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教育支援資料 ~ 障害のある子供の就学手続と早期からの一貫した支援の充実 ~ 平成 25 年 10 月 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課

Ⅱ インクルーシブ教育システムをめぐる国の動向と本研究の位置づけ 1. インクルーシブ教育システム構築に向けての国の動き (1) 障害者の権利に関する条約の批准までの経緯平成 18 年 12 月に国連総会において採択された 障害者の権利に関する条約 について 我が国は平成 19 年 9 月に署名し

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スライド 1

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

【資料2】緊急提言(委員意見反映)

2 平成 27 年度に終了した研究課題について 研究成果報告書サマリー集や研究成果 ( 別紙 1 参照 ) の内容は 例えば下記のような場面で用いられ 貴機関や学校等での課題の改善に活用できましたか? 活用の場面研修会やセミナー所管する学校 教職員への情報提供関係機関 ( 医療 保健 福祉 教育 労

「標準的な研修プログラム《

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

教科書の電子化について 平成 23 年 2 月 24 日

沿革 平成 13 年度 附属学校検討委員会 の設置平成 14 年度 特別支援教育研究センター( 仮称 ) 設置準備委員会 平成 16 年度 特別支援教育研究センター(Special Support Education Research Center) の開設 開所式平成 17 年度現職教員研修事業を

はじめに 我が国においては 障害者の権利に関する条約 を踏まえ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い 人々の多様な在り方を相互に認め合える 共生社会 を目指し 障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みである インクルーシブ教育システム の理念のもと 特別支援教育を推進していく必要があります

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必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )

平成27年度事業計画書

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

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基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

平成18年度標準調査票

国立女性教育会館の機能と取り組み

「諸外国の大学教授職の資格制度に関する実態調査」1

TSRマネジメントレポート2014表紙

2016年度 事業計画書(第一次補正)

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

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京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

ICT による新しい学び 急速な情報通信技術 (ICT) の進展やグローバル化など 変化の激しい社会を生きる子供たちに 確かな学力 豊かな心 健やかな体の調和のとれた 生きる力 を育成することがますます重要になってきています 2

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

Q1 診断書等がない子どもへの合理的配慮はどう考えたらよいのか A1 診断書や障がい者手帳等の有無が 合理的配慮の提供に関する判断の基準ではありません 教育支援資料 ( 文部科学省平成 25 年 10 月 ) において 各障がいは以下のように定義されています ( 参考 ) 教育支援資料における各障が

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

平成30年度学校組織マネジメント指導者養成研修 実施要項

1. 実現を目指すサービスのイメージ 高齢者や障害者 ベビーカー利用者など 誰もがストレス無く自由に活動できるユニバーサル社会の構築のため あらゆる人々が自由にかつ自立的に移動できる環境の整備が必要 ICT を活用した歩行者移動支援サービスでは 個人の身体状況やニーズに応じて移動を支援する様々な情報

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

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資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

6 児童福祉法の改正 24 年 4 月には 障害者自立支援法と児童福祉法に分かれていた障がい児 の支援体制を一元化する改正がなされ 市町村が支給決定する障がい児通所支援 と都道府県が支給決定する障がい児入所支援が創設されました 7 障害者虐待防止法の施行 24 年 10 月には 障害者虐待の防止 養

校外教育施設について

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

PowerPoint プレゼンテーション

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を


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Microsoft PowerPoint - 04-検討プロセス及び検討体制

英語教育改善プラン

インターネット白書2002

06-2 平成28年度概算要求の説明2

参考資料 障害者の生涯を通じた多様な学習活動の充実について(1/2)

(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

17 石川県 事業計画書

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

北見市特別支援教育の指針 平成 25 年 11 月

資料5 親の会が主体となって構築した発達障害児のための教材・教具データベース

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

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第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

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中央教育審議会初等中等教育分科会

学校評価保護者アンケート集計結果 2 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収集を適切に行っている 十分 おおむね十分 やや十分 不十分 分からない 不明

第 1 部 施策編 4

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値


な取組 日本や東京の文化 歴史を学び 日本人としての自覚と誇りを涵養主な取組 東京都国際交流委員会 * を再構築し 外国人への生活サポートを推進主な取 様々な広報媒体の活用などによる障害者への理解促進主2020 年に向けた取組の方向性 1 オリンピック パラリンピック教育を推進するとともに 多様性を

選択評価事項C 水準判定のガイドライン(案)

【資料2】社会教育主事講習の見直しについて【派遣社会教育主事制度とその現状】

第 2 部 東京都発達障害教育推進計画の 具体的な展開 第 1 章小 中学校における取組 第 2 章高等学校における取組 第 3 章教員の専門性向上 第 4 章総合支援体制の充実 13

工業教育資料347号

文化審議会国語分科会日本語教育小委員会 1 平成 19 年 7 月 定住外国人の増加を受け, 文化審議会国語分科会に日本語教育小委員会を設置 平成 20 年 1 月 報告書 今後検討すべき日本語教育の課題 地域社会の一員として外国人が社会参加するのに必要な日本語学習の支援で, 以下の 3 点について

[ 表 1 教員の ICT 活用指導力 調査の 回答率 及び 回答率 の増減 ] し指導できる C 活用を指導できる DA モラルを指導教材研究に活用 B 活用し指導できる E 校務に活用 C 活用を指導できる (%) H24 増減 H23 H24 増減 H23 H23H24 H24 増減 H23

< 基本方針 > 一般社団法人移住 交流推進機構 ( 以下 JOIN という ) は 地方に新しい生活や人生の可能性を求めて移住 交流を希望する方々への情報発信や そのニーズに応じた地域サービスを提供するシステムを普及することにより 都市から地方への移住 交流を推進し 人口減少社会における地方の振興

平成23年9月29日WG後修正

5. 資料 ( 答申 ) の入手方法 (1) 札幌市中学校英語教育研究会ホームページに掲載 (2) 会員に簡易メールに添付して配布 平成 23 年 11 月 28 日 ( 月 ) 全会員に送信 6. スケジュール 平成 23

1) すべての子供達に 心のバリアフリー の指導を 2020 年以降順次実施される学習指導要領改訂において 道徳や体育 図工 美術 音楽などにおける障害者理解を図る 心のバリアフリー の指導や教科書等の充実 [ 文部科学省 ] ( 調整中 ) これらの指導がクロスカリキュラム中で自分事として受け止め

独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 National Institute of Special Needs Education 資料 3-4 特別支援教育における ICT 活用についての情報提供ー現状及び NISE の活動を踏まえてー 平成 30 年 1 月 11 日 ( 木 ) 於 : 第 3

表紙.tp3


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2 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収集を適切に行っている 十分 おおむね十分 やや十分 不十分 分からない 不明 計 学校は 防災や防犯についての体制作りや情報収

渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

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高齢者福祉施設でのみんなの体操等実演会 講師派遣実施要領 1 目的社会福祉法人等が運営する高齢者福祉施設に入所されているみなさんや当該施設でケアにあたる皆さんの健康の維持 向上のために みんなの体操等を活用して健康の保持増進等のため みんなの体操等実演会を実施するもの 2 スキーム施設に入所されてい

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

教職研究 第 8 号, インクルーシブ教育 は 障害児のための教育か? 特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告から学校の役割と合理的配慮を確認する 庄司和史 ( 信州大学学術研究院総合人間科学系教授 ) 1. はじめに 平成 24 年 (2012 年 )7 月 中央教育審

公共工事等における新技術活用システムについて 別添 公共工事等に関する優れた技術は 公共工事等の品質の確保に貢献し 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現及びその安全の確保 環境の保全 良好な環境の創出 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであり 優れた技術を持続的に創出して

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国際研究斑 ( 理科担当 ) ( ) 内は担当国 磯崎哲夫広島大学教授 ( 総括 イギリス フランス ) 野添生宮崎大学准教授 ( イギリス ) 平野俊英愛知教育大学教授 ( アメリカ合衆国 ) 高橋一将北海道教育大学講師 ( アメリカ合衆国 ) 寺田光宏岐阜聖徳学園大学教授 ( ドイツ ) 遠藤優

日程及び会場 <1 日目 > 2 月 17 日 ( 金 )12:45-13:30 開会式 カルチャー棟大ホール 第 30 回辻村賞授賞式 小ホールにて映像視聴可 13:45-16:15 研究成果報告第 1 分科会第 2 分科会第 3 分科会 カルチャー棟大ホールカルチャー棟小ホールセンター棟 102

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Transcription:

インクルーシブ教育システム構築に向けた支援 インクルーシブ教育システム推進センター 平成28年4月 インクルーシブ教育システムの構築に向けた 地域や教育現場における取組を支援することを目的として イ ンクルーシブ教育システム推進センター を開設しました 同センターでは 地域が直面する課題に対応した研究 地域 実践研究 の推進 国際的動向の把握や海外との研究交流 イ ンクルーシブ教育システム構築を支援するデータベースの整備 と活用した相談 支援を行っています インクルーシブ教育システム推進センター開設記念式 詳しくはこちら NISE WEBサイト > インクルーシブ教育システム推進センター http://www.nise.go.jp/sc/i-center/ 地域実践研究 地域や学校の課題解決に資する研究 地域や学校が直面する課題を研究テーマに設定し その解決を目指して NISE の研究員と外部の専門家 や教育委員会より派遣された地域実践研究員と共に研究に取り組みます 地域から地域実践研究に参画することで インクルーシブ教育システムの構築に関する地域や学校での課 題解決につながり 研究成果やインクルーシブ教育システムの最新情報を提供することで 地域の理解 啓 発を推進することができます 地域実践研究募集テーマ一覧 メインテーマ インクルーシブ教育システムの 構築に向けた 体制整備に関する研究 インクルーシブ教育システムの 構築に向けた特別支援教育に関する 実際的研究 サブテーマ 研究期間 地域におけるインクルーシブ教育システムの構築に関する研究 インクルーシブ教育システムの構築に向けた研修に関する研究 教育相談 就学先決定に関する研究 平成31 32年度 理解啓発に関する研究 平成30 31年度 交流及び共同学習の推進に関する研究 教材教具の活用と評価に関する研究 学校作りや指導改善に関する研究 平成29 30年度 合理的配慮及び基礎的環境整備に関する研究 平成30 31年度 27

地域実践研究 メインテーマ 1: インクルーシブ教育システムの構築に向けた体制整備に関する研究 地域におけるインクルーシブ教育システム構築に関する研究 - 学校間連携及び県 市町村間連携を中心に - 研究班 : 地域システム班研究代表者 : 牧野泰美研究分担者 : 涌井恵 ( 副代表 ) 森山貴史 藤本裕人 深草瑞世 李煕馥 佐々木恵 ( 地域実践研究員 ) これまでの研究で整理されてきているインクルーシブ教育システム構築のための重要事項を 地域において実効性のあるものとするためには 地域の状況 地域の有する課題に応じた方策が必要であり 本研究では 指定研究協力地域等において実践的な検討を行い考察します 地域によっては その地域が有する学びの場の機能を検討し最大限活用する工夫 それらの相互の連携の在り方 各関係機関や学びの場が有する知見 ノウハウの共有化 県が市町村を支える体制の強化等が重要であり 地域の実態 抱える課題に応じてそれらを進める方法を見つけていくことが求められています 本研究は これまでの知見の整理 各地の課題や取組の収集 指定研究協力地域の状況調査 地域への仕掛け ( ワークショップ等 ) と実践等を通して 地域での推進方策を考察し 各地域がインクルーシブ教育システムの構築を進めていく上で参考となる取組を提供します インクルーシブ教育システム構築に向けた研修に関する研究 - インクルーシブ教育システム構築研修ガイド の活用 - 研究班 : 研修班研究代表者 : 長沼俊夫研究分担者 : 大崎博史 ( 副代表 ) 明官茂 伊藤由美 玉木宗久 半田健 西聡 ( 地域実践研究員 ) インクルーシブ教育システムの構築に向かうためには 特別支援教育の一層の推進が重要です その基盤となるのは 一人一人の多様なニーズに応じた指導 支援の充実です そのためには 教員個々の専門性の向上を図るだけでなく 教員一人一人の力が十分に発揮されるようなシステムの構築を考えていく必要があります 本研究所では インクルーシブ教育システムの構築に向けて 平成 24 年度に 教員が必要とする基盤となる資質 能力とは何かについて検討し 教員に求められる資質 能力を習得するための研修の方策例である インクルーシブ教育システム構築研修ガイド を取りまとめました さらに 平成 26 年度には 体制づくりに関する実際的研究において 各学校における合理的配慮 基礎的環境整備への支援の取組に関すること 地域支援の活用による教育の充実に関すること 教育の専門性に関することを重視すべき内容としてまとめました これらの先行研究で提案されたガイドや考え方を参考として 実践的な研究により 教員の資質 能力の向上につながる研修について その企画 運営の在り方を提案します 28

メインテーマ 2: インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別支援教育に関する実際的研究 交流及び共同学習の推進に関する研究 研究班 : 交流及び共同学習班研究代表者 : 久保山茂樹研究分担者 : 定岡孝治 ( 副代表 ) 新平鎮博 齊藤由美子 小澤至賢 西村崇宏 井上久美子 ( 地域実践研究員 ) 交流及び共同学習は 障害のある子どもと障害のない子どもがともに学ぶ機会であり インクルーシブ教育システム構築に向けた基礎的環境整備に位置づけられるなど重要な教育活動です これまで文部科学省モデル事業等によって事例的な検討がなされてきたが 全国的な実施状況や課題を明らかにした研究や 基礎的環境整備や合理的配慮等 インクルーシブ教育システムの視点で検討した研究や 障害のある子どもとない子どもの双方にとっての意義について具体的に検討した研究は見られません そこで本研究では 全国調査や実地調査を通じて 交流及び共同学習の実態を明らかにし インクルーシブ教育システム構築に向けた交流及び共同学習の在り方や意義について教育現場や施策に提言します 教材教具の活用と評価に関する研究 - タブレット端末を活用した指導の専門性の向上と地域支援 - 研究班 : 教材教具班研究代表者 : 金森克浩研究分担者 : 棟方哲弥 ( 副代表 ) 田中良広 新谷洋介 横尾俊 神山努 小原俊祐 ( 地域実践研究員 ) 障害のある児童生徒の教材の充実について報告 ( 文部科学省平成 25 年 8 月 ) では 障害のある児童生徒について将来の自立と社会参加に向けた学びの充実を図るためには 障害の状態や特性を踏まえた教材を効果的に活用し 適切な指導を行うことが必要である とあります また 本年 4 月から施行された 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 にもICT 等の機器を活用した合理的配慮の実施が例示されているところであり ICT 活用の具体的な方法を示すことが重要です そこで インクルーシブ教育システム構築に向けたツールとして 合理的配慮を実現するためのICT 機器の活用をどのように充実させるかを明らかにすることを目的とします 本研究においては特別支援学校のタブレット端末の活用における専門性を高め 地域の小 中学校にその活用方法を発信することにより インクルーシブ教育システム推進を図ります また 研究成果はポータルサイトや指定研究協力地域の WEBサイトに実践事例を掲載して普及を図ります NISE WEBサイト > 研究紹介 http://www.nise.go.jp/sc/kenkyu/ 29

諸外国の最新動向の把握や海外の機関との研究交流 NISEでは 我が国の特別支援教育の取組や研究成果を海外に情 報発信するとともに 国別調査班を組織して諸外国の障害のある 子どもの教育に関する政策等の状況を収集し その調査結果を国 際シンポジウムや特総研ジャーナル等を通じて公表しています また 海外の大学 研究機関との交流協定の締結 研究職員の 海外派遣 外国人研究者等の受入を通じて 特別支援教育の研究 における国際交流を行っています フランス国立特別支援教育高等研究所との交流協定調印式 海外の大学 研究機関との交流協定の締結 海外の大学 研究機関と交流協定を締結し 研究集会等への参 加 特別支援教育に関する情報交換 研究者間の交流を行ってい ます 研究交流協定締結機関 韓国国立特殊教育院 平成7年11月締結 ケルン大学人間科学部 平成10年11月締結 フランス国立特別支援教育高等研究所 平成27年3月締結 米国から来訪した研究者との意見交換会 研究職員の海外派遣 国際会議への参加 発表や状況調査等のため 研究職員を海外 に派遣し 研究交流を行っています また 諸外国のインクルーシブ教育の構築に係る最新動向を現 地で収集するため 平成28年度より新たにNISEの研究職員を海 外の研究機関等に長期で派遣することとしています 平成27年度 研究職員の海外派遣者数 延べ16名 外国人研究者等の受入 外国人研究者等をNISEに受け入れ 研究交流を行っています タイ教育庁視察団の受入 また 独立行政法人国際協力機構 JICA 等の依頼により 海 外の教育行政担当者や学校教員等の視察 研修を受け入れていま す 平成27年度 外国人研究者等の受入数 170名 モンゴルからのJICA研修員の受入 詳しくはこちら 総務部総務企画課 広報国際係 E-mail a-koho@nise.go.jp 30

インクルーシブ教育システム構築支援データベース ( インクル DB) 平成 24 年 7 月 中央教育審議会初等中等教育分科会において 共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進 が報告されました これを受けて NISEでは インクルーシブ教育システム構築に関連する様々な情報を広く提供するために インクルーシブ教育システム構築支援データベース( インクルDB) を 平成 25 年 11 月から運用しています インクルDBのコンテンツ 合理的配慮実践事例データベース 文部科学省の インクルーシブ教育システム構築モデル事業 における取組の実践事例について検索するシステム ( データベース ) です 関連情報 障害者の権利に関する条約への対応 関連する法令 施策 関係用語の解説 Q&A その他関連情報 インクルーシブ教育システム構築支援データベース http://inclusive.nise.go.jp/ データベースを活用した相談支援 NISEでは インクルーシブ教育システムの構築に向けて 都道府県 市町村 学校が直面する課題解決を支援するため インクルーシブ教育システム構築支援データベース ( インクルDB) や教育相談を行う上で必要となる様々な情報を蓄積した 教育相談情報提供システム を整備し 教育関係機関や一般の方向けに情報提供を行っています また 各都道府県 市町村 学校からのインクルーシブ教育システムの構築に係る相談に対応するとともに 必要に応じて 研修会等への講師派遣を行っています 教育相談情報提供システム 教育相談情報提供システムの主な内容 教育相談の基礎 教育相談 Q&A 関係する文献リスト 特別支援教育の知識 全国相談機関情報データベース 教育相談事例( 教育関係機関のみ閲覧可能 ) 教育相談研修資料( 同上 ) 教育相談情報提供システム http://forum.nise.go.jp/soudan-db/ 31