平成 26 年度住宅 土地関連税制改正 住宅関連予算要望 一般社団法人住宅生産団体連合会 日本経済は デフレからの脱却に向けた政府の政策により 円安による輸出環境の改善 大胆な金融緩和や財政出動による株式市場の活況など再生の兆しが見えてきているところである これからは 規制改革や税制による支援などで

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

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平成 25 年度住宅 土地関連税制改正 住宅関連予算要望 ( 社 ) 住宅生産団体連合会 日本国内は 東日本大震災からの復興需要から明るさが見えてきてはいるが ヨーロッパの金融不安の再燃による経済の不透明感やその影響による中国をはじめとする新興国の経済成長率の鈍化 更に日本の株安円高などの不安定要因

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第一住宅関係税制 1. 住宅税制の抜本的な検討 次期消費税引上げまでの期間を活用し 消費税を含めた住宅に係る多重な課税について 抜本的な検討が必要である 良質な住宅ストックの形成に向けて 住宅の取得 保有に係る既存税制と消費税のあり方について 国民にわかりやすい恒久的かつ抜本的な見直しが必要である

国土交通大臣 太田昭宏殿 平成 27 年 7 月 27 日 一般社団法人プレハブ建築協会 会長樋口武男 平成 28 年度住宅関連税制及び制度改正要望 昨年 政府は経済再生と財政健全化を両立するため 平成 27 年 10 月に予定していた消費税率 10% の引き上げを平成 29 年 4 月に 1 年半

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(3) 居住用財産の買換えに伴う長期譲渡所得の課税の特例の適用期限 ( 平成 29 年 12 月 31 日 ) を延長する Ⅱ. 時代を先取りするまちづくりの推進税制 1. 国家戦略特区に係る特例の延長 拡充 (1) 我が国の大都市に世界中からヒト モノ カネ 情報を呼び込む魅力的なまちづくりを推進

はじめに我が国経済は アベノミクスによるデフレからの脱却に向けた大胆な金融政策や財政出動 規制緩和などにより 株価の上昇 賃金水準の向上 雇用の拡大など明るさを取り戻しつつある しかし 地方経済や中小事業者にまで経済政策の効果が十分に行き渡ったとはいえず 今後経済の好循環が隅々まで拡大されることが期

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

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る 1 減価補償金を交付すべきこととなる被災市街地復興土地区画整理事業において 公共施設の整備改善事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 2 第二種市街地再開発事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 (3) 特定住宅被災市町村の区域内にある土地等が 国

平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

平成27年度 住宅・土地関連税制改正、住宅関連予算要望

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

やさしい税金教室

一般社団法人住宅生産団体連合会 ( 住団連 ) について 業務内容 住宅生産供給に関する団体間の調整等 住宅生産供給に関する提言 要望等 住宅生産供給に関する調査及び研究 住宅生産供給に関する国際交流 構成団体 ( 一社 ) プレハブ建築協会 ( 一社 ) 全国住宅産業協会 ( 一社 ) 全国中小建

所得税確定申告セミナー

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

平成 31 年度税制改正概要 ( 住宅局 ) 結果特例措置税目 - 消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 住宅ローン減税の控除期間を 3 年間延長 ( 建物購入価格の消費税 2% 分の範囲で減税 ) 所得税個人住民税 延長 拡充 空き家の発生を抑制するための特例措置 ( 延長 ) 相続した空き家につ

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税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

要望理由 (1) 政策目的 既存住宅の流通の円滑化を通じ 既存住宅流通 リフォーム市場の拡大 活性化を図る また 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備するとともに 既存住宅の耐震化を促進し 住宅ストックの品質 性能を高め 国民の住生活の向上を目指す (2) 施策の必要性 国民がライフステ

消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 1 住宅取得については取引価格が高額であること等から 消費税率引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和するとともに 良質な住宅ストックの形成を促し響国民の豊かな住生活を確保する

税幅を 1% ずつ小刻みに引き上げるべきであるといった意見も浮上しており 予定通り引上げが実施されるかは 不透明な状況です Q 消費税増税で住宅取得時の税負担は どのくらい増加しますか A そもそも住宅購入にかかる消費税は 土地にはかからず新築物件なら建物部分のみです 仮に図表 1の モデル のよう

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

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土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

PowerPoint プレゼンテーション

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

平成16年版 真島のわかる社労士

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

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図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

住宅税制の概要 1 住宅の取得に係る税制 ( 注 ) を付した部分は 平成 22 年度税制改正により改正されたもの ( 1) 所得税 住宅ローン減税 ( 租 41) ( 国税 ) 住宅の新築 取得又は増改築等をした場合 10 年間 住宅ローン等の年末残 個人住民税 高の1.0%( 長期優良住宅につい

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

事業用資産の買換え等 用資産を譲渡し あらた 中小企業 適用実積の 8 の場合の課税の特例措 に事業用資産を取得し 割以上が地方関連であ 置の延長 ( 法人税等 ) た場合 譲渡した事業用 り 中小企業の設備投資 29.4~32.3 資産の譲渡益について 等の促進による生産性 80%( 一部 75%

4. 土地 住宅用建物に係る不動産取得税の特例の延長土地や住宅に対する投資を促進し 都市や地域の活力を高める観点から 土地及び住宅用建物に係る軽減税率 3%( 本則 4%) 及び宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例 ( 固定資産税評価額の 1/2) の適用期限 ( 平成 27 年 3

Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

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公的な住宅改修制度について

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

普及 促進を通して 豊かな国づくりに貢献していきたいと考えている 住宅は国民生活の基盤として生命や財産を守る機能を果たすとともに まちなみや地域のコミュニティを形成する 社会的資産 である これからの ストック型社会 住宅の長寿命化時代 にふさわしい税制のあり方について真摯な議論を行い 国民の理解を

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

2. 控除の適用時期 Q. 12 月に取得した自宅の所在地に 年末までに住民票を移しましたが 都合で引っ越しが翌年になってしまった場合 住宅ローン控除はいつから受けることになりますか A. 住宅ローン控除の適用を受けるためには 実際に居住を開始することが必要です したがって 住民票を移した年ではなく

2. 省エネ改修工事 耐震改修工事をした場合の所得税額の特別控除に係る工事範囲の拡充 (1) 改正の趣旨 背景 新築の長期優良住宅の認定基準制度に加え 平成 28 年 2 月 増改築による長期優良住宅の認定基準が制定された 長期優良住宅であると認定されることで 税制上様々な優遇措置を受けることができ

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案)

平成23年度税制改正の主要項目

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

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2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

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2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

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平成18年度地方税制改正(案)について

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1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

13全日総第16号

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

約 6 倍になると予測されており これら高経年マンションが増えていく中 経年による建物 設備の劣化等に対応するための大規模修繕や改修等の資金不足の問題が深刻化している 今後 良質なマンションを維持していくためにも 特にマンション共用部のリフォームについての支援が急務である (4) 賃貸住宅のリフォー

要望理由 (1) 政策目的我が国の住宅ストックのうち 高齢者が安心し自立して暮らせるバリアフリー化された住宅は極めて限られている状況を踏まえ サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進することにより 高齢者に適した住まいの確保を図る (2) 施策の必要性本特例措置により 1 高度のバリアフリー化 2 安

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N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

平成23年度都市・土地・PFI税制改正に対する要望

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

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平成 29 年度税制改正要望 平成 28 年 9 月 5 日一般社団法人不動産協会 我が国の経済は緩やかな回復を続けているが 世界経済のリスクなどにより 先行きは不透明な状態となっている 我が国の経済がデフレからの脱却を確実なものとし GDP を拡大していくためには 経済効果の高い大都市が牽引すると

図表 1 消費税率引上げに伴う住宅着工の影響 ( 平成 9 年 ) 1995( 平成 7) 年度 1996( 平成 8) 年度 1997( 平成 9) 年度 (4 月 1 日に消費税 (5%) 導入 ) 1998( 平成 10) 年度 住宅着工戸数 前年からの増減 1,485 万戸 - 1,630

同 修繕 基本融資額 補修資金引方移転資金整地資金 730 万円 440 万円 440 万円 引方移転資金と整地資金の両方を利用する場合は 合計で 440 万円が限度となる 引方移転資金および整地資金は 補修資金と併せて利用する場合に限り利用できる (2) 東日本大震災被災者向け特例措置 の改正 1

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平成 26 年度住宅 土地関連税制改正要望 住宅関連予算要望 平成 25 年 8 月 一般社団法人住宅生産団体連合会

平成 26 年度住宅 土地関連税制改正 住宅関連予算要望 一般社団法人住宅生産団体連合会 日本経済は デフレからの脱却に向けた政府の政策により 円安による輸出環境の改善 大胆な金融緩和や財政出動による株式市場の活況など再生の兆しが見えてきているところである これからは 規制改革や税制による支援などで民間の力を最大限活用して 日本経済を成長軌道に載せることが重要である 一方 日本は 高齢化の加速 少子化による人口減少 資源 エネルギー問題など喫緊の課題がある 住宅分野でも 耐震化 省エネルギー化 少子高齢化 ストック社会への対応など早急に解決しなければならない課題が山積している これらは 今後多くの国が直面する課題であり 世界に先駆けて克服していくことが 日本の経済を世界トップレベルに押し上げる力となっていくものと考える 政府の戦略市場創造プランにおいて 国民の健康寿命の延伸 クリーン 経済的なエネルギー需給の実現 安全 便利で経済的な次世代インフラの構築 世界を惹きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現 の4つの分野のロードマップが示された これらの4つの分野において 生活の基盤である住宅は大きな関わりを有しており プランの実現にむけて住宅産業が果たすべき役割も大きい 今後の住宅政策を推進していくためには 住宅の税体系の抜本的な改革も必要であり 根幹としての恒久制度の確立とともに 機動的な措置としての政策減税や予算の組み合わせが重要である こうした観点から 住宅生産団体連合会では下記の重点項目を中心に平成 26 年度住宅 土地関連税制改正 住宅予算編成に際して 以下の措置を要望する 重点項目 Ⅰ. 住宅に係る消費税について Ⅱ. 成長戦略としての住宅政策 Ⅲ. 安心 安全 環境に優しい住宅 街の形成 Ⅳ. 高齢者が安心して暮らせる住宅 街の形成 Ⅴ. 既存住宅流通 リフォーム市場の形成 Ⅵ. 復興の促進 中小事業者への支援 1

Ⅰ. 住宅に係る消費税について 住宅は 国民生活の基盤であり 社会安定の基礎である 一方で日本経済を支える内需の大きな柱でもある 住宅市場の混乱は 日本経済に大きな悪影響を及ぼすとともに住宅を取得する者にとっても大きな障害となる 国民が安心して住生活の向上に投資できる環境を整備することが重要である 1. 住宅取得環境の激変に対する機動的な対応 消費税率の引上げにともなう駆け込み需要とその反動減を緩和するために 消費増税の負担を軽減する住宅ローン減税の拡充と効果が限定的な層に対する給付措置 ( 現金購入者も含む ) が講じられた 今後 10 月 1 日 ( 指定日 ) 以降の市場動向に注視し 受注の急減や金利の上昇など市場環境の激変に対しては 成長戦略の妨げとならないよう税制 金融両面からの機動的な対応が必要である 2 軽減税率や還付など安定した恒久的負担軽減制度の早期実現 消費税制度の今後の議論において 生活の基盤としての住宅を国の最重要政策として捉え 諸外国の事例も参考にしつつ 住宅に係る消費税については軽減税率や還付など安定した恒久的負担軽減制度として早期に確立すべきである 併せて 住宅の取得 保有に係る多岐多重な住宅税制の抜本的な改革も必要である 欧米主要国の住宅に対する住宅消費税の取り扱い 2012 年 12 月 1 日現在 国標準税率住宅の税率等内容消費者の負担 アメリカ 8.875% 非課税 ( ニューヨーク市 ) イギリス 20% 0% 小売売上税で 仕入れ段階での課税がない 最後の小売段階で非課税のため負担はゼロである 仕入段階では課税されるが 最終の販売時に税率が 0% であり 仕入れ段階での課税分を控除できる 負担無し 負担無し 一般の住宅には標準税率が適用されているが 住宅改修やフランス 19.6% 課税又は 7% 軽減住宅建設 ( 社会住宅等 ) に軽減税率を活用 19.6% 又は 7.0% ドイツ 19% 非課税 最終販売段階で非課税であるが 部材等の仕入れ段階での 課税分は原価に算入して販売価格に転嫁される 仕入れ原価に掛る 税額を実質負担 イタリア 21% 4% 10% カナダ 課税 還付 13% ( オンタリオ州 ) あり 一般の住宅 ( 主たる住宅 ) に対しては 4% 奢侈な住宅 別荘一般の住宅は 4% などは 10% の軽減税率が適用される カナダの場合は 連邦税と州税があり 合計して課税され 還付により実質 るが 還付制度による負担軽減措置が取られている 5.2% の負担 2

Ⅱ. 成長戦略としての住宅政策 日本の住まいや街は先進諸国と比較して 省エネ性や快適性 街並みの美しさなど質の面に於いては未だ見劣りすると言わざるを得ない また 少子高齢化 人口減少 資源 エネルギー問題など直面している諸課題もある これらに対して IT 技術や先進的な設備機器などの活用により 住宅産業を最先端な産業に転換していくことで内需の厚みを増すとともに 健康で快適な暮らしの実現は 高齢化社会における社会保障費や医療費の減少にも大きく貢献していくものと考える 1. 住宅取得資金の贈与税の非課税制度の拡充 延長 高齢者の金融資産を子育て世代の持ち家取得に活用する同制度は 所得環境が厳しい状況において非常に有効に機能してきた 平成 26 年度には 一般住宅で 500 万円 省エネ 耐震性を満たす住宅で 1,000 万円に引き下げられる予定であるが 日本の成長戦略の重要課題として 内需の柱である住宅投資の拡大や省エネ化 耐震化等の住宅政策の課題に応えるために 非課税枠を拡大した上で同制度を延長すべきである 現行の非課税制度 一般住宅 省エネ 耐震性を満たす住宅 平成 25 年 700 万円 1,200 万円 平成 26 年 500 万円 1,000 万円 拡充要望 一般住宅 省エネ 耐震性を満たす住宅 平成 26 年度以降 1,500 万円 2,000 万円 2. 新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長 新築住宅に係る固定資産税の減額措置は 昭和 25 年より運用が開始され 昭和 38 年度から法制化されてきたものであり 住宅取得者にとっては当然の措置と理解されている 平成 26 年 4 月からの消費税率引上げにより家計費の増加が予想される中 住宅取得者の所得環境は依然厳しい状況が続いている 子育て世代の持ち家を推進する政策 3

の観点から 初期の負担を軽減することが重要であり同制度は引き続き延長すべきである 現行制度 対象住宅 : 居住部分の床面積が 50 m2 ( 共同賃貸住宅 40 m2 ) 以上 280 m2以下 固定資産税の減額措置 対象面積 一般の新築住宅 3 年間 2 分の 1( 中高層 5 年間 2 分の 1) 120 m2までの部分 3. 認定長期優良住宅に係る特例措置の延長 長期優良住宅の認定制度が平成 21 年 6 月より実施されたが 現状の普及率は 1 割強に留まっている 今後 更なる普及促進を図り 中古市場における評価が定まるまでは 同制度は引き続き延長すべきである 現行制度 1 固定資産税の減額措置 5 年間 2 分の 1( 中高層 7 年間 ) 2 不動産取得税の課税標準の特例課税標準から 1,300 万円の控除 ( 一般住宅 1,200 万円 3 登録免許税の税率の軽減措置 保存登記 : 税率 0.1%( 一般住宅 0.15%) 所有権移転登記 : 税率 0.2%( 一般住宅 0.3%) 4. 認定低炭素住宅に係る特例措置の延長 都市の低炭素化の促進に関する法律に基づく低炭素建築物新築等の計画の認定制度が平成 24 年 12 月より運用されたが 今後ともエネルギー政策の観点から普及を加速することが重要であり同制度は引き続き延長すべきである 現行制度の延長 登録免許税の税率の軽減措置 保存登記 : 税率 0.1%( 一般住宅 0.15%) 所有権移転登記 :0.1%( 一般住宅 0.3%) 4

5. 土地 住宅の取得 譲渡等に係る特例措置の延長 住宅用地の供給や流通量の拡大は 消費者の選択肢の幅を広げるとともに 不動産市場が活性化されることは成長戦略上も重要なことであり 以下の特例は引き続き延長すべきである 1デベロッパー等に対する新築住宅のみなし取得時期の特例 ( 本則 :6ヶ月 特例 :1 年 ) 2 住宅用土地に対する不動産取得税の軽減措置を受ける場合の土地取得から新築までの期間要件に係る特例 ( 本則 :2 年 特例 :3 年 100 戸以上の共同住宅等は4 年 ) 3 優良宅地の造成のために土地等を譲渡した場合の軽減税率等の特例措置の延長 5 年超 ( 長期 ) の土地等の譲渡のうち 優良住宅地の造成等のための譲渡について 下記の部分について軽減税率適用される <2,000 万円以下の部分の金額 > 所得税 10%( 本則 15%) 住民税 4%( 本則 5%) 4マンション建替事業に係る特例措置の延長 権利変換手続開始の登記に係る非課税措置 建替組合が売渡し請求又は買取り請求により取得する施行マンションの区分所有権又は敷地利用権の取得の登記に係る非課税措置 権利変換後の土地に関する権利について必要な登記に係る非課税措置 ( 税制 予算 ) 6. 良質な賃貸住宅の普及を促進する支援制度の創設 日本の賃貸住宅は 欧米と比較して一戸当たりの面積が狭く 耐震性や省エネ性に劣る住宅が多く 未だに改善が進まないのが現状である 今後 働き方 住まい方の多様化などで 賃貸住宅が求める層も増加してくるものと思われる そこで 良質な賃貸住宅の普及促進を図るために総合的な検討を行うことが必要である ( 例えば ) 1 一定以上の良質な賃貸住宅に対しては 減価償却費の割増償却制度を導入する 2 相続税における小規模宅地の評価の特例の内 貸付事業用宅地の対象面積を引き上げる 5

( 予算 ) 7. 住宅金融支援機構の融資制度による機動的な対応 2014 年 4 月以降の消費税率引き上げによる影響に注視し 住宅投資の減少が成長戦略の足かせとならないよう金利動向など市場の状況に応じて 金利引下げなどの機動的な政策を実施すべきである Ⅲ. 安心 安全 環境に優しい住宅 街の形成 先の阪神 淡路大震災では建物の倒壊による圧死が非常に多かったことは記憶に新しい 今後 東南海地震など大規模な地震が想定されている中 未だに耐震性に問題のある住宅が 1,000 万戸以上存在しており 早急に対策を実施することが必要である また 一昨年の東日本大震災による原子力発電所の問題により 日本のエネルギー需給の逼迫による影響は 生活時におけるエネルギーの見直しを迫われており 先進の技術を駆使したスマートハウス スマートシティの普及促進を図ることが成長戦略上も重要である ( 予算 ) 8. 旧耐震住宅の建て替え促進支援制度の創設 平成 32 年度までに住宅の耐震化率を 95% までに引き上げることが住生活基本計画の目標とされており 毎年 66 万戸の解消が必要となっている しかし 過去 5 年間 (H15 年 ~H20 年 ) で改善された住宅は 100 万戸 ( 年 20 万戸 ) 程度に過ぎない 昭和 56 年 (1 981) 以前の旧耐震基準の住宅は既に 30 年以上経過していることなどから 建替え等を含めた大胆な施策の実行が必要である 仮に 10 万戸の住宅が改修され倒壊を免れることになれば およそ 20 万人から 30 万人の人命が圧死からのリスクを避けられることとなる 例えば 昭和 56 年以前に建築された住宅で 耐震診断の判定の結果建替えざるを得ない住宅の場合には 除却費用の2 分の1( 上限 100 万円 ) を補助して耐震化を推進すべきである 6

( 予算 ) 9. スマートウェルネス住宅 シティ実現のための先導的モデル事業への補助制度の創設 日本再興戦略に於いて 安心 健康 省エネでバリアフリーにも配慮した歩いて暮 らせるまちづくり スマートウェルネス住宅 シティ の実現が掲げられ 次世代の 住宅 まちづくり産業の創出が示された これらを推進するために先導的モデル事業 への補助制度を創設し普及に努めるべきである ( 予算 ) 10. エネルギー関連設備機器の補助制度の継続 住宅の省エネルギー化は 住宅本体と関連する設備機器との総合的なコントロールが重要となってきている そのために エネルギー関連の設備機器についての支援は 引き続き継続するとともに 補助金制度の簡素化と申請時期等の統一化など 消費者が使いやすい制度に改める必要がある ( 例 ) 現行申請時期 太陽光発電システム 着工前 蓄電池 契約前 HEMS 設置後 燃料電池 着工前 Ⅳ. 高齢者が安心して暮らせる住宅 街の形成 諸外国に先駆け 日本は高齢社会を迎えたが 高齢者が安心して暮せるよう住宅資産の活用やサービス付き高齢者向け賃貸住宅 介護施設などの普及を積極的に推進する必要がある 11. 高齢者の住宅資産の活用促進税制の創設 高齢者が住宅資産を有効に活用して サービス付き高齢者向け賃貸住宅や介護施設などに住み替えを行いやすくするための支援税制を創設すべきである 不動産所得 165 歳以上の高齢者が自宅を賃貸にした場合の確定申告については 一定以下の不動産所得に対しては非課税や手続きの簡素化等の措置を実施すべきである 7

所得税 2 高齢者が介護施設等に入所後 5 年間は猶予期間として 自宅を譲渡した場合には居住用財産の特別控除 (3,000 万円控除 ) が適用できる特例を創設すべきである 介護施設に入所後 安心して自宅の活用方法などが検討でき 自身の将来設計もし易くなる ( 現行 : 住まなくなった日から 3 年目の年の 12 月 31 日まで譲渡が対象 ) ( 予算 ) 12. サービス付き高齢者向け住宅整備事業の継続 高齢者の居住安定推進事業の平成 32 年までの供給目標 (60 万戸 ) に対して サービス付き高齢者向け住宅整備事業は順調に推移しており 目標達成までは引き続き 1 戸当り 100 万円の補助制度は継続すべきである * サービス付き高齢者向け住宅の登録数 :H25 年 4 月末現在で 住戸数 110,134 戸 Ⅴ. 既存住宅流通 リフォーム市場の形成 長期優良住宅など良質な住宅ストックの形成が推進されている中 環境問題やエネルギー制約 経済環境の視点などから ライフサイクルに合わせた住宅取得の選択肢の幅を広げることも今後の大きな課題となっている 既存住宅の長期優良住宅認定制度の検討が進んでいるが 今後 欧米並みのゆとりある住生活の実現を図るためにも 良質な既存住宅流通 リフォーム市場の拡大が重要である 13. 居住用財産の買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例措置の延長 ライフステージに合わせた住み替えを行う支援制度として定着しており 今後の既 存住宅の流通促進を図る制度として 国民の住生活向上のために引き続き延長すべき である 譲渡益が発生した場合 1 居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例 個人が所有期間 10 年超の居住用財産を譲渡し 新たに一定の居住用財産を取 得した場合に譲渡益が発生した時は 課税を繰り延べる ( 譲渡した居住用財産の譲渡価格が 1 億 5 千万円以下が対象 ) 8

譲渡損が生じた場合 2 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除個人が所有期間 5 年超の居住用財産を譲渡し 買い換えた場合に譲渡損失が発生したとき 他の所得と損益通算及び翌年以降 3 年間の繰越控除が出来る 3 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除個人が所有期間 5 年超の居住用財産を譲渡し 譲渡損失が発生した時は 譲渡した資産に係る住宅ローン残高から譲渡価格を控除した額を限度に 他の所得と損益通算及び翌年以降 3 年間の繰越控除が出来る 14. 既存住宅の買取再販に係る不動産流通税の非課税措置の創設 ストック型社会への対応として 既存住宅を買取り省エネ 耐震改修や再生可能エネルギーを活用するなどの住宅性能向上を図った上で再販売する場合には 事業者が仕入時にかかる流通税は非課税とすべきである * 不動産取得税 登録免許税が仕入時に掛かるため 原価として算入されて消費者の負担増となっている ( 予算 ) 15. 既存住宅の長期優良住宅認定制度の普及のためのモデル事業の推進 消費者の選択肢の拡大や安心して既存住宅を購入できる消費者保護の観点などから 既存住宅をリフォームして長期優良住宅化するモデル事業に対して 補助制度を創設 して普及促進に努めるべきである 9

Ⅵ. 復興の促進 中小事業者への支援 16. 被災者向け優良賃貸住宅の割増償却制度 特別償却等の延長 1 特定激甚災害地域内において 被災者向け優良賃貸住宅を新築又は新築されたものを取得してこれを賃貸の用に供した場合には その賃貸の用に供した日以後 5 年以内の日を含む各事業年度において 普通償却限度額の50% 相当額 ( 法定耐用年数が35 年以上のものについては 70% 相当額 ) の割増償却をすることができる同制度は 引き続き延長すべきである 2 相当数の住宅が滅失した地域の居住の安定の確保に寄与する事業を行う方として認定地方公共団体の指定を受けた方が 復興居住区域内において 被災者の居住の確保に資する一定の要件を満たす優良な賃貸住宅 ( 被災者向け優良賃貸住宅 ) を取得又は新築して これを賃貸供給事業の用に供した場合には その事業の用に供した日の属する年において その取得価格の25% 相当額の特別償却又は取得価格の8% 相当額の税額控除の選択適用ができる なお 税額控除される金額は その年分の不動産所得に係る所得税の20% 相当額が限度とされ 控除しきれなかった金額については 4 年間の繰越控除ができる同制度は引き続き延長すべきである ( 予算 ) 17. 中小事業者の技術向上や技能者育成のための支援制度の継続 良質な住宅の供給促進や既存住宅の市場の活性化を図るために 中小事業者の技術力の向上や技能工の育成などの支援を継続し 地域の発展や環境技術の向上を推進すべきである 1 長期優良住宅や低炭素住宅の普及促進するための技術力向上の補助事業の拡充 継続 2 新築住宅の省エネ基準の義務化に向けて 施工技術の向上など環境整備の支援 3 技能伝承のための大工等の技能者の育成支援 4リフォーム事業者の技術力向上や市場のインフラ整備のための支援 以上 10