平成 24 年度事業計画 わが国経済は このところ 円高に歯止めがかかり 株価も回復傾向にあるが まだまだ厳しい状況にあることに変わりはない さらに 消費税率引上げを含む社会保障と税の一体改革の行方によっては 国民の住宅建設 購入が困難となることも予想され 景気への悪影響が憂慮される とりわけ 東日本大震災の復興需要の影響を受けて 被災地以外での住宅建設において人件費 資材の値上り 人手不足等 我々中堅住宅不動産事業者にとって 看過できない事業環境になることが懸念される こうした状況に対応するため 政策提言 要望活動を積極的に展開するほか 住宅不動産の事業手法の調査研究を行い 会員の事業経営に資する 加えて 省エネ法の改正など住宅供給に係る法規制の動向を把握し 適宜 会員への情報の提供と周知を図る また 平成 24 年度からの一般社団法人への移行を受け 従前に増して効率的な事業運営を行う 以上を踏まえ 平成 24 年度の事業計画を次のとおり定める 基本方針 1. 政策活動 提言消費税 住宅 土地税制改正 住宅金融支援機構のフラット35を始めとする融資制度について改善を要望し その実現を図る 2. 住宅不動産事業手法等の拡充 (1) 委員会活動を通じて 環境に配慮した住宅供給の促進 首都圏における戸建分譲住宅の販売状況等について調査研究を行うとともに 日住協いえかるての普及促進を図る (2) 昨年度に引き続き建築物の耐震化に資する事業を実施する 3. 協会活動の展開 (1) 協会活動の活性化及び協会運営の効率化に努める (2) 全国住宅建設産業協会連合会 ( 住協連 ) との統合を推進する (3) 会員が利用できる割引制度等を拡充し 周知するとともに この制度を活用した新規入会の促進を図る (4) 一般社団法人への移行を機に 協会ホームページを改訂し 内容を拡充する -159-
第一政策活動 提言 1. 消費税社会保障 税一体改革大綱で 住宅の取得について 必要な措置について財源も含め総合的に検討すると明記されたことを受け 少なくとも現行以上の税負担にならないよう的確な軽減措置を関係団体と連携しつつ提言する 2. 住宅 土地税制住宅用家屋の所有権の保存登記に対する税率の軽減措置を始め 平成 25 年度税制改正へ向けて改正要望を提言し その実現を図る 3. 住宅金融 (1) 住宅金融支援機構の組織形態見直しの議論が行われているため 検討経過を注視するとともに必要に応じて提言等を行う (2) 住宅金融支援機構のフラット35Sエコを始めとする融資制度について 融資率上限 金利引下げ幅 期間 審査の状況 審査基準等について改善要望を行う (3) 住宅ローンの審査状況等について 必要に応じてアンケート調査を実施する (4) ユーザーが幅広い商品の中から適切な住宅ローンを選択できるよう情報提供を行う 4. 事業資金融資の円滑化民間金融機関による事業資金の供給動向について 必要に応じてアンケート調査を実施する 5. 住宅供給に伴う法規制への対応 (1) 住宅 建築物の省エネ基準の義務化が検討されているため その検討経過に留意し 必要に応じて提言等を行う (2) 民間の低炭素建築物の認定制度の創設等を柱とする 都市の低炭素化の促進に関する法律 の制定に備え 検討経過に留意し 必要に応じて提言等を行う (3) 建築物の質の確保 向上に向け 建築基準法などの建築法体系全体の目指すべき基本的方向を整理するために設置された 建築法体系勉強会 の検討経過に留意し 必要に応じて提言等を行う 第二住宅不動産事業手法等の拡充 1. 住宅の商品企画 供給手法等の研究 (1) 街並みの形成に配慮した分譲住宅の供給手法に関する調査研究 マンション及び戸建住宅のプラン 性能及び商品企画に関する事例研究 優良プロジェクトの見学会等を行う (2) 首都圏における戸建分譲住宅の販売状況調査を引き続き実施し データの蓄積を行うほか 消費者の求める住宅を的確に把握し 会員の適正な供給計画の立案に資するため 会員への情報提供の充実を図る (3) 標準管理規約の見直し及び区分所有者以外の第三者による管理の新たな枠組みの方向性等について検討が行われているため 検討経過に留意し 必要に応じて提言等を行う -160-
2. 日住協いえかるての普及促進等 (1) 日住協いえかるて の会員への普及促進に引き続き努めるとともに 長期優良住宅先導的モデル事業に採択された 戸建住宅の維持管理を支援する仕組み構築事業 のうち 住宅の維持管理等に係る指針 規程の整備を行うための調査研究等を行う (2) ( 一社 ) 住宅履歴情報蓄積 活用推進協議会の構成団体として その運営に協力する 3. 長期優良住宅の普及の促進に関する法律等への対応長期優良住宅の普及の促進に関する法律の普及に努めるほか 平成 24 年 3 月に見直しが行われる予定となっている 長期優良住宅の共同住宅に係る認定基準の各項目の見直し指針 等について周知に努める 4. 環境に配慮した住宅供給の推進 (1) 環境に配慮した住宅供給の推進を図るため ゼロ エネ住宅 省エネ性能の高い躯体の構造及び施工方法並びに太陽光発電等最新の住宅設備機器等について調査研究を行う (2) 住宅市場の活性化 東日本大震災の被災地復興支援のため 環境に配慮した住宅の新築や改修にポイントを付与する復興支援 住宅エコポイント制度について会員への情報提供を行うとともに 申請窓口として受付業務を行う 5. 建築物耐震化への対応耐震診断 耐震補強工事 建物売却等 得意分野の異なる会員同士が協同して事業を行う沿道建築物耐震化プロジェクトを昨年度に引き続き実施する 6. 住宅瑕疵担保履行法への対応 (1) 住宅瑕疵担保履行法で義務付けられている基準日における届出手続等について会員への周知徹底に努める (2) 任意の制度として導入されているリフォーム 既存住宅及び大規模修繕に係る保険制度について会員への情報提供を行う 7. 不動産流通市場活性化への対応消費者が中古住宅を安心して取引できる環境を整備するため 不動産流通市場の活性化について調査研究を行うほか 不動産流通市場活性化フォーラムに委員を派遣し 円滑な不動産取引のために必要な情報の把握 蓄積 提供等について対応を検討する 8. 賃貸住宅の商品企画 管理手法等の研究 (1) 賃貸住宅の管理手法 商品企画 最新の設備機器等についての事例研究を行うほか 会員間の情報交換を行う (2) 世帯構成の変化に伴う単身世帯の増加や サービス付き高齢者向け住宅の普及など多様化するニーズに対応した賃貸住宅の供給を行うための調査研究を行う (3) 国土交通省が新たに定めた 賃貸住宅管理業者登録制度 並びに改訂された 賃貸住宅標準契約書 について 周知するとともに普及促進を図る -161-
9. 住宅不動産に関する情報提供体制 (1) 日住協 NET の登録情報をより一層充実させ 利用促進を図る (2) 不動産統合サイト運営協議会の構成団体として 円滑な運営に協力するほか 不動産ジャパンの見直しについて対応を検討する 10. 新規事業に関する研究時代の変化に対応した新しい事業 企業経営の安定に資する諸方策 土地の有効活用等について事例をもとに調査研究を行う 第三協会活動の展開 1. 協会運営の充実 (1) 一般社団法人として 公益目的支出計画を実施するとともに 効率的な事業運営を行う (2) 会員間の意思疎通の円滑化を図るため 経済情勢 市場動向 住宅政策等企業経営に資する経営者向け講演 意見交換会を積極的に開催する (3) 支部セミナーの開催 日住協 NEWS( 別冊 ) の発行その他支部の活性化に資する施策を推進する 2. 住協連との統合当協会と住協連の統合の合意に向けた協議を進め その実現を図る 3. 不動産取引等の公正化 (1) 倫理憲章及び企業行動理念について引き続き周知徹底に努める (2) 不動産取引から反社会的勢力の排除が求められているため 関係団体と協力して適切な対応を行う (3) 法令遵守が事業活動の基本であることを再認識し 消費者保護に立脚した宅地建物取引の観点から宅地建物取引業法 個人情報保護法 消費者契約法 消費生活用製品安全法を始め 不動産公正競争規約等不動産関連法令について周知徹底を図るとともに研修会を積極的に開催する 4. 情報提供及び広報活動 (1) 協会ホームページを抜本的に見直し 会員間の情報交流 日住協の活動内容 会員のメリット等の情報を提供する内容に改める (2) 会報 日住協 週刊日住協 NEWS 及び 日住協住宅金融レポート 等を通じた的確な情報提供に努める (3) 会員の入会状況等について 随時専門紙に情報を提供する (4) 住生活月間その他の関連行事への参加等により協会活動の周知を図る (5) 住宅不動産に関連する資料の収集整備を行う 5. 建設現場における労災事故防止 (1) 労働安全衛生法等安全に係る法令に関して 法令勉強会 事例研究会等を開催する (2) 住宅生産団体連合会及び東京木造家屋等低層住宅建築工事安全対策協議会等と連携して各種技能者講習会等を開催する -162-
6. 社員教育研修会員企業の社員の資質向上 人材の育成に資するため 住宅宅地の供給に関する業務等をテーマに新入社員 営業社員向けの研修を行う 7. 協会の表彰優良事業表彰 優秀社員表彰及び優秀技能者表彰を実施し 会員及び会員企業社員の資質の向上に寄与する 8. 会員企業のための福利厚生会員企業の役職員の福利厚生制度の一つとして 日住協新保障制度の充実に努めるほか 日本住宅建設産業厚生年金基金及び東京不動産業健康保険組合への加入促進を図る 9. 宅地建物取引主任者講習等宅地建物取引業法第 22 条の2 及び第 22 条の3に基づく宅地建物取引主任者講習を実施する 10. 住宅瑕疵担保責任保険法人の認定団体業務 (1) 住宅保証機構 住宅あんしん保証 日本住宅保証検査機構 ハウスジーメン及びハウスプラス住宅保証 の認定団体として 住宅瑕疵担保責任保険の申込受付を行うほか 検査員の研修等検査体制の充実その他業務を的確に実施する (2) 特保住宅の対象範囲の拡充について検討を行う (3) 住宅品質確保促進法に定める瑕疵担保責任の的確な履行を担保し 住宅瑕疵担保履行法に定められた資力確保措置である保険への加入を促進する 11.( 公財 ) 東日本不動産流通機構のサブセンター業務国土交通大臣指定の ( 公財 ) 東日本不動産流通機構のサブセンターとして 広域的な物件情報の交換を促進し不動産取引を円滑にするため 会員 ( 事業所 ) の管理等指定流通機構業務の代行を行うほか 会員の利用を促進するため所要の措置を講ずる 12. 産学協同事業 (1) 明海大学との 不動産学の教育 研究に関する協定 に基づき インターンシップ制度及び協会特別推薦入試制度の利用促進に努めるほか 不動産業界の人材育成を図る観点から 宅地建物取引主任者資格試験の受験対策講座を実施する (2) これからの不動産業及び関連する事業について 日本不動産学会と協同して調査研究を行う 13. 関係団体との連携 (1) 不動産団体連合会 住宅生産団体連合会及び住協連の一員としてそれらの構成団体との連携に努め政策要望の実現を図る (2) ( 公社 ) 首都圏不動産公正取引協議会 ( 公財 ) 不動産流通近代化センター 不動産適正取引推進機構 ( 公財 ) 東日本不動産流通機構 世界不動産連盟日本支部等関係団体に役員を派遣しその運営に寄与する -163-
14. 関係省庁等との連携 (1) 国土交通省を始めとする関係省庁の住宅不動産業界に関連する施策へ対応するほか 不動産関連研究機関及びシンクタンク等との連携に努める (2) 一般社団法人移行後も国土交通省 東京都等の要請に応じて 研究会等に委員を派遣しその運営に寄与する -164-