4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

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( イ ) 従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり 1 歳 6か月以降育児に当たる予定であった者が死亡 負傷 疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合 6 育児休業をすることを希望する従業員は 原則として 育児休業を開始しようとする日の1か月前 (4 及び5に基づく1 歳

必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

第 1 章育児休業 第 1 条 ( 対象者 ) 生後 1 年未満 ( 第 5 条による育児休業の場合は 1 歳 6 ヶ月 ) の子と同居し養育する従業員であって 休業後も引き続き勤務する意思のある者は 育児のための休業をすることができる ただし 日々雇用者 期間雇用者 ( 申出時点において雇用期間が

申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

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ただし 日雇従業員 期間契約従業員 ( 法に定める一定の範囲の期間契約従業員を除く ) 労使協定で除外された次のいずれかに該当する従業員についてはこの限りではない (2) 週の所定労働日数が2 日以下の従業員 (3) 申出の日から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員 2 要介護状態に

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規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

目 次 第 1 条 目的及び内容 1 第 2 条 育児休業 2 第 3 条 パパ ママ育休プラス 2 第 4 条 1 歳 6 か月までの育児休業 2 第 5 条 育児休業の申出の手続等 3 第 6 条 パパ休暇の特例 3 第 7 条 介護休業 3 第 8 条 介護休業の申出の手続等 4 第 9 条

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第 11 条育児休業を終了して復帰する教職員の年次有給休暇については 理事長が別に定める ( 育児短時間勤務 ) 第 12 条小学校就学の始期に達するまでの子と同居し 当該子を養育する教職員が申し出た場合には 当該子がその始期に達するまで 当該教職員の所定勤務時間を 6 時間とすること ( 以下 育

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育児 介護休業規程 第 1 章 目的 第 1 条 ( 目的 ) 本規程は社員の育児 介護休業 育児 介護のための時間外労働および深夜業の制限並びに育児 介護短 時間勤務等に関する取り扱いについて定めるものである 第 2 章 育児休業制度 第 2 条 ( 育児休業の対象者 ) 1. 育児のために休業す

第1章  目的

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題名

ただし 平成 22 年 6 月 30 日時点で 常時 100 人以下の労働者を雇用する事業主については 公布日から3 年後に当たる平成 24 年 6 月 30 日 ( 予定 ) までの間 < 短時間勤務制度の義務化 >< 所定外労働の免除の義務化 >< 介護休暇 >について 改正規定の適用が猶予され

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育児 介護休業規程 第 1 章 目的 第 1 条 ( 目的 ) 本規程は 従業員の育児 介護休業 子の看護休暇 介護休暇 育児のための所定外労働の免除 育児 介護のための時間外労働および深夜業の制限並びに育児 介護短時間勤務等に関する取扱いについて定めるものである 第 2 章 育児休業制度 第 2

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目 次 第 1 章目的 第 1 条 目的 第 2 章育児休業制度 第 2 条 育児休業の対象者 第 3 条 育児休業の申出の手続等 第 4 条 育児休業の申出の撤回等 第 5 条 育児休業の回数 第 6 条 育児休業の期間等 第 3 章介護休業 第 7 条 介護休業の対象者 第 8 条 介護休業の申

別紙 1 妊娠 出産 育児休業 介護休業等に関するハラスメントとなり得る具体的言動例 1. 制度等の利用への嫌がらせ型 教職員が産休や育児業 介護休業等の制度の利用を請求したり 制度を利用したことに関して 上 司が解雇等の不利益な取扱いを示唆したり 上司 同僚が 繰り返し又は継続的に嫌がらせ等を行い

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目 次 目的 1 育児休業制度 1 介護休業制度 3 子の看護休暇 4 介護休暇 4 所定外労働の制限 5 時間外労働の制限 6 深夜業の制限 7 所定労働時間の短縮措置等 8 育児休業等に関するハラスメントの防止 9 その他の事項 10 平成 21 年 1 月作成平成 22 年 6 月一部改正平成

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社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 平成年月日 会社名 あなたから平成年月日に 育児 介護 休業の 申出 期間変更の申出 申出の撤回 がありました 育児 介護休業等に関する規則 ( 第 3 条 第 4 条 第 5 条 第 7 条 第 8 条及び第 9 条 ) に基づき その取扱いを下のとおり通

(1) 出産予定日前に子が出生したこと (2) 配偶者が死亡したこと (3) 配偶者が負傷又は疾病により,1 週間を超える期間継続して, 通院, 加療, 入院又は安静を必要とする状態となり, 育児休業申出に係る子を養育することが困難になったこと (4) 配偶者が育児休業申出に係る子と同居しなくなった

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4-1 育児関連 第 4 章育児 介護休業法 4-1 育児関連 育児休業及び介護休業については 育児 介護休業法 ( 育児休業 介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 ) で定められています 育児休業は 原則として 1 歳に満たない子を養育する労働者からの申し出により 子の 1 歳の誕生日の前日までの期間で 一人の子につき原則 1 回取得することができます ( 例外あり ) 父母がともに育児休業を取得する場合は 要件を満たせば子が 1 歳 2 か月に達するまで取得することができますが この場合でも 取得できる期間は一年間です ただし 次の場合には 子が 1 歳 6 か月に達するまで 育児休業を延長できます 保育所に入所を希望しているが 入所できない場合 子の養育を行っている配偶者であって 1 歳以降子を養育する予定であった者が 死亡 負傷 疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合 ( 育児 介護休業法第 5 条 同法施行規則第 4 条の 2) 休業期間を有給にするか 無給にするかは 就業規則等の定めに従います また 雇用保険に加入している労働者には 国から給付金が支給されます (P105 参照 ) 産前産後休業期間中及び育児休業期間中は 労働者 使用者とも申請により社会保険料が免除になります 66

4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます また 労使協定により 次の労働者を対象から除外できます 雇用されてから1 年未満の者 休業申し出から1 年以内 (1 歳から1 歳 6か月までの育児休業をする場合には 6か月以内 ) に雇用関係が終了することが明らかな者 1 週間の所定労働日数が2 日以内の者 なお 期間を定めて雇用される労働者 についても 1 年以上の雇用実績があり かつ育児休業を終了した後も引き続き雇用されることが明らかな場合など 一定の条件を満たせば 育児休業の取得が可能です さらに 法改正によりこの要件が緩和されることとなり 平成 29 年 1 月 1 日以降は 以下の二つの要件を満たす期間雇用者は 育児休業の取得が可能となります 1 年以上の雇用実績がある者 子が1 歳 6か月に達する日までに 労働契約 ( 契約が更新される場合は更新後のもの ) が満了することが明らかでない者 育児休業の申し出等の手続き ( 第 6 条 3 項 第 7 条第 1 項 第 3 項 第 8 条第 1 項 第 2 項 ) 休業の申し出は 休業の開始予定日 終了予定日など 一定の 67

4-1 育児関連 事項を示して 1 歳までの育児休業については1か月前までに 1 歳から1 歳 6か月までの育児休業については1 歳の誕生日の2 週間前までに行う必要があります 休業開始予定日については 出産予定日前に出産したなどの突発的事情の場合に限り 1 回だけ繰り上げ変更できます 休業終了予定日の繰り下げ変更は 終了予定日の1か月前までに申し出れば 理由を問わず1 回だけ変更できます なお 休業申し出の撤回は 休業開始予定日の前日までであれば理由を問わずに行えますが 1 度撤回すると 同じ子について 原則として再度休業の申し出はできません 時間外労働の制限 ( 第 16 条の8 第 17 条 ) 事業主は 3 歳に満たない子を養育する労働者が請求した場合には その労働者を 所定労働時間を超えて労働させてはなりません ただし 日々雇用される労働者は対象になりません また 労使協定により 勤続 1 年未満の労働者及び1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者を対象外とすることができます 小学校に入学する前の子を養育する労働者は 1か月 24 時間 1 年 150 時間を超える時間外労働を免除してもらうように請求することができます ただし 日々雇用される労働者 勤続 1 年未満の労働者及び1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者は請求できません 深夜業の制限 ( 第 19 条 ) 事業主は 小学校に入学する前の子を養育する労働者が請求した場合は 深夜業をさせてはなりません ただし 日々雇用される労働者 勤続 1 年未満の労働者 保育できる状態にある同居の家族がいる労働者 1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者 所定労働時間の全部が深夜にある労働者は対象外となります 68

4-1 育児関連 所定労働時間の短縮措置等 ( 第 23 条第 1 項 第 24 条第 1 項 ) 事業主は 3 歳に満たない子を養育する労働者について 労働者が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けることが義務付けられています 日々雇用される労働者と 1 日の所定労働時間が6 時間以下の労働者は対象外となります また 労使協定で定めた場合は 勤続 1 年未満の労働者 週の所定労働日数が2 日以下の労働者 業務の性質又は業務の実施体制に照らして短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者を対象から除外することができます また 事業主は 以下の労働者の区分に応じて定める制度又は措置に準じて それぞれ必要な措置を講じるよう努めなければなりません 1 1 歳に満たない子を養育する労働者で育児休業をしていないもの 始業時刻変更等の措置 2 1 歳から3 歳に達するまでの子を養育する労働者 育児休業に関する制度 始業時刻変更等の措置 3 3 歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者 育児休業に関する制度 所定外労働の制限に関する制度 短時間勤務制度 始業時刻変更等の措置 子の看護休暇 ( 第 16 条の2 第 16 条の3) 事業主は 小学校に就学する前の子を養育する労働者から申し出があったときには 子どもの怪我や病気のときに世話をしたり 子どもに予防接種や健康診断を受けさせたりするための看護 69

4-1 育児関連 休暇を 年次有給休暇とは別に与えなければなりません 日数は 労働者 1 人につき 小学校就学前の子が1 人であれば年 5 日 2 人以上であれば年 10 日です なお 法改正により 要件を満たせば半日単位の取得も可能となります ( 平成 29 年 1 月 1 日施行 ) 有給か無給かは労使の取り決めによります 日々雇用される労働者は対象になりません 労使協定により 勤続 6か月未満の労働者及び週の所定労働日数が2 日以下の労働者を対象外とすることができます 労働者の配置に関する配慮 ( 第 26 条 ) 事業主は 義務教育終了前の子を持つ労働者を転勤させようとするときには 子の養育の状況を把握し 労働者本人の意向を十分に汲み取り 転勤させた場合に子の養育を行える代替手段があるかどうかを確認するなどの配慮をしなければなりません 70

4-2 介護関連 4-2 介護関連 介護休業制度介護休業は 負傷 疾病 身体上もしくは精神上の障害により 2 週間以上にわたって常時介護を必要とする状態 ( 要介護状態 といいます ) にある家族を介護するための休業です 対象となる家族 1 人につき 要介護状態に至るごとに1 回 通算 93 日休業することができます ( 法改正により 平成 29 年 1 月 1 日以降は通算 93 日を限度として3 回まで分割取得が可能 ) 介護休業の対象となる家族は その労働者の配偶者 父母 子 配偶者の父母 同居しかつ扶養している祖父母 兄弟姉妹 孫です 休業期間を有給にするか 無給にするかは 就業規則等の定めに従います また 雇用保険に加入している労働者には 国から給付金が支給されます (P105 参照 ) 介護休業の対象者 ( 第 11 条 第 12 条第 1 項 第 2 項 ) 介護休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から介護休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます また 労使協定で定めた場合は 次の労働者を対象から除外することができます 71

4-2 介護関連 雇用されてから1 年未満の者 休業の申し出から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな者 1 週間の所定労働日数が2 日以内の者 また 期間を定めて雇用される労働者 についても 1 年以上の雇用実績があり かつ介護休業終了後も継続して雇用されることが明らかである場合など 一定の条件を満たせば 介護休業の取得が可能です さらに 法改正によりこの要件が緩和されることとなり 平成 29 年 1 月 1 日以降は 以下の二つの要件を満たす期間雇用者は 介護休業の取得が可能となります 1 年以上の雇用実績がある者 介護休業開始予定日から起算して 93 日を経過する日から6 か月を経過する日までに その労働契約 ( 契約が更新される場合は 更新後のもの ) が満了することが明らかでない者 介護休業の申し出等の手続き ( 第 11 条第 2 項 第 13 条 第 14 条第 1 項 ) 休業の申し出は 休業の開始予定日 終了予定日など 一定の事項を示して 2 週間前までに行う必要があります また 休業終了予定日は 理由を問わず 1 回だけ繰下げ変更ができます なお 休業の申し出の撤回は 休業開始予定日の前日までであれば 理由を問わずに行えます 72

4-2 介護関連 介護休暇 ( 第 16 条の5 第 16 条の6) 要介護状態にある家族を介護する労働者は 対象家族の世話を行うための介護休暇を 事業主に申し出ることにより 対象家族が1 人であれば年 5 日 2 人以上であれば年 10 日を取得することができます なお 法改正により 要件を満たせば半日単位の取得も可能となります ( 平成 29 年 1 月 1 日施行 ) 有給か無給かは労使の取り決めによります ただし 日々雇用される労働者は対象になりません 労使協定により 勤続 6か月未満の労働者及び週の所定労働日数が2 日以下の労働者を対象外とすることができます 時間外労働の制限 ( 第 18 条 改正法第 16 条の9) 要介護状態にある家族を介護する労働者は 1か月 24 時間 1 年 150 時間を超える時間外労働を免除してもらうように請求することができます さらに 法改正により 労働者の請求により所定外労働を免除する制度が新設されます ( 平成 29 年 1 月 1 日施行 ) ただし 日々雇用される労働者は請求できません また 労使協定により 勤続 1 年未満の労働者 1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者を対象外とすることができます 深夜業の制限 ( 第 20 条 ) 要介護状態にある家族を介護する労働者が請求した場合は 深夜業をさせてはなりません ただし 日々雇用される労働者 勤続 1 年未満の労働者 介護できる状態にある同居の家族がいる労働者 1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者 所定労働時間の全部が深夜にある労働者は対象外となります 73

4-2 介護関連 所定労働時間の短縮措置等 ( 第 23 条第 3 項 第 24 条第 2 項 ) 事業主は 要介護状態にある家族を介護しながら働いている労働者に対しては 労働者からの申し出に基づき 所定労働時間の短縮など 働きながら家族を介護しやすくするための措置を講じなければなりません 日々雇用される労働者は この措置の対象外となります また 労使協定で定めた場合は 勤続 1 年未満の労働者 週の所定労働日数が2 日以下の労働者は対象から除外することができます なお 家族を介護する労働者に対しては 介護休業の制度又は勤務時間短縮等の措置に準じて その介護を必要とする期間 回数に配慮した必要な措置を講じるように努めなければなりません 労働者の配置に関する配慮 ( 第 26 条 ) 事業主は 労働者を転勤させようとするときに 転勤によって 働きながら家族を介護することが困難となる労働者がいるときには 労働者の家族の介護の状況を把握し 労働者本人の意向を十分に汲み取り 転勤させた場合に労働者が家族の介護が行える代替手段があるかどうかを確認するなどの配慮をしなければなりません 74

4-3 マタニティハラスメント 4-3 マタニティハラスメント 妊娠 出産や 産休 育休の取得などを理由として 不利益な取扱いをしたり 就業環境を害すること ( いわゆる マタニティハラスメント ) は 均等法や育介法で禁じられています 不利益取扱いの禁止 ( 均等法第 9 条第 3 項 育介法第 10 条 16 条 ) 労働者が妊娠 出産したことや 育児休業を取得したことなどを理由に 解雇 雇止め 降格などの不利益な取り扱いをすることは 法律で禁じられています 不利益取扱いの例 解雇すること 期間を定めて雇用される者について 契約の更新をしないこと 契約の更新回数の上限を引き下げること 退職するように強要すること 正社員からパートタイマーなどに契約内容を変更するように強要すること 不利益な自宅待機を命じること 労働者の希望する期間を超えて その意に反して所定外労働の制限 所定労働時間の短縮等を行うこと 降格させること 減給や 賞与等で不利な算定を行うこと 人事考課で不利益な評価を行うこと 不利益な配置換えを行うこと 就業環境を害すること 75

4-3 マタニティハラスメント マタニティハラスメント防止のための措置 ( 改正均等法第 11 条の2 改正育介法第 25 条 ) 法改正により マタニティハラスメントを防止するための事業主の措置義務が新設されました 事業主は 労働者の妊娠 出産に関することや育児休業等を利用することなどに関する上司 同僚などの言動によって 労働者の就業環境が害されることがないよう 労働者からの相談に応じ 適切に対応する体制を整備するなど 雇用管理上必要な措置を講じなければなりません ( 平成 29 年 1 月 1 日施行 ) 76