Microsoft Word - 2-① 補償ガイドライン平成27年版(本文)Ver3.1.1.do

Similar documents
1. 補償の原則 1-1 治験依頼者は 治験に起因して被験者に健康被害があった場合は 治験依頼者に賠償責任が無くとも自ら定めた補償制度にしたがって補償する いう ) における定義と同一とする ( 表 1 を参照 ) 2-2 補償規程 とは GCP 省令第 14 条に従い また本ガイドラインを参考にし

untitled

補償金テーブル表について

JCROA自主ガイドライン第4版案 GCP監査WG改訂案及び意見

スライド 1

1. 総則 Q1-1. 研究者主導臨床研究及び医師主導治験に対して このガイドラインは適用できますか? ( 回答 ) 研究を主導される研究機関がご判断ください 本改定前に公表された 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 ( 平成 26 年 12 月 22 日 ) に関する同ガイダンス ( 平成

Microsoft Word - (発番)医療機器の製造販売承認申請について

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

PSP 省令 と それぞれ略称する 記 1. 改正施行規則について希少疾病用医療機器その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医療機器であり かつ 当該医療機器についての臨床試験の実施に特に長期間を要すると認められるものに係る承認申請をする場合においては 改正 GVP 省令第 9 条の3 第 1

PSP 省令 と それぞれ略称する 記 1. 改正施行規則について希少疾病用医療機器その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医療機器であり かつ 当該医療機器についての臨床試験の実施に特に長期間を要すると認められるものに係る承認申請をする場合においては 改正 GVP 省令第 9 条の3 第 1

( 注意 ) 1 用紙の規格は 日本工業規格 A 列 4 番とする 2 1~3 の欄は 申請に係る疾病について医療を受けた者の氏名 性別 生 現住所及び電話番号を記入する 3 4~11 の欄は PMDA( 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 ) から障害児養育年金 障害年金の認定において疾病に係る医

Microsoft Word - 療養補償給付又は療養給付.doc

る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

3 治験実施計画書目的 当該治験について 治験実施計画書が手順書に従い適切に作成及び改訂されていることを確認する 次の事項を調べる (1) 治験実施計画書の記載項目 ( 再生医療等製品 GCP 省令第 7 条第 1 項に規定する項目 ) (2) 治験実施計画書の作成 改訂の手順と日付 (3) 治験計

Microsoft PowerPoint - 【配布資料】28予防接種従事者研修

料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

標準業務手順 目次

年管管発 0928 第 6 号平成 27 年 9 月 28 日 日本年金機構年金給付業務部門担当理事殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 2

<4D F736F F D A835E838A F8B7982D18AC48DB85F20534F A68CEB8E9A E9A8F4390B38DCF2

の両方を提出する必要がある 問 3 還付額は 領収証に記載されている金額を還付するのか それともレセプト情報から自己負担分を計算するのか 領収証により保険診療に係る一部負担金の額を確認して還付する 問 4 領収証の紛失 または医療機関等の全壊等により 対象の被保険者が負担した一部負担金の額の確認が取

医師主導治験取扱要覧

治 験 実 施 標 準 業 務 手 順 書

独立行政法人国立病院機構仙台医療センターにおける医薬 品等の使用成績調査 特定使用成績調査及び副作用 感染 症報告 その他の受託研究の実施に関する標準業務手順書 2018 年 7 月 26 日第 9 版

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

本手順書で使用する用語の定義 用語電子的記録書面電子的記録利用システム実務担当者原データ治験関連文書サイボウズサイボウズメッセージ 定義人の知覚では認識できない, 電子式等の方法で記録され, コンピュータで処理される記録紙媒体による資料治験依頼者, 実施医療機関の長, 治験責任医師並びに治験審査委員

目次 第 1 章治験審査委員会... 3 ( 目的と適用範囲 )... 3 ( 治験審査委員会の責務 )... 3 ( 治験審査委員会の設置及び構成 )... 3 ( 治験審査委員会の業務 )... 4 ( 治験審査委員会の運営 )... 6 第 2 章治験審査委員会事務局... 8 ( 治験審査委

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について

<4D F736F F D A6D92E894C581458E7B8D7393FA A956C8FBC8E738FE18A518ED293FC89408E9E E A B E E968BC68EC08E7B97768D6A2E646F63>

国立仙台病院受託研究取扱規程

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

治験審査委員会手順書 平成 27 年 10 月 1 日 医療法人新光会

Microsoft Word - 【発送版】製造所の登録通知

医療費 医療手当を請求することができる方 昭和 55 年 5 月 1 日以後に医薬品を適正に使用したにもかかわらず その医薬品の副作用 によるものとみられる疾病 ( 入院治療を必要とする程度 ) について医療を受けた方は医療費 と医療手当を請求することができます 請求の手続 医療費 医療手当を請求し

個人情報保護に関する規定 ( 規定第 98 号 ) 第 1 章 総則 ( 目的 ) 第 1 条学校法人トヨタ学園および豊田工業大学 ( 以下, 総称して本学という ) は, 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 57 号, 以下, 法律という ) に定める個人情報取り扱い事業者 (

医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する

議案第49号-医療福祉費支給に関する条例の一部改正【確定】

医薬品たるコンビネーション製品の不具合報告等に関する Q&A [ 用いた略語 ] 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行規則 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 ( 昭和 36 年

に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者とする 3 病院等に入院等したことにより 本市の区域内に住所を変更したと認められる第 1 項各号に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者としない 4 第 1 項及び第 2 項の規定にかかわらず 次の各号のいずれかに該当する者は

<4D F736F F D208EA18CB182C98AD682B782E995578F808BC696B18EE88F878F E38E748EE593B1816A E7B8D732E646F637

指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 ( 平成 12 年厚生省告示第 20 号 ) 介護保険法第 46 条第 2 項及び第 58 条第 2 項の規定に基づき 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準を次のように定め 平成 12 年 4 月 1 日から適用する 一指定居宅介護支

京都府立医科大学附属病院

3 電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求により療養の給付費等の請求を行うこと ( 以下 レセプト電子請求 という ) が義務付けられた保険医療機関 ( 正当な理由を有する400 床未満の病院及び診療所を除く なお 400 床未満の病院にあっては 平成 27 年度末までに限る

< F2D CFA90B6984A93AD8FC897DF91E632368D868169>

Taro-再製造単回使用医療機器基準

<4D F736F F D208EA18CB182C98AD682B782E995578F808BC696B18EE88F878F E7B8D732E646F6378>

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

(3) 父又は母が規則で定める程度の障害の状態にある児童 (4) 父又は母の生死が明らかでない児童 (5) その他前各号に準ずる状態にある児童で規則で定めるもの 3 この条例において 養育者 とは 次に掲げる児童と同居して これを監護し かつ その生計を維持する者であって その児童の父母及び児童福祉

( 救済給付の要件 ) 第 3 条この要綱による救済給付の要件とする県単独補助事業は 次の各号に掲げる要綱に基づく事業とする 一山梨県子宮頸がん予防ワクチン接種促進事業費補助金交付要綱 ( 平成 22 年 6 月 16 日から平成 23 年 3 月 31 日まで ) 二平成 23 年度山梨県子宮頸が

第 3 条海陽町は 海陽町の区域内に居住地を有する重度心身障害者等の疾病又は負傷について医療保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律の規定による医療に関する給付 ( 前条第 1 項第 3 号に該当する者 ( 以下 ひとり親家庭の父母等 という ) のうち母子家庭の母又は父子家庭の父にに係るものにあ

( 委員会の業務 ) 第 4 条委員会は その責務の遂行のために以下の最新資料を病院長から入手する なお あらかじめ 自ら治験を実施する者 委員会及び病院長の合意が得られている場合においては GCP 省令第 26 条の6 第 2 項に関する通知に限り 自ら治験を実施する者から入手することができる ま

Microsoft Word - 日薬連宛抗インフル薬通知(写).doc

法律 出典 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年 8 月 10 日法律第 145 号 ) 政令 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 36 年 1 月 26 日政令第 11 号 ) 省令 医薬品 医療機器等の品質

医師主導治験取扱要覧

静岡県立静岡がんセンター臨床研究事務局の業務手順書

雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項 第 1 趣旨 この留意事項は 雇用管理分野における労働安全衛生法 ( 昭和 47 年法律第 57 号 以下 安衛法 という ) 等に基づき実施した健康診断の結果等の健康情報の取扱いについて 個人情報の保護に関する法律についての

Microsoft Word - 22育児・介護休業等規程

( 支給対象者等 ) 第 3 条医療費の支給の対象となる者 ( 以下 支給対象者 という ) は 次の各号に該当する母子家庭の母 父子家庭の父及びこれらの者に扶養されている児童並びに養育者に扶養されている父母のない児童とする (1) 本市に住所 ( 配偶者からの暴力を受けること等により本市への住所の

と事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を 配偶者 には 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を 婚姻 には 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含むものとする 5 この条例において 医療保険各法 とは 国民健康保険法 ( 昭和 33 年法律第 192

に 正当な理由がない限り無償で交付しなければならないものであるとともに 交付が義務付けられている領収証は 指定訪問看護の費用額算定表における訪問看護基本療養費 訪問看護管理療養費 訪問看護情報提供療養費及び訪問看護ターミナルケア療養費の別に金額の内訳の分かるものとし 別紙様式 4を標準とするものであ

労災年金のスライド

「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について」の一部改正について(厚生労働省健康局長:H )

障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

医薬品の基礎研究から承認審査 市販後までの主なプロセス 基礎研究 非臨床試験 動物試験等 品質の評価安全性の評価有効性の評価 候補物質の合成方法等を確立 最適な剤型の設計 一定の品質を確保するための規格及び試験方法などの確立 有効期間等の設定 ( 長期安定性試験など ) 医薬品候補物質のスクリーニン

宮城県立がんセンター受託研究業務手順書

( 誓約事項 ) 児童福祉法第 19 条の9 第 2 項に該当しないことを誓約すること 1 第 1 号関係申請者が 禁錮以上の刑に処せられ その執行を終わり 又は執行を受けることがなくなった日を経過していない 2 第 2 号関係申請者が 児童福祉法その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律 ( 医

untitled

一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

治験実施規程

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

<4D F736F F D208D B B835896F2938A975E82CC8D6C82A695FB2E646F63>

Microsoft Word - アンチ・ドーピング規程(クリーン).docx

【押印あり】日本医学会宛

個人情報の保護に関する規程(案)

(頭紙)公布通知

平成 31 年度 ( 平成 30 年分 ) 所得控除 雑損控除 納税義務者又はその者と生計同一の配偶者 その他親族が有する資産について 災害 盗難 横領によ る住宅 家財 現金の損害一定額 控除計算 A B いずれか多い方の金額 A:( 損失額 - 保険金等による補てん額 )-( 総所得金額等の合計

Taro-議案第13号 行政手続条例の

粕屋町重度障害者医療費の支給に関する条例

privacypolicy

長崎大学病院治験審査委員会内規 平成 21 年 4 月 1 日 病院内規第 3 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この内規は, 長崎大学病院における医薬品の臨床試験の実施に関する内規 ( 以下 治験内規 という ) 第 4 条第 2 項, 長崎大学病院における医療機器の臨床試験の実施に関する内規 ( 以下

ともに 申請者が承認審査のスケジュールに沿って法令上求められる製造体制を整備することや承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで 更なる迅速な実用化を促すものである この制度では 原則として新規原理 新規作用機序等により 生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して 極めて高い有効

議案第 20 号小松島市消防団員等の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 改正の趣旨 非常勤消防団員等の損害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令が平成 28 年 4 月 1 日から施行されることに伴い 非常勤消防団員等の公務上の災害に対する損害補償に関し 同一の事由により他の法律による

iryohi_no_meisaisyo.xls

< F2D8BCE96B18E9E8AD481438B7889C993998B4B92F F3132>

Ⅲ 治験に係る直接費用と間接費用 ( 但し 治験検討会議出席に係る旅費については 下記 Ⅳにて記載する ) 1. 算出方法 (1) 治験に係る経費設定( 表 1) に従い費用を算出する 2. 覚書の作成と請求方法 (1) 治験契約の際 病院長と治験依頼者は 治験契約書 ( 別記様式第 12 号第 3

2 前項第 1 号の制限額は, 次表のとおりとする 対象者制限額乳幼児等を養育している者扶養親族等及び児童がないときは,53 2 万円とし, 扶養親族等及び児童があるときは,532 万円に当該扶養親族等及び児童 1 人につき38 万円 ( 当該扶養親族等が所得税法 ( 昭和 40 年法律第 33 号

Microsoft Word - 奈良県GQP-GVPガイドライン doc

ご契約のしおり・約款 指定代理請求特約

ICH-GCPとJ-GCPとの比較表

国立がんセンター受託研究取扱規程

規程書

調布市要綱第  号

入院時生活療養費の見直し内容について(厚生労働省保険局保険課:H29.4.7)

第 5 条市長は 前条に規定する申請書等に基づいて健康管理費を受けることができる者であることを確認したときは 当該資格を認定する 2 市長は 前項により資格を認定した者 ( 以下 受給者 という ) に対し 重障老人健康管理事業対象者証 ( 以下 対象者証 という ) を交付する ( 不認定の通知

国立病院機構大阪医療センター受託研究取扱細則

長期家族介護者援護金 2 補償の内容 (1) 療養補償負傷又は疾病が治ゆするまでの間 必要な治療を行い 又は療養の費用を支給します 療養の範囲は次に掲げるもので 認定された傷病又は疾病の療養上相当と認められるものに限ります ア診察イ薬剤又は治療材料の支給ウ処置 手術その他治療エ居宅における療養上の管

Microsoft Word - 02-頭紙.doc

12_モニタリングの実施に関する手順書 

別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1

Transcription:

1. 総則 被験者の健康被害補償に関するガイドライン Ver. 3 Ver. 3. 1 Ver. 3. 1.1 : 2 0 1 5 ( 平成 2 7 ) 年 8 月 1 8 日 : 2 0 1 5 ( 平成 2 7 ) 年 1 2 月 2 1 日 : 2 0 1 6 ( 平成 2 8 ) 年 1 2 月 2 0 日 1-1 本ガイドラインは 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 ( 平成 9 年厚生省令第 2 8 号 以後の改正を含み 以下 G CP 省令 という ) 第 1 条 第 1 4 条及び第 5 6 条に則って 治験及び製造販売後臨床試験 ( 以下 治験 という ) に係る被験者に生じた健康被害について 適切かつ迅速に被験者を救済するための指針である 1-2 治験依頼者は 本ガイドラインを参考にして 治験に係る被験者に生じた健康被害を補償するための要件及び手続等を定めた補償規程を定める 2. 定義 2-1 本ガイドラインにおいて 治験 製造販売後臨床試験 治験依頼者 実施医療機関 治験責任医師 被験者 治験実施計画書 説明文書 同意文書 治験薬 被験薬 対照薬 有害事象 及び 副作用 その他本文において使用される用語は 別途定義されない限り 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 3 5 年法律第 1 4 5 号 以後の改正を含み 以下 薬機法 という ) G CP 省令及び 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 のガイダンスについて ( 平成 2 4 年 1 2 月 2 8 日付薬食審査発 1 2 2 8 第 7 号 以下 G CP ガイダンス という ) における定義と同一とする ( 表 1 を参照 ) 2-2 補償規程 とは G CP 省令第 1 4 条に従い また本ガイドラインを参考にして 治験に係る被験者に生じた健康被害を補償するため 治験依頼者が定めた規程をいう 2-3 治験に係る被験者に生じた健康被害 とは 被験者に生じた有害事象のうち治験薬及び治験実施計画書に定めた計画の実施との因果関係が否定されないものをいう なお 因果関係が否定されないものには 因果関係が不明なものも含まれる 2-4 補償 とは 治験に係る被験者に生じた健康被害によって被験者の被った損失を適切に補うため 治験依頼者が定めた補償規程に基づいてなされる給付をいい 医療費 医療手当 及び 補償金 からなる 3. 補償の原則 3-1 治験依頼者は 治験に係る被験者に生じた健康被害について 補償規程を定め 被験者の請求に基づき その補償規程に従って補償する 3-2 治験依頼者は 治験依頼者の補償規程の概要を被験者に分かりやすく説明した文書 ( 以下 補償の概要 という ) を作成する 治験責任医師等が被験者に説明する際の説明文書 同意文書の中に 当該治験の補償規程に従って補償が行われることが記載されるよう治験責任医師等に要請する 補償の概要 は 説明文書 同意文書とともに治験責任医師等から被験者に交付される 3-3 被験者は 治験依頼者の補償規程に基づく補償を受けた場合であっても 治験依頼者 実施医療機関その他の第三者に対する損害賠償請求権を行使することができる

3-4 補償規程の内容は 治験実施計画書毎に設定することができる 但し 国内の同一の治験実施計画書における治験に対する補償規程の内容は同一とする 4. 補償の範囲 4-1 治験薬及び治験実施計画書に定めた計画の実施と健康被害との間の因果関係が合理的に否定されない場合は 補償の対象となる その際の判断は恣意的なものではあってはならない なお 治験薬については G C P 省令第 2 条に関する G C P ガイダンスにより 副作用について因果関係の有無を判断する際には少なくとも合理的な可能性があり 因果関係が否定できないものであるとされていることを参考にできる その際の因果関係は 治験依頼者が同 G C P ガイダンスに示された個別症例に基づく判断基準 ( 表 1 の 副作用 の定義を参照 ) や その時点で集積されたデータ等を参考に合理的に判断する 4-2 治験依頼者 実施医療機関又は第三者に損害賠償責任がある場合は 補償の対象外である 但し 補償の請求時から合理的な期間内に かかる損害賠償責任が明白とならない場合は 補償の対象である 4-3 薬剤の予期した効果又はその他の利益を提供できなかった場合は 補償の対象外である 4-4 プラセボを投与した被験者に治療上の利益を提供できなかった場合は 補償の対象外である 4-5 被験者自身の故意によって健康被害が生じた場合は 補償の対象外である 4-6 被験者の重大な過失により発生した健康被害に対しては 補償額を減じるか又は補償しない 5. 補償の支払 5-1 医療費治験に係る健康被害が生じた場合は 健康保険等からの給付を除いた被験者の自己負担額を支払う 治験依頼者は 計算方法等の合理的根拠を説明し 個別に被験者の同意を得た上で 今後発生すると予想される医療費を含めて 一括で支払うことができるものとする 5-2 医療手当治験に係る健康被害が生じた場合で 入院を必要とするような健康被害にあっては 医薬品副作用被害救済制度の給付金額に準じて 医療手当を支払う 5-3 補償金補償金の金額は 健康人を対象とする治験又は患者に治療上のメリットのない治験 ( 以下 健康人対象治験 という ) においては予防接種健康被害救済制度及び労災保険制度の給付額を参考にして また患者を対象とする治験 ( 以下 患者対象治験 という ) においては医薬品副作用被害救済制度の給付額を参考にして 治験依頼者が補償規程に定め これに基づき支払う 5-3 -1 健康人を対象とする治験の補償金 : 健康人対象治験における補償金の項目は 障害補償金 遺族補償金及び休業補償金とする 障害補償金 被験者が一定程度以上の障害の状態 ( 表 1 の 障害補償金 の定義を参照 ) となった場合 予防接種健康被害救済制度 ( A 類疾病 ) の 1 級 ~3 級又は労災保険制度で定める 8 級 ~ 1 4 級の給付額を参考にして 障害補償金を一括で支払う

遺族補償金 予防接種健康被害救済制度 ( A 類疾病 ) で定める死亡一時金 ( 定額 ) を 同一生計にあった遺族に一括で支払う 休業補償金 以下の全ての条件に該当する場合 被験者が健康保険の傷病手当金を申請しないことを条件として 休業期間中 休業 4 日目より 休業 1 日あたり労災保険制度に定められた給付基礎日額 ( 最高限度額 ) の 8 0 % を支払う 但し 障害補償金が支払われる場合は 健康被害の症状固定日又はそれに準ずる日の到来により支払は終了する 治験に係る被験者に生じた健康被害により療養していること その療養のために労働することができないこと 労働することができないため賃金を受けていないこと 5-3 -2 患者を対象とする治験の補償金患者対象治験における補償金の項目は 障害補償金 遺族補償金及び障害児養育補償金とする 障害補償金 被験者が一定程度以上の障害の状態 ( 表 1 の 障害補償金 の定義を参照 ) となった場合は 医薬品副作用被害救済制度の給付額を参考にして 障害補償金を一括で支払う 遺族補償金 医薬品副作用被害救済制度で定める遺族年金の 1 0 年分を 同一生計にあった遺族に一括で支払う 障害児養育補償金 1 8 才未満の被験者が一定程度以上の障害の状態 ( 表 1 の 障害補償金 の定義を参照 ) になった場合は 医薬品副作用被害救済制度の給付額を参考にして 障害児養育補償金を養育する者又は被験者本人に一括で支払う 5-4 特別な治験に関する補償金 5-4 -1 抗がん剤及び免疫抑制剤の扱い抗がん剤及び免疫抑制剤は その他の薬剤とは別に対処する 但し 薬剤や対象疾患の特性 被験者の受ける便益や負担するリスク等を評価した上で 治験実施計画書毎に補償の内容を定めることとする 5-4 -2 予防を目的としたワクチンの治験疾病の予防を目的としたワクチン試験の補償金の項目は 障害補償金 遺族補償金及び障害児養育補償金とする 予防接種法に定める A 類疾病を対象とする治験の場合には 予防接種健康被害救済制度 A 類疾病の項で定める障害年金 障害児養育年金及び死亡一時金の給付額を参考にして 障害補償金 障害児養育補償金及び遺族補償金を一括で支払う また 同 B 類疾病及びその他の疾病を対象とする治験の場合には 予防接種健康被害救済制度 B 類疾病と同一の給付水準である医薬品副作用被害救済制度の障害年金 障害児養育年金及び遺族年金の給付額を参考にして 障害補償金 障害児養育補償金及び遺族補償金を一括で支払う 6. 補償の手続 6-1 治験依頼者は 補償請求を受けた場合は可及的速やかに 補償規程に基づいて補償の要否を決定する なお 因果関係の判断に必要な情報を収集するため 又は症状固定に時間がかかるため等 補償金の支払の要否の判断に時間を要する場合は 医療費 医療手当は補償金の支払を待つことなく支払うこととする 6-2 治験依頼者は 補償の要否を判断した事例について 当初の決定時点より因果関係についてより正確な判断が可能となった場合 補償の支払を終了又は開始す

ることができる 6-3 被験者の健康被害について 実施医療機関又は第三者に損害賠償責任が明らかになった場合 被験者に補償を支払った治験依頼者は その支払金額の範囲内で 当該実施医療機関又は第三者に対して請求することができる 6-4 治験依頼者は 5-3 -1 5-3 -2 及び 5-4 -2 で規定する遺族補償金を同一生計にあった遺族のうち 代表者 1 名に支払う 治験依頼者が 遺族の代表者 1 名に支払った場合には 遺族補償金の支払義務を履行したこととなる 同一生計にあった遺族がいない場合 遺族補償金は支払わない 7. 外部専門家による意見 7-1 被験者が治験依頼者による補償の支払に関する決定の前提となる 因果関係 障害等級等の判断につき不服がある場合には 被験者は 治験依頼者に対して 外部の専門家による中立的な立場からの意見を求めるよう依頼することができる なお 意見を求めるに際して要する費用は治験依頼者の負担とする

表 1 用語と定義 治験 用語 定義 出典 医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料の G CP ガイダンス うち 臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目 第 1 条の解説 1 的とする試験 製造販売後臨床試験 医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令 ( 平成 1 6 年厚生労働省令第 1 7 1 号 ) 第 2 条第 4 項に規定する製造販売後臨床試験 条第 1 項 治験依頼者 治験の依頼をした者 条第 1 8 項 実施医療機関 治験又は製造販売後臨床試験を行う医療機関 条第 2 項 治験責任医師 実施医療機関において治験に係る業務を統括する医師又は歯科医師 条第 3 項 被験者 治験薬若しくは製造販売後臨床試験薬を投与される者又は当該者の対照とされる者 条第 9 項 治験実施計画書 治験の計画書 ( いわゆるプロトコル ) 条第 1 8 項 説明文書 G CP 省令第 5 0 条第 1 項の規定により説明を行うために用いられる文書 G CP 省令第 9 条 同意文書 被験者となるべき者が説明文書の内容を十分に理解した上で 当該内容の治験に参加することに同意する旨を記載した文書 G CP 省令第 5 2 条第 1 項 治験薬 被験薬及び対照薬 ( 治験に係るものに限る ) 条第 7 項 被験薬 治験の対象とされる薬物又は製造販売後臨床試験の対象とされる医薬品 条 5 項 対照薬 治験又は製造販売後臨床試験において被験薬と比較する目的で用いられる医薬品又は薬物その他の物質 G CP ガイダンス第 2 条第 6 項 有害事象 治験薬又は製造販売後臨床試験薬を投与された被験者に生じたすべての好ましくない又は意図しない疾病又はその徴候 ( 臨床検査値の以上を含む ) をいい 当該治験薬又は当該製造販売後臨床試験薬との因果関係の有無を問わない G CP ガイダンス第 2 条の解説 1 0 副作用 治験薬 ( 対照薬として用いられる市販薬を除く ) については以下のとおり : 投与量にかかわらず 投与された治験薬に対するあらゆる有害で意図しない反応 ( 臨床検査値の異常を含む ) すなわち 当該治験薬と有害事象との間の因果関係について 少なくとも合理的な可能性があり 因果関係を否定できない反応を指す 因果関係の判定を行う際には 投与中止後の消失 投与再開後の再発 既に当該被験薬又は類薬において因果関係が確立 交絡するリスク因子がない 曝露量 曝露期間との整合性がある 正確な既往歴の裏付けにより被験薬の関与がほぼ間違いなく説明可能 併用治療が原因である合理的な可能性がみられない等を参考にすることができる G CP ガイダンス第 2 条の解説 1 5 の (1 0 )

用語 定義 出典 市販薬については以下のとおり : 疾病の予防 診断 治療又は生理機能の調整のために用いられる通常の投与量範囲で投与された医薬品に対するあらゆる有害で意図しない反応 ( 臨床検査値の異常を含む ) すなわち 当該医薬品と有害事象との間の因果関係について 少なくとも合理的な可能性があり 因果関係を否定できない反応を指す 医療費 被験者に生じた治験に係る健康被害の治療に要した費用の実費を補償するものをいう 医療手当 被験者に生じた治験に係る健康被害のうち 入院を必要とするような健康被害に対して治療に伴う医療費以外の費用の負担に着目して支払われる定額の補償のことをいう 補償金 被験者が死亡又は一定程度以上の障害の状態となった場合に 本人又は家族の生活保障等を目的として支払われる金銭的補償のことをいう 遺族補償金 補償金のうち 被験者が死亡した場合に その遺族の生活の立て直し等を目的として支払われるものをいう 障害補償金 補償金のうち 被験者が一定程度以上の障害の状態となった場合 ( 患者対象治験及びワクチン治験では国民年金 厚生年金保険制度の障害認定基準で定める 1 級 ~3 級の場合 健康人対象治験では同 1 級 ~3 級又は労災保険の第 8 級 ~ 第 1 4 級の場合 ) に本人の生活保障等を目的として支払われるものをいう 障害の状態とは 症状が固定し治療の効果が期待できない状態又は症状が固定しないまま副作用による疾病について初めて治療を受けた日から 原則として 1 年 6 ヶ月を経過した後の状態をいう 障害児養育補償金 休業補償金 補償金のうち 1 8 歳未満の被験者が一定程度以上の障害の状態となった場合 ( 同上 ) に 障害児の養育などを目的として養育する者又は被験者本人に対して支払われるものをいう 補償金のうち 被験者に生じた治験に係る健康被害に対する療養のため労働することができず そのために賃金を受けていない場合は その第 4 日目から支払われるものをいう