 前月 : 同 12.2% 増 ) と低下した 結果として 貿易収支は44.5 億ドルの黒字と 前月から11.7 億ドル改善した ( 図表 11) 輸出 ( 石油と再輸出除く ) を品目別に見ると まず全体の約 3 割を占める電子製品は同.7% 減 ( 前月 : 同 6. 減 ) と引き続きマイナスとなった ( 図表 12) 電子製品の内訳を見ると PC( 同 33. 増 ) が好調を維持 通信機器 ( 同 13.6% 増 ) がプラスに転じる一方 主力のIC( 同.1% 増 ) が奮わず PC 部品 ( 同 47.9% 減 ) とダイオード トランジスタ ( 同 19.4% 減 ) は落ち込んだ また電子製品と同じく全体の約 3 割を占める化学は同 1. 増 ( 前月 : 同.6% 減 ) と大きく上昇した 化学製品の内訳を見ると 医薬品が同 5. 増 ( 前月 : 同 1. 減 ) 石油化学製品が同 5.4% 増 ( 前月 : 同 6.7% 減 ) と それぞれプラスに転じた ( 図表 11) シンガポール貿易収支 38 7 貿易収支 ( 右目盛 ) 総輸出額 総輸入額 36 6 34 32 5 3 4 28 26 3 24 2 22 1 2 18 ( 図表 12) ( 前年同期比 ) シンガポール輸出の伸び率 ( 品目別 ) 2 電子製品 医薬品 2 その他化学製品 その他 非石油輸出 ( 再輸出除く ) 2 フィリピンの18 年 3 月の輸出額は前年同月比 13.4% 減と 前月の同 1.8% 減から一段と減少した 輸出は主力の電子製品こそ堅調に拡大しているものの 通貨ペソ安の影響などから全体では昨年後半から伸び悩み 足元ではマイナス圏に突入している 一方 輸入額は前年同月比 4.1% 減 ( 前月 : 同 18.6% 増 ) と大きく低下した結果 貿易収支は27.2 億ドルの赤字となり 前月から3.4 億ドル赤字が縮小した ( 図表 13) 4 経済 金融フラッシュ 218-5-9 Copyright 218 NLI Research Institute All rights reserved

輸出シェア上位 1 品目を見ると まず輸出全体の約 5 割を占める電子製品は同 6.8% 増 ( 前月 : 同 4.6% 増 ) と上昇し 底堅く推移している ( 図表 14) 電子製品の内訳を見ると 主力の半導体デバイス ( 同 2.6% 増 ) が低調だったものの 電子データ処理機 ( 同 1.9% 増 ) と計測制御機器 ( 同 7.1% 増 ) が堅調に拡大した その他 9 品目は総じて減少した品目が多かった 精錬銅 ( 同 8.1% 増 ) と電子機械 部品 (5.8% 増 ) が増加した一方 機械 輸送用機器 ( 同 44.6% 減 ) や金 ( 同 33.8% 減 ) ココナッツオイル( 同 3.3% 減 ) イグニッション ワイヤーセット( 同 28.9% 減 ) その他製造品 ( 同 24. 減 ) その他鉱物製品( 同 21. 減 ) 金属部品( 同 1. 減 ) が減少した ( 図表 13) フィリピンの貿易収支 1 2 9 1 ( 図表 14) ( 前年同期比 %) フィリピン輸出の伸び率 ( 品目別 ) 2 一次産品 燃料電子製品その他製品など輸出合計系列 5 2 8 7 6 5 4 3 1 2 3 4 5 2 2 ( お願い ) 本誌記載のデータは各種の情報源から入手 加工したものであり その正確性と安全性を保証するものではありません また 本誌は情報提供が目的であり 記載の意見や予測は いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません 5 経済 金融フラッシュ 218-5-9 Copyright 218 NLI Research Institute All rights reserved