アジャイル開発とスクラム 株式会社チェンジビジョン 株式会社永和システムマネジメント 平鍋健児 1 Seeing is understanding.
講演概要 日本でも採用が進んできたアジャイル開発ですが その根底には 80 日本の製造業で われていた暗黙知を匏用した新製品開発手法があります 現厪アジャイル開発において注目されている スクラム という匷 は 野中 卙 らが 1986 に書いた The New New Product Development Game に由来しており そこには 製品への要求を顧客との共体験を通して学び取り それを仕様書ではなく体で開発に運ぶ 思いの伝達者としてのプロダクトオーナーの姿 すなわち 実践知リーダーシップのありかたが生き生きと書かれています この小セッションでは アジャイル開発の概要を解説した後 近刊書籍 アジャイル開発とスクラム の中から 現場マネジメント および 実践知リーダーシップを中心にお話したいと思います p.2
自己紹介 永和システムマネジメント 福井市 ( 本社 ) 上野東京( 支社 ) Ruby と Agileを使ったシステム開発 株式会社チェンジビジョン 福井市 ( 開発部 ) 上野東京 ( 本社 ) astah* ( 旧 :JUDE) の開発 平鍋健児 UML+ マインドマップエディタ astah* の開発 要求開発アライアンス 事 翻訳 XP 関連書籍 リーン開発の本質 IMPACT MAPPING 等多数 著書 アジャイル開発とスクラム 要求開発 ソフトウェア開発に叓 つマインドマップ p.3
アジャイル開発とスクラム 顧客 技術 経営の 3 者をつなぐために アジャイルと日本経営の接合点を探る 海兵隊の組織とアジャイル 知 創造プロセスとアジャイル 実践知リーダーとアジャイル 厨通 リクルートの事 Jeff Sutherland インタビュー 平鍋健児 + 野中郁次郎著 4 Seeing is understanding.
Agenda アジャイルとは アジャイルの現場 Scrum と野中 卙 5 Seeing is understanding.
なぜ アジャイルか? 6 Seeing is understanding.
ミッション リスク分割型ビジネスとウォーターフォール型開発 ( 従来型 ) 市場分析発注 市場 ビジネス IT IT リリース 納品 博 から 3 7 Seeing is understanding.
従来型の勬題 要求の 化 システムの機能の利用度 いつも使う 7% よく使う 13% たまに使う 16% ほとんど使われない 19% 全く使われない 45% Standish group study report in 2000 chaos report 8 Seeing is understanding.
ミッション リスク共有型ビジネスと Agile 型開発 市場 ビジネス市場 IT IT ビジネスと IT が一体になった OneTeam を作り ミッションとリスクを共有する って て ら を作りながら進む 1 週間から博 9 Seeing is understanding.
Lean Startup IDEAS 素早く学習 LEARN AB テスト顧客インタビュー顧客開発なぜなぜ5 回 真因分析顧客アドバイザリボード仮説検証プロダクト オーナーの責任顧客タイプ分析機能横断チーム半自立チームスモークテスト DATA CODE BUILD 素早くコード 単体テストユーザビリティテスト継続的結合漸進開発オープンソース利用クラウドクラスタ免疫システム JIT スケーラビリティリファクタリングデベロパーサンドボックス 10 素早く測定 AB テスト明確なプロダクトオーナ継続的開発ユーザビリティテストリアルタイムモニタ顧客代表 MEASURE 漏斗分析コホート分析ネットプロモータスコア検索エンジンマーケティングリアルタイムアラート予測的モニタリング Seeing is understanding.
アジャイル開発 とは何か? スクラム とは何か? 11 Seeing is understanding.
プロセスとしての Agile 短いサイクルで 分析 勳計 実 テストを に う タイムボックス型 進化型開発 Waterfall Agile 分析 設計 実装 要求 ( スコープ ) 要求 ( スコープ ) 時間 テスト Royce 1970 時間 Beck 2000 12 最後に動くものができる 動くものが徐々にでき が 勱 る Seeing is understanding.
分割の仕方 顧客に分かる務能で卲る で卲らない ビジネスの価値が分かる やりがい コミュニケーション "These days we do not program software module by module; we program software feature by feature. Mary Poppendieck by Akiyah 13 Seeing is understanding.
スクラムのフレームワーク 朝会朝会 製品製品バックログ スプリントバックログ 24 時間 1-4 週 出荷可能ソフトウェア 14 Seeing is understanding.
アジャイルの 価値 原則 実践 価値 value まずはこれを共有すること 原則 principle 考え方としての方針 実践 practices 具体的に現場ごとに作る 15 Seeing is understanding.
アジャイルソフトウェア開発宣言 私たちは ソフトウェア開発の実践あるいは実践を手助けをする活動を通じて よりよい開発方法を見つけだそうとしている この活動を通して 私たちは以下の価値に至った 重要超重要! プロセスやツールよりも個人と対話を 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを 契約交渉よりも顧客との協調を 計画に従うことよりも変化への対応を 価値とする すなわち 左記のことがらに価値があることを認めながらも 私たちは右記のことがらにより価値をおく 16 Kent Beck Mike Beedle Arie van Bennekum Alistair Cockburn Ward Cunningham Martin Fowler James Grenning Jim Highsmith Andrew Hunt Ron Jeffries Jon Kern Brian Marick Robert C. Martin Steve Mellor Ken Schwaber Jeff Sutherland Dave Thomas 2001, 上記の著者たちこの宣言は この注意書きも含めた形で全文を含めることを条件に自由にコピーしてよい Seeing is understanding.
アジャイルの原則 顧客価値の優先 動くソフトウェア 変化に対応 持続可能なペース 短期のリリース 技術的卓越性 全員同席 シンプル モチベーションと信頼 自己組織的チーム 会話 ふりかえりと改善 17 Seeing is understanding.
アジャイルの プラク ィス XP) 計画ゲーム 小規模リリース メタファー シンプルデザイン テスティング リファクタリング ペアプログラミング 共同所有権 継続的インテグレーション 週 40 時間 オンサイト顧客 コーディング標準 18 Seeing is understanding.
アジャイルのレフトウィング ソーシャルプラクティス 協働でゴールに向かう チーム環境 朝会タスクかんばんバーンダウンチャートふりかえり その他 アジャイルのゴール ビジネス価値 顧客満足 市場創造 アジャイルのライトウィング 技術プラクティス 高速に石橋を叩いて渡る 開発環境 継続的インテグレーションテスト駆動開発リファクタリングペアプログラミング その他 19 Seeing is understanding.
タスクかんばん 作業の見える化 ToDo( 未実施 ) Doing( 実施中 ) Done( 完了 ) で管理 各自の作業を指示しなくても 毎朝自発的に作業開始 フォーマットは徐々にカイゼン タスクかんばんの例 ( 協力 : チェンジビジョン astah* チーム ) POINT バーンダウンチャーなどと共に とにかく 壁に貼る 情報発信器 とも呼ばれる 作業の見える化は タスクかんばん で行なう p.20
バーンダウンチャート 進捗の見える化 バーンダウン ( 下向き ) タスクかんばんと連動 中間成果物では計測しない メールでエクセルシートを配布したり サーバに置いたから見てね はナシ POINT バーンダウンチャートの例 ( 協力 : 永和システムマネジメント : チーム角谷 ) 全体進捗は バーンダウンチャート で見える化 繰り返しのリズムづくり p.21
ポータブルかんばん ( 協力 :CCS 佐藤竜一さん ) POINT かんばん -nano スーツにもベストフィット! p.22
p.23 日本からも海外へ発信
Kanban,, Successful Evolutionary Change for Your Technology Business http://www.agilemanagement.net
p.25 http://blog.crisp.se/henrikkniberg/
http://leansoftwareengineering.com/2007/10/27/kanban-bootstrap/ p.26 Corey Ladas
( 協力 : ヤマハモーターソリューション ) p.27
作業の明確化 自発的なサインアップ 昨日やったこと 今日やること 問題点 の 3 点のみ かんばんの前で 行なう 朝の仕事はじめが重要! スタンドアップで 15 分. 定時刻 定位置 短時間 朝会 朝会の例 ( 協力 : チェンジビジョン astah* チーム ) POINT PF 実践編 : 朝会ガイド http://www.objectclub.jp/community/pf/ 毎朝 かんばん の前で全員で短い会議を行ない リズムをとる p.28
カイゼンの気づき Keep( 良い点 ) Problem( 悪い点 ) Try( 次回挑戦 ) を出す ふりかえり (1) 全員で意見を出し 暗黙知の共同化と形式知化を行なう 名前付け 課題 - 解決リスト とは違う とにかく カジュアルな雰囲気で全員発言することで チームの安全性を確保する 問題 vs 私たち の構図になるように ふりかえりシートの例 実践編 : ふりかえりガイド http://www.objectclub.jp/community/pf/ POINT p.29 カイゼンの 気づき を ふりかえり で得る
ふりかえり (2) Keep/Problem/Try(KPT) Keep は定着する Problem は Try を生み出す Try は Keep か Problem に移動する 定着したものには 名前づけ を やってみて うまく行った Keep うまく行かない 定着 Problem Try 解決法 新しい問題! 新しいアイディア! ふりかえりがカイゼンを導く POINT p.30 イテレーション毎に ふりかえり を繰り返すことでプロセスが改善される
astah* 開発チーム例 p.31
Scrum と野中 卙 32 Seeing is understanding.
最初のスクラムの本 Agile Software Development with Scrum (by Ken Schwaber, Mike Beedle) の最初の一 は卙の匂用で卿まっている 日では新製品開発の動きが速く 厾の高い匒化では 速 と柔軟性がとても重要である 企業は 新製品開発に直線的な開発手法は古く この方法では簡単に仕事を成し遂げることができないことを に卉 し卿めている 日本やアメリ の企業では ラグビーにおいて チーム内でボールがパスされながらフィールド上を一 となって 動するかのように 全体厱的な方法を用いている -- The New New Product Development Game
Agile and Lean Toyota Production System The New New Product Development Game Manufacturing Industry in Japan Scrum Lean Software Development Patterns XP Agile Lean Kanban 2013 Yasunobu Kawaguchi Lean Startup Startup Four steps to the epiphany
Innovation Sprint 2011 me Jeff Sutherland Ikujiro Nonaka http://www.publickey1.jp/blog/11/10_innovation_sprint_2011.html
Nonaka s Text Agile/Scrum (Software) The New New Product Development Game 1986 Scrum The Knowledge Creating Company (HBR) 1991 SECI-model Fractal Organization アメリカ海兵隊 (U.S. Marine) 1995 1993 Org. Patterns(by Jim Coplien) (at PLoP) 1994/1 First Sprint of Scrum by Jeff Sutherland 1994/2 Second Sprint of Scrum (with Cope s Ideas) Scrum Master Daily Scrum 2001 Agile Software Development with Scrum (by Ken Schwaber, Mike Beedle) 2001 The Agile Manifesto Phronetic Leadership Managing Flow 2008 Wise Leadership (HBR) 2010 2012 Software in 30 days 2013 アジャイル開発とスクラム - 顧客 技術 経営をつなぐ協調的ソフトウェエア開発 Collaborative Software Development That Connects Customers, Engineers, and Management
野中 卙 The New New Product Development Game(HBR) 1 Scrum リレーからラグビーへ U.S. Marine 4 2 The Knowledge Creating Company SECI モデル 暗黙知と形式知のスパイラルな変換活動が 知識創造過程である フラクタル組織 どの階層においても 自己相似形 3 Managing Flow, The Wise Leadership(HBR) 実践知フロネシス 形式知と暗黙知を繋ぐ 実践知
SECI モデル 41 Seeing is understanding.
知識創造は暗黙知と形式知の相互変換運動である 暗黙知 暗黙知 (Tacit Knowledge) 言語 文章で表現するのが難しい主観的 身体的な経験知特定の文脈ごとの経験の反覆によって体化される思考スキル ( 思い メンタル モデル ) や行動スキル ( 熟練 ノウハウ ) 形式知 形式知 (Explicit Knowledge) 言語 文章で表現できる客観的 理性的な言語知特定の文脈に依存しない一般的な概念や論理 ( 理論 問題解決手法 マニュアル データベース ) 相互作用のスパイラルアップ アナログ知 - デジタル知の動的綜合 Nonaka I.
暗黙知 http://www.flickr.com/photos/visitabudhabi/6708954439/ 言語 文章で表現するのが難しい 主観的 身体的な経験知 特定の文脈ごとの経験の反覆によって体化される思考スキル ( 思い メンタル モデル ) や 動スキル ( 熟練 ノウハウ )
形式知 言語 文章で表現できる 客観的 性的な言語知 特定の文脈に依存しない一般的な概 や厱 ( 厱 勬題解決手法 マニュアル データベース ) http://www.flickr.com/photos/stuartpilbrow/4264302708/
組織的知識創造の行為 - SECI モデル どう知るか - 暗黙知 暗黙知 共同化 (S) 表出化 (E) 暗黙知暗黙知 Environment I Individual 内面化 (I) O G I E 連結化 (C) E I I G O G Org. I I Group I G I 形式知形式知 E G 形式知 Nonaka I. & H. Takeuchi 形式知
組織的知識創造の行為 - SECI モデル どう知るか - 身体 五感を駆使 直接経験を通じた暗黙知の獲得 共有 創出 ( 共感 ) 1. 組織内外の活動による現実直感 2. 感情移入 気づき 予知の獲得 3. 暗黙知の伝授 移転形式知を行動を通じて具現化 新たな暗黙知として理解 学習 ( 実践 ) 9. 反省的実践を通じた形式知の体化 10. 目標 - 成果の持続的追求 自己超越 暗黙知暗黙知 暗黙知暗黙知 共同化 (S) 表出化 (E) Environment E O I I I I Individual Group I I I 内面化 (I) 連結化 (C) O E G G I GOrg. G E G 形式知形式知 Nonaka I. & H. Takeuchi 形式知形式知 対話 思索 比喩による概念 図像 仮説の創造 ( 概念化 ) 4. 自己の暗黙知の言語化 5. 言語から概念 仮説 原型の創造 形式知の組み合わせによる情報活用と知識の体系化 ( 分析 ) 6. 概念間の関係生成とモデル化 7. 形式知の伝達 普及 共有 8. 形式知の編集 操作化 IT 化 I = 個人 G = 集団 O = 組織 E = 環境
Design Thinking との関係 47 Seeing is understanding.
Design Thinking 48 Design thinking is a human-centered approach to innovation that draws from the designer's toolkit to integrate the needs of people, the possibilities of technology, and the requirements for business success. Tim Brown, president and CEO Seeing is understanding.
IDEO Method Cards 49 Seeing is understanding.
iphone アプリもあります
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知 創造マシンとしてのスクラム 創造された つの知 T T T S E E 要求とユーザに関する知 ソフトウェアの单り方に関する知 T I C E E E 成 するソフトウェア製品 成 するスクラムチーム
対象に棲み込む -Indwelling- あらゆる状況の手がかりを統合して対象に住み込み ライダーの視点 ( 内側 ) から切開していく暗黙的な知り方 提供 : 本田技研工業 マシンを見ていると いろんなことがわかります あのカーブを切るには ああやれば こうすればと そして次の製作過程へ自然に入っているんです
その場で概念 ( コンセプト ) を紡ぎ合う 言葉と動作 言語化によって初めて自己の考えが明確になる 床の上の設計図 提供 : 本田技研工業
プロダクトオーナの仕事 企画をした人が最後まで 体で 思い を伝えよ
野中 卙 The New New Product Development Game(HBR) 1 Scrum リレーからラグビーへ U.S. Marine 4 2 The Knowledge Creating Company SECI モデル 暗黙知と形式知のスパイラルな変換活動が 知識創造過程である フラクタル組織 どの階層においても 自己相似形 3 Managing Flow, The Wise Leadership(HBR) 実践知フロネシス 形式知と暗黙知を繋ぐ 実践知
副題 顧客 技術 経営をつなぐ とは? 出所 :Page, T. & J. Pimlott, eds., NAM(1988) P.10 58
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