[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

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月例経済報告

月例経済報告

週刊経済指標 xlsx

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平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 金 25, 2, 15, 12, 営業利益率 経常利益率 額 15, 9, 当期純利益率 6. 1, 6, 4. 5, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 8 社 214 年度 215 年度前年度差 ( 単位 : 億円 ) 前年

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

不動産流通動向月次概況

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経済・物価情勢の展望(2016年10月)

富山県金融経済クォータリー(2018年秋)

1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ).

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

北陸 短観(2019年6月調査)

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長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

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経済・物価情勢の展望(2017年7月)

金融政策決定会合における主な意見

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中小企業の動向

富山県金融経済クォータリー(2018年夏)

平成10年7月8日

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October vol

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

資料1

第2章_プラントコストインデックス

( 平成 31 年 1 月判断 ) 平成 31 年 1 月 財務省北陸財務局 富山財務事務所 富山市丸の内 1 丁目 5 番 13 号 ( 富山丸の内合同庁舎 5 階 ) TEL(076) ( 財務課直通 )

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関西経済レポート (2019 年 9 月 ) 令和元年 (2019 年 )9 月 30 日 ~ 輸出減少が継続 インバウンド消費はプラスの伸びを維持 ~ 足元の経済情勢と当面の見通し 関西経済は輸出 生産が斑模様であるが 内需が下支えとなり底堅く推移している 企業部門では 輸出は中国経済の減速等によ

1. 総論 総括判断 都内経済は 回復している 項目前回 ( 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断回復している 回復している ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 1 月判断以降 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している ( 判断の要点 ) 個人消費

経済指標カレンダー 8 月 5, 月 10,2018 AUD 1.50% NZD 1.75% EUR 0.00% CAD 1.50% GBP 0.75% USD 2.00% CHF -0.75% JPY -0.10

平成22年7月30日

○ユーロ

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

第 70 回経営 経済動向調査 公益社団法人関西経済連合会 大阪商工会議所 < 目次 > 1. 国内景気 2 2. 自社業況総合判断 3 3. 自社業況個別判断 4 4. 現在の製 商品およびサービスの販売価格について 8 参考 (BSI 値の推移 ) 11 参考 ( 国内景気判断と自社業況判断の推

関西の景気動向 2013 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース )

NZD NZDANZActivityOutlook 01:00 21: NZD ニュージーランド NBNZビジネス信頼感指数 01:00 21: AUD オーストラリア HIA 新規住宅販売件数 (MoM) 01:00 21:00 0.6% AUD オーストラリア民間事業

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

不動産経済 表紙OL

平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

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各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

【No

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関西の景気動向 2013 年 5 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直している 輸出は 円安が進み 米国経済も回復基調をたどるなど 環境が

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

現代資本主義論

「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入

当面の金融政策運営について(「量的・質的金融緩和」を補完するための諸措置の導入、12時50分公表)

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

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平成22年7月30日

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

Invesco Premia Plus Fund

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 平成 27 年 1 月 15 日 < 管内の経済動向 > ~26 年 11 月の経済指標を中心として ~ 全体の動向 : 緩やかな持ち直し傾向にあるものの 一部に弱い動きがみられる 鉱工業生産 : 生産は一進一退で推移している 個人消費 : 持ち直し傾向にある

経済学でわかる金融・証券市場の話③

2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

平成 31 年 1 月 17 日東北経済産業局 管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 ( 平成 30 年 11 月分 ) ~ 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに持ち直している ~ 鉱工業生産 : 個人消費 : 住宅着工 : 公共投資 : 設備投資 : 持ち直しの動きとなっている足踏み状態とな

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

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目 次 第 1 章 中国経済の減速と世界経済 第 1 節 中国経済の減速と世界経済 1 下方修正の続く世界経済 2 意識される中国リスク 3 中国経済下振れの影響 第 2 節 安定成長を模索する中国経済 1 過剰投資 過剰生産 過剰信用の解消 2 中所得国の罠の回避 3 人口減少 高齢化 環境要因

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経済指標カレンダー 5 月 7, 月 13,2017 AUD 1.50% NZD 1.75% EUR 0.00% CAD 0.50% GBP 0.25% USD 0.75% CHF -0.75% JPY -0.10

平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

生活衛生関係営業の景気動向等調査 平成17年7~9月期

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2017年夏のボーナス見通し

Economic Indicators   定例経済指標レポート

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経済見通し

1. 総論 総括判断 県内経済は 緩やかに回復しつつある 項目前回 (3 年 4 月判断 ) 今回 (3 年 7 月判断 ) 前回比較 総括判断緩やかに回復しつつある 緩やかに回復しつつある ( 注 )3 年 7 月判断は 前回 4 月判断以降 足下 (7 月末 ) の状況までを含めた期間で判断して

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不動産経済 表紙OL

2018年夏のボーナス見通し

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1. 自社の業況判断 DI 6 四半期ぶりに大幅下落 1 全体の動向 ( 図 1-1) 現在 (14 年 4-6 月期 ) の業況判断 DI( かなり良い やや良い と回答した企業の割合から かなり悪い やや悪い と回答した企業の割合を引いた値 ) は前回 ( 月期 ) の +19 から 28 ポイ

我が国中小企業の課題と対応策

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

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わが国の経済・物価情勢と金融政策

( 公社 ) 近畿圏不動産流通機構市況レポート市況トレンド /1 年 7~9 月期の近畿圏市場 1. 中古マンション市場の動き 成約価格は前年比で 3 期連続上昇 1 年 7~9 月期の近畿レインズへの成約報告件数は,9 件と 前年同期比で 1.% 増加した (P1 図表 1) 新規登録件数は 15

(2) 住宅投資 住宅投資は 横ばい圏内で推移している 新設住宅着工戸数の内訳をみると 持家は 増加に転じてきている 貸家 や分譲は 水準を切り下げている (3) 設備投資設備投資は 受注や収益の好調を背景に水準を切り上げている 建設投資の先行指標である建築着工床面積 ( 非居住用 ) は 振れがあ

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建設経済モデルによる建設投資の見通し

平成23年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

グラフで見る関西経済

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PowerPoint プレゼンテーション

建設経済モデルによる建設投資の見通し

経済金融・情勢資料  15年7月 

Transcription:

( 平成 21 年 4 月 ) - 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある - 先行きについては 当面 悪化が続くとみられるものの 在庫調整が進展するにつれ 悪化のテンポが緩やかになっていくことが期待される ただし 生産活動が極めて低い水準にあることなどから 雇用の大幅な調整が引き続き懸念される 加えて 世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念など 景気をさらに下押しするリスクが存在することに留意する必要がある 平成 21 年 4 月 17 日 内閣府

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出は 大幅に減少している 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 政策態度 先行きについては 当面 悪化が続くとみられ 急速な減産の動きなどが雇用の大幅な調整につながることが懸念される 加えて 世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念 株式市場の変動の影響など 景気をさらに下押しするリスクが存在することに留意する必要がある 政府は 当面は 景気対策 中期的には 財政再建 中長期的には 改革による経済成長 という 3 段階で 経済財政政策を進める 当面 景気対策を最優先で進めるため 総額 75 兆円程度の経済対策を着実に実施する このため 平成 21 年度予算及び関連法案の早期成立に努める 日本銀行が 内外の厳しい経済金融情勢の下 政府とマクロ経済運営に関する基本的視点を共有し 適切かつ機動的な金融政策により経済を下支えすることを期待する 日本銀行は 2 月 19 日 社債買入れを含む企業金融支援策の拡充及び金融市場安定化のための時限措置の延長等を決定した 先行きについては 当面 悪化が続くとみられるものの 在庫調整が進展するにつれ 悪化のテンポが緩やかになっていくことが期待される ただし 生産活動が極めて低い水準にあることなどから 雇用の大幅な調整が引き続き懸念される 加えて 世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念など 景気をさらに下押しするリスクが存在することに留意する必要がある 政府は 当面は 景気対策 中期的には 財政再建 中長期的には 改革による経済成長 という3 段階で 経済財政政策を進める 当面 景気対策を最優先で進めるため 総額 75 兆円程度の経済対策を着実に実施する 加えて 1 景気の底割れを絶対に防ぐ 2 雇用を確保し 国民の痛みを軽減する 3 未来の成長力強化につなげることを目的として 4 月 10 日 国費 15.4 兆円程度 事業費 56.8 兆円程度の 経済危機対策 を取りまとめた これらの対策により 景気を下支えする効果が期待される 日本銀行が 内外の厳しい経済金融情勢の下 政府とマクロ経済運営に関する基本的視点を共有し 適切かつ機動的な金融政策により経済を下支えすることを期待する 日本銀行は 3 月 18 日 長期国債の買入れの増額を決定した 3 月月例 4 月月例 公共投資 総じて低調に推移している 総じて低調に推移しているが このところ平成 20 年度補正予算等の効果がみられる 輸出 極めて大幅に減少している 大幅に減少している 貿易 サービ 増加している 減少している ス収支の赤字 業況判断 大幅に悪化している 極めて大幅に悪化している 国内企業物価下落している 消費者物価 石油製品価格が下落しているが それを 除いた基調としては横ばいとなってい る ( 注 ) 下線部は 先月から変更した部分 緩やかに下落している 横ばいとなっている

月例経済報告 平成 21 年 4 月 総 論 ( 我が国経済の基調判断 ) 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出は 大幅に減少している 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 先行きについては 当面 悪化が続くとみられるものの 在庫調整が進展するにつれ 悪化のテンポが緩やかになっていくことが期待される ただし 生産活動が極めて低い水準にあることなどから 雇用の大幅な調整が引き続き懸念される 加えて 世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念など 景気をさらに下押しするリスクが存在することに留意する必要がある ( 政策の基本的態度 ) 政府は 当面は 景気対策 中期的には 財政再建 中長期的には 改革による経済成長 という3 段階で 経済財政政策を進める 当面 景気対策を最優先で進めるため 総額 75 兆円程度の経済対策を着実に実施する 加えて 1 景気の底割れを絶対に防ぐ 2 雇用を確保し 国民の痛みを軽減する 3 未来の成長力強化につなげることを目的として 4 月 10 日 国費 15.4 兆円程度 事業費 56.8 兆円程度の 経済危機対策 を取りまとめた これらの対策により 景気を下支えする効果が期待される 日本銀行が 内外の厳しい経済金融情勢の下 政府とマクロ経済運営に関する基本的視点を共有し 適切かつ機動的な金融政策により経済を下支えすることを期待する 日本銀行は 3 月 18 日 長期国債の買入れの増額を決定した - 1 -

各論 1. 消費 投資などの需要動向 個人消費は 緩やかに減少している 個人消費は 緩やかに減少している 消費者マインドは悪化傾向に歯止めがかかりつつあるが 所得は弱い動きとなっている 需要側統計 ( 家計調査 等) と供給側統計 ( 鉱工業出荷指数等 ) を合成した消費総合指数は 2 月は前月に比べ減少した 個別の指標について 2 月の動きをみると 家計調査 では 実質消費支出は前月から増加した 販売側の統計をみると 小売業販売額は前月に比べて減少した 新車販売台数は 2 月に減少した後 3 月も減少した 旅行は 国内 海外ともに前年を下回った 外食は 前年を下回った 先行きについては 雇用情勢が急速に悪化しつつあり 所得が弱い動きとなっていることなどから 当面 弱い動きが続くと見込まれる 設備投資は 減少している 設備投資は 減少している これを需要側統計である 法人企業統計季報 でみると 2008 年 7-9 月期及び10-12 月期は減少している 機械設備投資の供給側統計である資本財出荷は 大幅に減少している ソフトウェア投資は おおむね横ばいとなっている 日銀短観 によれば 2009 年度設備投資計画は大企業製造業 大企業非製造業でともに2 年連続の減少が見込まれている また 設備投資の動きに先行性がみられる設備過剰感は 大幅に高まっている 先行指標をみると 機械受注は 減少している 建築工事費予定額は おおむね横ばいとなっている 先行きについては 企業収益が極めて大幅に減少し 世界景気の一層の下振れ懸念など先行き不透明感が高いなかで 企業の設備投資計画においても大幅な減少が見込まれており 一層の減少が懸念される 住宅建設は 減少している 住宅建設は 減少している 持家 貸家および分譲住宅の着工は減少している 総戸数は 2 月は前月比 9.5% 減の年率 86.6 万戸と - 2 -

なった 総床面積も おおむね総戸数と同様の動きをしている 先行きについては 雇用情勢が急速に悪化しつつあり 所得が弱い動きとなっていること マンション販売在庫数が高い水準にあることなどから 当面 減少傾向が続くと見込まれる 公共投資は 総じて低調に推移しているが このところ平成 20 年度補正予算等の効果がみられる 公共投資は 総じて低調に推移しているが このところ平成 20 年度補正予算等の効果がみられる 公共投資の関連予算をみると 2009 年 1 月 27 日に成立した国の平成 20 年度第二次補正予算において 約 0.3 兆円の防災強化対策費等の予算措置を講じることとしたため 補正後の公共投資関係費は前年度を上回った 平成 21 年度一般会計予算では 公共事業関係費について前年度比 5.0% 増 ( 特殊要因を除けば 5.2% 減 ) とし 国民生活の安全 安心の確保 地域の自立 活性化 成長力強化等の課題に重点化している また 平成 21 年度地方財政計画では 投資的経費のうち地方単独事業費について 中期的に計画的な抑制を図る中で前年度比 3.0% 減としつつ 重点的な配分を行うとしている 2009 年 1-3 月期の公共工事請負金額は前年を上回った 先行きについては 関連予算の執行状況を注視していく必要がある 輸出は 大幅に減少している 輸入は 減少している 貿易 サービス収支の赤字は 減少している 輸出は 大幅に減少している 地域別にみると アジア向け アメリカ向け EU 向けの輸出は ともに大幅に減少している 先行きについては 世界の景気が後退するなかで 当面 減少傾向が続くと見込まれるものの 世界的な在庫調整の進展につれ 輸出の減少テンポは緩やかになっていくとみられる 輸入は 減少している 地域別にみると アジア アメリカ E Uからの輸入は ともに減少している 国際収支をみると 輸出金額 輸入金額がともに減少しているが 貿易収支の赤字幅は減少している また サービス収支の赤字幅は横ばいとなっている そのため 貿易 サービス収支の赤字は減少している - 3 -

2. 企業活動と雇用情勢 生産は 極めて大幅に減少している 鉱工業生産は 設備投資の減少や輸出の大幅な減少などから 極めて大幅に減少している 先行きについては 需要が減少し 在庫率も著しく高まっているものの 在庫調整の進展につれ 生産の減少テンポは緩やかになるものと見込まれる なお 製造工業生産予測調査においては 3 月 4 月ともに増加が見込まれている また 第 3 次産業活動は 減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している また 企業の業況判断は 極めて大幅に悪化している 倒産件数は 増加している 企業収益の動向を 法人企業統計季報 でみると 2008 年 10-12 月期の経常利益 ( 金融持株会社を除く ) は 売上高が減収となったこと等により前年同期比 64.6% 減となり 6 四半期連続の減益となった 業種別にみると 製造業が 94.3% の減益 非製造業が36.1% の減益となっている 日銀短観 によると 2009 年度の売上高は 2 年連続の減収 経常利益は3 年連続の減益を見込んでいる 企業の業況判断について 日銀短観 をみると 極めて大幅に悪化している 大企業製造業の業況判断は6 四半期連続の悪化 大企業非製造業の業況判断は7 四半期連続の悪化となった 中小企業製造業の業況判断は5 四半期連続の悪化 中小企業非製造業の業況判断は8 四半期連続の悪化となった また 企業倒産は 増加している 倒産件数は 2 月 1,318 件の後 3 月は1,537 件となった 負債総額は 2 月 1 兆 2,291 億円の後 3 月は1 兆 782 億円となった 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 完全失業率は上昇傾向で推移しており 2 月は前月比 0.3% ポイント上昇し 4.4% となった 完全失業者数は増加し 就業者数は減少した 15~24 歳層の完全失業率は上昇している 新規求人数は大幅に減少している 有効求人倍率は大幅に低下している 雇用者数はこのところ弱含みで推移している 製造業の残業時間は大幅に減少している 企業の雇用人員判断は 3 月は製造業を中心に大幅に過剰感が高まっている - 4 -

賃金の動きをみると 定期給与 現金給与総額は減少している 3. 物価と金融情勢 国内企業物価は 緩やかに下落している 消費者物価は 横ばいとなっている 国内企業物価は 緩やかに下落している 3 月の国内企業物価は 前月比で 0.2% 下落した 輸入物価は 契約通貨ベースで下落しているものの 為替の影響により円ベースでは上昇している 企業向けサービス価格の基調を 海外要因を除くベース でみると 緩やかに下落している 消費者物価の基調を 生鮮食品 石油製品及びその他特殊要因を除く総合 ( いわゆる コアコア ) でみると 横ばいとなっている 2 月は 季節調整済前月比で 0.0% となった 生鮮食品を除く総合 ( いわゆる コア ) は 横ばいとなっている 2 月は 季節調整済前月比で 0.2% 上昇した 先行きについては 消費者物価 ( コアコア ) は 当面 横ばい圏内で推移すると見込まれる ただし 個人消費が緩やかに減少していることなど 物価の下押し圧力が存在することに留意する必要がある 株価 ( 日経平均株価 ) は 7,900 円台から 8,900 円台まで上昇した後 8,700 円台で推移している 対米ドル円レートは 98 円台から 95 円台まで円高方向で推移した後 100 円台まで円安方向で推移し その後 98 円台で推移している 株価は アメリカ株価の動向等を背景に 7,900 円台から 8,900 円台まで上昇した後 8,700 円台で推移している 対米ドル円レートは 98 円台から 95 円台まで円高方向で推移した後 100 円台まで円安方向で推移し その後 98 円台で推移している 短期金利についてみると 無担保コールレート ( オーバーナイト物 ) は 0.1% 付近で推移している ユーロ円金利 (3ヶ月物) は 0.6% 台前半まで低下している 長期金利は アメリカの長期金利の動向等を背景に 1.3% 付近から 1.2% 台半ばまで低下した後 1.4% 台後半まで上昇し その後 1.4% 台前半で推移している 企業金融については 企業の資金繰り状況は悪化しており 民間債と国債との流通利回りスプレッドは総じて横ばいとなっている マネタリーベースは 前年比 6.9% の伸びとなっている M2は 前年比 2.2% の伸びとなっている - 5 -

4. 海外経済 世界の景気は後退しており 急速に深刻化している 先行きについては 金融危機と実体経済悪化の悪循環がさらに強まり 一段と下振れするリスクがある アメリカでは 景気は後退しており 金融危機と実体経済悪化の悪循環により 急速に深刻化している 先行きについては 悪循環がさらに強まり 景気後退が一層厳しく 長期化するリスクが高い 2008 年 10-12 月期では 内需が大幅に減少したことから GD P 成長率は前期比年率 6.3% 減となった 消費は減少している 設備投資は大幅に減少している 住宅建設は大幅に減少している 生産は大幅に減少している 雇用面では 雇用者数は大幅に減少しており 失業率は急速に上昇している 物価面では コア物価上昇率は低下している 3 月 17 18 日に開催されたFOMCでは 政策金利は0% から 0.25% の範囲で据え置きとされた また 民間信用市場の改善を支援するため 長期国債を今後 6ヶ月で最大 3,000 億ドル購入する措置が決定されるとともに 住宅ローン貸出と住宅市場に対する支援として 政府機関発行の住宅ローン担保証券を最大 7,500 億ドル追加購入すること 年内の政府機関債の購入を最大 2,000 億ドル上乗せし 4,000 億ドルとすることが決定された アジアでは 景気は一段と減速しており 一部の国では深刻化している 中国では 景気は一段と減速しているが 景気刺激策の効果が一部にみられる マレーシアでは 生産や輸出の大幅な減少により 景気は急速に弱まっている タイでは 景気は後退している 韓国 台湾 シンガポールでは 景気は後退しており 深刻化している ヨーロッパでは 景気は後退しており 金融危機と実体経済悪化の悪循環により 急速に深刻化している 先行きについては 悪循環がさらに強まり 一層厳しさが増すリスクがある ドイツ フランス等ユーロ圏では 輸出 投資 生産が大幅に減少するなど企業部門を中心に景気は後退しており 急速に深刻化している 英国では 消費 投資が減少するなど内需を中心に景気は後退し - 6 -

ており 急速に深刻化している 失業率は ユーロ圏ではスペインを中心に上昇しており 英国でも上昇している 消費者物価上昇率は ユーロ圏及び英国で低下している 中 東欧等の新興国の景気悪化により 欧州の金融機関の貸出の不良債権化が進み 金融危機が深刻化するリスクがある 欧州中央銀行は4 月 2 日の理事会で 政策金利を0.25% ポイント引き下げ 1.25% とすることを決定した 国際金融情勢等金融情勢をみると 世界の主要な株価は 上昇した 主要国の長期金利は アメリカとドイツでは 3 月中旬にかけて低下した後持ち直し 英国では上昇した ドルは 円以外の主要通貨に対して減価した 短期金利についてみると ユーロドル金利 (3ヶ月物 ) がやや低下した 原油価格はやや上昇し 50 ドル前後で推移している - 7 -