15.1 ベクトル画像とビットマップ画像 ベクトル画像とビットマップ画像の違い 第 15 章描画の取り扱い コンピュータグラフィックスで扱う画像は大きく分けて ベクトル画像とビットマップ画像に分ける事ができます ベクトル画像はドロー系画像あるいは描画とも呼ばれています この二種類の画像は共に画像データの表現方法を表していますが根本的に異なるものです そのため 双方の特徴を踏まえた上で利用する必要があります ベクトル画像 Adobe Illustrator( イラストレーター ) で利用されている画像は ベクトル画像です ベクトル画像はその名の通り ベクトルと呼ばれる数学的なオブジェクト つまり 直線や曲線によって画像を近似的に表現する方法です 例えばベクトル画像でタイヤを描いた場合 そのタイヤは特定の半径で描画される円の数式で表現され 特定の位置に配置され 特定の色で塗られています そしてタイヤを移動させても サイズを変更しても 色を変化させても 画像は劣化しません ベクトル画像は解像度に左右されないため 画像の詳細な部分や 鮮明さを失わずにあらゆるサイズに縮小 拡大ができます そのためイラストレーターのようなイラストレーションを描く場合に適している方式です ベクトル画像 100% 表示状態 ベクトル画像拡大表示状態 ビットマップ画像 Adobe Photoshop( フォトショップ ) などで使用される画像がビットマップ画像です ビットマップ画像は ピクセルと呼ばれる小さな点の集合によって構成されています ビットマップ画像の各ピクセルにはそれぞれ特定の位置とカラー値が割り当てられます 例えばベクトル画像でタイヤを描いた場合 そのタイヤはピクセルの集合体で モザイク状に配置されたピクセルで タイヤが表現されています ビットマップ画像は写真など微妙なグラデーションを表現するのに適しているので よく使用されます 反面 解像度に画質が左右されるので 拡大などを行なうと エッジ ( 端部分 ) がギザギザになってしまい細かい情報が失われてしまう事があります ビットマップ画像 100% 表示状態 ビットマップ画像拡大表示状態 Campus System Guide 2014-169
15.2 Adobe Illustrator の起動 Adobe Illustrator( イラストレーター ) はプリントやオンライングラフィックスの作成に適したベクトル画像用ドロー系ソフトウェアです 1.Illustrator の起動 (1) マウスの左ボタンでスタートボタンをクリックします (2)[ すべてのプログラム ] [Adobe Illustrator CS4] の順にマウスをクリックすると Illustrator の初期画面 ( 図 15-1) が開かれます 2. 新規ドキュメント設定 図 15-1 Illustrator の初期画面 新規ドキュメントを作成する際は アートボードの指定が必要になります 用途に合ったサイズを選択してください 図 15-2 新規ドキュメント設定 170 - Campus System Guide 2014
15.3 ツールボックス 第 15 章描画の取り扱い Illustrator を利用していく上で ツールボックスは重要な役割を果たします ここでは 基本的なツールボックスの説明を行います 1. ツールボックス Illustratorを起動すると デフォルトの場合左側にツールボックスが表示されます ツールボックス内のツールを使用すると オブジェクトを作成 選択 操作する事ができます 選択ツール自動選択ツールペンツール直線ツールブラシツール塗りブラシツール回転ツールワープツールシンボルスプレーツールメッシュツールスポイトツールライブペイントツールアートボードツール手のひらツール塗り色 ダイレクト選択ツールなげなわツール文字ツールベクトルシェイプ作成ツール鉛筆ツール消しゴムツール拡大縮小ツール自由変形ツール棒グラフツールグラデーションツールブレンドツールライブペイント選択ツールスライスツールズームツール塗り色と線色の入れ替え線色 初期設定の塗り色と線色 図 15-3 ツールボックス ツール表示多くのツールでは選択したときにはマウスポインタがツールのアイコンの形になります ツールボックスの移動作業中にツールボックスが邪魔になる場合 ツールボックス上部のバーをドラッグし任意の場所に移動可能です ツールボックスの表示 非表示の切り替え ウィンドウ ツール を選択し ツールボックスが表示されているときには コマンド名の前にチェックマークが表示されています Campus System Guide 2014-171
2. 非表示のツールの表示 ツールボックスで 非表示状態 ( 非表示のツールがある場合 右下に三角形が表示されています ) になっているツールのあるツールボックスを押します そうすると今まで表示されてなかったツールが表示されます 非表示状態のツールバーが表示されたら ツールバーの端の矢印までドラッグしてマウスボタンを離すと ツールバーがツールボックスから切り離されます ( 切り離したツールを閉じる場合 閉じるボックスをクリックして下さい ) 3. ポインタを十字カーソルに変える 次のどちらかの操作を行うとカーソルが変化します (1) ツールを選択して Caps Lock キーを押す (2) Illustrator 環境設定 一般 をクリックし 十字カーソルを使う を選択して OK をクリックする 図 15-4 環境設定 172 - Campus System Guide 2014
15.4 ペンで線を書く ペンツールを使用し クリックとドラッグを組み合わせて様々な形の直線や曲線を描く事ができます 第 15 章描画の取り扱い 1. ペンで直線を書く ペンツール ペンツールを選択すると マウスポインタがペンの形になります アートワーク上をクリックすると アンカーポイントが配置されます この後マウスポインタを動かし 任意の位置をクリックすると 新しいアンカーポイントが配置され 両者をつないだ線が描かれます このときに shift を押しながら任意の位置をクリックすると 水平 垂直 斜め 45 の角度の直線を書く事ができます 2. ペンで曲線を描く ペンツールを使用し 曲線を描く事もできます 始点の位置でドラッグして 始点のアンカーポイントを配置し 任意の方向点を指定します 別の位置でドラッグし 新しいアンカーポイントを配置し 方向点を指定すると曲線が描けます ペンツール アンカーポイント Campus System Guide 2014-173
15.5 文字を入力する 文字ツール 縦文字ツール 1. 文字ツールで文字を入力する Illustrator には文字入力のためのツールが 6 種類用意されています アートワーク上のクリックした位置から 文字を横文字で入力するには 文字ツール 縦書きで入力するには 文字 ( 縦 ) ツールを利用します (1) 文字ツールまたは文字 ( 縦 ) ツールを選択するとそれぞれ 横書きモード 縦書きモードにそれぞれ変化します (2) 文字の入力を始めたい位置でクリックすると カーソルが点滅するので キーボードから文字を入力する 入力した文字列は 1 つのオブジェクトとして扱われます フォントサイズ フォントタイプ 水平比率 垂直比率 文字設定 174 - Campus System Guide 2014
15.6 図形描画 第 15 章描画の取り扱い 1. 楕円系ツールで円を描く 楕円や円を描くには 楕円形ツールを利用します 円の大きさはドラッグで指定します (1) 楕円形ツールを選択すると マウスポインタが十字になります (2) 斜め方向にドラッグを行ない 任意の場所でボタンをはなすと 円がかけます 正円を描く場合 (1) 楕円ツールを選択して マウスポインタを十字にします (2) shift を押したままドラッグすると 正円がかけます 数値を指定して円を描く楕円形ツールを選択し アートワーク上をクリックすると < 楕円形 >ダイアログボックスが表示され 幅と高さを指定して円を描く事ができます 幅の大きさの指定 高さの指定 Campus System Guide 2014-175
2. 長方形や正方形を描く ドラッグして 長方形を描く長方形や正方形を描くには 長方形ツールを利用します 長方形を描く (1) 長方形ツールを選択すると マウスポインタが十字になります (2) 斜め方向にドラッグし大きさを決めます (3) マウスのボタンを離すと 長方形がかけます 正方形を描く (1) 長方形ツールを選択すると マウスポインタが十字になります (2) 斜め方向にshiftを押しながらドラッグし大きさを決めます (3) マウスのボタンを離すと 正方形がかけます 数値を使用して長方形 正方形を描く長方形を選択しアートワーク上をクリックするとダイアログボックスが表示され 幅と高さを指定すると 長方形や正方形が描けます 幅の大きさの指定 高さの指定 176 - Campus System Guide 2014
第 15 章描画の取り扱い 3. オブジェクトを回転 拡大 縮小する 回転ツール 回転ツールを利用する 回転ツールによってオブジェクトを回転させる事ができます (1) オブジェクトを選択します (2) 回転ツールを選択すると マウスポインタが十字に変化します (3) 回転させたい方向にドラッグすると マウスポインタが黒矢印に変化します (4) マウスのボタンを放すと オブジェクトが回転します 拡大縮小ツールを利用する 拡大 縮小ツール 拡大 縮小ツールによってオブジェクトの拡大縮小ができるようになります (1) オブジェクトを選択します (2) 拡大縮小ツールを選択すると マウスポインタが十字に変化します (3) ドラッグすると マウスポインタが黒矢印に変化します (4) マウスのボタンを放すと オブジェクトが拡大または縮小されます 拡大 縮小時にオブジェクトの縦横比を変更しない場合 (1) オブジェクトを選択します (2) 拡大縮小ツールを選択すると マウスポインタが従事に変化します (3) 斜め方向に shift を押しながらドラッグすると 黒矢印にポインタが変化し縦横比が変化しないままオブジェクトが拡大 縮小できます (4) マウスのボタンを放すと 縦横比が変更されないまま拡大縮小されます Campus System Guide 2014-177