年の 平均賃料 総合 は公表されていない 5 推計売上高は 賃料と売上高対賃料比率から推計したもの 年以降のサービス店舗の売上高対賃料比率は 公表されていない 1) 年々 上昇傾向にあった物販店舗の平均賃料は が2008 年をピークに また飲食店舗及びサービス店舗は 20

Similar documents
平成20年度内部評価実施結果報告書《本編》

untitled

-2-

<4D F736F F D F4390B3817A4D42418C6F896390ED97AA8D758B60985E814091E63289F AE8E9197BF E646F63>


市街地再開発事業による社会的便益の分析

01-11_20-22.indd

1.UR 都市機構における再開発共同事業者エントリー制度の概要 1 参考資料 1

磐田市水道事業ビジョン

CONTENTS

1 1,200m ,482,620m 1 323,825m 1 205,988m 114,988m 60,000m 31,000m ,837m ,158,795m ,340m 1 48,006m 1 33,016m 1,125m

5 この施策に係る事務事業 ( 重要度 貢献度順 ) 番号 事務事業名 魅力個店づくり整備促進事業 歳出決算額 ( 千円 ) 施策への関連性 目的に対する指標 年度目標値 年度実績値 推移 区内の既存個店や出店希望 22 者が行う 魅力的な店舗づ 809 くりを支援することで 魅 力個店の集積を図る

4-2 地域の課題人口の減少により 町内では老朽化した空き家 空き店舗が随所に見られるようになっており 平成 28 年 3 月に町内を調査したところ 空き家 空き店舗と思われる建物が 159 軒存在していることが判明した 特に 商店街 公共機関 医療機関等が近接する利便性の高い中心市街地における空き

第1章フランチャイズビジネスの基礎知識

4-(1)-ウ①

27

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017


<4D F736F F D208FA48BC68E7B90DD938A8E91837D815B E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

第 6 章資金計画 1. 新庁舎整備経費 2. 現庁舎地の資産活用 3. 新庁舎整備の事業収支 ( 概算 ) 4. 現庁舎地周辺再整備経費

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

官民連携事業(PPP)導入

目的 第 3 次産業活動指数の内訳大分類業種系列である情報通信業の季節調整済指数に特殊な動きが生じており 季節調整済指数の評価に注意を要する事態が生じている そこで 季節調整期間を長くしてモデルを再検討したり 様々な季節調整方法 (Decomp や X-13 ARIMA-SEATS) を試しつつ 公

数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

スライド 1

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

リクルート住宅価格指数マンスリーレポート2009年01月号

2 オフィスの投資対象について 従前は中規模以上 ( 延床面積 1,000 m2以上かつ基準階 (2 階以上の階で当該建物のうち標準的なフロア ) 専有面積が 150 m2以上を指します ) のオフィスビルに限定していましたが 都心 6 区に所在するオフィスビルについては 例外的に中規模以上であるこ

2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも


技術流出防止指針公表用.PDF

0ミ0、0・タ

柏駅西口北地区まちづくり

(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

< F2D AD97DF8E73837D834E838D838C837C815B B2E767364>

リクルート住宅価格指数マンスリーレポート2007年11月号

Research Report by Shared Research Inc. 四半期事業セグメント 事業セグメント ( 四半期累計 ) ( 百万円 ) 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 売上高 2,866 5,897

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

2017年度第1四半期決算説明会

リクルート住宅価格指数マンスリーレポート9月号

リクルート住宅価格指数マンスリーレポート2006年5月号(訂正版)

untitled

インベスコ オフィス ジェイリート投資法人 (3298) 平成 30 年 1 月 29 日付 投資口分割 規約の一部変更及び平成 30 年 4 月期 ( 第 8 期 ) の 1 口当たり分配金の予想の修正に関するお知らせ 補足資料 インベスコ グローバル リアルエステート アジアパシフィック インク

熊本商工会議所 製本第四四半期(HP用)

Microsoft PowerPoint - M1001_1_ ppt [互換モード]

四半期事業セグメント 事業セグメント ( 四半期累計 ) ( 百万円 ) 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 売上高 2,866 5,897 8,705 11,352 3,019 6,323 9,245 12,311 前期比 -72.9% 6.8% 8.0% 7.

目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向 6 (3) 国民

はじめに マーケティング を学習する背景 マーケティング を学習する目的 1. マーケティングの基本的な手法を学習する 2. 競争戦略の基礎を学習する 3. マーケティングの手法を実務で活用できるものとする 4. ケース メソッドを通じて 現状分析 戦略立案 意思決定 の能力を向上させる 4 本講座

Kumagai09-hi-2.indd

決算説明会プレゼンストーリー案の検討

物件取得プレス

直近 13 カ月空室率推移 調査月 千代田区 7.50% 7.01% 6.60% 6.64% 6.48% 6.

Microsoft Word - PPPPFI手法導入における優先的検討に係る指針

平成 27 年度宮津まちづくり会議事業報告について 資料 1 1 会議等の開催 (1) 宮津まちづくり会議の開催日時第 9 回宮津まちづくり会議 平成 27 年 6 月 16 日 ( 火 ) 臨時宮津まちづくり会議 平成 27 年 8 月 4 日 ( 火 ) 第 10 回宮津まちづくり会議 平成 2

I. 調査結果概況 景気判断 DI( 現状判断 ) は小幅に上昇し最高値を更新 仕入原価高止まりも客単価が上昇 10 月スーパーマーケット中核店舗における景気判断 49.1 と小幅に上昇し 2010 年 4 月の調査開始以降最高値を記録した 経営動向調査によると売上高 DI が 1.1 とはじめてプ

目次 平成 25 年 3 月期決算概要 1 業績概要 4 2 平成 25 年 3 月期の課題と取組み 5 3 経営成績 6 4 業績推移 7 5 売上高四半期推移 8 6 事業別業績推移 ( ソフトウェア開発事業 ) 9 7 事業別業績推移 ( 入力データ作成事業 ) 10 8 業種別売上比率 (

( 参考様式 1) ( 新 ) 事業計画書 1 事業名 : 2 補助事業者名 : 3 事業実施主体名 : Ⅰ 事業計画 1 事業計画期間 : 年 月 ~ 年 月 記載要領 事業計画期間とは 補助事業の開始から事業計画で掲げる目標を達成するまでに要する期間とし その期限は事業実施年 度の翌年度から 3

年金制度のポイント

情報ビジネス NO10 1. 旅行業界の e ビジネス 旅行業界の e ビジネス 2012 年 12 月 11 日 後保範 目的 : 一般的な e ビジネスを学んできた 一つの業界 ( 旅行 ) を詳しく見てみる 旅行業界の e ビジネスの全体像を示す 業界の中での戦略 連携を体系的に学ぶ 旅行業界

新規文書1

シニア層の健康志向に支えられるフィットネスクラブ

2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

リクルート住宅価格指数マンスリーレポート<2005年2月号>

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

図 1 小松市の産業の付加価値額 ( 中分類 )(2012 年 ) 図 2 は 石川県と福井県の繊維工業の取引関係を 見える化 したものです これより 両県の繊維工業の企業間取引は 県境を越えてなされていることがわかります このように 行政区域を越えた産業の広がりやサプライチェーンを把握することで

第1章

地域再生計画 1 地域再生計画の名称 鹿嶋市鹿島神宮周辺地区地域再生計画 2 地域再生計画の作成主体の名称 鹿嶋市 3 地域再生計画の区域 鹿嶋市の区域の一部 ( 鹿島神宮周辺地区 ) 4 地域再生計画の目標 4-1 地方創生の実現における構造的な課題 1 後継者不足の問題や商売としての魅力不足によ

コーエーテクモグループ 2009年3月期 決算説明会

域 ) 域 ) 百万円 ) 百万円 ) の空き の空き 家 空き 家 空き 店舗を利 店舗を利 用したリ 用したリ ノベーシ ノベーシ ョン件数 ョン件数 件 ) 件 ) 居住人口 32,

平成 31 年地価公示動向 沖縄県 公益社団法人沖縄県不動産鑑定士協会 ニライカナイ アセッツ コンサルティング株式会社 髙平光一 1. 県内景気動向日本銀行那覇支店によると 県内景気は 全体として拡大している 個人消費は堅調に推移している 観光は好調に推移している 公共投資は底堅く推移している 設

Microsoft PowerPoint アンケート調査

平成24年度 業務概況書

<4D F736F F F696E74202D E31328C8E8AFA91E6328E6C94BC8AFA8C888E5A95E291AB8E9197BF5F >

211 年 2 月 25 日発行 TVI( タス空室インデックス )( 過去 2 年推移 ) ポイント 全域 23 区市部神奈川県埼玉県千葉県 年月 東京都全域 23 区市部 神奈川県 埼玉県 千葉県 29 年 1 月

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

経営指標の概要 ( 電気事業 ) 1. 経営の状況 ( 電気事業全体で算出 ) 算出式 ( 法適用事業 ) 算出式 ( 法非適用事業 ) 1 経常収支比率 (%) 1 収益的収支比率 (%) 指標の意味 経常収益 100 経常費用 総収益 100 総費用 + 地方債償還金 法適用企業に用いる経常収支

2014 中期経営計画総括 (2012 年度 ~2014 年度 )

直近 13 カ月空室率推移 調査月 千代田区 6.48% 6.46% 6.20% 6.15% 6.52% 6.2

02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

Microsoft PowerPoint - 08economics4_2.ppt

県産材の需要拡大の推進について(枠組み)

平成 21 年第 1 回 ( 平成 21 年 2 月 1 日実施 ) 鳥取県企業経営者見通し調査報告 目次ヘ ーシ 御利用にあたって 1 1 業界の景気判断 3 2 自己企業の売上高判断 5 3 自己企業の経常利益判断 7 4 生産数量の判断 9 5 在庫水準の判断 10 6 生産設備の規模判断 1

< F2D E738BC794B A C8892E >

<8ED089EF8E91967B90AE94F5918D8D878CF095748BE0955D89BF88CF88F589EF2E786477>


CHIBA KOGYO BANK REPORT Contents Profile 01 CHIBA KOGYO BANK REPORT 2016

2018 年 ( 平成 30 年 )12 期 第 3 四半期累計 ( ) 連結決算の概要 花王株式会社 2018 年 10 24

スライド 1

スライド 1

我が国中小企業の課題と対応策

スライド 1

CW6_A3657D13.indd

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

年 4 月期関西圏 中京圏賃貸住宅指標 大阪府京都府兵庫県愛知県静岡県 空室率 TVI( ポイント ) 募集期間 ( ヶ月 ) 更新確率 (%)

Transcription:

第四回 日本の SC の業種による賃料 から 市街地再開発ビルのマネジメント問題等を考える これまでに 第一回は 日本のSCの賃料 共益費の推移と動向 第二回は 日本のS Cの立地による賃料 共益費 第三回は 日本のSCの規模による賃料 共益費 から市街地再開発ビルのマネジメント問題等を考えてきた 今回は 日本のSCの業種による賃料 から市街地再開発ビルのマネジメント問題等を考えることとする 1.SCの業種別賃料等の概要 (1) 業種別賃料等の推移 ( 一社 ) 日本ショッピングセンター協会の業種別賃料調査による賃料の推移及び売上高対 賃料比率等の推移は下表の通りである また これらの数値から業種別に各年度の平均売上高を推計した 業種別賃料比率及び推計売上高 平均賃料推計売上高売上高対賃料比率年度 ( 円 / 坪 月 ) ( 千円 / 坪 月 ) 物販 飲食 サーヒ ス 物販 飲食 サーヒ ス 物販 飲食 サーヒ ス 2003 年 20,352 19,450 13,198 5.66 9.39 9.60 359 207 137 2004 年 20,169 20,043 12,102 8.55 10.02 8.81 236 196 140 2005 年 22,973 20,373 12,332 9.26 10.50 10.0 248 194 123 2006 年 22,911 20,143 12,249 10.12 12.37 12.68 226 165 97 2007 年 24,159 21,117 13.159 9.63 10.74 12.18 251 197 108 2008 年 24,476 20,503 12,055 10.53 11.52 10.60 232 178 114 2009 年 21,698 20,248 10,632 11.19 12.15 11.96 194 167 89 2010 年 19,177 19,916 10,510 9.93 10.42 10.04 184 191 105 2011 年 17,831 19,161 10,007 9,67 10.76-184 178-34,542 25,723 12,853 13.17 13.69-262 188-2012 年 21,811 18,613 16,019 12.29 11.10-177 168-34,491 26.699 15,990 13.23 11.05-261 241-2013 年 18,265 19,782 10,955 10.63 11.22-172 176-28,260 24,715 13,226 12.90 13.46-219 184 - ( 注 )1 調査は 前年の賃料の実績調査である 2 賃料欄等の 平均賃料 とは 立地 規模 ビルの形態別等の総平均のことで ある 3 2011 年以降の統計数値の上段は 賃料と共益費を別建てで徴収しているSC の数値である 下段は 賃料と共益費を一本化して徴収しているSCの数値で ある 1

4 2013 年の 平均賃料 総合 は公表されていない 5 推計売上高は 賃料と売上高対賃料比率から推計したもの 6 2011 年以降のサービス店舗の売上高対賃料比率は 公表されていない 1) 年々 上昇傾向にあった物販店舗の平均賃料は が2008 年をピークに また飲食店舗及びサービス店舗は 2007 年をピークに減少に転じている (2011 年以降は上段の賃料を参照のこと ) 単位 = 円 坪 / 月全国 / 総合 2003 年ピーク 2013 年物販店舗 20,352 24,476 18,265 飲食店舗 19,450 21,117 19,782 サービス店舗 13,198( 注 ) 13,159 10,955 ( 注 )2004 年以降は 12,000 円代で推移 2) 売上高対賃料比率は 物販店舗 飲食店舗 サービス店舗ともに上昇傾向にあり 売上高対賃料比率だけを見ると改善しているように見えるが 賃料の絶対額の水準は下落に転じている これは SCの賃料形態が売上高にスライドする賃料方式に代わってきていることから 売上高の減少に伴って 賃料の絶対額が減少しているもので SC 所有者にとっては 賃料リスクが増大していることが伺われる 3) 参考までに これまでの約 10 年間の業種別推計売上高と賃料の単純平均額と売上高対賃料比率との関係を見てみると次の通りである 推計売上高賃料売上高対業種単純平均単純平均賃料比率指数指数 ( 千円 / 坪 月 ) ( 円 / 坪 月 ) (%) 物販店舗 224 100 21,256 100 9.5 飲食店舗 183 82 19,941 94 10.9 サービス店舗 114 52 12,047 57 10.5 4) 上表の通り 業種ごとに収益性を示す売上高を比較すると 物販店舗が高く 飲食店舗 サービス店舗の順になる 物販店舗の売上高指数を100とした場合 飲食店舗は82. サービス店舗は52となるが 賃料の指数は物販店舗 100に対して飲食店舗は94 サービス店舗は57となるため 売上高対賃料比率は 飲食店舗が最も高くなり サービス店舗 物販店舗の順になる 商業施設の構成が モノからコトへ という流れのなかで 飲食店舗やサービス店舗の構成比率が高まっていることから 商業施設所有者の一層のテナントミックス能力や施設の運営管理能力の向上が求められている (2) 商業施設におけるテナント売上と賃料について 1) 商業施設の収益力と賃料負担能力商業施設にける賃料の最大の特徴は オフィスやマンションが エリアや物件の規模 グレード等により一定の賃料相場が形成されるのに対し 商業施設におけるテ 2

ナントの賃料負担力は テナントの売上が直接賃料の原資となっていることである 商業施設はその性格によって 商圏人口や施設の規模 多種多様な業種 業態による店舗の構成 ( テナントミックス ) などが異なっており これらの要素が商業施設全体と各店舗の収益力に大きな影響を及ぼし 収益によって賃料の負担能力が決まるのである 2) マーケットや競合施設の把握売上や賃料に影響を与える最も大きな要素は 商圏人口を中心としたマーケットの状況と商圏内の競合施設との優劣であるため マーケットの状況や現在の競合施設の把握 顧客の消費動向の変化などについて常に調査する必要がある 3) 商業施設の運営能力と賃料オフィスビルやマンションは 立地と賃料が適正であれば 運営能力の差があっても あまり大きく影響しないが 商業施設は運営管理能力の差によって大きく施設の成否が変わってくる 商業施設においては その施設全体の運営管理者の能力差によって最大の効果を生み出すようなテナント誘致 テナントミックス 宣伝 広告活動 イベント運営などができるかどうかによって 売上や賃料負担力に大きな影響が生じる 4) これからは テナントが収益性と利益の最大化を目指す出店戦略をとる現状では テナントが収益性の高いエリアに立地する商業施設に出店しても 利益を上げられず苦しむテナントが見受けられる こうしたテナントの多くは 売上高最優先で高収益が期待できるエリアへの出店戦略を採ったものの 賃料負担が過大になった例である これからのテナント企業は 自らの利益特性を見極めたうえで 売上高と利益の最大化を目指す最適な出店戦略がとられるようになる 2. SCの業種による賃料 共益費調査 等と再開発ビルのマネジメントについて (1) 再開発ビルの商業施設における一体化のためのマネジメントの再検討 1) 再開発ビルの商業施設の運営管理業務には テナントリーシングや販促 テナント管理のように専門性を必要とする業務やノウハウ ネットワークが求められる 特に ノウハウやネットワークの広がりが求められる 運営管理 は 商業施設の中核となる部分であり 機能的 効率的組織体制の再整備が必要ある また 商業施設の運営管理においては テナントと区分所有者の共存共栄が前提であり テナントや自営の店舗の協力なくしては円滑に運営管理を推進することが難しい そのため 一般的に 商店会 が組織されることが多いが 商店会 は 単なるテナント間の親睦を図るために組織化するのではなく 施設の運営管理を担うもう一つの機関として位置付けることが重要である この事務局を管理会社が担うことによって 区分所有者が構成する管理組合と商店会の運営上の一体化を図ることができる 2) 第一回のレポートで 多くの再開発ビルの商業施設のマネジメントは 管理費 ( 共益費 ) や積立金などの管理組合業務が中心的な業務になっており 店舗やテナント 3

のマーケティング活動と一体となったマネジメントを行っている施設は少ない 売上高の維持 向上能力が賃料を決める大きな要素となってきていることから 再開発ビルの商業施設は根本的にマネジメントのあり方について再構築を検討する必要がある ということを指摘したが このことについて次項で具体的に考えてみたい (2) 再開発ビルの商業施設のマネジメント再構築の必要性 1) テナントには 賃料 共益費等の負担可能額がある賃料設定の方法には 積算法 比較法 収益分析法 の3つの方法があるが テナントが事業性を失うと賃料の減額や退店につながるため 現実の賃料の設定は 収益分析法 に重心が移っている テナントは どれだけの売上が得られるか を想定して 賃料の負担可能額を算出しており 再開発ビルの商業施設のマネジメントに求められる最も重要なことは 賃料の負担を可能するためにいかにして 売上を創り出すか ということにある 2) 売上 を創り出す必要性 上記の図を参照しながら 先ず 売上 を創り出す必要性について考えてみることにする 1 再開発ビルの商業施設を維持 向上させるために必要な唯一無二の原資は 売上 である 2 売上 を創るためには 市場の変化や顧客のニーズ 消費行動の変化などに対応できる商業施設のマネジメントが求められる 3 何らかの原因で マネジメントが良好な状態を維持できないことによって 売上は確実に減少する 4 売上 が確保できないことによって 賃料 共益費 積立金などの不払いや退 4

店 空き区画などが生じる 5そのことによって 施設の劣化や保留床取得者 権利者床などの資産価値が下落する 6 商業施設の劣化や資産価値の下落によってテナント誘致が困難になり さらに負のスパイラルに陥ってしまう 7こうした状況に陥らないためには 商店会 管理組合 管理会社が一体となった取組み体制に再整備する必要がある (3) 再開発ビル商業施設の 売上 を維持 向上させる マネジメント とは 1) テナントの賃料負担が問題となるのは 出店エリア 施設全体 各テナント店舗のいずれかの販売効率に大きな変化があったときである これらの販売効率を変動させる要因としては 商圏人口の増減や消費行動の変化など需要側の影響が大きい場合もあるが 近年の状況を見ると エリア内で商業施設が急激に増えたり 同じ業種の店舗が集中して競合関係が激化し 集客数が減少して販売効率が低下している場合が多い 2) こうした状況を改善するためには 売上 を維持 向上させるための 強力なマネジメント が必要になる 一つは マネジメント能力の強化である 小売業は 常に変化の激しい また厳しい競争にさらされているが 商業施設の運営におけるマネジメントとして 次のような能力を備えておく必要がある 多くの再開発ビルの商業施設は 中心市街地や駅前に立地しているが 小売業の集積として その施設の持つ立地特性 商圏立地活用能力や乗降客 消費者行動などを的確に捉えて有効活用するマネジメント能力が必要である 施設の立地特性などを踏まえて有効活用されていたとしても テナント編集その施設の魅力度をさらに引き出すためには 顧客のニーズに能力あったテナント ミックスを行うマネジメントとしての編集能力が必要である 商業施設のマネジメントには 小売業の集積である施設全体の集客能力集客力と個別のテナント店舗の集客力を高めるために必要な全体と個別の調整能力を備えておく必要がある 区分所有者として賃料を確保できるようにするためには 施設の持つ集客力を高めるとともに マネジメントとしてテナント収益確保能力ができるだけ高い賃料を支払うことができるような収益確保の仕組みを創る能力が必要である 施設維持商業施設への来街者が 安全で安心できる施設を維持し 商業管理能力環境としての快適な空間を保持していく能力が必要である これらのマネジメント能力を一つの再開発商業施設マネジメント会社が単独 ( 単館 5

経営 ) で持つことは もはや無理がある 従って 複数のマネジメント会社が人材 資金等の業務提携や合併などによりマネジメント能力を強化することを検討する必要がある 二つ目は 組織体制の整備である 上記の図の通り 再開発ビルの商業施設の管理運営は 商店会 管理組合 管理会社が一体で運営できる体制を構築することである ( このことは これまでにも当 NPO 法人として何度も提言している ) 三つ目は 商店会 管理組合 管理会社が一体となって顧客のニーズに応えられるような戦略を構築するための経営のシステムをつくることである 売上アップのための戦略や戦略に基づく具体的施策を確実に PDCA 仮説(PLAN) 実行 (DO) 検証 (CHECK) 次なる仮説 (ACTION) できるシステムである 以上 6