目次 1. 本書の利用方法 p.1 2. 著作権 p.1 3. 免責事項 p.1 4. 用語の定義と説明 p.1 A. 団体の管理体制 1. 団体の基本情報と責任の明確化 p.3 2. 契約の管理 p.4 3. 団体 農場管理マニュアル p.5 B. 団体 農場管理マニュアルに基づく管理の実践とその

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目次 1. 本書の利用方法 p.1 2. 著作権 p.1 3. 免責事項 p.1 4. 用語の定義と説明 p.1 A. 団体の管理体制 1. 団体の基本情報と責任の明確化 p.3 2. 契約の管理 p.4 3. 団体 農場管理マニュアル p.5 B. 団体 農場管理マニュアルに基づく管理の実践とその確認 4. 内部監査 p.5 4.1 内部監査員 4.2 団体事務局の内部監査 4.3 農場の内部監査 4.4 外部委託先の内部監査 4.5 内部監査の結果の確認 5. 違反に対する措置 p.9 6. トレーサビリティー p.9 7. 苦情 異常対応 p.10 8. 商品回収の手順 p.10 9. ASIAGAPマークの使用 p.10 10. 文書管理と記録管理 p.11 団体における残留農薬検査の農場のサンプリングに関するガイドライン ( 青果物 穀物 ) p.12 団体における残留農薬検査の農場のサンプリングに関するガイドライン ( 茶 ) p.13

1. 本書の利用方法 本書は ASIAGAP の団体審査で使用します 2. 著作権 本書は一般財団法人日本 GAP 協会が作成しました 著作権は 日本 GAP 協会に帰属します 二次的著作物を作成する場合は 日本 GAP 協会に事前に許諾を得る必要があります 3. 免責事項 日本 GAP 協会及び ASIAGAP の審査 認証機関は ASIAGAP 認証を取得した農場 団体が販売する農産物について 法的な責任を負いません 4. 用語の定義と説明 ASIAGAP 総合規則 も参照のこと 注 ) 法令を引用している場合 特に記載のないものについては 日本国の法令をさす 1) ASIAGAP マーク : 日本 GAP 協会が保有する登録商標 農場運営 食品安全 環境保全 労働安全 人権 福祉に配慮した農場管理を行う農場 団体で生産された農産物であることを表すもの 2) 外部委託 : 農産物の生産工程に直接かかわる作業を外部の事業者に委託すること 例えば播種 定植 防除 施肥 剪定 更新 収穫 摘採 農産物取扱いが相当する 残留農薬検査 設備点検 基盤整備 経理業務等は農産物の生産工程ではないので該当しない 団体認証において 団体に所属する農場間の作業支援は外部委託に該当しない 3) 団体 : 団体の定める方針 目的のもとに複数の農場が集まり 代表者及び団体事務局を有する組織をいう 4) 団体審査 認証 : 団体審査 認証 : ASIAGAP 団体事務局用管理点と適合基準 と ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 への適合性を審査し認証する 5) 適合基準 : 適切な農場管理の状態について 客観的な判断基準を示したもの ASIAGAP 団体用管理点と適合基準 では 認証を得るために該当する項目に 100% 適合する必要がある 6) 認証農産物 : 下記の条件をすべて満たした農産物のこと a) 個別認証の認証農場または認証団体から認証の有効期限内に出荷されている農産物 b) ASIAGAP 認証書に記載がある品目 c) 農産物取扱い施設がある場合には ASIAGAP 認証書に記載のある農産物取扱い施設で取り扱われている - 1 -

7) 農場 団体のルール違反 : 農場 団体が ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 ASIAGAP 団体事務局用管理点と適合基準 に基づき定めたルール及び 総合規則 に違反していること 8) 団体 農場管理マニュアル : 下記の内容を含む団体を管理する上で必要不可欠な文書 a) 団体事務局の団体統治の手順 ASIAGAP 団体事務局用管理点と適合基準 を満たす b) 団体事務局が担当する農場管理の手順 ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 を満たす c) 農場が担当する農場管理手順で団体共通の手順 ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 を満たす 9) 団体事務局 :ASIAGAP に関して団体の統治を確実に行うために団体内部に設置される事務局 団体事務局を担う組織は原則として法人格が要求されるが みなし営農組合のような権利能力なき社団 ( 正式な法人格がない組織 ) であっても 代表者を定め 所在地と連絡先を明確にしていればよい 団体の代表者は 団体事務局の責任者を指名する 指名された団体事務局の責任者は 団体の統治の責任を負うため 内部監査に関する充分な知識を有していることが求められる なお 団体の代表者は 団体事務局の責任者を兼ねることができる 10) 内部監査 : ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 及び ASIAGAP 団体事務局用管理点と適合基準 を満たすように定めた 団体 農場管理マニュアル に基づき 団体の統治管理の一環として 団体事務局及び団体に所属する農場の運用状況を内部監査員及び内部監査補佐役が点検 確認し その結果を団体事務局の責任者及び団体の代表者に報告すること ASIAGAP では年 1 回以上実施することが求められている - 2 -

A. 団体の管理体制 1. 団体の基本情報と責任の明確化 団体について 下記の情報が文書化されている 1.1 必須 団体の基本情報の把握 1 団体の名称 2 団体事務局の名称 3 団体事務局の所在地と連絡先 4 団体と農場における農産物の所有権及び管理責任に関する情報 5 団体と出荷先における農産物の所有権及び管理責任に関する情報 下記の責任者が確認できる組織図または文書がある 1.2 必須団体の組織体制 1 団体の代表者 2 団体事務局の責任者 3 内部監査の責任者 4 ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 が求める責任者 ( 団体事務局が担当する場合 ) 1.2.1 必須 団体事務局の責任者と内部監査の責任者 団体事務局の責任者は下記の e について 内部監査の責任者は下記の a~f 全てについて学習したことを説明できる a. 食品安全衛生を含む GAP に関する最新知識 b. ハザード分析に基づくリスク評価に関する知識 c. 農薬 肥料 労働安全 及び環境保全に関する基本的な知識 d. 人権 福祉及び労務管理に関する基本的な知識 e. マネジメントシステム ( 団体統治 ) に関する知識 f. 監査に関する知識の保有及び監査能力 a,b,c,d については ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 の理解を含む e,f については ASIAGAP 団体事務局用管理点と適合基準 の理解を含む - 3 -

団体を構成する農場について 下記の情報が登録されている 1.3 必須 団体を構成する農場の情報 1 農場名 所在地 連絡先 経営者名 2 農場の責任者 3 圃場と施設の所在地 4 栽培中または栽培予定の品目 5 品目ごとの栽培面積 2. 契約の管理 団体事務局は団体を構成する農場と契約を結んでいる 団体事務局と農場の間で交わされた契約文書には下記の内容が含まれている 2.1 必須団体と農場の契約 1 団体事務局の名称 所在地 連絡先 代表者名 2 農場名 所在地 連絡先 経営者名 3 団体の方針と指導に従って生産することの合意 4 契約違反の場合の措置に関する合意 2.2 必須 団体と外部委託先の契約 団体事務局は外部委託先と契約を結んでいる 団体と外部委託先との間で交わされた契約文書には下記の内容が含まれている 1 団体事務局の名称 所在地 連絡先 代表者名 2 外部委託先の名称 所在地 連絡先 代表者名 3 外部委託する業務 ( 工程 ) とその業務 ( 工程 ) に関する食品安全のルール 4 上記 3 について団体事務局が定めたルールに従うことの合意 5 契約違反の場合の措置に関する合意 6 外部から監査を受けること及び不適合がある場合には是正処置を求める可能性があることについての合意 なお 団体と外部委託先が契約文書を交わせない場合には 外部委託先が公開 提示している文書 ( 約款等 ) を団体が確認することで契約文書として代替することができる - 4 -

3. 団体 農場管理マニュアル 3.1 必須 団体事務局と農場の責任分担 ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 の管理点ごとに団体事務局と農場の責任分担を文書化している 3.2 必須 団体 農場管理マニュアルの条件 団体を運営する団体 農場管理マニュアルがあり 下記の条件を満たしている 1 団体事務局が ASIAGAP 団体事務局用管理点と適合基準 を実践するための方法 手順が明確になっている 2 管理点 3.1 の責任分担に基づき 団体事務局が ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 を実践するための方法 手順が定められている 3 管理点 3.1 の責任分担に基づき 農場が ASIAGAP 農場用管理点と適合基準 を実践するための方法 手順が定められている 農場ごとに方法 手順が異なる場合には 該当する管理点を記載している 3.3 必須 団体 農場管理マニュアルの理解 団体事務局の責任者は 団体 農場管理マニュアルの必要な部分の内容を団体事務局及び農場に対して理解させている B. 団体 農場管理マニュアルに基づく管理の実践とその確認 4. 内部監査 4.1 内部監査員 4.1.1 必須 内部監査員 内部監査補佐役の要件 内部監査員 内部監査補佐役は 最新の ASIAGAP 総合規則 に規定されている要件を満たしている - 5 -

4.1.2 必須 利害関係を排除した内部監査の実施 1 内部監査員 内部監査補佐役が ASIAGAP 審査の対象となる農場の関係者の場合 その農場は別の内部監査員 内部監査補佐役によって監査されている 2 内部監査員が団体事務局の関係者の場合 団体事務局の内部監査はその業務を担当しない本人以外の内部監査員によって実施することを原則とする 内部監査員が一名のみの場合には自己点検でもよいが 外部による審査の開始前にその事実を審査員へ申告している 4.1.3 必須監査の目合わせ 複数の内部監査員 内部監査補佐役が内部監査を担当している場合 内部監査員 内部監査補佐役の間で基準の解釈や審査方法について統一する仕組みがあり その実施記録がある 4.2. 団体事務局の内部監査 4.2.1 必須 団体事務局に対する内部監査の実施 1 団体 農場管理マニュアルに基づくチェックリストを用いて団体事務局に対する内部監査を年 1 回以上行っている 2 団体事務局に対する内部監査の実施手順を文書化し 監査結果の記録は下記の内容を含んでいる 1) 内部監査の実施日 2) 内部監査員 内部監査補佐役の名前 3) 内部監査を受けた団体事務局側の担当者の名前 4) 不適合事項 5) 是正要求 4.2.2 必須 団体事務局の是正処置 不適合事項は適切に是正され その結果の記録がある - 6 -

4.3. 農場の内部監査 4.3.1 必須 農場 農産物取扱い施設に対する内部監査の実施 1 団体 農場管理マニュアルに基づくチェックリストを用いて全ての農場に対する内部監査を年 1 回以上行っている 2 農場に対する内部監査の実施手順を文書化し 監査結果の記録は下記の内容を含んでいる 1) 農場の名称 2) 内部監査の実施日 3) 内部監査員 内部監査補佐役の名前 4) 不適合事項 5) 是正要求もしくは違反に対する措置の適用 4.3.2 必須 農場 農産物取扱い施設の是正処置 不適合事項は適切に是正され その結果の記録がある 4.3.3 必須 新規農場の内部監査 1 団体加入を希望する農場に対して団体加入を許可する前に内部監査を行っている 2 不適合事項については是正を要求し 適切に是正されたことが記録で確認できる - 7 -

4.4. 外部委託先の内部監査 4.4.1 必須 外部委託先に対する内部監査の実施 1 外部委託先に対して 管理点 2.2 の契約文書の中で規定しているルールを実践しているかどうかについて 内部監査を年 1 回以上行っている 2 外部委託先に対する内部監査の実施手順を文書化し 監査結果の記録は下記の内容を含んでいる 1) 外部委託先の名称 2) 内部監査の実施日 3) 内部監査員 内部監査補佐役の名前 4) 不適合事項 5) 是正要求もしくは違反に対する措置の適用 なお 外部委託先が ASIAGAP または日本 GAP 協会の認める第三者認証を受けていることが確認できる場合 外部委託先への内部監査を省略することができる その場合 団体事務局はその認証書の適用範囲や有効期限等を確認している 4.4.2 必須 外部委託先の是正処置 不適合事項は適切に是正され その結果の記録がある 4.5. 内部監査の結果の確認 4.5.1 必須 内部監査の責任者による内部監査の結果の確認 1 内部監査の責任者は 団体事務局 農場 外部委託先に対して実施した内部監査に関して 下記の情報を把握している 1) 内部監査の実施日 2) 不適合内容と是正処置の結果 2 内部監査の責任者は 不適合事項とそれに対する是正処置を検証し 監査結果を団体事務局の責任者と団体代表者へ報告している - 8 -

4.5.2 必須 内部監査の完了確認 団体事務局の責任者及び団体の代表者は 全ての不適合の是正処置が終了し 内部監査が完了したことを確認している 5. 違反に対する措置 5.1 必須 違反に対する措置の適用 団体 農場管理マニュアルに違反した農場に対し 規定されている措置を適用し それを記録している 5.2 必須 審査 認証機関への報告 内部監査の結果などにより 農場が出荷停止や除名になった場合 ASIAGAP 認証を発行した審査 認証機関に報告している 6. トレーサビリティー 6.1 必須 団体内でのトレーサビリティー 出荷する商品は農場を特定できる 特定 とは 複数の農場が含まれてもよいが 可能性のない農場が含まれていてはならない 6.2 必須 団体内での並行取扱いの管理 団体が認証農場以外の農場で生産された農産物も取り扱っている場合 認証農産物を明確に区別して出荷していることが記録で分かる 6.3 必須 団体内での出荷量の妥当性確認 ASIAGAP 認証農場で生産された農産物の出荷量が妥当であることを確認している 例えば 下記の資料を用いて確認した記録がある 1 登録されている生産面積 2 単位面積あたりの標準収量 3 収穫量の実績 - 9 -

7. 苦情 異常対応 7.1 必須 団体の苦情 異常対応 1 団体 農場もしくは特定の圃場や施設に関する苦情 異常に対して 受付 内容の記録 原因の追及 問題点の改善 改善後の確認について手順が文書化されている 2 苦情 異常があった場合 上記の手順に基づき対応し 一連の対応結果を記録している 8. 商品回収の手順 8.1 必須商品回収 1 下記の内容を含む商品回収の手順が文書化されている 1) 商品回収について判断する責任者 2) 商品回収を判断する基準 3) 影響がある出荷先及び関係機関 ( 保健所 農林事務所 農協等 ) 並びに審査 認証機関への連絡と相談 4) 問題の原因の追究 問題点の改善 対処後の再確認 5) 上記の対応の記録 2 商品回収があった場合 上記の手順に基づき対応し 一連の対応結果を記録している 8.2 必須商品回収テスト 1 年 1 回以上 苦情 異常を想定して管理点 8.1 の商品回収のテストを実施し 結果を記録している 2 テストの結果に基づき 商品回収の手順を見直している 9. ASIAGAP マークの使用 9.1 必須 団体事務局による ASIAGAP マークの管理 ASIAGAP マークを使用する場合 団体事務局の管理の下 認証農産物にのみ ASIAGAP マークを使用している - 10 -

10. 文書管理と記録管理 10.1 必須 団体 農場管理マニュアルの発行 団体 農場管理マニュアルを作成または改定する場合は 下記の手続きを実施していることが記録でわかる 1 団体事務局の責任者及び内部監査の責任者により作成されている 2 内部監査員の要件を満たす者によって管理点 3.2 が検証されている 3 団体の代表者によって承認されている 10.2 必須 団体 農場管理マニュアルの見直し 団体 農場管理マニュアルの内容を 年 1 回以上見直している 10.3 必須 団体 農場管理マニュアルの最新版管理 団体 農場管理マニュアルが改定された場合には下記を実施している 1 旧版と新版が明確に識別されている 2 変更された内容について関係する団体事務局の担当者や農場に説明を実施し理解させている 10.4 必須記録管理 審査に必要な記録を過去 2 年分以上保管し 閲覧可能な状態にしている 初回審査では審査日からさかのぼって 3 か月分以上の記録を保管している ただし当該期間に発生しない作業の記録は除く その後の審査では前回の審査から継続して記録を保管している - 11 -

ASIAGAP アジアギャップ (ASIA Good Agricultural Practice) 団体事務局用 2017 年 8 月 1 日より有効 団体における残留農薬検査の農場のサンプリングに関するガイドライン ( 青果物 穀物 ) 青果物 穀物の ASIAGAP 団体審査 認証における残留農薬分析では ASIAGAP 農場用管理点と適合基準青果物 穀物 の管理点 24.6.1 で要求する残留農薬検査のサンプリング計画における農場の選定方法について 下記のガイドラインが追加で適用されます 1. 原則 ASIAGAPにおける残留農薬検査は 農場が適切な農薬使用を実施できているかを検証することが目的であり 製品ロットの合否を目的とした製品検査ではない したがって その目的からして 複数の農場の青果物を混ぜて1 検体としたサンプルを分析することは禁止する 選定された農場に対しては 管理点 24.6.1の条件を満たす農薬成分 収穫時期 場所の農産物を検体としてサンプリングすること 2. 対象となる農場団体を構成している農場のすべてをサンプリングの対象としていること 3. 農場の選定方法残留農薬に関し リスクの高い農場から優先して最低 1 農場を選定すること 該当する農場がない場合には 無作為に最低 1 農場を選定すること 選定にあたっては あらかじめ順番を決めることや 検査対象となる農場に対して農薬使用前に検査対象であることを通知することがないようにする なお リスクの高い農場の条件には 例えば下記がある ( 順不同 ) a. ドリフトが判明しているが 刈り捨てず収穫を予定している農場 b. 過去 1 年間に 農薬使用方法が適切でないことを団体 審査 認証機関または内部監査によって指摘された農場 c. 新しく団体に加入した農場 新しく圃場を増やした農場 d. 過去 1 年間に 農薬使用責任者が変更になった農場 e. これまで残留農薬検査を1 度も実施していない農場 f. 土壌残留農薬のリスクがある圃場 ( 例過去農薬を埋めたなど ) g. 前作終了から期間を開けずに栽培する圃場を持つ農場 - 12 -

ASIAGAP アジアギャップ (ASIA Good Agricultural Practice) 団体事務局用 2017 年 8 月 1 日より有効 団体における残留農薬検査の農場のサンプリングに関するガイドライン ( 茶 ) 茶の ASIAGAP 団体審査 認証における残留農薬分析では ASIAGAP 農場用管理点と適合基準茶 の管理点 24.6.1 で要求する残留農薬検査のサンプリング計画における農場の選定方法について 下記のガイドラインが追加で適用されます 1. 原則 ASIAGAPにおける残留農薬検査は 農場が適切な農薬使用を実施できているかを検証することが目的であり 製品ロットの合否を目的とした製品検査ではない したがって その目的からして 複数の農場の生葉が合葉されたサンプルを検体とすることは禁止する 選定された農場に対しては 管理点 24.6.1の条件を満たす農薬成分 摘採時期 場所の生葉を特定して荒茶製造したものを検体としてサンプリングすること なお 通常の荒茶製造ラインでの製造が困難な場合 別の方法で生葉を乾燥させ 通常製造の荒茶と同程度の水分量まで乾燥させたものを荒茶としてよい 2. 対象となる農場団体を構成している農場のすべてをサンプリングの候補としていること 3. 農場の選定方法残留農薬に関し リスクの高い農場から優先して最低 1 農場を選定すること 該当する農場がない場合には 無作為に最低 1 農場を選定すること 選定にあたっては あらかじめ順番を決めることや 検査対象となる農場に対して農薬使用前に検査対象であることを通知することがないようにする なお リスクの高い農場の条件には 例えば下記がある ( 順不同 ) a. ドリフトが判明しているが 刈り捨てずに摘採を予定している農場 b. 過去 1 年間に 農薬使用方法が適切でないことを団体 審査 認証機関または内部監査によって指摘された農場 c. 新しく団体に加入した農場 新しく圃場を増やした農場 d. 過去 1 年間に 農薬使用責任者が変更になった農場 e. これまで残留農薬検査を一度も実施していない農場 - 13 -

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