【資料3】海洋プラスチック問題について

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①180612_G7シャルルボワサミット結果報告(循環部会用セット)

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

海洋プラスチックごみ対策の推進に関する関係閣僚会議議事要旨 1 日時 令和元年 5 月 31 日 ( 金 ) 午前 8 時 25 分 ~ 午前 8 時 40 分 2 場所 総理大臣官邸 4 階大会議室 3 出席者安倍内閣総理大臣 菅内閣官房長官 原田環境大臣 ( 司会 ) 宮腰内閣府特命担当大臣 (

海洋基本計画に関する参考資料(その4)

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190531プラ戦略プレスリリース

言語表記等から推定すると 例えば 沖縄県石垣島では約 8 割を中国製が占めた一方 東京湾岸の富津では日本製がほとんど全てを占めていました ( 別添 1-2) 3 平成 27 年度のモニタリング調査は 調査実施時期が冬期となり日本海側及び北海道沿岸では調査が困難であったため 太平洋側 瀬戸内海沿岸及び

H28秋_24地方税財源

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目 次. 計画策定の意義 2. 基本的方針 3. 計画期間 4. 対象品目 5. 各年度における容器包装廃棄物の排出量見込み ( 第 8 条第 2 項第 号 ) 2 6. 容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項 ( 第 8 条第 2 項第 2 号 ) 3 7. 分別収集をするものとした容

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

平成22年版年次報告第1部(その2)

1 3: 気候変動については 環境と経済成長との好循環を実現する好機として G7 が世界の脱炭素化を牽引することが重要であり 我が国としても脱炭素化に向けた骨太な長期戦略を創り上げていく 2: 資源循環については 先進事例の共有を国内外で進めることが重要であり 我が国としては世界循環経済フォーラム

目標を達成するための指標 第 4 章計画における環境施策 一般廃棄物焼却量 ( 家庭 事業所 ) ごみ 資源物の総排出量 平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (2003 年度 ) に比べ 30% 削減平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (200

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

1 計画策定の意義 私たちが暮らす現代社会は これまで快適で潤いのある生活環境を築くため 大量生産 大量消費 大量廃棄という使い捨てのライフスタイルを恒常化させてきた それに伴い排出される廃棄物は 多様化 増大化を続けたため 処理場や処分場の確保は次第に困難になり 廃棄物処理を取り巻く環境は厳しくな

これまでの G7 コミットメント及び持続可能な開発のための世界的な枠組み を定める 2030 アジェンダに沿って行動する必要性を認識しつつ, 我々 G7 首 脳は, 以下にコミットする 強靱な沿岸及び沿岸部コミュニティ 1. より良い適応計画, 緊急事態への備え及び回復の支援 我々は, 政策ギャップ

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

12年~16年

資料2 プラスチックを取り巻く国内外の状況

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

資料2 プラスチックを取り巻く国内外の状況

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2.3 環境省海洋プラスチック問題に関する資料

新とする理由⑴ 政策目的 車体課税については 平成 23 年度税制改正大綱において エコカー減税の期限到来時までに 地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況を踏まえつつ 当分の間として適用される税率の取扱いを含め 簡素化 グリーン化 負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討 することとされて

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

このような周辺状況の変化に対応し 諸課題の解決を図るべく 基本法及び第三次循環型社会形成推進基本計画に沿って 廃棄物処理法やリサイクルの推進に係る諸法等に基づく制度の適切な実施と相まって 改めて大量生産 大量消費 大量廃棄型の従来の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し 社会における高度な物質循

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資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

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受付番号 Panasonic NPO/NGO サポートファンド for SDGs [ 国内助成 ] 2019 年募集 新規助成応募企画書 ( 様式 1) パナソニック株式会社御中 応募要項に記載の 個人情報の取り扱い に同意の上 応募します 応募日 :2019 年月日 (1) 応募団体

本日の説明内容 1. グリーン購入法の概要 2. プレミアム基準策定ガイドライン

岸和田市分別収集計画

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2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma


東日本大震災に係る災害等廃棄物処理事業の実地調査について

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資料 5-4 APT 無線通信フォーラム (AWF) における 700MHz 帯の利用に関する検討状況 総務省

(3) 我が国の取り組み我が国は高度経済成長期以降 政府 自治体 民間企業 市民が協力し 収集 運搬 リサイクル 最終処分の適正化など 様々な取組を行ってきており エンドオブパイプ方式としての排出基準の設定や 他国に先駆けて3R( 廃棄物の発生抑制 (Reduce) 資源や製品の再使用(Reuse)

計画の策定にあたって 本計画は 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第 6 条第 1 項の規定される網走市における一般廃棄物処理に関する基本計画です 網走市では 平成 4 年に策定した基本計画に基づき ごみの減量化の推進 リサイクルセンターや最終処分場を整備するとともに 平成 16 年度にはごみ処理の


平成19年6月  日

い さ だ く の残 銀 ご確認 水 科用 歯 に 棚 など せん ま り りは あ か 歯科用水銀 歯科用アマルガムの 使わなく なった 早期処理にご協力ください 2013年10月 採択されました 水銀含有廃棄物の適正処理を お願いいたします 適 正 な 処 理 は どうしたら い い の 歯科用

参考資料3(第1回検討会資料3)

新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

「社会的課題・SDGsに関する意識調査」~さらなる浸透に向けて、企業に求められるものとは~「社会的課題・SDGsに関する意識調査」~さらなる浸透に向けて、企業に求められるものとは~_損保ジャパン日本興亜

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日本企業による国外での環境への取り組みに係る

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

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目次 1. 調査概要 Page 2 2. 回答者属性 Page 3 3. 問 1. 地球儀を俯瞰する外交 Page 4 4. 問 2. 日本の国連安保理非常任理事国としての取組 Page 5 5. 問 3. 東アジアの安全保障政策 Page 6 6. 問 4. 女性参画推進における国際的取組 WAW

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

に個人 企業情報が残っているか否かの調査等を行うこととし 今回は 中古乗用車に実 装されていた HDD ナビゲーション装置 を評価しましたので その結果をご報告申し上げ ます (1) 個人 企業情報の消去 破壊を前提としたリユース ( リペアメントを含む ) リサイクルの推進を目指すガイドラインの策


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住宅宿泊事業の宿泊実績について 令和元年 5 月 16 日観光庁 ( 平成 31 年 2-3 月分及び平成 30 年度累計値 : 住宅宿泊事業者からの定期報告の集計 ) 概要 住宅宿泊事業の宿泊実績について 住宅宿泊事業法第 14 条に基づく住宅宿泊事業者から の定期報告に基づき観光庁において集計

政策体系における政策目的の位置付け エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月 18 日閣議決定 ) において 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 10% とすることを目指す と記載 地球温暖化対策基本法案 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 )

子ども・子育て会議(第7回) 次世代育成支援対策推進法の延長等の検討について

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NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol

プランの策定の支援などが議論されました こうした状況を踏まえ 我が国においても薬剤耐性 (AMR) 対策アクションプランを取りまとめるべく G7 ドイツ ベルリン保健大臣会合後の昨年 2015 年 11 月 厚生労働省に薬剤耐性 (AMR) タスクフォースを設置し 有識者ヒアリング等による検討を重ね

図表 02 の 01 の 1 世界人口 地域別 年 図表 2-1-1A 世界人口 地域別 年 ( 実数 1000 人 ) 地域 国 世界全体 2,532,229 3,038,413 3,69

⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

資料 3 1 ごみ減量化についての課題分析 1) 原因の抽出 課題 : どうして 家庭ごみの排出量が減らないのか? ごみが 減らな い原因 1 使い捨て製品やすぐにごみになるものが身の回りに多い 2ごみを減らしたり リサイクルについての情報が少ない 3 分別収集しているごみの品目が少なく 資源化が十

漂流・漂着ゴミに係る国内削減方策モデル調査地域検討会

輸入バイオマス燃料の状況 2019 年 10 月 株式会社 FT カーボン 目 次 1. 概要 PKS PKS の輸入動向 年の PKS の輸入動向 PKS の輸入単価 木質ペレット

プラスチックごみをめぐる最近の動向

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Taro-睦木電機の環境方針

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調査対象:

Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

州委員会は 本年 5 月 28 日に使い捨てのプラスチック製ストローや食器 容器類などの流通を禁止する新しいルールを提案した 今後 EU 理事会や欧州議会での審議を経た後にEU 指令 5 として発効することになる すでにEUでは今年の初め (1 月 16 日 ) に 循環経済の構築に向け 2030

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資料3

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

1

G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界

第 4 回審議会 資料 4 H ごみ減量 資源化の目標について 1. 現行計画の目標達成状況と今後の予測 (1) 現行計画の目標達成状況現行計画の数値目標の内, 家庭系ごみ原単位目標は平成 29(2017) 年度の時点で既に平成 34(2022) 年度目標を達成しています 低下傾向にあ

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Microsoft Word - 第二章

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インド 12 3 エビ イカ オーストラリア 13 3 マグロ エビ フィリピン 14 1 マグロ カツオ エビ アイスランド 15 1 その他の魚 ハリバット 魚卵 スペイン 16 1 マグロ タコ マルタ 17 1 モロッコ 18 1 タコ イカ モーリタニア 19 1 タコ ニュージーランド

Transcription:

資料 3 海洋プラスチック問題について 平成 30 年 7 月 環境省

海洋プラスチック問題の現状 ( 概要 ) 海洋環境室 1. 海岸での漂着ごみの事例 2. 漂着物の例 漁具 山形県酒田市飛島 長崎県対馬市 ポリタンク 洗剤容器 3. 想定される被害 海洋生物への影響 鯨の胃から発見された大量のビニール袋 生態系を含めた海洋環境への影響 船舶航行への障害 観光 漁業への影響 沿岸域居住環境への影響 近年 海洋中のマイクロプラスチック ( ) が生態系に及ぼす影響が懸念されている サイズが 5mm 以下の微細なプラスチックごみ 出典 :UN World Oceans Day マイクロビーズ 出典 : タイ天然資源環境省 微細なプラスチック片 1

海洋プラスチック問題の現状 ( 世界の分布 ) 海洋プラスチックによる海洋汚染は地球規模で広がっている 北極や南極でもマイクロプラスチックが観測されたとの報告もある マイクロプラスチック (1~4.75mm) の密度分布 ( モデルによる予測 ) ( 個 /km 2 ) ( 引用 )Erikson ら (2014), Plastic Pollution in the World s Oceans: More than 5 Trillion Plastic Pieces Weighing over 250,000 Tons Afloat at Sea, PLoS One 9 (12), doi:10.1371/journal.pone.0111913 2

海洋プラスチック問題の現状 ( 海洋に流出するプラスチック ) 陸上から海洋に流出したプラスチックごみ発生量 (2010 年推計 ) ランキング 海岸から 50km 以内に居住している人々によって不適正処理されたプラスチックごみの推計量 (2010 年 ) で色分けした地図 ( 濃い色ほど ごみの発生量が多い ) 1 位中国 353 万 t / 年 2 位インドネシア 129 万 t / 年 3 位フィリピン 75 万 t / 年 4 位ベトナム 73 万 t / 年 5 位スリランカ 64 万 t / 年 20 位アメリカ 11 万 t / 年 陸上から海洋に流出したプラスチックごみの発生量 (2010 年推計 ) を人口密度や経済状態等から国別に推計した結果 1~4 位が東 東南アジアであった ( 1) 1( 出典 ) Jambeck ら : Plastic waste inputs from land into the ocean, Science (2015) を基に記載 推計量の最大値を記載 世界経済フォーラムの報告書 (2016 年 )( 2) によると 2050 年までに海洋中に存在するプラスチックの量が魚の量を超過すると予測された ( 重量ベース ) 2 ( 出典 ) The New Plastics Economy: Rethinking the future of plastics (2016.Jan. World Economic Forum) 30 位日本 6 万 t / 年 3

我が国での漂着ごみ調査結果 ( 個数の種類別割合 ペットボトル製造国別割合 ) 種類別では いずれの地点もプラスチック類が最も高い割合 ( 個数ベース ) を占めている 漂着ペットボトルの製造国別では 太平洋側では日本製のものが多く 東シナ海及び日本海側では外国製 ( 中国 韓国 ) のものが多い傾向にある プラスチック類 ゴム類 日本韓国中国 台湾ロシアその他 発泡スチロール類布類ガラス & 陶器類金属類 木 ( 木材類 ) 灌木流木その他 紙 & ダンボール類 ペットボトル ( 個数 ) の製造国別割合 ( 平成 22~26 年度 (5 年間 ) 合計 ) 漂着ごみ ( 個数 ) の種類別割合 ( 平成 22~26 年度 (5 年間 ) 合計 ) 4

海洋プラスチック問題に関する国際動向 持続可能な開発目標 (SDGs)(2015.9) 持続可能な開発目標 (SDGs) のターゲットの 1 つとして 2025 年までに 海洋ごみや富栄養化を含む 特に陸上活動による汚染など あらゆる種類の海洋汚染を防止し 大幅に削減する が掲げられている G7 <G7 伊勢志摩サミット (2016 年 5 月 )> 首脳宣言において 資源効率性及び 3R に関する取組が 陸域を発生源とする海洋ごみ 特にプラスチックの発生抑制及び削減に寄与することも認識しつつ 海洋ごみに対処することを再確認 <G7 シャルルボワサミット (2018 年 6 月 )> G7 全ての国が海洋環境の保全に関する 健全な海洋及び強靱な沿岸部コミュニティのためのシャルルボワ ブループリント を承認し 海洋の知識を向上し 持続可能な海洋と漁業を促進し 強靱な沿岸及び沿岸コミュニティを支援し 海洋のプラスチック廃棄物や海洋ごみに対処 するとした カナダ及び欧州各国が 海洋プラスチック憲章 を承認するものとなった ( 達成期限付きの数値目標等を含むもの ) 安倍総理からは 日本が議長を務める来年の G20 でもこれらの問題に取り組む意向である旨 発言を行った 国連環境総会 (UNEA3)(2017.12) 海洋プラスチックごみ及びマイクロプラスチック に関する決議 (resolution) が採択され 海洋プラスチックごみ及びマイクロプラスチックに対処するための障害及びオプションを精査するための専門家グループ会合を招集することを決定 5 月に第 1 回会合を開催 G20 <G20 ハンブルクサミット (2017 年 7 月 )> G20 サミットでは初めて海洋ごみが首脳宣言で取り上げられた これまでの G7 による取組を基礎としつつ 発生抑制 持続可能な廃棄物管理の構築 調査等の取組を盛り込んだイニシアチブ 海洋ごみに対する G20 行動計画 の立ち上げに合意 日中韓三カ国環境大臣会合 (TEMM20)(2018.6) マイクロプラスチックを含む海洋ごみ対策等について 率直な意見交換を実施 中国 韓国と海洋プラスチック問題がグローバルな共通課題であるとの認識を共有 2019 年に日本で開催される G20 首脳会合及び大臣会合に向け 連携 協力を確認 注 ) 中国は 2017 年末から非工業由来廃プラ 2018 年末から工業由来廃プラの輸入を禁止 5

海洋プラスチック問題に関する国内動向 海岸漂着物処理推進法改正 (2018.6.15 成立 ) 目的の改正 : 海洋環境の保全の観点等を追加 漂流ごみ等 の追加 漂流ごみ等の円滑な処理の推進 3R の推進等による海岸漂着物等の発生抑制マイクロプラスチック対策 ( 事業者による使用抑制 排出抑制努力義務 政府によるマイクロプラスチック抑制のための施策の在り方についての速やかな検討及びその結果に基づき措置を講じる旨を規定 ) 国際的な連携の確保及び国際協力の推進 第 4 次循環型社会形成推進基本計画 (2018.6.19 閣議決定 ) 資源 廃棄物制約 海洋ごみ対策 地球温暖化対策等の幅広い課題に対応しながら 中国等による廃棄物の禁輸措置に対応した国内資源循環体制を構築しつつ 持続可能な社会を実現し 次世代に豊かな環境を引き継いでいくため 再生不可能な資源への依存度を減らし 再生可能資源に置き換えるとともに 経済性及び技術的可能性を考慮しつつ 使用された資源を徹底的に回収し 何度も循環利用することを旨として プラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略 ( プラスチック資源循環戦略 ) を策定し これに基づく施策を進めていく 海岸漂着物等地域対策推進事業平成 30 年度予算 4 億円 ( 平成 29 年度補正予算 27.1 億円 ) 都道府県や市町村等が実施する海洋ごみに関する地域計画の策定 海洋ごみの回収 処理 発生抑制対策に関する事業に対し 補助金による支援 ( 補助率 ) 地域計画策定事業 ( 都道府県のみ ) : 補助率 1/2 回収 処理事業 発生抑制対策事業 : 補助率 7/10 ~9/10 さらに 自治体負担分の 8 割が特別交付税で措置 重機やボランティアによる海洋ごみの回収処理活動 6

2019 年 G20 に向けた国際社会への発信 真に地球規模で海洋プラスチックを減少させるという観点から 国内対策の加速化に加え 途上国を巻き込んだ対策 施策を国際社会にも打ち出していくことが不可欠 国際社会をリードするため 我が国としては 途上国の発生抑制等地球規模での実効性のある対策 地球規模のモニタリング 研究ネットワークの構築等を念頭に 国内対策とも連動させつつ更なる国際連携 協力等の対応策を来年の G20 までに取りまとめ プラスチック資源循環戦略の策定 今後の方向性 来年の G20 日本開催に向け 国際 国内双方の取組を関係省庁と連携しつつ進める 海洋プラスチック憲章の内容をカバーしつつ 第 4 次循環型社会形成推進基本計画に基づくプラスチック資源循環戦略を 来年の G20 までに策定 第 4 次循環型社会形成推進基本計画 ( 平成 30 年 6 月 19 日閣議決定 )( 抄 ) ( 略 ) プラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略 ( プラスチック資源循環戦略 ) を策定し これに基づく施策を進めていく 具体的には 1 使い捨て容器包装等のリデュース等 環境負荷の低減に資するプラスチック使用の削減 2 未利用プラスチックをはじめとする使用済プラスチック資源の徹底的かつ効果的 効率的な回収 再生利用 3 バイオプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進等を総合的に推進する 海岸漂着物処理推進法基本方針の改定 今般の法改正やG7 G20 等の動向を踏まえ 各種国内 国際施策 ( 実態把握 回収処理 発生抑制 国際連携 協力 ) を一層充実 加速化する内容を盛り込み 来年のG20までに改定 ( 閣議決定 ) 7