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相 02 東日本大震災により家屋や自動車などに被害を受けられた方の 相続税又は贈与税の災害減免措置のあらまし 平成 23 年 4 月税務署 この度の東日本大震災により被災された皆様に 心からお見舞い申し上げます この震災により被災された方については 相続税又は贈与税に関して 次のような災害減免措置があります 目 次 Ⅰ 減免措置の適用要件 1 Ⅱ 減免措置の内容 2 Ⅲ 被害を受けた部分の価額の計算 3 Ⅳ 減免を受ける場合の手続 4 別表 1 被害割合表 5 別表 2 地域別 構造別の工事費用表(1m2当たり) 6 別表 3 家族構成別家庭用財産評価額 6 災害減免法第 6 条の規定による相続税 贈与税の財産の価額の計算明細書 の記載例 ( 申告期限前に被害を受けた場合 ) 7 災害減免法第 4 条の規定による相続税 贈与税の免除承認申請書 の記載例 ( 申告期限後に被害を受けた場合 ) 8 Ⅰ 減免措置の適用要件 この度の東日本大震災により 相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産 ( 以下 相続財産等 といいます ) に被害を受けた方は 次の 1 又は2のいずれかに該当するときは 災害被害者に対する租税の減免 徴収猶予等に関する法律 ( 以下 災害減免法 といいます ) により相続税又は贈与税 ( 以下 相続税等 といいます ) が減免されます 1 相続税等の課税価格の計算の基礎となった財産の価額 ( 相続税については債務控除後の価額 ) のうちに被害を受けた部分の価額の占める割合が 10 分の1 以上であること 2 相続税等の課税価格の計算の基礎となった動産等の価額のうちに動産等について被害を受けた部分の価額の占める割合が 10 分の1 以上であること ( 注 1) 動産等 とは 動産( 金銭及び有価証券を除きます ) 不動産( 土地及び土地の上に存する権利を除きます ) 及び立木をいいます ( 注 2) 被害を受けた部分の価額 については 3ページをご覧ください - 1 -

Ⅱ 減免措置の内容 Ⅰ 減免措置の適用要件 を満たす場合には 災害減免法により以下のとおり相続税等が減免されます 災害減免法による相続税等の減免措置は 1 申告期限前に被害を受けた場合 と 2 申告期限後に被害を受けた場合 とでその内容が異なります なお この申告期限は 国税通則法 又は 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律 により申告期限が延長された場合には その延長後の期限となります ( 注 ) 延長後の申告期限については 別途 国税庁ホームページ等でお知らせします 1 申告期限前に被害を受けた場合 ( 課税財産価額が減額される場合 ) 相続税等の申告期限前に被害を受けた場合には 相続税等の課税価格に算入する価額は 次の算式により計算した金額とすることができます 算式 相続財産又は受贈 財産の価額 ( 注 ) - 被害を受けた部分の 価額 (Ⅲ 参照 ) = 相続税又は贈与税の 課税価格に算入する価額 ( 注 ) 相続財産又は受贈財産の価額 は 相続税の場合は 申告書第 11 表の 価額 ( 相続税の評価額 ) となります なお 小規模宅地等の特例などの課税価格の計算の特例の適用を受けている場合は 適用後の価額となります 2 申告期限後に被害を受けた場合 ( 税額が免除される場合 ) 相続税等の申告期限後に被害を受けた場合には 被害のあった日以後に納付すべき相続税等のうち 次の算式により計算した税額が免除されます 算式 被害のあった日以後に納付すべき相続税額又は贈与税額 ( 注 1) 被害を受けた部分の価額 (Ⅲ 参照 ) = 課税価格の計算の基礎となった財産の価額 ( 注 2) ( 相続税の場合は 債務控除後の価額 ) 免除される 相続税額又 は贈与税額 ( 注 1) 被害のあった日以後に納付すべき相続税額又は贈与税額 とは 延納中の税額や延納又は物納の許可前の徴収猶予中の税額 農地等についての相続税又は贈与税の納税猶予の特例の適用を受けている税額等をいい 例えば 延納中の税額の場合には 被害のあった日以後に分納期限が到来する税額となります なお 延滞税 利子税及び加算税のほか 既に納付済の税額や滞納となっている税額は含まれません ( 注 2) 課税価格の計算の基礎となった財産の価額 は 相続税の場合は 申告書第 1 表の 4 純資産価額 の金額に相当する金額となります なお 相続税の申告書第 1 表の 2 相続時精算課税適用財産の価額 の金額がある場合には 4 純資産価額 から 2 相続時精算課税適用財産の価額 を差し引いた後の金額となります - 2 -

Ⅲ 被害を受けた部分の価額の計算 1 被害を受けた部分の価額の計算方法 被害を受けた部分の価額 は 個々の相続財産等ごとに 被害の程度( 被害割合 ) を基として次の算式により計算します 算式 被害を受けた相続財産又は 受贈財産の価額 ( 注 ) 被害割合 = 被害を受けた 部分の価額 ( 注 ) 被害を受けた相続財産又は受贈財産の価額 は 相続税の場合は 申告書第 11 表の 価額 ( 相続税の評価額 ) となります なお 小規模宅地等の特例などの課税価格の計算の特例の適用を受けている場合は 適用後の価額となります 2 被害額等が明らかな場合の被害割合の計算方法被害額 ( 保険金 共済金又は損害賠償金等 ( 以下 保険金等 といいます ) による補てん額を控除した金額 ) 及び被害があったときの時価 ( その財産が被害を受ける直前の価額 ) が明らかな場合の 被害割合 は 次の算式により計算します 算式 被害額 ( 保険金等による補てん額を控除した金額 ) 被害があったときの時価 ( 被害を受ける直前の価額 ) = 被害割合 3 被害額等が明らかでない場合の被害割合の計算方法被害額及び被害があったときの時価が明らかでない場合には 次のような方法により被害割合を計算することができます ⑴ 保険金等による補てんがない場合の被害割合被害を受けた財産について保険金等による補てんがない場合は 別表 1 被害割合表 により被害割合を求めます ⑵ 保険金等による補てんがある場合の被害割合被害を受けた財産について保険金等による補てんがある場合には 次の算式により被害割合を計算します 算式 被害があったときの時価としてイ~ニにより求めた価額 別表 1 の - 被害割合 保険金等による補てん額 被害があったときの時価としてイ ~ ニにより求めた価額 = 被害割合 - 3 -

イ建物建物の価額は 1 取得価額が明らかな場合には 建物の取得価額から 償却費相当額 ( 注 ) を差し引いた金額とし 2 取得価額が明らかでない場合には 別表 2 地域別 構造別の工事費用表 の1m2当たりの工事費用に総床面積を乗じた金額から 償却費相当額 ( 注 ) を差し引いた金額とします ロ家庭用財産家庭用財産の価額は 1 取得価額が明らかな場合には 家庭用財産の取得価額から 償却費相当額 ( 注 ) を差し引いた金額とし 2 取得価額が明らかでない場合には 別表 3 家族構成別家庭用財産評価額 により求めた金額とします ハ車両車両の価額は 取得価額から 償却費相当額 ( 注 ) を差し引いた金額とします ニその他農機具及び船舶等の事業用 ( 農業用 ) 財産の価額は 上記ハに準じて計算した金額とします ( 注 ) 償却費相当額 については 5ページをご覧ください Ⅳ 減免を受ける場合の手続 1 申告期限前に被害を受けた場合 ( 課税財産価額が減額される場合 ) 災害減免法第 6 条の規定による相続税 贈与税の財産の価額の計算明細書 に被害の状況や被害を受けた部分の価額等を記載 (7ページをご覧ください ) し 相続税等の申告書等に添付して提出してください 2 申告期限後に被害を受けた場合 ( 税額が免除される場合 ) 災害減免法第 4 条の規定による相続税 贈与税の免除承認申請書 ( 以下 免除承認申請書 といいます ) に被害の状況や被害を受けた部分の価額等を記載 (8ページをご覧ください ) し 災害のやんだ日から2か月以内に 税務署に提出してください なお この免除承認申請書を災害のやんだ日から2か月以内に提出できないなどの事情のある方は 最寄りの税務署にご相談ください ご案内 このパンフレットは 平成 23 年 4 月 27 日現在の法令に基づいて作成しています ご不明な点や詳細につきましては 最寄りの税務署におたずねください ( 住所地の所轄税務署以外でも ご相談を受け付けています ) 税務署での面接による相談を希望される方は お待ちいただくことなく相談に対応できるよう あらかじめ電話により面接日時を予約 ( 事前予約制 ) していただくこととしておりますので ご協力をお願いします 国税庁ホームページ (www.nta.go.jp) には この震災により被害を受けた方の申告 納税等に関する各種パンフレット 各種手続に使用する様式等を掲載しています このほか 東日本大震災への対応 ( 各府省庁等の震災関連情報 ) については 首相官邸ホームページ (www.kantei.go.jp/saigai) をご覧ください - 4 -

別表 1 被害割合表 区 分 被害区分 全壊 流出 埋没 倒壊 被害割合 建物 家庭用摘要財産 % % 被害建物の残存部分に補修を加えても 再び建物とし て使用できない場合をいいます 損 ( 倒壊に準ずるものを含む ) 100 100 建物の主要構造部の被害額がその建物の時価の 50% 以上であるか 損失部分の床面積がその建物の総床面積の 70% 以上である場合をいいます 壊 半 壊 50 50 建物の主要構造部の被害額がその建物の時価の 20% 以上 50% 未満であるか 損失部分の床面積がその建物の総床面積の 20% 以上 70% 未満で残存部分を補修すれば再び使用できる場合をいいます 浸 水 一部破損 床上 1.5m 以上 床上 1m 以上 1.5m 未満 床上 50cm 以上 1m 未満 床上 50cm 未満 平 平 屋 二階建以上 平 屋 二階建以上 平 屋 二階建以上 屋 二階建以上 5 5 80 100 (65) (100) 55 85 (40) (70) 75 100 (60) (100) 50 85 (35) (70) 60 90 (45) (75) 45 70 (30) (55) 40 55 (25) (40) 35 40 (20) (25) 15 床下 - (0) 建物の主要構造部の被害が半壊程度には達しないが 相当の復旧費を要する被害を受けた場合をいいます 海水や土砂を伴う場合には上段の割合を使用し それ以外の場合には 下段のかっこ書の割合を使用します なお 長期浸水 (24 時間以上 ) の場合には 各割合に 15% を加算した割合を使用します 床上とは 床板以上をいい 二階のみ借りている場合は 床上 を 二階床上 と読み替え平屋の割合を使用します 二階建以上とは 同一人が一階 二階以上とも使用している場合をいいます ( 注 ) 車両に係る被害割合については 上記を参考に 例えば 津波による流出で 補修を加えても再び使用できない場合 には被害割合を 100% とするなど 個々の被害の状況を踏まえ適用します 参考 ( 償却費相当額について ) 償却費相当額 は 1 業務用資産の場合は 事業所得や不動産所得の計算上必要経費に算入され る償却費の累積額とし 2 非業務用資産の場合は 所得税法施行令第 85 条 非事業用資産の減価の 額の計算 の規定に準じて計算した金額とします なお 非業務用資産の償却率は 法定耐用年数に 1.5 を乗じた年数 (1 年未満の端数がある場合は その端数を切り捨てます ) に対応する旧定額法の償却率になります 非業務用建物 ( 居住用 ) の計算方法 建物の取得価額 0.9 償却率 経過年数 ( 注 ) = 償却費相当額 ( 注 ) 経過年数 の 6 か月以上の端数は 1 年とし 6 か月未満の端数は切り捨てます 非業務用建物 ( 居住用 ) の償却率 区分 木造 木骨モルタル ( 鉄骨 ) 鉄筋コンクリート造 鉄骨造 金属造 1( 注 1) 金属造 2( 注 2) 償却率 0.031 0.034 0.015 0.036 0.025 ( 注 1) 金属造 1 軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が 3mm 以下の建物 ( 注 2) 金属造 2 軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が 3mm 超 4mm 以下の建物 - 5 -

別表 2 地域別 構造別の工事費用表 (1 m2当たり ) 木造 鉄骨鉄筋鉄筋コンクリート造コンクリート造 鉄骨造 木造 鉄骨鉄筋鉄筋コンクリート造コンクリート造 鉄骨造 千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円 北海道 148 188 146 177 滋賀 156 154 171 196 青森 139 134 263 166 京都 168 228 173 199 岩手 143 222 183 175 大阪 160 172 188 188 宮城 146 146 167 177 兵庫 159 198 191 192 秋田 137 135 190 166 奈良 163 146 181 198 山形 146 23 134 154 和歌山 152 111 217 194 福島 149 143 199 172 鳥取 152-114 175 茨城 154 204 179 186 島根 157-183 169 栃木 155 145 170 177 岡山 162-181 185 群馬 157 136 193 181 広島 157 217 180 188 埼玉 159 229 217 195 山口 158-179 186 千葉 161 198 211 196 徳島 139 191 176 165 東京 178 256 247 235 香川 151 280 170 168 神奈川 170 257 221 224 愛媛 146 140 157 176 新潟 155 49 161 178 高知 154 61 152 181 富山 154 215 166 158 福岡 149 150 160 183 石川 156 190 189 170 佐賀 147-159 180 福井 151 103 173 173 長崎 141 189 168 180 山梨 166 286 263 179 熊本 142 132 147 175 長野 166 161 207 177 大分 147 156 152 180 岐阜 156 43 182 184 宮崎 129 126 143 168 静岡 165 203 186 198 鹿児島 138 143 143 162 愛知 165 154 181 198 沖縄 154 161 167 196 三重 165-169 197 全国平均 158 214 198 195 ( 注 1) 上記の表のうち 該当する地域の工事費用が全国平均を下回る場合又は値が存在しない場合のその地域の工事費用については 全国平均の工事費用を適用することができます ( 注 2) 上記の表は 建築統計年報平成 22 年度版 ( 国土交通省総合政策局情報安全 調査課建設統計室 ) を参考に 国税庁において計算しました 別表 3 家族構成別家庭用財産評価額 世帯主の年齢夫婦独身歳万円 ~ 29 500 30 ~ 39 800 300 40 ~ 49 1,100 50 ~ 1,150 ( 注 ) 大人 ( 年齢 18 歳以上 )1 名につき130 万円を加算し 子供 1 名につき80 万円を加算します 万円 - 6 -

災害減免法第 6 条の規定による相続税 贈与税の財産の価額の 計算明細書 の記載例 ( 申告期限前に被害を受けた場合 ) 相続税の場合は 申告書 第 11 表 価額 ( 相続税の 評価額 ) を記載します この記載例は 別表 3を基に以下の計算により算出した金額を記載しています (6ページ参照 ) 世帯主の年齢 58 歳 家族構成夫婦 長男 (20 歳 ) 家庭用財産評価額 11,500 千円 +1,300 千円 =12,800 千円 この記載例は 別表 2を基に以下の計算により算出した金額を記載しています (5 6ページ参照 ) 建物の時価額 158 千円 200 m2=31,600 千円 1 償却費相当額 31,600 千円 0.9 0.031 20 年 =17,632,800 円 2 被害があった 1-2=13,967,200 円ときの時価 相続税の場合は 適用を受けようとする方の相続税申告書第 1 表 4 純資産価額 から 2 相続時精算課税適用財産の価額 を差し引いた後の金額を記載します 適用を受けようとする方が相続又 は贈与により取得した動産等の価額 の合計額を記載します (C) 又は (D) のいずれかが 10% 以上の場合 災害減免法による減免措置の適用があります - 7 -

災害減免法第 4 条の規定による相続税 贈与税の免除 承認申請書 の記載例 ( 申告期限後に被害を受けた場合 ) 裏面 2 の (A) で計算し た 被害を受けた部分の 価額 を転記します 7ページの 災害減免法第 6 条の規定による相続税 贈与税の財産の価額の計算明細書 と同様に計算します 被害額及び被害があったときの時価が明らかでなく 保険金等による補てんがない場合は 記載の必要はありません 表面 4 の 3 被害を受けた 部分の価額 へ転記します (C) 又は (D) のいずれかが 10% 以上の場合は 災害減免法による減免措置の適用があります - 8 -