(資料4)運用機関とのコミュニケーションの取り方や情報開示の方法等(案).pdf

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スチュワードシップ コード改訂に当たって 平成 29 年 5 月 29 日 スチュワードシップ コードに関する有識者検討会 1. 平成 26 年 2 月 26 日 日本版スチュワードシップ コードに関する有識者検討会 によりスチュワードシップ コードが策定されてから約 3 年が経過した この間 スチ

日本版スチュワードシップ コード についての第一生命の取組み 当社は 責任ある機関投資家 の諸原則 ( 日本版スチュワードシップ コード ) の趣旨に深く賛同し 受け入れることを表明し ます 当コードの原則 1 から 7 について 以下のような方針で取り組んでいきます 原則 1 機関投資家は スチュ

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Stewardship2017

以下が 対話の方針全文です 平成 26 年 6 月 23 日制定 平成 27 年 12 月 21 日改正 投資先企業との建設的な対話の方針 大和証券投資信託委託株式会社当社は 投資先企業の状況の的確な把握と認識の共有に努めます 特に以下の観点について 重点的に対話を深めてまいります 経営方針 財務戦

< 目次 > 第 1 章責任投資についての基本的な考え方... 3 第 2 章責任ある投資家としての組織体制... 4 第 3 章 スチュワードシップ活動への取組み 1. 投資先企業の望ましい経営のあり方 (1) 社会的責任への適切な取組み... 5 (2) 資本の効率的な活用による価値創造...

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預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

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平成30年度 スチュワードシップ活動報告

Ⅰ. 株主総会における議決権行使結果 (2015 年度 ) 当社は投資先企業の持続的成長をサポートし 中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的として 議決権行使基準を定めており 当該基準に則り 議決権行使を実施しています 2015 年度に株主総会が開催された国内上場企業のうち 当社の議決権行使の

特に 独立社外取締役の割合を高めることを指向していること 独立社外取締役も指名 報酬委員会において重要な役割を果たすべきとしたこと 取締役会の多様性においてジェンダーや国際性について具体的に言及したことを支持する 対話ガイドラインは 投資家と企業の双方の期待を形成するために有益である 6 7 コード

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ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

議決権行使に係る事務取扱手続

2 政策保有株式に係る議決権行使の基準政策保有株式の議決権行使に当たっては 投資先企業の中長期的な企業価値向上が株主利益への向上にも繋がるものであることを前提とし 株主への還元方針 コーポレートガバナンスや企業の社会的責任への取組み等総合的観点から議決権を行使する (4) 買収防衛策は 経営陣 取締

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基金通信

資産運用ガイドラインの位置づけとこれまでの経緯 資産運用ガイドラインは 現行法のもとで資産運用関係者に課されている善管注意義務 忠実義務について 業務を行う場面を想定して具体的な行動指針を記述したものである 資産運用ガイドラインは法令そのものではなく 資産運用関係者が職務を全うするために留意すべき事

1 乖離幅が許容範囲を超えた場合 乖離状況が是正されるよう資産の移受管によりリバランスを行う 2 上記 1にかかわらず 積立水準の変化 マーケットの変動 マーケットインパクト 取引コスト等 総合的に判断したうえで 乖離状況が是正されるようリバランスを行うことができる 3 上記 1 2に基づくリバラン

Ⅰ. フィデューシャリー デューティー

2 資産 地域 時間等を分散して投資することを基本とし 短期的には市場価格の変動等はあるものの 長い投資期間を活かして より安定的に より効率的に収益を獲得し 併せて 年金給付に必要な流動性を確保する 分散投資 一つの籠に卵を盛るな という西洋のことわざがありますが 年金積立金の運用に限らず 一般に

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2016( 平成 28) 年度 業務概況書会見 理事長髙橋則広 2017( 平成 29)07.07

基本原則

GPIF

< 本制度の仕組みの概要 > 5 ポイント付与 委託者 当社 3 自己株式の処分 1 役員株式交付規程の 制定 2 信託 < 他益信託 > を設定 ( 金銭を信託 ) 3 払込 受託者 ( 予定 ) 三井住友信託銀行 ( 再信託受託者 : 日本トラスティ サービス信託銀行 当社株式 株式交付信託 信

規則フォーマット

コーポレートガバナンス コードについて 本コードにおいて コーポレートガバナンス とは 会社が 株主をはじめ顧客 従業員 地域社会等の立場を踏まえた上で 透明 公正かつ迅速 果断な意思決定を行うための仕組みを意味する 本コードは 実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたも

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1 制定の目的 方針 当社におけるコーポレートガバナンスを向上させるための枠組みである パーク 24 コーポレートガバナンスガイドライン を制定し コーポレートガバナンスの強化 充実に努めることで 当社の中長期的な価値向上と持続的成長を実現する コーポレートガバナンスに対する基本的な考え方公正で透明

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IR 活動の実施状況 IR 活動を実施している企業は 96.6% 全回答企業 1,029 社のうち IR 活動を 実施している と回答した企業は 994 社 ( 全体の 96.6%) であり 4 年連続で実施比率は 95% を超えた IR 活動の体制 IR 専任者がいる企業は約 76% 専任者数は平

日本株式市場の保有者比率の推移 ( 時価ベース ) 過去 30 年の間に投資家の保有比率は大きく変化 100% 90% 80% 70% 60% 50% 1.9% 0.4% 1.9% 0.9% 1.8% 0.9% 2.1% 3.7% 5.5% 2.5% 5.2% 2.8% 4.5% 9.1% 10.7

また 代表取締役社長直属の内部監査部門を設置し 法令遵守 内部統制の有効性と効率性 財務内容の適正開示 リスクマネジメントの検証等について 各部門 工場 グループ会社などの監査を定期的に実施し チェック 指導するとともに 監査役との情報共有等の連携を図っております 1-4( 中長期的な経営戦略等 )

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会計ニュース・フラッシュ

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

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実際の株主総会プロセスはどのように見られているか 決めるプロセス ( 決議の場 ) 株主総会は 法律 ( 会社法 ) で決められたことを最低限行い 法定書類の記載事項をきちんと開示するところが出発点との企業における認識 上場企業においては 議決権行使の結果は 事前にわかっている場合がほとんどとの指摘

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

Institutional Shareholder Services Sumitomo Fudosan Kanda Building 16F 7 Kanda Mitoshirocho Chiyoda-ku, Tokyo T: 各位 2017 年 10

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XBRL導入範囲の拡大

コーポレートガバナンス・ガイドライン

倫理綱領の解説 ( 信託制度 ) 信託制度は 委託者から財産の移転等を受け 受託者が財産の名義人となり 受益者のためにその管理 運用を行う財産管理制度である 財産の所有権等を移転するものであるから 委託者 受益者からの受託者に対する高度な信頼関係が存在することが前提となる 受託者は その信頼に応える

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ガイドライン

第 分科会 / 分科会 B 改正会社法等への対応状況と今後の課題 ディスカッションポイント ( 例 ) 参考資料 関西支部監査役スタッフ研究会報告書 改正会社法及びコーポレートガバナンス コードへの対応状況と監査役 監査役スタッフの役割と今後の課題. 監査役会の運営 改正会社法等により監査役会の開催

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第 4 回株主総会プロセスの電子化促進等に関する研究会参考資料 2 諸外国における実質株主の開示制度 平成 28 年 3 月 4 日

第 Ⅰ 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本ガイドラインは 群栄化学工業株式会社 ( 以下 当社 という ) が 次に定める 社是 理念 実現のため ステークホルダーと協働して企業価値を向上させ 持続的に発展できるよう より良い経営を実現することを目的とする 2. 当社は GCIグループ基本理念 を制



2018 平成30 年度第2四半期 GPIFの運用実績 2001年度 平成 年度 平成 年度 平成 年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 20

野村資本市場研究所|公表された厚生年金基金連合会の株主議決権行使基準 (PDF)

独立行政法人評価制度委員会会計基準等部会において 中長期的に検討すべきとされた論点 独立行政法人会計基準に係る中長期課題検討事項一覧 1. 財務報告に関する基礎的前提論点 主要な財務報告利用者 ( 利害関係者 ) の整理 独立行政法人の財務報告の目的 機能の整理 整理された財務報告の目的と機能を踏ま

各 位 平成 29 年 11 月 28 日フィンテックグローバル株式会社代表取締役社長玉井信光 ( コード番号 :8789 東証マザーズ ) 問合せ先 : 上席執行役員千田高電話番号 : ( 03) 航空機アセットマネジメント会社の株式取得に伴う子会社の異動に関するお知らせ 当社

平成 27 年 2 月 20 日 各 位 会社名 株式会社セゾン情報システムズ 代表者名 代表取締役社長 宮野隆 (JASDAQ コード:9640) 問合せ先 取締役経営企画室室長赤木修 電話番号 ECM マスターファンド SPV 1 による当社株式に対する公開買付けに関す

Microsoft Word - 表紙 雛形(保険者入り)高齢者支援課180320

回答企業の属性 < 上場市場区分 > 東証マサ ース (n=9) 2.9% JQ その他 (n=30) 9.6% 東証 2 部 (n=11) 3.5% 東証 1 部 (n=262) 84.0% 2/14

2J02 日本企業におけるオープン イノベーションへの取組状況と課題 小沼良直 ( 未来工学研究所 ) 林隆臣 ( 未来工学研究所 ) 1. 概要近年 オープン イノベーションのより一層の推進の必要性が様々な場において言われてきているが その現状の取組状況や課題等を調査した 2. 調査実施方法と主な

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目次 1. アンケート概要 2. 回答企業の属性 3. アンケート結果 Ⅰ. 上場企業における早期 WEB 開示について a.2015 年度の実施状況 b.2016 年度の対応について Ⅱ. 会社法第 299 条第 3 項に基づく株主総会参考書類等の電磁的通知 ( 株主の個別同意が必要 ) について

スライド 1

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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現在では 株主総会において選任された独立役員 社外役員によって取締役会を通じて経営に対する監督を利かせる 株式会社本来の姿であるエクイティーガバナンスの強化が求められており コーポレートガバナンス コードもそうした考えに立脚している そこでは株主 取り分け政策保有のような株式を大量かつ長期的に保有す

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コーポレートガバナンス基本方針

東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び委員会の設置状況 2017 年 7 月 26 日株式会社東京証券取引所

2014(平成26)年度決算 確定拠出年金実態調査 調査結果について.PDF

「コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取り組み」一部改定に関するお知らせ

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

大和コーポレートガバナンス ガイドライン正式

海外における年金基金におけるインハウス運用の状況について

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コーポレートガバナンス ガイドライン 2015 年 10 月 27 日制定 2018 年 12 月 13 日改定 大王製紙株式会社 1

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2 名以上の独立社外取締役の選任状況 2 名以上の独立社外取締役を選任する上場会社の比率は 市場第一部では 9 割を超え 91.3% に JPX 日経 400では 97.7% に 2 名以上の独立社外取締役を選任する上場会社 ( 市場第一部 ) の比率推移 ( 参考 ) 100% 88.0% 91.

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調査結果要約 ( 注 ) 以下の設問において 印は昨年 2017 年も実施した調査 印は前回が 2016 年にあたる調査 印は今回 2018 年に新たに実施した調査である IR 活動の実施状況 IR 活動を実施している企業は約 98% 全回答企業 1,006 社のうち IR 活動を 実施している と

豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

問 2 戦略的な知的財産管理を適切に行っていくためには, 組織体制と同様に知的財産関連予算の取扱も重要である その負担部署としては知的財産部門と事業部門に分けることができる この予算負担部署について述べた (1)~(3) について,( イ ) 内在する課題 ( 問題点 ) があるかないか,( ロ )

2. BIP 信託の仕組み 1 本株主総会決議 株式市場 9 残余財産の給付 8 残余株式の無償譲渡 消却 4 当社株式 5 配当 委託者 当社 受託者 ( 共同受託 ) ( 予定 ) 三菱 UFJ 信託銀行 ( 株 ) 日本マスタートラスト信託銀行 ( 株 ) 本信託 3 信託設定 7 当社株式等

後の対応に反映させるべく取り組んでおります 補充原則 1-12 上場会社は 総会決議事項の一部を取締役会に委任するよう株主総会に提案するに当たっては 自らの取締役会においてコーポレートガバナンスに関する役割 責務を十分に果たし得るような体制が整っているか否かを考慮すべきである 他方で 上場会社におい

目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向 6 (3) 国民

2. 資産運用分野における MUFG フィデューシャリー デューティー基本方針 行動規範 1-1 誠実な行動私たちは 常にお客さま本位で考え 公正 透明な企業活動を誠実に行います 私たちは お客さまの資産を適切に取り扱い お客さまの利益が不当に損なわれることがないよう適切に対応します (1) お客さ

定いたします なお 配当の回数は原則として中間配当と期末配当の年 2 回といたします 3 自己株式 当社は 経営環境の変化に機動的に対応し 株主価値の向上に資する財務政策等の経営の諸施策を実行することを可能とするため 市場環境や資本効率等を勘案しながら適宜自己株式を取得いたします (3) 政策保有株

【PDF】コーポレートガバナンス・ガイドライン

退職等年金給付積立金等の管理運用の方針

グローバルな潮流キーワードは Sustainability と Inclusiveness 日本のガバナンス改革と米国の株主至上主義からの反省 あるべき姿 過去 過去 いわゆる日本的経営 ( 株主軽視 ) 幅広いステークホルダーとの協働 ( 株主 従業員 顧客 取引先等々 ) アングロサクソン型資本

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

共済事業団をいう 以下同じ ) が共同して モデルポートフォリオを定めるとともに 連合会は モデルポートフォリオを参酌して 長期的な観点からの資産構成割合 ( 以下 基本ポートフォリオ という ) を策定し 管理積立金の管理及び運用を行う (2) 運用の目標 リスク管理等 1 運用の目標管理積立金の

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

また 関係省庁等においては 今般の措置も踏まえ 本スキームを前提とした以下のような制度を構築する予定である - 政府系金融機関による 災害対応型劣後ローン の供給 ( 三次補正 ) 政府系金融機関が 旧債務の負担等により新規融資を受けることが困難な被災中小企業に対して 資本性借入金 の条件に合致した

Transcription:

資料 4 運用機関とのコミュニケーションの 取り方や情報開示の方法等 ( 案 )

運用機関とのコミュニケーションの取り方 日本版スチュワードシップ コード ( 以下 SSコード ) の原則 6では 機関投資家は 議決権の行使を含め スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて 原則として 顧客 受益者に対して定期的に報告を行うべきである としている また 同コード指針 6-3では 機関投資家は 顧客 受益者への報告の具体的な様式や内容については 顧客 受益者との合意や 顧客 受益者の利便性 コストなども考慮して決めるべきであり 効果的かつ効率的な報告を行うよう工夫すべきである としている ( 注 ) セミナーアンケートによれば 委託運用機関の株主議決権行使を含めたスチュワードシップ活動 ( 以下 SS 活動 ) の報告について 報告を受けたことがない と回答した企業年金は46 件 (57.5%) あり 半数を超える企業年金が委託運用機関のSS 活動について報告を受けておらず 企業年金と委託運用機関との間でコミュニケーションが取れているとは言えない状況となっている 現在 企業年金に対する運用機関のSS 活動に関する報告は 運用機関毎に差異が認められている状況にあるが 運用機関は顧客 受益者から要請があれば報告する責務がある こうした状況を踏まえ SS 活動に関心を有する企業年金が 受入れ表明した運用機関から効果的かつ効率的な報告が受けられるよう 運用機関に提出を依頼する資料及び運用機関とのミーティング時のチェック項目や質問項目の例を以下に示す ( 注 ) なお 同コード指針脚注において 当該報告の相手方自身が個別報告は不要との意思を示しているような場合には この限りではない また 顧客 受益者に対する個別報告が事実上困難な場合などには 当該報告に代えて 一般に公開可能な情報を公表することも考えられる としている 2

運用機関とのミーティング時のチェック項目や質問項目の例 1 運用機関に提出を依頼する資料の例 以下に挙げる資料の提出がない場合は その理由を確認する 方針や体制等に変更が生じた場合は 遅滞なく報告してもらう 対応する原則 資料名 1 スチュワードシップ責任を果たすための方針 原則 1 2 スチュワードシップ責任を果たすための体制 社内組織体制 議決権行使の意思決定プロセス 議決権行使助言会社の利用状況 原則 2 原則 3 スチュワードシップ責任を果たすうえで利益相反を管理するための方針 具体的な組織対応事例と情報開示の状況投資先企業の状況把握に関する資料 投資先企業の状況を的確に把握するための工夫 3

1 運用機関に提出を依頼する資料の例 ( 続き ) 対応する原則 資料名 1 目的を持った対話 ( エンゲージメント ) を行うための方針 原則 4 実施プロセスと組織体制 2 目的を持った対話 ( エンゲージメント ) の実施状況 エンゲージメント活動の実例 1 株主議決権行使方針 ( 行使基準 ) 原則 5 株主議決権行使方針 ( 行使基準 ) 及び株主議決権行使の意思決定プロセスや組織体制 2 株主議決権行使状況 前年度中に決算が実施された投資先企業についての株主議決権行使の状況 原則 6 原則 7 顧客 受益者に対する情報開示の状況 スチュワードシップ活動の概況 実力を備えるための取組み状況 4

2ミーティング時のチェック項目や質問項目の例 以下のチェック項目は 企業年金が運用機関から報告を受ける際に 考えられる一般的な確認事項を掲載している 運用機関のSS 活動の果たし方は 投資戦略毎に異なると考えられることから 各企業年金の実情に応じ チェック項目は適宜追加して利用することも可能 チェック項目チェックポイント対応する原則 評 A B C 価 コード受入れの有無 日本版スチュワードシップ コードの受入れ状況 コードを受入れていない場合の理由 スチュワードシップ責任を果たすための方針等 方針の内容 1 明確な方針が策定されている 組織的 定期的な内容見直しの仕組みがある 情報開示 1 方針は自社 HP などで公表されている スチュワードシップ責任を果たすための方針各原則に対するコンプライの状況 またはエクスプレインの内容 1 全ての原則についてコンプライまたはエクスプレインされており 内容に合理性がある 明確な方針が策定されている 必要が生じた場合に見直しをすることとしており 組織的 定期的な見直しの仕組みはない 方針は要請に基づき 特定の顧客にのみ開示されている 全ての原則についてコンプライまたはエクスプレインされている 方針が策定されていない または策定されていても不十分な内容である 方針は公表されていない コンプライまたはエクスプレインされていない原則がある 方針に変更がある場合 その内容と変更理由 1 変更理由が明確に説明されており 変更内容は合理的である 変更理由が明確に説明されており 変更内容はおおむね合理的である 変更理由が説明されていない または変更理由は合理的でない 5

2 ミーティング時のチェック項目や質問項目の例 ( 続き ) チェック項目 チェックポイント 対応する原則 評 A B C 価 組織体制 2,3,4,5,7 議決権行使やエンゲージメントを有効に機能させるための組織体制が構築されており 投資哲学との一貫性がある 議決権行使やエンゲージメントを有効に議決権行使やエンゲージメントを有効に機能させるための組織体制が構築され機能させるための組織体制が構築されている ていない スチュワードシップ責任を果たすための方針等 スチュワードシップ責任を果たすための体制 議決権行使の意思決定プロセス 5 議決権行使助言会社の利用状況 利用目的 5 体制やプロセスに変更がある場合 その内容と変更理由 2,3,4,5,7 意思決定プロセスが確立されており 投意思決定プロセスが確立されている 資哲学との一貫性がある 自社の意思決定を基本とし 議決権行使助言会社の推奨は参考としている 変更理由が明確に説明されており 変更内容は合理的である 意思決定プロセスが確立されていない 一部の対象会社について 議決権行使議決権行使助言会社の推奨をそのまま助言会社の推奨をそのまま行使内容と行使内容としている している 変更理由が明確に説明されており 変更内容はおおむね合理的である 変更理由が説明されていない または変更理由は合理的でない 利益相反を管理するための方針 方針の内容 2 類型化された利益相反に対する管理方針が具体的に策定されており 定期的な内容見直しの仕組みがある 利益相反を管理するための明確な方針が策定されている 利益相反を管理するための方針が策定されていない または策定されていても十分な内容でない 情報開示 2 方針は自社 HP などで公表されている 方針は要請のある 特定の顧客にのみ開示されている 方針は公表されていない 6

2 ミーティング時のチェック項目や質問項目の例 ( 続き ) チェック項目チェックポイント対応する原則 評 A B C 価 スチュワードシップ責任を果たすための方針等 投資先企業とのエンゲージメントの方針 株主議決権行使方針 ( 行使基準 ) 方針の内容 4 情報開示 4 自社 HP などで公表されている 方針の内容 5 対象企業の選択基準や対話すべき内対象企業の選択基準や対話すべき内容など エンゲージメントを行うための仕容など 明確なエンゲージメントの方針組みが整えられており 明確な対話のが策定されている 方針が策定されている 明確な方針が策定されている 組織的 定期的な内容見直しの仕組みがある 方針は要請のある 特定の顧客にのみ開示されている 明確な方針が策定されている 必要が生じた場合に見直しをすることとしており 組織的 定期的な見直しの仕組みはない 対象企業の選択基準が策定されていない または策定されていても不十分な内容である 方針は公表されていない 方針や基準が策定されていない または策定されていても不十分な内容である 情報開示 5 自社 HP などで公表されている 方針は要請のある 特定の顧客にのみ開示されている 方針は公表されていない 7

2 ミーティング時のチェック項目や質問項目の例 ( 続き ) チェック項目チェックポイント対応する原則 評 A B C 価 株主議決権行使結果 5 個別企業 個別議案毎に行使結果が報告されている 議案ごとの行使結果の集計値が報告されている 行使結果の概要のみ報告されている 反対 棄権行使議案の具体的内容 5 反対 棄権行使した個別議案の内容が全て報告されている 反対 棄権行使した議案の内容が一部報告されている 反対 棄権行使した議案の報告はない 株主議決権行使結果 スチュワードシップ活動の結果報告 株主提案賛成議案の具体的内容 5 反対比率の前年度との比較 変化の理由 5 株主提案に賛成行使した個別議案の内容が全て報告されている 反対比率の変化について議案種類毎に分析し報告されている 株主提案に賛成行使した議案の内容が一部報告されている 反対比率の変化について分析し報告されている 株主提案に賛成行使した議案の報告はない 反対比率の変化についての報告はない エンゲージメント活動の実績 具体的なエンゲージメントの内容 3,4 投資先企業とのエンゲージメントの結果 投資先企業をどのように理解し どのような改善に繋げていったのか 例をあげ具体的に説明している 投資先企業とのエンゲージメント内容とその成果について 説明している 投資先企業とのエンゲージメント内容とその成果について 説明がない 投資先企業に不祥事があった場合 当該企業への対応 3,4 投資先企業の不祥事への対応を具体的に説明している 投資先企業の不祥事への対応を説明し投資先企業の不祥事への対応の説明ている はない 8

2 ミーティング時のチェック項目や質問項目の例 ( 続き ) チェック項目チェックポイント対応する原則 評 A B C 価 その他 スチュワードシップ活動に関する運用機関からの報告 報告資料の様式や内容 6 報告の時期 6 分かりやすい資料が作成され 効果的かつ効率的に報告されている 運用機関のスチュワードシップ活動について年に 1 回以上定期的に報告がある 比較的分かりやすい資料が作成され 効果的かつ効率的に報告されている 運用機関のスチュワードシップ活動について報告があるが定期的ではない 資料が分かりずらく報告は効率的でない 運用機関のスチュワードシップ活動について顧客から要請しないと報告がない 運用機関の実力を高めるための工夫具体的な対応内容 成果 7 実力を高めるための具体的な対策が講じられ 成果に結びついている 実力を高めるための具体的な対策が講じられている 実力を高めるための具体的な対策が講じられていない 9

加入者等に対する情報開示の方法 既に受入れ表明した企業年金は 自身のウェブサイト等で 受入れ表明の理由をはじめ コードの各原則にかかる対応方針 委託運用機関から報告を受けた SS 活動の状況を公表している SS コードの受入れを表明した企業年金は 金融庁に対して 受入れ表明 及び コードの各原則に基づく公表項目 の公表を行ったウェブサイトのアドレスに加え 必要事項 ( 企業年金名や担当者氏名等 ) を連絡することになっている 連絡を受けた金融庁では 新たに 受入れ表明 を行った企業年金名とそのリンク先を 他の機関投資家の変更分と併せて随時更新し 金融庁のウェブサイトで公表している ( ウェブサイトが無い場合は金融庁のウェブサイトに掲載することも可能 ) SS コードは 機関投資家が投資先企業との目的を持った対話 ( エンゲージメント ) を通じ 企業の持続的な成長を促すなど 受託者責任を更によく果たすための原則として制定された 企業年金が受入れ表明をするに当たっては 母体企業及び加入者等の理解を得ていくことが重要であるが 母体企業及び加入者等に対して SS コードの意義を分かりやすく説明する必要がある 企業年金が SS 活動を行い 中長期的な投資リターンの拡大を図り 高齢期の所得を確保することは 企業年金の基本的役割となじみ 受益者の期待に沿うものであることを加入者等が理解できるよう 以下に開示項目及び具体的な開示例を示す 10

1 加入者等に対する開示項目の例 No. 開示項目対応例 加入者等の理解が得られるよう 受入れ表明の理由として 中長期的な投資リターンの拡大を図り 高齢期における所得を確保することは 加入者等の利益に資することを方針の中に記載する 1 スチュワードシップ責任を果たすための方針 コードの受入れ表明を行ったとしても 資産規模や人的体制や運用方針など各企業年金が置かれた状況に鑑み実施しない原則がある場合は 実施しない理由 を加入者等から理解が得られるよう説明する 例えば パッシブ運用は低コスト運用が最大のメリットであり 当該メリットの享受を優先する場合は 一部の原則を適用しない旨 説明する 2 委託運用機関のスチュワードシップ活動の状況 委託運用機関から少なくとも年 1 回のスチュワードシップ活動状況の報告を受け 加入者等に年 1 回報告する 企業年金のウェブサイトに 委託運用機関毎の議決権行使状況を集計し 掲載する 企業年金のウェブサイトに 委託運用機関毎の目的を持った対話 ( エンゲージメント ) の実施状況を集計し 掲載する 11

2 加入者等に対するスチュワードシップ活動の開示例 議決権行使状況の開示例 ( 企業年金連合会のケース ) 目的を持った対話 ( エンゲージメント ) の 開示例 ( イメージ ) テーマ件数割合 収益率改善 事業戦略件 % 資本効率改善 資本政策件 % 買収防衛策の撤廃件 % 取締役会構成等件 % 情報開示件 % その他件 % 合計件 % 12