概要版 夢中になって遊び豊かな心と体を育む ~ たのしさいっぱいかがやく瞳でまあるい心とつよい体の高松っ子 ~ 平成 23 年 2 月高松市 高松市教育委員会
高松っ子いきいきプラン策定の趣旨 本プランは, 就学前の子どもが幼稚園 保育所 幼保一体化施設など, どこに在籍していても, 等しく質の高い教育 保育を受けられるよう, 各施設が積み上げてきたものを生かしつつ, 今後, 重点的に取り組むための方針や具体的な取り組みを示しています さらに小学校との連携を深め, 就学前教育と小学校教育との学びの連続性を考慮して円滑な移行を図ったり, 家庭, 地域社会との連携を推進したりすることで, 子どもの育ちの確かな保障と, 教育 保育の一層の充実をめざしています 高松っ子に育てたい力 乳幼児期は, 人間としてよりよく生きるための土台となる道徳性や生活習慣などの人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期です また, 大人への依存と信頼を基盤として様々な体験を経る中で, 多くの発達の課題を乗り越えて自立に向かう時期です 本市の子どもの現状から, 生活習慣が十分身に付いていない, コミュニケーション能力の低下, 直接体験の不足, 自制心や規範意識の不足などの課題を踏まえ, 就学までに高松の子どもに育てたい力を以下のように示しました 生活に必要な習慣 ( 基本的生活習慣 生活リズム 食習慣 ) 豊かに感じる心の育成 ( 感性 表現力 ) 主体的に環境にかかわり遊びこむ力 ( 好奇心 探究心 思考力 ) 人とかかわる力 ( 自己発揮と自己抑制のバランスのとれた自律性 自尊感情 コミュニケーション能力 協同性 ) 道徳性 規範意識 しなやかで健康な体つくり ( 体力 身体調整力 挑戦意欲 ねばり強さ 危険回避能力 ) これらの力は遊びを通して様々な体験をし, 試行錯誤を繰り返したり, 友達とかかわったりすることから育まれていくと考えます そのために, 保育者が子どもたちに何を願い, どんな援助をしていくのかを明らかにしていくため,4つの視点を定め, カリキュラムを作成しました プランの特色 乳幼児期から児童期への円滑な移行を図るために,0 歳児 ~ 小学 1 年生までの発達の連続性を踏まえ, 小学校との接続を視野に入れた, 一貫性のある共通した内容 遊びを通した学びを基本に, 子ども自身が主体性を十分に発揮することのできるかかわりや環境構成など, 保育者の役割について構成された内容 家庭や地域社会における子育て支援の拠点としての役割を含む内容
共通カリキュラムの視点 めざす高松っ子の姿 たのしく食べていきいきと元気に遊ぶ子ども ( 基本的な生活習慣 ) 子どもが安定した生活を送るために必要な食事 睡眠 排泄 清潔 着脱の習慣を身に付けることや, 一人一人の子どもの命や健康, 安全を守り, 生活の安定を図る視点です また, 乳幼児期から食にかかわる体験や, 食に関する習慣などが身に付くよう, 家庭と連携しながら食育の推進を図っていくことが大切です か 身近な環境に興味や関心をもって友達と遊び, 好奇心や探究心, 思考力を働かせ自ら学ぼうとする意欲を育む視点です 子どもが, 身近な事象に好奇心や関心をもち試行錯誤しながら遊びをつくり出し, 探索活動を進めていくための人的 物的 空間的環境の工夫に努め, じっくり取り組める場所と時間の工夫などが必要です ま あるい心で友達に共感できる子ども ( 人とのかかわり ) 保育者との信頼関係を基盤に, 子どもが互いにかかわりを深め, 協同して遊ぶことの楽しさや, 自己を抑制しようとする気持ちを育む視点です 様々な人とのかかわりの中で, 人を信頼する気持ちやコミュニケーションをとることの楽しさや規範意識の芽生えを育み, 友達同士心を通わせて遊びを楽しむ力や, 身近な人々に親しみをもち, かかわる力の育成には, 多様な感情体験の工夫が必要です つ 基本的生活習慣 生活リズム 食習慣こかにつばすたがやく瞳で自ら環境にかかわって遊ぶ子ども ( 身近な環境とのかかわり ) 感性 好奇心 探究心 表現力 思考力かにまだい 自尊感情 コミュニケーション能力 協同性 道徳性 規範意識 自己発揮 自己抑制 よい心と体で最後までやりぬく子ども ( しなやかで健康な体つくり ) 体力 身体調整力 挑戦意欲 ねばり強さ 危険回避能力 子どもたちが興味や関心をもって体を動かすことの楽しさや喜びを育むための視点です 困難なことを最後までやり遂げ, 達成感を味わえるような場の提供や, 安全についての構えを身に付けることのできる力の育成が重要です
共通カリキュラム (0 歳児 ~ 小学 1 年生 ) : ねらい : 援助のポイント 0 歳児 1 歳児 2 歳児 保育者に世話をしてもらう心地よさを味わう 自分でしようとする気持ちをもつ 自らしようとする気持ちを受け止めてもらいながら, 自分でできたという満足感を味わう 一人一人の月齢の違いに留意しつつ, 生理的欲求を十分に満たし, 生命の保持と生活の安定を図る 安心できる保育者とともに, ゆったりと食事, 排泄, 着脱を行いながら自分でしようとする意欲を育むようにする 自分でできることに喜びを感じられるような言葉かけや援助をし, 個人差を考慮しながら一人でできたことへの喜びや自信がもてるようにする 特定の保育者との触れ合いの中で感覚の働きを豊かにする 興味や関心をもったことや物に意欲的にかかわろうとする 身の回りの興味 関心のあることを模倣して遊ぼうとする 身の回りのことに興味 関心がもてるよう, 見る, 聞く, 触れるなどの五感を使った遊びを特定の保育者と楽しみ, 穏やかな刺激を与えるようにする 子どもの発見や驚き, 欲求を受け止め共感するとともに, 一人一人の発達を理解しながら見守ったり, 援助したりしていく イメージを膨らませて遊ぶことの楽しさを味わえるようにする 特定の保育者との十分なスキンシップの中で温かく見守られ, 安心感をもつ 保育者や友達に興味や関心をもち, かかわりをもとうとする 身近な人への興味や関心を広げ, 保育者や友達と遊ぶ楽しさを味わう なるべく特定の保育者がかかわるようにし, 欲求を満たす中で安心して自分の思いが出せるようにする 保育者と信頼関係を築き, 周りの友達へのかかわりを広げていけるようにしていく 遊びの中で, 保育者が仲立ちとなって友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わえるようにする 座る, 寝返り, はう, つかまり立ちなどをしようとする 一人歩きができるようになり, 自分が行きたいところに行こうとする 走る, 跳ぶなど自分の思うように体を動かして遊ぼうとする 一人一人の発達の状態を的確に把握し, 一対一での安定したかかわりの中で発達を促すよう, 適切な援助をしていく 歩行の確立により, 盛んになる探索活動が十分できるように, 安全に配慮しつつ, 環境を整え応答的にかかわる 戸外に出る機会を多くし, 安全面に配慮しながら伸び伸びと体を動かして遊べるようにしていく
3 歳児 4 歳児 5 歳児 ( ~12 月 ) 身の回りのことを自分でしようとする 1 日の生活の流れが分かり, 必要なことを自分でしようとする 生活の仕方を身に付け, 自分の身の回りのことを進んで行い, 見通しをもって生活を進めていこうとする 一人一人の実情に応じて, 生活習慣を身に付けていく過程を大切にし, きめ細やかにかかわり, 自分でできた満足感を味わえるようにする 自分で考えて動けるように周りの様子に気付かせ, 意識や意欲を育み, 生活の仕方が身に付くようにする 1 日の流れの見通しがもてるよう, 環境を整えたり, 自分たちで生活や遊びを進めていこうとしたりする姿を十分に認める 身近な環境に興味 関心をもち, 自分からかかわろうとする 身近な環境に自分からかかわり, 様々なことを感じ, 発見したり, 考えたりする 意欲や好奇心, 探究心をもって, 身近な環境にかかわり, 様々なことに気付き, 考えたり, 発見したりしたことを, 生活や遊びに取り入れていこうとする 保育者が様々な遊びや素材を提供したり, 身近な自然と触れ合える環境づくりをしたりする 施設内外の身近な環境に触れる機会を提供し, 興味 関心をもって遊びの中に取り入れていけるよう支援していく 子どもが心と体を働かせて物とじっくりかかわったり, 互いの考えに触れたりする環境を意図的, 計画的に構成する また, 新しい考えを生み出す喜びや楽しさを味わい, 自ら考えようとする気持ちが育つように支援する 自分の思いを出しながら, 保育者や友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わう 気の合う友達とイメージを重ねながら遊ぶ楽しさを味わう 友達と協力して, 役割を分担しながらやり遂げる充実感を味わう 保育者や友達と遊ぶ中で, 安心して自分を出しながら, 楽しさやおもしろさを味わえるように共感的にかかわる 友達と多様なかかわりがもてるようにするとともに, 一人一人が十分に自己発揮できるよう援助する 一人一人のよさを仲間と認め合い, 尊重する気持ちを高めていけるように配慮する 体を動かして遊ぶ楽しさを味わう 喜んで運動遊びをしたり, 友達と一緒に遊んだりする楽しさを味わう 自分の体を十分に動かす楽しさを味わいながら, 目的や課題に向かってやり遂げようとする 個々の発達や生活経験を考慮しながら やってみたい と思えるような環境を構成し 楽しかった という満足感を味わえるようにしていく 伸び伸びと自分のやりたいことに向かって取り組めるよう, 子どもの興味 関心にそった遊びや活動を用意したり, 体を動かす心地よさが味わえるように支援したりしていく 子どもの挑戦しようとする気持ちや過程を大切にし, 自分なりの満足感や達成感を感じることができるように, 必要に応じて適切な支援をしていく
5 歳児 1 月 ~3 月 1 年生 4 月 ~7 月 接続期前期接続期後期 1 年生 ( 8 月 ~ ) 就学への期待をもって, 自分たちで生活を進めていこうとする 新しい環境に慣れて, 自分でできることを増やしていこうとする 生活習慣や望ましい学習態度を身に付け, 自分たちで学校生活を進めていこうとする 一人一人が自立した生活をしようとするように見守りながら, 状況に応じた働きかけをしていく 基本的な生活習慣や学習態度を身に付けることができるように, そのよさを分かりやすく説明するとともに, やり方を教える 個に対応しながら, 自分のことは自分でできるようにしていく 就学への期待をもって, 意欲的に生活や遊びを進めていこうとする 就学の喜びをもち, 学校の環境や生活について体験し, 慣れるとともに, 意欲的に生活や学びを進めていこうとする 思いや願いをもって, 積極的に身近な環境にかかわり, 考え判断して行動しようとする 自己表現する姿を十分に認め, 自分の成長を実感できるような機会をつくり, 自信につなげていく 学校の環境や生活について, 好奇心や探究心を大切にして, 積極的に体験する機会を増やし, 慣れていくようにする 身近な環境と繰り返しかかわり, 気付いたことを表現する場を設ける 友達と共通の目的に向かって, 生活や遊びを進める楽しさを味わう 学校の先生, 友達, 上級生, 地域の人などとかかわり, 新しい環境に慣れる 学校の先生, 友達, 上級生, 地域の人などと進んでかかわり, 相手の気持ちを考えようとする 生活の中で, 友達と共通の願いや目的をもって工夫したり, 協力したりする充実感を味わえるように支援していく 新しい先生や友達に慣れ, 安心して自分を出せるようにかかわる 人とかかわることを通して, 気持ちよく感じる体験を多く積み重ねられるようにする ルールのある遊びや集団遊びを通して, 体を思い切り動かし, 遊ぶ楽しさを味わう 新しい環境や集団の中で, 心を開いて積極的に, 仲よく運動する 誰とでも仲よく, 健康や安全に気を付けつつ, 自分たちで工夫して意欲的に運動し, 基本的な動きや体力を身に付ける 一人一人が意欲的に取り組めるよう援助し, グループやチームの意識を高めたり, 競い合う楽しさを味わえるようにしたりする 一人一人が新しい環境に慣れるよう, 学校の施設を使う機会を増やす みんなで楽しく安全に運動しながら, 体力の向上を図る
プラン重点項目および体系図 就学前教育は子どもの生活全体を視野に入れ, その生活が充実したものになるよう幼稚園 保育所 一体化施設, 家庭, 地域社会が互いに連携を図り, 子どもの望ましい発達をめざしていくことが重要です 本市がめざす就学前教育の実現に向けて, 次のとおり重点項目を定め, 各施設が取り組むことを体系図に示しました 重点項目 (1) 子どもにとって望ましい教育 保育の充実 (2) 家庭における子育ての充実と豊かな親子関係づくりへの支援 (3) 地域社会や関係機関との連携の推進 体系図 幼稚園 保育所 一体化施設 1 子どもにとって望ましい教育 保育の充実 (1) 生きる力の基礎を培う教育 保育内容の充実 各視点の内容 (2) 特別支援教育の推進 (3) 小学校との交流 相互連携の推進 (4) 幼稚園 保育所 一体化施設の交流 相互連携の推進 (5) 職員の資質向上の推進 家 庭 人間形成の基礎を育む就学前教育の充実 地域社会 2 家庭における子育ての充実と家庭 3 地域社会や関係機関との連携の推進地域社会豊かな親子関係づくりへの支援 (1) 保護者同士の交流の場づくり (2) 子育て相談の実施 (3) 親としての学びの機会の提供 (4) 未就園児親子への支援 (1) 地域の力を取り入れた保育の充実 (2) 地域で支える子育て支援の推進 高松っ子いきいきプラン は高松市の子どもたちの健やかな育ちを保障し, 就学前教育がさらに充実するための基本的な方向性を示すものです 各幼稚園 保育所 一体化施設においては, このプランを十分活用して, それぞれの施設や地域などの実態や特性を考慮した特色あるカリキュラムを作成され, 豊かな教育 保育の実践が展開されることを願っています 本プランの推進にあたっては, 毎年度末に各幼稚園 保育所 一体化施設の進捗状況を見極め検討し, 必要がある場合は見直しを行います
高松っ子いきいきプランの位置づけと活用 高松市 幼稚園教育要領 保育所保育指針 高松市 教育振興基本計画 子ども未来計画 香川県幼児教育振興プラン 高松っ子いきいきプラン 高松市保育所における質の向上のためのアクションプログラム 幼稚園一体化施設保育所 教育 保育目標 教育課程, 保育課程の改善をする 教育課程教育 保育課程保育課程 プランを基に, 各施設の教育 保育課題や, 子ども 家庭 地域などの実態を受け, 独自性のある編成とする 長期 ( 年 期 月 ) の指導計画 週 日々の反省 評価 記録を生かして, 指導計画を改善する 短期 ( 週 日 ) の指導計画具体的なねらい 内容を明確にして環境の構成や保育者の援助, 活動の展開などを計画する 保育実践活動を通して子どもが発達に必要な経験を得ていくような適切な援助を行う 環境の構成 具体的なねらいが達成できるための環境を構成する 反省 評価 記録 子どもの育ちを振り返り, 保育を見直し改善に向ける 子ども理解 ( 子どもの育ちや生活実態など ) 保育の評価 ( ねらい 内容 環境構成 活動や発達課題に添った援助など ) 保育記録を通して子ども理解や保育実践の評価を深める 保育カンファレンスを行い多面的に反省 評価する 高松っ子いきいきプラン 発行日 連絡先 平成 23 年 2 月高松市番町 1 丁目 8 番 15 号高松市健康福祉部保育課高松市教育委員会学校教育課 電話 087-839-2358 電話 087-839-2616