2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

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授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

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2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

1 目的のある発問をする 2 思考の可視化をする (3) まとめる段階 における工夫 1 自分の身に付けた力を使って 表現したり交流したりする場の設定をする 2 自分の学びを振り返る場の設定をする 5. 研究内容 1 読むこと の指導の充実を目指した国語科の授業研究 国語科の授業研究会実施 ( 年間

1 研究主題 学校課題研究計画 ひとりひとりが輝く授業づくり ~ どの子にも分かりやすい支援の工夫を通して ~ 2 主題設定の理由本校では 教育基本法改正等による教育の理念 生きる力 をはぐくむために また本校の学校教育目標 確かな学力を身に付け 心豊かにたくましく生きる旭の子 を受けて 学校課題の

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必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

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(2) 指導の実際 1 話すこと 聞くこと の実践ア協働による教材研究の柱 モデルの提示について対話のためのスキルの定着や対話の深まりを目指し, 教師や代表グループによる対話のモデルを提示し, 気付いたことや発見したことを基に自分たちの対話や話合いの様子を振り返らせ, 学びの充実を図るようにする 共

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

(3) 資料について本資料は混雑したお店で孫が積んである段ボールを崩してしまい困っているおばあさんの代わりに わたし とその友達の友子が 整理していると 事情の知らない店員に叱られてしまう その後 おばあさんにお礼を言われたが わたし と友子はすっきりしないで帰る 数日後 店員からお詫びの手紙が来た

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座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

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し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

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指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

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徳教育推進部(道徳部道徳の指導計画には, 道徳教育の全体計画 道徳の時間の年間指導計画 学級における指導計画 学習指導案 がある いずれも道徳教育を推進させる重要な指導計画であるが, ここでは前三者の作成ポイントを取り上げる ( 学習指導案 については, 別ファイル 道徳の指導案作成のポイント を参

中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

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Transcription:

盛岡 A 市立 A 河北 A 小学校 平成 28 年度研究成果報告書 平成 28 年度教育課程研究指定事業 継続 都道府県 都道府県 岩手県 研究課題番号 校種名 2 小学校 指定都市番号 3 指定都市名 盛岡市 教科 領域名 道徳 学習指導要領の指導状況及びこれまでの全国学力 学習状況調査結果から, 学習指導 要領の趣旨等を実現するための教育課程の編成, 指導方法等の工夫改善に関する実践 研究 学習指導要領において, 各教科等においても特質に応じた適切な道徳教育を行うこ と, 道徳教育の全体計画に各教科等で行う道徳教育について指導の内容及び時期を示 研究課題 すことになったことを踏まえ, 自校の道徳教育の重点目標に基づく各教科等の特質を 生かした道徳教育, それらの要となる道徳の時間の指導方法の研究 ( ア ) 学校の道徳教育の重点目標に基づく全体計画の作成と実施に関わる工夫 ( イ ) 各教科等の特質を生かした道徳教育の工夫 ( ウ ) 各教科等の道徳教育の要となる道徳の時間の指導の工夫 ( エ ) 私たちの道徳 の効果的な活用の工夫 指定年度 平成 27 年度 ~ 平成 28 年度 ふり学 A 校名 がな A( 児童数 ) A もりおかしりつかほくしょうがっこう A(142 名 ) 所在地 ( 電話番号 ) 岩手県盛岡市長田町 16-1(019-623-9244) 研究内容等掲載ウェブサイト URL URL:http://academicl.plala.or.jp/iwkahoku/ 研究のキーワード思いやりたくましさ道徳教育全体計画指導の一貫性 研究成果のポイント 重点目標を明確にして道徳教育全体計画に反映させ, 指導の一貫性を図ることができた さらに, 学級における道徳教育の具体化を図ることにより, 日常的な指導が展開できるようになった 重点目標に基づく別葉の作成により, 各教科等との関連を図りながら道徳教育を推進できるようになった 道徳の時間の指導方法を工夫改善することによって, 授業の質を高めることができた 道徳の時間で利用する 私たちの道徳 の効果的な活用方法について検証することができた 1 研究主題等 (1) 研究主題思いやる心とたくましさを育てる道徳教育 ~ 自己を見つめ, 他者との関わりを深める指導の工夫 ~ (2) 研究主題設定の理由 1 時代の要請から平成 30 年度からの 特別の教科道徳 の全面実施を前に, その趣旨を十分に理解するとともに, 思いやる心とたくましさを育てる道徳教育の在り方を, より計画的に検証していくことが必要であると考えた

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる 道徳教育の在り方を追究しなければならないと考えた 3 児童の実態から 経営反省に基づく児童の実態分析から, 生き方の根幹である 生命の尊さ を重点内容項目とし, 本年度の学校経営の重点 ( まなびフェスト河北 ) との関連性を図るため, 希望と勇気, 努力と 強い意志 親切, 思いやり 規則の尊重 をさらに重点内容項目として取り上げ道徳教育を推進 していくことにした (3) 研究体制 校長 低学団部会 全体研 研究推 副校長 研究主任 学団 中学団部会 高学団部会 特別支援学級団部会 究会 進委員会 同副主任 教務主任 視点別 A 希望と勇気 部会 B 親切思いやり 部会 C 規則の尊重 部会 D 生命の尊重 部会 授業者 (4)2 年間の主な取組 平成 27 年度 学級における道徳教育の具体化( 河北 輝きステージプランの作成 ) 改訂された学習指導要領の趣旨の理解 重点目標に基づく全体計画及び別葉の作成と年間指導計画の見直し 授業研究会(9 研究授業 ) 通知表における道徳の時間の評価の試行 平成 28 年度 学級における重点内容項目の指導計画 及び 全体計画の別葉 の作成 指導方法( 板書, ノート, 発問等 ) の共通理解と指導上の留意点の理解 授業研究会(6 研究授業 ) 学校公開研究会( 研究授業, 分科会研究会 ) 研究刊行物の発刊 2 研究内容及び具体的な研究活動 (1) 研究内容 1 道徳教育の重点目標に基づく全体計画の作成と実施 ア全体計画の作成と重点内容項目の設定 イ 学級における重点内容項目の指導計画 及び 全体計画の別葉 の作成 2 各教科等の特質を生かした道徳教育の工夫 3 道徳教育の要となる道徳の時間の指導の工夫 4 私たちの道徳 の効果的な活用の工夫

(2) 具体的な研究活動 1 道徳教育の重点目標に基づく全体計画の作成と実施 ア全体計画の作成と重点内容項目の設定 学校の教育活動全体を通じて道徳性を養うというねらいから, 学校教育目標, 道徳教育 目標, 重点目標及び重点内容項目を明確にし, 本年度の学校経営の重点 ( まなびフェスト 河北 ) との関連性を図った また, 全体計画に, 各教科等における道徳教育のねらいを明 示するとともに, 各学年で取り組むべき重点内容項目及びねらいも明示した イ 学級における重点内容項目の指導計画 及び 全体計画の別葉 の作成 道徳教育の全体計画に基づいて, 重点目標及び重点内容項目の指導内容を学期ごとに示 した 学級における重点内容項目の指導計画 を作成し活用している これは, 教育活動 全体を通じて行う道徳教育について, 道徳の時間はもとより各教科等との関連が一目でわ かるようにするために作成したものである 全体計画の別葉 は, 各教科等で行う道徳教 育についての指導内容及び時期を明示し, 各教科等との関連を図りながら道徳教育を円滑 に進めるために作成したものである 2 各教科の特質を生かした道徳教育の工夫 道徳教育は, 学校の教育活動全体を通じて, 道徳的な判断力, 心情, 実践意欲と態度など の道徳性を養うことをそのねらいとしており, 各教科等の教育活動との関連を図りながら推 進していくことが大切である そこで, 学級における重点内容項目の指導計画, 全体 計画の別葉 を作成し, 各教科等の学習と道徳的価値との関連を明らかにしている 特に重 点目標及び重点内容項目に関わる指導に関しては, より意図的 計画的な指導を行うことがで きるようにしている 3 道徳教育の要となる道徳の時間の指導の工夫 ア学習指導過程イ教室掲示の工夫 ウ指導方法の工夫 教材提示の工夫 気付く 深める つかむ 広げる まとめる の5 段階とする 教室の背面に, 学級目標を中心として道徳の時間に学んだことなどを掲示する 教材の主人公に心を重ね, ねらいとする道徳的価値の自覚を深めるために, 児童自身が自分との関わりの中で考えられるように, 様々な手 法を用いて教材と出合わせる 発問の工夫中心的な発問を軸に学習を一体的にとらえるよう組み立てる 話合いの工夫教師と児童のやりとりだけにとどまることなく, 児童相互の言葉をつなぐ役目を教師が果たし, ねらいとする道徳的価値を追求させる 書く活動の工夫自分の思いや考えを書き留めさせ, 自己の変容や成長を実感させる その記録をポートフォリオ化する 表現活動の工夫児童が教材の主人公に心を重ね, 自分との関わりの中でねらいとする道徳的価値をどうとらえているかを語り, その思いを深めさせる 板書の工夫順接的, 時系列的な構成, また, 対比的, 構造的な構成を工夫する 特別支援学級における工夫児童の考え方や感じ方に応じ, 一人一人にきめ細やかな配慮をする エ学習構想立案の効率化に対する取組 学習指導案の蓄積 板書絵の蓄積 学習の軌跡の掲示 オ評価活動への取組 教師版ねむの木ノートの活用 学習状況 と道徳の時間の積み重ねによる 成長の様子 を記録する

通知表への記載( 試行 ) 平成 27 年度 3 学期の通知表から試行的に道徳の時間の学習状況等評価を記載している 4 私たちの道徳 の効果的な活用の工夫ア道徳の時間における活用 学習の導入時に, ねらいとする道徳的価値につながる教材として提示する 読み物教材 の文章の一部や挿絵を活用する 学習後半の書く活動において中心的教材として活用する イ教育活動全体を通しての活用 こころの日 において 私たちの道徳 を自己で読み深める取組 家庭と連携した活用 3 研究の結果と今後の取組 (1) 研究の結果 学校教育目標, 道徳教育目標, 重点目標及び重点内容項目の関連性を見直し, 全体計画を作成したことにより, 指導に一貫性をもたせることができた また, 学級における重点内容項目の指導計画 を作成したことにより, 意図的, 継続的な指導を行い, 道徳教育の具現化を図ることができた 全体計画の別葉に基づき, 各教科等の学習及び活動を行うことによって, 意図的 継続的な指導を日常的に行い, ねらいとする道徳的価値に関わる指導を補充, 深化, 統合させることができるようになった 私たちの道徳 や復興教育副読本とも対応させている 学習指導過程を明確にし, 指導方法を工夫改善したことにより, 効果的な指導の在り方を検証することができた 特に, ペアやグループなどの話合いを用いたことは, 協働的に学び, 道徳的価値に対する考えを深めさせるために有効であった また, 自分との関わりでねらいとする道徳的価値を理解し, 他者との関わりを深める姿も見られるようになった さらに, 通知表における道徳の時間の評価を試行したことにより, 道徳の時間の学習状況や道徳の時間の積み重ねによる成長の様子を見取り, 保護者に伝えることができた 道徳の時間のみならず, 学校の教育活動全体を通して 私たちの道徳 の活用方法について工夫改善することができた 特にねらいとする道徳的価値に関わる考え方や感じ方を振り返る場で, 活用することができた (2) 今後の取組 児童の実態を再度検証しながら学級における 重点内容項目の指導計画 の有効性を確かめ, 活用の仕方をさらに工夫していく必要がある また, 全体計画の別葉を効果的に活用して, 教育活動全体での指導が, さらに深まるようにしていかなければならない 各教科等の特質を生かした道徳教育の推進について, さらに工夫改善を行っていかなければならない また, 家庭や地域との連携を継続 発展させ, 児童の道徳性を育む環境を整備していかなければならない より効果的な指導法の工夫改善を積み重ねるとともに, 特別の教科道徳 の評価の在り方についても検討を重ねていかなければならない 私たちの道徳 や 復興教育副読本 の活用の在り方とともに, 特別の教科道徳 の教科書の導入を受け, 年間指導計画を新たに作成するなど一部改訂された学習指導要領の全面実施に向けた準備を整えなければならない