Microsoft PowerPoint - 帯広畜産大201301

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福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

降下物中の 放射性物質 セシウムとヨウ素の降下量 福島県の経時変化 単位 MBq/km2/月 福島県双葉郡 I-131 Cs Cs-137 3 8,000,000 環境モニタリング 6,000,000 4,000,000 2,000,000 0 震災の影響等により 測定時期が2011年7

福島原発事故はチェルノブイリ事故と比べて ほんとうに被害は小さいの?

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(1) 補助事業の内容 2017 年 4 月に避難指示が大部分の地区で解除された福島県飯舘村だが 生活面での不安から依然として避難者は多い 定住判断を保留しつつも避難先から飯舘村へ通って農業を再開している ( 通勤農業を実施している ) 人がいる 通勤農業では 圃場近くに滞在していないため 急激な天

(審31)資料5-1 住民意向調査の結果及び住民帰還等に向けた取組について


学んで、考えてみよう 除染・放射線のこと 使い方

福島原発とつくばの放射線量計測


目次 Ⅰ. 監視測定設備 3 Ⅱ. 監視測定等に関する手順 9

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平成 24 年 11 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁福島県大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 全世帯主 ( 分散避難している場合は それぞれの代表者 ) 5,378 世帯 2. 調査時期 : 平成 24 年 9 月 7 日 ( 金 )~9 月 24 日 ( 月 )

資料 3 前回の小委員会の振り返りについて 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 事務局

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平成 30 年 3 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁 福島県 大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 世帯の代表者 (5,218 世帯 ) 2. 調査時期 : 平成 30 年 1 月 4 日 ~1 月 18 日 3. 調査方法 : 郵送配布 郵送回収 4. 回答者数 :

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資料2

飯舘村までいな復興計画.pptx

いて一市町村当たり2 箇所の計 18 箇所で それぞれ実施してきています これまでの調査の結果 環境放射線量 ( 空間線量率 ) は 調査開始時の平成 26 年度から平成 29 年度までの変化率の平均は 44.5% となっています 計算により求められる物理学的減衰による低減率 35.1% と比較する

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技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 資料第 1 号 原子力発電所の 事故リスクコスト試算の考え方 原子力発電 核燃料サイクル技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 平成 23 年 10 月 13 日 内閣府原子力政策担当室

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IAEA Report DOC

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第 2 日 放射性廃棄物処分と環境 A21 A22 A23 A24 A25 A26 放射性廃棄物処分と環境 A27 A28 A29 A30 バックエンド部会 第 38 回全体会議 休 憩 放射性廃棄物処分と環境 A31 A32 A33 A34 放射性廃棄物処分と環境 A35 A36 A37 A38

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A23 A24 A25 A26 A27 A28 A38 A39 燃料再処理 A40 A41 A42 A43 第 3 日 休 憩 総合講演 報告 3 日本型性能保証システム 燃料再処理 A29 A30 A31 A32 A33 A34 A35 燃料再処理 A36 A37 燃料再処理 A44 A45 A4

2 号機及び 3 号機 PCV - 分析内容 原子炉格納容器 (PCV) 内部調査 (2 号機平成 25 年 8 月 3 号機平成 27 年 10 月 ) にて採取された (LI-2RB5-1~2 LI-3RB5-1~2) を試料として 以下の核種を分析した 3 H, Co, 90 Sr, 94 N

飯舘村佐須地区の住民の皆様へ

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日程表 mcd

復興大臣 竹下亘様 要望書 平成 27 年 1 月 29 日 福島県南相馬市長桜井勝延

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福島県内の災害廃棄物の処理の方針

1 海水 (1) 平成 30 年 2 月の放射性セシウム 海水の放射性セシウム濃度 (Cs )(BqL) 平成 30 年 平成 29 年 4 月 ~ 平成 30 年 1 月 平成 25 ~28 年度 ~0.073 ~ ~0.

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愛する飯舘村を還せプロジェクト 負げねど飯舘!! 活動支援金ご協力のお願い これまで 子どもたちのために と 皆さまからお預かりしている支援金は 避難 ( 計画的避難の早期完了 ) や健康管理を含め 未来ある子どもたちを守るための活動に大切に使わせていただきます 今後計画的避難が進むにつれて 私たち

飯舘村佐須地区の住民の皆様へ

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1 調査概要調査手法 : 各県 300 票インターネットによるモニター調査調査時期 :2018 年 12 月 7 日 ~10 日調査対象 : 300 票宮城県 茨城県 東京都 大阪府各 300 票調査方法 : 合計 1500 票の調査を実施抽出方法 : 年層 (20 代 ~60 代 ) 男女割当法

「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針第二次追補(政府による避難区域等の見直し等に係る損害について)」

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東京電力原発事故による 「みやぎの農畜産物」への 影響とその対策

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平成24年度農研機構シンポジウム資料|牛肉における放射性セシウムの飼料からの移行について

福島県相馬市における 除染事例

() 実験 Ⅱ. 太陽の寿命を計算する 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める 太陽の放出エネルギーの起源は, 水素の原子核 4 個が核融合しヘリウムになるときのエネルギーと仮定し, 質量とエネルギーの等価性から 回の核融合で放出される全放射エネルギーを求める 3.から

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資 料 食品中の放射性物質の最近の検出状況 平成 30 年 10 月 消費者庁食品安全委員会厚生労働省農林水産省 目次 1 農林水産物の放射性物質対策 2~ 8 2 検査の仕組み 9~15 3 検査の結果 16~25 1

土壌から作物への放射性物質の移行(塚田祥文)

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等価線量

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< 委託業務説明書 > 1 平成 20 年度事業実施において明らかとなった課題当初企画 予定していたとおり市民に使用しやすく 親しみが持て かつ利用価値が高い食育推進に資するポータルサイトの構築に努めてきた 食育情報の発信については 簡単に行うことができるようブログを活用した情報発信の仕組みの構築を

特定復興再生拠点区域復興再生計画 市町村名福島県飯舘村地区名長泥地区面積約 186 ha 区域長泥字長泥 長泥字曲田 1. 特定復興再生拠点区域 - 区域の範囲 予定する土地利用 特定復興再生拠点区域図 区域内の土地利用 関係規定 : 法第 17 条の2 第 1 項 第 2 項第 1 4 号復興庁令

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第49回)

( 注 )(1) 1 の 2 の施策を推進するために必要な 農地の確保の方針 は 市町村全体における農業の健全な発展に向けた農地の確保の取り組みについて記載する (2) 農地の利用の方針 は 農業 農村の復興マスタープラン及び復興関連施策の事業計画 工程表等を踏まえ 被災農地の復旧 復興による農地の

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福島第一発電所構内で採取した建屋内瓦礫の放射能分析

仮設焼却施設の運転状況(11月4日~12月26日)

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原子力損害賠償の進捗状況について < 原子力損害賠償のご請求 お支払い等実績 > ご請求について 個人 年 7 月 13 日現在 法人 個人事業主など ご請求書受付件数 ( 延べ件数 ) 約 2,375,000 件約 481,000 件 本賠償の状況について 本賠償の件数 ( 延べ件数

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第二回の伊達ダイアログセミナーは 2012 年 2 月 25 日と 26 日の両日にわたり 伊達市 保原市民センターと保原スカイパレスで開催された この会合の目的は 福島の放射線の 状況の改善について討論し その障害になる問題点を明らかにし 市民の生活を改善する 道をさぐることであった 参加者は 人

中間指針第四次追補に関するQ&A集

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リスク工学グループ演習

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資料第10-1-1号 :文部科学省によるプルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について

福島県の全量全袋検査の取組みについて(0120ver)

文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )

Commissariat à l’énergie atomique

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資料 1-4 廃棄物対策に関わる対応状況について 資料 福島第一原子力発電所固体廃棄物の保管管理計画 ~2018 年度改訂について~ 2018 年 8 月 23 日 東京電力ホールディングス株式会社

テーマ 福島の今を考える 課題 今なお3万人が避難したままの福島の一次産業の今は メディアの情報とフ ィールドで体感される情報との差異は 現状に対する私たちの認識がどう変わるか 解決策 この社会的な問題を理解するためにどのようなコミュニケーションや情報 伝達が必要か 福島の被災地を実際に訪れて 一次

東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故直後の平成 23 年 3 月 17 日には 原子力安全委員会の示した指標値を暫定規制値として設定し 対応を行ってきました 平成 24 年 4 月 1 日からは 厚生労働省薬事 食品衛生審議会などでの議論を踏まえて設定した基準値に基づき対応を行っています 食品

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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4 農林業 経営耕地面積割合 ( 農家数 ) ( 平成 27 年 ) 畑 63.4% (171 戸 ) 田 11.3% (53 戸 ) 樹園地 25.3% (102 戸 )

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

Transcription:

飯館村 農業再生の試みから 2013 年 1 月 11 日飯舘村菅野宗夫

四季折々 - 自然豊かな飯舘村 春夏秋冬 自然の恵みの中で生命を育む暮らし 産業 米作畜産 ( 飯舘牛 )

東京電力福島第一原子力発電所の事故

汚染されてしまった土壌 セシウム 137 による汚染状況 飯舘村の汚染はおよそ 30,000Bq/m 2 ~1,000,000Bq/m 2 村へ帰ることはできるのか? 農業を再開できるのか? セシウム 137 の各種分析結果 ( 文科省による調査結果 2012 年 3 月 1 日時点 ) http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/7000/6213/24/338_0912_18_rev0914.pdf

農業再生のために越えなければならない壁 安全な食品の生産農業従事者の使命事故前の実践はすべて破壊された - 自然農法による米作り - 畜産 ( 飯舘牛 ) 野菜 ( 高原野菜 ) 手作り豆腐などの多角化 消費者の不安福島産農産物の信用喪失 福島産 というだけで避けられる 汚染された福島 で農業生産することにさえ一部に反感 どうすれば乗り越えられるのか?

誰をたよればよいのか? 飯舘村は避難指示区域計画的避難区域 (2011 年 4 月 ) 3 区分に再編成 (2012 年 7 月 ) 帰還困難区域 ( 推定年間 50mSv 超 ) 居住制限区域 ( 推定年間 20mSv~50mSv) 避難指示解除準備区域 ( 推定年間 20mSv 以下 ) 村内での活動には制限 除染は国の責任で行う 賠償は不確定 専門的な知識が必要 被災者自身が手を出せない状況

それでも被災者自らができることはあるはず - 生命 ( いのち ) 生きることの大切さ - 生きがいを求めて - 自然との共生を取り戻すために チャレンジするしかない - 国への訴え - 行政だけではできないこと - 世界の叡智を集めて今できること 今しかできないこと - 暗く汚れたイメージから 困難を乗り越える希望のメッセージへ

ふくしま再生の会 との出会い 2011 年 6 月 田尾陽一氏 ( 東大物理出身 元セコム取締役 現在 ふくしま再生の会 代表 ) を中心に 15 名ほどのグループが来訪 支援の申し出を受ける 福島第一原子力発電所の事故は 明確な人災である原子力発電所はそもそも事故を収束させる技術を当然持っているべきである村民が帰村して安心して農業を営み生活できる施策を打つべきである福島だけの問題ではなく世界の問題である得られたデータをすべて再生のために行政へ提供し提言を行う という主張で合意 避難中の留守宅 農地 山林などを使って調査と実験を行っていくことを確認 グループは ふくしま再生の会 として発足 協働が始まった

ふくしま再生の会 とは 目的原子力災害によって破壊された被災地域の生活と産業の再生 運営ボランティアによる運営 資金は 会費と寄付 2012 年 7 月に NPO 法人化 個人会員 200 名 団体会員 4 団体 (2012 年 12 月 ) 複数の研究機関 大学研究室と協力している 活動指針 被災現地において 被災者と協働して 現在の主な活動内容 放射線計測と放射能分析 除染実験 ( 住居 農地 山林 ) 農業再生のための計測と実験 世界へ情報発信 被災者のケア

チャレンジ 1: 汚染の実態を正確に知る 行政情報への不信感 専門家 への不信感 ふくしま再生の会を通じて 専門家ボランティアによる継続的な協力 高エネルギー加速器研究機構の研究者 東京大学農学部教授 明治大学農学部教授 企業の開発者 研究者 各種職業経験者 ( シニア ) ボランティア 自分たちで測る

放射線モニターの開発 GPS と線量計を内蔵し 位置と線量を自動的に記録できる 効率的に詳細な線量マップを作成できる 携帯型なので 農地 住宅 山林など 徒歩で入れるところであれば測定できる

高感度モニター用データロガーの開発 GPS を内蔵 高性能線量計に取り付けて位置と線量を記録できる 高感度なので短時間で詳細な線量マップを作成できる

線量マップの作成 村民自身が測定し 詳細な線量マップを作成 汚染の実態を把握する 村民が 国による測定データの検証 除染の計画と効果検証 帰村などの将来計画に使用する

線量の定点観測 (1) 村内 6 か所に設置今後増設予定 気象データ ( 雨量 風向 風速 気温 地中温度 ) と線量データを記録 G3 回線経由で定期的にサーバーに送信 太陽光パネルで電力供給

線量の定点観測 (2) 村内 4 か所と南相馬市に設置 高感度 GM 管モニターで線量を測定 線量データを G3 回線で 5 分ごとにサーバーに送信 Web で公開

大気中の塵 ( エアロゾル ) の放射能測定 試料番号試料採取日時 ( 開始 - 終了 ) 流量 (m 3 大気中濃度 (Bq/m 3 ) ) Cs-134 Cs-137 合計 No.1 Mar.20 14:10 - Mar. 31 11:46 7847.6 0.000328 0.000484 0.000812 No.2 Mar.31 11:50 - Apr.8 17:28 5926.2 0.00165 0.00233 0.00398 No.3 Apr. 8 17:40 - Apr. 14 11:00 4122.2 0.0005 0.000697 0.0012 ハイボリューム エアサンプラーでエアロゾルの放射能を継続的に測定 ( 現在も継続中 )

農地の土壌放射能分析 村内 20 か所の農地の土壌をサンプリングし 深さ 2cm ごとに切断し放射能を測定

継続的な測定体制のための組織化 行政 ボランティアが測定したデータをデータベース化 詳細な線量マップ 線量の定点観測データ 土壌の放射能データ 作物の放射能データ専門家によるデータ監修 信頼できる情報センター 近い将来には 村民が主体となって測定 データ管理を担っていけるように 村民による合同会社を設立 合同会社いいたて協働社

イノシシ プロジェクト 全村避難で無人となった村ではサル イノシシが増えているイノシシは農地を荒らし 農地除染を困難にしているチェルノブイリ後のヨーロッパではイノシシの汚染は継続していると言われている イノシシを捕獲 解剖 部位ごとに放射能測定 ( 東大農学部協力 ) 今後継続して測定していく予定

イノシシのセシウム測定結果 臓器別のセシウム濃度筋肉からは 15,000Bq/kg 程度のセシウムを検出 イノシシから学ぶべきことは?

チャレンジ 2: ふるさとと農地を取り戻す 国による除染への不安除染結果の評価 検証が必要国の除染の後にも継続的な除染が必要 地元の農民の知恵と技術 と 専門家の知識と理論 を融合 自分でできる除染法の開発 研究者と村民が議論して方法を検討し 実践によって検証する

農地の除染実験 (1) 農地に水を引き入れ 表層 5cm 程度を泥水状にして洗い流す

農地の除染実験 (2) パワーショベルにより表層 5cm の土をはがす

農地の除染実験 (3) 表層 5cm の土壌が凍結したときに これをはぎとり 埋設する

除染土壌の処理 洗い流した泥水を溝に蓄積しておき 干上がった後に溝の底と側面の土壌をサンプリングして深度別に放射能測定した結果 セシウムは土の中に浸みこまない

山林の除染 広葉樹林の落ち葉を掃き出す除染実験 (2011 年 11 月 ) 左 : 地上 100 cm (μsv/h) 右 : 地面 (count/min)

住居の除染 上左 : 裏庭の林が住居の線量に影響を与えていると思われる上右 : 裏庭の林の枝打ち下右 : 裏庭の排水路の整備

遮蔽による線量低減実験 上左 : 水タンクによる遮蔽試験上右 : コンクリート壁による遮蔽試験下右 : 水田湛水による遮蔽試験

チャレンジ 3: 農業の再生 安全な農産物を生産するためのデータ収集放置すれば農地としての再生が困難に - イネの試験栽培 - さつまいもの試験栽培 農業再開のための準備 飯舘村は避難指示区域で 米の作付け禁止実験のための作付けも認められなかった 粘り強い交渉の末に つくばの農研機構との研究協定により作付け実現

イネの試験作付 ボランティアによる田植え都会のボランティアが手植えを経験 田植えを祝う宴

イネへのセシウムの移行 160 140 玄米 白米 ぬかの放射性セシウム 玄米 A: ていねいな除染実施 B: 除染実施 C: 除染実施 D: 除染実施せず 放射性セシウム (Bq/kg) 120 100 80 60 40 20 白米ぬか K: カリウム施肥 0 A AK B BK C1 C1K C2 C2K D DK IABC 玄米ではいずれも 40Bq/kg 未満白米ではいずれも 10Bq/kg 未満

チャレンジ 4: 世界へ伝える 福島の事故は世界の問題 - 原子力発電は世界中に - 環境に放出された放射能は世界に拡散 福島の現実はメディアを通じてはなかなか伝わらない - 世界中でいまの福島にしかない現実 - 忘れられ風化していく -ICT( 情報通信技術 ) を使えば世界に発信できる ICT と人のネットワークで発信

情報通信技術 (ICT) の活用 Skype を使った避難者の健康相談 Skype と Ustream で 工学院大学 ( 東京 )= 立命館大学 ( 京都 )= 飯舘村をつなぎ在日留学生と討論会

報告会の開催 東京で 飯舘村村民とふくしまの再生を語ろう を開催 Ustream で中継 ( 延べ 6,000 人以上が視聴 )

スウェーデン視察団 スウェーデンはチェルノブイリ被災国災害対策専門の調査団が来訪 スウェーデン大使館からふくしま再生の会へ直接に依頼があり 村内の視察をコーディネート

支援活動の広がり 東大農学部では 職員有志がボランティアに参加したり 学内サークルで支援活動 - 測定試料作りなど - を行っている 東大 明大の学生が飯舘村を訪問し見学した後 東京で報告会を開くなどの活動を始めている 見学に参加した留学生は ホームページの翻訳ボランティアに参加している

まとめ 研究者 学生のみなさん そして大学への メッセージ

まとめ ( 溝口勝教授 - ふくしま再生の会会員 - による ) まずは現場を見ることが大切現場にあった総合的な技術の適用を考える 老若男女 地域 組織を越えた 協働 農家の知恵の中にヒントがある自分にできることを持ち寄るあらゆる人材 知識を総動員する 一刻も早い行動考えながら走る! 走りながら考える!! 組織や制度に囚われないで柔軟に対応する研究者の役割が問われている

まとめ組織と個人 ( 溝口勝教授 ) 東京大学 社会 大学院農学生命科学研究科 ふくしま再生の会 福島復興農業工学会議 サークルまでい 溝口 国立大学法人 団体会員 NPO ボランティア組織 平日 : 大学人 週末 : ふくしま再生の会

まとめ協働による再生への道 基盤となる公共サービス大規模なプロジェクトビジョンとリーダーシップ 行政 ( 国 県 村 ) 協働 大学 研究機関専門家 ボランティア 村民 本来持っている自立再生への力地元環境についての経験 知識 技術伝統 文化 知恵 専門知識 技術 職業経験 人脈 広い視野多様な層の参加による活力柔軟な対応 きめ細かいケア