第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

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平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

令和元年 6 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 31 年 ( ワ ) 第 2629 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 31 年 4 月 16 日 判 決 5 原告日本コロムビア株式会社 原告株式会社バンダイナムコアーツ 10 原告キングレコード株式会社 原告ら訴訟代理人

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

最高裁○○第000100号

最高裁○○第000100号

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

F6B746A854C

並びにそのコンサルタント業務等を営む株式会社である ⑵ 株式会社 CAは, 別紙著作物目録記載 1ないし3の映像作品 ( 以下 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の製作に発意と責任を有する映画製作者 ( 著作権法 2 条 1 項 号 ) であるところ, 本件各著作物の著

最高裁○○第000100号

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

平成 28 年 4 月 28 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償等請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 3 月 22 日 判 決 原 告 A 同訴訟代理人弁護士 松 村 光 晃 中 村 秀 一 屋 宮 昇 太 被告株式会社朝日新聞社 同訴訟代

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

発信者情報開示関係WGガイドライン

指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

告ツイッタージャパンの間では全て原告の負担とする 事実及び理由 第 1 請求 ( 主位的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 1) 記載の各情報を開示せよ ( 予備的請求 ) 被告らは, 原告に対し, 別紙発信者情報目録 ( 第 2) 記載の各情報を開示せよ 第 2 事案の

ア原告は, 平成 26 年 12 月 26 日に設立された, 電気機械器具の研究及び開発等を目的とする株式会社である イ合併前会社ワイラン インクは, 平成 4 年 (1992 年 ) に設立された, カナダ法人である 同社は, 平成 29 年 (2017 年 )6 月 1 日付けで, 他のカナダ法

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

最高裁○○第000100号

平成22年5月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

第 1 控訴の趣旨 控訴人は, 原判決取消しとともに, 被控訴人らの請求をいずれも棄却する判決を 求めた 第 2 事案の概要 被控訴人らは日本舞踊の普及等の事業活動をしている 控訴人はその事業活動に 一般社団法人花柳流花柳会 の名称 ( 控訴人名称 ) を使用している 被控訴人ら は, 花柳流 及び

最高裁○○第000100号

とは, 原告に対する名誉毀損に該当するものであると主張して, 不法行為に基づき400 万円の損害賠償及びこれに対する不法行為日以降の日である平成 24 年 9 月 29 日から支払済みまで民法所定の年 5 分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いがないか,

原告は, 被告に対し, 万円及びこれに対する平成 29 年 3 月 1 日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は,1 原告が, 自らの作成に係る別紙 1( 甲 12の1 以下 本件本体部 分 という ) 及び別紙 2( 甲 12 の 2 以下 本件ライブラリ部分 と

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

判決【】

日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団であ る原告が, 被告株式会社シーエム ( 以下 被告シーエム という ) が企画, 編集

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

2 被控訴人らは, 控訴人に対し, 連帯して,1000 万円及びこれに対する平成 27 年 9 月 12 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 ( 以下, 略称及び略称の意味は, 特に断らない限り, 原判決に従う ) 1 本件は, 本件意匠の意匠権者である控訴人が

平成 30 年 3 月 29 日判決言渡同日原本受領裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 9 日 判 決 5 原告株式会社フィールドアロー 同訴訟代理人弁護士 青 山 友 和 被 告 ソ メ ヤ 株 式 会 社 同訴訟代理

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

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被告は,A 大学 C 学部英語専攻の学生である (2) 本件投稿等被告は, 大学 2 年生として受講していた平成 26 年 4 月 14 日の 言語学の基礎 の初回講義 ( 以下 本件講義 という ) において, 原告が 阪神タイガースがリーグ優勝した場合は, 恩赦を発令する また日本シリーズを制覇

平成22年5月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

権 ) を侵害するとともに, 原告をプロデューサーとして表示しない点及び劇場用映画として制作された本件映画をインターネットで公表する点において, 本件映画につき原告が有する著作者人格権 ( 氏名表示権及び公表権 ) を侵害する行為であり, 被告が今後本件映画を上映, 複製, 公衆送信若しくは送信可能

4 年 7 月 31 日に登録出願され, 第 42 類 電子計算機のプログラムの設計 作成 又は保守 ( 以下 本件役務 という ) を含む商標登録原簿に記載の役務を指定役 務として, 平成 9 年 5 月 9 日に設定登録されたものである ( 甲 1,2) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平

に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

平成 27 年 12 月 9 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 27 年 11 月 6 日 判 決 東京都荒川区 < 以下略 > 原 告 株式会社オールビユーテイ社 同訴訟代理人弁護士 山 本 隆 司 同 植 田

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主 文 1 本件控訴をいずれも棄却する 2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人 P3 及び被控訴人会社は, 大阪府内, 兵庫県内, 京都府内, 滋賀県内及び和歌山県内において, 千鳥屋という名称を使用して菓子類を販売してはならない

本件は, 商標登録取消審判請求に対する審決の取消訴訟である 争点は,1 被告又は通常実施権者による標章使用の有無及び2 使用された標章と登録商標との同一性の有無である 1 本件商標商標登録第 号商標 ( 以下, 本件商標 という ) は, 下記の構成からなり, 第 25 類 運動靴,

同目録記載の番号により 本件著作物 1, 本件著作物 2 といい, 本件著作物 1 及び本件著作物 2を併せて 本件各著作物 という ) の著作権を有する株式会社 CAを吸収合併し, 同社の権利義務を承継したところ, 被告が本件各著作物のデータを動画共有サイトのサーバー上にアップロードした行為が公衆

ない 4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 第 2 事案の概要 1 事案の要旨本件は, 原判決別紙 商標権目録 記載の商標権を有する控訴人が, 被控訴人に対し, 被控訴人が原判決別紙 被告標章目録 記載の標章をインターネットホームページのサイトで使用する行為が, 控訴人の商標権を

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

き本件営業秘密の使用又は開示の差止め及び物件の廃棄を求めるとともに ( 以下, これらの請求を併せて 差止請求等 という ),(2) 被告が本件営業秘密を持ち出した行為は原告と被告の間の秘密保持契約にも違反し, これにより原告は損害を被ったと主張して, 同法 4 条又は債務不履行に基づき 1136

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

平成 25 年 7 月 17 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 5 月 29 日 判 決 原 告 株式会社ファランクス 訴訟代理人弁護士 江 森 史麻子 同 呰 真 希 被 告 有限会社サムライ 訴訟代理人弁理士 小 谷 悦

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同訴訟代理人弁護士同同同同同同同同同同同 三好徹石田央子津田直和井川真由美鶴﨑有一石井修平山崎哲内田尚成前田香織本田雄巳黒木義隆籔之内千賀子 主文 1 控訴人の本件控訴を棄却する 2(1) 被控訴人の附帯控訴に基づき 原判決主文 1 2 項を次のとおり変更する (2) 控訴人は 被控訴人に対し 78

(2) ピュア型 / キャッシュ非作成型 (Limewire,Gnutella 等 ) 検索検索検索見つかると直接接続検索検索検索 図 Limewire の仕組み 1 情報管理サーバーを持たない 2ファイルの検索はバケツリレー方式で行う 3ファイルが見つかった後はピア ツー ピア通信でファイルの送受

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

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淡路町知財研究会 (松宮ゼミ)

3 被告は, 原告に対し, 金 3453 万 2652 円及びこれに対する平成 23 年 12 月 14 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要本件訴訟は, 原告が, 被告の製造販売に係るデジタルカタログについて, 原告の特許権を侵害している旨主張して, 被告に対し

裁判年月日 平成 20 年 11 月 27 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平 20( ワ )9871 号 事件名 管理費等請求事件 裁判結果 認容 文献番号 2008WLJPCA 東京都足立区 以下省略 原告上記代表者理事長上記訴訟代理人弁護士同同東京都世田谷区

する 理 由 第 1 事案の概要 1 本件は, 平成 21 年 ( 受 ) 第 602 号被上告人 同第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X1 という ) 及び平成 21 年 ( 受 ) 第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X 2 といい,1 審原告 X 1と1 審原告 X 2を併せ

(2) 訴訟費用は 被告らの負担とする 2 被告国 (1) 本案前の答弁ア原告の被告国に対する訴えを却下する イ上記訴えに係る訴訟費用は 原告の負担とする (2) 被告国は 本案について 原告の被告国に対する請求を棄却する旨の裁判を求めるものと解する 3 被告 Y1 市 (1) 本案前の答弁ア原告の

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☆ソフトウェア特許判例紹介☆ -第31号-

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

して, 損害賠償金 330 万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成 28 年 月 21 日 ( 原告が被告に本件請求の通知を送付した日の翌日 ) から支払済みまで民法所定の年 分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実及び弁論の全趣旨により容

(1) 主文 1ないし4 項と同旨 (2) 仮執行宣言 2 被告 (1) 原告の請求をいずれも棄却する (2) 訴訟費用は原告の負担とする 第 2 事案の概要 1 前提事実 ( 当事者間に争いがない ) (1) 当事者原告は, 一般運輸業, その他娯楽施設の経営, 不動産事業, 駐車場の経営, 物販

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職選挙法等の改正により一部改められたものの,1 人別枠方式は維持されたまま, 衆議院が解散され, 選挙区割りの未了を理由に, 従前の選挙区割りに基づいて本件選挙を施行するものとされたことにより, 投票価値の平等が害されたまま投票を行わざるを得ないという重大な損害を被ることとなったのであり, 憲法違反

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

民事模擬裁判 ( 茂垣博 蒲俊郎 大澤恒夫 千葉理 菅谷貴子 ) 2 3 年前期 2 年後期 選択必修 2 単位集中 1 科目内容 目標 この授業は 民事裁判実務についての裁判官と弁護士の役割を模擬的に体験させ 裁判運営のあり方を考えさせるとともに 民事実体法および手続法を実務的視点から立体的に理解

4 処分行政庁が平成 25 年 3 月 5 日付けでした控訴人に対する平成 20 年 10 月 1 日から平成 21 年 9 月 30 日までの事業年度の法人税の再更正処分のうち翌期へ繰り越す欠損金 4 億 万 6054 円を下回る部分を取り消す 5 処分行政庁が平成 25 年 3 月

事実及び理由控訴人補助参加人を 参加人 といい, 控訴人と併せて 控訴人ら と呼称し, 被控訴人キイワ産業株式会社を 被控訴人キイワ, 被控訴人株式会社サンワードを 被控訴人サンワード といい, 併せて 被控訴人ら と呼称する 用語の略称及び略称の意味は, 本判決で付するもののほか, 原判決に従う

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

<95F18D908F5789EF D834F F88C993A190E690B68F4390B394C52E696E6464>

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平成 27 年 10 月 29 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 9476 号損害賠償請求事件 口頭弁論の終結の日平成 27 年 9 月 11 日 判 決 相模原市 < 以下略 > 原 告 A 東京都日野市 < 以下略 > 原 告 補 助 参 加 人 株式会社サンワ

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は,Aの子である イ Aは, 大正 年 月 日生まれの男性であり, 厚生年金保険の被保険者であったが, 平成 年 月 日, 死亡した ( 甲 1) (2) 老齢通算年金の受給 Aは, 昭和 年 月に60 歳に達し, 国民年金の納付済期間である18

2 控訴費用は, 控訴人らの負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人株式会社バイオセレンタック, 同 Y1 及び同 Y2は, 控訴人コスメディ製薬株式会社に対し, 各自 2200 万円及びこれに対する平成 27 年 12 月 1 日から支払済みまで年 5 分の割

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

第 1 請求 1 被告は, 別紙 1 被告製品目録記載の製品 ( 以下 被告製品 という ) を製造し, 販売し, 貸し渡し, 又は販売若しくは貸渡しのために展示してはならない 2 被告は, 被告製品及び半製品 ( 別紙 2 被告意匠目録記載の構成態様を具備しているが製品として完成するに至らないもの

日から支払済みまで年 分の割合による金員を支払え 第 2 事案の概要 1 本件は, 別紙作品目録記載 1(1) ないし2(2) の各作品 ( 作品名及び作詞者により特定される歌詞並びに作品名及び作曲者により特定される曲 以下, 個別には 同目録の番号に応じて 本件作品 1(1) などといい, 本件作

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被 告 株式会社日本ジャーナル出版 東京都江戸川区 < 以下略 > 被 告 I 東京都港区 < 以下略 > 被 告 J 同所被 告 K 上記 4 名訴訟代理人弁護士山 上 俊 夫 主 文 1 被告株式会社日本ジャーナル出版, 同 J 及び同 Kは, 連帯して, 原告らそれぞれに対し80 万円及びこれ

(Microsoft Word - 3. \202\334\202\313\202\253TV\216\226\214\217 \227\351\226\3302.doc)

期分本税 831 万 1900 円の合計 以下 本件租税債権 という ) (3) 東京国税局国税徴収官 B( 以下 B 徴収官 という ) は 同局特別国税徴収官 C( 以下 C 特官 という ) の決定に基づき 平成 20 年 3 月 6 日 原告がA 証券に対して有していた本件証拠金の返還請求権

するウェブサイトから, 別紙表示目録記載 3ないしの各表示のうち 生存率 0% と記載された部分, 同目録記載 6の表示のうち 0% の高い生存率 と記載された部分をそれぞれ抹消せよ 4 被告は, インターネット上のアドレス 以下省略 において開設 するウェブサイトから, 別紙表示目

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

ます 運送コンシェル は会員の皆さまの IP アドレス クッキー情報 ご覧になった広告 ページ ご利用環境などの情報を会員の皆さまのブラウザから自動的に受け取り サーバ ーに記録します 取得情報の利用目的について 運送コンシェル または 運送コンシェル が認める団体( 以下 運送コンシェル 等 とい

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平成 30 年 7 月 19 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 6484 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 月 31 日 判 決 原告株式会社フライングドッグ 原告株式会社ポニーキャニオン 上記両名訴訟代理人弁護士笠島祐輝 林幸平 被告 K D D I 株式会社 1 同訴訟代理人弁護士小川泰寛 湯川信吾 主 文 1 被告は, 原告株式会社ポニーキャニオンに対し, 別紙発信者情報目録記載 1 の情報を開示せよ 2 被告は, 原告株式会社フライングドッグに対し, 別紙発信者情報目録記載 2 の情報を開示せよ 3 訴訟費用は被告の負担とする 事実及び理由 2 第 1 請求 主文第 1 項及び第 2 項と同旨 - 1 -

第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインターネット接 続サービスを経由して自動的に送信し得る状態にして, 原告らの送信可能化権を侵害したと主張して, 被告に対し, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 上記氏名不詳者に係る発信者情報の開示を求める 事案である 1 前提事実ア原告株式会社ポニーキャニオン ( 以下 原告ポニーキャニオン という ) は, 実演家甲が歌唱する楽曲 Resonant Heart を録音したレコード ( 以下 本件レコード1 という ) を製作したレコー 1 ド製作者であり, 平成 28 年 月 11 日, 同楽曲を収録した Reson ant Heart との名称の商業用レコードCD( 商品番号 PCC G-70314) を発売した ( 甲 3の1) イ原告株式会社フライングドッグ ( 以下 原告フライングドッグ という ) は, 実演家乙が歌唱する楽曲 愛の詩 -words of lov e- を録音したレコード ( 以下, 本件レコード 2 といい, 本件レコ ード1と併せて 本件各レコード という ) を製作したレコード製作者であり, 平成 28 年 4 月 27 日, 同楽曲を収録した 愛の詩 -words of love- との名称の商業用レコードCD( 商品番号 VTCL -322) を発売した ( 甲 3の2) 2 被告は, 一般利用者に対してインターネット接続プロバイダ事業等を行う 特定電気通信役務提供者 ( プロバイダ責任制限法 2 条 3 号 ) であり, インタ - 2 -

ーネットプロトコルアドレス ( 以下 IPアドレス という ) 6. 172.237.173 ( 以下 本件 IPアドレス という ) を管理している ( 当事者間に争いがない ) 2 争点及びこれに対する当事者の主張 ⑴ 本件各レコードの送信可能化権を侵害されたことが明らかであるか ( 原告ら ) ア氏名不詳者は, 本件レコード1を複製したファイルをコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置した上, 被告から割り当てられた本件 IPアドレスを使用して上記コンピュータをインターネットに接続させ, 平成 29 年 8 月 7 日 0 時 2 分 8 秒頃, ファイル交換共有ソフトである Share 互換ソ フトウェアを用いて, 同ソフトを利用する他の不特定の利用者からの求めに応じてインターネット回線を経由して上記ファイルを自動的に送信し得る状態にした イ氏名不詳者は, 本件レコード2を複製したファイルをコンピュータ内の 1 記録媒体に記録 蔵置した上, 被告から割り当てられた本件 IP アドレス を使用して上記コンピュータをインターネットに接続させ, 平成 29 年 8 月 11 日 7 時 34 分 42 秒頃, ファイル交換共有ソフトであるShare 互換ソフトウェアを用いて, 同ソフトを利用する他の不特定の利用者からの求めに応じてインターネット回線を経由して上記ファイルを自動的に送 信し得る状態にした ( 被告 ) 原告らが送信可能化されたと主張する各ファイルが, 本件各レコードの複製物であることが客観的に立証されていない上, 上記各ファイルが送信可能化された日時やその際に使用されたIPアドレスが正確なものであることも 2 立証されていないから, 権利が侵害されたことが明らかであるとはいえない また, 上記各ファイルを送信可能化した当該氏名不詳者が,Share 互 - 3 -

換ソフトウェアのファイル共有ソフトとしての機能を十分に認識し, 又は過失により認識せずに利用していたことが認められず, 故意又は過失の有無が明らかであるとはいえないから, 権利が侵害されたことが明らかであるとはいえない ⑵ 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか ( 原告ら ) 原告らは, 本件各レコードの送信可能化権を侵害した氏名不詳者に対し, 損害賠償請求権や差止請求権を行使する必要があるから, 上記氏名不詳者に係る発信者情報 ( 住所, 氏名及び電子メールアドレス ) の開示を受けるべき 正当な理由がある ( 被告 ) 損害賠償請求権や差止請求権を行使するために電子メールアドレスの開示を受ける必要はないから, 電子メールアドレスについては, 開示を受けるべき正当な理由があるとは認められない 1 第 3 当裁判所の判断 1 争点 ⑴について証拠 ( 甲 2の1,2の2,3の1,3の2,) によれば 次の事実が認められる ア株式会社クロスワープ ( 以下 クロスワープ という ) は, 平成 29 年 8 月 7 日及び同月 11 日当時, プロバイダ責任制限法ガイドライン等検 討協議会によりP2P 型ファイル交換ソフトの利用者のIPアドレス等を特定する方法として信頼性が認められると認定された P2P FIND ER というシステム( 以下 本件システム という ) を使用して,P 2P 型ファイル交換ソフトであるShare( 以下 本件交換ソフト と 2 いう ) を介して公開されている音楽ファイルを監視していた 本件システムは, 設定されたキーワードに基づき, 本件交換ソフトを介 - 4 -

して公開されている音楽ファイルの中からそのキーワードを含む音楽ファイルを検索し, その音楽ファイルが検出された場合には, ダウンロード先のIPアドレス等の当該ファイルに関する情報を自動的に取得してダウンロードを要求し, 当該ファイルを自動的にダウンロードすることにより, 市販されている音楽 CD の音源が本件交換ソフトを介して公開されていな いか監視するものである イクロスワープがキーワードを EAC と設定して本件システムにより検索した結果, ファイル名 [EAC][16011]TVアニメ 聖戦ケルベロス竜刻のファタリテ OPテーマ Resonant Heart / 甲.rar 及びファイルサイズ 1076263 6 の音楽ファイル( 以下 本件ファイル1 という ) が検出され, 平成 29 年 8 月 7 日 0 時 2 分 8 秒頃, 本件ファイル1のダウンロードが完了した 本件ファイル1のダウンロード先のIPアドレスは, 6.172.237.173 ( 本件 IPアドレス ) であった 1 クロスワープは, 本件ファイル 1 を他のファイルとともに DVD-R に記録し, そのDVD-Rを原告ポニーキャニオンの担当者に交付した 上記担当者が本件ファイル1を再生して記録されている音楽を聴取した結果, 本件ファイル1には本件レコード1に録音された楽曲を複製した音楽が記録されていることが確認された また, クロスワープがキーワードを EAC と設定して本件システ ムにより検索した結果, ファイル名 [EAC][160427]TV アニメ 学戦都市アスタリスク2ndSEASON EDテーマ 愛の詩 -words of love- / 乙.rar 及びファイルサイズ 1749679 の音楽ファイル( 以下, 本件ファイル2 2 といい, 本件ファイル 1 と併せて 本件各ファイル という ) が検出 され, 平成 29 年 8 月 11 日 7 時 34 分 42 秒頃, 本件ファイル 2 のダ - -

ウンロードが完了した 本件ファイル2のダウンロード先のIPアドレスは, 6.172.237.173 ( 本件 IPアドレス ) であった クロスワープは, 本件ファイル2を他のファイルとともにDVD-R に記録し, その DVD-R を原告フライングドッグの親会社の担当者に 交付した 上記担当者が本件ファイル2を再生して記録されている音楽を聴取した結果, 本件ファイル2には本件レコード2に録音された楽曲を複製した音楽が記録されていることが確認された ⑵ ア前記 によると, 被 告から本件 IPアドレスを割り当てられた氏名不詳者が, インターネットに接続し, 平成 29 年 8 月 7 日 0 時 2 分 8 秒頃, 本件交換ソフトを介して本件ファイル1を公衆からの求めに応じて自動的に送信し得る状態にしたことによって, 原告ポニーキャニオンが有する本件レコード1の送信可能 1 化権を侵害したことが認められる イまた, 前記と, 被告から本件 IPアドレスを割り当てられた氏名不詳者が, インターネットに接続し, 平成 29 年 8 月 11 日 7 時 34 分 42 秒頃, 本件交換ソフトを介して本件ファイル2を公衆からの求めに応じて自動的に送信し得 る状態にしたことによって, 原告フライングドッグが有する本件レコード 2の送信可能化権を侵害したことが認められる アこれに対し, 被告は,1 本件各ファイルに記録された音楽が本件各レコードに録音された楽曲の複製物であることが客観的に立証されていない上, 2 本件各ファイルが本件システムによりダウンロードされた日時, 及びそ 2 のダウンロード先の IP アドレスが正確なものであることも立証されてい ないから, 権利が侵害されたことが明らかであるとはいえない旨主張する - 6 -

しかし,1については, 被告が当該主張をした後に提出された本件各ファイルに記録された楽曲 ( 検甲 1の1,2の1) 及び本件各レコードに録音された楽曲 ( 検甲 1の2,2の2) の比較に加えて, 本件各ファイルに記録された楽曲が本件各レコードに録音された楽曲を複製したものである 旨を述べる担当者らの陳述書 ( 甲 3 の 1,3 の 2), 及び被告が上記両楽 曲の具体的相違点について主張はないとしていること ( 第 2 回口頭弁論調書 ) を併せれば, 上記 1に係る被告の主張は採用できない また,2については, 本件システムは, プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会により本件交換ソフト等のP2P 型ファイル交換ソフト を利用した者の IP アドレス等を特定する方法として信頼性が認められる ) ところ, 本件全証拠によっても, 本件システムが本件各ファイルをダウンロードしたときに正常に作動していなかったことをうかがわせる事情は見当たらないし, 被告も正確性を疑わせる具体的事情を主張しないから, 上記 2に係る被告の主張も採用 1 できない イまた, 被告は, 本件各レコードの送信可能化権を侵害した者の故意又は過失の有無が明らかであるとはいえないから, 権利が侵害されたことが明らかであるとはいえない旨主張する しかし, 本件各レコードの送信可能化権を侵害した者の故意又は過失の 有無にかかわらず, 同送信可能化権が侵害されたことに変わりはないから, 被告の上記主張は採用できない 2 について前記 1⑵ア及びイによれば, 被告は, 被告から本件 IPアドレスを割り当てられた氏名不詳者による本件各レコードの送信可能化権侵害との関係において, 2 プロバイダ責任制限法 4 条 1 項の 開示関係役務提供者 に当たるところ, 原 告らが同侵害に基づく差止請求権や損害賠償請求権を行使するためには, 電子 - 7 -

メールアドレスを含め, 上記氏名不詳者に係る発信者情報の開示を受ける必要があり, 原告らにはその発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると認められる 3 結論 以上によれば, 原告らの請求はいずれも理由があるから, これらを認容する こととして, 主文のとおり判決する 東京地方裁判所民事第 47 部 裁判長裁判官沖中康人 裁判官横山真通 1 裁判官髙櫻慎平 - 8 -

( 別紙 ) 発信者情報目録 1 平成 29 年 8 月 7 日 0 時 2 分 8 秒頃に 6.172.237.173 というインター ネットプロトコルアドレスを使用してインターネットに接続していた者の氏名 ( 又は名称 ), 住所及び電子メールアドレス 2 平成 29 年 8 月 11 日 7 時 34 分 42 秒頃に 6.172.237.173 というイ ンターネットプロトコルアドレスを使用してインターネットに接続していた者 の氏名 ( 又は名称 ), 住所及び電子メールアドレス - 9 -