NEDO マルチマテリアルシンポジウム 2015 年 4 17 革新的新構造材料等研究開発について (NEDO プロジェクト ) 岸輝雄 新構造材料技術研究組合 (ISMA) 理事長 東京大学名誉教授内閣府参与 革新的構造材料プログラムディレクター 1
目次 1) 革新的新構造材料等研究開発の概要 2) CFRP 材料の開発 3) 革新鉄鋼の開発 4) 革新的非鉄材料の開発 5) 接合技術開発 6) その他 2
経済産業省未来開拓プロジェクト (2013~2023) 2014 年度 48 億円 2015 年度 42.6 億円 目標 : 自動車を中心とした輸送機器の抜本的な軽量化 ( 半減 ) に向けて 革新的接合技術の開発や 鋼材 アルミニウム材 チタン材 マグネシウム材 材炭素繊維及び炭素繊維強化樹脂 (Carbon Fiber Reinforced Plastics CFRP ) 等 輸送機器の主要な構造材料の高強度化等に係る技術開発を一体的に推進する これにより 輸送機器の燃費向上によるエネルギー消費量とCO 2 排出量の削減 我が国の部素材産業及び材料ユーザー産業の国際競争力強化を目指す アルミ フロアパネル アルミ カウル アルミ パッケージトレイ アルミ / 樹脂ルーフ アルミ / 樹脂トランクリッド 正突部位 : 780MPa 級ハイテン TWIP 鋼など 側突部位 : 1.5GPa 級ハイテン鋼板 アルミ / 樹脂ボンネット 樹脂 / アルミフェンダー アルミ ショックタワーフンダドア 樹脂 リフトゲートアルミ / 樹脂ドア 3
個別課題 1. 熱可塑性 CFRPの開発熱可塑性 CFRPの中間基材の開発 性能評価技術の開発 構造設計技術の開発 成形加工技術の開発 など 2. 革新鋼板の開発高強度高延性中高炭素鋼の開発中高炭素鋼組織の評価手法の開発 3. 革新的非鉄材料の開発革新的チタン材 マグネシウム材 アルミ材の開発 4. 接合技術開発中高炭素鋼やチタン材といった難接合材の接合革新的な固相摩擦撹拌接合技術 ( 異材接合 ) など 4
実施体制 新構造材料技術研究組合を設立 (2013 年 10 月 ) Innovative Structural Materials Association (ISMA) 組合員:36 企業 1 大学 1 独法 再委託先 :115( 主に大学と独法 ) 1 接合技術開発 東レ 神戸製鋼所 新日鐵住金 JFEスチール マツダ UACJ 川崎重工 住友電工 新日鐵住金 IHI 日立製作所 日立ハ ワーソリューションス 日立金属 日立メタルフ レシシ ョン 田中貴金属 革新的チタン材の開発神戸製鋼所新日鐵住金東邦チタニウム 新たに開発した材料の接合技術 ( 同種材料 異種材料 ) 革新的アルミニウム材の開発 UACJ 産総研神戸製鋼所 2 個別課題 革新的マク ネシウム材の開発産総研三協立山住友電気工業不二ライトメタル大日本塗料総合車両製作所 革新鋼板の開発 神戸製鋼所新日鐵住金 JFEスチール CFRP の開発 名古屋大学 三菱レイヨン カト コーホ レーション 東洋紡 スス キ タカキ セイコー IHI 本田技術研究所 三菱自動車工業 東レ 日産自動車 アイシン精機 福井ファイハ ーテック 産総研 住友重機械工業 共和工業 島津製作所 小松製作所 トヨタ自動車 東邦テナックス 富士重工業 研究戦略策定 実用化に向けた課題抽出 共通基盤研究など 3 調査 計測解析評価研究 : 全組合員 5
計算機論 計鉄鋼実験 経験知科学 計学府省連携課題 内閣府 戦略的イノベーションプログラム 経済産業省 未来開拓 文部科学省 元素戦略 (c) 耐熱合金, 金属間化合物術(b) セラミックス, CMC 性能研究(a) 樹脂, CFRP ( 理COE & Network ( 国際協調, capacity building) 性能 寿命 発電機 航空機 鉄鋼 実験経験知 理論 算(d) マテリアルズインテグレーション鉄道 軽金属 CFRTP 測) 接合 自動車 製法, 構造 特性 性能 6
主として次世代自動車用途を目指す CFRP 材料 スチール Al 合金 Mg 合金 GFRP( 連続 ) 射出成形材料 競合技術との対比による研究開発の位置づけ ~ 量産車構造に必要な力学特性とコストの両立 ~ 優 力学学特性 ( 強度 弾性性率 安定定性 ) * 繊維長 0.1~3mm 連続繊維 (CFRP) BMW: i3 自動車 * 繊維長 1~10mm プレス成形 航空機 RTM ( 織物 ) オートクレーブ ( プリプレグ ) CF 織物 プリプレグ オートクレーブ 樹脂 熱硬化系不連続繊維射出成形 ( ペレット ) 熱可塑系 力学特性レベル 優 成形性 ( サイクルタイム 複雑形状 コスト ) ( 対抗材料 ) SMC:Sheet Molding Compound RTM:Resin Transfer Molding
ISMA における CFRP 研究開発 *LFT-D: Long Fiber Thermoplastic-Direct NCC:National Composite Center 熱可塑樹脂原料ペレット添加剤熔融 混練 炭素繊維ロービング 名古屋大学 NCC プロセス 導入予定 混練 押出 ( 二軸スクリュー型 ) LFT D 押出素材 ( フトン ) 炭素繊維 / ポリアミド樹脂 プリフォーム 熱風加熱 マテリアルハンドリングロボット 高速プレス成形 (3500t) CFRTP プリフォーム作製 プリフォーム予備加熱 プリフォーム搬送 導入予定 成形 プリフォーム CTT( テープ材 ) CMT ( マット材 ) 炭素繊維 / ポリプロピレン樹脂 IR 加熱 東京大学プロセス マテリアルハンドリングロボット 高速プレス成形 (1000t)
高強度高延性中高炭素鋼板の開発 最終目標強度 :1.5GPa かつ伸び :20% 30% 軽量化効果 ( 従来 590MPa の 2.5 倍 ) 従来 590MPa と同等 ( 従来 1.5GPa の 3 倍 ) (1) 組織制御技術開発 (2) 機構解明技術開発 軽元素の有効利用による粒界強化 γ α 形態制御による複相化 残留 γ 中炭素量の高度制御による高延性化 高温プロセス中その場組織観察 変形中その場組織観察 軽元素の濃度分析精度向上 (A) (B) 異なる状態の残留 γ を混在化させて加 硬化挙動制御 (C) 粒界強化元素の粒界偏析有害元素の無害化 オーステナイト γ α 変態過程のその場中性 解析 マルテンサイト γ-αʼ 複相組織の最適化制御 Fe 原子 C 原子 50nm 電顕 AP などによる残留 γ 存在状態の解析技術を構築 9
非鉄材料分野の現状と狙い 我が国では精錬を行っておらず 地金を輸入 ( 価格変動あり ) 既に大きな市場が存在 我が国はリサイクルを中心に発展 ( 缶は高リサイクル率 ) Al 現行材料から素材改良により日本の独自性を示す必要 自動車への展開では価格が最大の課題 航空機や熱交換器 建材などを中心に市場が存在 我が国では 精錬から加工まで一貫して実施( 高信頼性素材として世界へ輸出 ) Ti 自動車への展開では 一部実用化 ( マフラーや排気バルブなど ) されているが 問題は加工コストを含めた価格が高いこと コスト低減に向けた精錬 溶解 加工工程を一体化した研究開発が必要 実用金属中最軽量で 資源的にも豊富であるが 市場がまだ確立されていない 我が国で精錬は行われておらず 地金を主に中国から輸入している パソコンやカメラの筐体に使用されているが 大型構造物への適用はまだである 欧州では自動車部品の一部に使用されているが 課題はコストである 部に使用されているが 今後の産業応用の課題の一つは難燃化であり 日本は世界をリードしている Mg 狙い 1. 革新的新合金開発 2. 革新的低コスト化技術開発 国際競争力の向上 10
高強度 高靭性アルミニウム合金の開発 開発目標 耐力 (MPa) 800 25% 強度向上 ( 靭性同等 ) ( 鋳造 ) 700 引張強さ (MPa) 最終目標伸び (MPa) 50 /h 600 500 400 現行材 (7150 T77511) 中間目標 H27 ブレイクスルー ( 均質化処理 ) 470-10h AC 50 /h ( 熱間圧延 ) 400 AC 50 /h ( 溶体化処理 ) 470-2h WQ 自然時効 :24h 製造工程の最適化 ( 時効処理 ) 120-24h 50 /h AC 300 5 8 11 14 17 20 伸び (%) 電磁撹拌なし 成分 Si Fe Cu Mg Zn Zr mass% 0.06 0.07 1.5~3.0 1.5~3.0 10.0 0.15 Cu(mass%) 3 2.5 2 耐 730-750 力 710-730 690-710 670-690 650-670 Cu(mass%) 3 伸び 2.5 15-18 12-15 9-12 6-9 2 3-6 凝固プロセスへの電磁撹拌適用による結晶粒微細化 1.5 1.5 2 2.5 3 Mg(mass%) 1.5 1.5 2 2.5 3 Mg(mass%) 合金組成の最適化 合金組成および製造工程の最適化により 2015 年度目標を達成 ( 耐力 :636MPa 伸び:15%) 11
難燃性マグネシウム合金の製造プロセス開発 希薄 Mg-Al-Ca-Mn 系合金による高速押出技術開発 高速押出と機械的性質を両立する長岡技科大外観カットサンプル添加元素量の適正化を実施中との連携 高速車両構体の断面構造 ( イメージ ) 2015 年度目標 (UTS:250MPa El:15% AZ31 以上の押出速度 AZX311 同等の難燃性 ) をラボで達成 幅 251mm 高さ50mm 希薄 Mg 合金大型中空形材の押出成形検証 (12インチ6000トン押出機) 車両構体用押出部材を想定したダブルスキン形材の試作 接合技術 (TIG,MIG,FSW) の開発 溶接棒 W 電極 不活性ガス ノズル TIG 溶接法の適正接合条件範囲 FSW 法の適正接合条件範囲 AZX612 合金を対象として TIG, MIG, FSW 法の最適化を図り 最適接合条件範囲を明確にし 2015 年度目標値 ( 継手効率 70% 以上 ) を上回る施工法を確立した 12
マルチマテリアル構造に対応した接合技術の開発 超ハイテン鋼同士 鋼板鋼板 / 軽金属 金属 / 樹脂などをつなぐなぐ接合技術 ( 点接合 連続接合 ) の開発が必要 点接合 連続接合 レーザ溶接 抵抗スポット溶接 レーザろう付 Self Piercing リ リベット接合 アーク溶接 抵抗シーム溶接 ベット接合 自動車生産で利用されている接合技術の例 13
材料の比強度 & 比剛性 m 3 ) σf/ρ(m MPa/g/c 比強度 500 400 300 200 密度 (g/cm 3 ) 7.9 4.5 2.7 1.7 1.5 到達可能レベルプロジェクト開発目標 現状レベル 500 1800MPa 1500MPa 1200MPa 2000MPa 100 鉄鋼 GFRP CFRP ( 連続繊維 ) Ti 合金 540MPa 1200MPa 750MPa Mg 合金 1000MPa 600MPa 360MPa Al 合金 300MPa 700MPa 530MPa CFRP (CF/PA6) CFRP ( 短繊維 ) 伸び (%) 0 20% 15% 12% 15% 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 比剛性 3 3 E/ρ( Gpa/g/cm 3 ) 14
機材材料価格の比較 0.1 /g 1 /g 10 /g 100 /g 1,000 /g 10,000 /g 100,000 /g Fe Al MgCu Ni Ti CoMo Ag Pd Rh Pt 50 0.29 0.3 0.4 1.5~1.8 3 5 8 1,200 3,400 5,000 CNT probe 金Au 0.04~0.09 無機材料属0.04 0.09 0.3 Si 0.1~2 自動車 1.1~4.8 戦闘機 100~1000 4,500 人工衛星 1,200~20,000 20,000 Alumina 0.01~0.7 Combustion-synthesized Si 3 N 4 5~10 SiC PSZ CNT 8~10 Y 2 O 3 3~12 10~100 14~25 超硬工具 セラミック工具 150~700 バイオセラミックス 1,000~2,0000 0000 Polyethylene SiAlON 0.6 Phosphor SiAlON 有PP PA 0.25 0.3 0.6 Vinyl chloride Polyester 0.3~0.4 料Epoxy 0.4~0.5 0.5~0.7 PES 3 PAN 系炭素繊維 1.5~3.0 PEEK 10 アラミド繊維 6~25 カメラ 20~500 携帯電話 ~200 レンズ 200~700 (HEMA,PMMA) Light-sensitive 耐熱コーティング 200~300 Original figure made by Ando, JST and revised by ISMA. 15
生産工程での等価 CO 2 排出量 鋼板 高張力鋼板 2.3~2.7 23~2 2.3~2.7 アルミニウムマグネシウム (electroysis) マグネシウム (pigeon) カーボンファイバー 13.9~15.5 18~24.8 40~45 21~23 等価 CO 2 排出量 / kg 16