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財務省貿易統計

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ecuador

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

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2007年12月10日 初稿

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平成18年8月31日

化繊輸入は 近年上昇を続けており 2016 年は前年比 10% 増の 43 万トンとなりました 素材別には ポリエステル F 長繊維不織布が中心ですが 2016 年はポリエステル S の輸入も大幅増となりました 化学繊維輸出推移 化学繊維輸入推移 生産が微減 輸出が横ばい 輸

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1 概 況

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第2章_プラントコストインデックス

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[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

2016 年の日本の対ロシア NIS 諸国輸出入通関実績 ( 確定値 ) ドル表示 輸出入前年輸出前年輸入合計前年 =100 =100 =100 バランス ロシア 16,410, ,125, ,285, ,159,423 ウクライナ 883,

特集 切花の輸入 平成 29 年 2 月 24 日東京税関 成田空港の輸入品にも春が来る! 輸入される切花は 菊 と カーネーション で 6 割を占める 毎年 3 月は ばら が輸入のピークを迎える 3 月が最初のピーク 春が近づき 花の話題が増える季節となりました 輸入品においても季節ごとの商品が

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1. 沖縄県における牛肉の輸出動向 2015 年は 輸出額が過去最高 数量 金額 2015 年は数量が 18,424 KG( 前年比 97.0%) 金額が 87 百万円 ( 同 111.8%) となり 輸出額が過去最高を記録しました 沖縄県の輸出額シェアは 1.1% となっています 国別金額シェア

< 図表 1> 米国の仕出し国 地域別自動車部品輸入実績 ( 単位 :100 万ドル ) 輸出国 シェア 1 メキシコ 11,740 13,692 16,045 17,056 19, % 2 カナダ 7,638 8,253 8,932

Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

1 食に関する志向 健康志向が調査開始以来最高 特に7 歳代の上昇顕著 消費者の健康志向は46.3% で 食に対する健康意識の高まりを示す結果となった 前回調査で反転上昇した食費を節約する経済性志向は 依然厳しい雇用環境等を背景に 今回調査でも39.3% と前回調査並みの高い水準となった 年代別にみ

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( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 金 25, 2, 15, 12, 営業利益率 経常利益率 額 15, 9, 当期純利益率 6. 1, 6, 4. 5, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 8 社 214 年度 215 年度前年度差 ( 単位 : 億円 ) 前年

仕出国別 中国来の知財侵害物品の差止件数は 1,131 件であり 仕出国別の構成比では 前年に続き全体の約 8 割 (78.7%) を占めるに至っています 一方 2 位のフィリピン来が構成比 9.7% 3 位の香港来が同 4.8% を占めるにとどまっており 中国来への一極化の傾向にあると言えます な

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波及効果の具体的計算方法 直接効果の推計 1 ( 需要増加額の推計 ) 合計額 ( 単位 : 百万円 ) 開催運営費 10.0 来場者支出額 90.0 飲食費 0.6 交通輸送費 3.0 広報関連経費 1.5 施設 機器レンタル料 1.0 アルバイト人件費 1.6 警備料 2.3 宿泊費

輸入動向平成 29 年の横浜税関における 自動車の輸入実績は 数量が 153,835 台 ( 対前年同期比 0.7% 増 ) 金額が 6,154 億 19 百万円 ( 同 12.5% 増 ) でした また 全国においては 数量が 359,907 台 ( 対前年同期比 2.4% 増 ) 金額が 1 兆

Ⅰ. 繊維品輸出実績 (1) 類別輸出実績換算円レート = 類別 項目 2014 年 1 月 ~ 12 月 2013 年実績 金額 ( 千ドル ) 前年同月比金額 ( 千ドル ) 前年同期比構成比金額 ( 千ドル ) 前年比構成比 紡織用繊維及びその製品 ( 合計 ) 743,383 9


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第 1 四半期の売上収益は 1,677 億円となり 前年からプラス 6.5% 102 億円の増収となりました 売上収益における為替の影響は 前年 で約マイナス 9 億円でしたので ほぼ影響はありませんでした 事業セグメント利益は 175 億円となり 前年から 26 億円の減益となりました 在庫未実現

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Transcription:

国際通貨基金 (IMF) によると 2017 年の実質 GDP 成長率は6.7%( 前年比 0.8% 増 ) と前年から加速した 主な理由として 農業部門の回復と輸出の伸びが下支えしたことを挙げている ラカイン州の人権問題など不安定要素はあるが 今後も成長基調は続く見込みであり IMF は2018 年の実質 GDP 成長率を 7.0% と予測している 現在の国民民主連盟 (NLD) 政権は 対外債務に過度な依存をせず 農業を含めたバランスのとれた安定的な経済成長を志向している 一方 NLD 政権による経済改革の遅れなどに対しては IMF をはじめとする国際機関が経済減速の懸念材料として指摘しており 今後の動向が注目される グローバル トレード アトラスによると 2017 年の輸出は前年比 18.9% 増の138 億 7,900 万ドル 輸入は22.7% 増の192 億 5,300 万ドルだった 輸出額は2011 年の民政移管以降最高を記録したが 輸入の伸びが上回り 貿易赤字は2016 年の40 億 2,300 万ドルから53 億 7,500 万ドルに拡大した 輸出を品目別にみると 1 位は引き続き石油 天然ガスである 主に天然ガスとみられるが 2017 年の輸出額は37 億 100 万ドルとなり 2016 年の32 億 8,700 万ドルか ら12.6% 増加している 天然ガスの生産量は減少したものの 国際的な天然ガスの取引価格が上昇に転じたことで輸出額が伸びた 輸出先は タイが20 億 3,593 万ドル ( 前年比 12.1% 増 ) 中国が16 億 2,075 万ドル ( 同 12.9% 増 ) であり この2カ国だけで98.8% を占める ミャンマーから中国 タイへの輸出額はそれぞれ53 億 9,806 万ドル 26 億 9,865 万ドルであり 天然ガスだけで中国向け輸出額の約 30% タイ向け輸出額の約 75% を占めている 輸出 2 位は衣類 ( 布帛製品 ) である 同じく衣類に分類されるニット製品と合わせると 2017 年の輸出額は24 億 2,916 万ドル ( 前年比 54.2% 増 ) だった ミャンマーでは縫製業を中心に 原材料を海外から調達し 安い人件費を活用して加工し 再度輸出するという委託加工貿易が盛んである こうした委託加工業は当地ではCMP (Cutting, Making and Packing) と呼ばれ ミャンマー政府はCMP 企業の原材料調達に係る輸入関税を免除している 輸出先 1 位は 5 億 5,300 万ドル ( 前年比 16.0% 増 ) であるが 2 位のドイツ2 億 4,300 万ドル ( 同 91.5% 増 ) をはじめ 英国 1 億 8,900 万ドル ( 同 366.3% 増 ) スペイン1 億 600 万ドル ( 同 122.9% 増 ) オランダ9,258 万ドル ( 同 184.8% 増 ) といった欧州諸国も目立ってきている ミャンマーから欧州向けの縫製品輸出は 一般特恵関税制度 (GSP) の対象となっており こうした政策も影響していると考えられる 1

第 2 部 国 地域別編 金額 金額 構成比伸び率 金額 金額 構成比伸び率 石油 天然ガス 3,287 3,701 26.7 12.6 石油 天然ガス 1,772 3,575 18.6 101.8 衣類 ( 布帛製品 ) 1,483 1,934 13.9 30.4 輸送機器 2,434 2,104 10.9 13.6 穀物 663 1,338 9.6 101.7 一般機械 部品 1,591 1,691 8.8 6.3 食用の野菜 根など 1,423 940 6.8 33.9 電気機械 1,128 1,316 6.8 16.6 糖類 砂糖菓子 1,067 766 5.5 28.2 鉄鋼 864 885 4.6 2.4 魚介類 537 622 4.5 15.8 糖類 砂糖菓子 1,376 861 4.5 37.5 衣類 ( ニット製品 ) 92 495 3.6 435.5 プラスチック製品 583 689 3.6 18.3 銅製品 263 490 3.5 86.6 動物性または植物性油脂 553 685 3.6 23.9 貴金属 宝石 425 391 2.8 8.1 人造繊維の短繊維 織物 445 679 3.5 52.7 鉄鋼 125 352 2.5 182.6 鉄鋼製品 580 541 2.8 6.8 合計 ( その他含む ) 11,673 13,879 100.0 18.9 合計 ( その他含む ) 15,696 19,253 100.0 22.7 [ 出所 ] グローバル トレード アトラス 金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率 中国 4,767 5,398 38.9 13.3 中国 5,403 6,116 31.8 13.2 タイ 2,241 2,699 19.4 20.4 シンガポール 2,268 2,931 15.2 29.2 663 903 6.5 36.1 タイ 1,986 2,167 11.3 9.1 シンガポール 891 735 5.3 17.5 1,255 1,055 5.5 15.9 インド 1,038 708 5.1 31.8 マレーシア 691 999 5.2 44.7 ドイツ 172 360 2.6 109.1 インド 1,095 975 5.1 10.9 韓国 335 301 2.2 10.2 インドネシア 593 919 4.8 54.8 英国 69 289 2.1 320.1 米国 216 695 3.6 221.0 米国 150 278 2.0 85.0 ベトナム 355 572 3.0 61.0 マレーシア 144 188 1.4 30.1 韓国 474 528 2.7 11.5 合計 ( その他含む ) 11,673 13,879 100.0 18.9 合計 ( その他含む ) 15,696 19,253 100.0 22.7 [ 出所 ] グローバル トレード アトラスその他 穀物輸出が昨年の 6 億 6,300 万ドルから約 13 億 3,800 万ドル ( 前年度比 101.7% 増 ) にほぼ倍増した 内訳は主にコメで 世界銀行によると 2016 年度は中国によるコメの輸入規制が響いて落ち込んだが 2017 年度は欧州等輸出先の多様化がみられた 国 地域別で輸出をみると 1 位と2 位は2016 年に引き続き中国 タイであり 上述したとおり 天然ガスの輸出によるものである 3 位はであり 昨年の5 位から上昇した 上位 3カ国で全輸出額の64.8% を占めた 一方 2016 年時点で3 位だったインドは 同国政府によるミャンマー産豆類の輸入制限が影響し 7 億 811 万ドル ( 前年度比 31.8% 減 ) に落ち込み 5 位に後退した 輸入を品目別にみると 1 位は石油 天然ガスであり 2017 年の輸入額は 35 億 7,500 万ドル ( 前年比 101.8% 増 ) と倍増した ミャンマー政府は軍事政権下の2000 年代から 外貨獲得の目的で隣国タイに 沖合で採掘される天 然ガスを供給してきた 当該供給契約は20 年超とも言われる長期契約で 現在もなお天然ガスの供給が続けられている また 2015 年からは同じく隣国の中国へも天然ガス供給を開始した 一方 経済成長に伴う国内の電力や石油製品等の需要増加を賄えるだけの資源はないため 近隣諸国から輸入することを余儀なくされている 特に シンガポール (26 億 2,804 万ドル 前年比 105.5% 増 ) マレーシア (5 億 1,473 万ドル 同 165.6% 増 ) タイ(1 億 5,780 万ドル 同 19.1% 増 ) からの輸入が目立った 2017 年に初めて輸入額が30 億ドルの大台に乗り 輸出額と匹敵する規模となった 2 位は輸送機器の21 億 400 万ドル ( 前年比 13.6% 減 ) である 同品目は主に自動車が占めている 国別でみると 中国が7 億 4,986 万ドルで1 位 前年 1 位であったは6 億 2,404 万ドルで2 位に後退した 輸入額が減少した理由として ミャンマー政府の政策によるところが大きい 政府は2017 年 11 月 国産車振興を目的に2018 年以降の右ハンドル車の輸入を原則禁止した 2012 年の中古車輸入解禁以降 の中古車は人気を博していたが 政策変更の影響を受けて前年比 30% 以上の減少となった 一方 中国からの輸入が大きく減少していないのは ヤンゴン管区政府によるバス調達が少なからず影響しているものと考えられる 2017 年 4 月 ヤンゴン管区政府は 市内バスを一新するため1,000 台超のバスを中国から購入することを決定した この決定は 正式な手続きを経ていないものとして国内で批判の声が上がったものの バスの導入自体は実行された 実際の購入額等は明らかにされていないが 総額 1 億ドル超の規模とも言われており 6 月以降市内に順次導入された 2

国 地域別に輸入をみると 1 位が中国で 61 億 1,576 万ドル ( 前年比 13.2% 増 ) 2 位がシンガポールで 29 億 3,113 万ドル ( 同 29.2% 増 ) 3 位がタイで 21 億 6,667 万ドル ( 同 9.1% 増 ) だった これら 3 カ国で輸入の 58.2% を占めた 投資企業管理局 (DICA) によると 2017 年度 (2017 年 4 月 ~2018 年 3 月 ) のミャンマー投資委員会 (MIC) が認可した対内直接投資金額は 222 件 ( 前年度 138 件 ) 57 億ドル ( 同 66 億ドル ) で 投資件数ベースでは過去最高となったものの 金額は減少した 国 地域別順位は 上位からシンガポール 中国 オランダの順となった 業種別の認可額上位をみると 製造業が136 件 17 億 6,900 万ドル 不動産開発が10 件 12 億 6,200 万ドル 運輸 通信が8 件 9 億 200 万ドルとなった 製造業に関しては 2013 年度の 18 億ドルに迫り 過去 2 番目の認可額だった なお 2016 年度の認可額のうち 3 分の1に相当する20 億ドルがベトナム通信大手ベトテルのミャンマー参入案件であったことを踏まえると こうしたスポット的な大型投資が見られなかった 2017 年度は必ずしも投資が落ち込んでいるということにはならない なお 2017 年 1 月から新投資法が施行され それまで全ての外国直接投資案件で必要であったMICの認可が一部不要となったことから 上記数値には MIC 認可を必要としない投資案件は含まれていない また DICAが公 ( 単位 : 件 100 万ドル %) 2016 年度 2017 年度 件数 金額 件数 金額 構成比 伸び率 シンガポール 27 3,821 42 2,164 37.8 43.4 中国 38 483 65 1,359 23.8 181.7 オランダ 1 5 6 534 9.3 10,578.5 6 60 12 384 6.7 535.7 韓国 11 66 14 254 4.4 282.3 香港 18 214 23 252 4.4 17.9 英国 3 54 4 211 3.7 288.8 米国 0 0 2 129 2.3 全増 タイ 10 423 11 124 2.2 70.7 サモア 1 22 1 39 0.7 75.2 合計 ( その他含む ) 138 6,650 222 5,718 100 14.0 注 年度は 4 月 ~ 翌年 3 月 ティラワ SEZ への投資を含まない 出所 ミャンマー投資企業管理局 ( 単位 : 件 100 万ドル %) 2016 年度 2017 年度 件数 金額 件数 金額 構成比伸び率 製造業 97 1,180 136 1,769 30.9 50.0 不動産開発 3 748 10 1,262 22.1 68.8 運輸 通信 14 3,081 8 902 15.8 70.7 電力 3 910 5 406 7.1 55.4 ホテル 観光業 5 404 5 177 3.1 56.2 農業 0 0 7 134 2.4 全増 工業団地 0 0 1 34 0.6 全増 畜産 水産業 4 97 10 28 0.5 71.4 鉱業 0 0 n.a. 1 0.0 全増 石油 ガス 0 0 0 0 0.0 0.0 合計 ( その他含む ) 138 6,650 222 5,718 100 14.0 注 年度は 4 月 ~ 翌年 3 月 ティラワ SEZ への投資を含まない 出所 ミャンマー投資企業管理局 業種 企業名 国籍 時期 投資額 概要 製造業 ユニリーバ オランダ 2017 年 4 月 n.a. 現地企業のEACと共同で新会社を設立し ミャンマーにおいてホーム ヘルスケア用品の製造 販売を行う 不動産 フジタ 東京建物 海外交通 都市開発事業支援機構 2017 年 8 月 約 1 億 5,080 万ドル 食品加工オカムラ食品工業 2017 年 9 月 n.a. 鉄鋼 JFE スチール JFE 商事 伊藤忠丸紅鉄鋼 阪和興業 2017 年 10 月 運輸上組 三菱商事 2017 年 12 月 コンテンツ クールジャパン機構 国際放送 海外通信 放送 郵便事業支援機構 2018 年 3 月 約 8,500 万ドル 約 6,500 万ドル 約 1,600 万ドル 食品加工フレイザー アンド ニーヴシンガポール 2018 年 3 月 n.a. 注 国籍は 本社所在地 時期は 発表又は報道された年月 出所 各社発表および報道などから作成 現地財閥大手のAyeyar Hintharと共同でプロジェクト会社を設立 ヤンゴン市中心部にて商業施設やホテルを含めた大規模複合再開発事業を開始 延べ床面積は約 9 万 2,000 平方メートル 独資にてOKAMURA TRADING MYANMAR CO.,LTD. を設立 アジア地域を中心としたすしネタ等の水産加工品の需要拡大を見込み ティラワSEZにてサーモンを主とした寿司ネタ加工を開始 シンガポールのMERANTI 社との合弁でJFE MERANTI MYANMAR Co., Ltd. を設立 ティラワSEZゾーンBにて溶融亜鉛めっきカラー鋼板の生産を開始 上組が三菱商事と現地企業の合弁であるルビア社と共同で International Bulk Terminal (Thilawa)Co., Ltd. を設立 ティラワ港での穀物 飼料などバルクターミナル事業を開始 現地財閥大手の Shwe Than Lwin グループと共同で Dream Vision Co., Ltd. を設立 コンテンツの発信事業を開始 現地財閥大手の Shwe Than Lwin グループと共同で Emerald Brewery Myanmar Ltd を設立しビール製造を開始 同社は 2015 年に当時保有していた Myanmar Brewery Limited 社の株式を全てキリンホールディングスに売却してミャンマー市場から撤退していたが 3 年ぶりの再進出 3

第 2 部 国 地域別編 表する統計にはティラワ経済特区 (SEZ) への投資件数 金額も含まれていない ティラワSEZの投資データは同管理委員会の所管であるが 同委員会は投資データの公表を行っていない このように公的統計が未整備である中で MIC の認可件数 金額が現状の唯一の手掛かりではあるものの 投資動向の全てを把握することは困難である 2018 年 8 月に施行された新会社法によって 外資比率が35% 以下の企業は 内資企業として扱われることになった これを受けミャンマー証券取引所では 外国投資家による株式売買を可能にしようとしており こうした動きが広まれば 証券市場を通じた外国投資も増加するものと予想される これに対応するためには国際収支統計に準拠した統計制度が不可欠で ミャンマー政府もその必要性 重要性を認識して現在その整備を急いでいる DICAの統計によると からの投資は 3 億 8,411 万ドル ( 前年度比 535.7% 増 ) で 過去最高を記録した 上組による三菱商事とミャンマー企業の合弁会社と共同でのティラワ港での穀物 飼料などバルク貨物取扱いを主とするターミナル事業会社設立や クールジャパン機構や海外通信 放送 郵便事業支援機構などが出資する番組制作会社 ( ドリームビジョンカンパニー ) の設立などの大型案件が影響している 一方 の国別順位は4 位にとどまっている その理由として 企業の投資の多くがシンガポールを経由しているからである この背景には 地域統括拠点からの投資が一般化し 税制面で有利なシンガポールからの投資が選好されていることや と比べシンガポールの方が物理的な距離が近く管理しやすいことなどが挙 げられる DICAジャパンデスクがこうした第三国経由の投資を集計したところ 約 8 億 5,500 万ドルに上ることが判明し そのほとんどがシンガポール経由であった シンガポールの投資額 (21 億 6,396 万ドル ) から同金額を差し引き からの投資額に加えると 両国の投資額はほぼ同水準となる また上述のとおり DICAの統計にはティラワSEZへの投資は含まれていない DICA ジャパンデスクが集計したところ 同 SEZへのからの直接投資は1 億 4,800 万ドル ( 前年度比 252.4% 増 ) 第三国経由の投資は9,100 万ドル ( 同 411.1% 増 ) であり 2014 年の開設以来最高水準を記録した 同 SEZへの企業進出は依然活発であり 2015 年に開業したゾーンA(405ヘクタール ) はほぼ完売し 2017 年 2 月にはゾーンBの開発工事が着工した JFEスチールはシンガポール企業との合弁により ゾーンBで亜鉛溶融メッキ工場の設立を決定した 大量かつ安定的な電力を必要とする工程であるが 同 SEZでの電力供給の安定性を評価したものである オカムラ食品工業は サーモンを中心としたすしネタなどの生食加工工場の設立を決めた 2018 年 8 月時点で 同 SEZの開発会社との間で土地契約を締結した企業は93 社 ( ゾーンA: 83 社 ゾーンB:10 社 ) であり 日系企業は約半数の48 社となっている このようにDICA 公表の投資額に 第三国経由の投資やティラワSEZへの投資を全て追加すると14 億 7,800 万ドルとなり 実際には公表値の4 倍近くに上る投資が認可されている ミャンマー商工会議所 (JCCM) に所属する会員企業数は 2018 年 7 月時点で381 社となった 建設 流通 工業分野の会員数が8 割超を占めている 2017 年のミャンマーの対日輸出は 9 億 300 万ドル ( 前 金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率 衣類 ( 布帛製品 ) 476 553 61.2 16.0 輸送機械 992 624 59.2 37.1 履物 58 102 11.3 74.8 一般機械 108 147 13.9 36.1 衣類 ( ニット製品 ) 20 92 10.2 357.5 電気機械 26 35 3.3 31.9 魚介類 22 27 3.0 19.9 鉄鋼製品 5 29 2.8 499.1 食用の野菜 根など 16 20 2.3 25.0 特殊品目 7 28 2.6 320.4 電気機械 6 18 2.0 206.9 プラスチック製品 4 24 2.3 466.1 ゴム製品 6 16 1.7 154.9 医療機器など 11 24 2.3 116.2 採油用種および果実 14 15 1.6 2.4 鉄鋼 17 22 2.1 30.9 革製品 1 8 0.9 993.0 人造繊維の短繊維 織物 25 15 1.5 39.6 一般機械 5 7 0.7 42.7 革製品 1 10 1.0 1,653.6 合計 ( その他含む ) 663 903 100 36.1 合計 ( その他含む ) 1,255 1,055 100 15.9 出所 グローバル トレード アトラス 4

年比 36.1% 増 ) 輸入は 10 億 5,500 万ドル ( 同 15.9% 減 ) だった 対日貿易赤字額は1 億 5,200 万ドルで 6 年連続の赤字となったものの 赤字幅は2016 年の 5 億 9,200 万ドルから減少した 品目別でみると 輸出は 衣類 履物が全体の82% を占めた いずれもCMP 制度を活用した委託加工で 衣類 ( 布帛製品 )5 億 5,300 万ドル ( 前年比 16.0% 増 ) 履物 1 億 200 万ドル ( 同 74.8% 増 ) 衣類( ニット製品 )9,200 万ドル ( 同 357.5% 増 ) だった 輸入は 輸送機械 ( 乗用車 トラックなど ) が 6 億 2,400 万ドル ( 同 37.1% 減 ) 一般機械 ( 建設機械など ) が 1 億 4,700 万ドル ( 同 36.1% 増 ) となった 右ハンドル車の原則輸入禁止に伴い輸送機械の輸入が減少した一方 インフラ需要の高まりを踏まえてリースを中心に建機関連企業の進出は増加しており こうした傾向を反映した結果と考えられる 2016 年 3 月にアウンサンスーチー国家顧問率いる NLD 政権が発足してから約 2 年半が経過した 2017 年の経済は復調気味だが 依然としてハード ソフトのインフラ整備や国内の少数民族和平など多くの課題を抱えている こうした中で2018 年 5 月 政府は貿易業の外資開放を決定 ミャンマーへの投資を再度活性化させる起爆剤となることが期待される ミャンマーでは現在 農林水産物を除き 生産財から一般消費財に至るまで輸入に頼らざるを得ない状況だ しかし 従来は資金力や競争力の乏しいローカル企業が貿易業を独占しており 経済的に非効率な状況に陥っていた 政府は こうした状況を打開すべく 国内産業界からの反対を押し切って規制緩和に踏み切った 今後 卸 小売り分野への新たな外国投資が期待できるほか 国内製造業に対する部品供給や農林水産物の輸出などの局面でも 競争が発生しやすい環境になることが予想される 外交面ではラカイン州の人権問題がマクロ経済に影響を与えることを懸念する声もあるが 2018 年上半期の時点では同問題が経済に与える影響は局所的である 5