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本図書の使用について 1. はじめに本図書は 滋賀県企業庁が工事費算定に用いる材料費等について基礎資料としているものである 2. 掲載単価について 滋賀県企業庁独自の調査結果に基づき定めた単価である 取引数量は 原則として大口取引価格である 荷渡し場所は 特に記載のない限り 原則として 現場持ち込み

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1:K 形異形管は 接合部品を含まない本体のみの価格です 2:K 形異形管の内面塗装はエポキシ樹脂粉体塗装 外面塗装は水道用合成樹脂塗装です 3:K 形異形管呼び径 700 以上については 別途御見積申し上げます

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6 給水装置の材料

6 給水装置の材料 6-1 給水装置の材料 基本事項給水装置の材料は 大別すると給水管と給水用具に分けられる これらの材料の備えるべき性能については 給水装置の構造及び材質の基準に関する省令 ( 平成 9 年 3 月 19 日厚生省令第 4 条 ) による基準が定められている 本市の地域特性に応じた施工指針として 北九州市水道事業給水装置の構造及び材質の基準に関する規程 ( 平成 9 年 9 月 30 日水管規程第 8 号 ) を定め これに基づいて 直結式給水施行要綱 ( 平成 16 年 7 月 1 日施行 ) が定められている 本項では 本市において使用されている主要な給水管 給水用具等について概要を示す 6-1-1 給水管給水管は 給水装置を構成する主要な材料であり多種 多様なものが使用されている 給水管 ( 継手を含む ) の選定にあたっては 水圧 埋設環境及び 設置場所等を考慮して最適なものを考慮する必要がある なお 主要な給水管の一覧及び特長を下記に示す ( 表 6-1,6-6) 表 6-1 主要給水管の一覧 種類規格仕様指定の有無 水道用ダクタイル鋳鉄管 JIS G 5526 3 種 内面塗装 JIS 5528 有 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 JWWA K 116 SGP-VB SGP-VD 有 水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管 JWWA K 132 SGP-PB SGP-PD 有 水道用ポリエチレン二層管 JIS K 6762 1 種軟質 有 水道用硬質塩化ビニル管 JIS K 6742 HIVP 無 架橋ポリエチレン管 JIS K 6769 ポリブデン管 JIS K 6792 M 種 : メカ継手 単層管 E 種 : 電気融着継手 2 層管 M 種 : メカ継手 単層管 E 種 : 電気融着継手 2 層管 H 種 : 融着継手 無 無 < 参考 > 種 類 規 格 仕 様 備考 ( 指定の有無 ) 水道用亜鉛メッキ鋼管 JIS G 3442 S47 年頃まで使用 鉛管 JIS H 4312 S52 年度より使用を廃止 98

1 給水管の材料 (1) ダクタイル鋳鉄管 (JIS G 5526) ダクタイル鋳鉄管は良質の銑鉄の黒鉛を球状化させるため 溶銑中に少量のマグネシウム又は その合金を添加したものを 回転中の鋳形に注入し 遠心力を利用して鋳造するものである 必要により焼きなまし その他熱処理を行っており 強靭性に富み衝撃に強く 耐久性に優れている 規格としては JIS G 5526 ダクタイル鋳鉄管 JIS G 5527 ダクタイル鋳鉄管の異形管 JWWA G 113 水道用ダクタイル鋳鉄管 JWWA G 144 水道用ダクタイル鋳鉄管異形管 がある なお 内面塗装については JIS A 5314 ダクタイル鋳鉄管モルタルライニング 及び JIS G 5528 エポキシ樹脂粉体塗装 がある ダクタイル鋳鉄管の接合形式には T 形 K 形 NS 形 SⅡ 形 フランジ形等 (JWWA G 114) 多くの種類がある ( ダクタイル鋳鉄管接合形式抜粋図 6-1) 本市では 口径 75mm 以上の給水装置の指定材料として JIS G 5526 3 種管 管内面は JWWA G 113 のモルタルライニング又は JWWA G112 内面エポキシ樹脂粉体塗装をした直管と JIS G 5527 に JIS G 5528 のエポキシ粉体塗料をした異形管を定めている 図 6-1 ダクタイル鋳鉄管接合形式 (2) 硬質塩化ビニルライニング鋼管 (JWWA K 11) 硬質塩化ビニルライニング鋼管は 鋼管とビニル管の長所をあわせ 短所をカバーした特性をもっている すなわち 引っ張り強さが大で 外傷にも強く 管内にスケールの発生が少ない なお 管の保管にあたっては 直射日光による温度上昇や 雨水を避ける場所を選定しなければならない また 管の切断及びねじたてにあたっては ライニングされたビニル部分への局部加熱を避ける配慮が必要である 規格としては JWWA K 116 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 があり 外面が 1 次防錆塗装で茶色の SGP VA 外面が亜鉛メッキ塗装のSGP-VB 及び外面も硬質塩化ビニル被覆 ( 青色 ) で SGP VD 等の種類がある ( 図 6-2 硬質塩化ビニルライニング鋼管 ) 本市では 40mm と 50mm の SGP VB 及び SGP VD を指定材料としている ( 直結式給水施工要綱 ) また 継手の規格には水道用樹脂コーティング(JWWA K 117) と管内面腐食防止 ( 赤水防止 ) の観点から現在 防食性に優れている水道用ライニング鋼管用管端防食継手を全面的に採用している ( 表 6-2 管の標準寸法 表 6-3 鋼管用管端防食継手の構造及び種類 ) 99

ムリングタイプ一体ーラントタイプ組込型可動型SGP-VA SGP-VB SGP-VD 図 6-2 硬質塩化ビニルライニング鋼管 ( 参考 ) 表 6-2 管の標準寸法 呼び径 外径 ビニル肉厚 標準内径 ネジ山数 重 量 管 長 (mm) (mm) (mm) (mm) ( 立 /mm) (kg/m) (m) 13 21.7 1.5±0.2 13.1 14 1.4 4.0 20 27.2 1.5±0.2 18.6 14 1.8 4.0 25 34.0 1.5±0.2 24.6 11 2.6 4.0 40 48.6 2.0±0.2 37.6 11 4.2 4.0 50 60.5 2.0±0.2 48.9 11 5.8 4.0 ゴ表 6-3 鋼管用管端防食継手の構造及び種類 型式 構造図 型シ100

(3) ポリエチレン粉体ライニング鋼管 (JWWA K 132) ポリエチレン粉体ライニング鋼管は 鋼管内面に適正な前処理を施したのち ポリエチレン粉体を熱融着によりライニングしたものである 規格としては JWWA K 132( 水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管 呼び径 15~100 A ) があり 外面が1 次防錆で茶色の SGP PA 外面が亜鉛メッキの SGP PB 及び外面もポリエチレンで水色の SGP PD がある 継手の規格としては 硬質塩化ビニルライニング鋼管の項を参照のこと ( 表 6-4 管の寸法及び許容差 ) 本市では 40mm 及び 5mm の SGP PB 及び SGP PD を指定材料としている 表 6-4 管の寸法及び許容差 単位 :mm ライニング管 ( 参考 ) 呼び径 外径 鋼管部 外径の 許容差 内面皮膜 厚さ 外面皮膜 厚さ 長さ 鋼管部 厚さ ライニン管 の近似内径 15 21.7 2.8 14.9 1.7 以上 20 27.2 0.30 以上 2.8 20.4 25 34.0 ±0.5 4,000 3.2 26.4 40 48.6 0.35 以上 1.5 以上 3.5 40.4 50 60.5 3.8 51.7 (4) ポリエチレン管 ( 図 6-3,6-4) ポリエチレン管は 硬質塩化ビニル管に比して たわみ性に富み 軽量で耐寒 衝撃強さが大であるが 他の管種に比べて柔らかく 傷付きやすいため 管の保護や加工に際しては注意をする必要がある なお ガソリン 有機溶剤等に触れるおそれのある箇所での使用は避けなければならない ポリエチレン管の規格には JIS K 6762 水道用ポリエチレン管 (13mm~50mm) があり 軟質 (1 種 ) 硬質 (2 種 ) 及び単層管 二層管の組合せにより 4 種類がある 単層管及び二層管の外層は 耐候性を向上させるためカーボンブラックを配合しているが 二層管の内層では 剥離防止のため配合していない 直射日光にあたると管端部より内部が劣化していくおそれがあるので 保管するときは必ず管端キャップをする 本市では 13mmから 25mmに対して 耐塩素水性に優れた軟質二層管 (1 種管 ) を指定材料として 昭和 52 年度より従来から使用していた鉛管を全てポリエチレン管に切替え現在に至っている 図 6-3 水道用ポリエチレン管 ( 二層管 ) 表 6 101

表 6-5 小口径ポリエチレン管の標準寸法 ( 参考 ) 呼び径 (mm) D: 外径 (mm) t: 肉厚 (mm) 重量 (kg/m) 1 巻の長さ (m) 最小曲半径 (m) 13 21.5 3.5 0.184 120 0.45 20 27.0 4.0 0.269 120 0.55 25 34.0 5.0 0.423 90 0.70 図 6-4 ポリエチレン二層管継手 ( 参考 ) (5) 硬質塩化ビニル管 ( JIS K 6742) 硬質塩化ビニル管は 引っ張り強さが比較的大きく 耐食性 特に耐電食性が大で かつ比重が小さく 内面が平滑で管内にスケールの付着も少ない しかし 直射日光による劣化や温度による伸縮性があるので 配管においては注意が必要である 難燃性であるが熱及び衝撃に弱く凍結の際に破損しやすい 特に 管に傷がつくと破損しやすいため 外傷を受けないよう取り扱いに注意するとともに 芳香族化合物 ( シンナー等 ) 等管の材質に悪影響を及ぼす物質と接触させてはならない 規格としては JIS K 6742 水道用硬質塩化ビニル管 (VP) 及び耐衝撃性硬質塩化ビニル管 (HIVP) の2 種類がある 継手の規格としては 小口径では接着剤を用いる TS 継手 (JIS K 6743) が一般的である なお 中口径以上では ゴム輪を用いた接合があり JWWA K 127 水道用ゴム輪型硬質塩化ビニル管 JWWA K 128 水道用ゴム輪型硬質塩化ビニル管継手 JWWA K 129 水道用ゴム輪型対衝撃性硬質塩化ビニル管 JWWA K 130 水道用ゴム輪型対衝撃性硬質塩化ビニル管継手 が定められている ( 図 6-5 水道用硬質塩化ビニル管, 図 6-6 水道用硬質塩化ビニル管継手 ) 水道用硬質塩化ビニル管 ( TS 継手用 ) 図 6-5 水道用ゴム輪形塩化ビニル管 (RR 継手用 ) 水道用硬質塩化ビニル管 102

(1)TS 継手 (2) ゴム輪形接合図 6-6 水道用硬質塩化ビニル管継手 (6) 架橋ポリエチレン管 (JIS K 6769) 架橋ポリエチレン管は 耐熱性及び耐食性に優れ 軽量で柔軟性に富んでおり 管内にスケールの付着も少なく 流体抵抗が小さく また耐寒性に優れている 給水 給湯配管のほか 寒冷地での使用にも適している しかし 熱膨張が大きいため 配管には注意が必要である 規格としては 温度 95 度以下の水に使用する JIS K 6769 架橋ポリエチレン管 があり 最高使用圧力により PN10 と PN15 の種類が 構造により1 種 ( 単層管 )2 種 ( 外側が架橋していないポリエチレン層の2 層管 ) の種類がある 架橋ポリエチレン管の接合方法としては メカニカル式接合 (JIS B 2354) と電気融着式接合 (JIS K 6770) がある ( 図 6-7 架橋ポリエチレン管, 図 6-8 架橋ポリエチレン管継手 ) 図 6-7 架橋ポリエチレン管 図 6-8 架橋ポリエチレン管継手 103

(7) ポリブデン管 (JIS K 6792) ポリブデン管は 高温時でも高い強度をもち しかも金属管に起こりやすい侵食もないので温水用配管に適している しかし 熱による膨張破裂のおそれがあるため 使用圧力により減圧弁の設置を考慮する等配管には注意が必要である ポリブデン管の接合方法としては メカニカル式接合と電気融着式接合 (JIS K 6793) がある ( 図 6-9 ポリブデン管, 図 6-10 ポリブデン管継手 ) 図 6-9 ポリブデン管 ( 管をナット及びリングで締め付けて水密性を確保する継手 ) ( ヒータによる加熱で融着して水密性を確保する継手 ) (1) メカニカル式継手 (3) 熱融着式継手 ( 通電による発熱で融着して水密性を確保する継手 ) (2) 電気融着式継手 図 6-10 ポリブデン管継手 104

< 参考 > 水道用亜鉛メッキ鋼管 (JIS G 3442) 亜鉛メッキ鋼管は 材質が強靭で引っ張り強さに優れ外傷にも強く施工性も容易なことから 戦前 戦後を通じて給水装置の材料として長期間に亘って使用されてきた 昭和 32 年 10 月に JIS 化され JIS G 3442 として制定された しかし 内面腐食による白濁 赤水発生の問題が顕在してきたことから 昭和 40 年代後半から内面に硬質塩化ビニルライニングを施した鋼管が新規材料として使用されるようになった 本市においては 昭和 47 年頃まで亜鉛メッキ鋼管を使用していたが 硬質塩化ビニルライニング鋼管及びポリエチレン粉体ライニング鋼管が開発されたことから 亜鉛メッキ鋼管の使用を廃止した 鉛管 (JIS H 4312) 鉛管は 材質が柔軟で腐食しにくく耐久性に優れ 加工が容易で施工性もよいことから近代水道創設期より使用されていた 鉛管の規格としては 鉛管 3 種として昭和 50 年 12 月に JIS H 4312 の追加改訂が行われた その後 飲料水中に溶出する鉛に対する量的規制により一段の強化が図られたことから 鉛管内面をポリエチレン粉体ライニングで被覆した JIS H 4312 を平成 2 年 1 月に追加改訂している 本市においては 昭和 52 年に漏水防止対策の一環として配水支管からメータ間の使用材料を従来の鉛管からポリエチレン管に切り替えており 鉛管の使用は廃止している 105

表 6-6 主要な給水管の特徴 材質長所短所 鋼管 硬質塩化ビニルライニング鋼管 ポリエチレン粉体ライニング鋼管ポリエチレン管硬質塩化ビニル管架橋ポリエチレン管ポリブデン管 強度が大であり 耐久性がある 加工性が良い ライニングの種類が豊富であり 配管状況 使用条件に応じて管種を選べる 可とう性 耐衝撃性 耐寒性に富む 耐食性 耐電食性に優れている 重量が軽く 柔軟性に富み 長尺であるため施工性が良い 加工性が良い 内面粗度が変化しない 耐食性 耐電食性に優れている 耐衝撃性 耐熱用の管種もある 重量が軽く施工性が良い 加工性が良い 内面粗度が変化しない ゴム輪形接合は継手に伸縮可とう性があり 管が地盤の変動に追従できる 耐熱性 耐食性 耐電食性に優れている 重量が軽く 柔軟性に富み 長尺であるため施工性が良い 耐震性に優れている 耐寒性に優れている 内面粗度が変化しない さや管ヘッダー方式の給水管 給湯管に使われている 耐熱性 耐食性に優れている 重量が軽く 柔軟性に富み 長尺物であるため施工性が良い 内面粗度が変化しない さや管ヘッダー方式の給水管 給湯管に使われている 電食に対する配慮が必要である 内外の防食面に損傷を受けると腐食しやすい 熱に弱い 有機溶剤 ガソリン等による浸透に注意する必要がある 傷がつきやすいため 取り扱いに注意が必要 低温時において耐衝撃性が低下する 有機溶剤及び紫外線に弱い 表面に傷がつくと強度が低下する 紫外線 有機溶剤に弱い 熱による膨張破裂のおそれがあるため 配管に注意する必要がある 熱による膨張破裂のおそれがあるため 配管に注意する必要がある 106

6-1-2 給水用具給水用具とは 給水管に直結し管と一体となって給水装置を構成する分水栓 止水栓 給水栓 バルブ類及び器具類をいう 給水用具は 構造材質基準に定められた性能基準に適合するものでなければならない 本市においても 条例 6 条の2( 給水及び給水用具の指定等 ) で配水支管の分岐からメーター間の使用材料を指定している 主要な給水用具の一覧を下記に示す ( 表 6-7) 表 6-7 給水用具の一覧 種 類 規 格 仕 様 備考 ( 指定の有無 ) サドル分水栓 JWWA B 117 A 形 S 式 有 割 T 字管 V 型 F 型 無 直結止水栓 JWWA B 108 伸縮式北九型 有 水道用止水栓 JWWA B 108 メーカー仕様 有 盗水防止形直結止水栓 JWWA B 108 伸縮式北九型 有 ボール止水栓 JWWA B 108 メーカー仕様 有 水道用ソフトシール仕切弁 JWWA B 120 メーカー仕様 有 玉形弁 ( ストップバルブ ) JIS B 2011 無 ゲートバルブ ( スリースバルブ ) JIS B 2011 無 スプリング式単逆止弁 JWWA B 129 メーカー仕様 有 減圧式逆流防止装置 JWWA B 134 メーカー仕様 有 1 分水栓 ( 図 6-11) 分水栓は 配水支管より給水管を分岐するとき 管体をせん孔して取り付ける給水用具であり 管体に直接ねじ込む方式の水道用分水栓甲型 (JWWA B 109) と配水支管に機械的に取り付ける水道用サドル付分水栓 (JWWA B 117) がある 本市においては 昭和 40 年代後半までは水道用分水栓甲型を使用していたが 管厚の薄いダクタイル鋳鉄管の普及により 漏水防止の観点から水道用サドル付分水栓に移行し現在に至っている なお サドル付分水栓を使用するときは せん孔部分の腐食を防止するため必ず防食コアを使用しなければならない 水道用サドル付分水栓 図 6-11 分水栓 107

2 割 T 字管 ( 図 6-12) 割 T 字管は ダクタイル鋳鉄製の割 T 字形の分岐帯に仕切弁を組み 一体として主管にボルトを取り付ける構造のもで φ40mm 以上の給水管の分岐に使用する 仕様としては バルブが一体化した V 形と フランジの先に別途バルブを取り付ける F 形がある 割 T 字管 (V 形 ) 割 T 字管 (F 形 ) 図 6-12 割 T 字管 3 止水栓 ( 図 6-13,14) 止水栓は 給水の開始 中止及び給水装置の修理その他の目的で 給水装置の通水を制限又は停止するために使用する器具であり 給水装置には必ず設けるものである 容易に開閉でき耐食性があり かつ漏水の生じない構造材質のものでなければならない 規格としては JWWA B 108 水道用止水栓 があり 甲形( ねじ式 ) 乙形( コック式 ) の 2 形式がある また 損失水頭の小さな物として メーカー仕様によるボール止水栓がある 通常は第 1 止水栓として 甲形を用いている 甲形は その止水部にこまを使用するねじ式であるため 簡易な逆流防止機能を持っている 乙形は 甲形と異なり 閉止 の向きで開閉が明示され かつ一般の人が自由に開閉できない特徴がある また 乙形の損失水頭は 甲形に比べて極めて小さい なお 本市では指定材料として 口径 13mmから 40mmの直結止水栓 水道用止水栓 盗水防止形直結止水栓を定めている ( 表 6-8) また 3 階直結給水では 口径 50mm 以下のメーター及び逆止弁の直近にボール止水栓を取り付けることとしている 表 6-8 止水栓 種 類 規 格 仕 様 直結止水栓 JWWA B 108 伸縮式北九型 水道用止水栓 JWWA B 108 メーカー仕様 盗水防止形直結止水栓 JWWA B 108 伸縮式北九型 ボール止水栓 JWWA B 108 メーカー仕様 108

直結止水栓 ( 伸縮式 ) 水道用止水栓盗水防止形直結止水栓ボール形止水栓 図 6-13 図 6-14 4 仕切弁 ( 図 6-15) 仕切弁は クサビ型弁が上下することにより開閉する構造であり 弁棒上下式と弁上下式の 2 種類がある また 開閉方式は左廻り閉じのものと右廻り閉じのものがある 本市では φ75mm 以上の仕切弁について 通常上水道用として左廻り閉じのものを使用し 工業用水用は右廻り閉じのものを使用しているので注意を要する 従来はねずみ鋳鉄製の JIS B 2.062 水道用仕切弁 及びダクタイル鋳鉄製 JWWA B 115 の水道用 10kgf/cm2 仕切弁が用いられていたが 現在は赤水防止の観点から JIS B 120 水道用ソフトシール仕切弁 が用いられている ソフトシール仕切弁は 弁箱が樹脂粉体塗装 弁体の全面はゴムライニングであるので 操作時に力をいれて閉めすぎないように注意が必要である また 75mmの仕切弁は 100mmの物と比べてかなり弱いため壊しやすいので 仕切弁を操作するときは常に口径と回転数を頭に入れておかなければならない 本市の指定材料としては 口径 75mm 以上では JWWA B 120 の 水道用ソフトシール仕切弁 を定めている また 3 階以上の直結式給水では 口径 75mm 以上ではメーター又は逆止弁等の直近にソフトシール仕切弁を設置することとしている 図 6-15 水道用ソフトシール仕切弁 109

5 玉形弁 ( ストップバルブ )( 図 6-16) 玉形弁は 止水部が吊りコマ ( ケレップ式 ) 構造であり 弁部の構造から流れが S 字形となるため損失水頭が大きい 使用目的は止水栓と同じ通水の遮断 開放である 本市では 主にケレップ式が用いられている なお ストップバルブという名称は 本市で使われてきた名称である 規格としては 一般の機械装置などに用いる JIS B 2011 青銅弁 の種類として 10k ねじ込み玉形弁のメタルシート及びソフトシートがある なお 本市では指定材料としていない 図 6-16 玉形弁 ( ストップバルブ ) 6 ゲートバルブ ( スリースバルブ )( 図 6-17) 止水部は弁座の摺り合わせでメタルタッチ構造となっており 逆流防止機能はなく使用目的は止水栓と同じ通水の遮断 開放である 規格としては JIS B 2011 10k 青銅ねじ込み仕切弁をゲートバルブ ( スリースバルブ ) と呼んでいる なお 本市では指定材料としていない 図 6-17 青銅ねじ込み仕切弁 ( スリースバルブ ) 110

6-1-3 給水栓 ( 図 6-18) 給水栓は 給水管の末端に取り付けられ 需要者に直接水を供給するための給水用具である 給水栓は 使用が簡便で耐久性があり かつ原則として逆流を防止できる構造や材質のものが望ましい 給水栓にはその使用目的により多種多様なものがある ( 表 6-9) 最高使用圧力 0.74Mpa(7.5kgf/cm2) の規格品などが広く使用されている 表 6-9 給水栓の種類 区 分 種 類 呼び径 (mm) 規格 横水栓 13 20 25 胴長横水栓 13 20 25 立水栓 13 吐水口回転形横水栓 13 20 単独水栓湯水混合水栓シャワー式湯水混合水栓止水栓 吐水口回転形立水栓 13 自在水栓台付き自在水栓 13 20 横型自在水栓 小便器洗浄水栓 衛生水栓 13 カップリング付き横水栓 13 20 25 散水栓 横型グーズネック水栓 立形グーズネック水栓 壁付き化学水栓 13 台付き化学水栓 壁付き湯水混合水栓 13 20 台付き湯水混合水栓 台付き自在湯水混合水栓 洗面器用コンビネーション湯水混合水栓浴槽用コンビネーション湯水混合水栓 13 埋込形湯水混合水栓 壁付きハンドシャワー式湯水混合水栓 壁付きハンドシャワー式シャワーバス水栓 台付きハンドシャワー式シャワーバス水栓 13 埋込形シャワーバス水栓 埋込形シャワー水栓 アングル形止水栓 ストレート形止水栓 13 腰高止水栓 13 20 25 JIS B 2061 111

( 代用的な給水栓 ) 横水栓 自在水栓 吐水口回転形横水栓 立形自在水栓 壁付き湯水混合水栓 アングル形止水栓 壁付きハンドシャワー式湯水混合水栓 図 6-18 給水栓 112

6-1-4 ボールタップ ( 図 6-19) ボールタップは フロート ( 浮玉 ) の上下によって自動的に開閉する給水用具で 水洗便所の洗浄槽や受水槽への給水に使用され 一般形と副弁付定水位弁とに大別される ボールタップは 一般に閉鎖時間が短いので 水撃作用が大きく 時として 20kgf/cm2 におよぶこともある この水撃作用を防止するために 次の構造のものを採用すること 1 レバーの長いもの 2 吐水口が大小 2 個あり弁座を改良したもの 3 弁座を複レバーとして ケレップの接続部の稼動距離を長くし 弁の開閉をゆるやかにしたもの 4 特殊バルブと電磁弁を併用したもの 一般形ボールタップは テコの構造によって単式と複式に区分され さらにタンクへの 給水方式によってそれぞれ横型 立形の 2 形式があり ボールタップは JIS B 2061 給水 栓 の区分ボールタップとして規格されている 図 6-19 ボールタップ ( 単式 ) 6-1-5 副弁付定水位弁 ( 図 6-20) 副弁付定水位弁は 副弁が水槽内の水面の移動に従い フロート ( 浮玉 ) の上下によって開閉し主弁内に生じる圧力差によって主弁が作動する 主弁の開閉は圧力差により徐々に閉止するので水撃作用を緩和することができる ボールタップと使用目的は同じであるが 流入の調整方法が圧力の変動により行われる ( 図 6-21 定水位弁作動の原理 ) 図 6-20 副弁付定水位弁 113

図 6-21 定水位弁作動の原理 閉 開の作動原理受水槽の水が使用され水位が低下すると 子弁が開き圧力室内の水が抜け 給水圧によりピストンバルブが押し上げられ 給水は主弁から受水槽内に流れる 開 閉の作動原理受水槽内の水位が止水面まで上昇すると 子弁が閉じ 閉止時間調整装置を経て圧力室内に水が充満し この水圧によってピストンバルブは徐々に下がって閉止する 6-1-6 逆止弁 ( 図 6-22) 逆止弁は 逆流を防ぐために用いる給水用具で 下流の水圧が上流より高くなったときは その水圧で自動的に弁が作動して閉じ 逆流を防止する構造になっている 3 階建て以上の高層階の建築物に直結給水する場合は 給水装置の保護等のため必ず設置しなければならない 逆止弁には リフト式 ( 弁が上下に作動 ) とスイング式 ( 弁が左右に作動 ) などがある リフト式逆止弁 スイング式逆止弁 スプリング式逆止弁 減圧式逆止弁 図 6-22 逆止弁 114

6-1-7 吸排気弁 ( 図 6-23) 吸排気弁は 管内に停滞した空気を自動的に排出する機能と 管内に負圧が生じた場合に自動的に吸気する機能を合わせ持った給水用具である 3 階建て以上の高層階の建築物へ直結給水する場合は給水装置保護等のため必ず設置しなければならない 規格としては JIS B 2063( 水道用空気弁 ) がある 図 6-23 吸排気弁 115

6-2 給水管及び給水用具の性能基準基本事項 給水装置の構造及び材質の基準に関する省令 ( 以下 基準省令 という )( 平成 9 年厚生省令第 14 号 ) のうち 給水管及び給水用具が満たすべき性能基準について 根拠となる考え方の概要を示す なお 基準の適用を表 6-10に示す 6-2-1 耐圧性能基準 本基準は 水道の水圧により給水装置に水漏れ 破壊等が生じることを防止するためのも のである < 適用対象 > 耐圧性能基準の適用対象は 原則としてすべての給水管及び給水用具である ただし 大気圧式バキュームブレーカ シャワーヘッド等のように最終の止水機構の流出側に設置される給水用具については 最終の止水機構を閉止することにより漏水等を防止できること 高水圧が加わらないことから適用対象から除外されている また 止水機構を有する器具であって 通常の使用状態において器具の流出側が大気に開口されているものの二次側の部分 ( 例えば水栓のカランの部分 ) についても 同様の考え方で耐圧性能は求めないこととしている 6-2-2 浸出性能基準本基準は 給水装置から金属等が浸出し 飲用に供される水が汚染されることを防止するためのものである 飲用に供する水を供給する給水装置は 厚生労働大臣が定める浸出に関する試験 ( 以下 浸出性能試験 という ) により供試品 ( 浸出性能試験に供される器具 その部分 又はその材料 ( 金属以外のものに限る ) をいう ) について浸出させたとき その浸出液は係る基準に適合しなければならない ア適用対象適用対象は 通常の使用状態において飲用に供する水が接触する可能性のある給水管及び給水用具に限定される 具体的には 給水管 末端給水用具以外の給水用具 ( 継手 バルブ類等 ) 飲用に供する水を供給する末端給水用具が対象である 浸出性能基準の適用対象の器具及び適用対象外の器具の代表例を以下に示す なお これは通常の使用状態を前提にした判断の目安であり 個別の判断は 当該器具の使用状態に即して行う必要がある < 適用対象の器具例 > 1 給水管 2 末端給水用具以外の給水用具 継手類 116

バルブ類 受水槽用ボールタップ 先止め式瞬間湯沸器及び貯蔵湯沸器 3 末端給水用具 台所用 洗面所用等の水栓 元止め式瞬間湯沸器及び貯蔵湯沸器 浄水器 自動販売機 冷水機 < 適用対象外の器具例 ( 末端給水用具 )> ふろ用 洗髪用 食器洗浄用等の水栓 洗浄弁 洗浄装置付き弁座 散水栓 水洗便所のロータンク用ボールタップ ふろ給湯専用の給湯機及びふろがま 自動食器洗い機 内部に吐水口空間を有する給水用具については 吐水口以降の部分も含めた給水用具全体を一体として評価を行うことを原則とするが 自動販売機や製氷機については 水道水として飲用されることはなく 通常 営業用として使用されており吐水口以降については食品衛生法に基づく規制も行われていること等から 従来どおり給水管との接続口から給水用具内の水受け部への吐水口までの間の部分について評価を行えばよい また 安全弁 ( 逃し弁 ) 水抜き栓等の内部のうち給水装置外に排水される水のみが接触する部分については 浸出性能の評価から除外しても差し支えない 6-2-3 水撃限界性能基準本基準は 給水用具の止水機構が急閉止する際に生じる水撃作用 ( ウォーターハンマ ) により 給水装置に破壊等が生じることを防止するためのものである ア適用対象水撃限界性能基準の適用対象は 水撃作用 ( 止水機構を急に閉止した際に管路内に生じる圧力の急激な変動作用をいう ) を生じるおそれのある給水用具であり 具体的には 水栓 ボールタップ 電磁弁 元止め式瞬間湯沸器等がこれに該当する なお 本基準は水撃発生防止仕様の給水用具であるか否かの判断基準であり 水撃作用を生じるおそれのある給水用具がすべてこの基準を満たしていなければならないわけではない なお 水撃作用を生じるおそれがあり この基準を満たしていない給水用具を設置する場合は 別途 水撃防止器具を設置する等の措置を講じることとされている 6-2-4 逆流防止性能基準本基準は 給水装置を通じての汚水の逆流により 水道水の汚染や公衆衛生上の問題が生じることを防止するためのものである ア適用対象逆流防止性能基準の適用対象は 逆止弁 減圧式逆流防止器及び逆流防止装置を内部 117

に備えた給水用具である なお 構造 材質基準においては 水が逆流するおそれのある場所では 本基準若しくは負圧破壊性能基準に適合する給水用具の設置 又は規定の吐水口空間の確保のいずれか一つを確実に行うことを要求しているものであり この要求を満たした上で 安全性を向上させるため 本基準の試験を行っていない逆止弁等を付加的に設置することを妨げるものではない ( 負圧破壊性能基準においても同様 ) 6-2-5 負圧破壊性能基準本基準は 給水装置を通じての汚水の逆流により水道水の汚染や公衆衛生上の問題が生じることを防止するためのものである 水が逆流するおそれのある場所に設置されている給水装置は 次の各号のいずれかに該当しなければならない 次に掲げる逆流を防止するための性能を有する給水用具が 水の逆流を防止することができる適切な位置 (1に掲げるものにあっては 水受け容器の越流面の上方 150 ミリメートル以上の位置 ) に設置されていること 1 バキュームブレーカは 負圧破壊性能試験により流入側からマイナス 54 キロパスカルの圧力を加えたとき バキュームブレーカに接続した透明管内の水位の上昇が 75 ミリメートルを超えないこと 2 負圧破壊装置を内部に備えた給水用具は 負圧破壊性能試験により流入側からマイナス 54 キロパスカルの圧力を加えたとき 当該給水用具に接続した透明管内の水位上昇が負圧破壊装置の空気吸入シート面から水受け部の水面までの垂直距離の 2 分の 1 を超えないこと 3 水受け部と吐水口が一体の構造であり かつ 水受け部の越流面と吐水口の間が分離されていることにより水の逆流を防止する構造の給水用具は 負圧破壊性能試験により流入側からマイナス 54 キロパスカルの圧力を加えたとき 吐水口から水を引き込まないこと ア適用対象バキュームブレーカとは 器具単独で販売され 水受け容器からの取り付けの高さが施工時に変更可能なものをいう 一方 負圧破壊装置を内部に備えた給水用具とは 吐水口水没型のボールタップのように 製品の仕様として負圧破壊装置の位置が一定に固定されているものをいう また 水受け部と吐水口が一体の構造であり かつ 水受け部の越流面と吐水口の間が分離されていることにより水の逆流を防止する構造の給水用具 ( 以下 吐水口一体型給水用具 という ) とは ボールタップ付きロータンク 冷水機 自動販売機 貯蔵湯沸器等のように 製品の内部で縁切りが行われていることにより 水の逆流を防止する構造のものをいう 118

6-2-6 耐寒性能基準本基準は 給水用具内の水が凍結し 給水用具に破壊等が生じることを防止するためのものである 屋外で気温が著しく低下しやすい場所その他凍結のおそれのある場所に設置されている給水装置のうち減圧弁 安全弁 ( 逃し弁 ) 逆止弁 空気弁及び電磁弁( 給水用具の内部に備え付けられているものを除く 以下 弁類 という ) にあっては 厚生労働大臣が定める耐久に関する試験 ( 以下 耐久性能試験 という ) により 10 万回の開閉操作を繰り返し かつ 厚生労働大臣が定める耐寒に関する試験 ( 以下 耐寒性能試験 という ) により零下 20 度プラスマイナス 2 度の温度で 1 時間保持した後通水したとき それ以外の給水装置にあっては 耐寒性能により零下 20 度プラスマイナス 2 度の温度で 1 時間保持した後通水したとき 当該給水装置に係る耐圧性能 水撃限界性能 逆流防止性能及び負圧破壊性能を有するものでなければならない ア適用対象耐寒性能基準は 寒冷地仕様の給水用具か否かの判断基準であり 凍結のおそれがある場所において設置される給水用具がすべてこの基準を満たしていなければならないわけではない なお 凍結のおそれがある場所においてこの基準を満たしていない給水用具を設置する場合は 別途 断熱材で被覆する等の凍結防止措置を講じなければならない また 型式承認基準においては 適用できる凍結防止方法を最も確実な機械的な水抜きに限定してきた しかしながら 構造が複雑で水抜きが必ずしも容易でない給水用具等においては 例えば通水時にヒータで加熱する等種々の凍結防止方法の選択肢が考えられることから 耐寒性能基準においては 凍結防止の方法は水抜きに限定しないこととしている 6-2-7 耐久性能基準本基準は 頻繁な作動を繰り返すうちに弁類が故障し その結果 給水装置の耐圧性 逆流防止等に支障が生じることを防止するためのものである 弁類 ( 耐寒性能が求められるものを除く ) は 耐久性能試験により 10 万回の開閉操作を繰り返した後 当該給水装置に係る耐久性能 水撃限界性能 逆流防止性能及び負圧破壊性能を有するものでなければならない ア適用対象耐久性能基準は 制御弁類のうち機械的 自動的に頻繁に作動し かつ通常消費者が自らの意思で選択し 又は設置 交換しないような弁類に適用することとし 開閉回数は型式承認基準に準じて 10 万回 ( 弁の開及び閉の動作をもって1 回と数える ) とした 制御弁類の開閉頻度は使用条件により大きく異なるが 10 万回の開閉回数は最低でもおおむね 2~3 年程度に相当するといわれている ここで適用対象は 弁類単体として製造 販売され 施工時に取り付けられるものに限ることとする これは 弁類が給水用具の部品として備え付けられている場合 製品全体としての耐久性とバランスをとって必要な耐久性を持たせるのが普通であり 弁類だけの 119

久耐久性を一律に規定することは合理的でないと考えられるためである なお 型式承認基準で耐久性能が求められていた水栓やボールタップについては 通常故障が発見しやすい箇所に設置せれており 耐久の度合いは消費者の選択に委ねることができることから 本基準の適用対象にしないこととしている 表 6-10 性能基準の適用 給水管 及び給水用具 性能基準 耐圧浸出水界逆撃限止負流防圧破壊耐寒耐給水管 水 栓 飲用 ボールタップ 飲用以外 バルブ 継手 浄水器 湯沸器 飲用 飲用以外 逆流防止器 水撃防止器 ユニット器具 飲用 ( 流し台 洗面 台 浴槽 便器等 ) 飲用以外 自動食器洗い器 冷水機 洗浄装置付便座等 凡例 適用される性能基準 給水用具の種類 設置場所により適用される性能基準 120

6-3 給水管及び給水用具の指定基本事項給水管及び給水用具の指定等 ( 北九州市水道条例第 6 条の2) 1. 管理者は 災害等による給水装置の損傷を防止するとともに 給水装置の損傷の復旧を迅速かつ適切に行えるようにするため必要があると認めるときは 配水管への取付口から水道メーターまでの間の給水装置に用いようとする給水管及び給水用具について その構造及び材質を指定することができる 2. 管理者は 指定給水装置工事事業者に対し 配水管に給水管を取り付ける工事及び当該取付口から水道メーターまでの工事に関する工法 工期その他の工事上の条件を指示することができる 配水支管の分岐部からメーター間に使用する材料は 水道事業者が地域に合った維持管理 災害対策及び経済性等をベースに供給規程において構造及び材質を定めることとなっていることから 本市においては 条例第 6 条の2( 給水管及び給水用具の指定等 ) で使用材料を指定している 水道条例に基づき 指定給水装置の種類 規格及び材質については 表 6-11 管理者が指定する給水管及び給水用具に示すとおりである 121

表 6-11 管理者が指定する給水管及び給水用具 配水管等への取付口から水道メーターまでの給水管材料 種類規格仕様 水道用ポリエチレン二層管 JIS K 6762 1 種管軟質 (φ20~25) 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 JWWA K 116 水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管 JWWA K 132 SGP-VB SGP-VD SGP-PB SGP-PD φ40~φ50 公道の横断部は下記の鋳鉄管 水道用ダクタイル鋳鉄管 JIS G 5526 水道用ダクタイル鋳鉄異形管 JIS G 5527 φ75 以上 3 種管内面塗装 JIS K 5528 配水管等への取付口から水道メーターまでの弁栓類 種類規格仕様 水道用サドル分水栓 JWWA B 117 A 形 S 式 直結止水栓 JWWA B 108 伸縮式北九型 止水栓類 水道用止水栓 JWWA B 108 メーカー仕様 盗水防止形直結止水栓 JWWA B 108 伸縮式北九型 ボール止水栓 JWWA B 108 メーカー仕様 逆流防止器具 スプリング単式逆止弁 JWWA B 129 メーカー仕様 減圧式逆流防止装置 JWWA B 134 メーカー仕様 水道用ソフトシール仕切弁 JWWA B 120 メーカー仕様 122

6-4 水道メーター基本事項水道メーターは 需要者が使用する水量を積算計量するための計量器であって 料金算定の基礎となるものである メーターの種類には 流れている水の流速を羽根車の回転数 超音波 管断面縮小による速度水頭差などにより計量する流速式 ( 推測式 ) と 水の体積を測定する容積式 ( 実測式 ) に分類される わが国で使用されている水道メーターは ほとんどが流速式であり 羽根車式が一般的である 本市においても 給水装置工事のほとんどが流速式の羽根車式を採用している 本市で採用しているメーターを表 7-2( 北九州市採用メーター ) に示す 水道メーターは 適正な計量が求められることから その使用に際しては 各種メーターの特性を考慮するほか 計量法に定める計量器の検定検査に合格したものでなければならない なお 検定の有効期間は 8 年である ( 水道メーターの分類 ) 単箱型 流速式 ( 推測式 ) 羽根車式 (1) 接線流 複箱型 水道メータ べンチュリ管分流式 電磁式 超音波式 (2) 軸流 たて型ウォルトマン よこ型ウォルトマン 容積式 ( 実測式 ) 123

6-4-1 種類 1 接線流羽根車式水道メーター ( 図 6-24) 計量室内に設置された羽根車にノズルから接線方向に噴射水流を当て 羽根車を回転させて通過水量を積算表示する構造のもので 単箱式と複箱式とがあり 指示機構部は乾式と湿式がある メーター規格として 口径 13mm(JWWA B 127: 接線流羽根車単箱式水道メーター ) と口径 20mm~40mm(JWWA B 128: 接線流羽根車複箱式水道メーター ) がある ( 構造図 ) ( 構造写真 ) ( 構造図 ) ( 構造写真 ) 接線流羽根車式単箱型接線流羽根車式複箱型図 6-24 接線流羽根車式水道メーター 2 計量部の形態 1 単箱型と複箱型 ( 図 6-25) 単箱型とは メーターケース内に流入した水流を羽根車に直接与える構造のものをいう 構造が最も簡単であり 家庭用メーターとして広く使用されている 口径 13mm のみである 複箱型とは メーターケースの中に別の計量室をもち 複数のノズルから羽根車に噴射水流を与える構造のものをいう 単箱式に比べてノズルが多数あることから スムーズな回転が得られる 口径は 20mm~50mm がある ( 図 -4.3) 図 6-25 単箱式及び複箱型 124

2 正流式と可逆式 ( 図 6-26) 正流式とは 正方向に限り計量する計量室をもったメーターをいう 可逆式とは 正方向と逆方向からの通過水量を計量する計量室をもったメーターで 正方向は加算 逆方向は減算する構造となっている 正流式 図 6-26 正流式及び可逆式 可逆式 3 指示部の形態ア. 機械式と電子式機械式は 羽根車の回転を歯車装置により減速し指示機構に伝達して 通過水量を積算表示する方式である 電子式は 羽根車に永久磁石を取り付けて 羽根車の回転を磁気センサーで電気信号として検出し 集積回路により演算処理して 通過水量を液晶表示する方式である イ. 直読式と円読式 ( 図 6-27) 直読式は 計量値を数字 ( デジタル ) によって積算表示するものである 表示部が不鮮明になるのを防止するため 乾式では真空方式が また湿式ではデジタル表示のm 3 単位部分を流水から隔離した液封方式が採られている 円読式は 計量値を回転指針 ( アナログ ) によって目盛板に積算表示するものである ウ. 湿式と乾式 ( 図 6-28) 湿式とは 目盛板等指示機構全体が水に浸かっているものをいう 乾式とは 目盛板及び指示機構が流水部と隔離されているものをいう 羽根車の回転は マグネットカップリングによって指示機構部へ伝達される 直読式 図 6-27 直読式と円読式 円読式 125

湿式 図 6-28 湿式と乾式 乾式 4 軸流羽根車式水道メーター ( ウォルトマン形 )( 図 6-29) この形式のメーターは 一般に管状の器内に設置された流れに平行な軸をもつ螺旋状の羽根車を回転させて 積算計量するもので たて形とよこ形の 2 種類に分けられる 1 たて形軸流羽根車式メーターケースに流入した水流が 整流器を通って 垂直に設置された螺旋状羽根車に沿って下方から上方に流れ 羽根車を回転させる構造となっている たて形は 羽根車の回転がスムーズであるため感度がよく 小流量から大流量まで広範囲の計量が可能であるが 圧力損失がやや大きい 口径 40mm~350mm のものがある 2 よこ形軸流羽根車式メーターケースに流入した水流が 整流器を通って 水平に設置された螺旋状羽根車に沿って流れ 羽根車を回転させる構造となっている よこ形は 通過容量が大きいため圧力損失は小さいが 羽根車の回転負荷がやや大きく 微小流量域での性能がやや劣る 受水槽などへ給水するような大流量の場合に適している 口径 50mm~350mm のものがある ( 構造図 ) ( 構造写真 ) ( 構造図 ) ( 構造写真 ) たて形軸流羽根車式よこ形軸流羽根車式図 6-29 軸流羽根車式水道メーター ( ウォルトマン形 ) 5 電磁式水道メーター ( 図 6-30) 水の流れの方向に垂直に磁界をかけると 電磁誘導作用により 流れと磁界に垂直な方向に起電力が誘起される ここで 磁界の磁束密度を一定にすれば 起電力は流速に比例した信号となり この信号を管断面積を乗じて単位時間ごとにカウントすることにより 126

通過した体積が得られる このメーターは 同じ呼び径の直管で機械的可動部がないため耐久性に優れ 微小流量から大流量まで広範囲な計測に適する 口径 50mm~350mm のもが一般的である 図 6-30 電磁式水道メーター 6 超音波式水道メーター ( 図 6-31) 水の流れが 2 点間を通過する際 水車を超音波が伝播する通過時間の変化を流量に変換して流量計に積算表示するものである 特徴は電磁式水道メーターと同様で 大流量の計測に適している 図 6-31 超音波式水道メーター 7 ベンチュリー管分流式 ( 図 6-32) この形式のメーターは メーター管の入口から管径が少しずつ細くなっており 出口で再び元の大きさになる構造 ( ベンチュリー管 ) であり 断面積の絞られたノズル部分の流速が速くなることにより 入口側とノズル部に圧力差が生じる この 2 箇所をバイパス管で連絡すると 本管に比例した水が流れる ベルヌーイの定理を利用したもので バイパス管の小メーターで計測するとこにより 全体の流量を表示するものである 計量能力が大きく 比較的大流量用に適しているが 小流量になったとき感度が鈍く水圧の低い場合には使用できない 口径 50mm~350mm のものがある 本市では 精度上の問題により 給水装置には採用していない 127

( 構造図 ) ( 構造写真 ) 図 6-32 ベンチュリー管分流式 6-4-2 遠隔指示水道メーターの遠隔指示装置は 設置したメーターの指示水量をメーターから離れた場所で検針するため 高階層の建物 (6F 以上 ) に設けるものである 水道メーターの遠隔指示装置は 発信装置 信号伝送部 受信器から構成され 次のようなものがある 1 パルス発信方式 ( 図 6-33) この方式は 水道メーターが一定量を計量したとき 磁石の回転によってリードスイッチ又はラッチングリレーの切換運動を起こさせ ステップモータ又はパルスモータ駆動により 数字車を回転させ積算表示するものである 電源は 主に集中検針において商用電源を使用し また個別検針においてはリチウム電池を使用するものと外部電源を使用せずに発電機を内蔵したものを使用することが多い 発電機内臓方式は 羽根車の回転をマグネットカップリングを介して回転運動のまま発電機部へ導き 一定回転ごとにゼンマイの力で発電機を回転させる間欠早送り機構によってパルス電圧を発生させる このパルス信号により パルスモータを駆動し 数字車を回転させて積算表示するものである 図 6-33 パルス発信方式 ( リチウム電池使用 ) 模式図 128

2 エンコーダ方式 ( 図 6-34) この方式は 羽根車の回転をマグネットカップリングを介してエンコーダユニットに導くものである エンコーダユニットは 単位水量ごとに羽根車の回転により蓄積されたエネルギーを放出する間欠早送り機構によって 桁別 (1,000m 3 100m 3 10m 3 1m 3 等 ) のロータリスイッチを動かし 計量値が保持 記憶される構造となっている 遠隔指示する場合は 保持 記憶される計量値を変換器により電気信号化し 集中検針盤等で受信して表示する 図 6-34 エンコーダ方式 ( リチウム電池使用 ) 3 電子式指示式 ( 図 6-35) この方式は 水道メーターの指示部を電子化し 計量値を電気的に記憶するものである 遠隔指示する場合は 受信側からの起動により記憶している計量値を決められたフォーマットで出力し それを受信側で読取表示するものと発信側からのパルス出力を受信側で積算表示するものがある また 決められたフォーマットの出力は 自動検針 ( テレメータシステム ) 用としてそのまま利用される 図 6-35 電子式指示方式 129

6-4-3 水道メーターの採用機種北九州市水道局で採用されている水道メーターは表 6-12 北九州市の採用メーターのとおりである 表 6-12 北九州市の採用メーター 口径名称メーターの種類 13 20 25 40 DA 接線流羽根車単箱乾式デジタル表示 DB RE 接線流羽根車単箱乾式液晶デジタル表示 ( 呼称電子メーター ) RB 接線流羽根車単箱湿式アナログ表示 ( 呼称遠隔指示メーター ) TA TB 接線流羽根車単箱湿式アナログ表示 DA 接線流羽根車複箱乾式デジタル表示 DB RE 接線流羽根車複箱乾式液晶デジタル表示 ( 呼称電子メーター ) RB 接線流羽根車複箱湿式アナログ表示 ( 呼称遠隔指示メーター ) FA FB 接線流羽根車複箱湿式アナログ表示 DA 接線流羽根車複箱乾式デジタル表示 DB RE 接線流羽根車複箱乾式液晶デジタル表示 ( 呼称電子メーター ) RB 接線流羽根車複箱湿式アナログ表示 ( 呼称遠隔指示メーター ) FA FB 接線流羽根車複箱湿式アナログ表示 DA たて型軸流羽根車乾式デジタル表示 DB RE たて型軸流羽根車乾式液晶デジタル表示 ( 呼称電子メーター ) RB たて型軸流羽根車湿式アナログ表示 ( 呼称遠隔指示メーター ) WA WB たて型軸流羽根車湿式アナログ表示 FA FB 接線流羽根車湿式アナログ表示 WL たて型軸流羽根車湿式アナログ表示 ( 統一型ウォルトマン型 ) WD たて型軸流羽根車乾式デジタル表示 ( 統一型ウォルトマン型 ) 50 WE たて型軸流羽根車乾式デジタル液晶表示 ( 統一型ウォルトマン型 )( 呼称電子メーター ) MG 電磁式液晶デジタル表示 MR 電磁式液晶デジタル表示 ( 隔則式 ) FG FA FB 副管付接線流羽根車アナログ表示全長による区分 65 MM 電磁式可動型 ( 船舶用 ) 口径 13mm~300mm( 口径 50mm 以上の大口径は補足管付フランジ ) ネジの種類による区分 A 型金門型インチネジ舶来型 B 型上水型ミリネジ上水型 JIS 型 130

口径名称メーターの種類 75 WL たて型軸流羽根車湿式アナログ表示 ( 統一型ウォルトマン型 ) WD たて型軸流羽根車乾式デジタル表示 ( 統一型ウォルトマン型 ) WE たて型軸流羽根車乾式デジタル液晶表示 ( 統一型ウォルトマン型 )( 呼称電子メーター ) MG 電磁式液晶デジタル表示 MR 電磁式液晶デジタル表示 ( 隔則式 ) FA FB 副管付接線流羽根車アナログ表示全長による区分 WL たて型軸流羽根車湿式アナログ表示 ( 統一型ウォルトマン型 ) WD たて型軸流羽根車乾式デジタル表示 ( 統一型ウォルトマン型 ) 100 150 200 250 WE たて型軸流羽根車乾式デジタル液晶表示 ( 統一型ウォルトマン型 )( 呼称電子メーター ) MG 電磁式液晶デジタル表示 MR 電磁式液晶デジタル表示 ( 隔則式 ) MS 電磁式液晶デジタル表示 ( 補足管なし )( 下関緊急連絡用 ) FB 副管付接線流羽根車アナログ表示 WL たて型軸流羽根車湿式アナログ表示 ( ウォルトマン型 ) MG 電磁式液晶デジタル表示 WE たて型軸流羽根車乾式デジタル液晶表示 ( ウォルトマン型 )( 呼称電子メーター ) MR 電磁式液晶デジタル表示 ( 隔則式 ) FA FB 副管付接線流羽根車アナログ表示全長による区分 WL たて型軸流羽根車湿式アナログ表示 ( ウォルトマン型 ) MG 電磁式液晶デジタル表示 WE たて型軸流羽根車乾式デジタル液晶表示 ( ウォルトマン型 )( 呼称電子メーター ) MR 電磁式液晶デジタル表示 ( 隔則式 ) WL たて型軸流羽根車湿式アナログ表示 ( ウォルトマン型 ) MG 電磁式液晶デジタル表示 WE たて型軸流羽根車乾式デジタル液晶表示 ( ウォルトマン型 )( 呼称電子メーター ) MR 電磁式液晶デジタル表示 ( 隔則式 ) 300 MR 電磁式液晶デジタル表示 ( 隔則式 ) 色付きは 機種の統一により廃止予定 131