(2) 役割いすみ鉄道は 中学 高校生や高齢者など鉄道以外の交通手段を持たない地域住民の重要な交通手段となっています また 上総中野駅で小湊鐵道と連絡し 房総半島を横断する 房総横断鉄道 としての役割を担っています ちばデスティネーションキャンペーン 期間を含む平成 19 年 1 月から4 月までの

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の経営改善に向けた取組が必要である 当該指標が 100% 以上の場合であっても 現金等の流動資産が減少傾向にある場合や一時借入 金等の流動負債が増加傾向にある場合には 将来の見込みも踏まえた分析が必要である 4 累積欠損金比率 (%) 当年度未処理欠損金 営業収益 事業の規模に対する累積欠損金 (

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4-(1)-ウ①

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

新 経営ビジョン (2013~2022) 中期経営計画(2018~2022) の考え方に沿った今年度の具体的な計画が ここで紹介するアクションプラン2018です アクションプラン2018では 中期経営計画 (2018~2022) で策定した各重点項目に基づき 今後 5 年間で取り組む具体的な内容及び

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

経営指標の概要 ( 電気事業 ) 1. 経営の状況 ( 電気事業全体で算出 ) 算出式 ( 法適用事業 ) 算出式 ( 法非適用事業 ) 1 経常収支比率 (%) 1 収益的収支比率 (%) 指標の意味 経常収益 100 経常費用 総収益 100 総費用 + 地方債償還金 法適用企業に用いる経常収支

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2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

プレゼン

第3 法非適用企業の状況

報告事項     平成14年度市町村の決算概要について


☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

第2部

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中期行動計画成24 年度の具体的な行動計画成24 年度の取組結果18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター [ 所管課 : 経 ) 雇用推進課 ] 1 団体目標 新方針重点取組目標 18 ( 財 ) 札幌勤労者職業福祉センター 1 団体の廃止 新公益法人制度への対応平成 28 年度までは 施設の用

政策評価書3-3(4)

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お客様への約束 1. 安全の確保を最優先とします - 安全確保を最優先に 全てにおいて万全のコンディションでお客様をお迎えします 2. お客様の時間を大切にします - 欠航 遅延は最小限にします - やむを得ない場合は代替の移動手段の確保に努め お客様にご迷惑をおかけしないよう全力を尽くします -

トラック運送事業の経営実態 全日本トラック協会は全国のトラック運送事業者 2,188 社 ( 有効数 ) の平成 25 年度事業報告書に基づき集計 分析した 経営分析報告書 ( 平成 25 年度決算版 ) をまとめた 全日本トラック協会が平成 4 年度から発行しているこの報告書は 会員事業者が自社の

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2017年度 決算説明会資料

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の復旧状況に関する長期的な見通しを可能な限り明らかにしながら 復旧の段階に 応じた役割の分析を行う 5) 交通事業者ヒアリング調査沿線地域に関係する交通事業者 ( 鉄道事業者 2 社 バス事業者 2 社 タクシー事業者 2 社その他 ) に聞き取り調査を行い 定性的な利用特性や地域の公共交通の問題点

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1 日本再興戦略 2016 改革 2020 隊列走行の実現 隊列走行活用事業モデルの明確化ニーズの明確化 ( 実施場所 事業性等 ) 技術開発 実証 制度 事業環境検討プロジェクト工程表技高齢者等の移動手段の確保 ( ラストワンマイル自動走行 ) 事業モデルの明確化 ( 実施主体 場所 事業性等 )

chukankessan

資料3

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

( 図表 1) 平成 28 年度医療法人の事業収益の分布 ( 図表 2) 平成 28 年度医療法人の従事者数の分布 25.4% 27.3% 15.8% 11.2% 5.9% n=961 n=961 n= % 18.6% 18.5% 18.9% 14.4% 11.6% 8.1% 資料出所

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を


4 地方公営企業会計基準の見直しの影響 ( 概要 ) 地方公営企業会計基準の見直しのため 平成 23 年度に地方公営企業法施行令等を改正し その改正内容が平成 26 年度予算 決算から全面的に適用となっている (1) 見直しの趣旨 昭和 41 年以来大きな改正がなされていない地方公営企業会計制度と国

2. キャッシュ フローの状況 (1) 営業活動によるキャッシュ イン 6,095 億円 ( 前期比 +290 億円 ) ビジネス 観光ともにご利用が順調に推移し 当社の運輸収入が増加したことに加え 法人税等の支払額が減少したことなどにより 営業活動の結果得られた資金収入は増加 (2) 投資活動によ

P10 第 2 章主要指標の見通し 第 2 章主要指標の見通し 1 人口 世帯 1 人口 世帯 (1) 人口 (1) 人口 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口を 国勢調査 ( 平成 7 年 ~22 年 ) による男女各歳人口をもとにコーホー 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口

平成 28 年度予算編成方針 我が国の経済は 景気は引き続き緩やかな回復基調を維持しているが その影響が地方経済にまで十分に行き渡っているとは言えず 我々地方の行財政運営の基本となる税等一般財源を確保するためには 臨時財政対策債に頼らざるを得ない状況が続くものと考える また 税制改正も予測されること

流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支

平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

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Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

H28秋_24地方税財源

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

活動状況調査

高槻市水道事業経営効率化計画

タイトル

豊洲移転時の収支試算の条件とパターン 収支試算の条件 平成 29 年度予算をベースとして推計 一般会計繰入金の対象範囲や水準は 据え置き 改修経費を 5 億円 / 年とした上で 5 年毎に 5 億円 / 年ずつ増加するものと仮定して試算 変更点 売上高割使用料は 5 年毎に 3% ずつ減少するものと

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

2011年3月期決算説明会

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四半期事業セグメント 事業セグメント ( 四半期累計 ) ( 百万円 ) 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 売上高 2,866 5,897 8,705 11,352 3,019 6,323 9,245 12,311 前期比 -72.9% 6.8% 8.0% 7.

別紙 町田市観光まちづくり リーディングプロジェクト ( 案 ) 町田市

Microsoft PowerPoint 年3月期決算発表0510用(最終版).pptx

目次 1. 経営成績営業利益分析 / 海外売上高 / 貸借対照表 2. 業績予想 ( 修正 : 有 ) 3. 研究開発費 / 減価償却費 / 設備投資 4. 株価の状況 5. トピックス P.2 P.10 P.14 P.16 P

貸借対照表 ( 平成 31 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 円 ) 科目金額科目金額 ( 資産の部 ) 流動資産 現 金 預 金 未 収 運 賃 未 収 金 商 品及び貯 蔵品 仮 払 金 その他の流動資産 ( 負債の部 ) 1,818,796,319 流動負債 1,693,668,23

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PrimoPDF, Job 20

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

歳入総額 区分 平成 年度の財政フレーム ( 単位 : 百万円 ) 30 年度 31 年度 合計 構成比 構成比 構成比 263, % 265, % 529, % 一般財源特別区税特別区交付金その他特定財源国 都支出金繰入金特別区債 167

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Microsoft PowerPoint - 資料102-3.ppt [互換モード]

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

Microsoft PowerPoint - 平成22年度決算の概要(Ver2)

平成21年3月期 決算補足説明資料

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平成23年度の具体的な行動計画(アクションプラン)策定調書

決算サマリー 2019 年 3 月期第 1 四半期業績概要 売上高 596 億円 ( 前四半期比横ばい ) 営業利益 60 億円 ( 同 34% 増 ) 自動車向けの需要が コンデンサ中心に堅調 2019 年 3 月期業績予想 上期の業績予想を上方修正 自動車 産業機器の電子化やスマートフォンの高機


総合行政ネットワーク-9.indd

(2) 予想経費項目予想経費項目として 売上原価 販売費 一般管理費等を計上していく なお 人件費に関しては 各施設への人員配置人数や年間給与等から算出される 表予想経費算出における項目の設定費用項目概要売上原価売上に要する費用 ( 直売の商品仕入代金 加工施設の材料費等 ) 販売費及び一般管理費道

公益目的支出計画実施報告書 29 年度 (2017/4/1 から 2018/3/31 まで ) の概要 1. 公益目的財産額 10,097,432 円 2. 当該事業年度の公益目的収支差額 ((1)+(2) (3)) 10,213,503 円 (1) 前事業年度末日の公益目的収支差額 7,130,4

( 参考 ) と直近四半期末の資産構成割合について 乖離許容幅 資産構成割合 ( 平成 27(2015) 年 12 月末 ) 国内債券 35% ±10% 37.76% 国内株式 25% ±9% 23.35% 外国債券 15% ±4% 13.50% 外国株式 25% ±8% 22.82% 短期資産 -

新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

平成 31 事業年度 自平成 31 年 4 月 1 日 (2019 年 4 月 1 日 ) 至平成 32 年 3 月 31 日 (2020 年 3 月 31 日 ) 第 15 期 事業計画 ( 案 ) 本州四国連絡高速道路株式会社 - 0 -

第101期(平成15年度)中間決算の概要

2017(平成29)年度第1四半期 決算説明資料

2 管理運営状況 (1) 特筆すべき事項 ( 地域貢献等の実績 取組 成果等 ) ア利用者数 ( 人 ) イ稼働率 (%) ウ利用者満足度 (%) 1 (3) 収支状況 ア収入 ( サッカー ナショナルトレーニングセンター ) 全国規模の大会やなでしこジャパン J クラブの利用のほか海外選手団など国

が実現することにより 利用希望者は認証連携でひもづけられた無料 Wi-Fi スポットについて複数回の利用登録手続が不要となり 利用者の負担軽減と利便性の向上が図られる 出典 : ICT 懇談会幹事会 ( 第 4 回 )( 平成 27(2015) 年 4 月 24 日 ) 2. 現状 日本政府観光局

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2


第2部

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

通期 連結の売上高 営業利益 経常利益としては 過去最高 のれん及び固定資産に係る減損損失を特別損失として 517 億円計上 当期純利益が 3 月 30 日付での予想数値より増加したのは 予想数値公表時の見込み額と比べ 最終決算数値により確定した減損損失額が 53 億円 減少したことによる 事業環境


様式第一六(第12条関係)

1-1 経営改善計画の基本方針と具体的施策 Ⅰ 弊社の課題 問題点の現状認識 〇鉄道事業の収益は 昭和 49 年に年間 150 万人あった利用客が約 1/3 にまで減少している中 平成 23 年 に発生した東日本大震災の影響を受けてさらに大きく落ち込み 震災後 2 年を経過した現在において も 震災

佐賀市自動車運送事業経営健全化計画 平成 22 年 3 月 佐賀市

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数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7


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Transcription:

いすみ鉄道再生会議 最終報告について ~みんなの ちから で次代につなぐいすみ鉄道 ~ 地域のちからを結集し いすみ鉄道の再生を目指して 平成 19 年 10 月 29 日いすみ鉄道再生会議事務局 ( 総合企画部交通計画課 ) 電話 043-223-2277 いすみ鉄道は 今後 マイカーの普及や少子化などにより利用客が低迷するなど 経営的には大変厳しい状況が予想されるため これまでのような経営状況では 鉄道を存続させていくことは厳しいものと考えられます 一方で 高校生など地域住民の重要な交通手段であり 将来的にも観光鉄道として また高齢化の進展や環境への取組みの観点からも大きな役割を担っていくものと考えられます このため いすみ鉄道再生会議では 鉄道の存続に向けて 更なる経営改善の取組みについて検討を行ってきましたが その結果 会社の経営努力や 関係者が一体となった支援が行われれば 将来的には収支の均衡を図ることができるとの共通認識を得ることができました 今後は 会社 地域住民 自治体が一体となって いすみ鉄道の再生に取組み 平成 20 年度 21 年度を検証期間として 再生の方向性を客観的に判断していきます 1 現状 (1) 経営状況平成 18 年度の輸送人員は年間 50 万人と 開業した昭和 63 年度の 45% 旅客収入は130 百万円で 開業時の68% まで減少しています また 平成 18 年度の経常損失は127 百万円で 開業以来赤字が続いており 平成 18 年度末の基金残高は770 百万円まで減少しています このような状況ではありますが 平成 18 年度の輸送人員は対前年度比 110.2% となり 開業以来初めて対前年度を上回りました しかし 厳しい経営状況のなかで今後もいすみ鉄道を存続していくためには 会社の更なる経営改革や具体的な活性化策への取組みが必要です 1

(2) 役割いすみ鉄道は 中学 高校生や高齢者など鉄道以外の交通手段を持たない地域住民の重要な交通手段となっています また 上総中野駅で小湊鐵道と連絡し 房総半島を横断する 房総横断鉄道 としての役割を担っています ちばデスティネーションキャンペーン 期間を含む平成 19 年 1 月から4 月までの間の房総横断記念乗車券による乗車人数は 対前年度比 204% と大幅に増加しました また 観光メディア等で取り上げられたり テレビや映画などのロケ等にも利用される機会が多く 沿線には観光スポットも点在していることから 観光鉄道 としての役割を担っています (3) これまでの検討状況平成 17 年度に設置したいすみ鉄道再生会議では 検討の参考とするため 平成 17 年度にシンポジウムの開催 18 年度にアンケート調査などを実施してきました そして本年 4 月には 地域における 意見交換会 及び いすみ鉄道再生会議中間報告に対する意見募集 を行うなど地域住民はもとより各層から幅広い意見をいただきました アンケート調査では いすみ鉄道の存続に向けた寄付金の支払いに 協力してもよい (41.2%) との回答は 協力したくない (18.5%) という回答を大きく上回っています また 意見交換会 では意見発表者の全員がいすみ鉄道の存続の必要性を指摘しています これらの意見を踏まえ 8 月に開催されたいすみ鉄道再生会議では このままの厳しい経営状況が続くのであれば存続は難しいが でき得るならば存続したいとの意見で一致しました その上で 存続するためにはどのような経営改革や活性化策に取組めばいいのかということについて検討を重ねてきました 具体的には 数十にもなる経営改善策についての実効性 ( 収益増加策の概算見込み 各関係者の役割 手法 ) について 議論を行ってきました 2

2 いすみ鉄道の再生に向けて再生会議としては いすみ鉄道が再生し今後も存続していくため 会社による抜本的な経営改革の努力はもちろんのこと 地域住民のマイレール意識の醸成や関係市町による鉄道の需要喚起など会社 地域住民 自治体が一体となって取組んでいくとともに 自治体による公的支援は不可欠であるとの認識で一致しました (1) 活性化への具体的な取り組み再生のための具体的な活性化策について議論を重ねた結果 経費削減や利用推進策など会社 地域住民 自治体が一体となって次のように取り組むことにより収益の改善を図っていきます 経営改善の取組み地域による支援自治体の取組み 経営体制の見直し 人件費の抑制 各種乗車券の発売 鉄道関連グッズの販売 観光商品の企画 販売 企画列車の運行 いすみ鉄道ハイキングの実施 運賃改定の実施 地域内サポーターからの寄付金の募集 地域外サポーターによるファン倶楽部の設立 枕木オーナーの募集 花壇オーナーの募集 観光大使による PR 船子新駅の設置 自治体職員等による利用促進 環境への取組み 市町のイベントとの連携 3

(2) 新たな補助制度の導入 ( 上下分離方式の考え方による補助 ) いすみ鉄道に対して 路線の維持を図るため 鉄道基盤を道路等と同じ社会資本として捉え 公的支援を行います 具体的には 現行の赤字補てん方式に代わり いわゆる下部 ( インフラ的な部分 ) の修繕費等の費用を県 市町が協調して補助する新たな支援方式を導入します 現行の支援方式 新たな支援方式 ( 費用 ) ( 収益 ) ( 収益 ) 旅客収入等 旅客収入等 運行費等 ( 上部 ) 会社の経営努力 住 民の利用促進等に 赤字補てん よる増収の取組み 軌道の修繕費等 ( 下部 ) ( 経常損失額 ) 新たな考え方に よる補助 新たな支援方式の補助対象について 線路保存費 ( 線路 橋梁等の維持補修費 ) 電路保存費 ( 信号設備等の維持補修費 ) 車両保存費 ( 車両の検査 修繕費 ) 保守管理費 ( 線路 橋梁 信号設備 車両等の保守作業費 ) 減価償却費 固定資産税 新たな支援方式の自治体の負担割合 概ね出資割合を前提に県 市町による協調補助 4

3 活性化の実行と検証 (1) 長期収支見込み平成 20 年度から会社 地域住民 自治体が一体となって各種増収策に取組むことによる収入の増加や会社の経費削減により経常赤字は段階的に縮小していきます さらに このような経営改善の取組みに加え上下分離方式の考え方による支援を行うことにより平成 29 年度までの期間内では平成 20 年度から平成 22 年度の損益は赤字であるもののその後単年度黒字に転じ 長期的には収支は均衡するものと見込まれます また 上下分離の考え方による県 市町の補助もこの期間内には減少が見込まれます 活性化の取組み 経費削減策 増収策の取組み 毎年 8 百万円程度 各種乗車券の発売 鉄道関連グッズの販売 観光商品の企画 販売など 地域による支援の取組み 毎年 8 百万円程度 寄付金の募集 ファン倶楽部の設立 船子新駅の設置 毎年 6 百万円 ~11 百万円程度 運賃の引き上げ 毎年 4 百万円程度 人件費の抑制 18 年度決算 133 百万円 29 年度見込み116 百万円 13% 減 職員の給与水準の引下げ 嘱託職員の活用 上下分離方式の考え方による新たな補助 102 百万円 ~55 百万円程度 長期収支見込による損益 平成 20 年度 15 百万円 平成 21 年度 13 百万円 平成 22 年度 4 百万円 平成 23 年度 1 百万円 ( 単年度損益の黒字転換 ) 5

(2) 検証期間長期収支見込みからは将来的に収益改善が図られるという見通しが立ちましたが 今回の取組みによって長期収支見込みのとおりに進捗していくのかどうかを見極めるため 平成 20 21 年度の2 年間を収益改善の検証期間とします この2 年間の検証期間においては 収益改善見通しの客観的判断を行うため 長期収支見込みを指標とし 収益改善の実効性を見極める検証を行います 検証の結果 平成 20 年度決算及び21 年度決算見込みが 長期収支見込みの数値を下回り 21 年度決算見込みを基にした長期収支見込みにおいて 将来的に収支の均衡が見込めない場合には経営改善の達成が困難になったと判断し 代替交通手段の導入について検討します (3) 推進体制 県 勝浦市 いすみ市 大多喜町 御宿町及び会社で構成する いすみ鉄道再生委員会 ( 仮称 ) を設置し 鉄道の存続に向けて関係者一体となって取り組んでいきます 委員会では 再生のための具体的な活性化策について検討を行っていきます 検証期間においては 決算など会社の経営状況を踏まえ 経営改善の達成見込みを見極めていきます 委員会に企画部門や観光部門の職員からなるワーキング組織を設置し 活性化策に迅速に取り組んでいきます (4) 地域公共交通活性化 再生法に基づく鉄道活性化の取組み平成 19 年 10 月 1 日に施行された 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律 に基づく 地域公共交通活性化 再生総合事業 や 地域の活性化に資する鉄道活性化総合支援パッケージ など 今後 国が創設を予定している新たな支援制度を活用し 地域づくり まちづくり と一体となった鉄道利用の促進策を検討します 6

活性化への具体的な取り組み ( 参考 1) 経営改善の取り組み 地域による支援 自治体の取り組み 取組み内容 取組み内容 取組み内容 取組み内容 経営体制の見直し人件費の抑制 民間的経営感覚を取入れ 効率的な経営を進めていくため民間経営者の登用を行う 給与水準の引下げ 嘱託職員の積極的な活用などにより人件費の抑制を図る 観光商品の企画 販売 いすみ鉄道を利用したツアーを企画し 旅行会社とタイアップして集客を図る ビール 日本酒 ワインなどのお酒と山海の幸 ( 魚介類 地域内サポーターからの寄付金の募集 地域内の個人を対象として自治会等を通じ いすみ鉄道存続のためのサポーターとして寄付を募る インターネット等を活用し 地 船子新駅の設置 住民の利便性向上と鉄道の利用促進を図るため 大多喜駅と上総中川駅間のショッピングセンターオリブに隣接している船子地区に新駅を設置する 山菜 いのしし ) のグルメ 域外に会員の幅を広げたファ 自治体職員等 沿線の自治体職員 企業の従業 各種乗車券の発売鉄道関連グッズの販売 鉄道とバスの乗継ぎフリー切符等各種フリー乗車券の発売 鉄道の日記念乗車券の販売 開業 20 周年記念乗車券等の販売 ポストカードの販売 キーホルダー等の販売 サブレ等お菓子の販売 商品の受託販売を行い 売上の一部を手数料として収入に充てる 加工食品を開発して販売する 企画列車の運行いすみ鉄道ハイキングの実施運賃改定の実施 列車を運行する 子供に興味を持ってもらうため クリスマス列車 を運行する 養老渓谷の自然を活かした 駅からハイキング 城下町の歴史を活用した駅からハイキングなどを実施し 夷隅地域の観光資源をPRし 鉄道の利用促進を図る 平成 9 年 4 月の最後の運賃改定から 10 年を経過しており 運行を維持し安全な運行を確保していくために運賃引き上げを実施する 地域外サポーターによるファン倶楽部の設立枕木オーナーの募集花壇オーナーの募集観光大使による P R ン倶楽部を組織する 大多喜高校 大原高校 大多喜女子高校の卒業生に対するサポーターとしての協力依頼 ( ダイレクトメール等 ) をする 枕木オーナーを募集し 枕木へのネームプレートの設置や枕木オーナー証明書を発行する 各駅に花壇を設置し 法人を対象としてオーナーを募集する 花壇には オーナーの広告を掲載する いすみ鉄道にかかわりのある有名人を観光大使として任命し 鉄道利用の促進を呼びかける による利用促進環境への取組み市町のイベントとの連携 員による利用促進を働きかける 廃食油の燃料利用による環境への負荷低減 CO2 の排出削減のため公共交通機関の利用促進を働きかける 各市町の実施する行事の参加者への鉄道利用の促進 各市町の行っているイベントの出店スペースの確保 ( 地域外 ) 西東京市市民祭り 墨田まつり等 ( 地域内 ) はだか祭り ビッグひな祭り レンゲ祭り お城祭り 伊勢えび祭り等

( 参考 2) 長期収支見込み ( 平成 20 年度 ~ 平成 29 年度 ) ( 単位 : 百万円 ) 年度 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 収益 うち取組み策 経費 うち人件費 収益 - 経費 (A) 上下分離の考え方による新たな補助 (B) 損益 (A)+(B) 118 117 138 141 141 142 144 146 142 141 139 138 23 26 28 30 32 35 32 32 32 31 246 236 237 246 248 244 245 229 224 209 193 191 133 134 127 123 126 121 123 120 119 121 118 116 128 119 99 105 107 102 101 83 82 68 54 53 84 92 103 103 102 101 88 84 68 55 17 9 15 13 4 1 1 18 6 16 14 2 収支見込の考え方 ( 収益について ) 輸送人員については 基本的には将来の沿線人口の推移に比例し減少 ( 年 1.1%) するものとする 収益増加要因として取組み策による増収見込み額を計上する ( 経費について ) 人件費については会社推計に基づき見込む