もくじ 機関リポジトリのこれまでと現状 リポジトリコミュニティのこれまでと現状 これからのコミュニティとしてのJPCOAR JPCOARに期待すること 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 2

Similar documents
機関リポジトリ概論

Microsoft PowerPoint - 12_4_[6月21日差換]研究集会(千葉大・高橋課長)

機関リポジトリ概論

短期研修の目的 はじめに 大学図書館等の活動を活性化するため 今後の図書館の企画 活動を担う要員となる上で必要な 基礎知識 最新知識を修得 この講義の概要 2 大学図書館のあるべき姿に向かうため 組織としてどのような目標付けを行うべきなのか 参考とすべき施策資料 : 学修環境充実のための学術情報基盤

Microsoft PowerPoint - 資料3)NIIELSoverview.pptx

Microsoft Word 表紙.doc

平成 29 年度ジャパンリンクセンター運営実績 平成 30 年 3 月 31 日 ジャパンリンクセンター運営委員会 1) 1. 委員会 分科会 メンバーミーティングの主宰 招集 事務 (1) ジャパンリンクセンター運営委員会ジャパンリンクセンター運営委員会を四半期に 1 回 合計 4 回開催した ま

を超えている (2017 年 7 月現在 ) コンテンツを種別毎に集計すると, 全体の半数以上を紀要論文 (53%) が占めており, その他, 学術雑誌論文 (14%) や学位論文 (5%) など, 大学等で生み出された多様なコンテンツが登録されている 日本の機関リポジトリは, 学術論文のオープンア

Microsoft PowerPoint - IR_Math

大学からの情報発信

参考資料1_学術研究関連データ集

Microsoft Word - NII_Content_Ojiro.doc

本日の発表内容 n NII 学術コンテンツ事業の概要 n NACSIS-CAT/ILL の概要紹介 現況 n NACSIS-CAT 関連の新動向 n NACSIS-CAT の将来 National Institute 2 of

機関リポジトリ概論

Microsoft PowerPoint - 資料4)JST+NII.pptx

Microsoft Word - CiNiiの使い方.doc

lib-05_上野講師

付録 1. 実施計画例 実施計画例 フェーズ1 計画フェーズ2 方針案作成 策定フェーズ3 プロモーション 認知向上フェーズ4 実施フェーズ5 フォローアップ 検討プロジェクト立上げ 他機関の OA 方針の研究 運用体制の確認( 人員 & 技術面 ) 策定 実施計画の作成 策定のキーパーソンの設定

(Microsoft PowerPoint -

Microsoft PowerPoint - SCPJ.ppt [互換モード]

JAIRO Cloud 初級ユーザー向け手引書 1. ユーザーアカウント管理 JAIRO Cloud 事務局 協力 : オープンアクセスリポジトリ推進協会 (JPCOAR) JAIRO Cloud 運用作業部会 ver date 修正内容 /11 初版

Title Author(s) 学術研究機関における機関リポジトリの意義とそこからの展開 杉田, いづみ Citation Issue Date Text Version publisher URL DOI r

目次 1. パラダイムシフト ~ 学術情報流通の逆転 ~ 2. 電子ジャーナル 3 重苦 の神話と真実 3. 水面下で進む学生用図書コレクションの劣化 4. 悩ましきオープンサイエンス 5. これまで のリフォームではなく 本当の これから の学術情報システムに向けて 1

システム連携・メタデータ

平成 24 年度大学図書館コンソーシアム連合 (JUSTICE) の活動報告 1. 活動体制 (1) 運営委員会 国公私立大学図書館の主に部課長クラスの委員により構成(13 名 ) 4 月と 8 月に人事異動や任期満了に伴う交替あり 運営委員会の下に主に担当者クラスの協力員を配置(23 名 ) 4

サイエンスのために大学図書館とオープン○△□ができること

PowerPoint プレゼンテーション

第 1 回国際的動向を踏まえたオープンアクセスに関する検討会 資料 5 補足国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会 ( 第 1 回 ) 平成 26 年 12 月 9 日 ( 金 ) オープン化に関する諸外国及び我が国の動向 平成 26 年 12 月 9 日 内閣府

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) JST 中間評価 1 の実施要領 平成 29 年 6 月改定 JST 国際部 SATREPS グループ 1. 地球規模課題国際科学技術協力 (SATREPS) プロジェクトの中間評価について SATREPS は JST による研究支援お

Microsoft PowerPoint - (140428NIIELS説明会)J-STAGE Lite(仮称)のご紹介_v2.pptx

JC4. WEKO コンテンツ個別登録実習 2015 年 9 月 16 日国立情報学研究所 2017 年 7 月 10 日研修作業部会 JAIRO Cloud 運用作業部会改訂

<4D F736F F D20948E8E6D8A7788CA985F95B6838A837C A936F985E82C98DDB82B582C482CC97AF88D38E968D E63594C5816A2E646F637

<4D F736F F F696E74202D20966B89A282C982A882AF82E991E58A778B408AD6838A837C A82CC8FF38BB52E707074>

機関リポジトリのメタデータ概論

オープンアクセス

電子ジャーナルWhat?

日本の大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)の新たな挑戦

2018 年度事業計画書 Ⅰ 基本方針 1. 健康関連分野を取り巻く環境と直近の動向 健康医療分野が政府の日本再興戦略の重点分野に位置づけられ 健康 医療戦略が策定されるなど 予防や健康管理 生活支援サービスの充実 医療 介護技術の進化などにより 成長分野としてマーケットは大きく拡大することが期待さ

(Microsoft PowerPoint - \201i\210\363\215\374\215\317\201j7_\220\347\227t\221\345\212w.pptx)

本日の内容 機関リポジトリって何? どんなメリットがあるの? 世界 日本の機関リポジトリの現況 機関リポジトリの拡大にむけて NII の学術機関リポジトリ構築連携支援事業 今後の課題と展開 共同リポジトリについて 大学とNIIの学術コンテンツ基盤共同構築 大学 / 図書館全体の中での機関リポジトリ

3

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

< 委託業務説明書 > 1 平成 20 年度事業実施において明らかとなった課題当初企画 予定していたとおり市民に使用しやすく 親しみが持て かつ利用価値が高い食育推進に資するポータルサイトの構築に努めてきた 食育情報の発信については 簡単に行うことができるようブログを活用した情報発信の仕組みの構築を

九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository ハイブリッド環境下の大学図書館における学術情報サービスの構築 渡邊, 由紀子九州大学附属図書館 出版情報 : 九州大学, 2

Microsoft PowerPoint - J-STAGE_Next_ _rev2.ppt [互換モード]

平成 29 年度国 情報学研究所実務研修報告書 提出 : 平成 30 年 2 16 所属 : 橋 学附属図書館 名 : 記 次 1 研修 的 2 研修先および研修期間 3 研修 程 4 研修成果 5 受 体制 研修環境 6 研修を終えて 1 研修 的 JUSTICE 事務局において, 出版社交渉や運

Microsoft PowerPoint - re ppt [互換モード]

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

別表 1-1 JaLC DOI 登録メタデータの junii2 マッピング ジャーナルアーティクル 対象となる資源タイプ (NIItype) 紀要論文 (Departmental Bulletin Paper) 学術雑誌論文 (Journal Article) 一般雑誌記事 (Article) プレ

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ



火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

PowerPoint プレゼンテーション

Update of JaLC

研修2 目録・分類業務

Microsoft Word オリ(CiNii)

<4D F736F F F696E74202D208A778F708FEE95F197AC92CA82F08EC08CBB82B782E98B5A8F E97708B5A8F70816A5F94D196EC8D758E742E >

Microsoft PowerPoint - DL_IR_071215_handout [互換モード]

平成28年度国立国会図書館活動実績評価: 目標2

取組みの背景 これまでの流れ 平成 27 年 6 月 日本再興戦略 改訂 2015 の閣議決定 ( 訪日外国人からの 日本の Wi-Fi サービスは使い難い との声を受け ) 戦略市場創造プラン における新たに講ずべき具体的施策として 事業者の垣根を越えた認証手続きの簡素化 が盛り込まれる 平成 2

報告会「研究データ共有によるイノベーションの創出」 プログラム 第8回RDA総会参加報告 山口聡

第5回 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会 資料1-1

Ⅰ. 第 3 期がん対策推進基本計画 について 第 11 回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会では 第 3 期がん対策推進基本計画 に記載されたがん診療連携拠点病院に新たに求められる機能について 都道府県レベルでの取り組み状況を共有し 今後のがん診療連携拠点病院の活動について議論していくことを予

051 LGWAN-07月.indd

<4D F736F F D F8D9197A78FEE95F18A778CA48B868F8A8A778F B B4B92F65F89FC92E888C42E646F6378>

Microsoft PowerPoint toyama-yamaji-open.pptx

オープンアクセス

目次 1. 学術情報流通のコペルニクス的転換 2. 電子ジャーナル価格問題 3. 学生用図書コレクションの劣化 4. オープンサイエンスをめぐる問題 5. これからの学術情報システムに向けて 1

8 入館者訂正版

電子ジャーナルへのアクセス環境の整備に関する緊急アピール 2014 年 11 月 27 日 物性 グループ 物性委員会 大学は 日本の高等教育と研究を担う中核機関であるとともに 社会貢献 地域貢献 産業創成など多岐に亘り 社会に対して多大の貢献を果たしています したがって 大学は高度な公共性を持ち

研究会規程

研究発表

復習 1.2. 雑誌の特徴 学術情報の伝達の流れ 新しい研究成果やニュースを図書よりも早く掲載 1 冊に複数の執筆者による論文 記事が収められている 大学における学習 研究の過程の中で 雑誌は情報源として極めて重要な役割を担っている 第 8 講文献 情報の探し方 (2) 雑誌 論 情報の と利 (2

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

- 4 -

人材育成 に関するご意見 1) 独立行政法人情報通信研究機構富永構成員 1 ページ 2) KDDI 株式会社嶋谷構成員 8 ページ 資料 7-2-1

7 NACSIS-CAT/ILL :0016: :0016: :0016: :0016: :0016: W :00

平成27年度事業計画書

<4D F736F F F696E74202D D315F96BC8CC389AE5F947A A CF68A4A5F966B8A4393B991E58A775F E B835E8A54985F C815B835E838B8CA48F43816A E312E B8CDD8AB B83685D>

Microsoft PowerPoint - メールガイダンスCiNii編2009.ppt

電子ジャーナルの動向 本日の内容 医図懇アンケート結果 電子ジャーナルとは 電子ジャーナルの種類 契約形態など 電子ジャーナルの利用 ( 水 ) 島根大学附属図書館医学分館葛原克子

東京都江戸東京博物館

検索画面 放送大学ディスカバリーサービスのページにつながると 以下のように表示されます この検索窓を利用し 調べることができます 放送大学ディスカバリーサービストップページ 放送大学ディスカバリーサービストップページ ( 詳細検索 ) 検索オプションで検索条件の限定などが可 著者, タイトル など項


KERISのILLについて

平成18年度学術ポータル担当者研修

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

大学図書館の現状と課題導入 利用の現状と課題 東京大学附属図書館関川雅彦 平成 26 年度大学図書館職員短期研修平成 26 年 11 月 11 日

活動状況調査

<4D F736F F D2091E F18D9197A791E58A77907D8F918AD98BA689EF918D89EF8B638E96985E20288A6D92E894C5292E646F63>

< F2D EE888F8288FA48BC E6A7464>

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol


.第65回国立大学図書館協会総会議事録

九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 九州大学百年史第 7 巻 : 部局史編 Ⅳ 九州大学百年史編集委員会 出版情報 : 九州大学百年史. 7, 2017

< F31322D8A6591E58A7782D682CC8EC08E7B92CA926D816988C4816A>

FPU58.pdf

Transcription:

これからのリポジトリコミュニティに期待すること 鳥取大学附属図書館中谷昇 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 1

もくじ 機関リポジトリのこれまでと現状 リポジトリコミュニティのこれまでと現状 これからのコミュニティとしてのJPCOAR JPCOARに期待すること 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 2

自己紹介 経歴 : H25.4 鳥取大学学術情報部図書館情報課学術情報担当 H28.4 同資料サービス担当 ( 現所属 ) リポジトリコミュニティでの活動 : H26.4 デジタルリポジトリ連合 (DRF) 企画 WG H28.4 同主査 H28.7 機関リポジトリ推進委員会広報作業部会 研修作業部会 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 3

機関リポジトリのこれまでと現状 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 4

機関リポジトリって a set of services that a university offers to the members of its community for the management and dissemination of digital materials created by the institution and its community members 大学とその構成員が創造したデジタル資料の管理や発信を行うために 大学がその構成員に提供する一連のサービス ( クリフォード リンチ 2003) 機関で生成された学術成果物の捕捉 管理 発信 機関に所属する者へセルフアーカイブの場を提供 ( グリーン OA) ( 通称的に ) これらを達成するための Web システム 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 5

これまでの国内機関リポジトリ 年次 H16 H17 H18 H24 H25 H27 H28 出来事 学術機関リポジトリ構築ソフトウェア実装実験プロジェクト (NII-IRP) 学術機関リポジトリ構築連携支援事業委託事業の開始千葉大学国内初の機関リポジトリの運用開始 デジタルリポジトリ連合 (DRF) 発足 JAIRO Cloud サービス開始 JAIRO Cloud コミュニティ発足学術機関リポジトリ構築連携支援事業委託事業の終了 学位規則改正 : 博論のWeb 公開義務化機関リポジトリ推進委員会発足 京都大学オープンアクセス方針の採択 オープンアクセスリポジトリ推進協会 (JPCOAR) 発足 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 6

機関リポジトリの現状 : 構築機関数 (H28.10 時点 ) 機関リポジトリ公開数とコンテンツ数の推移 (NII) : http://www.nii.ac.jp/irp/archive/statistic/ 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 7

機関リポジトリの現状 : コンテンツ (H28.10 時点 ) 国内機関リポジトリコンテンツ数増減 ( 本文ありのみ ) 学術雑誌論文学位論文紀要論文会議発表論文会議発表用資料図書テクニカルレポート研究報告書一般雑誌記事プレプリント教材データ データベースソフトウェア 2000000 1800000 1600000 1400000 1200000 1000000 800000 600000 400000 200000 0 その他 IRDB コンテンツ分析システム : http://irdb.nii.ac.jp/analysis/index.php 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 8

機関リポジトリの現状 : コンテンツ (H28.10 時点 ) プレプリント 0% 教材 0% 一般雑誌記事研究報告書 3% 3% テクニカルレポート 2% 図書 1% 会議発表用資料 1% データ データベー ス 3% ソフトウェア 0% 機関リポジトリコンテンツ内訳 ( 計 1,801,631) その他 12% 学術雑誌論文 15% 学位論文 5% 学術雑誌論文学位論文紀要論文会議発表論文会議発表用資料図書テクニカルレポート研究報告書一般雑誌記事プレプリント 会議発表論文 2% 紀要論文 53% 教材データ データベースソフトウェアその他 IRDB コンテンツ分析システム : http://irdb.nii.ac.jp/analysis/index.php 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 9

機関リポジトリの現状 紀要や学位論文などの灰色文献 ( グレイリテラチャー ) の流通には貢献 グリーン OA の受け皿としては機能していない 尾城孝一氏 ( 東京大学, 2016). 大学図書館とオープンアクセス : 第 18 回図書館総合展フォーラム 10 年後の大学図書館を考える ~ オープンアクセス時代の大学図書館の新たな役割 参考 一方 ゴールドOAは OA 誌数もOA 論文数も順調に増加 購読費 +APCによるOAビジネス 国内研究者による論文公表実態調査 (JUSTICE) 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 10

新たな課題への対応 オープンアクセス方針 学術情報のオープン化の推進について ( 審議まとめ ) 文科省学術情報委員会 大学等に期待される取組 機関リポジトリをグリーン OA の基盤として更に拡充する / オープンアクセスに係る方針を定め公表する 2016 年中に採択した機関 : 徳島大学 九州大学 千葉大学 東京歯科大学 名古屋大学 オープンサイエンス 我が国におけるオープンサイエンス推進のあり方について ~ サイエンスの新たな飛躍の時代の幕開け ~ 内閣府国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会 第 5 期科学技術基本計画 他にも 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 11

改めて 機関リポジトリの現状 これからの機関リポジトリの役割 基盤 運用 機能 etc. について 改めて検討すべき時 尾城孝一氏 ( 東京大学, 2016). 機関リポジトリの今後と JPCOAR: 第 18 回図書館総合展フォーラム リポジトリの未来を考える : オープンサイエンス時代の到来を迎えて 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 12

リポジトリコミュニティのこれまでと現状 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 13

これまでのリポジトリコミュニティ デジタルリポジトリ連合 (DRF) / H18~ JAIRO Cloud ユーザコミュニティ / H24~ 機関リポジトリ推進委員会 / H25~ ローカルコミュニティ http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php https://community.repo.nii.ac.jp/ https://ir-suishin.repo.nii.ac.jp/ 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 14

デジタルリポジトリ連合 (DRF) 学術機関リポジトリ構築連携支援事業委託事業によって活動開始 機関リポジトリ オープンアクセスに係る様々な事業に取り組む メーリングリスト Web サイト (wiki) 情報誌 月刊 DRF での情報共有 意見交換 各種研修 : 初任者 中堅者研修 ワークショップ等 プロジェクト 勉強会 オンライン勉強会の実施 国際発信 国際連携 (COAR 等への参画 ) 参加機関と運営委員会と企画ワーキンググループ 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 15

JAIRO Cloud ユーザコミュニティ JAIRO Cloud ユーザ機関 ( 担当者 ) 同士による情報交換のためのコミュニティ JAIRO Cloud(WEKO) 利用にあたっての疑問 課題の解決が主 フォーラム ( 掲示板 ) みんなで作るマニュアル 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 16

機関リポジトリ推進委員会 大学図書館と国立情報学研究所との連携 協力推進会議の下部委員会として設置 機関リポジトリを通じた大学の知の発信システムの構築 * に関する事項を企画 立案し 学術情報の円滑な流通及び発信力の強化にかかる活動を推進することを目的 H28 年度は以下の作業部会 タスクフォースが活動 作業部会 JAIRO Cloud 運用作業部会 研修作業部会 広報作業部会 タスクフォース (TF) 研究データTF 論文 OA TF メタデータ検討 TF 指標 評価 メトリックスTF COAR Asia TF * 大学共同利用機関法人情報 システム研究機構国立情報学研究所と国公私立大学図書館協力委員会との間における連携 協力の推進に関する協定書第 2 条第 1 項 (2) 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 17

ローカルコミュニティ 地域のコミュニティ 地区協議会 / 委員会 / ワーキンググループ 勉強会 ワークショップ 共同リポジトリ 担当者間の個人的な繋がり 人脈 より身近で相談 意見交換のしやすい場 その他のコミュニティは? 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 18

コミュニティとは言うけれど Communicate しているのは誰か DRF MLは一部の議論とイベント情報 更新されないままのwiki 参加者の少ないWS 参加機関は157 機関 実働部隊である企画 WGは公募で6 名 (4 機関 ) JC コミュニティ 担当者間のやりとりとしては最も活発か でも回答者はほとんど同じ IR 推進委員会 そもそも全国的な課題に取り組む 委員会組織 協力員間のコミュニケーションは多い 特定一部への偏り あるいはコミュニティとしては形骸化? 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 19

これからのコミュニティとしての JPCOAR 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 20

オープンアクセス推進協会 (JPCOAR) オープンアクセスリポジトリ推進協会設立趣意書 : 機関リポジトリを中心とするオープンアクセスに関する既存の枠組み ( コミュニティ ) を再編 統合し これまでのコミュニティへの未参加機関も積極的に迎え入れることにより 大学図書館界全体として活動する場となる機関リポジトリの新しいコミュニティである オープンアクセスリポジトリ推進協会 を設立するものである DRF JC コミュ JPCOAR IR 推進委 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 21

オープンアクセス推進協会 (JPCOAR) 具体的な活動 JAIRO Cloud の共同運営 利用機関が運営経費を一部負担する形で共同運営 持続的 安定的な運用を図る 利用機関の要望をシステム改善に反映させることも可能に JC 利用機関はJPCOARへの参加が必須 人材育成 担当者の習熟段階や担当主題に応じた研修を実施 オンライン環境で自己学習できる環境を整備 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 22

オープンアクセス推進協会 (JPCOAR) 具体的な活動 その他 機関リポジトリの機能開発 機関リポジトリ オープンアクセスに関する情報交換の場を創設 機関リポジトリ オープンアクセス普及のための広報 啓発活動を展開 会費徴収による自律運営 構成員数により2~60,000 円 / 機関 JC 利用料金とは別 当面は IR 推進委が運営委員として活動 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 23

JPCOAR への疑問 これまでのコミュニティの活動と何が違う? DRF JC コミュ IR 推進委それぞれを再編 統合 参加するいち機関 いち担当者から見て何が変わるのか これまでのコミュニティはどうなる? JCコミュは ( おそらく )JC 利用機関が存在する限り存在 IR 推進委は運営委員として定着? DRFは? 参加するメリットは? 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 24

JPCOAR に期待すること 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 25

再掲 改めて 機関リポジトリの現状 これからの機関リポジトリの役割 基盤 運用 機能 etc. について 改めて検討すべき時 尾城孝一氏 ( 東京大学, 2016). 機関リポジトリの今後と JPCOAR: 第 18 回図書館総合展フォーラム リポジトリの未来を考える : オープンサイエンス時代の到来を迎えて 誰が検討するか 国全体であり それぞれの機関であり 一人ひとりの担当者 独りで悩む? 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 26

先ほどの疑問 この後のパネルへ これまでのコミュニティの活動と何が違う? これまでのコミュニティはどうなる? 参加するメリットは? 第 17 回図書館総合展フォーラム 機関リポジトリの近未来 : オープンアクセスからオープンサイエンスへ (H27) における新協会 (JPCOAR) 設立準備会の方々のコメント ( 要約 ) 加盟することでどのようなメリットがあるかは 明言できないことと思われる しかし それを考えるのがコミュニティをつくり 参加することの意味であり 他者に期待することではない DRF にて会費徴収の議論があった際 コミュニティは何をしてもらうかではなく そこで何をしたいか の場であるべき という意見があった ( 中略 ) 新協議会というコミュニティで何をしたいか ということを考えて参加するべき 新協議会については セッションの中でも言及されたが 人任せでなく自分が何かするという姿勢 自分がやりたいことをやる場として参加してほしい 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 27

ならば JPCOAR に期待することは 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 28

形骸化したコミュニティからの脱却 担当者一人ひとりが参加しやすいコミュニティを 情報共有 意見交換のためのフォーラムにしても 練度 年数別 システム別 地域別 匿名 オープン or クローズなどなど 課題の切り分け : 実務レベル 戦術レベル 戦略レベル 誰もが企画 立案 意見できる場に 各種活動に対するコメント 問い合わせ 参加機関 ( 同士 ) による新企画 事業 積極的に参加して だけでは難しい 研究者はセルフアーカイブに尽力したか 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 29

ひとつだけ確かなこと これまでのコミュニティとの決定的な違い 会費徴収というネック :2~60,000 円 / 年 リソース不足はどこも同じ 無料だったことが奇跡 予算利用というチャンス 例えば地域ワークショップなら : 十数万円 ~/ 回 決められたプログラムでなく 自分たちの課題解決のために 黙っているだけ損 ひとりで無理ならみんなで そのためのコミュニティ 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 30

誰もが参加できるコミュニティへ 差し伸べる手と踏み出す一歩 ご清聴ありがとうございました 2016.12.2 平成 28 年度 JPCOAR 地域ワークショップ ( 中国四国地区 ) 31