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3 トキの保護増殖事業の体制 (1) トキ保護増殖事業に関する環境省及び新潟県における組織体制等の経緯 年度 国 組 織 県 備考 1932 農林省により 朱鷺を保護せらるべ (S7) し との標柱が立てられる 1934 (S9) 天然記念物に指定 ( 文化財保護法 ) 1952 特別天然記念物に指定 (S27) ( 文化財保護法 ) 1959 文化財保護委員会 ( 現在の文化庁 ) (S34) が本格的な実態調査を始める 新潟県教育委員会が文化財保護委 員会から補助金を受け これに県費 を加えて新穂村に営巣地の保護と冬 期の給餌を委託 ( 公費によるトキ保護 増殖事業開始 ) 1962 (S37) 農林省がトキ生息地 営巣地一帯を水源涵養林として買い上げ (~S46) 1967 県嘱託トキ保護管理 トキ保護センター運用開始 (S42) 者常駐 ( 清水平 ) 1971 環境庁設置 (S46) 1975 特殊鳥類及び絶滅のおそれのある獣 (S50) 類に係る保護増殖の事業 ( トキ含む ) が文化庁に代わり環境庁で実施する こととなる 1980 (S55) 環境庁から新潟県へ保護増殖事業の委託開始 ( 現在に至る ) 1993 県組織に佐渡トキ保 佐渡トキ保護センター運用開始 (H5) 護センターを位置づ ( トキ保護センターを新穂に移転 ) け ( 環境企画課の現 場事務所の位置づ け ) 41

年度 国 組 織 県 備考 2001 (H13) 環境省自然環境局北関東地区自然保 護事務所新潟支所 設置 2004 規則上 佐渡トキ保 野生復帰ステーション工事着工 (H16) 護センターが地域機 (~H18) 関として規定される 2005 関東地方環境事務 (H17) 所設置同時に組織換えに より新潟支所を廃 止し 新潟事務所 を設置 2006 (H18) 2007 環境省佐渡自然保 野生順化訓練開始 (H19) 護官事務所設置 野生復帰ステーション運用開始 2008 (H20) 第 1 回放鳥 (10 羽 ) 2009 第 2 回放鳥 (19 羽 ) (H21) 42

(2) トキ保護増殖事業の実施体制 ( 環境省 ) 指揮命令系統 本省野生生物課 新潟事務所 連携 関東地方環境事務所 連携 自然保護官事務所 佐渡自然保護官 野生生物専門員 自然保護官補佐 A 自然保護官補佐 B 佐渡自然保護官事務所は平 成 19 年 4 月 1 日に設置 環境省地方環境事務所組織細則別表第 5 第 2 項に基づく佐渡自然保護官事務所がつかさどる事務 (1) 国指定小佐渡東部鳥獣保護区に関すること (2) トキに係る保護増殖事業に関すること 佐渡自然保護官事務所の職員配置首席自然保護官 1 名 ( 併任 )(H21.10.1 増員 ) 自然保護官 1 名 ( 常駐 ) 野生生物専門員 1 名 ( 常駐 派遣職員 ) 自然保護官補佐 2 名 ( 常駐 非常勤職員 ) 佐渡自然保護官事務所の主な業務の役割分担 データ入力等作業指示 自然保護官 野生生物専門員 自然保護官補佐 A 1 全体統括 2 トキ定着のための戦略づくり ( 自然環境 社会環境 ) 32 のための調整 4 報道 視察対応 1 モニタリング ( 生態情報 ) 2 データ解析 まとめ 3 トキ訓練 4 放鳥準備 1 普通啓発 情報収集 2 鳥獣保護区管理 3 庶務 4 モニタリング補助 自然保護官補佐 B 1 モニタリング ( 位置情報 ) 2 自然再生情報収集 3 放鳥準備補助 4 放鳥トキの情報発信 太字下線は主担当 普通字は副担当 全体統括 トキ定着のための戦略づくり( 自然環境 社会環境 ) 放鳥準備 報道 要人視察対応 ( 佐渡自然保護官 ) トキの順化訓練 モニタリング実施( 野生生物専門員 自然保護官補佐 A B) 43

訓練 放鳥個体のモニタリングデータの解析 取りまとめ( 野生生物専門員 自然保護官補佐 B) 放鳥準備( 野生生物専門員 ( テレメ 足輪 モニタリング等 ) 自然保護官補佐 B( 情報収集 管理 GIS パンフ マニュアル 式典等)) 小佐渡東部国指定鳥獣保護区の保護 管理( 自然保護官 自然保護官補佐 A) 普及啓発 地域行事等への参加( 自然保護官補佐 A) 44

(3) トキ保護増殖事業の実施体制 ( 新潟県 ) 指揮命令系統 佐渡トキ保護センター 新潟県 環境企画課 ( 鳥獣保護係 ) 所 長 佐渡トキ保護センター (5 人 ) 一般職員 獣医師技術員 嘱託員 野生復帰ステーション (6 人 ) 一般職員 獣医師技術員 嘱託員 野生復帰ステーション ( 施設 ) 連携 ( 国 ) 佐渡自然保護官事務所 新潟県行政組織規則第 76 条の 5 に基づく分掌事務 トキの飼育及び繁殖に関する事項 トキの野生復帰に関する事項 トキについての知識の普及及び保護思想の啓発に関する事項 職員配置 所 長 1 名 ( 管理職員 ) 一般職員 3 名 ( 庶務 生息環境整備 普及啓発等 ) 獣医師 2 名 計 12 名 技術員 2 名 ( 飼育繁殖 順化訓練等 ) 嘱託員 4 名 業務分担 所長 (1) トキ保護センター ( 一般職員 1 獣医師 1 技術員 1 嘱託員 2) 週 1 日は トキの飼育 繁殖に関すること ステーション にて勤務 業務時間 8 時 30 分 ~17 時 15 分 庶務 飼育繁殖 給餌 観察記録 施設管理等 普及啓発等 野生復帰ステーション ( 一般職員 2 獣医師 1 技術員 1 嘱託員 2) トキの野生復帰に関すること 飼育繁殖 順化訓練 給餌 観察記録 施設管理等 生息環境整備 普及啓発等 経緯昭和 42 年新潟県トキ保護センター開設 ( 旧新穂村清水平 ) 平成 5 年佐渡トキ保護センター開設 ( 清水平から旧新穂村長畝に移転 ) 平成 19 年野生復帰ステーション開設 ( 佐渡市新穂正明寺 ) 佐渡トキ保護センターの現場事務所 45

(4) 野生復帰ステーションにおける飼育 監視体制 1 飼育体制ア順化ケージ ( 毎日 ) ( ア ) ケージ内への入場 池の掃除と観察 県の獣医師 1 名又は技術員 1 名が午前 10 時頃入場 1 人 1 日当たり 1~2 回 1 回当たり 15 分程度 ( 春 ~ 秋は草刈のため 30 分 ~1 時間程度 ) ( イ ) ケージへの接近 ( トキに認識されていると考えられる距離 ) 県の飼育職員 ( 獣医師 技術員 又は嘱託員 ) のうち 1 名が給餌のため 1 日 1 回 給餌棟に往復 2 分程度イ繁殖ケージ 8 棟 ( 毎日 ) ( ア ) ケージ内への入場 給餌 池の掃除 観察 飼育職員のうち 1 名が 8 時 30 分から 10 時 30 分の間に入場 1 人 1 日 1 回 5 分程度 ( 草刈実施時は 15 分程度 ) ( イ ) ケージ付近での作業 ( トキに認識されていると考えられる距離 ) 県の飼育職員のうち 1 名が給餌棟での作業 ケージ外草刈 ケージ間移動などで 1 日 2~3 時間 2 監視体制ア順化ケージ 県の飼育職員によるモニター監視 登庁後直ぐに全体の安否等の確認 退庁前に安否等の確認 勤務時間中 適宜 観察記録のためモニターを監視 県の飼育職員は 必要に応じ日没までモニターを監視 県の職員在室中は モニター画像や音声に注意を払っているイ繁殖ケージ 8 棟順化ケージと同様にモニターによる監視を実施 ( 繁殖期は日没まで ) 3その他 ( 放鳥トキとの行動比較のための観察 ) 国の自然保護官事務所職員が毎日午前 8 時半 ~9 時半頃までモニターにより順化ケージを観察 (9 時半以降 モニターは野生復帰ステーション職員が飼育のための監視に利用 ) 必要に応じて 国の自然保護官事務所職員が週に 1 回程度 1 時間以内順化ケージに入場 46

(5) 環境省と新潟県の役割分担 ( 業務委託 ) 佐渡トキ保護センターと佐渡自然保護官事務所の役割分担 ( 日常業務 ) 平成 20 年 4 月に佐渡トキ保護センターと佐渡自然保護官事務所の役割 分担について下記の通り確認している ( 環境省野生生物課 新潟県環境 企画課も含む ) 注 : トキ保護センター 野生復帰ステーションは新潟県の組織 佐渡自然保護官事務所は環境省の組織 業務内容 トキ保護 C 野生 ST 保護官 トキの飼育繁殖 報道対応 ( 飼育繁殖 ) トキ保護 Cの施設管理 野生順化訓練の実施方針策定 野生順化訓練の実施 野生順化訓練のモニタリング 野生復帰 STの施設管理放鳥トキのモニタリング 報道対応 ( 野生復帰 / 順化訓練 ) 生息環境 / 社会環境整備調整 トキ放鳥式等現地準備 : 主担当 : 副担当 備考 ( 参考 ) トキ保護増殖事業 トキ飼育繁殖専門家会合 環境省 新潟県委託 トキ野生復帰専門家会合 飼育繁殖方針 保護官事務所 トキ飼育繁殖 トキ増殖技術現地検討会 野生順化訓練 野生復帰に関すること 保護官事務所 順化訓練方針 佐渡トキ保護センター 野生復帰に関すること 生息環境整備 社会環境整備 自然再生交付金事業の実施 新潟県野生復帰推進本部佐渡部会 生息環境整備連絡調整 トキ野生復帰の普及啓発 放鳥式 関連イベントの実施 人 トキの共生の島づくり協議会 47

トキ保護増殖事業の実施フロー 環境省野生生物課 関東地方環境事務所 佐渡自然保護官事務所 トキ保護増殖事業委託費 申請 協議 野生復帰ステーション 新潟県環境企画課 予算 通知 報告 要望 佐渡トキ保護センター トキ保護増殖事業のうち トキの飼育 繁殖の全て 野生復帰の取組の一部について 希少野生動植物種保護増殖事業 ( トキ ) 委託業務 として 環境省は新潟県に事業実施を委託している 上記業務実施は 委託業務実施要領によるものとするが 環境省が設置するトキ飼育繁殖専門家会合 トキ野生復帰専門家会合での意見等を踏まえた環境省の方針の下 上記業務を実施する 自然保護官事務所は 環境省の方針について実行が図られるよう 佐渡トキ保護センター 野生復帰ステーションと調整を図る その他 必要な事項については 環境企画課を通じ環境省に協議を行う トキ情報伝達フロー 佐渡トキ保護センター 新潟県環境企画課 環境省野生生物課 野生復帰ステーション 佐渡自然保護官事務所 関東地方環境事務所 情報の発生源であるトキ保護センターと自然保護官事務所は情報を共有し それぞれ上部に伝達する 確実に環境省本省に伝わるよう 2 系統で情報を伝達する 原則として トキ保護センターは 飼育繁殖に関すること 保護官事務所は順化訓練 野生復帰に関することについて情報発信を行う 48

(6) 専門家によるトキ野生復帰事業の検討体制 トキ保護増殖分科会野生復帰ワーキンググループの設置 野生復帰に関する技術的専門的な課題の検討のため トキ保護増殖分 科会に野生復帰技術ワーキンググループを設置 ( 平成 14 年 12 月 17 日のトキ保護増殖分科会にて決定 ) トキ保護増殖分科会トキ野生復帰技術 WG 委員 委員 所属 役職 平成 18 年度当時 大 迫 義 人 兵庫県立大学助教授 コウノトリの郷主任研究員 尾 崎 清 明 山階鳥類研究所標識研究室長 小 宮 輝 之 恩賜上野動物園園長 斉 藤 勝 東京都動物園協会顧問 ( 座長 ) 橋 崎 文 隆 恩賜上野動物園飼育展示課課長補佐 三 浦 慎 悟 新潟大学農学部教授 49

トキ保護増殖分科会野生復帰技術 WG 合同検討会 ( 注 : 説明や意見は 順化ケージ 天敵回避訓練 人慣れに関することのみ抜粋 ) 会合名 トキ保護増殖分科会野生復帰技術 WG 合同検討会 開催日時 H14.12. 17 開催場所議題説明意見 経済産業省別館会議室 1. 野生復帰技術 WG の設置について 2. トキの現況 3. トキの繁殖状況等 4. トキ保護増殖事業の今後の展開 5. 分科会における当面の検討事項について 6. その他 トキ保護増殖分科会 (9 名 ) に 1 野生復帰技術 WG(5 名 )( 野生復帰に必要な技術的 専門的な課題の検討 ) 2 緊急時 WG(13 名 )( 死亡時の病理解剖 組織保存等 ) を設置 4. トキ保護増殖事業の今後の展開トキ野生順化プログラム ( 素案 ) 順化施設の構造 設備について 天敵対策 ( テン等 ) 網ではなく塀での囲い 電柵の設置 排水溝管等からの侵入防止を検討 天敵対策 ( 猛禽類等 ) 開放飼育で 天敵の回避も 1 つの訓練と考え 特別な対策を講じない ( 特になし ) 50 H14 トキ保護増殖分科会野生復帰技術 WG( 第 2 回 ) H15.2.2 0 環境省会議室 1. 野生順化の基本的な考え方 2. 野生復帰個体の条件 3. 野生順化の訓練項目 4. 野生順化の手順 5. 次回までの検討事項 6. その他 ( 特になし ) 4. 野生順化の手順 人間やタヌキの存在を認識させるための見せる施設が必要 新潟県より それでは管理ができないと回答 害獣対策としては チャボをケージの周囲に入れ食べられるところを見せ警戒心を養わせることが重要 H14 トキ保護増殖分科会野生復帰技術 WG( 第 3 回 ) H15.3.1 1 経済産業省別館会議室 1. トキ野生復帰候補地及び野生順化施設整備候補地について 2. トキ野生復帰の条件 3. 野生順化の手順 4. 順化施設の条件 5. その他 4. 順化施設の条件説明資料には 順化ケージ 繁殖ケージの留意点として イタチ テン タヌキ等の侵入防止に万全を期すと資料に記されている ( 具体的な記載はなし ) 2. 野生順化の訓練 野生順化訓練には捕食者への反応という観点も入れた方がよい 外敵に猛禽類も含めるべき オオタカ等は 一度飼育個体を襲うと同一個体による被害が続くので対応が必要 テン対策として 動物園の基金で奄美大島にルリカケス用の巣箱を設置 支柱はマングースが登れないように塩ビ管を使用しているように 営巣木の天敵対策の配慮が必要 もしくは営巣木の周囲を電柵で囲うなど

51 H16 トキ保護増殖分科会野生復帰技術 WG( 第 1 回 ) H16 トキ保護増殖分科会野生復帰技術 WG( 第 2 回 ) H16 トキ保護増殖分科会野生復帰技術 WG( 第 3 回 ) H18 トキ保護増殖分科会トキ野生復帰技術 WG ( 第 1 回 ) H16.4.1 6 H17.2.1 5 H17.3.3 0 H18.6.2 8 環境省会議室 経済産業省別館会議室 経済産業省別館会議室 人事院共用会議室 1. トキ保護増殖事業の近況について 2. 野生順化施設整備計画について 1) 野生順化プログラムについて 2) 順化施設整備候補地の選定について 3) 施設整備計画について 1. 放鳥計画等に関する検討課題 1) 放鳥計画等に関する検討課題と論点 2) 順化施設の概要 3) 飼育下繁殖個体の再導入の例 4) WG の検討経緯 5) H14 共生循環の地域社会づくりモデル事業 6) H14 トキ野生順化プログラム策定業務報告書 2. その他 1. 放鳥計画等に関する検討課題 1) トキ野生順化プログラムについて 2. その他 1.WG の経緯 取扱い 2. トキ野生復帰技術の基本的考え方 ( 案 ) について 3. トキ野生復帰の放鳥個体数と個体の選定について 4. トキ順化訓練について 5. 放鳥段階毎の放鳥手法について 6. 放鳥後のモニタリングについて 7. 今後の進め方について 8. コウノトリの状況 2.3) 施設整備計画説明資料には 順化ケージ 繁殖ケージとも 設計上の留意点として イタチ テン タヌキ等の侵入防止対策として 地下部分に侵入防止板を埋設と資料に記されている 1. 放鳥計画等に関する検討課題 環境省より次のとおり発言 このWGの趣旨は 前回までは順化施設が主な議題であった その後順化施設の場所が決まり 本年度分についての入札が2 月にあり 2/14に決定した 今回のWGでは施設整備 訓練内容についての具体的な意見をいただきたい 放鳥計画等に関する論点として 天敵として オオタカ クマタカ カラス テン 人を想定 鳥はケージの上を飛んでくるが テンはどうする? 訓練内容は見て認識することで十分か? と資料に記されている 外敵について新潟県より テンは平成 13~14 年度の調査では佐渡で2000 頭 小佐渡で700 頭だが あまり樹上まで上ってこないようだ 樹上の巣に鶏卵をおいて試したところ 盗ったのはテンではなくカラスであった テンよりは数が増えているタヌキ カラスが強敵であろう イタチも木に登る と説明 ( 特になし ) ( 特になし ) 4. 順化訓練について トキ野生順化訓練の一環で 天敵回避 を行う 訓練方法はオオタカ等の天敵を見ると同時にアラームコール ( トキの警戒音 ) を流すことによる条件反射への対応 その他 参考資料として トキ野生順化施設の整備状況を報告 ( 資料配付 ) オオタカやカラス等の危険な相手を認識させる訓練を行う必要がある トキに人間を見せるため一般見学も必要ではないか タカやテンのような天敵を見せる訓練機能があるケージが必要 獣害対策 ( テン イタチ ) として ケージの周囲の地面からの立ち上がり部分はコンクリート壁とし 壁に金網を埋め込む ( 境目の隙間を作らない ) こと 天敵対策について アラームコールによる学習効果 また 人との共存を目指すべき 野生のトキについては巣の保護のため 人を張り付けたり 電柵等の検討が必要 4. 順化訓練について 天敵回避に関して テンが走ったとき等にトキがどのように反応するのか 職員側も訓練しておかなければならない オオタカと繁殖期のテンが危険なのではないか オオタカがケージのトキを襲ったことはない トキはカラスは警戒すると回答

H18.7.1 1 トキ野生順化施設 一部委員による現地視察 ( ケージの骨組みがほぼ完成した状態 ) 屋根上部に枯れ葉の体積は問題ないか 金網は丈夫であると回答 外敵対策については特に指摘なし H18 トキ第 1 回保護増殖分科会 H18.8.2 5 三田共用会議所 1. 平成 18 年のトキの繁殖結果について 2. トキ野生復帰計画の検討状況について 3. トキ分散飼育の検討状況について 4. トキ保護増殖事業の今後の検討体制について 2. トキ野生復帰計画の検討状況 トキの野生順化訓練の一環で 天敵回避についても実施と説明 4. 検討会の再編について 発展的に改組 飼育下繁殖 野生復帰技術の領域で 専門的に対応する個別会合として再編成したいと説明 その他 参考資料として トキ野生順化施設の整備状況を報告 ( 資料配付 ) ( 特になし ) 52

トキ野生復帰専門家会合 トキ飼育繁殖専門家会合飼育下繁殖 野生復帰技術の領域に専門的に対応する個別の会合として トキ保護増殖分科会を発展的に解消し トキ野生復帰専門家会合 トキ飼育繁殖専門家会合を設置することとした トキ保護増殖分科会 トキ野生復帰専門家会合 委員 平成 21 年度時点 委 員 所 属 役 職 市田 則孝 NPO 法人バードライフ インターナショナル副会長 大迫 義人 兵庫県立コウノトリの郷公園主任研究員 尾崎 清明 山階鳥類研究所保全研究室長 小宮 輝之 東京都恩賜上野動物園園長 関島 恒夫 新潟大学大学院准教授 蘇 雲 山 環境文化創造研究所主席研究員 永田 尚志 新潟大学超域研究機構朱鷺プロジェクト准教授 成島 悦雄 多摩動物公園飼育展示課長 本間 航介 新潟大学農学部准教授 三浦 慎悟 早稲田大学人間科学学術院教授 箕口 秀夫 新潟大学農学部教授 柳澤 紀夫 日本鳥類保護連盟理事 山 岸 哲 山階鳥類研究所長 ( 座長 ) 山本 義弘 兵庫医科大学教授 トキ保護増殖分科会トキ飼育繁殖専門家会合 委員 平成 21 年度時点 委 員 所 属 役 職 伊東 員義 恩賜上野動物園飼育展示課長 祝前 博明 京都大学大学院農学研究科教授 金子 良則 佐渡トキ保護センター獣医師 小宮 輝之 東京都恩賜上野動物園園長 ( 座長 ) 齋藤 勝 新潟大学大学院准教授 戸貝 純夫 環境文化創造研究所主席研究員 成島 悦雄 多摩動物公園飼育展示課長 橋崎 文隆 恩賜上野動物園動物相談員 山岸 哲 山階鳥類研究所長 山本 義弘 兵庫医科大学教授 53

野生復帰専門家会合 ( 注 : 説明や意見は 順化ケージ 天敵回避訓練 人慣れに関することのみ抜粋 ) 日時場所議題説明意見 第 1 回 H19.1.20 佐渡市 1. トキ保護増殖事業にかかる実施体制等 2. トキ野生復帰の基本的考え方 ( 案 ) について 3. 今後の進め方について 4. 関係機関等によるトキ野生復帰に向けた取組について 建設中の野生復帰ステーションを視察 2. トキ野生復帰の基本的考え方 ( 案 ) について トキは人をみる動物なので 順化施設に人が入れるようにしても良いのではないか 野生順化施設の給餌施設は人慣れさせないことを前提としたものになっているが 正明寺は人の多い場所であり そのような環境条件では人慣れさせてから放鳥する方が望ましい 54 第 2 回 H19.3.12 東京 1. トキ野生復帰の基本的考え方について 2. トキ野生順化訓練の方針について 3. 放鳥後のモニタリングの方針について 4. 今後の進め方について ( 特になし ) 1. トキ野生復帰の基本的考え方について < トキ野生順化施設内の環境整備 ( 樹種等 )> ケージ内には佐渡に多い樹種と異なるもので構成されている また 実際にトキが営巣木やねぐらとして利用するような大径木にならない樹種の割合が多く その枝ぶりもまだ不十分であるなど フライングケージ内の環境の改善が必要である ケージ内の樹木が成長するまで人工の止まり木が用意されても良いと思うが その手順が見えない トキの野生順化訓練開始後にケージ内の樹木を植え替えることは困難であり 早急に対応するべきである 順応的な環境の改善といった対応では遅い 単に飼育するだけであれば擬似木でも良いかもしれないが 放鳥されたコウノトリでマツに止まれない個体もいるといった例もある 野生下に放鳥することを前提とした環境が必要である < トキ野生順化施設内の環境整備 > トキ野生順化施設の改善を行う場合は 改善点や改善理由が各委員に伝わるように対応してほしい 環境省からは トキ野生順化施設は 必ずしもその周辺の自然環境を全て網羅している訳ではない 施設内環境の改善は対応可能な内容については早急に対応していきたいと回答 第 3 回 H19.5.30 佐渡市 1. トキ野生復帰の基本的考え方について 1 トキ野生順化訓練の方針 2 試験的な放鳥計画の方針 3 放鳥後のモニタリングの方針 2. 今後の進め方 3. その他 1 トキ野生順化訓練の方針の説明資料 2. 訓練の実施方法 天敵回避訓練についてテンを天敵と想定しているが 具体的な訓練方法は記されず 4. 野生復帰ステーションの環境の改善として 野生順化訓練の効果と効率を高めるため 野生復帰ステーション内のモニタリング 調査及び試験的な放鳥のモニタリング結果等に基づき トキの順化ケージ 繁殖ケージ内の植栽木や湿地環境等を検証し 必要に応じて改善を図る としている 野生復帰ステーション視察 1. トキ野生復帰の基本的考え方について 1 トキ野生順化訓練の方針 ケージ内植栽について 放鳥後トキが遭遇する トキが利用できる樹形を取りうる 5 ~10 年間のメンテナンスがしやすい ( 剪定に耐える ネットを破らない ) という条件を考慮すべきであるが 工期等の関係から十分配慮されていない ケージ内の樹木調査を行った結果 7m 以上の高木で枝振りからトキが利用しうるものは 4 本のみしかなく また将来の維持管理に支障を来す植栽もあることから 改善していくべきである また 繁殖ケージについては 天井が低く 植栽木を植える目的を根本から再検討する必要がある 環境省からは できることとできないことに分けて 対応できるところから対処していきたいと回答

第 4 回 H19.9.11 佐渡市 第 5 回 H20.3.10 新潟市 1. 野生順化訓練の状況と今後の取組について 順化ケージ内でのトキの観察結果 野生順化訓練 モニタリング 調査等の実施項目 2. トキの試験的な放鳥計画について 3. 放鳥個体モニタリング体制について 4. その他 1. 野生順化訓練の状況と今後の取組について 2. 今後概ね 3 年間の放鳥計画について 3. 放鳥個体のモニタリング体制について 4. 生息環境整備の状況について 5. その他 ( 飼育繁殖専門家会合と同時開催 ) 1. の野生順化訓練で天敵回避について説明 ただし トビ カラスについてのみ 野生復帰ステーション視察 ( 特になし ) 1. の野生順化訓練で天敵回避訓練について説明 トビ カラス イタチなどがケージ周辺に出現した際 トキは注視を行うが 危険ではないと判断すると通常の行動に戻る 現在 その頻度は月に数回以上あり 天敵を認識する機会はある程度確保できていると考えられる としている 翌日野生復帰ステーション視察 ( 特になし ) 第 6 回 H20.8.4 佐渡市 1. トキの飼育繁殖の状況について 2. 野生順化訓練の状況について 3. 放鳥の進め方について 4. モニタリング体制について 5. その他 ( 飼育繁殖専門家会合と合同開催 ) 2. の野生順化訓練の総括で天敵回避訓練について説明 トビ カラス等がケージ周辺に出現した際 トキは注視を行っていることが観察されており 天敵を認識する機会はある程度確保できていると考えられる としている 7 月に猛禽類やカラスの模型を見せる訓練を実施していると報告 野生復帰ステーション視察 順化ケージで営巣木を増やすという議論もあった 営巣木を可能な限り増やしてほしい 今回放すといきなり冬に入る 天敵訓練はカラス中心で鳥ばかりやっているが 本当に怖いのはテンやタヌキである 55 第 7 回 H20.12.8 東京 1. 放鳥されたトキの状況について 2. 本州側で確認されたトキについて 3. 厳冬期の人為的サポートについて 4. 野生順化訓練について 5. その他 4. の野生順化訓練で天敵回避訓練について説明 順化ケージ外のトビやカラスを注視することなどが観察されており 天敵等を認識する機会となったものと見られる なお 模型や音による訓練による訓練効果については更なる検討が必要 ( 特になし ) 第 8 回 H21.2.9 新潟市 1. 放鳥されたトキの状況について 2. 厳冬期の人為的サポートについて 3. 次回放鳥計画について 4. 野生順化訓練について 5. その他 ( 本州トキの取扱いについて ) 資料 4. 野生順化訓練 2. 野生順化訓練 (3) 天敵回避訓練について次のとおり説明 現状 順化ケージ周辺にはタヌキ テン ネコ イタチ ノウサギ アカネズミなどのほ乳類が出没するほか トビ ハシブトガラス アオサギ ノスリ ハヤブサ チョウゲンボウなど猛禽類等の上空飛翔を確認している 方針 当面は順化ケージ周辺に接近する猛禽類等他の動物への反応を観察する また 今後の放鳥後のモニタリングの結果を踏まえ 天敵認識を中心とした有効な訓練方法について検討を行う ( 特になし ) 3. 野生復帰ステーション順化 繁殖ケージ内環境の改善 人工止まり木の改良を実施済みと説明

第 9 回 H21.4.10 新潟市 第 10 回 H21.7.3 佐渡市 第 11 回 H21.12.1 東京 第 12 回 H22.2.26 新潟市 1. 放鳥されたトキの状況について 2. 本土側のトキについて 3. 次回放鳥計画について 4. その他 1. トキのモニタリング状況について 2. 本州側で確認されたトキについて 3. 第 2 回放鳥計画について 4. その他 1. トキのモニタリング状況について 2. 第 1 回試験放鳥個体の放鳥 1 年間の状況について 3. 平成 22 年度の放鳥計画について 4. その他 1. トキのモニタリング状況 2. 第 1 回放鳥のまとめ 3. 放鳥トキの繁殖期の対応 4. 第 3 回トキ放鳥計画 5. 今後のトキ放鳥の進め方 ( 特になし ) ( 特になし ) 3. 平成 22 年度の放鳥計画について 順化ケージ内の 放鳥口近くに止まり木を追加 ( トキが放鳥口に行きやすいように ) フェンスの周りに電気柵を設置 ( 天敵対策 ) 4. 第 3 回トキ放鳥計画 第 11 回会合で報告した順化施設の改修状況について報告 さらに 上流側の既設の止まり木に止まり枝を増設 ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) 56

飼育繁殖専門家会合 ( 注 : 説明や意見は 順化ケージ 天敵回避訓練 人慣れに関することのみ抜粋 ) 日時場所議題説明意見 第 1 回 H19.3.6 佐渡市 1. トキ保護増殖事業にかかる実施体制について 2. トキの飼育繁殖の状況について 3. トキ野生順化施設 ( 仮称 ) 供用後の飼育繁殖の基本的考え方 4. 平成 19 年度のトキ野生順化施設 ( 仮称 ) 供用開始について 5. 今後の進め方について 4. について次の事項を説明 ( 施設そのものについてはないと思われる ) 1 トキの移送時期 2 トキの移動個体及び個体数 3 トキ野生順化施設 ( 仮称 ) における当面の飼育繁殖の考え方 前日に野生順化施設を視察 4. について 野生順化施設の使い方については 人慣れさせていくべきである 57 第 2 回 H19.5.29 佐渡市 第 3 回 H19.11.12 佐渡市 第 4 回 第 5 回 H20.3.24 H20.6.2~4 多摩動物公園 出雲市 いしかわ動物園 長岡市 1. トキの飼育繁殖の状況 2. 野生復帰ステーション供用後のトキの飼育繁殖の基本的考え方 3. トキ野生順化訓練の方針 4. 今後の進め方 1. トキの飼育繁殖の状況等 2.H20 繁殖計画の方針等について 3. 野生復帰ステーションへのトキの移送 ( 第 2 回 ) について 4. トキの緊急移送措置と分散飼育の検討について 5. その他 1. トキの飼育繁殖の状況 2. 野生復帰ステーションでの飼育 訓練状況 3. トキの分散飼育の検討 4. その他 フローラいずも ( 出雲市 ):2 日いしかわ動物園 ( 石川県能美市 ):3 日長岡市立寺泊文化センターほか ( 長岡市 ):4 日現地調査 3. の中で飼育員の関わり方について トキが過度に人慣れすることを防止するため トキの目の前では灸治を行わない トキが過度に人を警戒することを防止するため 異常個体の治療等でトキを捕獲する際は 他のトキが過度に警戒しないよう十分配慮する 3. の中で飼育員の関わり方についてこれまで人との共生訓練の実施 ( 詳細は参考資料 4) により トキが人の日常的行動 農作業 モニタリング等に対して過度に意識させないレベルまで人慣れさせたほか トキと人の適度な距離 トキに接する際の注意点 トキの警戒行動のパターン等が明らかになりつつある 今後の課題としては 上記についての更なるデータ収集 追加個体に対する訓練の実施があげられる 2. の中で飼育員の関わり方について 現状 飼育員 観察員等に対して先の 5 羽はある程度の落ち着きを保ち ケージにぶつかることはほとんどなくなった 追加の 10 羽はケージ内の環境自体にまだ慣れていない様子であり 人の姿にも敏感に反応し 飛翔する状況である 方針 順化訓練ケージ内の環境整備や訓練のモニタリングのため 出入りする飼育員 観察員等に慣れさせる 3. について 大きなケージで重要なのは止まり木である ケージの中の止まり木は トキが止まることを考えて作る必要がある ( 伊東委員 ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし )

第 6 回 H20.8.4 佐渡市 1. トキの飼育繁殖の状況について 2. 野生順化訓練の状況について 3. 放鳥の進め方について 4. モニタリング体制について 5. その他 ( 飼育繁殖専門家会合と合同開催 ) 2. の野生順化訓練の総括で天敵回避訓練について説明 トビ カラス等がケージ周辺に出現した際 トキは注視を行っていることが観察されており 天敵を認識する機会はある程度確保できていると考えられる としている 7 月に猛禽類やカラスの模型を見せる訓練を実施していると報告 野生復帰ステーション視察 順化ケージで営巣木を増やすという議論もあった 営巣木を可能な限り増やしてほしい 今回放すといきなり冬に入る 天敵訓練はカラス中心で鳥ばかりやっているが 本当に怖いのはテンやタヌキである 第 7 回 H20.11.18 東京 1. トキの飼育繁殖計画について トキの飼育繁殖の状況 第 2 期野生順化訓練個体の移送等について ( 案 ) 2. トキの分散飼育について 3. その他 1. の第 2 期野生順化訓練個体の移送等 順化ケージについて環境改善 ( 止まり木の改良 マツ植栽等 ) と施設修繕を実施したことを報告 ( 具体的には資料なし ) 飼育員との関わりについては 当面第 1 期野生順化訓練における対応を継続することとする ( 特になし ) 第 8 回 H21.3.23 多摩動物公園 1. トキの飼育繁殖計画等について 2. トキの分散飼育について 3. 野生順化訓練及び放鳥方法について 4. その他 3. のうち天敵回避訓練について 現状 順化ケージ周辺にはタヌキ テン ネコ イタチ ノウサギ アカネズミなどのほ乳類が出没するほか トビ ハシブトガラス アオサギ ノスリ ハヤブサ チョウゲンボウなど猛禽類等の上空飛翔を確認している 方針 当面は順化ケージ周辺に接近する猛禽類等他の動物への反応を観察する また 今後の放鳥後のモニタリングの結果を踏まえ 天敵認識を中心とした有効な訓練方法について検討を行う ( 特になし ) 58 第 9 回 H21.7.28 佐渡市 1. トキの飼育繁殖の状況について 2. 第 2 回放鳥計画について 3. その他 ( 特になし ) ( 特になし ) 第 10 回 H21.11.4 いしかわ動物園 1. 石川県における分散飼育の開始について 2. トキの飼育繁殖の状況について 3. トキの飼育繁殖の基本的な考え方について 4. 佐渡市トキ普及啓発実施計画について 5. 多摩動物公園におけるトキの飼育について 6. 分散飼育実施地の状況 ( 出雲市 長岡市 ) について 7. その他 ( 特になし ) ( 特になし ) 第 11 回 H22.3.16 佐渡市 1. 順化ケージでのトキの死亡について 2. トキの飼育繁殖計画等 3. トキの飼育繁殖の基本的な考え方 4. 分散飼育実施地の状況 ( 石川県 出雲市 長岡市 ) 5. 佐渡市トキ普及啓発実施計画 6. その他

トキ増殖技術現地検討会 ( 注 : 説明や意見は 順化ケージ 天敵回避訓練 人慣れに関することのみ抜粋 ) 年度回数日時場所議題説明意見 59 14 予備検討会 H14.4.24~25 佐渡市 第 1 回 H14.6.13~14 佐渡市 第 2 回 H14.11.21~22 佐渡市 第 3 回 H15.3.12~13 佐渡市 第 1 回 H15.7.2~3 佐渡市 予備検討会 H15.11.18~19 佐渡市 1. トキのエサ対策について 2. 一般公開の公開時期の判定について 3. 自然孵化について現地調査 : 佐渡トキ保護センター繁殖ケージ視察ならびに構造決定 1. 平成 14 年の繁殖及び飼育状況について 2. 予備検討会の報告について 3. トキの保護増殖にかかる問題点と今後の対策について現地調査 : 佐渡トキ保護センター視察 トキの飼育状況観察と施設点検 1. 平成 14 年度 6 月以降の飼育状況について 2. 飼料のペレット化について 3. トキの遺伝的解析と繁殖ペアの組み方について 4. 個体管理データベースについて 5. その他現地調査 : 佐渡トキ保護センター トキの飼育状況と施設点検 1. 平成 14 年度 11 月以降の飼育状況について 2. 平成 15 年のトキの繁殖方針について 3. 平成 15 年度佐渡トキ保護センターの勤務の変更について 4. 平成 15 年度トキの給餌時間 内容の変更について 5. その他現地調査 : 佐渡トキ保護センター トキの飼育状況と施設点検 1. 平成 15 年のトキの飼育経過について 2. 平成 15 年の繁殖結果について 3. 今後の対応方針現地調査 : ドジョウ養殖施設視察 トキの飼育状況と施設点検 1. 平成 16 年のトキの繁殖方針について 2. 平成 16 年の繁殖ペアの組合せについて 3. 今後の対応方針 11/19 野生順化施設ヒアリング ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) 野生順化施設ヒアリング野生順化施設の意見交換 野生順化施設ヒアリング専門家から テン タヌキが問題 施設内には絶対入れないように (100%) する 下はコンクリート 鉄板 との意見が出された 15 第 2 回 ( 緊急 ) H16.2.23 新潟県庁 第 3 回 H16.3.15~16 佐渡市 1. 鳥インフルエンザ対策について 2. トキの保護増殖事業について 3. 中国帰属トキの隔離飼育について 4. 平成 16 年の繁殖計画について 5. その他 1. トキをめぐる諸情勢について 2. 鳥インフルエンザ対策について 3. 平成 16 年の繁殖方針について 4. その他 キン 追悼式典 ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし )

60 第 1 回 H16.7.8~9 佐渡市 16 第 2 回 H16.12.16~17 佐渡市 第 3 回 H17.3.17~18 佐渡市 第 1 回 H17.7.11~12 佐渡市 17 第 2 回 H17.12.8~9 佐渡市 第 3 回 H18.3.16~17 佐渡市 第 1 回 H18.7.10~11 佐渡市 18 第 2 回 H18.12.7~8 佐渡市 19 第 1 回 H19.6.5~6 佐渡市 1.16 年のトキの飼育経過について 2.16 年のトキ繁殖結果について 3. その他現地調査 : 野生順化施設建設予定地視察トキ保護センターで飼育状況と施設点検 1. トキ保護増殖を巡る情勢について 2. 野生順化施設建設工事の進捗状況等について 3. 平成 17 年のトキ繁殖方針について 4. クロトキの取り扱いについて 5. その他現地調査 : 佐渡トキ保護センター 1. 平成 17 年のトキ繁殖計画について 2. 繁殖状況の情報発信について 3. トキ野生順化施設整備事業について 4. その他現地調査 : 佐渡トキ保護センター 1.H17 年のトキ繁殖経過 結果について 2. 鳥インフルエンザの状況及びについて 3. その他現地調査 : 佐渡トキ保護センター ( 飼育状況と施設点検 ) 野生順化施設 ( 工事進捗状況調査 ) 1.H17 の飼育状況について 2.H18 年の繁殖計画について 3. その他現地調査 : 佐渡トキ保護センター ( 飼育状況と施設点検 ) 野生順化施設 ( 工事進捗状況調査 ) 1.H18 年の繁殖計画について 2. 繁殖状況の連絡方法について 3. その他現地調査 : 佐渡トキ保護センター ( 飼育状況と施設点検 ) 野生順化施設 ( 工事進捗状況調査 ) 1.H18 年のトキ繁殖結果について 2. 今後の検討会の予定について 3. 野生順化施設の進捗状況について 4. その他現地調査 : 野生順化施設地調査 佐渡トキ保護センター 1. 飼育経過について 2.H19 年の繁殖計画について 3. 野生順化施設の進捗状況について 4. その他現地調査 : 野生順化施設建設状況調査 佐渡トキ保護センター飼育状況調査 1. 第 2 回トキ飼育繁殖専門家会合の概要 ( 報告 ) 2. 飼育繁殖状況について 3. 順化ケージへのトキの移送について 4. その他事項現地調査 : 野生復帰ステーション 佐渡トキ保護センター ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) 順化ケージ内の湿地環境が多いのではないか 順化ケージで訓練後に放鳥といういきなりワイルドな方法ではなく もうワンクッションあった方がいい ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) 野生順化施設進捗状況 工期は H19 年 3 月までになる と説明 ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) 野生復帰ステーション全体の建設工事の進捗状況の確認 順化ケージ内部環境の整備状況 ( 湿地 樹木移設等 ) の確認 ( 特になし ) ( 特になし ) 野生復帰ステーション全体の視察 ( 特になし )

61 20 21 第 2 回 H19.11.13 佐渡市 第 3 回 H20.3.11 佐渡市 第 1 回 H20.6.30~7.1 佐渡市 第 2 回 H20.11.12 佐渡市 第 3 回 H21.3.16~17 佐渡市 第 1 回 H21.7.28 佐渡市 第 2 回 H21.10.27~28 佐渡市 1.H19 年トキ飼育繁殖状況等 2.H20 年のトキ繁殖計画 ( 案 ) について 3. 野生復帰ステーション訓練予定個体 ( 案 ) について 4. トキ死亡原因について 5. その他 1. トキ飼育状況等 2.H20 年のトキの繁殖計画 ( 案 ) について 3. 繁殖期の情報提供等について 4. その他 1.H20 年トキ飼育繁殖状況等 2. トキ死亡原因について 3. トキ飼育マニュアル作成について 4. その他現地調査 : 野生復帰ステーション 佐渡トキ保護センター 1.H20 年トキ飼育繁殖状況等について 2. 順化ケージ次期訓練候補 ( 案 ) について 3.H21 年のトキ繁殖方針等 ( 案 ) について 4. トキ死亡原因について 5. その他 ( 飼育マニュアルについて ) 現地調査 : 野生復帰ステーションほか 1.H20 年トキ飼育繁殖状況について 2.H21 年のトキ繁殖方針等 ( 案 ) について 3. トキ死亡原因について 4. トキ飼育マニュアル素案について 5. その他現地調査 : 放鳥トキ観察 1.H21 年トキ飼育繁殖状況について 2. トキ死亡原因について 3. トキ飼育マニュアル素案について 4. その他 1.H21 年トキ飼育繁殖状況等について 2.H22 年トキ繁殖計画案について 3. トキ飼育ハンドブック案について 4. その他現地調査 : 野生復帰ステーション ( 特になし ) ( 特になし ) 参考資料 1 の 3 でイタチ対策を説明 ( 内容 )H20 年 1 月のイタチ侵入 隙間を塞ぐ作業 イタチ 1 頭を捕獲した経緯 順化ケージ内のトキの訓練状況の視察 ( 特になし ) 順化ケージ内の施設 ( 衝突防止ネット カメラ移設等 ) 整備状況の確認 委員から 対応が甘い これ以上イタチは入らないのか との意見があり トキ保護センターでは 考えられる対応は全てとった と回答 ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) ( 特になし ) 順化ケージ下流の放鳥口の状況を確認 ( 特になし ) 第 11 回トキ飼育繁殖専門家会合と合同開催 第 3 回 H22.3.16 佐渡市

Ⅱ 検証結果 1 施設の整備に関する事項 (1) 基本設計及び実施設計について 1 検証結果ア新潟県環境企画課は 環境省野生生物課と協議し 基本設計の仕様書を定めた ( 平成 15 年 8 月 ) が そこにはテン等の天敵対策について具体的な記述がなかった 基本設計の業者選定の際 参考資料として ( 財 ) 日本鳥類保護連盟が作成した トキ野生順化プログラム策定業務報告書 ( 平成 15 年 3 月 ) をプロポーザル参加業者に提示し テン等の天敵の侵入防止に万全を期すことを示した イ環境省野生生物課 新潟県環境企画課及び設計業者は トキ増殖技術現地検討会の予備検討会 ( 平成 15 年 11 月 19 日 ) において 専門家からテン等の天敵対策について意見を聴取した 専門家の指摘を受け 順化ケージ全周の基礎をコンクリート ( 地上 20 cm 地下 65 cm ) とする対策が実施設計に反映されている ウ設計業者は 金網の網目の大きさについて 壁面部は佐渡トキ保護センターや動物園等の事例を参考に 25 mm 25 mmとし 天井部は積雪加重による構造物への影響や雪が溜まり それが溶けて大きな水滴として落ちてトキに影響を及ぼすことがないよう検討し 40 mm 40 mmとした エ環境省野生生物課 新潟県環境企画課及び設計業者は トキ野生復帰技術ワーキンググループ会議 ( 平成 16 年 4 月 16 日 ) で ウで検討した金網の網目の大きさを含め基本設計の内容を説明した 網目の大きさを含め特に委員から指摘はなかった オ設計業者は 基本設計において 順化ケージの放鳥口前に広がるオープンな空間 ( トキを放鳥する際 トキが一時的に滞留する順化ケージ外の空間 ) を天敵侵入防止柵で囲うこととしたが 実施設計では 50 mm 115 mmの網目の柵となった これはオープンな空間ではトキはすぐに飛び立ち 人の侵入が最も大きな危険であるとの考えに変わっていき 結果として 実施設計段階では人の侵入防止が主な目的となった この変更に際し 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家の意見は聞かなかった カ設計業者は テン等の天敵はどれくらいの隙間の大きさであればケージ内に侵入できるかという情報を把握せず テン等の天敵防止の観点から 網目の大きさは検討されなかった キ設計業者は 専門家からテン等の天敵対策についての一般的な考えは聞いたが 具体的な対策については意見を聞かなかった ク設計業者は 順化ケージ及び繁殖ケージにおける隙間の発生について検討したり 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家の意見 62

を聴取したりすることはしなかった ケ設計業者は 順化ケージ等の施設設計の考え方として トキが外に出ないこと けがをしないこと 飼育がしやすいこと等が中心となり テン等の天敵対策は優先課題としていなかった 2 問題点検証結果から次のような問題点が明らかとなった ア環境省 新潟県 設計業者は テン等の天敵に対する認識が不十分であった イ設計業者は 施設の基本設計及び実施設計の作成にあたり テン等の天敵侵入対策について動物飼育やテン等の専門家から具体的に意見を聞かなかった ウ トキ増殖技術現地検討会の予備検討会 ( 平成 15 年 11 月 19 日 ) 及び トキ野生復帰技術ワーキンググループ会議 ( 平成 16 年 4 月 16 日 ) において 金網の網目の大きさや隙間について議題に取り上げず専門家からも特に意見はなかった エ金網の網目の大きさの決定にあたり テン等の天敵がどれくらいの網目の大きさであれば侵入可能かについては検討されなかった オ順化ケージ及び繁殖ケージにおける隙間の発生についてテン等の天敵侵入対策の観点から検討されなかった 3 必要な対応次のような対応が必要であった ア環境省野生生物課と新潟県環境企画課は テン等の天敵の脅威を十分に認識した上で 基本設計及び実施設計業務の仕様書の検討にあたり テン等の天敵侵入防止対策の必要性を明記すること イ環境省野生生物課 新潟県環境企画課及び設計業者は テン等の天敵の脅威を十分に認識した上で トキ増殖技術現地検討会の予備検討会 及び トキ野生復帰技術ワーキンググループ会議 において テン等の天敵対策全般について具体的に意見を聞くこと ウ新潟県環境企画課は 環境省野生生物課と協議し 設計業者に対し基本設計及び実施設計にあたり テン等の天敵の脅威を十分に認識した上で テン等の天敵侵入防止対策を検討するよう指示すること エ設計業者は 基本設計及び実施設計の作成にあたり テン等の天敵の脅威を十分に認識した上で 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家から具体的に意見を聞き 金網の網目の大きさや隙間の発生防止などのテン等の天敵侵入防止対策を検討すること 63

(2) 施工及び施工監理について 1 検証結果ア施工業者が提出した施工計画書では 鉄骨の梁材と柱部等の組み合わせで隙間ができる部分には ひし形金網又は他の網を使用して隙間をなくすとし 監督員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) 及び施工監理業者も了承した イ施工監理業者及び施工業者は 天井の金網の網目の大きさの 40 mm を目安に それ以上の隙間を確認した場合は塞ぐとしていた ウ施工業者は 目視で確認し 隙間を塞ぐ措置を行い 施工監理業者も把握していたが 監督員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) には報告されなかった エ施工監理業者及び施工業者は 隙間を塞ぐ措置を行うにあたって 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家に意見を聞いていなかった オ天井部の隙間は雪等により大きくなったことが想定されるが 壁面部の隙間は建設当初からあったと考えられる 2 問題点検証結果から次のような問題点が明らかとなった ア環境省 新潟県 施工監理業者及び施工業者は テン等の天敵に対する認識が不十分であった イ塞ぐべき隙間の大きさ及びその確認方法について 施工業者 施工監理業者及び監督員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) との間で具体的な数値を決めていなかった ウ施工業者は 目視で確認し 隙間を塞ぐ措置を行い 施工監理業者も把握していたが 監督員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) には報告されていなかった エ施工監理業者及び施工業者は 隙間を塞ぐ措置を行うにあたって 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家に意見を聞いていなかった 3 必要な対応次のような対応が必要であった ア環境省野生生物課と新潟県環境企画課は テン等の天敵の脅威を十分に認識した上で 施工監理業務や施工の仕様書の検討にあたり テン等の天敵侵入防止対策のための措置を行うことを明記すること イ監督員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) は テン等の天敵の脅威を十分に認識した上で 施工監理業者及び施工業者に対しテン等の天敵侵入防止の観点から隙間を塞ぐ措置を行うように指示をすること ウ施工監理業者及び施工業者は テン等の天敵の脅威を十分に認識し 64

た上で 塞ぐべき隙間の大きさや隙間を塞ぐ措置を検討するにあたり 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家の意見を聞くこと また 塞ぐべき隙間の確認方法を具体的に決めるとともに 隙間を塞ぐ措置の実施結果を監督員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) に報告すること (3) 工事検査について 1 検証結果ア隙間を塞ぐ措置について 施工監理業者及び施工業者から監督員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) には具体的に報告されず 結果として完了検査の検査員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) にも伝わらなかったため 一般的な鉄骨構造物の設計図書に基づく検査となった イ工事の竣工時に 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家による施設の確認はしていなかった 2 問題点検証結果から次のような問題点が明らかとなった ア環境省 新潟県 施工監理業者及び施工業者は テン等の天敵に対する認識が不十分であった イ隙間を塞ぐ措置について 検査員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) に伝わっておらず 結果として 一般的な鉄骨構造物の設計図書に記載された項目の検査となり 隙間を念頭に置いた検査とならなかった ウ工事の竣工時に 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家による施設確認は行われておらず テン等の天敵侵入防止の観点からの検査が行われなかった 3 必要な対応次のような対応が必要であった ア施工業者及び施工監理業者は テン等の天敵の脅威を十分に認識した上で 隙間を塞ぐ措置の実施状況が検査員 ( 新潟県の組織である佐渡トキ保護センター ) に伝わるよう対応すること イ新潟県環境企画課は 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家の協力を仰ぐなどテン等の天敵侵入防止の観点からの検査が実施できる体制をとること 65

2 施設の管理及び飼育に関する事項 (1) 日常の施設管理及び飼育について 1 検証結果 a. 業務内容 分担アトキがケージ内にいる場合は 野生復帰ステーションの飼育担当 2 名以外はケージに近づかないこととされており 飼育担当が日常業務の中で施設の状況を把握していた このほか 佐渡自然保護官事務所の職員も トキのモニタリング ( 生態観察 ) のため 必要に応じてケージに近づいていた イ順化ケージ等の構造物について 施設の変形や隙間等に関する定期的な検査が行われていなかった ウ野生復帰ステーションの職員は 主としてモニターにより 順化ケージや繁殖ケージ内のトキの監視を行っていたが 肉眼による施設の中や周囲の状況把握は十分行われていなかった エ佐渡自然保護官事務所の職員は 主としてモニターにより 順化ケージ内のトキのモニタリングを行っており 必要に応じてケージ内外からの直接目視によるトキのモニタリングを行っていた オ環境省野生生物課 新潟県環境企画課及び佐渡トキ保護センターは 昨年 12 月にトキの飼育繁殖に係るマニュアルとして トキ飼育ハンドブック を策定したが 野生復帰ステーションにおける野生順化訓練に係るマニュアルは策定されていない カ野生復帰ステーションにおいては 採餌 飛翔 社会性 天敵回避 繁殖についての訓練を行うとともにモニタリングを行っていた b. 指揮命令系統 責任の所在ア環境省野生生物課と新潟県環境企画課は 年度ごとに 希少野生動植物保護増殖事業 ( トキ ) 委託事業 について委託契約を締結し 新潟県環境企画課は環境省野生生物課の指示監督により業務を行うこととされていた イ委託業務の詳細を定めた 委託業務実施計画書 では トキ野生順化訓練は 環境省野生生物課が示す方針等を踏まえ 野生復帰ステーションが佐渡自然保護官事務所と調整を図って実施するものとされていた ウ新潟県の組織である佐渡トキ保護センターの現場事務所として位置付けられている野生復帰ステーションの日常業務は 佐渡トキ保護センターの所長の指揮命令下にあり 環境省野生生物課 関東地方環境事務所及び佐渡自然保護官事務所と協議 調整しながら環境省の施設である野生復帰ステーションでの管理等を行っていたが 日常の管理運営の役割分担 指揮命令系統や責任の所在が不明確となっていた 66

エ専門家会合等で決定した訓練方針に基づく訓練 ( 訓練に伴う施設の改良を含む ) を現地において実施が可能かどうかの判断については 野生復帰ステーションの獣医師又は施設担当が佐渡自然保護官事務所の自然保護官と協議 調整しながら行っていた c. 天敵侵入対策アケージ内において事故が発生するまでケージ内についてはテン等の天敵の足跡には気が付かなかった イ野生復帰ステーションでは夜間無人でその間はモニター画像は録画されるが 画像は暗くケージ内を確認することはできなかった ウ音声のみが記録されていたが 事後的にしか確認できない体制となっていた 2 問題点検証結果から次のような問題点が明らかとなった a. 業務内容 分担アトキの飼育において 順化ケージ及び繁殖ケージには 飼育職員 1 名程度が 1 日 1~2 回行っていたが トキへのストレスに配慮し 結果として 施設の中や周囲の状況把握は十分行われていなかった イ順化ケージ等の構造物について 施設の変形や隙間等に関する定期的な検査が行われていなかった ウトキへのストレスや事故の危険を考慮し モニターによる監視が主体となり 人の目による監視が十分行われていなかった エ環境省野生生物課 新潟県環境企画課及び佐渡トキ保護センターは 昨年 12 月にトキの飼育繁殖に係るマニュアルとして トキ飼育ハンドブック を策定したが 野生復帰ステーションにおける野生順化訓練に係るマニュアルは策定されていなかった オ専門家会合等で決定した訓練方針に基づく訓練 ( 訓練に伴う施設の改良を含む ) の実施に係る専門家会合等への相談 報告が十分でなかった カ訓練の実施について 野生復帰ステーションの職員と佐渡自然保護官事務所の職員との調整 情報共有が十分でなかった b. 指揮命令系統 責任の所在新潟県の組織である野生復帰ステーションの業務は 佐渡トキ保護センター所長の指揮命令下にあり 環境省野生生物課 関東地方環境事務所及び佐渡自然保護官事務所と協議 調整しながら環境省の施設である野生復帰ステーションの管理等を行っていたが 日常の管理運営の役割分担 指揮命令系統や責任の所在が不明確となっていた c. 天敵侵入対策ア環境省と新潟県は テン等の天敵に対する認識が不十分であった イ野生復帰ステーションは 夜間は無人となり 順化ケージ及び繁 67

殖ケージ内のトキの様子に異常があった際 主に記録された音声によって事後に確認する体制となっており 緊急時に迅速な対応ができない監視体制であった 3 必要な対応次のような対応が必要であった ア環境省野生生物課は 新潟県環境企画課と協議し テン等の天敵の脅威を十分に認識した上で モニターに頼らず肉眼で状況を把握する等ケージ内及びその周囲の状況を十分把握できる監視体制をとること イ環境省野生生物課は 新潟県環境企画課と協議し 順化ケージ等の構造物について 定期的に検査する体制をとること ウ環境省野生生物課及び新潟県環境企画課は 環境省野生生物課 関東地方環境事務所 佐渡自然保護官事務所 新潟県環境企画課 佐渡トキ保護センターにおける役割分担 指揮命令系統や責任の所在を明確にすること エ訓練の実施について 野生復帰ステーションの職員と佐渡自然保護官事務所の職員との調整 情報共有を十分行うこと オ環境省野生生物課は 新潟県環境企画課と協議し 夜間においても トキに異常があった場合に迅速に対応できる監視 連絡体制 ( ハード面 ソフト面 ) を構築すること カ環境省野生生物課は 新潟県環境企画課と協議し 職員の異動等も考慮し 昨年 12 月に策定した トキ飼育ハンドブック を適宜更新するとともに野生復帰ステーションにおける野生順化訓練に係るマニュアルを策定すること キ環境省野生生物課は 新潟県環境企画課と協議し 専門家会合等で決定した訓練方針に基づく訓練 ( 訓練に伴う施設の改良を含む ) の実施に係る専門家会合等への相談 報告を十分に行うこと (2) 異常時の対応について 1 検証結果アオオコノハズクが供用前の繁殖ケージに侵入したこと ( 平成 19 年 4 月 ) は野生復帰ステーション及び佐渡自然保護官事務所の職員が承知するにとどまった また 施設供用開始以後のイタチ ( 平成 20 年 1 月 ) 及びテン ( 平成 21 年 2 月 ) の侵入は 現地だけでなく 環境省野生生物課及び新潟県環境企画課にも報告されているものの トキに被害がなかったため 重大であるとの認識が低く 一部を除き公表はしていなかった イ環境省及び新潟県は イタチが順化ケージに侵入したことは承知していたが 特定された侵入経路以外の箇所や繁殖ケージの点検については 思い至らなかった 68

ウ環境省及び新潟県は テンが繁殖ケージに侵入したことについては 同じタイプの繁殖ケージについてのチェックを行い 対策を実施したが 順化ケージについては 思い至らなかった 2 問題点検証結果から次のような問題点が明らかとなった ア供用前の繁殖ケージにオオコノハズクが侵入したことは野生復帰ステーション及び佐渡自然保護官事務所の職員が承知するにとどまり 上部機関に報告されることはなかった イイタチ及びテンの侵入は 環境省野生生物課及び新潟県環境企画課に報告はあったが 環境省と新潟県のいずれも重大被害に繋がるとの認識が不足し 施設全体の再点検など安全対策の確認 徹底が行われなかった ウテン等の天敵の侵入への対応にあたり 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家の意見を聞いていなかった エテン等の天敵の侵入については トキに被害はなく 環境省と新潟県のいずれも重大であるとの認識はなく 公表していなかった 3 必要な対応次のような対応が必要であった ア施設の供用前にオオコノハズクが侵入したことについて 野生復帰ステーション及び佐渡自然保護官事務所は上部機関に報告し 他の施設の点検を含め対応を協議すること イイタチ及びテンの侵入を踏まえ 環境省野生生物課及び新潟県環境企画課は 動物飼育やテン等動物生態 行動の専門家の意見を聞いて 施設全体の再点検など安全対策の確認 徹底を行うこと ウ環境省野生生物課及び新潟県環境企画課は テン等の天敵が侵入したことについて重大なことであると位置づけ 公表すること (3) 環境省と新潟県の役割分担等について 1 検証結果ア環境省自然環境局長と新潟県知事は トキ保護増殖事業に関して委託契約を締結している その決裁は 環境省は自然環境局長が 新潟県は県民生活 環境部長が行った 実際の業務は 環境省野生生物課の指揮命令に基づき行われていたが 新潟県環境企画課へ連絡するものや佐渡トキ保護センターへ直接連絡するものもあるなど案件毎に指示系統が異なっており 環境省と新潟県の責任体制が不明確であった イ環境省と新潟県の役割分担が不明確で 事業全体を現地で統括する体制となっておらず 環境省野生生物課 関東地方環境事務所及び佐渡自然保護官事務所 新潟県環境企画課及び佐渡トキ保護センターが協議 調整しながら 業務を実施してきた 加えて 専門家会 69

合等で決定された訓練方針に基づく訓練の実施に際し 役割分担 指揮命令系統や責任の所在が不明確であった ウイタチ及びテンの侵入については 環境省と新潟県で情報を共有していたが 改善策の立案及びその実施にあたり 両者の連携が不十分であった さらに 専門家への照会等事態の重大性に関する検討 協議も不十分であった エ平成 17 年 10 月に環境省の支分部局として関東地方環境事務所が設置されたが 環境省野生生物課との役割分担 指揮命令系統や責任の所在が不明確であった 2 問題点検証結果から次のような問題点が明らかとなった アトキ保護増殖事業全体を現地で統括する体制となっておらず 環境省と新潟県の責任体制も明確でなく 事業全体の指揮命令系統がはっきりしていなかった イトキ保護増殖事業全体を現地で統括する体制となっておらず 環境省野生生物課及び佐渡自然保護官事務所と 新潟県環境企画課及び佐渡トキ保護センターの役割分担 指揮命令系統や責任の所在も不明確であった ウ現地を直接担当していない 環境省野生生物課及び新潟県環境企画課がイタチ及びテンの侵入という個別案件に対応せざるを得ない体制が テン等が侵入したことに対する重大性の認識が不足し テン等の専門家や地元の関係者に意見を聞くこともなく 改善策の検討 協議が不十分となったことに繋がった エ環境省野生生物課と関東地方環境事務所の役割分担 指揮命令系統や責任の所在が不明確であった 3 必要な対応次のような対応が必要であった ア環境省は トキ保護増殖事業全体を現地で統括する責任者のもとで実施する体制に強化すること イトキ保護増殖事業全体を現地で統括する責任者の指示を的確に実施するため 環境省野生生物課及び新潟県環境企画課は 環境省野生生物課 関東地方環境事務所 佐渡自然保護官事務所 新潟県環境企画課 佐渡トキ保護センターにおける役割分担 指揮命令系統や責任の所在を明確にすること ウ現地の統括責任者のもとで重大性の認識を共有し 改善策の検討 協議を行う体制とすること 70

(4) 専門家会合等との連携について 1 検証結果 ア平成 20 年 1 月に順化ケージにイタチが侵入したことについては 平 成 20 年 3 月開催のトキ増殖技術現地検討会 ( 第 3 回 ) に報告したが 平成 19 年 4 月に供用開始前の繁殖ケージにオオコノハズクが侵入 し その死骸を確認した件や平成 21 年 2 月に繁殖ケージにテンが侵 入したことについては 専門家会合等に報告しなかった イ専門家会合等で決定した方針が十分反映されない状況があった ウ野生復帰に関する佐渡の関係団体や住民の方々の意見が十分反映 2 問題点 されない状況があった 検証結果から次のような問題点が明らかとなった ア順化ケージへのイタチの侵入について 佐渡トキ保護センターは トキ増殖技術現地検討会に対し万全の措置をとった旨報告した こ の際 順化ケージにテンが侵入できる隙間があることは想定してな かった イイタチが侵入したこと以外は 専門家会合等に報告されていないが イタチの侵入を含め 重大性の認識が不足していた ウトキの保護増殖 野生復帰に係る専門家会合等のそれぞれの権限 役割等が不明確であった エ佐渡の関係団体や住民の方々の意見や地域の実情を聞いた上で野 生復帰を進める仕組みが不十分であった 3 必要な対応 次のような対応が必要であった ア環境省野生生物課及び新潟県環境企画課は イタチやテンが侵入したことについて 専門家会合等に報告し 対応について助言を受けるとともに その反映状況についても説明すること イトキの飼育繁殖 野生復帰に係る専門家会合等のそれぞれの権限 役割等を明確にすること ウ佐渡の関係団体や住民の方々の意見や地域の実情を聞き 野生復帰を進める仕組みを構築すること 71

Ⅲ 改善策トキ保護増殖事業が国家的事業であることを踏まえ 環境省は 新潟県と連携して Ⅱ 検証結果の各項目 3 で指摘した事項と併せて 以下のような改善策に取り組むことが望まれる なお 改善策の実施にあたっては 専門家の意見を聞くとともに 計画 (Plan) 実行 (Do) 評価 (Check) 改善 (Action) が相互に連動した PDCA サイクル を徹底し 常にトキ保護増殖事業の質の向上に努めること (1) 全体的事項 1 環境省と新潟県の役割分担についてアトキの野生復帰は環境省 新潟県 佐渡市 佐渡の関係団体や住 民の方々が一体となって進めていくべき事業であり 環境省と新 潟県は協調して 佐渡市や佐渡の関係団体等と連携しながら事業 を実施すること イ環境省は トキ保護増殖事業全体を現地で統括する責任者のもとで 実施する体制に強化すること ウ環境省と新潟県は現地の統括責任者の指示を実施するため それぞ れの役割分担を明確にし 業務を実施する体制を整備すること エ環境省と新潟県の責任体制が明確ではなかったことを反省し 改 善策を明確な形で積み上げるということが肝要であること オ役割分担表の改訂にあたっては 業務の取りこぼしがないよう図 解により改訂前後で何が変わったかが分かるようにすること 2 専門家会合等 及び関係団体との連携についてア専門家会合等のそれぞれの権限 役割 関係を明確にすること イ各会議で決まった方針を現地で実行するための指揮命令系統を明確にし できないことは理由とともに各会議にフィードバックすること ウ各会議における方針の検討にあたっては 現場の声を踏まえたものとなるようにすること エ人とトキが共生する佐渡島を目標として 各主体が連携し佐渡市民の理解を得ながらトキの野生復帰に関する取組を進めるために平成 19 年に設置された 人 トキの共生の島づくり協議会 ( 事務局 : 佐渡市 ) も活用しつつ 佐渡の関係団体や住民の方々の意見や地域の実情を聞き野生復帰を進める仕組みを構築すること オトキに関する会議等にもっと佐渡の住民の方々の声を反映させること カこれまでの会議でテン等の天敵対策に関して提言がなされているにもかかわらず生かせていなかったことを反省すること 3 テン等の天敵に対する認識についてア環境省と新潟県はテン等の天敵の脅威を十分に認識し 施設 その周辺及び野外における全般的なテン等の天敵対策を検討すること イ佐渡におけるテンの実態を徹底的に調べること ウ佐渡におけるテン等の天敵について今後どのように扱っていく 72

か検討すること 4 その他の事項ア毎年の事業達成度の評価指標を設定し その指標を施設の整備 施設の管理及び飼育等の対策にフィードバックすること イハード面及びソフト面の改善策を有効にリンクさせること (2) 個別的事項 1 施設の整備に関する事項ア隙間を塞ぐ対応のほか ケージの壁面下部に電気柵を設置するとともにテン等の天敵がケージやケージ内の立木に登れないような板や返しを設置することを検討し 実施すること イトキの飼育ケージに関しては テン等の天敵がトキに致命的な危害を加えることがないようセキュリティ対策の多重化を図り リスクを低減させるとともにテン等の天敵によるセキュリティ対策の突破状況を随時検証し 施設等の改善にフィードバックさせること ウ動物が施設内に入らないようにすることができるか 入るとすればどのような入り方があるのかを検証した上で改善すること エ具体的な施工方法については 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家にも相談し 佐渡におけるテンの実情も踏まえつつ 費用対効果も考慮しつつ 改修工事を実施すること オ周辺にテンが現れるような場所で鳥類を飼育しており テンに対する対策を行っている動物園からも話を聞いた上でテン等の天敵防止対策を検討すること カテン以外の天敵としてイタチの被害を防ぐためには排水口からの侵入防止対策を検討すること キ具体的な改修工事の実施に際し 発注者サイドが希望する内容 が具体的に示されたものであるかを動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家に確認した上で仕様書を確定すること 2 施設の管理及び飼育に関する事項ア日常の施設管理及び飼育について ( ア ) 業務委託契約等における施設管理及び責任分担の明確化を図ること ( イ ) 日常の管理体制 ( 安全管理 連絡体制 責任の所在等 ) をはっきりさせ 業務内容に位置づけること ( ウ ) 施設改修後の経年変化に対処するために 日常的 定期的な検査の指針を策定し 施設の管理を行うこと ( エ ) トキの飼育や訓練を担当する職員を対象とした研修等を実施すこと ( オ ) テン以外の天敵 ( イタチ ) に対する対策も十分配慮すること ( カ ) 施設の中だけではなく その周辺に現れる動物の動きについて今まで以上に厳しくチェック ( 足跡の有無等 ) する体制をとること ( キ ) 施設周辺の動物 特にテンをどう扱っていくか ( 捕獲等 ) を検討すること 73

( ク ) モニターに頼る監視体制では実物を見なくなり 周囲の状況にも気付かないため もっとトキに人が近づくような施設管理 飼育方法に変えること ( ケ ) 人間というものをもう少し認識させるような飼育方法に変えること ( コ ) テンが警戒し ケージへ近づかないよう 人がもっとケージに近づくこと ( サ ) アイガモの産んだ卵がテンを誘因している可能性があるため アイガモの順化ケージ内での飼育を再考すること イ異常時の対応について ( ア ) 3 月 9 日のトキの最初の異常音から最後の異常音まで 3 時間ある この間に人が気付いていれば被害の拡大を防げたと考えられる 24 時間の監視体制等 異常発生時に迅速な対応がとれる体制を検 討し 施設の管理を行うこと ( イ ) 夜間や緊急時の連絡 出動体制について環境省と新潟県の指 揮命令 責任体制を含め整備すること ( ウ ) テン等の天敵が侵入した際には 動物飼育やテン等の動物生 態 行動の専門家や 佐渡の関係団体や住民の方々にも報告し 意見を聞いて対応すること ウその他施設だけではなく 日常の管理運営等全ての場面においてこんなことは起きるはずがないといった思い込みをなくすことが重要と認識すること 3 その他の事項ア環境省も新潟県も反省すべきところは反省し改善策に生かすこと イリスクに対して直ちに対応することが信用度を高めることから リスク管理を徹底すること ウ今回の事故を教訓にしてトキ保護増殖事業の発展に努めること エ佐渡の関係団体や住民の方々の支援 協力により 野生のトキに繁殖の兆しが見られるなど良い兆候もあることから 関係者の一層の協力のもとトキ保護増殖事業を実施すること オ上記の取組状況を再度改めて本検証委員会及び専門家会合等に報告し チェックを受けること (3) 改善策のまとめ < 全体的事項 > 1 環境省と新潟県はテン等の天敵の脅威を十分に認識し 施設 その周辺及び野外における全般的なテン等の天敵対策を検討すること 2 環境省は トキ保護増殖事業全体を現地で統括する責任者のもとで実施する体制に強化すること 3 環境省と新潟県は現地の統括責任者の指示を実施するため それぞれの役割分担を明確にし 業務を実施する体制を整備すること 4 専門家会合等のそれぞれの権限 役割 関係を明確にすること 74

5 人 トキの共生の島づくり協議会 ( 事務局 : 佐渡市 ) も活用しつつ 佐渡の関係団体や住民の方々の意見や地域の実情を聞き 野生復帰を進める仕組みを構築すること < 個別的事項 > 1 隙間を塞ぐ対応のほか ケージの壁面下部に電気柵を設置するとともにテン等の天敵がケージやケージ内の立木に登れないような板や返しを設置することを検討し 実施すること 2 具体的な施工方法については 動物飼育やテン等の動物生態 行動の専門家にも相談し 佐渡におけるテンに関する実情も踏まえつつ 費用対効果も考慮しつつ 改修工事を実施すること 3 施設改修後の経年変化に対処するために 日常的 定期的な検査の指針を策定し 施設の管理を行うこと 4 モニターに頼る監視体制では実物を見なくなり 周囲の状況にも気付かないため もっとトキに人が近づくような施設管理 飼育方法に変えること 5 24 時間の監視体制等 異常発生時に迅速な対応がとれる体制を検討し 施設の管理を行うこと 6 上記の取組状況を再度改めて本検証委員会及び専門家会合等に報告し チェックを受けること 75

おわりに本検証委員会は 4 回の議論を通じて事故の発生原因や問題点を洗い出し 再発防止や未然防止のための改善策についての考え方を明らかにするよう努めた 本検証委員会としては 個人の責任の追及に重点を置くものではなく 環境省と新潟県に対し今回指摘された事故の原因を両者が重く受け止め 専門家等の意見を踏まえた改善策を迅速 かつ 粘り強く実行することを強く求める 環境省は トキ保護増殖事業が国家的な事業であることを再認識し 新潟県や佐渡市と連携し 当該事業の実施体制を再構築するとともに これまでの佐渡の関係団体や住民の方々をはじめとする関係者の取組と連携しながら事業を進めていくことが望まれる また 新潟県は 環境省と十分な調整を図るとともに 佐渡の関係団体や住民の方々をはじめとする関係者と連携を図りながら トキの保護増殖及び野生復帰の取組を確実に進めていくことが望まれる 今回の検証を通じて得られた提言は トキだけではなく 我が国のすべての希少野生動物の保護増殖事業に関する 既存施設の点検 管理や管理体制の充実に加え 新たな施設の整備に際し 多くの示唆を与えるものと考えられる 関係機関や関係者は本報告書を是非参考にしていただきたい なお 環境省と新潟県による今後の改善状況を確認するために 改めて本検証委員会を開催することとする 76

参考資料 参考資料 1 平成 22 年度トキの死亡事故にかかる検証委員会設置要綱 要領参考資料 2 平成 22 年度トキの死亡事故にかかる検証委員会事務局一覧参考資料 3 平成 22 年度トキの死亡事故にかかる検証委員会議事概要 77

参考資料 1 平成 22 年度トキの死亡事故にかかる検証委員会設置要綱 1. 目的平成 22 年 3 月 10 日 佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの順化ケージ内で 放鳥訓練中のトキがテンと推定される小動物に襲われ 9 羽が死亡する事故が発生した このことを受け 死亡事故が生じるに至った施設の設計 施工及び管理運営体制等に係る問題点等を検証するため 有識者で構成する トキの死亡事故にかかる検証委員会 ( 以下 検証委員会 ) を設置 開催するものである 2. 構成 (1) 検証委員会は トキ野生復帰 飼育繁殖両専門家会合座長 施設構造や法律など各分野における専門家等で環境省自然環境局長が依頼した検証委員をもって構成する (2) 検証委員については 環境省又は新潟県が推薦するものとする 3. 検討事項検証委員会等の検討事項は 次のとおりとする (1) 施設構造及び管理運営体制上の問題点を検証するために必要な事項 (2) その他検証委員会の目的を達成するために必要な事項 4. 委員長 (1) 検証委員会には委員長を置く (2) 委員長は 検証委員の互選によってこれを定める (3) 委員長は 検証委員会の議事運営に当たる (4) 委員長に事故がある時には 委員長があらかじめ指名する検証委員がその職務を代行する 5. 庶務 検証委員会の庶務は環境省自然環境局野生生物課及び新潟県県民生活 環 境部環境企画課が分担して行う 6. その他この要綱の細部については 別添 平成 22 年度トキの死亡事故にかかる検証委員会実施要領 ( 以下 実施要領 という ) に定めるところによるものとする 78

平成 22 年度トキの死亡事故にかかる検証委員会実施要領 1. 目的 トキの死亡事故にかかる検証委員会 ( 以下 検証委員会 とする ) を設置 開催するにあたり 業務を効率的に実施するため 平成 22 年度トキの死亡事故にかかる検証委員会実施要領を定める 2. 実施要領 (1) 検証委員の委嘱環境省自然環境局長が委嘱することとする 検証委員への事務連絡は 環境省自然環境局野生生物課 ( 以下 環境省 とする ) が行うこととする (2) 会議の開催会議開催等の事務連絡については 環境省が行うこととする (3) 記者発表環境省と新潟県県民生活 環境部環境企画課 ( 以下 新潟県 とする ) が協議のうえ 同時発表とする (4) 会場準備新潟県が行うこととする (5) 会議進行環境省が行うこととする (6) 資料作成ア. 施設構造関係新潟県が主体となって作成し 作成にあたっては環境省と十分に協議することとする イ. 運営管理関係国の体制及び対応については環境省が作成 県の体制及び対応は新潟県が作成することとする なお 国と県の両者の関係については 両者が十分に協議することとする (7) 経費負担委員への謝金及び旅費は推薦者側がこれを負担することとする ( 検証委員 7 名のうち環境省 3 名 新潟県 4 名 ) その他 委員会開催等に伴う経費は環境省が負担するものとする 3. その他実施要領に定めのない事項については 環境省と新潟県との間で協議し決 定することとする 79

参考資料 2 平成 22 年度トキの死亡事故にかかる検証委員会事務局一覧 < 環境省 > 大臣官房審議官 ( 自然環境担当 ) 渡邉綱男自然環境局野生生物課長塚本瑞天自然環境局野生生物課野生生物専門官志田麻由子自然環境局国立公園課計画第一係長 ( 前佐渡自然保護官事務所自然保護官 ) 岩浅有記 関東地方環境事務所野生生物課長 関東地方環境事務所 佐渡自然保護官事務所自然保護官 徳田裕之 笹渕紘平 < 新潟県 > 県民生活 環境部長 中村稚枝子 県民生活 環境部環境企画課長 田海直樹 県民生活 環境部環境企画課長補佐 高橋 喬 県民生活 環境部環境企画課長補佐 水沢清隆 佐渡トキ保護センター所長 佐渡トキ保護センタートキ保護専門員 戸貝純夫 金子良則 80

参考資料 3 平成 22 年度トキの死亡事故にかかる検証委員会議事概要 < 第 1 回議事概要 > 1. 施設の整備に関する事項 ( ハード面 ) 動物飼育の専門家に施設を見てもらい どのような改善点があるのかをチェックすべき ( 石井委員 ) 動物が施設内に入らないようにすることができるか 入るとすればどのような入り方があるのかを検証した上で改善すべき ( 新海委員 ) メスの頭骨を実際に4センチメッシュの網の中に入れてみて体が通るかどうかを確認すべき その上で 網を全部改善できないのであれば 徹底的なテン返しを考えないといけない ( 山岸委員 ) 2. 施設の管理及び飼育 ( 訓練 ) に関する事項 ( ソフト面 ) (1) 日常の施設管理及び飼育について テンの脅威に対する認識が不足していたのではないか ( 笠井委員 ) テン以外の動物 ( イタチ ) に対する対策も十分配慮する必要がある ( 笠井委員 ) 施設の中だけではなく その周辺に現れる動物の動きについて今まで以上に厳しくチェック ( 足跡の有無等 ) する体制を取るべき ( 石井委員 ) モニターに頼る監視体制では実物を見なくなり 周囲の状況にも気付かない もっとトキに人が近づくような飼育方法に変えるべき ( 小宮委員 ) メンテナンスの方の体制をしっかりするのと同時に 人が機械に頼るのはいけない ( 吉川委員 ) 施設周辺の動物 特にテンをどう扱っていくか ( 捕獲等 ) を検討すべき ( 石井委員 ) アイガモの産んだ卵がテンを誘因している可能性があるため アイガモの順化ケージ内での飼育を再考すべき ( 山岸委員 ) 施設改善後の経年変化に対処するために 日常的 定期的な検査の指針を策定する必要があるのではないか ( 新海委員 ) (2) 事故 ( 異常 緊急時 ) 発生時の対応について 3 月 9 日のトキの最初の異常音から最後の異常音まで3 時間ある この間に人が気付いていれば被害の拡大を防げたのではないか ( 山岸委員 ) 24 時間の監視体制が必要なのではないか ( 笠井委員 ) 外敵監視体制を工夫すべき ( 山岸委員 ) これまで外敵が侵入した際に 専門家や地元の方にも報告し 意見をもらえば良かったのではないか ( 斉木委員長 ) 81

(3) 国と県の役割分担について トキの野生復帰は国 県 佐渡市や地元が一体となって進めていくべき事業 国と県が協調的に事業を実施しているとは思えず 今後 関係をより良いものにするような一層の努力が必要 ( 山岸委員 ) 3. その他の事項 採取されたテンの毛の付着状況についての解析を行うこと ( 山岸委員 ) 佐渡におけるテンの実態を徹底的に調べること ( 山岸委員 ) 佐渡におけるテン等の天敵について今後どのように扱っていくか検討すべき ( 石井委員 ) トキに関する会議等にもっと島民の声を反映させてほしい ( 笠井委員 ) 82

< 第 2 回議事概要 > 1. 施設の整備に関する事項 ( ハード面 ) テンが登れないように ( 順化ケージの ) 足元の部分を工夫すべき ( 新海委員 ) テン以外の外敵としてイタチの被害を防ぐためにはとにかく排水口を注意すべき ( 小宮委員 ) 仕様書について どのレベルまでやっていくか具体的なサンプルをもとに こういうことが問題だと認識した上で こうしてほしいという仕様書が必要 ( 新海委員 ) 2. 施設の管理及び飼育 ( 訓練 ) に関する事項 ( ソフト面 ) (1) 日常の施設管理及び飼育について 国と県の日常の管理体制 ( 安全管理 連絡体制 責任体制等 ) をはっきりさせ 業務内容に位置づける必要がある ( 吉川委員 ) 肉眼での観察がほとんど行われていないことは問題 ( 小宮委員 ) 今後放鳥した際 人間を恐れ 逃げるようなトキばかりでは問題であるため 人間というものをもっと認識させるような飼育方法に変えるべき ( 小宮委員 ) 人がもっとケージに近づくことでテンが警戒し ケージへ近づかない状況が生まれてくるのではないか ( 笠井委員 ) これまでテンに対する認識があまりにも甘かった ( 笠井委員 ) (2) 事故 ( 異常 緊急時 ) 発生時の対応について 夜間や緊急時の連絡 出動体制について国と県の指揮系統 ( 責任 ) を含め整備しておく必要がある ( 吉川委員 ) 夜間の事故発生時への対応方法について検討すべき ( 吉川委員 ) 3. 報告書について トキの飼育や訓練を担当する職員を対象とした研修等を実施することを明記すべき ( 吉川委員 ) トキ保護増殖事業の意義をイントロ等に明記すべき ( 山岸委員 ) 4. その他の事項 4 月 7 日に順化ケージへの侵入が確認されたテンについては 順化ケージが縄張りとなっていると考えられ 味を占めると何度でも同じところに来るため 捕らえることが必要 ( 小宮委員 ) テンの捕獲方法を改善する必要がある 同じ経路で侵入してくるため その経路に罠を設置できればかなりの効果があるのではないか ( 笠井委員 ) 野生復帰ステーションの役割は野生復帰に関することも含まれるはず 83

( 山岸委員 ) 専門家会合等及び人 トキの共生の島づくり協議会のそれぞれの権限 役割 関係性を明確にすべき ( 山岸委員 ) 各会議で決まった方針を現場で実行するための指揮命令系統を明確にすべき できないことは理由とともに各会議にフィードバックすべき ( 山岸委員 ) これまでの会議で天敵対策に関して提言がなされているのに生かせていなかったのは反省すべき ( 山岸委員 ) 官主導型ではない方法で地元の意見を吸い上げて野生復帰を進めてほしい ( 笠井委員 ) トキ保護増殖事業は 誰が責任をもって中心となって行うのかはっきりしていない ( 吉川委員 ) 今回の事故を教訓にしてトキ保護増殖事業が発展することに貢献できればよいのでないか ( 吉川委員 ) 誰が悪いというのではなく 国も県も反省すべきところを反省し改善策に生かしてもらいたい ( 吉川委員 ) 国は長い間実務を新潟県に任せてきた 地元も頑張ってもらって野生のトキに繁殖の兆しが見られるなど良い兆候もあることから 一層関係者がトキ保護増殖事業のために協力する必要がある ( 山岸委員 ) 施設だけではなく 日常の管理運営等全ての場面においてあれもこれも起こるのではないか こんなことは起きるはずがないといった思い込みをなくすことが重要 ( 新海委員 ) リスク管理が大事 リスクに対して直ちに対応することが信用度を低下させずにむしろ高める ( 斉木委員長 ) 国と県の責任体制が明確ではなかったが 反省すべきところは反省し それを明確な形に積み上げるということが肝要 ( 斉木委員長 ) 84

< 第 3 回議事概要 > 1. 施設の整備に関する事項 ( ハード面 ) 周辺にテンが現れるような場所で鳥を飼育しており テンに対する対策を行っている動物園からも話を聞くとよい ( 石井委員 ) ケージから5m 離した外周をアクリル又は強化プラボードで囲いをし ( 尐なくとも高さ2.5m) さらに上部に角度 70 度ぐらいのテンよけを付け 外壁の基礎部分には2~3mm厚さの鉄板を敶く必要があると思う ( 笠井委員 ) 赤外線監視カメラ 感知装置 音声で管理事務所に知らせるような装置等が必要になると思う ( 笠井委員 ) 外敵の侵入対策としては コスト面からも電気柵が有効 ( 小宮委員 ) テンの侵入以外にイタチの侵入や 雪害対策といったことも考えられる中 何をターゲットとするかを整理し その中で予算との兼ね合いも考慮し 有利な方法を選択すべき ( 吉川委員 ) 当事者が望むような施設になっていたのかどうかを検証してもらいたい ( 山岸委員 ) 専門家の意見や様々な情報を得た上で 設計 施工等の複数段階において発注者が要望したとおりの施設になっているかどうかを検証するためのセーフティーネットが必要であるということを追加すべき ( 新海委員 ) これまで確認された痕跡や映像から テンは網目から入ったのではなく隙間から入っているものと思われる ( 小宮委員 ) 2. 施設の管理及び飼育に関する事項 ( ソフト面 ) 尐なくとも佐渡トキ保護センター及び野生復帰ステーションの施設の周辺に現れる天敵は捕獲すべき ( 石井委員 ) 順化ケージの付近にプレハブを設置し 人間が作業をしつつ観察を行い トキが人間の姿を認識するような飼い方にするのがよいのではないか ( 小宮委員 ) 巨額の資金を投じてありとあらゆる対策を施すというのではなく 施設を定期的に検査し 検証を行い 問題となる現象が発生したら瞬時に対処するという考え方が重要 ( 新海委員 ) 3. その他 全体的に語句を統一すること ( 斉木委員長 新海委員 ) 問題点 と 必要な対応 が対応するように記載すること( 斉木委員長 ) テンというのが飼育しているトキにとって脅威であるという認識が全体的に不足していたということを報告書の最初に書くべき これを踏まえて個別の箇所においても表現を検討してほしい ( 石井委員 ) 捕獲されたテンが トキを襲ったテンと同一のものかどうか調査するべき ( 山岸委員 ) 85

DNAだけに頼らず テンのフンをしっかり崩して その中にトキの羽毛が入っていないかとか 残存物を人間の目でしっかりと観察するべき ( 山岸委員 ) 野生復帰の取組について環境省と新潟県で議論が不十分であったため それぞれ認識が異なっていたのではないか ( 山岸委員 ) 本検証委員会の役割は 今回の事故の原因究明と改善策を環境省と新潟県に提言することであるため 個人の責任を追及するものではない 旨を おわりに にも追加する必要がある( 吉川委員 ) 今後のためにも委員の意見だけではなく 現場関係者の意見も十分に聞いておく必要がある ( 吉川委員 ) 4 委員長総括 委員会としては 個人の責任の追及に重点を置くものではなく 環境省及び新潟県が真摯に反省し どのような点をどのように改善すべきであるかという点について提言することが重要である トキ保護増殖事業の事業全体をしっかりマネジメントできる 指揮命令 責任体制というものを作ることが重要である トキ保護増殖事業が国家的な事業であることを踏まえ 環境省が中心となり 新潟県 佐渡市と連携し 当該事業の実施体制を構築することを求めたい 委員会としては 改善策についてはある一定の考え方を示し 具体的な対策内容については 専門家の意見を踏まえて検討することが必要と考える 本委員会が行う提言を受けての改善状況を確認するために 一定期間の後に再度委員会を開催することを提言する 86

< 第 4 回議事概要 > 1. テン捕獲について 野生復帰ステーションだけでなく 佐渡トキ保護センターの周辺でも天敵は捕獲するべき ( 小宮委員 ) 施設の周辺に現れる天敵は捕獲すべきというと その範囲をかなり広く考えることも出来るが 尐なくとも建物の周りという感じで捉えている ( 石井委員 ) 2. 報告書案 (1) 環境省と新潟県の役割分担 必要な対応が 役割分担 指揮命令系統や責任の所在を明確にすること となっているが より具体的に記載をすること ( 斉木委員長 ) 役割分担を決めても抜け落ちる項目が出ることもあり得るので 何か起こったときの体制についても検討したほうがよい ( 新海委員 ) (2) 改善策 検証委員会の意見は提案であり 絶対にこの通り実行しなければならないというものではないので 表現の仕方を工夫すること ( 石井委員 ) 改善策はトップダウンで行うのではなく 環境省や新潟県をはじめ 佐渡市や地元住民とともに取り組んでほしい ( 吉川委員 ) 改善策の全体的事項に 環境省野生生物課や新潟県環境企画課は 日常的に現場関係者からの意見を聞くように努めること といった記載を追加すること ( 吉川委員 ) 3. その他 これまで天敵は大きな問題であると認識されていなかったが 天敵対策はトキ保護増殖事業において必要であるということを再認識し 施設の周辺では捕獲するなどの措置を講じてほしい ( 石井委員 ) 今後はトキ保護増殖事業に佐渡市民の意見を反映する仕組みを作ってほしい ( 笠井委員 ) トキ保護増殖事業は順調に進んでいるようであったが 思わぬところで挫折することとなった 分散飼育実施地等でも今回の件は重く受け止めてほしい 迅速に必要な取り組みを行い 野生復帰の取組を進めてほしい ( 小宮委員 ) トキに過保護になりすぎ人目から遠ざけることをしないでほしい これまで思い込みによって 起こりうる可能性を考えなかったことがあったのではないか 今後は 何段階もの措置を講じるようにして欲しい ( 新海委員 ) 今回の提言を 他の環境政策にも活かしてほしい ( 吉川委員 ) 87

何か事故が起きた際に 迅速に原因を究明し対策を立てれば かえって信用が高まることもある トキ保護増殖事業は国家的な事業であり 国民や県民の支持なくしては成り立たない 今回の提言がトキ保護増殖事業の成功の一助になってほしい ( 斉木委員長 ) 88